November 25, 2006

見苦しいアメリカ保守派のパニック状態

この間の中間選挙で負けてからというもの、アメリカ保守派の間でのうろたえぶりは見るにたえない。アメリカの保守派層、特にネオコンと呼ばれる連中はやたら悲観的でちょっとのことですぐヒステリーを起こす。私は彼等の肩をゆすって顔を平手打ちしてやりたいね。全く。

私がネットアクセスのなかった先週に保守派ブロガーの間で根拠のない馬鹿げた噂が広まった。その噂とは、ブッシュ大統領はイラクの未来をイランとシリアに引き渡しアメリカはイラクから撤退する。ゲーツ防衛大臣はそのための起用であり、イラク政策の委員会代表ベイカー氏もそのやり方を助言するというもの。

ブッシュ大統領がイラクをあきらめる? しかもイラクをイランとシリアに任せる? いったいどこからこんな妄想が生まれたのだ?

ことの発端は11月12日にカンザスシティスターの載ったこの記事を、ネオコンブロガーとしては大御所のパワーラインが取り上げたのがきっかけ。この記事にたいしてパワーラインはこのような反応を示した。

私は本当に自分が間違っていればいいと思う。だがこれはまるでまぬけな外交専門チームのみが「現実的」といって考え出しそうな陰謀に聞こえる。なんだってこの神の緑の地球上で、個別にしろ一緒にしろ、イラクの平穏化にイランだのシリアなんてのの助けがいるんだ? 奴らの有利になるという理由で彼等こそが過去三年間にわたってこの力の限りイラクの混乱を招いてきたではないか。

カンザスシティスターの記事が正確ならばパワーラインの反応も理解できる。だが常々アメリカ主流メディアの偏向報道に批判的な発言をしているパワーラインが、自分達の被害妄想に沿った報道だとその信ぴょう性も吟味しないまま記事を鵜呑みにして騒ぎ立てるのはちょっとおかしいのではないか?

だいたいシティスターの情報源とは何だ? この記事を注意して読んでみるとおよそあやしげなソースばかりである。以下はシティスターの記事からの抜粋だが、私が黒字で強調した部分に注意をして読んでいただきたい。

ワシントン:合衆国諜報部員の上層部員らが中東のそれとベーカーイラク委員会から推薦されると予測される政策について話あうために会議をくりかえしていると、中東ソースはニュースデイに語った。

推薦提案にはイランとシリアに近付くことが含まれているとされる。これは委員会のメンバーであるロバート・ゲイツも推薦している政策である。元CIA長官のゲーツ氏はブッシュ家の長年の愛弟子であり、ブッシュ大統領からこの水曜日に辞任が発表されたラムスフェルド長官にかわって防衛大臣と選択された人である...

国家諜報部のジョン・ネグラポンテ長官は委員会の推薦の一部についてすでにベーカー氏と密接に計画を進めているという。

ネグラポンテ氏の考えに詳しいひとたちからの情報によると、氏はアメリカがイランに近付きイスラエル平行してシリアにも近付きイラク復興への援助を申し込むという、ベーカー氏のグループの推薦のなかでも一番話題を呼ぶこの提案に同意していると報告されている。金曜日コメントを求められたネグラポンテ氏の報道官はこの質問には答えなかった。

「中東ソース」「〜という」とか「考えに詳しいひとたち」とか訳の分からない情報ばかりでいったいどこの誰がこんなことを言ったのか全く定かではない。だいたい国際社会や国内での批判を押し切ってイラク戦争を始めたブッシュが、数々の批判を浴びながらイラク政策を全うしてきているブッシュ大統領が、突然イラクをイランやシリアに引き渡すなんてことが常識で考えられるか? この話どう考えてもおかしい。

何かとブッシュ政権の政策に批判的で常にわい曲した偏向報道を繰り返してきたメディアが中間選挙に民主党が勝ったからといって突然正直になるわけはない。だからシテイスターのでたらめ報道には今さら驚きはしないが、このでたらめ記事を鵜呑みにしてヒステリーを起こしている保守派の連中には失望する。

私も含め保守派の多くがCIAを信用していない。だから元CIA長官であるゲーツの選択には不満な人々が多いのも理解できる。私自身ゲーツが防衛大臣として適任なのかどうかかなり不安だ。

だがゲーツ氏は未知数である。ゲーツ氏が適任かどうか分からないという不安ではじまったことが、いつのまにかゲーツ氏は信用できない、ゲーツ氏はリベラルだ、ゲーツ氏はイラクをイランに売り渡す気だ、と被害妄想がエスカレートして膨れ上がってしまっているのは何故だろう? いったい保守派はなんだってこんなパニック状態におちいっているのだろう?

この記事が報道された翌日にもブッシュ大統領はイラクを時間制限で撤退する計画はないと断言している。またイギリスのブレア首相もイランとシリアはイラクの平穏化を脅かす行為は控えるべきであり、それに協力しないのであれば両国は国際社会から孤立する結果を招くであろうと厳しい発言をしている

つまり、アメリカもイギリスもイランやシリアにイラクを引き渡す交渉をしているどころか、イランやシリアにイラクにこれ以上手を出すなと強硬姿勢を崩していないのである。

アメリカの保守派諸君、ブッシュ大統領は我々を裏切ったことはない。どれだけの批判を浴びても自分の信念を貫き通してきたブッシュ大統領は中間選挙で共和党が破れたくらいで妥協して逃げるような臆病者ではない。これまでブッシュ大統領を信じて応援してきた我々ではないか、イラクが苦境にたっている今こそ建設的にイラク安定化を計る努力をすべきではないのか? リベラルメディアが何かいう度に一喜一憂していてはうまくいくものまでうまくいかなくなってしまう。

今こそ保守派は一丸となってブッシュのイラク政策を応援すべきである。ブッシュ大統領を信用して一緒にイラクの勝利を導こうではないか! 偏向メディアの無責任記事にパニクってる時ではない!

November 25, 2006, 現時間 3:26 PM

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