June 4, 2012

過激派フェミニストに見る左翼リベラルの道徳規準

前回に紹介した『対女性戦争の裏にあるもの』というナオミ・ウルフのエッセーを読んでいて、左翼リベラルの屁理屈には完全に呆れてしまった。彼女達は普通の言葉をその言葉の意味通りに使わない。わけのわからない屁理屈で辻褄をあわせようとする。いったいどういうふうに考えればそういう結論が出てくるんだというような話かたで、私には彼らの思考回路が全く理解できない。

そんなことをミスター苺に話したら、「それはねえ、君が左翼リベラルの道徳規準を全く理解していないからだよ。彼らには彼らの理屈があるんだ。それは君や僕の考える理屈とは全く異なるものなんだよ。」と言われてしまった。そして彼らの思考回路を理解しないまま、彼らはなんて馬鹿なんだろうなどと油断していると大変なことになるとも。

ナオミ・ウルフのエッセーでも下記の段落は非常に興味深い。私には錯乱した理屈と不適切な比喩に満ちた文章に見えるのだが、これこそ左翼リベラルの考え方が顕著に現れる文章である。左翼リベラル特有の意味もなく複雑な文章は翻訳が難解なので、だいたいの意訳をさせてもらった。英語に自信のある読者は原文をお読みになることをお薦めする。

ブラッドリー・マニングやジュリアン・アサンジを黙らせようとしたのと同じ体制が、医師に中絶に関するアドバイスを禁止するのであり、他人の個人的なメールや電話の会話を盗み読みしたり聴いたりするNSA(全国警備省)の捜査を認可した体制の感覚は、同意した男女のシーツの間に入り込んでコンドームへのアクセスを規制するのと同じ感覚だ。その同じビッグ・ブラザーの衝動が女性が女性の医療提供者との間で決めるべきことを政府の役割だといって割り込んで来る。

つまり女性は常に政府によって性を管理され監視されコントロールされているのだ。これこそがこれまで「ジェンダー」と呼ばれて来たものだ。 以前にも書いたように、人々の性的プライバシーをコントロールする行為は、閉鎖された社会が人々への虐待に使う常套手段のひとつである。

ブラッドリー・マニングやジュリアン・アサンジとは、前者はアメリカの軍事機密を違法に外国人に売った元軍人。後者はその情報を買い取ってウィキリークというけしからんサイトで全世界に漏洩した極悪非道な悪人。彼らの流した情報によってアメリカのみならず自由社会の安全は重大な危険にさらされることとなった。ウルフはその情報漏洩が良いことだと主張するだけでなく、そのような国家機密を守る行為と妊婦への中絶アドバイスの規制とを一緒にするという、非常に不適切な比喩をしている。

特に、ウルフの紹介した法律では、医療関係の人々が患者に中絶に関するアドバイスをしなくてもいい、というもので、してはいけない、というものではない。何故これが医師らの言論の自由を迫害するという理屈になるのか、宗教上の理由から患者に中絶の話をしたくない医師らに強制的にアドバイスをさせることこそ憲法違反ではないか?

また、宗教上の理由から避妊や中絶を禁止しているカトリック教会に対して、これらの医療サービスを保険の対象にして負担せよと雇用主に強制する行為こそ、政府による宗教迫害のコントロールではないのか? その政府による強制行為を止めさせようとする共和党が国民コントロールをしようとしているというのは話が逆さまだ。

ウルフの「コンドームへのアクセスの規制」という言葉使いの不誠実さには反吐が出る。誰もコンドームを買ってはいけないとは言っていない。女性に避妊をするなとも言っていない。ただ税金では払わないよといってるだけだ。そのどこがコントロールなのだ?自分の道徳に反することだからしないといっているカトリック教会に、その教えに反して強制的にサービスを提供しろということのほうがよっぽども政府によるコントロールではないか。

国民の生活に逐一口を出して、細かいことまで統括しようとしているのは誰あろう左翼リベラルのブラク・フセイン・オバマ王政権である。

国民皆保険を国民の意志を無視しておしつけ、それによって人々の宗教の自由を迫害し、誰がどのような医療サービスを受けられるか上からコントロールしようとしているのはウフル愛する左翼リベラル政府のほうである。

子供の肥満が社会問題だと言って人々が摂取する砂糖や塩の量の規制を促しているのはオバマ夫人のミッシェル夫人である。公共施設の自動販売機で砂糖入りソーダの販売を禁止したり、マクドナルドのハッピーミールにつけるフレンチフライの量を規制したりしているのは、皆左翼リベラルの民主党か共和党とは名ばかりのリベラル議員たちである。

性によるコントロールというなら、カリフォルニアの小学校では強制的に子供達が同性愛教育をうけさせられているのはどうなるのだ?

