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March 11, 2007

イラク最前線アメリカ軍士気高し

イラク関係

イラク最前線にマイケル・ヨンとビル・ロジオという二人のアメリカ人ブロガーがフリーの従軍記者として行っている。二人とも元陸軍特別部隊兵だが、現役時代より記者としてのほうが戦闘を見てきているのではないかと思われるほどずっとイラクやアフガニスタンに行ったきりの体当たりジャーナリストたちである。

特にマイケル・ヨンは従軍記者としての経歴も長く本も出版しているが、彼は正直な人間で状況が良くないときには良くないと報道するので、彼からのニュースは主流メディアなどよりずっと信頼できる。そのマイケル・ヨンがイラク駐留のアメリカ軍兵の士気が高いと報告している。

(車の)走行距離計が多くの従軍記者の間で高まる中、メリンジャーは俺を4000マイルもイラクの道をあっちこっち連れて行ってくれた。北から南、東から西へ、各部隊を訪問する中、軍隊はいつも軍隊に粘り強くくっついてくる人間なら大手を広げて受け入れてくれる。軍隊は俺達のことを気に入っていなくてもいいのだ。俺と陸軍との衝突は周知の事実だ。なのに彼らはいつも門戸を空けてくれる。ここに教訓となる事実がある。俺は最初の選挙直後にイラクは内乱状態にあると書いた。俺は無能な司令官を批判した。イラク特別部隊なまっすぐ撃てないとさえ書いた。アフガニスタンの当初の勝利にもかかわらず、シゲの花で金儲けしたタリバンがまた台頭してきていることも書いた。それでも軍隊は俺を受け入れてくれた。

これが俺が俺の国を誇りに思う理由だ。そしてこれがどうしてほとんどの人たちがこの戦争を見捨てたとはいえ、俺達が同胞と団結しなければならないかという警告でもある。 俺はジャーナリストの立場は理解できる。特に吹っ飛ばされたりしょっちゅう撃たれたりしてる人たちの気持ちは。だがこの戦争の結果はどれだけ一般のアメリカ市民が戦争について情報を得ているかにかかっている。実際イラクやアフガニスタンの兵士たちは記者と接する機会などほとんどない。だから自然に見捨てられた状態になってしまうのだ...

アメリカ本国ではここでの兵士らの士気が落ちているという話を良く聞く。それでこれを書きながら、俺はバグダッドにいるニューヨークタイムスのリッチ・オペルに電話して彼の見解から兵士らの士気はどんな按配かと聞いてみた。リッチは多くの兵士らが任期を延長されたことに不満を述べていると言った。これは俺も兵士らの口からよく耳にした。俺は兵士らの士気に関して他の何よりも注意をして観察してみた。特定の隊の士気が低いのは大抵の場合リーダーシップが良くないことが原因だ。たとえば手紙が定期的に届かないとか。しかし士気の高い低いを判断するのには単に数人の兵士に意見を聞いただけでは解らない。記者がイラクのあちこちで隊と寝泊りを一緒にしてこそ(士気の高低が)わかるのである。 自分でそうした体験をしてみて全体的に兵士らの士気は高いというのが俺の意見だ。

今回のイラク一周で俺はアメリカやイラクの兵士らを状況の違ったあちこちの土地で訪問した。そして俺が見て、聞いて、臭いを嗅いだことのほとんどはどの特定の報告にも含まれていない。だがそれらに加えて背景になる山のような事実が形付けられる文脈のなか、俺はある程度の専門家として語ることが出来る。ほんのちょっとだが。もし士気がおちれば俺が最初に知る。兵士らが感じ取る以前に俺にはそれが解る。 そしてもし士気がおちてきたら、俺はそのように書く。

さてもうひとりの従軍ジャーナリスト、ビル・ロジオは今週のイラク状況について、イラク・アメリカ連合軍はサドルシティへの警備強化を先週に続いて行っていると報告している。 サドルは先日イラク内のカバラからと称してビデオ演説放送をしたが、地元のイラク人の話だとサドルがいれば周りに知れ渡らないはずがないとし、サドルはいまもイランの革命防衛軍に守られながらイランで潜伏中だというのがもっぱらの噂である。

サドルの勢力を弱めるため、イラク・アメリカ軍はマフディ軍への圧力を継続している。イラク特別陸軍隊は本日(3月10日)サドルシティにて「ジャイシュ・アル・マフディ」一部の数々のイラク市民の拉致や殺人に関与しているとされるはぐれ者連中に対して手入れをおこなった。彼らはまた路肩改良爆弾で国際連合軍やイラク軍を攻撃したという容疑もかかっている。手入れにより6人が拘束された。またアメリカ・イラク軍はフサイン・アル・アサディという「有力な司令官」が殺人軍団のメンバー数人と共に逮捕した。

マイケル・ヨンの報告にも、イラクで一番危険な場所検問所だとあったが、マイケル・ヨンの報告にも、イラクで一番危険な場所検問所だとあったが、ビル・ロジオも最近の自爆テロは検問で発見されたテロリストの最終手段で爆破されることが多いと書いている。

一方イラクのアルカエダはサドルシティを標的にし続け、去年イラクを蝕んだ宗派間争いを再燃させよう必死である。イラク陸軍兵は陸軍検問で自動車爆弾を止めたが、運転手は自爆した。爆破により10人が死亡43人が負傷した。最近のバグダッド内で三つの自爆テロがイラクと連合軍によって阻止されている。

どうやらテロリスト達は検問所の厳しい警備を抜けられなくなっているようだ。

おまけ

ブラックファイブというこれも元陸軍特別部隊兵が経営しているブログがアメリカ軍による空爆のビデオを掲載しているので紹介しておこう。対航空ロケット弾をうってくる車と、車から逃げて気の影に隠れるテロリストたちが吹っ飛ぶのがみられる。

March 11, 2007, 現時間 07:01 PM | コメント (0) | トラックバック

March 02, 2007

ブッシュのイラク新作戦-三週目の成績はまずまず

イラク関係

イラクにおけるブッシュの新作戦の経過を折々ご報告しているが、今回もそのシリーズを続けて行きたい。過去の関連記事は次の通り。イラク関係に興味のある方は右側の帯にあるカテゴリーからイラク関係を選んでいただければ、これまでの私のイラクに関するエントリーを読むことが出来るのでよろしく。

効果をあげるブッシュのイラク新作戦
イラクでの殺人減少の兆し、ブッシュ新作戦の効果か?

さて、この三週間のイラクでのイラク・アメリカ連合軍による警備活動は非常に大きな効果を挙げている。jules Crittendenがその総まとめをしているので、英語に自身のある方はそちらを読んでいただければ手っ取り早い. しかしそれでは私が日本語で書いている意味がないので、ここでそのいくつかをご紹介しておこう。

まずは三月一日付けロイターのこの記事によるとアンバー地区にてイラク軍は何十人ものテロリストを退治したとある。

バグダッド (ロイター) - イラク警備隊は水曜日、西アンバー地区の村を襲撃したアルカエダとの丸一日に渡る激しい戦いで、アルカエダの武装勢力を何十人と殺害したと警察当局は木曜日に発表した。

スンニの種族長たちによる同じスンニ派であるアルカエダとアンバー地区の統括を巡って勢力争いは激しくなるいっぽうだ。アンバーは膨大な砂漠地域でスンニアラブ反乱軍の本拠地である....

イラク内政省の報道官アブドゥール・カリム・カーラフ氏は地元民がアルカエダに反抗していたアミリヤットアルファルージャというアンバー地区の村での衝突でアフガニスンや他のアラブ人を含む外国人戦闘員を混ぜた武装勢力80名が殺され50名が拘束されたと発表した。

地元警察のアクメッド・アルファルージ氏は殺された武装勢力は70人で警察菅が三人殺されたと語っている。正確な数の確認はまだ出来ていない。

「あんまり多くの(テロリスト)が殺されたので、確実な死亡者数をお伝えできないのです」と警察はロイターに語った。

目撃者の話によると何十人というアルカエダのメンバーが村を襲撃したため、逃げた村民がイラク競売に助けを求めたことが警察とイラク兵士の動員となった。

この間から地元スンニイラク人と外国人テロリストであるアルカエダとの分裂が激しくなっているという話をここでも何度かしてきたが、スンニイラク人対スンニ外国人との戦いは今後ももっと激しくなると思われる。アルカエダがイラクで勢力を失ってきている証拠である。またイラク軍のお手柄にも拍手を送りたい。

昨日も産経新聞がバグダッドではシーア民兵を温存しているという批判的な記事が載ったのとは裏腹に、実際にはイラク・アメリカ軍の連合軍がシーア民兵マフディ軍の本拠地に徹底的な取り締まりを続けている。

サドルシティでは検問所をあちこちに設け、町の家々を一軒づつ捜索してまわる作戦が取られている。サドルシティ内部での厳しい取り締まり作戦はこれまでシーア派の政治家による反対が強く実施できないでいたが、今回はこれまでとは全く違った徹底したものになるという話である。

さて、問題のバグダッド市内だが、バグダッドはあまりにも静かなため、いつもイラク反戦の主流メディアですら静かだというニュースしか報道できないでいりう。jules Crittendenはそれ自体良いニュースに違いないとして、これまでイラク戦争についていい話しなどめったに書いたことがないAPの記事を紹介している。

バグダッド-(AP) バグダッドは木曜日、ここ数ヶ月において一番暴力事件の少ない日を経験した。二つの爆発で一人が死亡したと報告されている。

アメリカ・イラク連合のバグダッド警向上作戦三週目にしてバグダッドは比較的暴力の少ない日を迎えた。ブッシュ大統領は首都において個々の家々を回って捜索し民兵の非武装化にあたる警備に17,500人の米兵をあてがるよう命令した。

米軍は月曜日路肩爆弾の数も警備作戦が始まってから20%減ったと発表した。また、宗派間の殺人件数もここ一年間で最低の数になったという。

昨日ミスター苺がローカルニュースをテレビで観ていたら、イラクに関しては悪いニュースしか報道しないローカルニュースですらも、ブッシュの新作戦を評価する報道をしていたという。「増派といわずに警備作戦と呼ぶようになったみたいだ。」とミスター苺。そういえば、ロイターでもAPでも「増派」という言葉が聞かれなくなった。

無論アルカエダは今後もあの手この手で攻めてくるに違いない。自動車爆弾テロは成功すれば50人~60人といっぺんに殺すことが出来るので、まだまだ油断は許されない。だが、今のところ新作戦の成績はまずまずといったところだろう。

March 02, 2007, 現時間 11:56 PM | コメント (0) | トラックバック

イラク掃蕩作戦に悲観的な産経新聞

イラク関係 , 狂ったメディア

同じ状況をみていてもこれだけ見解の差があるのかという記事を読んだので、ちょっとコメントしたい。産経といえど主流メディアであることに変わりはないし、何とかブッシュの新作戦のあら捜しがしたいようだ。

「掃討作戦」開始から2週間 シーア派、民兵温存と題して村上大介記者はイラクでの掃蕩は殺人の数なども減り、一見うまくいっているかのように見えるが、これはサドルとマリキ首相が事前に打ち合わせておいた「一時的潜伏」作戦の結果であり、アメリカの作戦がうまく言っているという意味ではないとしている。

イラクのイスラム教シーア派民兵組織とスンニ派武装勢力を標的とした駐留米軍とイラク治安部隊の大規模掃討作戦開始から2週間たった。最大の目標とされていた宗派抗争による無差別殺人は激減したものの、これは宗派殺人の中心となっていたシーア派民兵が事前に潜伏したためだ。シーア派側にうまくかわされた形の今回の作戦では、宗派抗争の実行部隊は温存される一方、スンニ派武装勢力の仕業とみられるテロも続いている。...

汎アラブ紙アルハヤートなどによると、サドル師は、マリキ首相の密使として派遣されたジャアファリ元首相(シーア派)との会談で「マフディー軍潜伏」を決断したという。「掃討作戦の対象はシーア派、スンニ派を問わない」との公式な立場を取るマリキ首相も、マフディー軍の「一時的潜伏」により大規模掃討作戦の目標の半分が、実質的に空振りに終わることを、暗黙のうちに認めていることになる。

 イラクの多数派として政府、議会の主導権を握るシーア派勢力にとって、コミュニティー内部の権力闘争や思惑の食い違いはある。しかし、米軍の段階的撤退が視野に入ってきた現状で、その後も“シーア派覇権”を維持するために独自の軍事力の温存は宗派全体としての中・長期的な“戦略的利益”にかなう。

敵が攻めてくると、さあ~と退いて身の潜め、敵がいなくなったら再び浮上するというやり方は、アラブ人特有の戦闘方法である。 アラブ戦闘員はおよそ踏ん張って守りの戦をするということをしない。このやり方は相手の数が少なく侵攻した領土を相手側が守るだけの人員が足りない場合には成功する。だが、一旦明け渡した領土に敵が居座ってしまったらどうなるのか。以前にもサドルの計算違いで書いたようにサドルはアメリカ軍2万1千の増派の意味をきちんと把握していないように思う。

サドルはこの機を利用して自分が気に入らなかった部下を連合軍に売り渡したりしているが、拘束されていつまでも釈放されずにいるマフディ軍の連中がサドルの裏切り行為を悟るのは時間の問題だ。そうなったとき、彼らは自分らの知っている情報をアメリカ軍にどんどんしゃべり始める可能性がある。どこで路肩爆弾を製作しているとか、どこにアジトが集中してるとか、イランとどのように連絡を取っているとか、エトセトラ、エトセトラ。

また、カカシが予測した次のような可能性も考えていただきたい。

最後にここが一番の問題だが、アルカエダの勢力は昔に比べたら大幅に衰えている。シーア派民兵が抵抗しなければバグダッドの治安はあっという間に安定する。つまり、サドルの思惑はどうでも傍目にはブッシュの新作戦が大成功をしたように見えるのである。アメリカ議会が新作戦に反対しているのはこの作戦が失敗すると思っているからで、失敗した作戦に加担したと投票者に思われるのを恐れた臆病者議員たちが騒いでいるに過ぎない。だが、新作戦が大成功となったなら、奴らは手のひらを返したようにブッシュにこびへつらうだろう。そして勝ってる戦争なら予算を削ったりなど出来なくなる。そんなことをすればそれこそアメリカ市民の怒りを買うからだ。

結果アメリカ軍は早期撤退どころか、イラクが完全に自治ができるまで長々と居座ることになるだろう。

しかし産経新聞はアルカエダとの戦いもそう簡単にはいかないと悲観的である。

米軍とイラク治安部隊は、自動車爆弾の取り締まりに力を入れ、バグダッド市内の通行が不自由になっている。このため、米軍は、武装勢力側が従来以上に「自爆テロ」の手法を多用してくると予測しており、スンニ派武装勢力に限っても、掃討作戦成功へのカギはみえていないのが現状だ。

「掃討作戦成功のカギはみえていない」などと断言できるのは村上大介記者に想像力が無いからである。村上記者自身がイラクでの自爆テロは20%ほど減っていると書いている。これはいったい何が原因だと村上記者は考えるのか。まさかアルカエダまでが潜伏作戦を取っているわけではあるまい。

では何故アルカエダからの攻撃が減っているのか。その理由は簡単だ。イラク・アメリカ軍の対応が向上し、多くのテロが未然に防げるようになったからである。確かにアルカエダの連中はこれからも新しい方法でアメリカ軍やイラク人を攻撃してくるだろう。だがこれまでにも敵の動きにあわせて順応してきた連合軍が、これからも敵の作戦変更に順応できないという理由はない。それを全く考慮にいれずに作戦成功へのカギがみえていない」などとよく言えたものだ。

成功している作戦ですらここまでこき下ろす主流メディア。イラク新作戦の成功は文章の行間から読まなければならないようである。

March 02, 2007, 現時間 12:30 AM | コメント (1) | トラックバック

February 28, 2007

イラクでの殺人減少の兆し、ブッシュ新作戦の効果か?

イラク関係

本日イラク・アメリカ連合軍はいよいよシーア派民兵の本拠地であるサドルシティに攻め入った。この攻撃を報道したAPの記事には大事な点がかなりぼやけて表現されているので、ここで分かりやすく大事な箇所を青文字 で表して分かりやすく説明してみよう。(ミスター苺の分析を拝借した。)

  • アメリカ・イラク連合の特別部隊はサドルシティでの手入れにおいて16人の逮捕した。家族たちは彼等は無実だと主張している。警備作戦サドルシティ奥深くに侵入する。
  • イラク警察は昨日シーア派のアデル・アブドゥール・マフディ副大統領を殺そうとした容疑者を逮捕した。イラク警察は高度な捜索の技術を身に付けはじめている。
  • 警備作戦の始まりで暴力沙汰が不足しているのか、24時間でAPが見つけることが出来た死体はたったの28体。イラク・アメリカ連合軍による警備作戦によって殺人件数は減少の傾向をたどっている。

ここで注目すべきなのは作戦開始の前までは犠牲者の数は 一日100人だったのに作戦開始後は20-30人に減ったことだ。.

さらに今日のAPニュースでは、自動車爆弾や自爆テロなどによる犠牲者はまだ出ているが、シーア派得意の暗殺形殺人が極端に減っているという。

爆弾テロは減っていない。火曜日にはバグダッド近郊ですくなくとも10人が殺された。しかし、警備作戦の成功はしたい安置所で計ることができる。それは体中に民兵の犠牲となり体中に銃弾を打ち込まれた遺体が首都の町中で発見される例が急激に減っていることである。

バグダッドにおいて今月発見された遺体のなかで射殺され拷問の痕のあるものは一月の954体から494体へと50%近く減っている。APの収集した資料によれば去年の12月にはその数は1222体だった。

「過去三週間に渡って減少が見られます。非常に激しい減り方です。」とイラク、アメリカ軍司令官のナンバー2にあたるRay Odierno中将は語った。

多くのスンニは殺人のほとんどがマフディ軍のようなシーア民兵かシーア警察官の一部にいるならず者のしわざだと長いこと主張してきた。

まだアメリカ軍の増派は20%程度しか完成していないにも関わらず、戦闘規則を変えただけでこうも効果があがるとは驚きだ。この調子なら増派二万一千兵の動員が完了する頃にはバグダッドは結構平定されているかもしれない。まだ作戦が始まって二週間も立っていないのに、反戦主義のAPですらアメリカ軍の手柄話を報道せざる終えなくなったとすると、この作戦、イラクでも気の短いアメリカ国内でも成功する可能性が高まった。

February 28, 2007, 現時間 04:12 PM | コメント (0) | トラックバック

February 27, 2007

ブッシュ新作戦が生み出したそれぞれの思惑

アメリカ内政 , イラク関係

さっきホットエアを読んでいたら、これまでカカシが書いてきたことをうまくまとめているのでそれを参考に私自身の考えもまとめてみよう。ブッシュの新作戦はまだ2週間もたっていないというのに、イラクの各勢力やアメリカ国内で様々な波紋をよんでいる。

1. シーア対シーア

私はシーア派への連続爆弾攻撃はサドルの仕業? まさかねでサドルが、自分の支持するダワ党のライバル党であるイラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)の有力者アデル・アブドゥール・マフディ副大統領を暗殺しようとしたのではないかと書いたが、サドルが抹殺しようとしているのはライバル党の政治家だけでなく、自分に忠実でないと思われるマフディ内部の幹部もその対象になっているようだ。

ご存じのようにサドルはイランあたりに隠れて影からイラクのマフディ軍に命令を下しているが、サドルは密かに信用できる幹部はイランなどの避難させ、気に入らない部下を連合軍に売り渡しているらしい。このやり方でサドルはすでに40人以上のマフディ幹部を中和してしまったという。

このようなサドルの対応はイランへの警告の意味もあったらしい。それというのもイランはサドルを通過してサドルの部下に直接援助をしていることが分かってきたからである。イランにとってはイラクが混乱状態にあればいいのであって、サドルなどいずれは用済みになる存在である。イラク・アメリカ連合軍による警備強化でサドルが我が身可愛さに戦わないのであれば、イランはサドルなどに構わずサドルに取って代わろうという野心家に手を貸して連合軍への抵抗を計ることも出来るというわけだ。

またイランが手を貸しているのはマフディ軍だけではない。サドルほどは親密でないとはいえ、ライバル等のSCIRIのなかにも反米でイランと通じている人間が何人かいる。マフディがだめならSCIRIがあるさ、、てなもんである。

サドルの、ほとぼりが冷めるまで大人しくしているという作戦は、案外裏目に出るかもしれない。(ついでにサドルがイランで暗殺でもされれば非常に都合がいいのだが、そうはうまくいかないだろうな。)

2. スンニ対スンニ

バグダッドでの増派が新聞の見出しを独占しているなか、4000の海兵隊員はアルカエダの影響力が強い西部のアンバー地区掃蕩に向かっている。スンニ反乱軍のグランドゼロであるラマディでの戦いは4月になるだろう。ペトラエウス将軍はサダムバース党の元将軍たちを戦闘に起用するつもりらしい。多くのスンニが「スンニを守る」はずのアルカエダを完全に、そして極度に憎むようになってきているおかげで、この作戦はうまくいくかもしれない。--ホットエア--

昨日もアルカエダに反抗的なスンニ派イラク人がアルカエダの自動車爆弾によって大量に殺されたという話をアルカエダ、スンニ派への攻撃激化の持つ意味でしたばかりだが、スンニの間でも強行派の外国人テロリストとバース党残党との間で亀裂がどんどん深まっている。アルカエダが暴力によってスンニ派の寝返りを防ごうとしてるなら、スンニ派は忠誠心よりもアメリカが後押しをしているイラク政府側につくのとアルカエダにつくのとどちらが自分達にとって有益かという選択をするだろう。やたらにスンニのモスクをふっ飛ばして信者たちを大量殺害しているようでは、アルカエダもスンニ派の支持を保つのは難かしいのではないだろうか?

3. 民主党対民主党

マーサ議員の馬鹿げた決議案のおかげで、民主党でもブルードッグと呼ばれる鷹派とムーブオンと呼ばれる反戦左翼との間で大きく亀裂が生まれている。

マーサ議員の失態で、先の選挙で多数派になったとはいえ民主党は党としての方針が統一されておらず、イラク政策についても全くまとまりがついていないことが顕著となってしまった。

お気に入りのマーサ議員の失態はペロシ議長でも弁護しきれないほどひどかった。マーサ議員をずっと押してきた彼女としてはかなりきつい立場に立たされたことになる。

ところで反戦左翼に押され気味の民主党は気をつけないと上院で多数議席を失う可能性が出てきた。鷹派の民主党議員として出馬し反戦左翼の陰謀で民主党候補の座を追われ無所属として立候補して見事当選したジョー・リーバーマン上院議員は、もし民主党の議会が戦費を拒否するようなことになれば今後は共和党と共に投票すると宣言しているからだ。そうなれば上院議会は一票差で共和党が多数派としてひっくりかえる。

それもまたおもしろいかも。

February 27, 2007, 現時間 12:50 PM | コメント (1) | トラックバック

February 26, 2007

シーア派への連続爆弾攻撃はサドルの仕業? まさかね

イラク関係

The English version of this entry can be read here.

今日はミスター苺のエントリーをそのまま紹介しよう。以下Big Lizards.net/blogより。

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ちょっとここ数日偶然にしては出来過ぎている事件がいくつも起きているので、ここでちょっと気になる点をあげてみた。

  1. モクタダ・サドルがイラク作戦変更と同時にイランへ遁走。
  2. サドルはマフディ愚連隊の仲間たちにもすみやかにイランへ避難しろと命令。あっと言う間にマフディ軍の姿はイラクから消えてしまった。
  3. 安全な場所からサドルはイラクに残っているマフディ軍のメンバーにほとぼりがさめるまで抵抗せずにじっとしてろと命令した。
  4. マフディ軍が街から姿を消したのと同時に、偶然にも大掛かりな自動車爆弾がシーア派居住地区で続けて爆発。しかも一つはシーア派の副大統領アデル・アブドゥール・マフディ氏の暗殺を狙ったものだった。
  5. サドルはすかさず「占領軍」が「スンニ」によるシーア攻撃をとめることが出来なかったと声明文を発表。「警備強化の真っ最中であるにも関わらず、我々は連続自動車爆弾によって我々の愛する罪のない市民が何千人と殺されるのを目の当たりにしている。」

    (無論この何千なんてのは大げさで、犠牲者の数は100人未満だろう。それに警備強化は真っ最中どころかまだはじまって二週間もたっていない。アメリカからの援軍もまだ予定の20%程度しかイラクに入国していない。こんな言い方はしたくないが、サドルはちょっと数字に弱いんじゃないだろうか?)

  6. 最後にブッシュの新しい作戦は完全に失敗だという見解が、サドルもイランもそしてアメリカメディアも全員で一致している。まだ計画のほんの一部しか実行されていないというのに!

このAP記事の巧みな結論に注目されたし。

サドルの声明文は、少なくとも42人が殺されたシーア派専門学校での爆発事件とほぼ時を同じくしてバグダッドにいるサドルの助手によって発表された。アル・サドルの手厳しい言語をつかった声明は今後の警備が難かしくなることの深刻さを示している。

ちょっと一歩下がって全体像を見てみよう。新作戦の前まで一般にいわれてきたことは、スンニとシーアのテロリストによって毎日平均100人のイラク人が殺されていたということだ。ブッシュの新作戦が始まって12日、この計算でいくと1200人のイラク人が殺されていなければならないはずだ。しかし1200人はおろか250人も殺されていない。ということは新作戦が始まってイラクでの死者の数は 80%も減ったことになる!新作戦が大成功だとは言わないが、少なくとも民主党がブッシュ大統領の政策をことあるごとに「無惨な大失敗」 とけなしているほど悪い結果ではない。

しかし昨日も今日もシーア地区で、あたかもサドルが予期したアメリカ軍による警備強化は大失敗するという事実を裏付けるかのように自動車爆弾が爆発した。マフディ軍なくしてシーアは安心できないというサドルの声明文が読まれたのと、まるで打ち合わせでもしたかのようにちょうどいいタイミングだった。

サドルはよっぽど運がいいのか、それともお〜? もしかして〜? ん? 僕の考え過ぎ?自動車爆弾を爆破できるのはスンニテロリストだけとは限らないからね〜。

もっともシーア派への自動車爆弾攻撃がサドルの仕業だなんてことを言うのは邪推というものだろう。まさかいくらサドルでも自分の政治勢力を有利にするために同族のシーアを殺すなんてことはしないだろう。いくらそれがアメリカ軍を追い出す結果になるからといって、いくらなんでもサドルにだって多少の愛国心はあるだろうし、、、

それにサドルがシーア派の副大統領を暗殺しようとしたりするだろうか? スンニ派の副大統領もいるというのに。アブドゥール・マフディはサドルにとっても仲間のはず, だよね?

