December 11, 2006

民主党イラクへ二万人増兵へ方針転換か?

昨日ラムスフェルドの後任として大統領に任命されていたゲーツ氏が議会の承認を受け、正式に次期国防長官となることが決定した。 

ワシントン──米上院本会議は6日、ブッシュ米大統領から次期国防長官に指名されたゲーツ元中央情報局(CIA)長官を、95対2の圧倒的賛成多数で正式承認した。

反対票を投じた2人はともに共和党議員だった。民主党議員らは、米国がイラク戦争に勝利しているとは言えないと語ったゲーツ氏が、今後のイラク政策についてブッシュ米大統領に率直に助言することを期待し、同氏の指名を好感したもよう。ただ、米国民は国防総省のトップの交代以上に、イラク政策の包括的な転換を求めているとの指摘もある。

ゲーツ氏の指名は、前日の上院軍事委員会で全会一致で承認されていた。同氏は18日に宣誓就任する。

ゲーツ氏任命の際の公聴会でゲーツ氏が「米国がイラク戦争に勝利しているとは言えない」と発言したことがアメリカメディアでは大きく取り上げられているが、だからといって必ずしもゲーツ氏はいますぐアメリカ軍はイラクから撤退すべきであるとは言っていない。以下はAPの記事より

ゲーツ氏はアメリカ軍の撤退をいつ始めるかという質問に対してはっきりした返事をせず、「現地での事情による」とだけ答えた。また氏は確認でき次第イラクへ行って米指揮官たちと相談するつもりだと語った。

後に軍撤退の時期を特定して発表するかという聞かれたことに関して、そのような日程はアメリカの弱さを象徴するものであり「(敵に)どのくらい待てば我々が去るかを伝えるようなものだ」と語った。

これなら今までブッシュ大統領がいい続けてきたこととなんら変わりはない。民主党議員たちはゲーツ氏がイラクでアメリカが勝っているとはいえないといったことだけに喜んで、では実際にイラクでアメリカはどうすべきなのかという話には注目しなかったのだろうか? いや、いくら民主党といえどそこまで間抜けではない。

以前に私は民主党勝利=イラク撤退ではない!と書いた。むしろイラクで決定的な勝利をおさめるためには増兵すらあり得ると書いた。この予測をばかばかしいと一笑に伏した輩もいるが、実は新しく民主党ペロシ下院議長から下院諜報委員会の委員長に任命されたテキサス州下院議員(民主党)のシルベスター・レヤズ氏がイラクへ二万人の増兵を考えていることを公表した。レヤズ議員はイラクのスンニとシーアの民兵は崩されなければならないと語った。

イラク増兵を訴えているのは政治家だけではない。現地の将軍たちもその必要性を訴えている

前回の民主党の勝利と、ラムスフェルド長官の辞職によって、アメリカのイラク政策はイラクより軍隊撤退だと考えていた人たちは、かなり的外れな期待をしていたのかもしれない。

December 11, 2006, 現時間 6:13 AM

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さてアメリカ時間で昨晩6時、ブッシュ大統領はテレビ放映でアメリカ国民に今後のイラク政策を発表した。まずはCNNの日本語ニュースから: ブッシュ大統領「兵力不足だった」 イラ... [Read More]

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コメント

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下記投稿者名: アラメイン伯

やはり投入した兵力が少なすぎたと思います。
イラクの治安を回復するためにはアメリカだけでなく各国に呼びかけ100万ほど動員して刀狩をするしかないと考えます。

上記投稿者名: アラメイン伯 Author Profile Page 日付 December 12, 2006 5:20 AM

下記投稿者名: Sachi

アラメインさん

エ〜、百万! それはすごい。いまのところ2〜3万という意見が多いですね。諸外国からの動員は無理でしょう。負けてるという印象の強い戦争に力を貸したがるひとはあまりいませんから。

カカシ

上記投稿者名: Sachi Author Profile Page 日付 December 12, 2006 5:20 PM

下記投稿者名: asean

こんにちはカカシさん

あのIraq Studyとかいう報告書の内容も今一つですけど、早い話が現状のイラクでは米国が
”味方として支援出来る勢力が不明なこと”が最も問題なんだということですね。

スンニ派を支援するとなると、どうしてフセイン政権を崩壊させたのか?ということになりますし
シーア派を支援するとイランとの関係、他の湾岸アラブ諸国との関係がおかしくなる。

かと言って湾岸戦争時のようにクルドだけに肩入れ出来ない。

治安回復なんて名目で2,3万程度を今更増派してもねぇ~(かと言って極端な増強は現イラク政権を無視することになってしまうので出来ない・・・)
タラバニ大統領が例の報告書にクレームを付けるのもその辺があるからですよ
統治能力が無いかのごとく悪し様に言われてしまうと、それじゃぁ現イラク政権を旧フセイン政権のように崩壊させるのか?
ってな話になってしまいますしね。

ですんで、既に「武力的な分野で何かに勝利する」というような状況ではない、ってことだけは明確だと思いますんで
治安回復ではなく、民事的な復興支援が出来る部隊をともかく投入する(これもなぁ~選挙前に実行していれば
問題はなかったんですけど)という手段しか実は残されていないんだと思いますよ。

民主党と共和党(現政権ね)とで比較すると共和党の方が実際の当事者なので民主党よりはイラクの実情に対する
実感があるってなことでしょうけど、難しいっすね

上記投稿者名: asean Author Profile Page 日付 December 12, 2006 11:31 PM

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