州民投票では必ず否決される同性結婚を裁判や議会を通じて強制的に施行しようとする行為はどうなのだ?

では、ここで上記に羅列した質問を左翼リベラルの思考回路を理解出来るというミスター苺に説明してもらおう。

左翼リベラルは個人や地元政府や州政府に政策を任せておくと、多数派による独裁が起きると考えている。中央政府には常に地方政府の横暴から少数派を守る義務がある。中央政府(アメリカでは連邦政府)による国民の権利を守る法律や政策に反対するということは、それ自体が国民の人権を迫害する行為になるという理屈なのである。

無論左翼リベラル中央政権による国民を守る法律というのは、政権がこうあるべきと考えた権利であって、実際に個々の国民が守られるべきと考えている権利とは必ずしも一致しない。いや、一致しないことのほうが多いだろう。

ウルフに言わせれば、保守派が人工中絶問題は連邦政府がとやかくいうことではなく州政府の判断に任せるべきだというと、それは、州政府の横暴を許すということになり、それに関して連邦政府がなにもしないということは、個々の国民の権利を迫害することになるのだ。実際にその州の人間が州の法律に同意しているかどうかなどということは問題ではない。個々の州民が連邦政府に自分らの生活の一部始終に口出しされたくないと考えることは、州政府のコントロールを容認することだと解釈されるのである。

おまけとして、左翼リベラル女優たちの出演している反共和党ビデオを紹介しておこう。エンベッドするにはあまりにも気持ち悪いビデオなので、興味のある人はリンク先へいってご覧あれ。

http://www.youtube.com/watch?v=4iMBUoxLOmA

内容は、「私は共和党支持です」と名乗る女性たちが、それぞれいかに共和党による女性の性に関する規制を支持しているかを語るもの。ショッキングに描こうとしてか、女性達が政府には自分の「膣」に入り込んで欲しい、と「膣」という言葉を乱発するので非常に気色の悪いビデオになっている。

左翼リベラルにとって保守派が他人の避妊や中絶費を税金で払うのはお断りだと主張する行為は、政府が女性の性生活に介入してくることになるのだ。我々保守派が政府には我々の生活に口出ししないでほしいというと、保守派は政府による国民コントロールを支持していると主張する。

それにしても、このビデオを観ていて感じたことは、いかに左翼リベラルが保守派女性を理解していないか、いかに左翼リベラルは保守派や一般有権者を馬鹿にしているかが伺われる。こんな下品で下劣なビデオで、保守派や無所属の女性達が騙されると思ってることにあきれかえるというもの。

ミスター苺曰く、このビデオをより多くの有権者に観てもらいたい。これによっていかに民主党が国民を馬鹿にしているかがはっきりするからと。

June 4, 2012, 現時間 9:40 AM

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コメント

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下記投稿者名: mhgt

(爆笑しながら・・・)

いや~~ YouTube見てきました~♪

あれ、絶対コメディー路線ですよね??って思いたくなるんですが・・悲しい中、彼女等の思考はあのようなモノでしょうね。

事実、彼女等は、私等より収入があります。
収入があり選択権も広がる人が、中絶だとか騒ぐ事って、
偽善心過ぎて・・・・(イメージダウンなんですね・・・)

私は個人的に、中絶も強く反対はしませんが、今国内的に、政府の無駄使いを削る時期に、中絶費用は、国が援助しなくても良いと思います。同じく。。。無責任な妊娠も本当は国が補助するべきじゃない。。。とも思うんです。

今はどうか分かりませんが、昔福祉で保健を賄ってる移民から聞いた話では、ちゃんと避妊手術も福祉で賄ってくれると聞きました。

=ファミリープランは、AZの福祉でも出来たのです。

レイプ、DV、又母体に危険性を伴う妊娠は、私は中絶は反対しません。(恐らく、これに関して反対する人は少ないと思います)

が、公、政府が中絶に対して補助を行うようになったら?
の方が、私は怖いです。

本当の意味でのフェミニストの方だったら、

政府の中絶予算に講義するより、女性の精神的向上の方目指すと思うんですけどね~。

今じゃ、色んな避妊法がある中、ハリウッドだったら国に頼る前に、自腹で団体施設でも作ったら良いじゃ~無いですか・・・

大きい事は言うけど、財布の口は狭いのもハリウッドなんですけどね。

上記投稿者名: mhgt Author Profile Page 日付 June 5, 2012 2:47 PM

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