いや...それがそうでもないんだなこれが。ウィキペディアによると アデル・アブドゥール・マフディ(Adel Abdul Mahdi)はSCIRIのメンバーである。首相の ノーリ・アル・マリキ(Nouri al-Maliki)はサドルの強い味方と噂されている。(口の悪いひとはマリキは、自分がイランの飼い犬であるサドルの、そのまた操り人形だとさえ言う。)そのマリキはダワ党の人間。

SCIRI とダワは宿敵だ。同じシーア派の支持を得ているとはいえ憎みあってるライバル政党なのである。しかもSCIRIはダワ党よりも強力でサドルにしてみれば邪魔な存在。

アブデル・マフディは長年隣国のイランに基盤をおいていた強力なシーア党であるイラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)のリーダーで、アメリカ政府の政策には反対していたがクルドやイラク全国議会(Iraqi National Congress)を含むアメリカが支援しているサダム・フセインに対抗するほかのグループとは強いつながりがある。

現在サドルはダワを通じてイラク政府をコントロールしようとしてるわけだが、暗殺されそうになった副大統領はダワのライバル政党のSCIRIのリーダー。-- ただの偶然かなあ?.

これらシーア派への連続テロ行為がスンニテロリストの仕業だという証拠はまだ確定されてない。第一爆弾積んだスンニのトラックがシーア派市民が目をこらして見張っているシーア居住区に簡単に入り込めるというのも変な話だ。

でももちろん僕はこれがサドルの自作自演だなんていう気は毛頭ないよ。いくらサドルがイランの息がかかってるからってそんなことがあるはずないよな。トム・クランシーの読み過ぎかな?

February 26, 2007, 現時間 06:10 PM | コメント (0) | トラックバック

イラク増派阻止議案で大失敗、マーサ議員赤恥を掻く

アメリカ内政 , イラク関係

下院でイラク増派反対という拘束力はないが抗議としては意味のある決議案を通すことが出来民主党は気を良くしていた。この議決が上院でも通り国民の支持を得られれば、それを踏み台にこの次はいよいよ拘束力のあるイラク戦費停止議案も通せるかもしれないと意欲を燃やしていた。

しかし翌日の上院議会では可決に必要な賛成票を60票を集めることができず採決にすらもちこめずに議案は果てた。上院議会で可決できなかったことだけでなく民主党にはもうひとつ問題が生じた。

下院議会が反増派議案を通す直前、海兵隊出身で退役軍人としても申し分ない肩書きのあるジョン・マーサ議員がある議案を提案したのである。これはアメリカ兵が出動されるにあたって十分な休息期間をとっていなければならないとか、武器の安全性を確かめてからでなくてはならぬとか、一見アメリカ兵たちの身を守るかに見える提案だった。

民主党にとっては決して悪い議案とも思えないのだが、何故か民主党からは支持を得ていない。それどころか発案者のマーサ議員から距離を置こうとする動きさえ出ているのだ。そのことについてワシントンポストが詳しくかいている

民主党の新人ジョー・セスタック下院議員は退役海軍大将でイラク戦争反対派として政治力を得たひとだが、セスタック議員はマーサ議員の案はまだ救える部分もあるとしながら、反戦家として声高の議員もマーサ議員の軍隊の作戦に干渉する提案は「ちょっと不安」だと語る。「私はつい最近まで軍隊にいた身ですから、その経験から言わせてもらいます。」

どうもマーサ議員の独断的な行動は民主党内部でも問題なようだ。例えばマーサ議員はこの議案についてもほかの民主党議員達と、きちんと話あった上での発表ではなかったようだし、彼主催の反戦ウェッブサイトをはじめるにあたっても下院議長のペロシ女史にすら話しを通していなかったというのである。

マーサ議員の議案は実際には戦闘員の準備状態や武器の安全性など理不尽な条件をつけて大統領がいちいち議会にお伺いをたてないと軍隊が出動できないようにするという裏口から増派阻止をするという提案だったため、共和党からは戦費を削り取ろうとする陰謀だと激しい攻撃を受けている。にも関わらず民主党からマーサ案を弁護する声は全く聞かれない。

マーサ議員を援助してウェッブページをはじめた元下院議員で反戦運動家のトム・アンドリュース氏は激怒している。「問題は民主党にはどれだけ根性があるのかってことですよ。共和党がいくつもタッチダウンのパスをやってるというのに、民主党はフィールドにすら出てないんですから。」

それに間抜けなことに、マーサ議員はこの案の本当の目的がブッシュ大統領のイラク増派だけではなく、ブッシュ大統領の外交政策をことごとく阻止することにあるとべらべらウェッブサイトのインタビューでしゃべってしまったので、「軍隊を支持する」と主張してきたペロシ議長の足を踏み付ける結果となったのである。

民主党は全体的にイラク戦争には反対とはいうものの、必ずしも戦争をどう終わらせるかという点では意見が一致していない。

退役軍人やイラク帰還兵からなる議員たちの間では、動員されている軍隊の作戦に支障を来すような戦費差し止めは好ましくないという意見があるし、即刻撤退を望む左翼側は戦費を差しとめるなら差しとめるでさっさとやれ、とマーサの遠回しなやり方には多いに不満がある。

マーサ議員の勝手な一人歩きが民主党の間に深い亀裂をもたらしたようである。

February 26, 2007, 現時間 03:41 AM | コメント (0) | トラックバック

February 24, 2007

アルカエダ、スンニ派への攻撃激化の持つ意味

イラク関係

24日、バグダッド近郊のある聖廟でトラック爆弾が爆発し35人が死亡、60人が負傷するという事件があった。バグダッドで自動車爆弾が爆発したというニュースを聞いても、またか、と思われる方も多いだろうが、明らかにアルカエダの仕業と思われるこのテロの標的がスンニイラク人であることが興味深い。

外国人勢力であるアルカエダと地元抵抗勢力だったスンニイラク人とは、フセイン政権崩壊後米国及び同盟軍をイラクから追い出すという目的で当初は協力関係にあった。だが地元イラク人を卑下しているサウジ・ヨルダン系の外国人勢力とイラク人との間では最初からかなりの亀裂があった。特にザルカーウィのシーア派に対する残虐な行為は同じイラク人であるスンニ派イラク人からかなりの反感を買った。

すでに2004年の暮れあたりから外国人勢力に嫌気がさしたスンニ派部族のリーダー達が内々にではあるがアメリカ軍と和平交渉をおこなってきたことをご存じの方も多いだろう。アメリカ軍の新作戦が始まりテロリストへの取り締まりがより厳しくなるにつけ、無駄な抵抗は止めて安定したイラク政府を求めるスンニイラク人と、なんとしてでもイラクの混乱状態を保ちたいアルカエダ勢力との間の亀裂がさらに深まったものと思われる。

(攻撃を受けた)バグダッドから50マイルほど西にあるハバニヤーの聖廟のイマームはアメリカに支援されているイラク政府へのアルカエダを含めた武装勢力の攻撃に反対していた。

すくなくとも35人が殺され62人が負傷したと、ハバニヤーのアブドゥール・アズィズ・モハメッド少尉は語った。ハバニヤーは反乱軍の温床であるラマディとファルージャの中間に位置する。

犯行を認める宣言はまだ誰もしていないが、バグダッドの西にあるアンバー地区のスンニ同士の争いだという疑いが強い。武装勢力は最近政府を支持し暴力に抗議するスンニリーダーたちへの攻撃を強めている。

このようなテロ事件が相次ぐことで注意をしてみていないとイラクは混乱がさらに深まっているような印象を受ける。だが、アルカエダによるスンニイラク人への攻撃が増えているということは、それだけ反乱軍内部でのまとまりがつかなくなっているということを意味する。これがあともう少しで勝利をつかもうという勢力の行動だろうか? 長期に渡る戦争に疲れてきたのはアメリカ市民だけではないのだ。

アメリカのメディアも含め世界中のメディアはほとんど報道していないが、イラクではアメリカ兵ひとりが戦死するにあたり、その10〜20倍のテロリストが殺されているのである。アメリカ市民がアメリカ軍の犠牲で士気が弱まるのであれば、その十何倍の犠牲を出している敵側の士気消失も過小評価すべきではない。

スンニイラク人の立場に立って考えてみれば、これ以上の抵抗に何の意味があるというのだろう?フセインは処刑されてしまった。戦争によるバース党の再興は先ず望めない。外国からの助っ人は次から次に殺されてしまう。にも関わらず新イラク政府はくずれそうもない。アメリカメディアやアルカエダが繰り返しアメリカ軍は臆病者だからちょっと踏んばれば逃げ出すと繰り返しているにも関わらず、そんな気配は全くない。民主党が選挙で勝ったらアメリカ軍は退散すると聞いていたのに、アメリカ軍は撤退するどころか増派計画を進めている。いったいこんな戦いが何時まで続くのだろう? かといって自分達は外国人テロリストのように自爆する気などさらさらないし、「おい、もう駄目なんじゃねえのかこの抵抗ってやつさあ、この辺が潮時じゃねのかあ?」と考えているスンニ派も多いのではないだろうか?

またこのテロ攻撃がバグダッド市内で起きたことではないということにも注目すべきである。ファルージャ地域、特にアンバーはアルカエダテロ軍団の本拠地であるはずだ。自分達の本拠地で自分らへの犯行分子を処罰するような行為に出ているアルカエダの状態を考えてみよう。

イラクでテロがあったというニュースを聞いて、『アメリカの新作戦はうまくいっていない、イラクはこれまで以上に荒れている』と判断する前にテロ攻撃は何処で起きて誰が誰にやっているのか考える必要がある。

私はこれはアメリカの新作戦がうまくいっていて、アルカエダが追いつめられている証拠だと考えるが、みなさんはどうお考えだろうか?

February 24, 2007, 現時間 05:27 PM | コメント (2) | トラックバック

February 23, 2007

アメリカ軍がイラクで戦う意義

イラク関係

先日カカシはイラク戦争に勝つのは重要で70%近くのアメリカ人がイラク戦争に勝つことは重要であると考えていると書いたことに関して、いったいイラクで勝つとはどういうことなのか、という質問がアセアンさんからあった。それについてアセアンさんはご自分のブログで穏健派?タカ派?という題名で書いておられるのでこれについてちょっと返答してみよう。

軍隊は外交交渉が潰えた後に出番が回ってくる的な言説もある訳ですが、それをそのまま使用するならば現在のイラクの状況は「話し合い」という手段が尽きてしまった為に「軍隊」という武力組織が登場していることになります。

つまり、相手を脅しつけようとして”手を振り上げた”状態ではなく、「既に相手をぶん殴ってしまった状態」な訳です・・・そのぶん殴られた相手とはフセイン大統領であり、彼の政権、体制だったのですから、そういう意味ではブッシュ大統領が既に発表しているように「軍事的な勝敗は決した!(=米国が勝利した)」のは間違いがないと考えます。(結論を言うと、一旦、行使してしまった軍事力はその強弱に関係なく、最後迄使い切るしか終結させることは非常に難しい、が故にその行使の判断には重大な責任があり、抜いたからには重大な覚悟が必要だ!っということですが・・・

 問題はその後の「占領政策」にあったのは事実です(ラムズフェルドなんかは、実はその辺り迄は深く考えていなかったのではないか?という雰囲気ですが)。フセイン政権を打倒する為の”懲罰的攻撃”は米国流の理屈からすると「祖国(米国)を護る為の戦い」だったとは思いますがその後の地上軍(州兵を主体とした)の侵攻から彼らの活動(治安維持活動という名称が示すように)の全ては、新生イラク国民を”敵”とは認識することではなく、それこそ平安な生活をイラク国民へ取り戻すことを目的としていたはずです。

現在のイラクで米軍は一体何と戦っているのか?それは何の為なのか?が(多分)一般的な米国民も、共和党も民主党も実は良く分からなくなっているのではないか?っと思えて仕方が無い。 (強調はカカシ)

 上記でも書いたように「米国本土の安全保障の為」という理屈は、タリバン政権とフセイン政権を崩壊させた時点で決着が付いている訳です(報復攻撃、懲罰的攻撃という意味ですが)。

先ずブッシュ大統領はフセイン政権を倒した直後、イラク戦争に勝利したとは言っていない。何度も言うがブッシュ大統領がバカだと思っているひとたちはブッシュが不注意な言葉使いをしていると思う傾向があるが、反ブッシュ派が考えるのとは裏腹にブッシュ大統領は言葉を非常に選んで使うひとなのである。ブッシュ大統領は「主な戦闘は終了した」とは言ったが、あえて「勝利した」とは言わなかった。なぜならブッシュ大統領はイラク復興はそう簡単にはいかないだろうと最初から予期していたからである。ブッシュはそれがどのくらい難かしい作業であるかという計算違いはしたかもしれないが、イラク国内の反乱軍や外国からイラクに潜入してくるテロリストたちと激しい戦いが長期にわたって続くことは考慮に入れていた。それはラムスフェルド防衛長官にしても同じである。

だからイラクに外国人テロリストが集まる可能性について問われたとき、ブッシュ大統領は「Bring it on! (どんとこい!)」と答えたのだ。またラムスフェルド長官もアメリカ国内で戦争をするのではなく、戦争を敵側の陣地にもっていくのだと語っていた。

つまり、イラク戦争はテロリストによるアメリカ国内への攻撃を防ぐために必要不可欠な戦争なのだとブッシュ政権は言いたかったのである。しかし、ブッシュ大統領もラムスフェルドもイラク戦争が対テロ戦争の一貫なのだということをアメリカ国民に充分に説明できていないというのは事実である。私がブッシュ大統領に対して持っている不満があるとしたら、一重にこの「説明不足」にある。

アメリカがイラクで戦っている最終的な目的はイラクの治安維持でも民主化でもない。イラクの治安維持や民主化はアメリカの最終目的を達成するためのひとつの手段に過ぎないのである。アメリカのイラク戦争は対テロ戦争の一部なのだ。アメリカ軍はアメリカをテロ攻撃の脅威から守るために戦っているのである。イラク市民には気の毒だが、イラクはそのための最前線となってしまったのである。

しかしイラクでアメリカ軍がアルカエダのような外国人テロリストと戦うことは対テロ戦争だと言えるかもしれないが、何故イラク人であるスンニ反乱軍やシーア民兵を戦うことが対テロ戦争の一部だと言えるのか不思議に思われるひともあるだろう。

アメリカがアフガニスタンと戦争をしたのも、フセイン政権を倒したのも、911が原因ではあるが、911への報復が理由ではない。ブッシュ大統領はアフガニスタンを攻撃する際に、アメリカは今後一切テロリストもテロリストを擁護する政権も許さないと宣言した。我々と共にテロリストと戦わないのならテロリストの味方をすることになる、とも言った。

アフガニスタンのタリバンが攻撃されたのはアルカエダというテロ組織とその首領のオサマ・ビンラデンを匿っていたからだし、フセインが攻撃されたのもフセイン政権がアルカエダやハマスなどのイスラム教過激派を支援していたことが原因だ。だからイラクにフセイン政権がなくなったとはいえ、戦後の動乱でイラクがテロリストの温床となってしまうのであればイラク戦争の意味が全く失くなってしまうのである。アメリカ軍がスンニ反乱軍やシーア民兵と戦う理由は、これらの勢力が生み出す混乱を利用してイスラム教テロリストがイラクで繁栄してしまうのを防ぐことにある。イラクが民主化することによってテロリストの温床を拒絶するのが最終的な目的なのだ。

ブッシュ大統領がそのことを国民が納得できるほどきちんと説明していないので、イラクでいった何が起きているのか、アメリカは何をやっているのか、理解できていないアメリカ人が多いのではないかと思っていたのだが、今日パワーラインで発表された世論調査を読んでちょっと元気つけられた。

パブリックストラテジーによって行われた世論調査によると、57%のアメリカ人が「イラク戦争は国際的なテロ戦争として大事な鍵を握っている」と答えたという。また57%が「イラクでの任務を完了することを支持し、イラク政府がイラク市民のために警備維持をすることができるまでアメリカ軍を駐留させるべき」だと答えた。

さらに56%が「ブッシュの政策には心配な点も多くあるが、戦争中である以上アメリカ人は大統領のを後ろから支えるべきだ」と答えた。また53%が「民主党が大統領にイラクから塀を撤退させようと押しているのは行き過ぎであり時期早尚である」としている。

また同じ調査において60%がイラクは多分安定した民主主義にはならないだろうと予測し、60%がブッシュの仕事ぶりには不満であると答えている。しかしながら民主党とは違って回答者たちはこれらの問題とイラクにおいてどのように前進すべきかということは区別して考えているようだ。

もっともこの世論調査の対象となったのは大学出で40歳以上の大人がほとんどだったことが結論に偏った影響を与えていると考えられるため、この世論調査のみでアメリカ市民のほとんどがイラク戦争の意義をよく理解していると解釈するのはちょっと乱暴だろう。しかしアメリカの中年世代がカカシと同じように考えてくれていると知ったことは心強い。

February 23, 2007, 現時間 03:14 AM | コメント (1) | トラックバック

February 22, 2007

アメリカ、イラン空爆までの二つの条件

イラク関係 , イランが危ない , イランをどうするか

20日付けのニュースだがBBC放送がアメリカはいよいよイランを空爆するらしいと報道した。

米、イラン空爆計画を策定か=核・軍施設が攻撃対象に−BBC

2月20日15時0分配信 時事通信

 英BBC放送(電子版)は20日、米国がイランを空爆する非常事態計画を策定しており、空爆に踏み切った場合、標的は核関連施設にとどまらず、大半の軍事施設も攻撃対象になると報じた。軍事施設には、空軍と海軍の基地をはじめ、ミサイル関連施設や各種司令部も含まれる。
 外交筋によると、米フロリダ州にある中央軍司令部では既に、イラン国内の攻撃目標の選定を終えている。核施設には中部ナタンツのウラン濃縮施設や、同じく中部のイスファハン、アラク、南部ブシェールの関連施設も含まれる。
 一方、実際に攻撃開始となるには2つの状況が考えられ、1つはイランが核兵器を開発していると確認された場合。もう1つは、イラク駐留米軍が攻撃を受け、攻撃へのイランの関与が分かった場合とされる

このブログを愛読されている方々にはこの報道はニュースでもなんでもない。それどころか何を今さら、といったところだろう。しかしここで米国がイランを攻撃する状況として上げられている二つの条件には笑ってしまう。こんな条件はいつでも満たされるではないか。

先ず一つ目『1つはイランが核兵器を開発していると確認された場合』だが、IAEAの報告によればこの条件は早くも満たされているといえる。22日に提出された国際原子力機関(IAEA)の報告でははイランが国連安保理の決議を無視して濃縮活動を拡大させているとしている。以下読売新聞より。

報告によると、イランは昨年12月23日の安保理決議採択から60日間の「猶予期間」中も、中部ナタンツの地上施設で遠心分離器164個を連結した濃縮装置「カスケード」を運転し、低濃縮ウラン生産を続行。これまでに注入した濃縮ウラン原料の量は66キロ・グラムに達した。

報告によると、イランが産業規模を目指すナタンツの地下施設では、新たに遠心分離器164個で構成するカスケード2系列の設置を完了し、回転試験に着手。さらに2系列のカスケードも近く完成する。

となれば二つ目の条件「イラク駐留米軍が攻撃を受け、攻撃へのイランの関与が分かった場合」にかかってくるわけだが、アメリカ軍はすでにこの話をこの間から何度も繰り返している。先日もイラクでアメリカ軍によるイラン関与の証拠を陳列した報告会がひらかれたばかりだ。

アメリカがこんなすぐ満たされる、もしくはすでに満たされている、状況を戦争開始の条件とする理由はいったい何か? 英BBCの報道はアメリカの公式発表ではないが、これはアメリカがわざと流した情報なのではないかという説もある。このような報道をする一つの理由は無論イランへの牽制もあるわけだが、イランはアメリカの脅しなどあまり怖がっている様子はない。となればこれはイランへというより国連への警告だと言える。

ご存知のように現在国連安保理が行っている経済制裁は全く効き目のないものだ。だからもし国連がアメリカによるイラン攻撃を防ぎたいのであればもっと厳しい効果のある経済制裁を行えとアメリカは国連に促しているわけだ。

しかしイラクの時でもそうだったように、国連安保理の決議などあんまり当てにはならない。そうやってアメリカがイラン空爆を実際にはじめたら、国際社会は「イランが核開発をしていたという証拠は全くなかった、アメリカのつくりあげたでっちあげだ。」とまた騒ぐのであろうか?

February 22, 2007, 現時間 02:08 PM | コメント (0) | トラックバック

February 18, 2007

「イラク戦争に勝つのは重要」と七割のアメリカ国民、二月の世論調査

アメリカ内政 , イラク関係

民主党は昨年の選挙で民主党が圧勝したことで、アメリカ国民がイラク即撤退を望んでいると解釈し、ブッシュ大統領のイラク政策を何かと阻止しようと必死だが、今月行われたインベスターズ・デイリーの世論調査によると、七割近いアメリカ国民がイラクで勝つことは「非常に重要」もしくは「重要」と答えていることが分かった。

IBDの調査をまとめてみると、『イラクでアメリカが勝つことはどのくらい重要なことだと思うか』という質問に対して、42%が『非常に重要』とこたえ、24%『多少重要』と答えており、『あまり重要ではない』の17%と『全く重要ではない』の13%を大幅に上回った。またこの数字は去年の12月の調査に比べると『多少重要』と考えていた数が3%減りかわりに『非常に重要』の数が増えていることがわかる。

また、『アメリカのイラク政策が成功することにどのくらい期待しているか』という質問では、『非常に期待している』が35%(4%増)『多少期待している』が23%(8%減)『あまり期待していない』が21%(1%増)、『全く期待していない』が19%(2%増)となっており、期待している人が期待していない40%よりも18%も多いことが分かる。

これが党別の期待感になると、なんと80%の共和党支持者がイラク政策成功を期待していると答えているのである。(無所属は53%、民主党は43%)

こうしてみると、民主党が現在イラクに出動している軍隊の必要経費を削減したり補充戦費を拒否したりすれば、国民からかなり反感を買う恐れがある。また民主党と一緒になって援軍の出動に反対反対と決議案に投票している共和党議員は2008年の選挙で投票者からひどいしっぺ返しを受ける可能性が高まった。

私もミスター苺も、全国共和党委員会が裏切り者共和党議員に資金援助をするのであれば、党には一銭たりとも献金しないと決めた。献金はイラクに勝つ気のある議員の選挙運動に直接しようと昨晩話あったばかりである。

すでに、ロサンゼルスの人気ラジオDJのヒュー・ヒューイットなどが先頭となって勝利幹部会(The Victory Caucus)なるものを結成し、イラク増派反対に投票した議員たちの地区に次の選挙の予選で挑戦者を立てようという動きが起きている。

もっともイラク政策が選挙運動期間中になってもあまり成功の兆しをみせていなければ、世論は再び変動するであろうから、今のうちに反戦を唱えておくのも選挙運動の作戦としては正しいことなのかもしれない。だが、そうだとしたら、反戦政治家たちは本当に「アメリカの敗北に賭けている」といえる。

February 18, 2007, 現時間 02:34 PM | コメント (3) | トラックバック

February 17, 2007

なんとしてもイラク戦争に負けたい米民主党

アメリカ内政 , イラク関係

アップデートあり文章の終わりを参照ください。

イラク戦争の新しい進路がうまく進めば進むほど民主党は新作戦を脱線させようと必死である。彼等の行動を見ていればその動機はあきらかである。民主党はイラク戦争に負けることを恐れているのではなく、アメリカがイラク戦争に勝つことを心から恐れているのである。

なぜアメリカ人である民主党議員たちがアメリカが戦争に負けることを望むのかといえば、イラク戦争は共和党のブッシュによる戦争であるという考えから、イラク戦争が失敗すれば国民は共和党全体を罰して民主党が2008年の一般選挙で大幅に議席を増やし、大統領選にも勝ち、大勝利を迎えられるという思惑が根本にあるのである。

16日の金曜日、米国下院はブッシュ政権によるイラク増派反対の決議を通した。ブッシュの報道官であるトニー・スノー氏は記者会見で「民主党はアメリカの敗北に賭けている」と苦々しく語っていた。

 【ワシントン=山本秀也】米下院本会議は16日、ブッシュ大統領が表明したイラクへの兵力増派に反対する決議を賛成246、反対182で採択した。決議に拘束力はなく、ブッシュ政権はイラク新政策で表明した2万人以上の兵力増派を続行する構えだ。

 決議は民主党のスケルトン軍事委員長らに共和党の議員が加わって超党派議案として提出され、現行の米軍のイラク駐留には支持を表明しながらも、ブッシュ大統領がイラク新政策の目玉とした米軍増派を不支持とする内容だ。本会議での討論に4日間を要し、議員の9割に当たる392人が発言する本格的な論戦となった。この日の採決では共和党の17議員が賛成にまわった。

 民主党のペロシ下院議長は、「決議の採択は戦闘終結と駐留米軍の帰還に向けたイラクでの方向転換のシグナルとなる」と語った。民主党は戦費執行に制約を設ける法的措置なども検討しており、イラク政策をめぐって大統領と議会の対立は一段と強まりそうだ。一方、上院本会議も17日、同様の増派反対決議案の採決を予定している。

民主党議員たちはブッシュの新作戦が早くも実りを見せていることにうろたえて、ついこの間まで絶対にしないと誓っていたくせに与党リーダーのハリー・リード上院議員とナンシー・ペロシ下院議長があり得ないといっていたイラク戦争の戦費差し止め執行を振り回して真っ向からブッシュ大統領を脅迫しにかかっている

民主党はイラクへの増派とイランへの先制攻撃を阻止する方法を見つけたとしてブッシュ大統領の開戦権限に真っ向から挑戦している....

「わが国はイラク路線について劇的な変更をおこなう必要があります。そしてその変更を実現させるのは議会の責任であります」と下院において軍隊支出の監督にあたっている民主党のジョン・マーサ下院議員は下院議員は語った。

マーサ議員は兵士の戦線出動に一年の期間をおくなど戦闘員動員について厳しい規制をかける議案を準備している。最終的にはこの案によってブッシュが計画している16万兵を何か月にも渡って維持することは不可能になるであろうとマーサ議員は語った。

マーサ議員の決議案は要するに戦闘員を出動させるにあたり、何かについていろいろと理不尽な規制をつけて、大統領がいちいち議会にお伺いをたてなければ軍隊を出動させることができなくなるというもので、現実的には戦闘員の速やかな出動をほぼ不可能にすることになる。これはどう考えても三権分立の憲法に違反する。

例えば一旦イラクに出動した隊が帰国したら、どんな場合でも、少なくとも一年は戦場へ出動させてはいけないという規則がある。このほかにも、理不尽に高いレベルの訓練を受けていなければならないとか、戦士の任務期間を延長してはならない、軍需品が理不尽に高度なスタンダードに達していなければならないなどという規制がかけられ、しかもこれをいちいち大統領が確認し議会に提出し議会の承認がなければ出動できないとなっているのである。(この案はイラクだけに限られ、アフガニスタンにはあてはまらない。)

このような案が通ったならば、戦場での貴重な経験を得た戦士が数カ月後に新しく動員される戦士と一緒に出動して知識や技術を引き継がせることができなくなる。また戦況が変化し経験ある隊の任期を延長させたり、帰国して数カ月しかたっていない軍を援軍としておくることもできなくなるのである。

ムーブコングレス(MoveCongress.org)というウェッブサイトのインタビューでマーサ議員はこの案の本当の目的はイラク増派を阻止することであると意図を明かにしている。。(注:掲載した後でまずいと気が付いたのか、サイト経営者は内容を書き換えてしまった。下記は書き換える前の記事である。)

防衛費充当委員会は大統領の930億ドルの追加予算申請について審議をはじめた。この申請への行動が新しい議会がイラク戦争において「財布の紐を締める」ことのできる最初の機会である。.

