June 5, 2007

タリバン勢力が増すパキスタン北西部

ビル・ロジオによるとアフガニスタンから追い出されたタリバン連中はパキスタンの北西部で勢力を増強させているようだ。しかも彼らの活動はパキスタンの政治家によって支持されている。

パキスタンの有力政党Jamiat-i-Ulema Islam(Fazl)は、この間NATO軍に殺されたタリバンの司令官の追悼式をパキスタンのKilli Nalaiで主催し、一万人の支持者達があつまった。殺された司令官ムラー・ダドゥーラの座は弟のダドゥーラ・マンスーア、またの名をムラー・バカー(Dadullah Mansoor [also known as Mullah Bakr]、ええ~?まじで?)が継いだ。

ここで問題なのは、このタリバンの集会を主催したのがパキスタン政権(the Muttahida Majlis-e-Amal (or MMA))の有力政党であることだ。

党の有力メンバーである元議員のMaulana Abdul Ghaniや現役の国会議員であるMaulana Noor Muhammad、元上院議員のHafiz Fazal Muhammad Bareechなどがこの集会に参加した。集会では故ムラー・ドゥラーへの追悼と共に、タリバンの対アメリカ運動を掲げる「ムラー・オマー万歳、オサマ・ビンラデン万歳、タリバン運動万歳」といったスローガンが繰り返された。

「我が弟の血は無駄にはしない。我々は弟や他の殉教者の犠牲を決して忘れない」とダドゥーラ・マンスーアは群集に向かって録音で声明文を語った。「我々はアメリカを追放しアフガニスタンを開放すると言うダドゥーラの任務を完了させるのだ。」

アフガニスタンのタリバンはNATO軍の敵ではない。何度も攻撃を仕掛けてはその度に惨敗して大量の戦士を失っている。にも関わらずアフガニスタンでタリバンの勢力が衰えないのはパキスタンからの援助があるからだ。

以前に私はゲリラ先方はいずれ武器、必需品、人員の不足から正規軍には必ず負けると書いたことがある。だが、それが実現するためにはゲリラの供給ラインを切断せねばならない。タリバンの強みはパキスタンという供給ラインが常に存在していることにある。パキスタンの北西部はほぼタリバンが統括してしまっている。

困難なのはNATOはパキスタンのムシャラフとは協力関係にあるため、パキスタンからやってくるタリバン戦士をパキスタンまで追いかけていって攻撃するということが簡単にはできない。なにしろこのあたりの自治体はおもむろにムシャラフの命令に背き、タリバンに味方しているからだ。それでもムシャラフ大統領はタリバンやライバル党の政治家から何度も命を狙われたことで、タリバン退治には一時期よりは積極的になってはいる。しかしまだまだ不十分だ。

私が思うに、ムシャラフ大統領は長くはもたないだろう。近いうちに暗殺されるか失脚するかのどちらかになる可能性が高い。そうなった場合、アメリカは即座にパキスタンをタリバンから守るという口実で北部から一斉にタリバンへの攻撃を仕掛ける必要がある。そしてタリバンに協力的な政治家は即座に暗殺しなければならない。パキスタンは実際に核兵器を所持する国である。これがテロリストの手に渡ったらとんでもないことになる。この際奇麗事はいっていられない。

アメリカ軍にその用意が出来ていることを願うばかりだ。

June 5, 2007, 現時間 10:02 PM

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