April 26, 2008

なぜ人権擁護審議会を単に無視できないのか?

カナダの人権擁護審議会(HRC)に訴えられているジャーナリストのエズラ・レバント(Ezra Levant)氏が、カナダのHRCに与えられている多大なる権限について説明している

日本で提案されている人権擁護法が同じような権限を持つかどうかはわからないが、国連の法律をモデルにしているならありえることだ。いつもながら、カナダの悪例を反面教師として読者の皆さんと一緒に勉強したいと思う。

HRCは普通の法廷ではないので、単純にHRCの訴えを無視して特に出頭命令や書類提出などの要請に一切応じなかった場合どうなるのか、高い金額を出して弁護士を雇ってまで弁護にあたる必要があるのかどうか、といった疑問は誰でも持つ。それに対してレバント氏は、このように説明している。

確かにHRCの苦情を無視することはできるが、だからといってHRCが無視してくれるとは限らない。いや、それどころかHRCには警察にすら与えられていない信じられないような多大なる権限が与えられているという。

例えばアルバータ市のHRCはレバント氏の職場に令状なしで立ち入り捜査及び書類押収をする権限があるという。アルバータの法律23条ではHRCにはレバントしの自宅への立ち入り捜査も許可されているのだという。

あなたが出頭しなければ、あちらからやってきます。
HRCは正式な法廷ではない。従って法廷の命令に従わなくても「法廷侮辱罪」には問われない。 しかしHRCの判決は正式な法廷に提出される。そうなるとHRCの判決を無視することは法廷を無視することと同じであり、これを繰り返すと禁固刑が言い渡されることになる。 HRCが課す罰金には二通りある。ひとつは政府に支払うものと、もうひとつは苦情を訴えた原告側に払う場合だ。レバント氏は定かではないが、こうした罰金は普通の借金などと同じように最終的には法廷命令がでるだろうから、支払いを無視しても、銀行口座が凍結されたり給料から強制的に差し引かれることになるだろう。 弁護士ぬきでHRCに出頭することは無論可能だ。日本の法廷がどうなっているのか私にはわからないのだが、カナダやアメリカには2〜3十万円くらいまでの低金額の民事訴訟を取り扱うスモールクレイムスコートという法廷がある。こういう裁判では原告も被告も弁護士抜きで当人だけで裁判官の前でお互いの陳述をし、裁判官が判決を下す。問題になっている金額そのものが低いので裁判官に仲裁を頼む形になっている。

ところがHRCはこのような法廷とは違う。先ず第一に取り扱われる金額が高額であること、HRCの委員は原告と裁判官を兼ねており、およそ中立的な立場にはないこと、彼らには限りない資源があり、疑わしきは罰せずといった原則は存在しないこと、どういった証拠が取り入れられるかといった厳格な規則がないことなどが大きな違いだ。HRCとの公聴会できちんとした議論を提示できないと後の正式な裁判での控訴で不利になる可能性もある。

日本で人権擁護法が通れば、カカシのようなブロガーが「中国聖火防衛隊のやり方は野蛮だ」といったことが、在日中国人の気に障り、中国人への人種差別だと人権擁護審議会に苦情が訴えられた場合、私の職場や自宅に審議会の役員による手入れ捜査が令状もなくおこなわれ、私は自費で弁護士を雇い仕事を休んで審議会に出頭し、それでも負けたら銀行口座は差し押さえられ給料から罰金を天引きなんてことが簡単に起きてしまうとレバント氏は警告しているのだ。

これが言論弾圧でなくてなんだろう?これこそ人権侵害でなくてなんだろう?

人権擁護法絶対反対!

April 26, 2008, 現時間 11:45 AM

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下記投稿者名: scarecrowstrawberryfield

カカシの父から面白いコメントがあったのでこちらで掲載します。

日本での聖火リレー 済みました。萩原欽一、福原愛だったか 覚えてないが、妨害者が飛び込んできましたが、その服装が チベット国旗のバンダナ男、または中共旗を掲げた男と一緒に歩いていた男とそっくり、顔も似ていたような気がしました。

 一瞬だったので確認できませんでしたが、もし、そうだとすれば、暴力的反対はすべてやらせの感があります。日本のニュースでは何もなし、その場で抑えられましたが。日本には中国人留学生が20000〜50000人ぐらい居るらしいが、彼ら約3000人に沿道占拠され、大きな赤旗を振られては一般の日本人は遠巻きでしか見られず、本来各国を巡回するのはその国の人に親しみを持ってもらうためで、自国の人だけが、やりたいのであれば自国だけ走
れば宜しい。

 日本では警護のランナーは日本警察だけ、中国人の伴走者は2名だけ、火が消えた時再点火するだけの任務となり、其れまでの国より ましでした。警備は日本の領土内ですから、当然日本がやることで、どうしてヨーロッパでは中国の警備(公安)が伴走したのかチョット理解できません。

 ダマイラマ と対話すると 急遽発表しましたが、ほんとにするかどうだか、信用できない。

カカシのパパ

上記投稿者名: scarecrowstrawberryfield Author Profile Page 日付 April 27, 2008 3:57 PM

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