マーサ会長は自分の作戦はイラクへの動員を制限するだけでなく、大統領の外交、国内警備政策をことごとく邪魔することにあると説明した。

しかし専門家の間ではこのような議案は下院すらも通らないだろうという見解だ。この議案は一見アメリカ兵に無理な出動をさせないという思いやりがあるようにもとれるが、実際にマーサ議員が裏口から増派阻止を行おうとしていることは一目瞭然であり、アメリカ市民はこのような卑怯な手段には騙されないであろう。

フォックスニュースの解説者はこの議決案は民主党にとって非常にまずい動きだと解説していた。その理由は:

  • 増派に反対している人でも、一旦出動している軍隊に必要な資金を断ち切るという考えには非常な抵抗がある。
  • このような行為は民主党は国防に弱いという先入観を強化することにつながり、民主党は戦争を嫌うあまり、勝利よりも敗北を望むと思われる。
  • そこまで思わないひとでも、議会が出動する軍隊の規模や場所まで規定するのは行き過ぎだと考えるだろう。
  • 2007年の予算は9月分まで充当されており、議会は早くても10月までは戦費を差しとめることはできない。
  • しかし10月までには民主党が最も恐れているブッシュの新作戦の成功があきらかになり反戦のメディアでも隠しきれなくなっている、という可能性がある。

つまりマーサの作戦は失敗が目に見えているということだ。であるから下院の民主党議員ですらこの議決案には投票しないであろう。また、金曜日に増派反対の議決案が下院を通ったとはいえ、当初予測されていた共和党議員による大幅な寝返りは見られなかった。この議決案には拘束力はないが下院議員のイラク戦争に対する意見が反映する。共和党議員が多数投票していたならば、戦費差し止めの議決案を検討する意味もあったが、たった17人の寝返りでは共和党は民主党が期待したほど戦争反対の意識はないということになり、戦費差し止めの議決案が通る見込みはまずない。

それでも民主党が戦費差し止め議案を提案するならば、国民には共和党は必死にイラク戦争に勝とうと努力しているのに、民主党は自分らの勢力を強めるために、なんとかしてイラク戦争に負けようとしているという印象を与えてしまうだろう。

アップデート: 上院議会イラク議決案を否決

わざわざ土曜日に出頭してきた上院だが、昨日下院で通ったイラク増派反対の議決案は上院で否決された。賛成56、反対34、可決に必要な60票には満たなかった。

「軍隊への支持に関する投票で戦費について沈黙しているのは両方の道をとろうとする試みだ。」とケンタッキー代表で共和党リーダーのミッチ・マコーネル氏は語った。「だから我々はもっと正直な公の討論をしようと要求しているのだ。」

民主党は戦費差し止め案をあからさまにだして国民から軍隊を支持していないと思われるのは嫌だが、反戦派にいい顔を見せたいので増派には反対だという拘束力のない意思表示だけをしておこうという魂胆である。マコーネル議員が抗議しているのは、戦争に反対なら反対で戦費差し止め執行を提案するぐらいの根性をみせろ、双方で良い顔をしようなどとは卑怯だ。正直に討論しろと要求しているわけだ。

February 17, 2007, 現時間 04:13 AM | コメント (1) | トラックバック

February 16, 2007

効果をあげるブッシュのイラク新作戦

アメリカ内政 , イラク関係 , イランをどうするか

English version of this post can be read here.

先日もカカシはブッシュの新作戦が早くも効果をあげているという話をしたばかりだが、ミスター苺がここ数日の米・イラク軍の活躍について書いているのでこちらでも紹介しておこう。以下、Big Lizards より。

APの記事によるとここ数日のアメリカ・イラク連合軍によるシーア民兵の本拠地であるサドル市を塞ぎ各家を一軒一軒回って武器や民兵を探索する手入れはかなり効果をあげているようだ。またアメリカ軍はバグダッドのスンニテロリスト本拠地でもさらに厳しい取り締まりを行っているらしい。

米・イラク軍は木曜日バグダッドのスンニの本拠地に深く潜入した。両軍は爆弾の仕掛けられた乗用車数台によって迎えられた。一方イギリス軍先導の隊はイラク南部において輸送用のコンテナを使ってイランからの武器流入の道を塞いだ。またイラク内政省は前日のバグダッド北部においてイラク軍との衝突の際、イラクのアルカエダのリーダーであるアブ・アユーブ・アル・マスリが負傷し側近が殺されたと発表した。

本日になってアユーブ・マスリが負傷したという情報は確認できないと内政省はいっているので、実際何があったのか今のところちょっとはっきりしていない。しかしイラク軍とアルカエダ勢力の戦闘において重要人物が殺され負傷したことは確かなようだ。

米・イラク連合軍はテロリストによる数回に渡る待ち伏せにあったが、味方側の負傷や戦死はなかった。ただアンバー地区で海兵隊員が名誉の戦死をした。

ミルブロガーのビル・ロジオ(Bill Roggio)によると連合軍はモクタダ・サドルのマフディ軍への攻撃も激しく続けているようだ。

連合軍はサドルへの圧力を維持しており、サドルがイランに避難している足下からマフディ軍解体のため積極的に働きかけている。バグダッドではマフディ軍、(別名ジャイシ・アル・マフディ)のメンバー二人が24時間前から拘束されている。バグダッドではイラク特別部隊が「武器供給や資金援助をしていたジャイシ・アル・マフディ組のならず者」を他の「参考人」と共に捕らえた。また別のマフディ軍のメンバーで「イラク市民や警察官を誘拐、拷問、殺人などをしてきたとされる」人物もイラク特別部隊員によって捕らえられた。

イラク連合軍によるとイラク軍が捉えた二人はマフディ軍のなかでもかなりの重要人物のようである。

まだイラクにはアメリカ軍の増派は起きていないにも関わらず、新作戦を取り入れたことによって早くも多大なる効果が生まれていることはうれしい限りである。実際私はちょっとおどろいているほどだ。これに米・イラク兵合わせて9万の兵が増加される(アメリカ兵21,500兵に加え残りはイラク兵)ことで、この作戦は成功すると私はかなり期待している。

2008年の選挙の際にはイラク状況は2006年の時よりもずっと向上しているものと思われる。イラク状況は選挙に多大な影響を与えるであろう。もし私の予測が正しければ多くの民主党議員と民主党と一緒になってブッシュ政策に抗議する拘束力のない議案に投票したような少数の裏切り者共和党議員などは大きな代償を支払わされることとなるだろう。

イラク状況が今よりもずっと良好な方向に進んでいれば、共和党の有力大統領候補の三人は誰もこれを利用して選挙運動に挑むことができる。イラク戦争は泥沼だ絶望的だと言ってアメリカ軍の作戦を妨害するような行動ばかりとっていた民主党はイラク戦争を持ち出せなくなる。

とにかく全てがブッシュ新作戦の成功にかかっているわけだが、この調子で進んでくれることを願う。

February 16, 2007, 現時間 11:58 PM | コメント (0) | トラックバック

February 13, 2007

イランの飼い豚サドル、イランへ蓄電!

イラク関係 , イランが危ない

イラクでのアメリカ軍によるシーア民兵取り締まりが厳しくなるなか、なんとカカシがイランの飼い犬ならぬ飼い豚と読んでいた、シーア民兵軍マフディ軍の親玉サドルが数週間前に家族のすむイランへ遁走していたことが発覚した。

「サドル師、2週間イランに滞在」と米高官

2007.02.14
Web posted at: 09:42 JST
- CNN

(CNN) 米高官筋は13日、CNNに対して、イラクのイスラム教シーア派の反米指導者ムクタダ・サドル師が、ここ2─3週間イランに滞在していると述べた。同師がイラクを出国した理由や、イラン滞在予定期間は不明とされる。

ただ、イラク関係筋はサドル師の出国を確認していない。また、同師に近い関係者は、同師のイラン滞在は「うわさ」だとして全面否定した。同師事務所は8日CNNに対し、同師がイラク中南部ナジャフに滞在中だと語っていた。

米当局者らは、ブッシュ大統領の指示による米軍イラク増派で、身の危険を感じたサドル師が出国したとの見解を示した。同師がイラク国内に不在の場合、同師を支持する民兵組織「マフディ軍」にどのような影響があるかは不明。

こうしたなか、イラク治安部隊のカンバル将軍はテレビ演説を行い、首都バグダッドの治安強化を目的に、イランおよびシリアとの国境を72時間閉鎖すると発表した。政府関係者がAP通信に語ったところによると、国境閉鎖は2日以内に実施される予定。また、イラク当局者はCNNに対し、検問所に爆弾検知装置などが設置する予定だと語った。

バグダッド市内の夜間外出禁止令は延長される見通し。また、イラク治安部隊は、民間人の武器・弾薬保有免許を一時停止する計画という。

APの記事によるとサドルの家族はもともとイラン在住だということだがイラン滞在は一時的なものだという見解が大きいようだ。

しかしサドルの出発はイラク政府が近隣のイランとシリアとの国境を72時間ほど塞ぐという発表をしたのと時期を同じくしていることから、国境が塞がれる前にイランへ渡ったものと思われる。しかし親分のサドルがイランに逃げたとなるとイラクに残されたマフディ軍の連中はどうするのだろうか?

イラクがサドルの帰国を許可しないという方法もあるが、この先どうなるのか注目される。

February 13, 2007, 現時間 08:17 PM | コメント (6) | トラックバック

バラク・オバマの最初の失言 『アメリカ兵は無駄死にした』を謝罪

アメリカ内政 , イラク関係

リアル・クリア・ポリティクス(Real Clear Politics)において、バラク・オバマが大統領選挙出馬表明から一日もたっていないうちにイラクで戦死した米兵の命は「無駄死にだった」と失言した、即座にオバマは集まった記者たちの前で戦死した軍人の家族に対して失礼なことを言って「全く申し訳なかった」と謝罪した。オバマ氏は「言ってるそばから失言したと気が付いた」と語った。

オバマにとってはこれが最初の失言かもしれないがおそらく最後ではないだろうとRCPは書いている。オバマが期待の新人である理由はまだ投票者がオバマという人間がどういう政治家なのかを理解していないからである。以前にも書いた通りオバマは政治家となってまだ間がないため、特にこれと言った功績を残していない。 であるから過去に色々問題のある言動をしていないという利点もあるが経験不足から色々間違いをおかす危険性もあるといえる。

よく大統領とは見習いのやる仕事ではないといわれるが、選挙が近付くにつれて民主党の投票者はオバマが大統領としてやっていけるだけの器かどうかを見守っている。今後もこのような失言を続ければ彼への期待も薄れること間違いない。

しかしヒラリー・クリントンの人気はオバマをかなり上回っているので、今後もこのような間違いをおかしていてはとてもヒラリーには追い付けないだろう。

ところで、もう一人の有力候補ジョン・エドワードは過激派左翼で反カトリック教のブロガー、メリッサ・マーコッテをついに首にした。一度は保守派の圧力には負けないといっていたエドワードだが、その直後にマーコッテが再びカトリック教を下劣に攻撃する記事をブログに書いたため、さすがにエドワードも自分の間違いに気が付いたらしい。こんなに判断力のない人間が本気で大統領を目指すというのも恐ろしい限りである。

February 13, 2007, 現時間 07:11 PM | コメント (0) | トラックバック

イラク: 積もるイラン関与の証拠

イラク関係 , イランをどうするか

昨日もイランによるイラクへの関与の話をしたが、アメリカ軍はどのような証拠をもってイランがイラクに関与しているというのか、その記事を紹介し、どうしてブッシュ政権がずっと過小評価してきたイランの関与について、最近突然大々的な発表をはじめるようになったのか考えてみたい。

まずはCNNのニュースから、

「爆弾攻撃にイラン関与」とイラク駐留米軍

2007.02.12
Web posted at: 12:43 JST
- CNN/AP/REUTERS

バグダッド──イラク駐留米軍は11日、少なくとも米兵170人が死亡したイラク国内の爆弾攻撃に、イランの最高指導者ハメネイ師から指示を受けている精鋭部隊が関与しているとの見解を示した。

米軍がイラン関与の証拠として挙げたのは爆発成形弾(EFP)で、製造法にイラン起源の特徴が見られるという。また、同じくイラク国内で攻撃に使用されている81ミリ迫撃砲弾は、イランからイラク国内に直接持ち込まれたとみられている。

米軍によると、こうした弾薬類はハメネイ師が直轄するイラン革命防衛隊のアルクッズ部隊によって、イラク国内のイスラム教シーア派グループに供給されている。ここ数週間内に北部アービル市内で拘束された数人のイラン当局者の中に、同部隊の関係者1人が含まれていた。

さらに、昨年12月にバグダッド市内で拘束された他のイラン当局者らは、イランがイラク国内の有力政治組織を武装していると供述した。当局者らは、イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)の指導者アブドゥル・アジズ・ハキム氏の施設の家宅捜索で拘束され、米軍はこの際に武器取引の証拠文書を押収した。

政治組織の関係者は、武器調達が自衛目的であると説明。ただ、米軍側は、迫撃砲や狙撃用ライフル銃といった調達武器が自衛には使用されないと反論している。

この狙撃銃について今日新しい情報がはいった。下記はPowerline紹介のDaily Taragraphの記事より。

デイリーテレグラフはイランに輸出されたオーストリア製の狙撃ライフルがイラクテロリストの手にわたっていたことが判明したことを学んだ。

100丁以上におよぶ.50 カリバーの防弾チョッキを貫く威力のある武器がアメリカ軍による手入れの最中に発見された。

発見されたのはスタイヤーH550(Steyr HS50)で長距離先鋭ライフルである。

これらのライフルはオーストリアのスタイヤー・マンリッカー社(Steyr-Mannlicher)製造のもので去年合法にイランに輸出された800丁のライフルの一部であるという。

この販売については、これらの武器が反乱軍によってイギリス兵やアメリカ兵に対して使われる恐れがあるとして、ワシントンとロンドンから激しい抗議があった。

H550のイラン出荷わずか45日目してスタイヤー・マンリッカー製ライフルはイラク反乱軍戦闘員の手にわたり、アメリカ人将校を狙撃し殺害した。

アメリカ軍は今後もイランのイラクへの関与についてもっと多くの証拠を陳列するものと考えられ、これらの証拠はそのごく一部であろう。昨日もちょっと書いたが、イラクにイランが関与していることはもう2年以上も前から現地の兵士やイラク人たちの間で周知の事実だったにも関わらず、なぜいまになるまでアメリカ政府はその事実をあまり公開せず、突然最近になって記者会見をやってみたり派手な発表をしているのか、いったいアメリカ政府の意図はなんなのだろう。

国際メディアの間ではアメリカはイランを挑発しているという考えが一般的らしい。国際メディアの傾向に詳しい妹之山商店街さんが某掲示板でこんなことを書いている。

BBC,PBS,そしてあの CNN でさえも、「ブッシュ政権はイランを挑発している。イランへの限定的攻撃の口実を手に入れようとしている」と堂々と放送しています。 BBCは「何故、今なのか」と分析しています。ということで、イラン製兵器の存在という報道は、
    ・イラク政策破綻の聞き苦しい言い逃れであり、
    ・イランへの限定的攻撃=空爆の口実を得る為のミエミエの挑発

まずこれが『イラク政策は単の聞き苦しい言い逃れ』であるという説について、左翼の反戦派の間でそういう意見があるのは理解できるが、カカシが何度も繰り返しているようにイランの関与は現場の兵士たちは伍長以上の立場にいた人たちならもう2年以上も前から知っていた事実。これまでそれに関してアメリカ政府がとりたてた政策をとってことなかったことのほうが不思議なくらいなのだ。言ってみればイラク戦線が苦戦に陥っているのもイラン関与にもっと早い時期に取り組まなかったことが起因しているとさえ言えるのである。

さて、では何故いまになってアメリカ政府はイランの関与を公表しはじめたのだろうか。昨日私は、アメリカがこれまでほのかなもっていたイランとの平和的な外交が、全くうまくいかないことをやっと悟って、軍事的な強行手段を取る、もしくは取るつもりがあるという姿勢を見せてイランを牽制するのが目的なのではないかと書いた。

しかしそのことについてミスター苺はブッシュ大統領の意図はイラン牽制というよりヨーロッパ諸国への警告だという。

私はそのことについてここ数日ずっと考えてきた。そして私が思うにブッシュ大統領はヨーロッパに対して次のような最後通告をする計画なのである。

この状況に対応するため重く意味のある効果的な経済制裁をイランに与えよ、さもなくば我々が軍事行使によって対処する!これ以上の議論はしない。国連の承認も要らない、だからおふらんすもロシアも中国も否決などできない。これは国連の行動でもなければNATOのものでもない。

つまり私はコソボスタイルの空爆がおきると考える。

だとすれば、イランがアメリカから攻撃を受ける受けないはヨーロッパのイランとの交渉にかかっているということになる。無論その間にイランがアメリカに下手に手を出せばアメリカには対応する用意があるというわけだ。

さてここで妹之山さんの第2の点『空爆の口実を得る為のミエミエの挑発』だが、アメリカは決して偶発的な戦争は望んでいないはずだ。戦争をするならするでアメリカの都合のいい時にアメリカの決断でやりたいはず。アメリカがイランと戦争をするつもりなら、なにもイランを挑発する必要などないだろう。

February 13, 2007, 現時間 03:16 PM | コメント (0) | トラックバック

February 11, 2007

アメリカが国際社会でイランのイラク関与を批判する意味

イラク関係 , イランをどうするか , 対テロ戦争

な〜んか、イラク戦争前夜と似たような雰囲気になってきたなあ〜。

我々保守派の間ではイラクにおけるイランの関与をなんとかすべきではないのかという意見がもう2年以上も前から議論されていた。しかし以前にもここで話たように、アメリカはイランの関与についてあまり表立った批判をしてこなかった。その理由はイランの関与を表だって批判しないことで、アメリカは内々にイランの協力を得ようという思惑があったからなのかもしれない。だがイランの最近の行動は目にあまるものがあるため最近アメリカ政府は方針をかえ、大々的にイランを批判すうようになった

イラクで使用の爆発物にイラン関与の証拠と、米国防長官

スペイン・セビーリャ——ゲーツ米国防長官は9日、イラクで武装勢力が使った爆発物にイランが関与したことを示す製造番号や刻印が発見された、と述べた。セビーリャでの北大西洋条約機構(NATO)の国防相理事会後の会見で述べた。

イラクの武装勢力に兵器もしくは技術を供与していることの物的証拠としている。これらの爆発物の数は全体の中で大きな比率を占めないが、「殺傷能力は極めて高い」と指摘した。路上に仕掛けられる爆弾攻撃などで米兵は大きな犠牲を強いられている。

長官はまた、「イランがイラク情勢に関与していることは驚きではないが、米軍などの家宅捜索でイラン人が実際に見付かったことは驚きだった」とも述べた。米政府はイラン政府が影響力を拡大するためにイラクに干渉していると主張している。

アメリカ軍がわざわざNATOの理事会でこのようなことを発表したとなると、アメリカ政府はいよいよイランに本格的な圧力をかける覚悟ができたということだろう。ブッシュ大統領はイランへの「侵略」はあり得ないと言っているが、この言葉使いに気をつける必要がある。ブッシュはイランと戦争をするつもりはないとも、イランに軍事攻撃を仕掛けるつもりはないともいっていない。ブッシュがあり得ないといったのはイランへの「侵略攻撃」だけである。

よくブッシュ大統領をバカにしている左翼連中はブッシュが舌がよく回らないのをおちょくってあたかもブッシュが言葉使いには疎い人間であるかのような批判をするが、実はブッシュ大統領は言葉使いには非常な神経を使っている。だからブッシュがわざわざ「侵略は」あり得ないと言ったことには十分に注目すべきである。

以前にアセアンさんがアメリカがイランとの外交をうまくやって来なかったからアメリカはイランとの戦争に追い込まれているのではないかといっていた。だが私はそうは思わない。アメリカはイランと交渉をしようとしているのである。だが、イランはアメリカと交渉をして得をすることはないと考えているはずだ。つまり、アメリカにはイランと交渉をするための札を持っていないので、アメリカが今やっていることはイランに交渉を強制させるための切り札作りをしているといえるだろう。ま、平たくいえば脅迫である。(笑)

アメリカはイランには「戦争を仕掛ける可能性がある」という姿勢を見せて脅かしながら、諸外国には経済制裁のような政治的な圧力をかけていこうと呼びかけるわけだ。そうやってイランがイラク関与をやめてくれればいいし、それが駄目なら軍事行使となるのかもしれない。


関連過去エントリー
イラクに伸びるイランの魔の手

February 11, 2007, 現時間 04:40 PM | コメント (1) | トラックバック

ゲリラには勝てないという神話

イラク関係 , 対テロ戦争

先日歴史家のドナルド・ストカー氏が書いた「ゲリラはめったに勝たない」("Insurgencies Rarely Win – And Iraq Won’t Be Any Different (Maybe) By Donald Stoker)という記事を読んで、イラク戦争も多いに歴史に学ぶことがあるなと思って感心した。

ゲリラ戦というとアメリカではどうしてもベトナム戦争の記憶が新しい。しかしストカー氏はアメリカはベトナム戦争からゲリラには勝てないという間違った教訓を学んだという。氏はゲリラは常に勝つどころか、めったに勝たないと断言する。だから、イラクでもアメリカ軍を増派し作戦を変更することで十分に勝利をおさめることが可能だというのである。しかし、イラクでアメリカが勝とうというのであれば、アメリカは過去の間違いから学ばなければならない。なぜならゲリラ撲滅は辛抱強く時間をかけてやる必要があるのだが、ブッシュにはあまり時間がないからである。

ゲリラや反乱軍は不滅であるという神話はアメリカの南ベトナム敗退についてアメリカ人が集団的に誤解したことからはじまる。この敗北は一般にパジャマ姿のベトコンによる卓抜さと軍事力によるものだと思われている。ベトナム人はタフで辛抱強かったかもしれないが、彼等は卓抜ではなかった。というより彼等は単にアメリカという自らの間違いから学ぼうとしない敵に面するという幸運に恵まれただけなのである。ベトコンが面と向かってアメリカ軍と戦った1968年のテット襲撃ではベトコンは惨敗した。1975年に南ベトナムが遂に墜ちた時も、南ベトナムはベトコンによっておとされたのではなく、北ベトナムの正規軍の侵略によっておとされたのである。ベトコンのゲリラはアメリカ民衆の戦う意志を崩壊させる要因となったが、それをいうならリンドン・ジョンソン大統領の戦争のやり方も民衆の士気を弱めた。 ハノイ勝利の鍵は北ベトナムの意志とアメリカの失敗にあるのであり、ゲリラの戦略にあるのではない。

氏はソビエトのアフガニスタンでの敗北についても同じような誤解があるという。これにしてもムジャハディーン(アフガニスタンの反ソビエト反乱軍)がソビエトを追い出したというよりも、ソビエト内部の経済および内政の混乱が原因だったのだと言う。

カカシはここでもうひとつアフガニスタンの反乱軍が勝った理由を付け加えておきたい。それはアメリカや諸外国が反乱軍に武器供給を惜しみなく与えたということだ。

ストカー氏も書いているが、反乱軍が一般的に成功しない理由は、組織力と資源に乏しいからである。あっちで一発、こっちで一発、といった散発的な攻撃をいつまでもやっていれば、いずれは弾も人間も乏しくなり戦闘は尻つぼみとなる。資源も人員も豊富な一国を相手にこのような方法ではいずれ負ける。だから反乱軍が勝つためにはこの二つの点をどうにかして確保する必要がある。

であるからイラクでの問題はイラクの反乱軍を倒すことができるかどうかということではなく、アメリカがその機会を逃してしまったかどうかにかかっている、とストカー氏は語る。

私はもうずいぶん前から、アメリカ軍がスンニ派反乱軍のアジトなどで何百という武器を発見したとか、フセインがイラク各地に隠しておいた爆弾だの銃器だのをトン単位で破壊してきたことでもあり、もうそろそろ反乱軍は人も弾も足りなくなっているはずだと考えていた。

現に2005年くらいには、テロリスト攻撃はかなり弱体化しており、アメリカ軍や保守派の間でも希望的な気持ちが高まっていたのである。それが2006年になって再びおかしな状態になってきた。私はいったいイラクの反乱軍はどこから武器弾薬や人員を補給しているのだろうと不思議に思ったものである。

最近になってその原因がイランにあることが明らかになってきた。アメリカがイラクで勝つためにはこのイランからの供給ラインを切断することが最優先されなければならない。まずイラクとイランの国境を固めること、そしてイランに政治的、経済的、軍事的な圧力をかけ、イラクの反乱軍を援助することがイランのためにならないことを思い知らせることが大切だろう。

ストカー氏はイランの話はしていないが、増派による新作戦はゲリラ反乱軍を倒す可能性を非常に高めたと語る。だが氏が一番心配しているのはアメリカがすでに反乱軍を倒す機会をのがしてしまったのではないかということだ。

一つ確かなことは時間が迫っていることだ。ゲリラとの戦いは普通8年から11年はかかる。だがブッシュ政権はアメリカ民衆の世論にあまりにも無関心であったため、このような戦争に関する説明を全くしてこなかった。それで市民の戦争を支持する気持ちはほとんど使い果たされてしまったのである。イラクでの一つの悲劇は反乱軍に対する勝利をおさめるには作戦変更がおそすぎたかもしれないということにある。

アメリカはアメリカとイラクのためだけでなく、自由を愛するすべての社会の安定のためにもこの戦争には勝たねばならない。なぜならこの戦争に負ければ戦争が終わるのではなく、新たな戦争が始まることになるからだ。その時はアメリカもそして欧州も日本も恐ろしい戦争に巻き込まれることだろう。

新作戦の成功を切に願うものである。

February 11, 2007, 現時間 02:49 PM | コメント (1) | トラックバック

February 09, 2007

脱走兵ワタダ中尉の軍法会議は無効審理へ

アメリカ内政 , イラク関係

イラク戦争が始まった直後の2003年に陸軍に入隊し去年初めてのイラク出動を拒否して軍法会議にかけられていたハワイ出身のワタダ中尉の軍法会議が本日無効審理となり、今年の4月に審理がやり直しされることになった。

イラク派遣拒否の中尉、軍法会議が「無効」…再審理へ

 【ロサンゼルス=古沢由紀子】米ワシントン州フォートルイス陸軍基地で行われていたイラク戦争への派遣を拒否した日系3世アーレン・ワタダ陸軍中尉(28)に対する軍法会議で、担当判事は7日、事前の弁護側と検察側による事実認定手続きに問題があったとして、「審理無効」を宣言した。
Click here to find out more!

