September 28, 2009

クレタ島旅行記第三話: ハニヤ(Χανιά)そのα

アップデート:ハニヤの写真はこちらでご参照ください。

クレタ島についた翌日は仕事は休み。30時間近い時間をかけての移動の後で翌日から仕事などとんでもないと思ったので、私はわざと他のメンバーたちより早めの到着にした。同僚のジェシーは一応オフィスに顔だけ出しておくといっていたが、私とミスター苺はこの日はハニヤのオールドタウンを訪れることにした。

我々のヴィラがある村はアプタラと呼ばれる小さな村だが、ここから車で30分くらいのところにハニヤという比較的に大きい町がある。サインにしたがって平坦な自動車販売店が建ち並ぶ道を走っていくと、突然ごみごみした街中に入ってしまった。どうやらミスター苺が駐車は不可能だと言っていたオールドタウンに入ったらしい。ミスター苺は大昔に米海軍で戦闘機のナビゲーターをしていたことがあるせいで、いまだにその癖が抜けない。彼は常に私に運転させ「あっちだ、こっちだ」と指し図するのが得意だなのだが、コンパスをみながら北西に向かえばいいと言うミスター苺のナビゲーションにしたがって運転していたら、我々は完全に迷子になってしまった。

わけのわからない、石畳の車一台がやっと通れるような坂道をくねくねと走り回っているうちに海岸線の道についた。ハーバーからは遠くないはずだと考え最初にみつけた駐車場に車を停めた。ギリシャ語のサインがあったが、なんと書いてあるのかわからない。駐車場の目の前にあるカフェにはいり英語で道を尋ねると、店員には英語がまったく通じない。カフェのテラスでコーヒーを飲んでいた中年の男性が、「何処へいくだね?」と片言英語で尋ねてきた。

ハーバーへ行きたいんですが、というと我々は西過ぎるという。もっと東に向かえばハーバーがある。「歩いても1キロもないよ」と教えてくれた。駐車場はこのカフェの客のためのものだったらしいのだが、無料で駐めておいてもかまわないとのことだったので、車はそこにとめたまま歩くことにした。

ハニヤの町は西端と東端に古い壁がある。多分昔は四方八方壁に囲まれていたのだろうが今は西と東の壁だけが残っている。西側から町に近づいた我々は西壁に突き当たった。壁は崩れかけており、日本の城の堀を思い浮かばせるがそれよりもずっと古いのか、誰も修理をしないせいなのか、古墳のような感じだった。

クリート島にいて気が付くことは、何気なく歩いていると、何百年もしくはニ千年以上も前の建物に出会うことだ。ハニヤは地球上でもっとも長く継続している都市なんだそうで、最初のミノア文化、ギリシャ、ローマを通じてずっと四千年も現役の都市として存在してきたというのだから、さもあらんというものである。

ちょっと歩いてニュータウンと呼ばれるハーバー付近の町中に入った。大して大きくないハーバー付近は何軒ものレストランがずらっと並んでいる。日本の市場のように呼子がいて、観光客を引き込もうとかなり積極的な呼び込みがされている。ミスター苺はガイドブックを読みながら、グリークオーソドックス協会が近くにあるからそこへ行こうと歩き始めた。すると角に大きなスターバックスの店があった。

変な話だが、クリート島でただひとつアメリカらしいものを見たのはスターバックスだけ。世界中の何処にでもあると思っていたマクドナルドにはまったく出会わない。ハンバーガーやホットドックやピッツァの店はあったが、ガイドブックでも警告されている通りメニューにやたらアメリカ風の品がある店は値段も高く味も落ちるので避けたほうがいい。これは日本でも、やたら英語のサインの多い店は外国人相手に法外な値段を吹っかけるのと同じだ。

スターバックスを後ろにして南に向かって狭い道を登っていくと、このあたりは小さいがおしゃれな店が建ち並んでいる。道幅は人が並んで三人通れるか通れないかというくらいの狭い道なのだが、ニュータウンにはこういうウサギの穴みたいな狭く曲がりくねった道があちこちにあり、迷うおうがどうしようが信じられないほど素敵な店が並んでいるのだ。そして意外なところで自分の気に入った服だのかばんだの財布だのを見つけることが出来る。私は日本で探しまくってついに見つけられなかった小銭入れのガマグチを、ハニヤのニュータウンで見つけてしまった!

スターバックスを基点に東へちょっと行ったところにグリークオーソドックス協会がある。カトリック教徒のジェシーに言わせるとグリークオーソドックスはカトリックと酷似しているが多少違うところがあるそうだ。中に入ってみて気が付いたのは、カトリック教会なら必ず真正面にあるイエス・キリストの像がないこと。また祈りのためにひざまずくピューと言う台がないことなどに気が付く。たいていの場合カトリック教会は教会内での写真撮影は現金だが、ここではいくらフラッシュをつかった撮影をしてもおかまいなし。神父の衣装も変わっていて、長く白いひげをはやして黒いローブを着ていた坊さんをみて、ミスター苺はユダヤ教のラーバイみたいだと言っていた。

ところで、我々のヴィラからはネットアクセスは全くなかった。旅行会社の話では歩いていける距離にネットカフェがあるということだったのだが、そんな場所は見当たらない。ハニアまで行けばネットカフェがあるとのことだったので、ひとまずミスター苺はそこへいってブログ更新をしたいと言う。まあいい。私はカフェでコーヒーでも飲んでればいいのだから。

September 28, 2009, 現時間 2:31 PM

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