December 25, 2013

空の旅をまるで安全にしていないアメリカのTSA、元イスラエル空港警備専門家が語る

先日苺畑夫婦は恒例のクリスマス旅行をしたのだが、その際、何故かカカシの搭乗券には"TSA Pre"と記されていた。ミスター苺の搭乗券にはそんな文字はなし。サンフランシスコ国際空港で私の搭乗券を調べた係の人が、私は特別なセキュリティーチェックの列にならんでいいと言う。Preと指定された乗客は、鞄から何もださなくてよいばかりでなく、上着や靴を脱がなくてもよく、ベルトもつけたままでいい。携帯や小銭といった金属類は小物入れのお皿に入れて通せばいいだけ。

へえ、便利だなあ、と思ったが、フリークエントフライヤー(よく飛行機に乗る人)でないミスター苺は普通の列。せっかくカカシが速く通ってもミスター苺がつかえたんじゃ意味がない、だが、Preの連れは普通の列よりは短いPreの横にある連れ専門の列に並ぶことができる。ただ、こちらの方では普通の列と同じでコンピューターは鞄から出して、上着や靴やベルトは脱ぐ必要がある。

オバマの時代になってから一段と煩くなったTSAのセキュリティーチェックだが、私はずっとこれらの規制がどれほど空港や飛行機を安全にしているのか、かなり疑問を抱いていた。このことに関しては元TSA局長による話を以前にも紹介したことがある。

前置きが長くなってしまったが、今回は元イスラエルの空港警備に当たっていたラフィ・セラ氏の話を紹介しよう。セラ氏によるとアメリカのTSAによる空港警備はかえってアメリカの空港や空の旅を危険にさらしているという。TSAの警備にはどういう問題点があるのだろうか。

  1. 物を隠すのは簡単。 イスラエルの警備員は日に7度も抜き打ち検査をされるが、アメリカは年に一度程度。しょっちゅう入れ替わる職種なので、これでは全くテストを受けない警備員が多く居ることになる。アメリカでは挙動の怪しい人物を調べず鞄だけを調べる、しかもそれさえきちんと出来ていないとセラ氏は言う。氏は靴の中に医療用のギブスを付けているが、靴爆弾そっくりのこのギブスがセキュリティーで引っかかったことは一度もない。

  2. 視線を避ける人を見抜く。 心にやましいことがあると視線を避けるのは人の常。警備員からじっと見つめられて即視線をそらす人は要注意である。イスラエルの警備員は乗客ひとりひとりにインタビューをするが、この際質問の内容はどうでもよく、乗客がどのように係員の質問に答えるかという挙動を観察することが目的である。このやり方でイスラエルの空港ではしょっちゅう怪しげな人間を捕まえている。おかげで過去40年間一度もテロが起きていない。

  3. セキュリティー前の長い列は危険。 多くの人が並んでいる列は大量殺人を狙うテロリストにとっては恰好の場所である。2〜3ヶ月前にTSA係員が射殺された事件でも起きた場所はセキュリティーチェックの真ん前。セキュリティーを通る前だから危険物を持っていても分からないのは当然。サンフランシスコのような大きな空港ではセキュリティーチェックの列に100人以上並ぶなどというのは普通。ここは空港内でも非常な弱点といえる。イスラエルの空港では乗客を少数に分けて個別の部屋で審査をするので、何かあってもその部屋だけを閉鎖すれば他の乗客や業務員に被害が及ばない仕組みになっている。

  4. バゲージクレームも危険な場所。 セキュリティーチェック同様に飛行機を降りてから預けた荷物を受け取るラゲージクレームも危ない。多くの人々が集まって自分の荷物がキャラソルに降りて来るのを待っている場所もやはりテロリストには好都合。にも拘らず、ここにはせいぜい窃盗予防のための監視員が数人眠たそうにつったっているくらいで、警備員の姿は見られない。

セラ氏は、アメリカの警備は911同時多発テロのような飛行機の中で起きるテロだけを念頭に置いており、飛行機に乗る前や降りた後のことは全く考えていないという。こんな「警備」にいくら大金をかけてみても空港も飛行機も安全になるどころか、かえって危険な場所を作り上げている。TSAは荷物に注目するよりも荷物を持っている人間に注目すべきであり、それには挙動不審な人物を調査するプロファイリングが必要だとセラ氏は言う。

セラ氏のいうような警備をするとなると、今のような居眠り半分でレントゲン写真をながめたり、おばあちゃんや幼児を乱暴にパットダウンをしているだけのTSA係員では駄目だ。もっと有能で充分な訓練を受けた警備員を起用することが必要である。

あれだけ大金をかけて設置した全身レントゲン写真もほとんど効果がないことが解り、じょじょに使われなくなるとのことだ。全くしょうがないねオバマ政権のやることは。もっともTSAはジョージ・W・ブッシュのアイディアであるから、Wにもかなりの責任があるとはいうものの、オバマの代になって完全にハチャメチャになってしまった。ところでセラ氏のこの記事はパロディ雑誌で紹介された。それというのも氏に言わせるとアメリカの航空警備は冗談だということからパロディ雑誌が似つかわしいと思ったからだそうだ。はっきり言って笑い事ではすまされないのだが、、

December 25, 2013, 現時間 4:54 PM

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