 軍法会議は3月以降に再審理が行われることになった。

 AP通信によると、ジョン・ヘッド判事は、ワタダ中尉が訴追内容をよく理解しないまま無罪を主張しており、事実認定に矛盾があると判断した。

 中尉は「イラク戦争は根拠がなく、違法行為だ」として派遣を拒否。軍の命令を無視し、将校として不適切な行為をとった罪に問われ、軍法会議にかけられた。有罪なら最高で4年の禁固刑の可能性がある。
(2007年2月8日12時1分 読売新聞)

ワタダ中尉はアメリカ人将校としては唯一人出動を拒否した軍人である。ワタダ中尉はイラク戦争は違法だと言い張っていたが、すでに戦争が始まっていた2003年に、しかも出動する可能性が非常に高い陸軍にわざわざ入隊して三年間ずっと黙っていた人間が出動する段になって突然「違法云々」を言い出すのはおかしいという意見がミルブログを中心に交わされた。

ワタダ中尉は最初から反戦運動をする目的で軍隊に入ったのではないかという話もあるが、これはちょっと変だろう。もし現役軍人であることで反戦運動に博をつけたかったのなら、陸軍よりも海軍か空軍に入隊すれば実際に戦地へ送られる可能性はかなり低い。

話はずれるが、現役軍人が創設したというAn Appeal for Rederssというイラク戦争反対運動がある。創設者も参加者も現役もしくは元軍人で最初は草の根運動だということになっているのだが、これがどうもうさん臭い団体なのだ。草の根運動とは建前だけで、実は左翼のプロ団体が背景にあり組織力も資金力も抜群の団体なのだ。(詳細はMudville Gazetteを参照されたし)が、その話はちょっとおいといて、、

先ず創設者というのが海軍の水兵二年目のジョナサン・フトーという男性。フトー兵は自分の反戦ウェッブサイトで「無収益団体, NPO」に何年かつとめ小学校の教師を目指したが失敗し、2004年の1月に海軍に志願入隊したと書いている。しかしフトー兵が働いていたというNPOとはアムネスティーインターナショナルというおよそ親米とは言えない団体で、2001年には社会主義労働者党という過激派左翼のメンバーと並んで反警察運動をしていたこともある。2002年には同団体の大西洋地域部のプログラムコーディネータをしていた。

そしてきわめつけは2003年にフトーはイラク反戦運動に参加していたのである。

そういう人間がどうしてわざわざアメリカ海軍に入隊したのか。そして入隊後たった2年で再び反戦運動をはじめた理由はなにか? これは最初から軍隊内部で現役軍人として反戦運動をするつもりだったと考えるべきだろう。だから彼は海軍を選んだのだと私は考える。海軍ならば職種を選べば、特別部隊にでも入らない限り軍艦をあちこち乗り回す程度でイラク戦地でライフルもって歩き回る可能性はほとんどないからだ。

一般市民が反戦運動をすれば、軍隊に入る勇気がないからだろうといわれかねないが、実際に現役の軍人が反戦ということになれば話は別である。

さて、ここでワタダ中尉に話を戻そう。もしもワタダ中尉が最初からイラク戦争に反対で現役の軍人として反戦運動をするのが目的だったのだとしたら、出動の可能性が非常に高い陸軍に入隊するのはおかしい。実際にイラクへいって帰ってきてからなら話は別だが、出動拒否ではお話にならない。

思うにワタダ中尉は何の考えもなく陸軍に入隊したのだ。3年間の任期があと半年で終わるという時までずっとだまっていたのも、このまま戦地へいかずに除隊できるかもしれないと考えたからだろう。だが出動命令が出てはじめて恐怖におののいたのである。そこで自分の臆病心に直面する勇気もないから戦争が違法だのなんだのとこじつけを考えたに過ぎないのだ。

みじめな男だ。ワタダ中尉。

February 09, 2007, 現時間 04:41 AM | コメント (0) | トラックバック

February 06, 2007

イラク反増派議案、採決ならず

アメリカ内政 , イラク関係

や〜っばりね。採決するには票が足りないとカカシが予測した通りだった。まずはこの記事から。

イラク増派反対決議案、共和党が上院で採決阻止

ワシントン(CNNー2007.02.06) ブッシュ米大統領が先月発表した米軍イラク増派に反対する超党派決議案の本格審議が5日、米上院で始まったが、共和党議員らが採決を阻止した。上院の規定により、審議および採決の動議可決には60票の賛成票が必要だが、賛成49反対47と、共和・民主両党の議席数でほぼ割れる結果となった。

反対決議案は、共和党のジョン・ワーナー上院議員(バージニア)と民主党のカール・レビン上院議員(ミシガン)が各自の決議案を一本化したもの。ミッチ・マコーネル少数党院内総務(共和党、ケンタッキー)は、共和党側が作成した2つの代替案についても審議と採決を行うべきだと主張したが、ハリー・リード多数党院内総務(民主党、ネバダ)がこれを拒否。両者は先週末に協議したものの、行き詰まりは打開できなかった。

5日の本会議では、リード同総務がイラク新政策をめぐる「審議をつぶそうとしている」として共和党を非難。これを受けてマコーネル同総務は、共和党は「審議の用意がある」ものの、過程の「公正さ」求めて審議に反対している、と反論した。

マコーネル同総務が採決を求めている代替案は、ブッシュ大統領の戦略を支持する案と、イラク戦費の拠出継続を盛り込んだ案。共和党指導部は動議採決に強硬に反対しているものの、同党はイラク政策について一枚岩ではない。

民主党は多数派になって少数党の切り札が身にしみただろうか。なにせ民主党はこの手を使って何度もブッシュ大統領推薦の裁判官承認の採決を阻止していきたのだから文句は言えまい。戦争反対といって戦争予算を削るほどの度胸はないくせに、全く拘束力のない議決だけ通して立派に反戦運動やってる気分なんだからあきれる。

ところで、この議案の草案者であるへーグルとワーナーの両方の議員が採決に反対する票を入れたのには笑ってしまった。アルファベット順だったので共和党で来期の選挙では苦戦が予想されるミネソタのノーム・コールマン議員は最初のほうで採決に賛成の投票をして完全にバカを見てしまった。私がミネソタ住民なら次回はかなり考えるだろう。だが、彼のライバルはなんと反ブッシュの本を何冊も出版している人気コメディアンのアル・フランケン。ミネソタは大変だわな。

February 06, 2007, 現時間 07:46 PM | コメント (2) | トラックバック

February 05, 2007

米軍ヘリ4機を撃ち落としたミサイルはイラン製

イラク関係 , イランをどうするか

ここ2週間で米軍の攻撃ヘリ4機が連続してイラクで墜落するという事件が発生している。

バグダッド(CNNー2007.02.03) イラク駐留米軍は2日朝、バグダッド北方のタジ近郊で米軍の攻撃ヘリコプター「アパッチ」が墜落、乗員2人が死亡した、と発表した。米軍ヘリの墜落は過去2週間で4機目。

墜落原因は不明。砲火を浴びる中で落ちた、との目撃証言がある。米軍は、乗員の遺体を収容した。

国際テロ組織アルカイダ系を名乗る組織が犯行声明をイスラム系ウェブサイトに載せたが、真偽は不明。米軍機を撃墜する新たな方法を得たとも主張している。米統合参謀本部のペース議長はワシントンで、武装勢力による米軍ヘリへの地上砲火は過去数週間、命中精度が向上したと認めた。

中部のイスラム教シーア派の聖地ナジャフでは1月29日、武装組織との交戦で同じアパッチ型ヘリコプターが墜落し、2人が死亡。23日には米民間警備会社のヘリが墜落。

アルカエダの連中はこれまでにも肩がけ対航空機ミサイル(Sholder Fired Anti Aicraft Missile)を使って戦闘機を狙っていたがその命中度は悪かった。それなのに最近になってその精度があがったというのは何故だろうか?必然的に誰かが性能の高い武器をアルカエダに供給しているからだと考えられる。

アメリカ軍当局はこれはイラン政府だと考えているようだ。アルカエダの連中はこれまでにもSA-7ミサイルを使っていたが、最近の一連の攻撃はもっと性能の高いSA-18と考えられる。イラクのアルカエダは最近になって「神が新しい道をお導きになった」と宣言していることから、「新しい道」とはイランから供給された新型対航空機ミサイルのことではないかという話もある。

これがもし本当にイラン製のミサイルで、イラン政府がイラクのテロリストに武器や戦闘訓練を供給しているとしたら、これはイラン政府によるアメリカ軍への攻撃ととれる。にも関わらずアメリカ軍はイラン政府に対して何もしない態度をとるのであれば、今後イランからの攻撃はイラクのテロリストを通じてまずます激化することだろう。

もともとアメリカがイラクのフセイン政権を倒したというのも、イラクがテロリストの温床となって、フセインがテロリストを手先にしてアメリカやアメリカ関係の対象を攻撃するのを防ぐためであった。それがフセインは倒したものの、イラクがイランによってテロリストの温床となってアメリカを攻撃するのであれば、せっかくフセインを倒した意味がなくなってしまうではないだろうか。

February 05, 2007, 現時間 12:33 AM | コメント (2) | トラックバック

February 03, 2007

戦争を反対して軍隊を支持できるのか?

アメリカ内政 , イラク関係 , 狂ったメディア

最近よく、「イラク戦争には反対だがアメリカ軍は支持する」と言う人がリベラルの、特に政治家の中で増えている。民主党のジョン・ケリー議員が「勉強にしないとイラクへいくはめになる」とアメリカ軍人をバカにした発言をして以来、人気急下降で希望していた大統領選挙への出馬を断念せざるおえなくなったのでも分かるように、アメリカ人はアメリカ軍人をバカにされるのが大嫌いである。

アメリカリベラルの間では軍人を嫌うのが日常茶飯事になっている。自分達の内輪ジョークではしょっちゅう軍人の悪口を言っているから、つい公式の場でもうっかり軍人の悪口をいってしまうのだろう。だが、賢い政治家になってくるとそんなへまはやらない。下院議長のナンシー・ペロシもことあるごとにイラク戦争の批判をしながら、演説の最後にアメリカ軍を支持すると付け加えることを忘れない。2008年の大統領選挙希望の星、ヒラリー・クリントンもアメリカ軍への予算を削ってはならない、とアメリカ軍への支持を強調している。

しかしアメリカ軍人がやっていることを真っ向から反対し、現場の軍人が必要だと訴えている援軍の出動に異議を唱え、アメリカ軍人の仕事がやりにくくなるような決議案を通し、アメリカ軍人をより危険な状況に陥らせるような行為ばかりをとるリベラル政治家の口先だけの「軍隊支持」にはいい加減アメリカ軍人もうんざりしている。

この間アメリカのテレビ局NBCで、リチャード・エンゲル特派員がそうした軍人へのインタビューをし、戦地で戦う兵隊さんたちが祖国の偽善者たちに口々に不満を漏らす映像が放送された。

エンゲル:新しい兵士らが慣れなければならないのは新しい任務だけではありません。彼等には他に心配なことがあります。それは祖国において高まっている戦争討論です。ここにいる兵士らは口々にアメリカ市民の戦争批判に関して不満がつのっているといいます。兵士の多くが自分達が戦っていることへの批判は自分達への個人攻撃であると受け取っています。21歳の技術者、タイラー・ジョンソン兵は今回初めてのイラク任務です。彼は戦争に猜疑心のある人たちは批判する前にここへきて現場を自分の目で確かめてみてはどうかといいます。

タイラー・ジョンソン兵(Specialist Tyler Johnson):..人が死んでんですよ。分かります? 俺のいってること? あんたたちは軍隊を支持するとかいうかもしれないけど、軍隊が汗水たらして血流して命落としてがんばってることを支持しないっていってるわけですよ。そんなの俺に言わしたらおかしいっすよ。

エンゲル:マヌエル・サハガン伍長はアフガニスタンでも勤務し、イラクは4回目の任務です。彼は祖国の人々は両方を支持することはできないといいます。

マヌエル・サハガン伍長:(Staff Sergeant Manuel Sahagun): ひとつ私が一番嫌いなのは軍隊を支持するといいながら戦争を支持していないということです。支持するなら全て支持してほしいです。

エンゲル:ピーター・マナ兵は人々は戦争がどれだけ大変なものか忘れているといいます。

ピーター・マナ兵(Specialist Peter Manna): もし人々がおれたちがちゃんとした仕事をしてないって思うなら、おれたちがやってきた全てが無駄だったっていってることになる。

リチャード・エンゲル:アパッチ隊は二人の兵士を失いました。兵士たちは同士が命を捧げた任務を捨てざる終えなくなるのではないかと心配しています。NBCニュース、リチャード・エンゲルがバグダッドからお伝えしました。

この番組を見ていて腹がたったのはワシントンポストのコラムニスト、ウィリアム・アーキン(William Arkin)だ。彼は早速翌日のコラムにアメリカ軍人は文句をいうどころか、『反戦でありながらアメリカ軍を支持しているアメリカ市民に感謝すべきだ、アメリカ軍人は志願者だけの傭兵のようなもので、市民から唾を吐きかけられないだけでもありがたいと思え』という内容のコラムを書いた。リンクはすでにつながらないので私が保存しておいた元記事から抜粋する。

これらの兵士らは、世論調査では圧倒的にブッシュ大統領のイラク戦争のやり方を支持していないアメリカ市民が、それでも軍隊を支持し尊敬していることに感謝すべきである。

アルグレーブだの、ハディーサだの、強姦や殺人が起きる度にアメリカ市民は一部の不届きものによるしわざだとか、政権や司令部の責任だといって軍事を赦免してきた。

そりゃ確かに下っ端兵隊は監獄送りになる。だが反戦運動ですらその焦点はホワイトハウスの方針だ。近頃では制服組のひとりとして「赤ん坊殺し!」などといわれて唾を吐きかけられるなんてことはめったに聞かない。

そのうえ我々は兵士にまともな給料を払い、家族の面倒をみて、家裁だの医療費だの社会保障をし、戦地で必要とされる訳の分からない必需品まで供給している。我々は軍隊をできる限りのやり方で援助しているというのに、彼等はその上にさらに、我々に地べたにはいつくばって死んだふりをしろというのだ。軍人たちは自分達が社会の掟を超越しているのだから軍隊に道を譲り将軍たちに戦争をさせろ、そして我々の権利や言論の責任を放棄しろというのである。

アーキンは911以後のアメリカ政府の対テロ戦争の意味が理解できないという。本当にイスラムテロリストによる脅威などあるのだろうかとさえ問いかける。

NBCのこの放送はアメリカが傭兵、おっと失礼、志願兵軍、を持つことの代償を思い知らされる。汚い仕事というのは、洗濯と同じで誰もやりたがらない。しかしイラクは汚い洗濯物を洗うのとは違って誰かがやらなければならない仕事ではない。もう誰もそんなことは信じていない。

兵士らが仕事をするためには、自分らが大事な防御壁を守っているのだと信じなければならないというのは分かる。そこから彼等の不満が生まれるのだということも理解できる。彼等は若く無垢で自分らの仕事が全く成果をあげず、何の変化もない状況に不満を持っているのも理解できる。世間から遮断され常に誰もが彼等を支持すると聞かされてるのに祖国での討論で混乱するのも無理はない。

アーキンは、アメリカ兵は世間知らずの教養のないバカばっかりで、自分らの戦っている戦争が意味のないものであることすら知らずに戦争を批判する人間に八つ当たりをしている、とでも言いたげだ。実際にはアメリカ兵はイラクでもインターネットで世界のニュースを知ることができるし、その上に現場の状況を把握しており、アメリカでパジャマを来たままソファに座ってパソコンたたいてる我々なんかよりよっぽども正しい判断のできる立場にいるのだ。

これを読んで怒ったのは現役軍人だけではない。記事は軍人の家族、親戚一同はもとより、保守派ブロガーや軍隊を支持している一般市民の逆鱗に触れた。ワシントンポストへはよっぽど大量の苦情が寄せられたとみえ、元記事はオンラインからは削除され、本日アーキンはネット上で謝罪を余儀なくされた。(元のリンクへいってみるとたちまちのうちに600以上のコメントが寄せられたため、サイトは一時閉鎖されたと注意書きがあるほどだ。)

もっとも昨日ラジオのインタビューで彼は『発言を撤回するつもりはない、アメリカは負けている、アメリカ軍は教養が低い』などと息巻いていたから、謝罪文は編集部に言われて仕方なく書いたもので心のこもったものでないことは明白である。

アーキンのように軍人は黙って戦争やってろというような奴に限って自分が批判されると言論の自由を迫害しているといってごねるのは常だ。しかしアーキンは決して軍人が文句を言う権利がないとか、唾をはきかけられるべきだとか言ったのではなく、軍人も反戦でありながら軍隊を支持しているアメリカ市民に感謝すべきだといいたかっただけだと強調している。私には全くそうは読めないけどね。とにかくこの謝罪文の一部を読んでもらいたい。

私が今日のアメリカ兵を傭兵と表現したことは明かに誤りであった。

(軍隊の)男女はお金のために国家おざなりに働いているのではない。現状はもっとひどい。制服を着ている非常に多くの人々が自分らこそが本当の国家だと思い込んでいる。彼等は憲法と国旗の影に隠れ反民主的、反リベラル、反ジャーナリズム、不寛容、多少でもアメリカに反する考えを否定する姿勢をとっている。

私が「軍隊もアメリカ市民を支持すべきだ』が火曜日に掲載されて以来、多くの人々から私は黙って他者が私のために犠牲になっていることに感謝しろと言われた。

これが謝罪?謝罪どころかアメリカ軍人を傭兵などといったのは生易しすぎた、アメリカ軍人は自由も民主主義も信じない暴君だと言い直しただけではないか、なんというごう慢さだろう。

私は戦争そのものを支持できなくても軍隊を支持することは可能だと考える。私はクリントン大統領政権下で行われたコソボ・ボスニアの戦争には大反対だった。しかし出動した軍人たちの任務が失敗すればいいなどとは思ったこともないし、戦地へ行った人々には「がんばってね、無事にかえってきて下さい」と激励の声をかけた。戦争そのものが間違っているとしても戦っている兵士らに責任はないではないか、彼等に八つ当たりしてどうなる?

アメリカ軍人が文句をいっているのは、アーキンのように戦争に反対なだけでなく、その戦争で戦っている軍人を軽蔑している人間が、社会からつまはじきにされるのを恐れるばかりに口先だけで軍隊を支持しているなどとでまかせを言っている人間に対してのものだ。家族と別れて危険な場所で感謝もされない仕事をしている兵隊さんたちのことを一度でも真剣に考えたならば、こんな下らない記事はかけないはずだ。アーキンのようなバカが自由にものがいえるのも、我々の勇敢な軍人たちが命がけで戦ってくれているからだ。

すこしは感謝しろ!

February 03, 2007, 現時間 03:55 AM | コメント (3) | トラックバック

February 02, 2007

イラク、アメリカ兵拉致殺人事件、イランの関係を追う

イラク関係

私は先日イラン工作員がイラク国内で紛争促進の工作を行っているという話をしたばかりだが、この間カルバーラで起きたアメリカ兵拉致殺人事件はイランの特別部隊ウォード(Qod)の関連についていよいよペンタゴンも調査に乗り出したらしい。

イラクの軍施設襲撃事件、米当局がイランの関与を調査

バグダッド(CNNー2007.01.31) イラク中部カルバラで1月20日、米軍とイラク治安部隊の共同施設が武装勢力に襲撃され、米兵5人が死亡した事件で、米国防総省は容疑者がイラン人か、イランで訓練を受けた活動家であるとみて調査を進めている。米当局者が30日、CNNに語った。

犯行グループは米軍風の制服で変装し、米軍で使用されている種類の車に乗り、英語を話すなど、用意周到だった。米軍は当初、死亡した米兵らが武装勢力に抵抗していたと説明していたが、後日犯行グループが検問所を難なく通過したうえ、米兵らを施設から連れ出し殺害したことを認めた。こうした手口は、武装勢力や外国人過激派には見られないという。

イラクでは1月11日、米軍主導のイラク駐留多国籍軍が、北部アービル市内のイラン領事館を強制捜査し、職員を5人を拘束した。米誌タイム電子版が30日伝えたところによると、カルバラの事件はイラン革命防衛隊による報復攻撃との見方がある。

米当局者が1月26日に明らかにしたところによると、ブッシュ米大統領はイラク駐留米軍に、イラク国内のイラン人工作員を殺害あるいは拘束する権限を認めた。また、タイム電子版によると、イラン革命防衛隊は敵に対して容赦ない報復攻撃を実行することで知られる。

アメリカ政府はイランによるシーア殺人軍団及びスンニ反乱軍やイラクのアルカエダへの援助について詳しい説明会を開く予定だったがイランへの気兼ねから遅らせることになったらしい。いまさらイランに気兼ねもないだろうが、裏取り引きがあるのかもしれないので、詳しいことは分からない。この説明会では、イラクで使用されている爆発物や武器にイラン製のラベルがついているとか、シリアル番号まで入っているといった詳細な証拠が提示されることになっている。

ところで、アンサーアルスンナというアルカエダ系スンニ派のテロリストが、イラクではイラン人工作員による暴力行為があちこちで行われているという告発プロパガンダビデオを発表した。

ビデオでは反乱軍がライバルのシーア民兵にイランから密輸入された武器にペルシャ語で「イラン内政省」と書かれたラベルを見せている図がある。

テロリストのプロパガンダビデオだから内容は100%信用できるわけではないが、ペンタゴンからの情報と同じものであるのは興味深い。

February 02, 2007, 現時間 08:50 PM | コメント (3) | トラックバック

米議会の腰抜け反増派議案

アメリカ内政 , イラク関係

アップデート:訂正のお知らせ。最後をご参照のこと。

民主党と共和党の双方から草案が出ていたイラク増派反対決議案だが、今日になって口調のきつい民主党の案は反故になり、比較的柔らかい口調の共和党の案ひとつに絞ることで議決案が決定した。

ワシントン──共和党のジョン・ワーナー上院議員(バージニア)と民主党のカール・レビン上院議員(ミシガン)は1月31日、新イラク政策に基く米軍増派への超党派反対決議案を提出した。

レビン議員は1月、ワーナー議員の後任として上院軍事委員会議長に就任。両議員は各自の決議案を競い、厳しい表現が少ないワーナー議員案の方が共和党の支持を集めていた。

超党派となった新たな決議案は、増派反対に関するワーナー議員案の表現を尊重したうえで、米軍のイラク駐留費を守る方針を盛り込んだ内容。レビン議員案の「増派は国益に反する」といった表現や、ワーナー議員案で一定規模の増派支持を示唆する部分は削除された。

決議案の一本化で共和・民主両党の支持は一層拡大し、可決の可能性が高まる見通し。リード上院多数党院内総務(民主党)は軍事委員会での審議を経ずに、2月5日から本会議で決議案の討論に入る意向を示した。

ヒューヒューイットのサイトに決議案の全文が載っている。長ったらしくぐたぐた書いてはあるが、どこにも「増派絶対反対」とか新作戦がうまくいかなかったら「即刻撤退すべき」といった文章は出てこない。多少きつい言い方があるとしたら、イラク市民が率先して治安維持と復興に取り組まなければ、アメリカ国民からの支持を失うであろう、といった部分くらいだろうか。

具体的にイラク政府がしなえければならないこととして11の項目が挙げられており、その結果をイラク政府はイラク大使を通じて月毎にアメリカ議会に報告することとある。

はっきり言ってこんな議決通してなんになるのだろうか? 単にブッシュ大統領の新作戦がきちんといくかどうかちゃんと報告して下さいね、イラクさん、いつまでもアメリカに頼ってばかりじゃ駄目よ、程度の内容であり、ブッシュ批判にも増派反対にも全くなっていない。しかも投票阻止にあわないための60票が集まる可能性はほとんどなく、この議決は投票にも持っていかれずに消え去るだろうというのが今の見方。

全く騒いだ割には意味のない腰抜け内容になったようだ。

アップデート:私がウォーナー議員提案としてヒュー・ヒューイットのサイトへのリンクを張った提案は、ウォーナー議員のものではなく、マケイン(共和)・リーバーマン(独立)議員が主催となって提案した議決案でした。訂正します。しかし、ウォーナー氏は自分の提案からは辞退し、新しく提案されたマケイン・リーバーマンのほうに投票するかもしれないという意志を示しはじめている。となるとウォーナー議案が通る可能性はかなり低まった。本文でも説明したようにマケインの発案は単にイラクが復興の経過をアメリカ議会に定期的に報告せよというもので、別にブッシュ新作戦への批判ではないから、この議決案、はっきりいって何の意味もないものになりそうだ。

February 02, 2007, 現時間 01:40 AM | コメント (0) | トラックバック

January 30, 2007

イラクに伸びるイランの魔の手

イラク関係 , イランが危ない , イランをどうするか

English version of this post can be read here.

私がしょっちゅうサドルがイランの飼い豚だという話をしているので、ブログ仲間のアセアンさんからそんな証拠はあるのか、あるとしたら、サドルのマフディ軍はレバノンのヒズボラのような存在だとカカシが考えているのかどうか、というご質問を頂いた。私はサドルがヒズボラのような立場を望んでいるとは考えていない。奴はイランを利用できるだけ利用してイラクの混乱に乗じて自分の勢力を広げようという魂胆だろう。イランはイランで利用できる人間はシーアのサドルであろうと、スンニのアルカエダであろうと利用してやろうという魂胆だと思う。

イラクへの増派が始まるまでもなく、イラクではイラク・アメリカ連合軍による戦闘が勢いを増している。最近起きている激しい戦闘にはスンニ派にもシーア派にもイランの指紋がべったりとついているのだ。

イラクで起きる数々の暴力沙汰にイランの魔の手が関与していることは、もうかなり前から疑われていた。しかし、去年の秋頃までは無駄にイランを刺激しないことで、イランからの協力を得られるかもしれないというかすかな希望にでもすがっていたのか、アメリカ軍はイランの影響力を公の場では過小評価してきた。しかしこの方法は全くイランの強行な姿勢を変えていないどころか、イランの核開発はどんどん進んでいる。そこでどうやらやっとアメリカはイランの関与について暴露する方針に変えたようだ。

さて28日にナジャフで起きた戦闘についてちょっと考えてみよう。

ナジャフで戦闘、武装勢力の死者300人と イラク

イラク・ナジャフ(2007.01.29- CNN/AP/REUTERS)─イラク中部のイスラム教シーア派聖地ナジャフで28日、イラク治安部隊と同国駐留米軍が600人近い武装勢力と交戦し、武装勢力側の推定250─300人が死亡した。内務省関係者が明らかにした。地元警察幹部によると、戦闘は29日朝まで続いたが、その後ほぼ沈静化した。...

