December 21, 2013

ダックダイナスティー、人気テレビパーソナリティーへの攻撃で頂点に達した保守派の怒り

アップデートあり:下記参照


私自身は観たことはないのだが、アメリカのケーブルテレビで「ダックダイナスティー」というドキュメンタリー番組がある。これはアヒル狩り関係のアウトドア製品を販売しているロバートソン一家の生活を追っていく番組なのだが、彼らが大実業家であるにもかかわらず、南部の度田舎出身で言葉使いから物腰から田舎もん丸出し。家族業であることから家族の絆は強く、敬虔なキリスト教徒であり、番組の終わりには必ずお祈りで済ますという信者たちである。この突拍子もない家族の経済的な成功話が人気を呼んで、ダックダイナスティーはケーブルテレビでは稀にみる視聴率をあげている。

さて、ロバートソン一家の一人フィル・ロバートソンがGQマガジンのインタビューで同性愛は宗教上の罪であり理屈に合わないと語ったことに過激派同性愛グループGLAADからクレームがつき、番組制作のA&E放送局はフィルを番組から一時的に謹慎処分にすることを発表。A&Eは謝罪表明をしGLAADは大喜びではしゃいで、これにて一件落着と思いきや、フィル謹慎処分の発表があって24時間以内にフェイスブックなどのソーシャルメディアで「A&Eをボイコットしよう」「フィルの言論の自由を守れ」とかいう運動がおき、A&E放送局の社長やGLAADのウェッブサイトなどに抗議が殺到。ものすごいバックラッシュ旋風が吹きまくっている。

フィルの発言は言葉使いは悪かったというものの、その真髄はキリスト教の教えに乗っ取ったもので、キリスト教徒ならば誰でも信じていることにある。ファンやキリスト教徒のみならず、自分の宗教について語ることのどこが悪いのかという不満が人々の間から沸騰しているである。

アメリカでは、もうずいぶん長い間左翼リベラルによる「ポリティカルコレクトネス」という言論弾圧が幅を利かせているが、特に最近になって同性結婚をはじめ同性愛過激派グループによる横暴が目につくようになった。ネットワークテレビ番組ではそれがコメディであろうとドラマであろうとオネエキャラを見ない日がない。テレビだけならどうということはないが、小中高学校の授業にも同性愛関係の科目が強制的に組み込まれたり、カリフォルニアのバスルーム法など、男女かまわず好きなトイレや差更衣室を使ってよいなどという、めちゃくちゃな法案が通ったりしている。

アメリカはもともと宗教心の強い国であり、本音を言えばアメリカ人の圧倒的多数が同性愛は宗教上の罪であると感じているはずである。だが、同性愛活動家の政治的な力が大きくなった現在、同性愛について多少なりとも批判的な発言をすることは許されない。常に寛容寛容とがなりたてる運動家たちだが自分らに対する反対意見に関しては断固不寛容である。

これまでにもGLAADのような過激派団体による横暴に、多くのアメリカ人が不満を抱いていたが、政治的に正しくあることへの圧力はものすごいものがあるので、多くの人々が沈黙を守ってきた。ドクター・ローラやラッシュ・リンボーといった保守派トークショーホストが同性愛やフェミニストを批判するような発言をすると、過激派たちは番組のスポンサーに直接圧力をかけて、圧力に負けたスポンサーが番組から下りるなど日常茶飯事である。もっともこれらの番組は大人気番組なので、スポンサーになりたがる企業はいくらもいる。ひとつ二つの企業が降りても番組自体は何の損害もうけていない。

A&Eは自分らの人気番組から大事なスポンサーが降りてしまうのを恐れて、さっさと問題児を謹慎処分にして問題を解決したとおもったのかもしれないが、それは非常な誤算だったようだ。

考えても見てほしい。聖書を振り回して政治的に正しいことなどお構いなしにやりたいことをやってる保守派の超田舎者のロバートソン一家の生活を楽しんでみている視聴者とはいったいどういう人々なのだ? 彼らのなかにGLAADのメンバーがどれだけいるというのだ?

つまり、ダックダイナスティーのファンはほとんどが保守派でクリスチャンだろうと考えられる。だとしたら、ほとんどの人々はフィルの発言に同意しているだろう。だいたいフィルは単に聖書にかかれたことを自分なりに言い換えたに過ぎず、言論の自由と宗教の自由はアメリカの憲法で保証されている。A&Eは民間企業なので彼らにはフィルを処分する権限はあるが、何故キリスト教徒の発言のみが弾圧されるのかというファンたちの怒りをしずめることはできない。

ロバートソン一家はフィルなしで番組を続ける意志はないとしているので、A&Eが折れないと、結果的にケーブルテレビ始まって以来の人気番組を失うことになる。もともと番組を救うためにフィルを謹慎処分にしたのだから、A&Eは折れざるおえないだろう。もしA&Eが番組をやめたら、ロバートソン一家は別の放送局が雇うのは必定。そんなことになったら元も子もない。

市場を把握せずに政治的圧力に屈しているとこうなるという良い例である。

GLAADも今まで見たこともないバックラッシュを受けているとのことで、今後どうなるのか、展開が楽しみである。

アップデート:2013年12月27日 A&Eはフィル・ロバートソンの謹慎処分を取り消した。そりゃそうだろう。金の卵を生むあひるを、そう簡単には手放せない。

December 21, 2013, 現時間 9:24 AM

エントリーが気に入ったらクリックしてください。
にほんブログ村 政治ブログへ

トラックバック

この記事のトラックバックURL: http://biglizards.net/mt4.21/agakhantrack.cgi/5318

コメント

前のコメント

登録ありがとうございます。 さん コメントを残して下さい。 (サインアウト)

このサイトへ初めて投稿される場合には、サイト主による承認が済むまで投稿が画面に現れないことがあります。しばらくお待ちください。


登録者を記憶する(URL必要)


© 2006-2015 by 苺畑カカシ - All Rights Reserved