April 26, 2008

地元民の神経を逆撫でした中国愛国者たちのオリンピック熱

日本での聖火リレーの模様を朝日新聞で読んでいたら、在日中国人留学生たちが中国政府からあてがわれたそろいのジャージーを着て中国国旗持参で聖火ランナーを取り囲み、リレーも式典も地元日本人には全く見えなかった書かれている。

確かに中国は開催国だが、聖火は中国の所有物ではない。諸外国での聖火リレーでリレーに関われるのが中国人だけなら、外国で走る意味がないではないか。だったら聖火リレーなんか中国国内だけでやればよかったのだ。

しかし、中国政府はこれで宣伝効果を得たと考えているかもしれないが、日本在住の中国人たちはちょっと自分らの立場を軽々しく考えすぎていないだろうか?私が在日中国人ならかなりのバックラッシュを心配するところだ。

2〜3年前だが、アメリカで移民法改正案が提案されたとき、カリフォルニア在住の違法移民が何万とロサンゼルスのダウンタウンに繰り出しメキシコの旗を掲げてデモ行進をしたことがある。このデモ行進の目的がアメリカの違法移民の立場を向上させることが目的だったとしたら、それは完全な逆効果だった。

地元のアメリカ市民たちは大量のメキシコ国旗を振り回しながらスペイン語で抗議をしている外国人たちを見て、彼らを野放しにすれば自国はメキシコ人に乗っ取られてしまうという脅威感を持ってしまったからである。

それでなくてもカリフォルニアの各地では英語が通じない場所が増えている。中南米のひとたちは働きものなのでアメリカ人がやりたがらない低賃金の職につく。それはそれでいいのだが、カリフォルニアのファストフードやガソリンスタンドの店員はほとんどがメキシコ人でまともな英語がはなせるひとが非常に少ない。自然と伝達に障害が生じるため元々外国人に偏見をもっている地元民からしてみれば外国人労働者は忌々しい存在なのである。その人たちがメキシコ国旗を振り回して我が物顔で町に繰り出して反感を得ない訳がない。

すでに日本では中国からの毒餃子に関する中国の不誠実な態度が非常な反感を買っている。それにあわせて在日外国人への参政権などといった理不尽な提案までだされている。そのときに中国人留学生が中国政府の命令通り大量に集まって制服を着てのデモ行進をおこなったら、日本人の在日中国人に対する感情は逆撫でされるだけである。これが在日中国人にとっても日本と中国との交流関係にもプラスにはるとはとても考えられない。

中共のやり方が気に入らなくて中国を出たひとたちまでが、オリンピックフィーバーに浮かれて安易に中国政府プロパガンダの片棒を担ぐ形になっているのは非常に嘆かわしい。中国政府は中国市民のことなどなんとも思っていない。そんな政府に利用されて自分らの外国での立場を悪くしてしまうことは愚かな行為だ。中国文化を誇りに思い中国という母国を愛することには敬意を表するが、その愛国心を中国共産党にいいように利用されていることに在日中国人たちは気がつくべきだろう。

April 26, 2008, 現時間 12:27 PM

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