地元警察幹部が国営テレビ局アルイラキアに語ったところによると、イラク治安部隊は、ナジャフの北方約10キロのザルカ付近に武装勢力が集結しているとの情報を得て出動した。その後、兵士や地元警官ら6人の死者が出たためいったん撤退し、米軍の援護を求めたという。

ザルカでは戦闘中に米軍のヘリコプターが墜落し、米兵2人が死亡した。米軍は墜落原因を調査中としているが、イラク当局者は武装勢力のミサイルに撃墜されたとの見解を示した。

武装勢力は、イスラム暦新年に行われるシーア派の宗教行事「アシュラ」に合わせ、ナジャフへ向かう巡礼者らに紛れて南進したとみられる。

この記事には書かれていないが、英語版のAPの記事によれば、さらにスダン人を含む外国人戦闘員など100人が拘束されたとある。

また、28日の段階では反乱軍がスンニなのかシーアなのかはっきりしていなかった。それもそのなず、「天国の兵士」と名乗るこの軍団はこれまで全く知られていなかったカルト集団で、アルカエダが主体とはいえ、シーアの民兵もかなり含まれいたらしい。しかも彼等の武器整備はすごいもので、少なくとも二機の対航空機スティンガー形ミサイルを使用し、重量型マシンガンも使われたという。

本日の ニューヨークタイムス にもっと詳しい情報が載っている。NTTimesによれば、敵側の戦死者は470人は下らないという。しかも味方イラク軍の戦死者はたったの25人。これは圧倒的なイラク・アメリカ連合軍の勝利である。

しかし、そこは反米NYTimesの記事。味方の大勝利を素直には喜べない。なんとか悲観的な見方をしようと必死だ。そこでNYTimesはイラク軍の戦いかたに「困惑する疑問」が湧くとしている。

イラク軍は整地ナジャフ付近でこの週末に起きたよく知られていない与太者民兵軍と激しい戦いに驚かされもう少しで圧倒されそうになった。イラク軍は当初発表されたような単なる後方援護よりももっと大規模な援護を必要としたと米軍とイラク軍の要員は月曜日語った。

関係者の話によるとイラク軍は自らを「天国の戦士」と名乗る何百人もの戦闘員の強さを危険なほど過小評価しすぎ、アメリカ軍は空からだけでなく、地上隊も出動してイラク軍を援助するに至った。...

イラク軍とアメリカ軍は最後には戦闘になんとか勝った。しかしイラク軍の反乱軍の強さとその意図に関する誤算にはイラク軍の脅威を把握し処置する能力に関して 困惑する疑問が湧いた。

まったくこれだけの圧倒的な勝ち戦でここまでこき下ろされるんじゃ、負け戦だったら何と言われることだろう。現実にはイラク軍は反乱軍の規模の大きさに気が付かなかった。それというのも、反乱軍はアシュラの参詣者に紛れ込んでナジャフに数日前から潜入していたからだ。だが、ここで注目されるべきは圧倒的多数の敵に面してイラク軍は怯まず、2004年の最初のファルージャ戦闘の時のように制服を脱ぎ捨て退散するようなことはしなかった。それどころか、周りを敵に取り囲まれながら堤防を築き、空と陸からの援軍が来るまで味方を大量に失わずに勇敢に戦ったのである。本来ならばそのことが讃えられるべきなのだ。

ま、それはともかく、この綿密に計画を立てられた用意周到な戦闘は、最近カバーラで起きたもうひとつの事件 を思い出させる。

去る1月20日(2007)地元のイラク人と会議中のアメリカ兵が攻撃に合い、1名がその場で死亡、4名が手錠をかけられ拉致された上、数十キロ先で銃殺されるという事件があった。警備にあたっていたイラク軍の話では12人の何者かがアメリカ兵の制服を着用し、アメリカ軍が常用する乗り物に乗り、アメリカ軍の持つ兵器を所持して関門を通り抜けたという。しかも「兵士」の一人は英語を話し、一人は金髪だったという証言さえある。

この非常に巧妙な手段はアルカエダの乱暴な自動車テロなどとは全く異質のものであるし、シーア派の民兵などによる能のない撃ち合いなどよりずっと高度な作戦がとられていた。これはただのテロリストやギャングの仕業ではなく相当な訓練を受けたイランでも特に凶暴な特別部隊、クウォード隊(Qods)の仕業ではないかという見方が強まっている。

事実イランはイラク国内でずっと以前から秘密工作をおこなっていた。イランはなんとスンニとシーアの双方に武器調達、戦闘訓練などを提供してきていたのだ。最近アメリカ軍によるイラン勢力アジトへの攻撃の際、アメリカ軍は ある書類を発見した。 それはなんとイラン軍によるイラク紛争促進の青写真だったのである。

アメリカ諜報部員によると、新しく発見されたこの書類の信憑性は諜報専門家の間で調査済みだという。 これによって「イランはシーア民兵軍とスンニ聖戦軍の両方と密接に活動している」ことがはっきりした。...

同じ書類を調査した別のアメリカ要員は、この書類は「煙の出ている銃」だとし、「攻撃計画、スンニ関係者の電話番号などあらゆること記されており、今まで何をやっているのか、空白だった部分が相当埋められました。」と語った。

どうやらイランにも独自の「イラク調査委員会」があったようで、彼等の「推薦」はイラクに内戦をおこさせることだったようだ。皮肉なことに月曜日, イランはイラク「援助」の計画を発表した。 :

ハサン・カゼミ・クミ( Hassan Kazemi Qumi)大使は「治安維持の戦い」のため イランはイラク政府軍を訓練し、武器援助やアドバイザーを送る用意がある。と発表した。また経済面でもイランは4年前にフセインを倒してい後アメリカが失敗している部分において、イラク復興のため主な責務を果たす用意があると語った。

「我々は戦後の復興には経験があります。」とクミ大使。1980年代におきたイラン・イラク戦争をさして語った。「この経験を生かしてイラクの復興に役立てたいと思います。」

またクミ大使は、先月アメリカ軍が一時的に拘束し解放したイラン人が、アメリカが主張していたように軍事要員であったことを初めて認めた。しかし彼等はイラクでイラク政府と話あうために正当な活動をしていたのであり、拘束されるべきではなかったと語った。

イランは親切にもアメリカが足りないところを補ってイラクの復興に手を貸してくれるというのである。なんとありがたいことではないか? 無論、奴らの企みはかなり明白である。最近アメリカが公にイランのイラクへの関与を暴露し批判しはじめたため、イランも圧力を感じているのだ。イランはアメリカが一旦責めはじめたら、ヨーロッパやイスラエルのようには簡単に引かないことを承知している。だからアメリカからの攻撃から一時的に話をそらすために白々しい言い訳をしているのである。

しかしこのイランの態度を見る限り、イラクがアメリカと誠実な交渉などする気がないことは明白だ。ベーカー・ハミルトンが代表したイラク調査委員会の推薦がどれほど馬鹿げたものだったのかこれではっきりした。

January 30, 2007, 現時間 11:19 PM | コメント (0) | トラックバック

January 26, 2007

サドルの計算違い

イラク関係

イランの飼い豚サドルがアメリカとの衝突は避けマリキ政府と協力すると発表した。LATimesはサドルの動きにアメリカは驚いたとしているが、私は予想どおりの結果だと思う。先日私がラストチャンスという神話で、モハメッド君の話を紹介したのを思い出してもらいたい。

バグダッドに話を戻そう。サドルのマフディ軍は正面きってのアメリカ軍との戦闘は避けるつもりのようだ。マフディの司令官らはマフディ戦闘員に黒い制服を脱いで一般市民の間に紛れ込み、しばらくほとぼりが冷めるまで大人しくしているようにと命令したらしい。そしてアメリカ軍の捜査活動には全面的に協力し逮捕されても一切反撃してはいけないと厳重に注意したという。すでに高位の司令官らはイランに逃れたり、近隣都市に分散したりしてしまったようで、サドル派の本拠地であるサドルシティに残っているのはただのちんぴらだけという可能性もある。

すでに、サドル派はアメリカ軍への表立った抵抗は止めている。これまでアメリカ軍を「占領軍」と呼んでいた彼等もアメリカ政府と協力する姿勢をみせている。では本日のLATimesでは何が新しいニュースだと報じているのか、本筋はこれだ。

木曜日、バグダッドの本拠地にあるサドル運動のひとつのリーダーが、公にブッシュの新しい警備作戦を承認すると発表した。すくなくとも数人のアメリカ要員は作戦をサドルと戦うのに使うと公言していた。

「我々はこの作戦がうまくいくように出来る限りの協力をします。」サドル市近隣のシーア派系地区のリーダー、アブドゥール・フセイン・カーバイ(Abdul-Hussein Kaabai)氏は「イラク政府によって行われる計画なら自分達は協力する。」と語った。

どうやらサドル派は必死でアメリカ軍に自分らに抵抗の意志はないと訴えているように見える。だが、サドルが本気で政府に協力して暴力をあきらめるなどと考える人はいないだろう。サドルはアメリカ国内で何が起きているか十分に知っているのだ。ブッシュ大統領が新作戦を実施できる時間はブッシュが議会に新しく戦争予算の提案をするまでの数カ月であることをサドルはわきまえている。彼の計算ではその間おとなしくしていれば、アメリカ議会が予算を切り、ブッシュはイラク撤退を余儀なくされると踏んでいるのである。そうなったらまた兵を挙げればいい。増強された軍隊と真正面に戦ってやたらに人数を失う必要はないという考えだろう。サドル派はアルカエダと違って自殺願望ではないらしい。だが、この作戦にはいくつかの大きな問題がある。

まず第一に、意図的にしろ無理矢理にしろ一旦敵に占拠された領土を取り戻すとなると、もともとの領土を守るようなわけにはいかない。特に今回はアメリカ軍は完全に治安維持が保てるまで占拠した領土を数カ月はアメリカ軍で押さえ、その後にイラク軍に治安維持を受け渡すという作戦をとっている。バグダッド付近の警備に増派されるのは2万人のアメリカ兵だけではない。数万というイラク兵のことも忘れてはならない。

反戦派が何と言おうとアメリカ軍は野蛮人ではないので、占拠した市街地の市民を厳しく取り締まりはしても、理不尽な扱いはしない。地元民から金品を巻き上げるようなこともしなければ、婦女子を冒涜するようなこともない。それどころかアメリカ軍は一旦占拠した土地に学校をたてたり病院をたてたりするだろうし、地元のリーダーたちと協力して自治が可能な体制をつくるだろう。LATimesによれば、サドル派が占拠していた界隈でも民兵らの横暴な態度に市民からの不満が高まっていたという。サドル派民兵が留守の間に地元民による平和な自治が設立しイラク軍による警備が行われるようになっていたら、ただの愚連隊の民兵どもがそう易々とは戻って来れまい。

また、いくらこれがサドル派の生き延びる作戦とはいえ、それを教養のないシーア派民兵連中に理解することができるだろうか?これまで「占領軍」と言っていたアメリカ軍に媚びを売り、警備に全面協力しろなどという呼びかけは、単にサドルが自分の皮だけを救おうとしている臆病な手段なのではないだろうか、逮捕されたシーア派民兵が後で釈放されるという保証はあるのだろうか、サドルはおれたちを犠牲にして自分だけ助かろうとしているのではないだろうか、などという疑いがサドル派の民兵連中の間で生まれる可能性は大きい。民兵たちは正規軍ではない、ただのギャングである。何か月もサドルのいうことをきいて大人しくしているとは思えない。

自分勝手に暴れた民兵たちが大量にアメリカ軍やイラク軍に殺されるのは目に見えている。

そして、一般のイラク人たちはどう思うだろう? サドルが後に勢力を復活させるための「負けるが勝ち」という賢い手段だと解釈して感心するだろうか? バグダッドの地区が次々にアメリカ軍によって占領され治安が何か月も保たれたならば、はたしてイラク人はサドルの作戦を巧妙だと考え続けるだろうか?

最後にここが一番の問題だが、アルカエダの勢力は昔に比べたら大幅に衰えている。シーア派民兵が抵抗しなければバグダッドの治安はあっという間に安定する。つまり、サドルの思惑はどうでも傍目にはブッシュの新作戦が大成功をしたように見えるのである。アメリカ議会が新作戦に反対しているのはこの作戦が失敗すると思っているからで、失敗した作戦に加担したと投票者に思われるのを恐れた臆病者議員たちが騒いでいるに過ぎない。だが、新作戦が大成功となったなら、奴らは手のひらを返したようにブッシュにこびへつらうだろう。そして勝ってる戦争なら予算を削ったりなど出来なくなる。そんなことをすればそれこそアメリカ市民の怒りを買うからだ。

結果アメリカ軍は早期撤退どころか、イラクが完全に自治ができるまで長々と居座ることになるだろう。その間にアメリカ軍はなんとかサドルを殺す口実を作る必要がある。だが、サドルは所詮犯罪者だ。いずれ間違いを犯す。その時こそサドルを退治するチャンスである。

サドルの作戦は裏目にでるかもしれない。

January 26, 2007, 現時間 07:38 PM | コメント (2) | トラックバック

私が決断者だ!議会ではない、ブッシュ大統領が断言

アメリカ内政 , イラク関係

今朝のニュースでは二つほどブッシュ大統領の決断に関する記事があった。先ずはブッシュ大統領がイラクへの増派について、決断をする権限があるのは大統領である自分だと断言したという記事。

ブッシュ大統領は新作戦に反対する決議案が民主共和の両党から提案されていることに関して、「私は一番成功する可能性のある計画を選んだ」「作戦がうまくいく暇も与えずに批判しているひとがいる」などと強い口調で反撃。そこまでいうなら自分達で成功する方法を提案してみろ、とまで言っている。

リベラル連中はすでにこのブッシュのきっぱりとした口調をあざ笑っているが、普通のアメリカ人はこういう強気の大統領を頼もしいと思うのではないかという気がする。大統領は国のリーダーであり、軍隊の総指揮官である。そのリーダーが権限もない議会の決議案で右往左往しているようでは戦争に勝てるはずがない。こうしてきっぱりと議会に挑戦状を叩き付けるとは、さすがジョージ・W・ブッシュ。

ホワイトハウスの芝生で記者からイラクにいるイラン戦闘員に対する扱いが厳しくなっているが、それがかえって暴力を激化させているのではないかという質問に対してブッシュは自分の方針を弁護しながらも、イランに戦争が拡大するという可能性については「そのような考えは正しくない」と答えた。「我々の方針は我が軍を守ることにある。理屈にあっている。」と付け加えた。

さて、そのイラクのイラン戦闘員の話だが、それが二つ目の記事だ。

イラクのイラン人工作員の「殺害承認」

ワシントン(2007.01.26、 CNN/REUTERS)米紙ワシントン・ポストは26日、ブッシュ大統領がイラク駐留米軍に対し、同国内で活動するイラン人工作員を殺害もしくは捕そくする権限を昨年秋に与えていたと報じた。この権限付与を直接知り得る立場にある政府やテロ対策当局者の情報として伝えた。...

同紙は、イラン人工作員の殺害承認について、一般人や外交官が対象ではなく、イラクの武装組織と関係するイラン革命防衛隊や情報機関の要員が主な狙いとも報じた。米軍は殺害承認を受け、特殊部隊を投入してはいないが、米政権高官は同部隊を使うよう促しているという。

イラクでは先月、米軍の3度にわたる捜索で複数のイラン政府関係者が拘束されている。カリルザード駐イラク大使は24日、拘束の容疑については近く発表するとの方針を示していた。ただ、米軍の捜索は、イラクへのイランの関与を示す治安要員のネットワーク追及の目的があったとしている。

イラク国内で戦闘員の訓練や武器、資金の援助などの工作をしているイラン人やシリア人は容赦しないというのもブッシュの新作戦の一部である。だからアメリカメディアが今さら驚くほどのことはないはずだ。

ブッシュ大統領は国境を越えてイランまで戦闘を拡大するつもりはないと言っているが、私はそれはちょっと疑わしいと思う。ブッシュのイラン工作員に対する新しい方針はイランへの牽制であると考えることも出来るが、イランのイラクでの介入があまりにもあからさまになった場合、ブッシュはその行為をそのままイラク内での工作員退治だけに留めておくだろうか?

もっともイランにそのような猜疑心を持たせておくのも悪くない。イランがアメリカ攻撃を真剣に心配するようになれば、核兵器開発への野心も鈍る可能性があるからだ。

January 26, 2007, 現時間 01:50 PM | コメント (0) | トラックバック

January 25, 2007

ブッシュ大統領一般教書演説は好評

アメリカ内政 , イラク関係 , イランをどうするか

先日火曜日のブッシュ大統領一般教書演説は、民主党が期待していたような「イラクは負けてる撤退しよう」といった弱気な演説ではなく、ここで負けてたまるか、がんばろうという感じの演説だった。

ブッシュ米大統領が23日行った一般教書演説は、対テロ戦争やイラク問題での成果を声高に叫んだ昨年までと打って変わり、順調な経済運営や福祉政策の充実を冒頭で訴える内政重視の内容となった。政権への逆風が続くなか、残り2年の任期で多くの成果は期待しにくい事情を映した格好だ。対テロ戦については「武力衝突を超えたイデオロギー闘争」であり長期戦であるとして、イラク増派など、これまでの指針をあくまで貫く考えを表明した。...

対テロ戦に関しては、(1)米中枢同時テロなど米側の被害を繰り返し指摘(2)テロ抑止の実績を強調(3)対テロ戦にここで失敗すれば、より大きな被害を受けると警告(4)戦いの本質はイスラム教原理主義の独裁思想とのイデオロギー闘争であり、世代を超えた長期戦を予告−という構成。イラク政府がその責務を果たすためにも2万人以上の兵力増派を含むイラク新政策の実行が必要だと訴えた。論法は変わっても任期中はあくまで、この政策を貫く考えが読み取れる

産経の記事はかなり悲観的ではあるが、生で見ていた私には決して大統領が悲観的であるようには見えなかった。かえって元気がでる内容だったと思う。国民の感想も結構好評なようだ。演説直後に行われたCNNの世論調査によると、

演説を見た370人の大人のうち41%が「とても好意的」な反応を得たと答えた。 また37%が「どちらかといえば好意的」と答えた。2006年の時は「とても好意的」が48%、2005年では60%だった...

昨晩演説をみた67%の人々がブッシュの政策が国を正しい方向に進ませていると答えた、ブッシュ政権中で最低の数値となった。2006年では68%、2005年では77%だった。

また53%がこの演説によってブッシュと議会をコントロールする民主党とがもっと協力するようになると答えた。43%が演説によって双方がよけいに反対しあうだろうと答えた。

演説を見た51%がとても、もしくはどちらかといえばイラクにおいてアメリカが目的を達成できる自信があると答えた。ブッシュ大統領の2004年の演説の後ではこの数字は71%だった。

まったくCNNはこれまでの年と比べて、イラク戦争への支持が減っていると強調したいようだ。しかし、反戦メディアが日がな夜がな「泥沼、ベトナム、撤退、内乱」と騒いで、これだけイラクは失敗だとあらゆる場所で繰り返されているにも関わらず、まだ過半数のアメリカ人がイラクでは勝てると自信をもっているというのはこれだけでもすごい思う。

しかし比べるべきなのはこれまでの演説の結果ではなく、ブッシュの演説前と演説後の人々の気持ちの差である。演説前の世論調査ではブッシュの新作戦が成功すると考えていた人の数は25〜29%だった。ところが演説の後になるとその数は51%にあがったのである。ということはブッシュの演説は多くのアメリカ人にあらたな自信を与えたことになるのだ。演説とはこうあるべきだ。

普通のアメリカ人はテレビの前に一時間も座って大統領の演説など聞かないと思う。だから多くの人たちはまだ大統領の新作戦が具体的にどういうものなのかわかっていないだろう。ブッシュの演説が演説をきいた人たちの間でこれだけ良い影響があったのであれば、ブッシュ大統領を初め報道官のトニー・スノーや、副大統領、国務長官、防衛長官などがテレビのトークショーなどに出演してどんどん説明にあたれば、もっと多くのアメリカ人が新しい作戦を支持するようになるはずだ。

アメリカは今よりもっとひどい状態になったことが何度もある。古くは南北戦争、第二次世界大戦、朝鮮戦争などでも、イラクなど比べものにならないほど大量に兵士を失い勝てる見込みが薄い時があった。しかしアメリカはそれらを乗り越えて勝利を得てきた。ブッシュ大統領はアメリカ市民に辛抱を求めた。この新しい作戦がうまくいく時間を求めた。過去にもっとひどい苦境を乗り越えてきたアメリカ人にならそれができる、この演説は改めアメリカ人にそう思わせる演説だったと思う。

イラク戦争は何もかも思いどおりにいっているかといえば、無論そうではない。だが戦争というものは得てしてそういうものだ。どんなに綿密に作戦をたてても、100%計画どおりにいく戦争など存在しない。しかし計画が多少失敗しても、うまくいかないから撤退を考えるのではなく、どうやってうまくいってない箇所を調節できるのか、どうやったら失敗を糧にして勝利に結び付けるのか、それを考えるべきである。

私はこの戦争には勝てると信じている。より多くのアメリカ人がそれを信じ大統領を支持すればその可能性はもっと高くなる。この大事な時に新作戦には反対だなどと下らない決議案をとおしている場合ではない!

January 25, 2007, 現時間 08:46 PM | コメント (0) | トラックバック

イラク、アメリカ軍訓練チームが面する難関

イラク関係

アメリカ人ブロガー(Bill Roggio, The Fourth Rail)でフリーランスジャーナリスト、元陸軍特別部隊のビル・ロジオがまたまたイラクで従軍報道をしている。ここ2年くらい彼はしょっちゅうイラクやアフガニスタンに行っているので、彼がアメリカにいることの方が珍しいくらいだ。

今回ロジオはアメリカ軍のイラク軍訓練チーム(Military Transision Team, MTT)に従軍している。それで今日はこのチームが直面している難かしさについて紹介したいと思う。ここでロジオが強調している点は、これはけっして失敗例をあげているのではなく、アメリカ軍はこうした問題を解決していなかければならないということを示しているに過ぎないということだ。どんな企画にも難関は存在する。戦争をしている以上それがどんなものなのか知っておく必要がある。

陸軍と海兵隊、見解の違い:訓練チーム、3/3-1 MTT 隊はいま5人の海兵隊員と9人の陸軍兵による合併チームになっている。同じ軍隊でも海兵隊と陸軍では文化が違う。それでどうやってイラク軍を訓練するかということで意見の違いが生まれるわけだ。

チームリーダーのオーウェン・ウエスト少佐によると、陸軍はスタッフを育て訓練プログラムを確率することに焦点を当てるが、海兵隊はイラク軍と共にパトロールしたり抵抗軍と戦うことに焦点をあてるという。

「実をいうとどちらも正しいのです。」とウエスト少佐は言う。しかし両方の方法を効果的に取り入れるための十分な資源はない。結果、海兵隊の見解がほぼ勝った形になっている。この難しさにも関わらず、 3/3-1 MTT 隊はイラク大隊の発育と住居環境を非常に向上させた。

MTTの任務は訓練と警備にある。以前には人が足りずどちらか一つを選ばなければならなかったが、今はそのどちらも出来るようになった。3/3-1 MTT チームは近いうちに海兵隊だけのチームになる。陸軍兵たちはスティーブ・シルベスター少佐に率いられバグダッドでイラク警察の訓練にあたることになっている。

司令部と現場の衝突:一般の会社でもそうだが、現場の人間が経営側が現場の状況を正しく把握しておらず、必要な支援をしてもらってないと感じることはよくあることだ。イラクでも危険な前線で訓練を行っているMTTやPTT(警察訓練隊)は比較的安全な場所にいる前衛司令部(Forward Operating Bases、FOBs)から十分な援護がないと苦情を漏らす。表面的には訓練チームの任務が最優先ということになっているのだが、現場のものからすると彼等はFOBから最低限の援護しかもらっていないと感じるようだ。

ウエスト少佐によると空からの援護にしても、アメリカ軍の海兵隊一隊のほうがイラク軍三隊よりも多く援護がもらえるという。また防御に必要なメッシュや食料などの生活必需品もしょっちゅう足りなくなるという。ロジオ自身もフォビットと呼ばれる訓練チームの待遇と前衛司令部施設とでは全く違うことを体験している。FOBにはネットカフェあり、食堂にはサラダバーあり、贅沢品がいくらでも存在する。FOBは大掛かりな防御フェンスに囲まれており、多額の資源が無駄遣いされているという。ロジオはFOBよりもずっと危険な最前線にいるMTTやPTTにこそこれらの資源が回されるべきなのではないかと語る。

バカサヨ戦闘規制: ロジオは「政治的に正しい(PC)」という言葉を使っているが、カカシに言わせればこれは「バカサヨ政策」である。つまり、アメリカ兵たちは後になって敵に対して非人道的な行為をしたといって責められるのを恐れて十分な戦いができなくなっているのだ。相手は女子供も容赦なくぶっとばすようなテロリストだというのに、こっちは相手の人権を尊重した戦いをしなければならないなんて、はっきりいって馬鹿げている。

「PCのおかげで我々は間違った恐怖心に満ちています。」ウエスト少佐は語る。「我々は囚人たちを私の大学で同室した同級生より大切に扱ってますよ。」

「我々があまりにも神経質に文化的な問題をあつかうのをイラク軍は笑ってます。」

特に女性を逮捕する時などの気の使い用は異常で、外国人テロリストを匿っているとはっきりしている場合でも、司令部からの許可がなければ現場の判断で女性を逮捕できないという規則は、イラク兵たちは信じられないという顔でみているそうだ。

敵の心ではなく頭を: 我々は反乱軍との戦いをするに当たって、非常な誤解をしているとウエスト少佐は語る。

「アンバーでは、平均的な男性が我々の敵なのです。彼等の心を勝ち取ることはできません。しかし彼等の頭脳を勝ち取り常識的な判断ができるようにすることならできます。」彼等がアメリカ軍やイラク軍、そしてイラク警察を攻撃しないようにするためには、「多くの(戦闘員年齢の)男性を捕らえて釈放しないことです。」捕らえては放つというやりかたは、既知の反乱軍が釈放後再び戦うという状態になっている。つまりかえってこれが敵による攻撃をより促進しているのである。

ウエスト少佐は「壊れた窓理論」式のやり方でどんな些細な犯罪も見逃さず厳しく取り締まる必要があるという。イラク兵たちの目から見るとアメリカ軍のこの異常なまでの反乱軍への「合法な扱い」が信じられないようだ。これは戦争である。にもかかわらず我が軍はテロリストを普通の刑事犯罪の容疑者のように「疑わしきは罰せず」などという態度で扱っているから、誰の目からも有罪なテロリストが完璧な証拠がないという理由で釈放され、再び同じ人と何度も何度も戦うはめになっている。こんなやり方をずっとやってきてアメリカ軍の犠牲がせいぜい3000人ということのほうが驚きだ。イラク兵があきれるのも無理はない。

今回のブッシュ大統領の新作戦はこのような馬鹿げた規制を改正することに焦点を当てている。二万程度の増派などよりこうしたバカサヨ規制を取り除くことが最優先だろう。ロジオの最前線からの報告のおかげでカカシは現在の戦闘規制(ROE)の改正がどれだけ大切かがよくわかった。

ところでオーウェン・ウエスト少佐は別のミルブロガー(米軍関係者の経営するブログ)Black Fiveの仲間で、確かブラックファイブにもエントリーを書いていたように記憶している。軍隊に入るのは他に何もできない無能な人間ばかりだというジョン・ケリー議員のような偏見とは裏腹に、ウエスト少佐はエリートで、スタンフォードとハーバードの両方を卒業。少佐は一旦は海兵隊将校の任務を終えて除隊した後、ゴールドマン・サックスという一流証券会社に勤めていた。またすごい運動家でエコチャレンジやエベレスト登山に挑戦したりしている。そのままエリートビジネスマンとして平和に暮らすこともできたのにわざわざ再入隊して危険な場所でイラク軍の訓練に当たっているというすごい人である。

ウエスト少佐からのメールをブラックファイブで読むことができるので、英語に自信のある人は読むことをおすすめする。

January 25, 2007, 現時間 04:28 PM | コメント (0) | トラックバック

ケリー議員大統領選出馬断念の持つ意味

アメリカ内政 , イラク関係

前回の大統領選挙で民主党候補だったジョン・ケリー上院議員は昨日2008年の大統領選出馬はしない意志をあきらかにした。ケリー議員が出馬を断念した大きな理由が数カ月前の勉強しないとイラクへいくはめになるといったあの失言にある。

 ケリー氏は04年大統領選で現職のブッシュ大統領に敗れたが、08年大統領選に向けて出馬の機会をうかがっていた。ベトナム帰還兵で、イラクからの米軍撤退について具体的な日程を定めるよう要求するなど早期撤退の旗振り役だが、昨年11月の中間選挙直前には学生を前に「勉強しないとイラクに行って苦労するはめになる」と発言、批判を浴びた

ケリー氏の報道官もあの発言以来ケリーの支持率は下降の一途をたどったと認めている。しかし、みなさん、ここで考えていただきたい。もし主流メディアがいうようにアメリカ市民のイラク戦争支持がどんどん下がっているのだとしたら、どうして反軍隊のケリー氏の人気が落ちるのであろうか?

私は民主党もそして一部の共和党員もこの間の選挙結果を間違って解釈していると思う。確かにアメリカ人はイラク情勢に苛立ちを覚えている。だがそれはイラク戦争そのものへの不満ではなくアメリカが勝っていないことへの不満なのだ。アメリカ人は勝者が好きなのである。

民主党は何かとアメリカを膝まずかせようとする。あたかもアメリカが世界のスーパーパワーであることが恥かしくて仕方ないかのように。だが一般のアメリカ人は自分達が世界一であることを恥じるどころか誇りに思っている。アメリカが強いのだという意識を確認するニュースを歓迎するのだ。だからアメリカの力を象徴するアメリカ軍を侮辱するような言動を許さないのである。

ということは、もしブッシュがイラク戦争に勝つことができたならアメリカ国民のイラクに対する気持ちも変わるだろう。特に共和党支持者にはその傾向がある。アメリカ議員たちはケリーの出馬断念から学び、アメリカ市民がこの間の選挙で議会に何を求めたのか明確に判断する必要がある。

それができなければ2008年にひどいツケを払わされることになるだろう。

January 25, 2007, 現時間 02:06 PM | コメント (0) | トラックバック

January 24, 2007

米共和党の負け犬たち

アメリカ内政 , イラク関係

昨日の演説でブッシュ大統領はイラク戦争への大事さを再び訴えた。しかし、民主党のみならず、共和党の議員のなかにも今回のブッシュ大統領の作戦変更に自信のない負け犬精神をもった臆病者が結構いる。まずはこの記事から。

イラク増派反対決議案、共和党主導で提出へ…米上院

【ワシントン=五十嵐文】米上院のジョン・ウォーナー前軍事委員長ら共和党議員3人と、民主党のベン・ネルソン議員は22日、記者会見し、ブッシュ大統領が提唱したイラクへの米軍2万1500人増派に反対する決議案を提出する方針を明らかにした。

 上院では、すでにジョゼフ・バイデン外交委員長、カール・レビン軍事委員長ら民主党議員を中心とする超党派の増派反対決議案が提出されているが、共和党主導の決議案は初めてとなる。増派反対論が、共和党内でも強まっていることを示している。

 ウォーナー議員によると、決議案は2万人規模の増派への反対を明確にした上で、大統領に対し、「2万1500人より少ない兵力で戦略的目標を達成するため、あらゆる選択肢を検討するよう促す」としている。

 先の民主党主導の決議案と同様、法的な拘束力は持たない上、小規模な増派の容認に含みを持たせているのが特徴だ。23日夜の大統領の一般教書演説や、民主党主導の決議案を巡る議論の行方などをみた上で、提出時期を検討するとしている。
(2007年1月23日10時25分 読売新聞)

ここではっきりと読者の皆様に言っておくが、こうした議決には全く施行能力はない。アメリカの憲法によって軍の動きや規模は大統領のみに決断の権限がまかされており、議会が口を挟む権利は全くないのである。だからこれらの決議は議会が大統領を支持していないという形だけの意思表示でしかない。ではどうして議会がそんな無駄なことをするのかといえば、個々の議員たちが自分の地区の投票者に向かって自分が戦争に反対であるという意思表示をすることで再選に備えようという動機からくるのである。

しかし、施行力がないとはいえ、この政治家たちの思惑による決議が戦況の及ぼす悪影響は計り知れない。議会の決議は大統領の政策変更には全く結びつかないとはいえ、最前線で戦う兵士らの士気には響くだろう。また我々の敵も我々が一致団結して戦争にとりくんでいないということを十分に理解し、アメリカ軍や民間人の犠牲を増やせば増やすほど我々が撤退する可能性が高まると奮起を起こすだろう。

民主党の決議案が即刻撤退決議案とするなら、こっちは「ゆっくり撤退組」とでもいうのだろう。 最初からイラク戦争に反対をしていた民主党議員やチャック・ヘーグルのような共和党議員がこのような決議案に署名するのはまあしょうがないとしても、このワーナー(読売の発音ではウォーナー)発案では数名の戦争支持派が含まれていることにがっかりさせられる。

  1. サム・ブラウンバック (カンザス州、100%)
  2. スーザン・コリンズ (メイン州、32%)
  3. オリンピア・スノー (メイン州、32%)
  4. ノーム・コールマン (ミネソタ州, 64%)
  5. チャック・ヘーグル (ネブラスカ州、 96%)
  6. ジョージ・ボイノビッチ (オハイオ州、 68%)
  7. ゴードン・スミス (オレゴン州、58%)
  8. ジョン・ワーナー (バージニア、88%)


括弧ないの何%という数字は、その議員がどれだけの割合で党の政策に同意してきたかという数値である。共和党のなかでもRINOと呼ばれる共和党はこの数値が低い。スーザン・コリンズやオリンピア・スノーなどがこの部類に入る。チャック・へーグルは保守派ではあるが、もともとイラク戦争は反対だった。だからこの人たちが作戦変更に反対でも別にいまさら驚くことではない。

問題なのは他の面では共和党政策一筋できていた共和党議員が自分の地区がリベラル化し反戦ムードが高まったことから自分の信念を捨てて反戦決議案に同意しようという動きである。共和率100%のサム・ブラウンバックは大統領選に出馬予定だ。どうやら彼はアメリカ市民がイラク戦争から尻尾を巻いて退散するのを望んでいるという主流メディアの主張を完全に信じ切っているようだ。彼には信念も根性もないらしい。

ジョン・ワーナーの場合は80という高齢なので年とって弱気になっているとしか思えない。全く年はとりたくないもんだ。しかし年とってきちんとした判断能力を失っているのなら早く引退するくらいの良識があってもよさそうなもんだ。

しかしこの中で一番残念なのはミネソタのノーム・コールマンだろう。ミネソタの保守派はずいぶん彼の後押しをしてきたので、これはひどい裏切りといえる。彼の代表地域はどんどんリベラル化しているので、再選のことも考えての行動なのかもしれないが、自分の政治生命が大事で信念を窓から放り投げようとは全く見損なったとしかいいようがない。

ほかにも数人、心が揺らいでいる共和党議員たちがいるが、残りの共和党員が結託すれば賛成派は58人であり、共和党リーダーのミッチ・マコーネルが根性をみせて議事妨害を行ったなら、それを押しのけて投票に持っていくには2票足りない。ということは共和党次第でこの二つの侮辱的で臆病な決議案を完全に潰してしまうことができるのである。

私はここで保守派共和党議員の人たちに訴えたい!この戦争は勝てる。だがそのためには我々が心を一つにして大統領の政策を支持しなければならない。我々は戦争中なのである。個人の政治生命よりも国がこの戦争に勝つことが最優先されるべきだ。すくなくとも共和党の議員たちにはそれを理解してもらいたい。

第一考えてもみよう。この決議案に賛成して、ブッシュ新作戦がうまくいった暁には同意した共和党議員らはばかをさらけだす。もし新作戦が失敗したら裏切り者と呼ばれるだろう。どっちにしても共和党議員がこれらの決議案に賛成して得することはありえない。

共和党の議員さんたちにどうかそのことを十分に考えてもらいたい。

January 24, 2007, 現時間 05:18 PM | コメント (0) | トラックバック

January 21, 2007

アメリカで反米運動をするイラク人ブロガー

イラク関係

親米のイラク人ブロガーの話をしたことでもあり、今度は反米イラク人ブロガーの意見を取り上げようと思い、二年ぶりくらいにRaed In the MIddleを訪れてみた。

ラエドは母親がシーア、父親がスンニ、自分は真ん中といって「真ん中のラエド」というブログを作ったらしいのだが、アメリカを「占領軍」と呼びイラク人による抵抗は正当だと非常に過激なことを書いていた。それで私は今頃はどっかの民兵軍にでも参加してアメリカ軍と戦っているのではないかとおもっていたのだが、、、

久しぶりに訪れたブログをみてびっくり! な、な、なんと、ラエド君は一年前からアメリカにすんでいるというのである!あんなにアメリカを憎んでいたはずの人間が自分の国に侵略し占領した敵国に移住するというはどういうことだ!バグダッドに残ってアメリカ軍と戦うべきではないのか? バグダッドが宗派間争いで危ない時に自分だけがアメリカへ逃げ出して戦いはほかの人たちに任せるラエド。なんたる卑怯者。なんたる臆病者。

しかもラエドはアメリカで何をやっているかといえば、もちろん、反米運動!!!!!!

ラエド君は自分が命の危機にさらされずに好き勝手なことが言えるアメリカのありがたさが全然わかってないようです。

それにしてもアメリカはこんな反米過激派運動家をなんで入国させたのだ? アメリカの移民局はなにをやっとるんだ!

January 21, 2007, 現時間 07:43 PM | コメント (0) | トラックバック

ラストチャンスという神話

イラク関係

さてここで、今度のブッシュの新作戦をイラク人はどう受け止めているのか、イラク・ザ・モデルのモハメッド君の意見をちょっと紹介しよう。(私がモハメッドを君呼ばわりする理由は長年読んでいて親しみを感じているというカカシの勝手な思い込みによる。個人的な知り合いでは全くない。ははは、、、、)

モハメッド君にいわせると、今回のブッシュの新作戦をブッシュにとって、イラクにとって、「ラストチャンス(最後の機会)」だなどという考えは基本的に間違っているとする。ラストチャンスという考えはこれまでのイラク政策は完全な大失敗であり、今度こそ成功しなければ何もかもおしまいだという前提に基づいての考えだからだ。

イラクの複雑な状況はバース党時代の何十年間にも渡る悪政によって作られたもので、複雑に入り込んでいる経済、民族、宗派の問題が軍事政策だけのほんの数年で完全に成功すると考えるほうがどうかしているというわけだ。モハメッド君はテロリストや民兵らの完全制圧など不可能だということは国内のテロリズムに長年悩まされきたスペインやイギリスを見れば明らかである。よって新作戦をラストチャンスと呼ぶ輩は、わざと成功の基準を非現実的に高くして絶対に成功させまいとしている、というのである。

さすが、モハメッド君は頭がいいね。アメリカメディアもアメリカの馬鹿サヨ連中も、イラクの成功など望んでいないということをモハメッド君はちゃんと理解しているのだ。

この間フォックスニュースの世論調査で非常に面白い質問があった。それは『あなたは個人的にブッシュ大統領が先週発表した計画の成功を望んでいますか? 』というのものだ。そしてその結果は次の通り。

    回答者全体:成功を望む 63% 、望まない 22%、分からない 15% 。
    民主党:成功を望む 51% 、望まない 34% 、分からない 15%
    共和党:成功を望む 79%、望まない 11%、分からない 10%
    無所属:成功を望む 63%、望まない 19% 、分からない 17%

アメリカ国民の22%が、民主党になると34%までが、ブッシュ新作戦の成功を望んでいないという結果は非常に興味深い。いくらブッシュ政権に敵意をもっているとはいえ、同じアメリカ人ではないか、それがライバル政党を敵視するあまり、自国が戦争に勝つことを望まない、イラクでテロリストや民兵が暴れまくって何万というイラク人が殺され、イラクがテロリストの温床となってアメリカはもとより世界中を脅かす結果になってもいいというのである!ブッシュへの敵意もここまでくると病気である。(カカシ注:保守派の間ではこのようにブッシュを憎むあまり現実が分からなくなっている人間のことを、ブッシュ錯乱症候群、Bush Derangement Syndrome, BDSと呼んでいる)

バグダッドに話を戻そう。サドルのマフディ軍は正面きってのアメリカ軍との戦闘は避けるつもりのようだ。マフディの司令官らはマフディ戦闘員に黒い制服を脱いで一般市民の間に紛れ込み、しばらくほとぼりが冷めるまで大人しくしているようにと命令したらしい。そしてアメリカ軍の捜査活動には全面的に協力し逮捕されても一切反撃してはいけないと厳重に注意したという。すでに高位の司令官らはイランに逃れたり、近隣都市に分散したりしてしまったようで、サドル派の本拠地であるサドルシティに残っているのはただのちんぴらだけという可能性もある。

またマリキがブッシュと会談した際からずっと議会へのボイコットを続けていたサドルはの議員や閣僚35人が議会に復帰したというニュースも入ってきた。ボイコットをしていたサドル派はシーア派党内の最大勢力だが復帰した理由として

マシュハダニ国会議長によると、米軍撤退日程の明示などサドル師派の要求を検討する委員会を設置することで議会側と合意したという。サドル師派のアラジ国会議員は「我々の要求に対する回答があったため」と説明した。

モハメッド君の紹介している新聞記事によると、サドル派は今回の手入れで逮捕された戦闘員は一旦バグダッドが鎮圧されたらすぐに釈放されると踏んでいるらしい。読売新聞も

マリキ政権は、治安対策強化を求める米政権の圧力を受け、サドル師派幹部や同派民兵組織「マフディ軍」の摘発を強化しており、サドル師派が、マリキ政権との協力姿勢強調を図った可能性もある。

以前にもうひとつのイラクのブログ、ヒーリングイラクでザイード君が、イラクでは昔から遊牧民の野党が収穫期になると砂漠からやってきて農村を荒らすのが常だったという。狙われた農村の人々は野党に立ち向かうなどということはせず、貴重品を持って一時的によそへ避難したという。村に残っていた農作物を奪って満足した野党がいなくなったら村民はまた戻ってきてこれまで通りの生活をはじめるというわけだ。アラブの戦士が侵略者に対して勇敢に戦わないのは、この伝統が下敷きになっている。

サドル派のマフディ軍もアメリカ軍やイラク軍との正面切っての衝突は愚かであることを十分に承知しているので、一連の攻撃がすむまでじっとしていて復活の機会を待とうというのだろう。サドル自身この手で何度も復活したから今回もこの作戦が成功する可能性は大きい。

そこでモハメッド君はマフディ軍のリーダー格の人間を次々に逮捕すべきだという。こういう人間はもともと犯罪者なのでどこかで間違いを起こすはずだという。そうしたら犯罪者として合法に裁判にかけることも可能だという。私はなにも彼等が間違いを犯すのを待つまでもなく民兵のリーダー格と知られている人間は徹底的に取り押さえるべきだと考える。特にサドルは今回こそ退治しなければならない。

シーア派民兵がイラク国民の支持を得た理由のひとつに、アメリカ軍とイラク軍が十分にバグダッドの治安を安定させることが出来なかったことにある。誰も自分の身を守ってくれないなら民兵に頼るしかないという気持ちになっても仕方ない。だが、今回の新作戦ではアメリカ軍とイラク軍による徹底的なスンニおよび外国人テロリスト退治が含まれている。もしこの新作戦が比較的成功して混乱の大きかったアンバー地域が比較的平穏になれば、地元市民はシーア派民兵の帰還を大手を広げて迎え入れるかどうかかなり疑問である。マフディ軍にとって、一旦敵に明け渡した領土を取り戻すのは、考えるより困難なことかもしれない。

January 21, 2007, 現時間 06:28 PM | コメント (0) | トラックバック

January 19, 2007

ブッシュ新作戦、早くも効果あり?

イラク関係

先日イラクザモデルでブッシュの新作戦を恐れてバグダッド付近のテロリストが近隣の都市に拡散しはじめているという記事を読んだばかりだったのだが、逃げ腰なのはアルカエダだけではない。シーアの民兵連中もブッシュの新作戦の威力を感じはじめたようである。

バグダッド、イラク (AP) -

シーア民兵軍の二人の司令官は木曜日、マリキ首相はワシントンからの圧力を受け過激派聖職者モクタダ・アルサドルのマフディ軍を保護するのを止めたと語った。民兵戦士らは彼等の本拠地であるサドル市に追いつめられていると語っている。

彼等によると組織は生きるか死ぬかの戦いをしているという。これはフェイントをかわすプロパガンダ作戦の可能性もあるが、民兵たちがどんどんとバランスを失っている証拠が積もっており、組織は戦士たちに市民の間に溶け込むようにと呼びかけている。 また逮捕を避けるために携帯の使用を禁止、戦士たち黒い制服を脱ぎ捨て日中は武器を隠して歩いている。

ついこの間までバグダッドの町中に好き勝手に関門をつくり、黒い制服をきて我が物顔で町を闊歩していたのとは大違いである。シーア派の民兵への攻撃はマリキ首相をはじめ多くの政府官僚の親戚や知り合いというコネでアメリカ軍による自由な攻撃が妨げられてきたからだが、その状況は明らかに変わったのである。

昨日、マリキ首相は400人あまりのシーア派民兵を逮捕したと発表。マフディ軍でも有力なサドルの側近がアメリカ軍の攻撃で二人殺された。マリキ首相はどうやらブッシュ大統領からの強いメッセージをやっと真剣に受け止める覚悟ができたようだ。

ここでも何度か話したように、イラクで必要なのは増兵よりもROE(戦闘規制)の緩和である。現地の兵隊さんたちが口をそろえていうことは、自分達はハンデをしょって戦争をしているということだ。全力投球で戦争して負けるならそれはそれだが、やれるだけのことをさせてもらえずに味方が危険にさらされたり、勝てる戦闘に勝てないほど苛立つことはない。

これはもう2年くらい前になるが、フリーランスの従軍記者、マイケル・ヨンがせっかく米軍が命がけで戦って捕らえたテロリストがたいした取り調べもなく数週間後には釈放され、また同じように米軍に戦いを挑んきて、同じことの繰り返しだと兵士らの不満を報告していた。

そのマイケル・ヨンも今度の新作戦についてラジオのインタビューでかなり楽観的な見解を示したようである。下記はインタビューの紹介文。英語のヒアリングに自信のある方は是非サイトにいって聴いてみることをおすすめする。

この週末、元グリーベレー(陸軍特別部隊)従軍市民ジャーナリスト、そして我々の友達マイケル・ヨンがイラクはモスールからパンディットレビューラジオに参加してくれました。

マイケルはイラクに戻って従軍したこの三週間で見たことについて驚くほどアップビートな観測を示しています。これは去年の春にマイケルが我々に語ってくれたどちらかといえば暗い見解とは非常に異なったものです。マイケルはイラク警備隊の士気と技術の向上をはなしてくれました。彼はイラクで現在勤務している男女の高い士気とすでに帰国して本国で勤務中の兵士らとの大きな違いを述べました。これは驚嘆というよりありません。また彼は「イラク人が十分に活躍していない」という、この戦争における一番面倒で危険な神話ついて分かりやすく説明してくれました。最後にペトラエウス将軍がどのようなひとであるか、そして俗にいう「増兵」計画についても語り合いました。

まだ新作戦の発表があって二週間足らずであり、マリキ首相がどれだけ真剣に民兵を取り締まるつもりかは分からない。だが、今後米軍はマリキ首相やイラク政府の許可なくしてシーア民兵を攻撃することができるので、マリキの責任は一旦逮捕した民兵たちをやたらに釈放しないことにある。

まだアメリカ軍の増兵は始まっていない。だがブッシュの新作戦は幸先のいい出発といえるだろう。

January 19, 2007, 現時間 12:00 AM | コメント (0) | トラックバック

January 15, 2007

イラク政策、民主党の新作戦

アメリカ内政 , イラク関係

先日のブッシュ大統領の新作戦が発表されて以来、民主党と一部の反戦共和党員の間からは非難轟々の嵐である。民主党がブッシュの政策を批判するのは当たり前だが、例によって彼等のやり方は汚い。

ここでも詳細にわたって説明したように、ブッシュの新作戦はこれまでとはかなり違うものである。確かに兵の増強はあるが、それは変更のごく一部であって全てではない。だが、ナンシー・ペロシ下院議長にしろ、ヒラリー・クリントンにしろ、皆声をあわせて「何のかわりもない」「これまでどおりの愚作」といった言葉を繰り返し、全く効果もなく希望もない作戦に兵だけ増やしてアメリカ軍の尊い命を危険にさらそうとしている、といった非常に不誠実な批判をあびせている。

これまでアメリカ軍隊や軍人のことなどひとっかけらも心配したこともなく、常に軍人に対する憎悪をあらわしに、ことあるごとにアメリカ軍の任務が安全に遂行されるのを阻止してきた人たちが、自分の都合のいい時だけ軍人の身の安全を持ち出してくる。まったく吐き気がする。特に下院議員のバーバラ・ボクサー女史などはライス国務長官への質疑応答で自分の息子たちは軍人になるには年が行き過ぎているし孫は若すぎる、と自分の子だくさんを自慢し独身で子供のいないライス長官は失う人がいないなどという信じられない侮辱をぶつけた。

こんなことを共和党の男性議員が民主党の女性議員にでもいった日には、女性蔑視だの人権損害だのと大騒ぎになって進退問題にすらなりかねない。だが民主党の議員が共和党の女性政治家にいう分にはメディアも黙認するこのダブルスタンダード。

ま、それはともかく、いまのところ民主党のペロシ議員はイラクの米軍に対する経費削減を行う気はないらしい。去年12月の世論調査でも国民の59%がイラク経費削減には反対しているし、いくら民主党でもそんなことをすれば国民から民主党はアメリカ軍を支持していないと非難を受けることは承知している。では民主党の狙いはなにか。

それは、ブッシュの新作戦がこれまで通り新しい案など全くないただの増兵だけだと何度も繰り返すことによって弱まっているイラク戦争への国民の支持をさらに弱まらせようというものだ。現在イラク戦争にあてがわれている予算は今さら変更できない。それで民主党はブッシュ大統領が増兵に必要な新しい予算案を出すまでの間に世論を増兵絶対反対、イラク即刻撤退に変えていこうという魂胆なのである。

しかし、この作戦には二つ三つ問題がある。イラクでの作戦変更は議会の同意を待つまでもなくブッシュの一存で実現できる。戦場での戦闘作戦変更は総司令官であるブッシュに権限があるからである。また、増兵にしてもすでにクェートに待機している軍隊をイラクへ動員すればいいだけのことで、新しく予算は必要ないしこれもまた議会の承認を要さない。

ブッシュが議会の協力を必要とするのは現在イラクにいる軍隊の引き継ぎの軍隊を動員する際に必要経費の予算案を議会に提出する時である。それまでにはまだ数カ月ある。もしこの間にブッシュの新作戦が全く効果をあげず、今と同じ状態なら議会が予算増強を拒否しても国民による民主党への批判は少ないだろう。だがもしも、ブッシュの新作戦が少しでも成功し6か月後にはイラクが良い方向へ向かっている場合には民主党が軍事予算をごねるのは難かしくなる。しかもこの予算案の通過がごたごたして時間がかかり過ぎると2008年の選挙運動に突入してしまい、共和党議員から民主党は自分達の政治的野心のためにアメリカ軍の任務を妨害して勝てる戦争に負けようしていると批判されかねない。

私は民主党は作戦を誤っていると思う。ブッシュの新作戦をできる限り阻止するのではなく、ここはブッシュのお手並み拝見といけば良いのだ。ブッシュの新作戦が成功するという自信は全くないが、ブッシュはアメリカの大統領であるから我々議会も同じアメリカ人としてブッシュ大統領の作戦を支持するとしておけば、失敗した場合でも、我々はブッシュに十分成功の機会を与えたが駄目だったのでイラク戦争はこれで終わりにしよう、ということができる。またブッシュが成功した場合には民主党は政党の違いを超えてアメリカの国益のために大統領を支持した、民主党の協力があったからこそブッシュは成功したと大威張りできるのである。

私はアメリカがこの戦争に勝つことができるのであればその評価がだれに行こうとかまわない。民主党が戦争に勝ったといって議会で議席を増やしてもそれはそれでいいだろう。大事なのは今ここでイラク戦争に勝つことなのだから。

しかし、今の民主党のやり方では戦争に勝っても負けても民主党が国のことを考えているというふうには見えない。それでも民主党はいいのだろうか?

January 15, 2007, 現時間 10:34 PM | コメント (3) | トラックバック

January 14, 2007

大爆笑! イラン、アメリカ軍のイラン政府ビル攻撃に抗議! 

イラク関係 , イランをどうするか

この間アメリカ軍がイラン政府のビルを強制捜査した話をしたが、ミスター苺がそれについてミッシェル・モルキンの留守番エントリーに書いてるのでちょっと。

ついに先日クルド地方のアービルでアメリカ軍が捕まえた5人のイラン人はイラン軍特別部隊のクォード隊のメンバーであることが正式に発表された。

『拘束されている5人はイラン革命軍クォード特別隊(IRGC-QF)であることが初期の調査結果で明かになった。この組織は資金、武器、改良爆弾技術、訓練などを過激派グループに提供することによってイラク政府を不安定にしアメリカ軍を攻撃しようとしている組織である』とアメリカ軍当局は発表した。

まったく予想どおりの結果だが、これについてイランの外務大臣の報道官モハメッド・アリ・ホセイニ氏は怒りもあらわに声を震わせての抗議である。

ホセイニ氏は5人の職員が働いていたアービルのイラン政府施設は1992年にクルド人のビジネスマンや病人などがイラクからイランへ渡る手続きをするために設置されたと語っている。

「両国でこの施設を領事館の格に引き上げることで同意ができていた。」と氏は語る。「イラン領事館設立の同意は今年(イランのカレンダーで)交わされていた...」

ホセイニ氏はアメリカがイラクの安定化に失敗したことを認めたくなかったのでわざと「イラクの近隣国に対して敵対心と衝突」を起こしたのだと責めている。

「アメリカは5人の収容者をすべて釈放し、今後一切このようなことを防ぎ、損害賠償をすべきである」とホセイニは言う。

ちょっと待てよ〜。これは一考の価値ありだ。イランはアメリカ軍によるイラン人拘束に対してアメリカが「領事館の外交特権の尊厳を侵した」とほとんどヒステリー状態で反応しているわけだ。(大爆笑)

自分で言ってて歯がうかないのかね。

注:1979年以降に生まれたお若い方々にはこの皮肉さがお分かり頂けないかもしれないのでここで歴史をふりかえってみよう。

現在イランとアメリカの間には正式な外交関係はない。その理由は1979年にイランで宗教革命があり、テヘランにあったアメリカ大使館にイランの武装集団が押し入り占拠し、数人を殺害した後、外交官及び職員52人を444日に渡って拘束したからである。当時の大統領だった腰抜けカーター大統領は二回の救出作戦に大失敗して世界に恥の上塗りをしたあと、一期で落選。1980年に新しくレーガン大統領の代になってからやっと人質はかえってきた。ちなみにこの大使館攻撃に参加したメンバーの一人が、当時大学生だったアクマネナジャド大統領であることは意外と知られていない。

January 14, 2007, 現時間 03:24 PM | コメント (0) | トラックバック

January 13, 2007

番組のおしらせ! 14日『911への道』放映

イラク関係 , 映画

おしらせです。

日本時間14日20時よりWOWOWにおいて911同時多発テロがどのようにしておこったかを描いたテレビドラマが全編と後編にわかれて報道されます。詳細はこちら

真実を知りたいひとは是非御覧下さい。

この番組に関するカカシの意見は下記に書いていますのでご参考にどうぞ。

911ドラマ、『911への道』を観て、、

January 13, 2007, 現時間 07:03 PM | コメント (0) | トラックバック

January 11, 2007

ここが知りたい! ブッシュ大統領のイラク新作戦質疑応答

イラク関係

さてアメリカ時間で昨晩6時、ブッシュ大統領はテレビ放映でアメリカ国民に今後のイラク政策を発表した。まずはCNNの日本語ニュースから:

ブッシュ大統領「兵力不足だった」 イラク新戦略で2万人増派

ワシントン(CNN) 米国のブッシュ大統領は10日夜(日本時間11日午前)、ホワイトハウスでテレビ演説をし、イラクにおける新戦略を発表した。これまでの戦略は兵力面で欠陥があったとの認識を示し、今後数カ月のうちに約2万人の米兵をイラクに増派する方針を打ち出した。

ブッシュ氏は、特にバグダッド周辺で治安が保たれていないことについて、「イラクと米国の兵士の数が、治安維持のためには十分ではない」と説明。また、部隊の活動に規制がかけられ過ぎているとの認識も明らかにした。

米兵の即時撤退については、断固として否定。直ちに撤兵すれば「イラク政府の崩壊を招きかねない」とし、「そうした方針は結局、米部隊がイラクにより長い期間駐留し、より強力な敵と直面しなければならないことになる」と述べた。

内戦状態との指摘もあるイスラム教宗派間の武力衝突については、イラク国民だけが終わらせることができると強調。すでにイラク政府が積極的な取り組みを進めていると述べた。

ブッシュ氏はまた、「イラクに成功をもたらす魔法などない」とする一方で、イラクにおける失敗は「米国にとって災難となるだろう」との考えを表明。イラク情勢が悪化すれば、「イスラム教過激派が力と人数を増す」ことになり、地域の政情が不安定になり、ゆくゆくは「原油による収入が野望実現のために使われる」可能性もあると述べた。さらに、イランの核開発を加速させることにもつながるとの見解を示した。

ま、概要はそういうことだが、実際これがどういう意味を持つのかミスター苺が質疑応答の形で分析しているのでここに提示しよう。

以下ミスター苺の質疑応答:

問: ブッシュは昨晩ちょっとあがってみえましたが

答: ちょっとそんな感じはあったが、非常にというほどではなかった。私の想像ではスタッフが土壇場まで演説を書き直していたのではないか思う。だから大統領は十分にリハーサルする暇がなかったのではないっか。

しかし大事なのは大統領の話し方どうこうよりも中身。その点では新しい作戦は古いそれよりもずっと改善されている。

問: どうしてうまくいくと思うのですか。増兵は過去にもやりましたけどうまくいかなかったじゃないですか。

答: たしかに新聞の見出しはこぞって「増兵」としか書いてない。アメリカの主流メディアはブッシュの計画は単なる「増兵」だと思わせたいようだ。だが昨晩明らかにされたことで重要なのは兵起用の作戦変更にある。

昨晩の演説への反響は共和党の間での失望感から民主党の間での泡を吹くような怒りといった報道ばかり。 AP-Ipsosの世論調査ABC/Washington Post の調査によればアメリカのほとんどの市民が「イラクにもっと兵を送り出すことに反対」しており増兵はうまくいかないという意見だと発表している。これらの世論調査には根本的に問題があるのだが、単に21,500人ほど兵を増加させるというだけならこれまでと何もかわらない。だが、昨晩ブッシュ大統領は増兵よりももっと重要な作戦変更を発表した。

その重要な変更を箇条書きにしてみよう。:

  • 兵士らの再出動 -- 18 のイラク旅団 (6万兵以上)そしてアメリカ軍5旅団( 17,500 陸軍兵と海兵隊員)イラク国内において攻撃制覇するためバグダッドに関門を設置。さらに4000の米兵とイラク兵(未定数)をアンバー地区に導入。 アルカエダを含むスンニテロリストの家々を最近アルカエダに反旗を翻した地元の族長らと協力して攻撃する。
  • 占拠した領土をこれまでより長期に渡って制覇する。少なくとも18か月は保持し敵が舞い戻ってくるのを防ぐ。これによって大事な中央部を敵から奪い取り長期にわたって敵の動きを阻止できる。安定したら地元のイラク軍に治安をまかせる。
  • イラクのマリキ首相にバーダー旅団やマフディ民兵軍などのシーアの民兵も含みどの武装集団も例外なく, 攻撃すると一筆書かせて約束させた。
  • 攻撃規制(ROE)を大幅に緩和し、米軍及びイラク軍が武装集団と戦闘しやすいようにする。

これらの変更が行われなければ兵の数だけ21,500人増やしてみても何の意味もない。単に標的を増やすのが関の山である。 米民主党がどう思おうと軍事アドバイザーは 全くの アホではない。

問: 戦闘規制 (ROE) とはなんですか?

戦闘規制というのは軍隊や警察などが状況によってどの程度の武力行使が出来るかという規則である。ROEには1983年のベイルートでの平和維持の時のように関門をつっこんでくる車にさえ発砲できないような非常に厳しいものから 「自由発砲地域」といって上官から特に許可をもらわなくても個々の兵士が独自の判断で敵兵に発砲することができる緩い規則まで色々ある。

これまで我が軍は非常に厳しいROEに従って行動してきた。例えば民兵軍と知られている連中が単に重装備をして町中を歩いているというだけでは攻撃できなかった。彼等がなにか悪さをするまで待っていなければならなかったのである。しかもその時でさえイラク政府からの許可を仰がなければアメリカ軍は身動きがとれなかった。

今回の変更によってこの規制がどのくらい緩和されるのかは不明だがブッシュ大統領はこの間の 2時間に渡るビデオ会議で: かなりきつい口調でマリキ首相に圧力をかけたものと思われる。マリキが首相としての政治生命を保ちたいのであれば、モクタダ・アルサドルとの親しい関係を断ち切り、我が軍に本格的な戦争が出来るようにしろと言い渡したのであろう。

軍隊の「増強」には少なくとも一か月はかかるしかし ROEの緩和は即座に実行できる。

この先数日のうちにスンニテロリストとの戦闘が激化したというニュースと共にシーア民兵との戦闘のニュースを多く聞くようになれば、これはよい徴候といえる。

問: ROEが変わったからといってどんな効果があるというのですか?我が軍はすでにアメリカ軍やイラク市民を攻撃する敵には攻撃してたんじゃないんですか?

答:いや、それが実はそうでもない。現在のROEでは我々はどのような攻撃にもあらかじめイラク政府からの許可が必要とされている。ブッシュ政権のトニー・スノー報道官がラジオ番組で説明していたのだが、ひどい時は例えばサドル市を取り囲んで家から家への捜索作戦の真っ最中に突然司令官がイラクの内政省の高官から「近所から苦情がでているので攻撃をいますぐ中止するように」とか「逮捕した戦闘員は俺のいとこだから釈放しろ」などという電話がかかってくるというのである。そして我が軍はそれに従わねばならなかったのだ。

だがこの規制はこれで終わりだ。我々はマリキ首相にどのテロリストも戦闘員も犯罪者も特別扱いしないと同意させた。サドル自身すら例外ではないのだ。そして我が軍はいちいちイラクの許可なくとも攻撃ができることになった。マリキが後になって約束をやぶろうとしても我々は単に彼にしろ内政省の役人にしろ無視するだけである。なぜなら 我々にはすでに合意を取り付けているからだ。.

問: でもこの「新作戦」というのは本当にうまくいくのでしょうか? ブッシュの計画なんてうまくいった試しがないじゃないですか。

この作戦が絶対にうまくいくと断言することは私にも出来ない。だがこれまでの作戦よりは成功する可能性がずっと高いということだけはいえる。

我々はA作戦を試みた。そしてそれはうまくいかなかった。だからB作戦に切り替えたが、それもうまくいかなかったからC作戦に変更した。今我々はD作戦に取り組もうとしている。だがこれまでの作戦がすべて失敗したからこれからも失敗するという考え方は単純すぎる。先の作戦が失敗したから今後も失敗するとは限らない。

今回の作戦はこれまでとは全く違うものである。この作戦はこれまでの失敗を十分に見直した上での 作戦だ。これまでよりも成功の可能性はずっと高い。

問: でもそれならどうしてこれを最初からやらなかったんですか?なんでブッシュは効果のないAだのB, Cだのって作戦で時間を無駄にしていたんですか?

答: なぜならやってみるまでは作戦がうまくいくかどうか解からなかったからだ。 後になってあの作戦もこの作戦も失敗だったじゃないかと言ってみても意味がない。 未来を予知できる魔法の水晶でもない限りそれは無理だ。これまでの作戦が失敗だったということも実際にやってみてこそ わかったことなのだから。

問: ちょっと待ってください!ということは今度の作戦だってこれまでよりうまくいくとは限らないってことじゃないですか?

答:その通り。先のことは解らない。しかしながら、我々が失敗すればどうなるかという予測はおおよそつく。ほかにこの戦争に勝つためのより良い方法があるというなら是非ともお伺いしたい。

問: この戦争は最初から最後まで完全なる失敗じゃないんですか? この際敗北を認めて兵士たちを帰還させるべきなのでは?

答:ここである政治家の言葉を借りてブッシュのこれまでの功績を述べさせてもらおう。

我々はイラクのために色々してきた。我々は 独裁者を倒し、奴を穴から引きずり出し、 国民による裁判で裁きをうけさせた。我々はイラクの人々に憲法の草案をする機会を与え、自由な選挙を実現させ、自分たちの政府創立を可能にさせた。 .

我々アメリカ人と同盟国数カ国は 他のどの国も助けにこない時にイラクを守ってあげた。.

この政治家は元来ブッシュ支持者とは言い難い人なのだが、まさに彼のいう通りである。(注:実はこれ民主党の上院議員ダービン氏のブッシュ演説への返答 の一部。しかし氏が掲げたすべてが、民主党が絶望だと言っていた戦争でブッシュがもたらした勝利なのである。

にも関わらず今もなお民主党はお先真っ暗の絶望論を唱えている。だが民主党の予測が現実になったことはこれまでに一度もないのである。間違いだらけの予測をしている人間がいるとしたら、それはブッシュ大統領ではなく民主党Democratsのほうなのだ。

問: ミスター苺、あなたはいつからヒットラーブッシュの雇われ者になったんです?

おととしの10月11日にはじめてのお手当もらってから毎月ずっともらっている。しかしこの間の選挙の後から支払いが滞っている。おい、ヒットラーブッシュ、早く払え!

カカシ: ちょっと!そんな話きいてないわよ。どこにへそくり隠してるの!だしなさ〜い!

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January 11, 2007, 現時間 09:45 PM | コメント (0) | トラックバック

イラク多国籍軍イラン政府ビルを強制捜査

イラク関係 , イランをどうするか

ラジオではイラクの多国籍軍がイラクにあるイランの領事館に攻め入ったという話だったのだが、米軍の話ではこれは領事館ではなく、単にイラン政府の所有しているビルであって外交官特権のある場所ではなかったそうだ。もしこれが正式な領事館だったらイラクはイラン領土に攻め入ったことになるので、もっと深刻な問題となる。

CNNのニュースから抜粋:

バグダッド──イラク国営テレビ局アルイラキアは11日、米軍主導のイラク駐留多国籍軍が、北部アービル市内のイラン領事館を強制捜査したと伝えた。

現場はクルド人居住地区で、多国籍軍は複数の領事館職員を拘束したうえ、事務機器を押収した。

この事務機器のなかにはコンピューターや多種の書類が含まれている。また建物につとめていたイラン人職員も数人拘束された。APの記事ではイラン側からスイス領事を通して問い合わせと抗議がきていると報道している。

テヘランではイランの外務大臣がイラクとスイスの外交官を呼び寄せ、事件に関する「説明を要請」しているという。イランにはアメリカの大使館がないため、スイスがアメリカ政府の代行をしている。

イラン外務大臣の報道官、モハメッド・アリ・ホセイニ氏は国営ラジオにおいて「アービル市内でのイラン人職員の存在は合法であり」強制捜査は「合法な施設」にたいする「外交上違法行為である」と述べ連合軍の行動はイランに対する「圧力の続行」でありかえってイラクと近隣諸国の間に「緊張を深める」ことになると述べた。

昨日の演説でブッシュ大統領はイランやシリアからイラクに入ってくる援助を阻止すると宣言したばかりのことであるから、この捜査の結果次第ではアメリカ軍によるイランへの強行手段がとられる可能性は十分にある。どうやらブッシュ大統領は外国からのテロ資源流入をやっと真剣に止める政策にはいったようである。

January 11, 2007, 現時間 06:40 PM | コメント (0) | トラックバック

January 01, 2007

今度こそサドルを退治せよ! イラクブロガーは語る

イラク関係

イラク人のファディール三兄弟が始めたイラク・ザ・モデルというブログがある。スンニ派でありながら親米で、アメリカではずいぶんと有名になり、三兄弟のうち二人がアメリカに来てブッシュ大統領と対面するなど結構人気者である。モハメッド、オマー、アリの三兄弟はそれぞれ歯医者と医者で、そのうちの一人は日本自衛隊が駐留していたサマワの診療時に出張勤務していたこともあり、日本軍のおかげで水がきれいになったと感謝の意をブログで評していたこともある。(最年長のアリは後にこのブログから独立して自分だけでブログをはじめたが、今は更新してない模様)

その三兄弟のうちの一人、オマー君がウォールストリートジャーナルに記事を書いているので紹介したい。(Hat tip Mike Ross)

オマーは、イラクの紛争状態を解決するには政治上と軍事上の解決手段が必要だとし、なぜ政治上の解決がこうも難航しているのかを分析する。オマーにいわせると、イラクの一部の政治家は自分らが政治家になった時支持してくれた過激派勢力とのしがらみでがんじがらめにされているため、思うように正しい方向へ進めないのだという。言ってみれば、イラクはこうした宗派勢力の人質になっているというわけだ。

私が言わんとすることは現時点での軍事作戦はこれまで米軍とイラク軍がしてきたような一遍とおりの軍事作戦をやっていたのでは駄目だということだ。

新しい軍事作戦は政治家たちが過激派に脅迫を使わずに友好的に交渉して同意に到達できる状態をつくりあげる要素をとりいれるべきである。

であるからさらに兵が加えられるのだとしたら、その任務にはノーリ・アル・マリキやタリーク・アル・ハシミ(それぞれダワ、イスラミック党)といった政治家と政党を縛り付けているモクタダ・アル・サドルや一部の危険なスンニ政治体の紐からといてやることが含まれなければならない。

今がまさにその時である。おそらく最適な時なのではないか。なにしろすでに過激派勢力に反論しようとする大きな動きが設立されつつあるのだから。

そしてオマーは、「前進への道」を達成するためにはマリキおよび彼の政党をサドル勢力から守ってやると約束するか、この際だからサドル派を一斉退治するかして、彼等をサドルの手中から解放してやるべきだという。だが、マリキを説得するやり方は全く効果をあげていない。となれば、イラクの安定に最大の障害物となっているサドルを取り除く以外に前へ進む道はない。

しかしイラクの民兵は分散しており、どれもがサドルの配下にあるというわけではない。サドル派を退治しただけでは民兵の暴力を完全に取り除くことはできないという見方もある。だがこれはかえって都合がいいのだとオマーは言う。彼等はサドルに忠誠心を持っているわけではないから、サドルのために戦うということもしないだろう。

多くの民兵軍が経営していけるのは、中央リーダーからの資金が物を言っている。民兵の最大の武器はなんといってもお金と恐喝である。彼等が地元民の協力を得られるのは地元への物的な援助と脅しがあるからだ。失業率の高いイラクでは民兵軍に参加すればものが食べられる、乱暴して威張っていられると思って参加している若者が多いはず。理想や信念で参加した人はごくわずかだろうとオマーは語る。であるから中央のリーダーシップが崩れればおのずと地方の民兵軍もくずれるというのである。アメリカ軍とイラク軍はこの少数の過激派とイラクに居るイラン人やヒズボラを対象に戦って取り除けばいいのだ。

我々は共にイラクの安定と治安維持に最も脅威を及ぼすとされたアルカエダの勢力を減衰させることができた。今度は共にサドルとその一派の暴力団に同じことをしてやることができる。我々は問題も理解できている、診断もした。いまこそ治療の時である。

2004年の4月と8月にサドルがまるでザルカーウィのファルージャ紛争とうちあわせたかのように奮起したナジャフでの戦いの時、ファディール兄弟はサドルは今のうちに退治しておくべきだと何度も書いていた。私も当時トピ首をしていた某掲示板で毎日のようにサドルが退治されるのを今か今かと待ち望む意をあらわしていた。

当時はシーア派の大教祖シスタニ師がサドル個人を嫌いながら、それでもシーアは一致団結していなければならないと頑固にがんばったため、サドルを殺すことができなかった。今もまた同じシスタニがサドル退治の障害になっている。2年半前に、いや、もっと前2003年にサドルが反米新聞を経営したいた時点でアメリカはサドルを拘束するなり殺すなりしておいたら、今になってこのような大問題にならずにすんだのである。

今回もシスタニ師や他の聖職者らに遠慮してサドル退治を怠れば、イラクの安定化は全く望めない。アメリカ軍が一時的にイラク人に嫌われてもそれはかまわない。多くのイラク人がサダム時代を懐かしむような状態ではせっかくのフセイン処刑が意味をなくす。ここは断固としてサドル派民兵を完全退治すべきである。我々の無行動が今回の問題を起こしたのだ。同じ間違いを繰り返すのはやめよう。

January 01, 2007, 現時間 01:52 PM | コメント (0) | トラックバック

December 31, 2006

サダム・フセインの最期

イラク関係

昨日から今日にかけてテレビではサダム・フセインの処刑模様が何度も報道された。さっきミスター苺がインターネットで実際にフセインが死ぬ場面の映像があるというので見せてもらった。(残酷なシーンなのでリンクはつけません。)私は普通こういうビデオは見ないことにしているが、フセインの場合は奴の死を自分の目で確かめたいという気がしたので、最後まで見ることにした。

サダム・フセインは冷戦時代にアメリカがコントロール出来ると考えていた独裁者の一人だ。先の防衛長官であるラムスフェルド氏が民間人だった頃イラクを訪れフセイン大統領と握手をしている写真を見た人は多いと思う。当時のアメリカはイランの脅威を牽制するために、イランの宿敵イラクを援助していた。これは決してアメリカがサダム・フセインが話の分かるやつだと思っていたからではなく、イランがイラクとの戦争で忙しければアメリカにちょっかいを出す余裕はないだろうという下心があってのことだ。それに、イラクがソ連と仲良くするのを防がなければならないという思惑もあった。

だが、自分達に比較的友好的だというだけで独裁者と仲良くすることの弊害を我々は後から後から思い知らされた。フィリピンのマルコスしかり、パナマのノリエガしかり、イランのシャーしかり、、例をあげたら切りがない。アメリカが自分らの都合で独裁者を支持すれば、その国の庶民はアメリカがいるから自分らが独裁者のために弾圧されるのだ思い込む。そうした独裁国家からはテロが生まれやすい浄土となり、テロリストは国の独裁者とその共犯者のアメリカを憎むようになる。

2001年の911事件がなければ、アメリカ人もそして世界の諸国もイスラム教過激派の脅威に気が付かなかったかもしれない。911がなければアメリカは国益のために独裁者を支持する行為がいずれは自分の首を締めることになるのだということを認識できなかっただろう。そういう意味で911はウエイクアップコール(目覚まし用の電話)だったといえる。

ブッシュ大統領がイラクを民主化したいという一見気違い沙汰に見える野心をもったのはこれが理由だ。たとえフセインイラクを倒しても、アメリカがたてた傀儡政府の独裁でイラクを牛耳れば、結局はイラク市民の反感を買いテロリストがイラク市民の身も心も蝕む状況を作ってしまう。そのようなことを起こさないためにもイラクはイラク市民の手で統治できる民主主義にしなければならない、というのがブッシュ大統領の見解だ。

フセインイラクの独裁政治にはアメリカも少なからず加担した。そしてアメリカは高い値段でその代償を払った。フセインの死でイラク戦争がどうかわるのか分からない。だが、フセインが生きている限り、バース等の再来が可能だと思っていた残党はかなり気落ちしていることだろう。これによって最後の最後まで希望を失わなかったスンニ抵抗軍の気もかわるかもしれない。

これを期に、イラクが独立国家として宗派間争いなどという無意味なことをやってないで、イラク国建設に力をいれてくれることを切に願うものである。

December 31, 2006, 現時間 12:56 AM | コメント (2) | トラックバック

December 29, 2006

サドルの挑戦、受けて立とうじゃないの!

イラク関係

English version of this story can be found here.

モクタダ・アル・サダル派の連中は激怒している。なぜかというとアメリカ軍がサドルの片腕をぶっ殺した からである。殺されたサドルの幹部はアメリカ軍のいうところの「路肩改良爆弾の製造者」で10月に警察署長を殺したとされる容疑者だった。

マフディ軍は殺されたサヘブ・アル・アミリ(Saheb al-Amiri)はマフディ軍のメンバーではなかったとしながら、彼の死を報復すると息巻いているのだから訳がわからない。ロイターなどはマフディ軍の脅迫を真に受けてはアメリカ軍がマフディ軍の爆弾製造者を殺すのは危険だなどと警告している。まったくロイターときた日には我々にアメリカ軍の公表よりサドルのプロパガンダを信じろといいたいらしい。

シーア聖職者上層部でアメリカ軍に対抗するサドルの民兵2004人が待機するナジャフ。サドルはバグダッドにも勢力の基点がある。

サドルのマフディ軍による再度のアメリカ軍対抗紛争はアメリカ軍にとって非常な頭痛の種となるだろう。 国中に散らばる13万5千からなる(マフディ軍のメンバーは)シーア対スンニの争いを握っている。

だがこれは本当だろうか? 本当にこれは我々にとって「頭痛の種」だろうか? いや、これはむしろ我々にとってこの上なく好都合な出来事なのではないだろうか。何しろ相手がこっちに報復すると豪語しているのだからこちらからマリキ首相のお伺いなどたてずにマフディ軍を蹴散らす絶好の機会となるからだ。

もし、サドルが勇敢なる麻薬漬けマフディ軍に命令してアメリカ軍を攻めたならば、ナジャフの戦い三度目の正直で今度こそ奴らがアラーと面会する夢を実現させることができる。マリキ首相はとっくの昔にサドルとの親密な関係で公平な判断などできなくなっている。そんなマリキはすでにナジャフを占領してイラク政府なんぞ屁でもないといってるマフディ軍をアメリカ軍に無視しろなどと言える立場ではない。特にシーア派最大の政党SCIRIがマリキがサドルの、ひいてはイランの言いなりになっているとしてマリキ首相の辞任を強く要請 してるような状態を考えれば、まず無理である。

議会に30議席を持ち6つの省の大臣を持つサドル派はマリキ首相がブッシュと先月会見して以来マリキ政権をボイコットしている。
マリキ首相にできることといったら、サドルとその男たちが陽炎のような存在となるのを黙って見守ることくらいしかない。

こうしてみると、我々の立場は11月の時よりかなり向上しているといえる。


  • もっとも暴力的で破壊的なシーア民兵の勢力を著しく弱めることができる。
  • マリキのパトロンを傷つけることで彼自身に大打撃をあたえることができ、彼を政権から追放しやすくなる。
  • サドルを殺すことでイランに大きな損害を与えることができる。

残念なことに、すべてのプレーヤーが同じことを考えているだろうから、サドルがアメリカ軍やイラク軍を攻めてこちらから反撃する口実をやすやすと与えるとは思えない。しかしポーカーに例えるならば数カ月前に比べてアメリカの手中にあるカードはかなり良くなってきているといえる。

我々のもともとのカードは決して悪かったわけではないが、アメリカ軍はまたまた良いカードを拾ったといえる。アメリカ軍がイラクで大勝利する可能性はここ数日で急上昇したといえる。

December 29, 2006, 現時間 04:46 AM | コメント (2) | トラックバック

December 27, 2006

イラク米兵に完全無視されたジョン・ケリー

アメリカ内政 , イラク関係

カリフォルニアの大学で学生たちに勉学の大事さを演説した時、勉強しないとイラクへいくはめになると語って米軍陣から総すかんを食ったジョン・ケリー民主党議員元大統領候補。2008年の再出馬に備え傷付いた関係をなんとか取り繕おうこのクリスマスシーズン、イラクまで出かけていって軍人たちのご機嫌とりをしようとしたが誰にも相手にされずひとりさみしくクリスマスの夕飯を食べることになったようだ。

ハーバード大学教授で今は陸軍キャプテンとしてイラク勤務中のブロガー、 Ben of Mesopotamiaのベンがケリーのイラク訪問の詳細を書いている。

ベンによるとケリー議員がくる前から前線基地の司令官たちはこぞってケーシー将軍にすでに別の特別ゲストが訪問中でそちらの接待で手があかないからケリーの接待はできないと申し出たらしいという噂でもちきりだった。

こちらのイラク勤務の別のブロガー、ブラックファイブのマットはこう語る。(Hat tip Ben)

おい、今、司令官、どの司令官でもいいからグリーンゾーンでじょ〜ん・け〜り〜の接待を誰かにやらせようっていう会議からかえってきたとこだ。

冗談抜きで「おいおい、お前ら全員同時に用があるってこたあないだろうが、頼むよ!」とCG(ケーシー将軍)はいっていた。

糞ケリーはエンバシーアネックスの宮廷で俺たちが無視するなか、ひとり座り込んでコーヒーすすってインゲン豆を食べるはめになりそうだぜ。

俺は一緒に写真とるつもりだ。

ケリーの乗ったヘリコプターでは行き先の暗号が「むじな(臆病者の意味)61番」と名付けられたとか、操縦士がケリーをおちょくった写真にサインしてもらったとかいろいろな噂が流れた。土曜日の21時、ケリーが演説をするという連絡を受けたベンが指定された場所にいくと、メディアは全くきておらず、いたのは義務で来ていた空軍テレビネットワークだけ。格好つけてパイロットが着る上着を着て訪れたケリーは「だ〜めだこりゃ〜」と出ていってしまった。

翌日の日曜日、ケリーは兵士らの食堂で食事をした。普通はアメリカから議員がきた場合にはその議員の出身地の兵士らが議員をかこって同じテーブルに座るのが慣習だ。しかし、グリーンゾーンの警備担当の憲兵はケリーが代表するマサチューセッツ州からの隊であったにもかかわらず、誰一人としてケリーと一緒に座ろうとしなかった。これとは対照的にフォックステレビ局の人気司会者ビル・オライリーが来た時は400人以上の兵士が集まって大騒ぎになったそうだ。



ジョン・ケリー

ひとりさみしく食事をするケリー議員


December 27, 2006, 現時間 04:07 PM | コメント (0) | トラックバック

December 26, 2006

イラクにてイラン軍高官4人を米軍が拘束

イラク関係 , イランをどうするか

シーア派のマフディ民兵軍の親玉はサドルは、イランの飼い犬ならぬ飼い豚(どうみても豚にみえるな、あの顔は)であることは周知の事実。イランはアルカエダと民兵のどちらも煽ってイラクの宗派間争いを企んでいる。陰謀があるとすれば、まさにイランこそがその裏に潜む悪玉である。

その根拠となりそうな情報を昨日米軍は発表した。以下産經新聞の記事より:

12月26日8時0分配信 産経新聞

 【ワシントン支局】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は25日、イラクの治安部隊を攻撃する計画にかかわっていた疑いで、イラクの駐留米軍が少なくとも4人のイラン人を拘束したと報じた。拘束者の中にはイラン軍高官や外交官も含まれているという。

 ブッシュ米政権は、混迷するイラク情勢打開のため、超党派グループからイランを含む周辺国との直接対話を勧告されているが、イランが米国に反発を強めるのは確実で、米国のイラク戦略に何らかの影響を与える可能性もある。

 報道によると、米軍は21日夜、バグダッドのイラン大使館近くで、公用車を停止させ、イラク人護衛を含む同乗者全員を拘束した。イラン人外交官2人はイラク政府に引き渡された後、保釈された。また22日未明には、イラク連立政権を構成するイスラム教シーア派の「イラク・イスラム革命最高評議会」指導者、ハキーム師の施設内を捜索、イラン軍高官を拘束したとしている。

 イラン外務省スポークスマンは25日、「拘束は国際規範に反しており、深刻な結果を招くだろう」と米国を非難した。(強調はカカシ)

イラクで革命を起こそうという連中と会議をしておきながら、「高速が国際規範に反している」などとよくいえたものだ。ま、国連の条例など無視して核兵器開発をやってるならず者国家だからこの程度の反応は別に驚きはしないが。それにしてもニューヨークタイムスは、いったいイラン高官がシーアの政治家と一緒になって何をやっていたのかという質問をする前に、イランがアメリカに反発する可能性などを心配している。全く本末転倒だ。アメリカをぶっつぶすといっているイランがこれ以上アメリカを嫌ったからって何がかわるというのか、ばかばかしい。

ま、それはいいとして、これまでイランがイラクの内政に裏から口をだしていることはさんざん話題にはのぼっていたものの、確たる証拠が提示されたことはない。この拘束されているイラン人によってイランがイラクをどのようにコントロールしようとしているのかが明かになってくれるといいのだが。

しかし、この時期にアメリカ軍がイラン高官を拘束しているという事実をわざわざ公表したというのは興味深い。ベーカー氏のイラク研究会の推薦にはイランとの対話が含まれていたが、もしやアメリカはイランと交渉をするとして、その際上手にでられるような布石を投じているのかもしれない。なにやら緊張した空気を感じる。

December 26, 2006, 現時間 01:48 AM | コメント (0) | トラックバック

December 24, 2006

トンデモ陰謀説! イラク宗派間争いはCIAとモサドの企み

イラク関係 , 狂ったメディア

洋の東西を問わず馬鹿げた陰謀説を唱える人間はたえない。911同時多発テロがブッシュ大統領の陰謀だといまだに信じきっているかわいそうなひとたちがいるかと思えば、最近はイラク宗派間紛争はアメリカのCIAとイスラエルのモサドが計画したものだという馬鹿げた陰謀説をまことしやかに語る人々が出てきている。昨日も陰謀説大好きなネット上の知り合いボノボさんからの紹介で、北沢洋子なるひとのエッセーを読んだのだが、あまりのトンデモ説にコーヒーを吹き出して大笑いしてしまった。

こんなことをまじめな顔して書くのはどこのカルト信者かと思いきや、この北沢洋子というひと当人のHPを読む限り彼女は30年にわたるベテラン政治評論家だという。

国際問題評論家の北沢洋子です。私は、これまで30年に亘って、第3世界の解放運動の歴史や現状について、同時に南北問題、とくに日本と第三世界との経済関係について雑誌や本などを通じて、評論活動を続けてきました。

さて、ではこのベテラン政治評論家はイラク宗派間争いをどうみているのか、彼女のコラム『イラクは内戦』という神話 からご紹介しよう。

これは、スンニー派とシーア派間の反目と武力抗争のエスカレーションを狙ったものである。そして、これにはイスラエルのも軍情報部と秘密警察モサドが絡んでいる。彼らはイラクの内戦激化を企んだ一連の秘密作戦を展開した。その目的は、イラク国家を解体し、そして、米国がイラクを完全にコントロールし、その膨大な石油資源を手中に入れることにある。

米国防総省の計画の一部として、CIAとモサドはイラク国内で、クルドの訓練と武装を行ってきた。イスラエル情報部隊はイラクの反政府ゲリラの攻撃に対処する米特殊部隊を訓練した。それには、ゲリラのリーダー、有名な学者、科学者(すでに350人の核科学者が殺されたという)、教師(210人が殺され、3,000人が国外へ逃れた)、政治家、宗教界のリーダーなどの暗殺部隊の訓練も入っていた。...

 彼らが手がけた最初の作戦は、2006年2月22日、サマッラで起こったAskariya寺院(黄金のモスク)の爆破であった。...

 黄金モスクに対する破壊作戦はシーア派がスンニー派に対して暴力的な報復に出ることを目的としたものであった。スンニー派指導者によれば、シーア派がイラク全土、20以上のスンニー派のモスクを爆弾や迫撃砲攻撃、あるいは放火などの方法で攻撃した、...

 イラク南部のバスラでは、警察の発表によると、警官の服を着たガンマンが、刑務所に押し入り、12人のスンニー派囚人を連れ出した末虐殺した、という。これらのスンニー派に対する攻撃は、米国防総省のP2OGによる作戦であった、という。ペンタゴンは、黄金のモスク爆破事件はアルカイダの仕業であったというが、Abdul Zara Saidy師によれば、これは、占領者、アメリカ人、シオニストの工作であったと言っている。

こういう陰謀説を唱える人々が絶対にしないことは、「もしもこの説が本当であるならば、こういう状況がみられるはずだ」という科学的実験では基礎の基礎である検証をしないことである。アメリカのイラク侵攻目的が北沢氏のいうように『イラク国家を解体し、そして、米国がイラクを完全にコントロールし、その膨大な石油資源を手中に入れることにある。』であるならば、すでに三年もイラクに駐留しているにも関わらずどうしてアメリカはそれを実行していないのか、という基本的な疑問が生じる。

アメリカの目的が最初からイラクをコントロールすることにあったのなら、イラクを民主主義にしようなどという面倒くさいことをやらなくても、もっと簡単な方法がいくらでもあった。フセイン政権を倒した後、アメリカの言いなりになる独裁者をアメリカの傀儡政府として設立し、形だけの選挙で圧倒的な勝利を得させ既存のイラク軍を使って新しい独裁者にこれまで通りイラク庶民を弾圧させ、アメリカの都合のいい原油産出の契約を交わさせる。アメリカ側はイラク傀儡政権を見張る程度の「大使」を残してあとは撤退。めでたしめでたしである。

石油資源を手中にいれることだけが目的ならイラクを統括している政権がスンニでもシーアでもいいわけで、なにも新イラク軍などを訓練してスンニ派を殺す必要はないのである。いや、むしろ既存のインフラをそのままにして世俗主義のバース党を権力でつって味方につけておいたほうがよっぽども有利だ。

イラクが内戦になって一番損をするのはイラク人はもとよりアメリカである。アメリカにとってはイラクの状態が安定してアメリカに石油をどんどん送り出してくれた方が都合がいいはず。何を好き好んでイラク内乱などを企むというのだろう?

北沢氏はブッシュ大統領のイラクへの兵増強はイラクの治安安定化などというものではないと言い切る。

これらのことは、米軍の駐留こそが、イラクの国内の紛争を抑止するものだという幻想を、メディアの協力をもって振りまいている。これこそが、ブッシュの最大の嘘である。

もしそれが本当ならば、どうしてブッシュ大統領はもっと早期にイラクへの兵増強を実現させなかったのだ? イラク戦争は最初から兵数が不十分であるという批判があった。ブッシュ政権内でもパウエル国務長官などは当初から大量の軍隊を動員すべきだとして、兵数は最小限にするべきという防衛長官のラムスフェルドと常に衝突していた。

ブッシュ大統領は多方からの批判にも関わらず何度も提出されたラムスフェルド長官の辞表を退けてきた。北沢氏は全くご存じないようだが、アメリカ軍はイラク軍(シーア、スンニ、クルドを問わず)の訓練を2004年から着々と進めており、治安維持が可能と思われる地域からその指令権をイラク軍に移譲してきている。もし、アメリカ軍こそがイラク治安維持に必要だという「幻想」をイラク市民に持たせたいなら、なぜイラク軍を独り立ちさせたりするのだ? おかしいではないか。

北沢氏はアメリカ軍によるイラク軍訓練でイラク軍の数はほぼアメリカ駐留軍の数と同等になっているにも関わらず、イラクでの反乱は全くおさまっていない、それはアメリカ軍の存在こそがイラクの紛争を激化していることの証拠だという。だからイラクでの紛争を鎮圧させたいのであればアメリカ軍が撤退するしか道はないという。

だが、それが本当ならば、どうしてイラク内乱を望企むアルカエダのような外国人テロ組織はアメリカ軍の撤退を望むのであろうか? 北沢氏が無視している現実は、アメリカ軍とイラク軍の連合軍はアルカエダおよびスンニ抵抗軍の鎮圧には非常な成功をおさめているということである。もしイラクで問題を起こしているのがアルカエダとスンニ抵抗軍だけであったならば、イラクの治安維持はほぼ大部分で成功したといえるのである。

いま、問題になっているのはイランが援助しているサドルなどが率いるシーア派民兵の反乱である。2004年にファルージャ紛争と同時に奮起したサドルのマフディ軍によるナジャフ紛争で、アメリカ軍は奴らを十分に退治しなかったことや、警察などに潜入してきたシーア派民兵の実態をイギリス軍が取り締まらなかったことなどが仇となっている。 
 
シーア派民兵の取り締まりは、シーア派が多数を占めるイラク政府にはやりにくい。特にマリキ首相はサドルとはなかよしこよしだから質が悪い。

北沢氏はアメリカ軍がイラク紛争の原因となっているという事実をこう説明する。

...最も反米の町Tal AfarやRamadiでさえ、米軍がいないときは平和な町である。現地のゲリラと提携した現地指導者が統治している。ゲリラは、警察の役目をはたし、スンニー派、シーア派地域ともに原理主義的なイスラム法が、支配している。

これらの町は、中央政府の主権や米軍の占領を認めていない。したがって、米軍が、ゲリラの支配地域に入り、ゲリラを掃討しようとすると、町は抵抗する。路地裏で、米軍は民兵のリーダーを逮捕、あるいは殺そうとするとき、これをゲリラは地雷を埋めたり、狙撃したりして抵抗する。なぜなら、ゲリラは通常町の人びとに支持されており、一方米軍の攻撃は、破壊的である。したがって、米兵の“戦果”とは、友人や家族の死によって、より多くのゲリラが生まれる。米軍が撤退すると、町は、以前の状態に戻る。しかし、破壊された町は米軍に対する怒り、恨みに満ちている。...

北沢氏の論理は話が逆である。アメリカ軍がラマディやタルアファーに侵攻した理由はアルカエダがこれらの土地を拠点にしてテロ行為を行っていたからであり、アメリカ軍がラマディに侵攻したからラマディの治安が崩れたのではない。第一北沢氏は無視しているが、ラマディやタルアファー庶民はアルカエダのテロリストたちを大手を広げて歓迎したわけではなく、彼等の侵略によって人質になっていたのである。北沢氏のいう原理主義のイスラム法というのは極端なシャリア法であって、一般市民はテロリストに統治されていたのではなく虐待されていたのである。タルアファーの市長がアメリカ軍へ送った感謝状の話は記憶に遠くない。

アメリカ軍が増えると治安が悪化する例として北沢氏はサドルシティをあげ、民兵によって警備がされていたサドルシティはアメリカ軍の攻撃によって無防備にスンニジハードのえじきとなったという。

米軍は、サドルシティのサドル派の民兵、Balad のスンニー派ゲリラを掃討するという最初の任務以外には、対応しようとしない、あるいはできない。したがって、米兵が増えると、より多くの宗派抗争が起こることになる。

これも変な論理だ。米軍が一旦攻めた場所を守りきれないというのであれば、それこそ米兵の増加が必要だという理屈につながるはず。もし、北沢氏のいうように米軍が増えれば宗派抗争が激しくなり、米軍が攻撃を進めれば進めるほどイラクのゲリラの数が増えるのだとしたら、これがアメリカにとって都合のいい状態とはどうしても思えない。こんな状況にアメリカ軍を増強すればアメリカ兵の犠牲が増えるだけではないか。どうしてアメリカはそのような宗派紛争を望むのだ? なぜアメリカがそのような状況作り出したりしなければならないのだ?

最も恐ろしいことは、ブッシュ政権内に、「宗派間抗争が米国の目的を達成してくれるだろう」という考えが出てきていることだ。『ニューヨーカー』誌の最近号に、SeymourHarsh記者は、CIA情報として、「十分な規模の米軍がイラクに長く駐留すれば、(イラクの)悪い奴は、殺し合いで皆死んでしまうだろう、とホワイトハウスは信じているようだ」と書いている。

最も恐ろしいことは外交問題専門の政治評論30年来のベテランを気取る北沢氏が嘘つきで悪名たかい似非ジャーナリストのシーモア・ハーシのでまかせを鵜呑みにしていることだろう。ブッシュ政権内でイラクの宗派間抗争が都合がいいと考えているひとがいるというなら、名指しで提示していただきたいものだ。

政治評論家などと肩書きはついていても、陰謀説を唱えるカルト信者の中身はどこも同じだ。


December 24, 2006, 現時間 04:09 PM | コメント (1) | トラックバック

December 22, 2006

イラクへは兵増強で方針転換

イラク関係

私は先の中間選挙で民主党が勝ったことでかえってイラクへは兵増強が起きるのではないかと以前に書いたが、やはりブッシュ大統領はその方角へ方針を転換するようだ。以下産經新聞の記事より。リンクをなくしてしまったので抜粋を添付する。

米軍地上兵力を増強 イラク増派も視野 大統領言明

12月21日8時1分配信 産経新聞

 【ワシントン=山本秀也】ブッシュ米大統領は20日、ホワイトハウスでの記者会見で、「米陸軍、海兵隊の恒久的な兵力を増員する必要がある」と、米軍地上兵力の本格的な増強に踏み切る方針を表明した。イラク、アフガニスタンへの派兵など対テロ戦争の長期化を受けた措置だ。短期的にはイラク駐留米軍への部隊増派を含む中東・湾岸情勢への対処が想定されているが、地上兵力全体の兵力増は、在日米軍など再編の進む在外兵力全般の配置にも影響が予想される。

 混迷の続くイラク情勢について、大統領は...年明けの公表に向けて練り直しの進むイラク政策については、「部隊の増派を含むすべての選択肢を考えている」と述べた。

 大統領はイラク政策や兵員規模の増強に向けて、具体的な計画提示をゲーツ国防長官に指示したことを明らかにした。この任務のため、同長官は20日、イラクを訪問。また、新たな体制への人事刷新として、中東地域を管轄する米中央軍のアビザイド司令官は同日、来年早期に辞任することを表明した。

 地上兵力の増員目標について、大統領は言及しなかった。ミリタリー・バランス(2006年版)によると、米陸軍の兵力(予備役を含む)は現在約59万6000人、海兵隊は約18万7000人となっている...

 年明けに向けて練り直しが続くイラク政策では、6〜8カ月の期間を想定して1万5000〜3万人の部隊をイラクに増派する案が浮上している。超党派で作る「イラク研究グループ」(ISG)の報告書は、駐留米軍の役割を戦闘任務からイラク治安部隊の支援に転換することで、2008年3月までに戦闘部隊の削減をめざす方向を勧告していた。

この記事を読む限り、イラク研究グループの推薦はサンキュー、バット、ノーサンキュー(おおきにお世話様!)といったところだろうか。

イラクへの兵増強は実は撤退への布石ではないかという見方もある。確かに15万からいる軍を即座に撤退するなどということは不可能だから、表向きを繕うためにも一時的に兵を増強し撤退のために地域を安定させる必要があるというのである。

これがもし民主党大統領の率いる戦争であるならそういうこともあるかもしれない。だがブッシュ大統領においてはそのようなことはないと私は考える。ブッシュ大統領は来期があるわけではなくこの任期が終わった時点で政治家としての人生も終わるのである。だから今後のことも考えてここは穏便にすませておこうなどという心配をする必要がない。彼には誰に遠慮する必要もなく自分の信念を貫き通す強い意志があるのである。少なくともこれまでに彼は周りの反対を押し切ってその信念を貫き通してきた。いまさらその進路をかえるとは思えない。

ブッシュ大統領というのは政治家としてはまれにみるバカ正直者である。彼には裏に隠された作為とかいうものがない。ブッシュ大統領がイラクに民主主義を設立したいと言えば、これはイラクを植民地にしてイラクの石油を乗っ取りたい、という意味ではない。だから彼がイラクに兵を増強してイラクの治安維持を促進したいといえば、これはメンツを潰さす撤退したい、という意味でもないのである。

イラクには兵が増強されるだろう。そしてその率は一時的なものではなくかなりの長丁場になると予想される。ブッシュ大統領が指揮をとっている限り、目的未然での撤退はあり得ない。民主党勝利やラムスフェルド長官辞任で大喜びしたテロリストどもは今頃かなり困惑していることだろう。

December 22, 2006, 現時間 03:37 PM | コメント (0) | トラックバック

December 14, 2006

なんでいつもイスラエルなの?

イラク関係 , 中東問題 , 宗教と文化 , 対テロ戦争

ディケンズの著書、デイビッド・コッパーフィールドのなかでミスター・ディックという登場人物が出てくるが、この男性はチャールズ王の斬首刑に病的な執着をもっていて、何の話をしていてもなぜかいつの間にかチャールズ王の首の話になってしまう。

これと同じようなイスラエルへの病的な執着が国際社会にも存在するような気がする。この風潮にはカカシは前々から気が付いていたが、カナダのナショナルポストに載ったデイビッド・フラム氏のエッセーに私がいいたかったことがかなり書かれているのでカカシの感想も含めて紹介しよう。

この間、イラク勉強会(ISG、別名the Baker-Hamilton commission)という民主党と共和党のエリート元外交官らによる委員会がブッシュ政権にたいしてイラク対策をどうすべきかという推薦調査書を提出した。この調査書の内容はアメリカでは大騒ぎになったので、ここでも取り上げようかどうしようか迷ったのだが、だらだら長い割には中身のない調査書だったのであえて取り上げないでいた。

しかしこのISG調査書のなかにちょっと気になる部分がある。それはイラク戦争の話をしているはずなのに、なぜかイスラエル問題が出てくることだ。この調査書には

「合衆国が中東における目的を果たすためにはアラブ対イスラエル問題に直接関与する必要がある。」

とある。なんでイラクの話をしているのにイスラエルの話がでてくるのか? しかもイラクの未来をアメリカがシリアと交渉する際、イスラエルがゴーラン高原をシリアに返還することやパレスチナ人のイスラエル国内への帰還の権利を話あうべきだとかいうとんちんかんな変な話も出てくる。どうしてアメリカのイラク対策でシリアと交渉するのに、他国イスラエルの領土問題を持ち出す必要があるのだろう。だいたいイスラエルがアメリカのために自分らの領土を犠牲にするなんの義理があるというのか全く不思議である。ベーカーさんは昔からイスラエルを毛嫌いしているとはいえ、アメリカの外交問題でイスラエルを犠牲にすべきだと簡単に考えが出てくるところが恐ろしい。

しかし大抵の場合は尊敬できるイギリスのブレア首相でさえも、中東の平和はイスラエルが鍵だと思っているらしい。フロム氏によると、先月ロンドンで開かれた毎年恒例の市長宅での晩餐会において、ブレア首相は「イラクに関する答えの主な部分はイラク自身ではなく、イラクの外にあります...イスラエル/パレスチナからはじめるべきです。それが根源なのです。」と発言したそうだ。

(このような意見は)ブレアひとりだけではない。似たような意見は先進国のどの国の外務省、シンクタンク、新聞の社説からもきくことができる。

単純に繰り返すことによってこの説が真実になるというなら、パレスチナ問題とイラク紛争のつながりは、ニュートンの法則と同じくらい高いレベルで「確かな」ことと言えるだろう。

しかし我々の脳みそが黙従に打ちのめされる前にパレスチナとイラクの関係がどう作動しているのか説明をもとめても良いだろうか?

とフロム氏は問いかける。まさしくカカシもこの説を理解したい。アルカエダのテロリストが自動車爆弾を学校の子供たちが集まる場所で爆破させる、その仕返しにシーアの民兵どもがスンニ市民を誘拐する。こうした行為と600マイルも離れたところで起きているイスラエルとパレスチナ紛争とどういう関係があるのだ? イラクの市街でおきている宗派間暴力がイスラエルとパレスチナ間の和平交渉でどう解決するというのだ?

反米の民兵たちに武器を供給し、アメリカ軍をイラクから追い出し、中東で石油国家の有力勢力となろうとしているイランが、パレスチナが国連に席を置けばその野心を捨てるなどという保証は全くない。

トニー・ブレアがいう通り、パレスチナ問題が解決しないことが中東アラブ人をより過激にしているというのは本当かもしれない。だが、そうだとしても歴史上世界中で起きた紛争のなかで、どうしてパレスチナ・イスラエルだけがこうも執拗に解決できないままになっているのだろうか。

ドイツ人はポーランドがDanzigを支配していることに抵抗してGdanskの通りで自分らをふっ飛ばしたりはしない。ギリシャ人はSmyrnaの返還を要求してトルコの小学生の乗ったバスを乗っ取ったりしていない。ボリビアはチリにたいして太平洋戦争の結果を覆そうと終わりのない戦争など挑んでいない。

アラブ人たちは1949年以来イスラエルと有利な条件で和平を結ぶことはいつでもできた。だが彼等は頑固にそれを拒絶してきた。パレスチナはウエストバンクとガザに1967以来いつでも独立国を持つことが できた。彼等はその提案もつっぱねてきた。

だとしたらアラブ人の過激化はイスラエル・パレスチナ問題の結果というより原因だという方が正しいのではないだろうか? 平和がないのは多くのイスラム教諸国であるイスラエルの近隣国が、アラブ人でもなくイスラム教徒でもない少数民族が服従者としてでなく中東に存在することを容認できないせいではないのか。それこそがこの問題の本当の「根源」なのであって、交渉で解決できるようなものではない。

フロム氏はそれこそ西洋社会が性懲りもなくイスラエルとパレスチナの和平交渉をいつまでも続けることこそが問題を悪化させていると語る。そのいい例が2000年に行われたキャンプデイビッドでの交渉だろう。あの時パレスチナは前代未聞な有利な条件をイスラエルから提案された。にも関わらずそれを拒絶して第2インティファーダというテロ戦争をはじめた。2003年まで連続しておきた自爆テロ攻撃も結局パレスチナには何ももたらすことはなく、パレスチナは惨敗したのにあきらめきれずロケット弾をうち続け、いまだにイスラエルからのミサイル攻撃を受けている。

本来ならもうこの辺りでイスラエル・パレスチナ間の交渉は無駄だと人々は悟るべきである。私はもう長いことイスラエル・パレスチナの話が出る度に「イスラエルは放っておけ」といい続けてきた。繰り返しになるがイスラエルがどんなやり方でイスラエルの国を創立したにしろ、幾度にも渡るアラブ諸国からの挑戦に自国を守り続けてきた。それだけで普通の世の中ならイスラエルは勝者なのであり負けた側のパレスチナをどうしようが部外者の我々がどうこういう問題ではないはずだ。

それなのに、どうして欧米諸国は自分らが中東で困難に陥るとすぐさまよってたかってイスラエルを生け贄の羊にしようと企むのか。いやそれでももし、イスラエルを生け贄にすることによって自分らの問題が本当に解決するいうならそれも分かる。だが現実にはイスラエルが原因でない以上解決にもつながらない。

それなのに彼等はいつもいつもイスラエル、イスラエルと繰り返す。あたかも「イスラエル」がどんな問題も解決してしまう魔法の呪文ででもあるかのように。

December 14, 2006, 現時間 12:52 AM | コメント (6) | トラックバック

December 11, 2006

民主党イラクへ二万人増兵へ方針転換か?

アメリカ内政 , イラク関係 , 対テロ戦争 , 防衛

昨日ラムスフェルドの後任として大統領に任命されていたゲーツ氏が議会の承認を受け、正式に次期国防長官となることが決定した。 

ワシントン──米上院本会議は6日、ブッシュ米大統領から次期国防長官に指名されたゲーツ元中央情報局(CIA)長官を、95対2の圧倒的賛成多数で正式承認した。

反対票を投じた2人はともに共和党議員だった。民主党議員らは、米国がイラク戦争に勝利しているとは言えないと語ったゲーツ氏が、今後のイラク政策についてブッシュ米大統領に率直に助言することを期待し、同氏の指名を好感したもよう。ただ、米国民は国防総省のトップの交代以上に、イラク政策の包括的な転換を求めているとの指摘もある。

ゲーツ氏の指名は、前日の上院軍事委員会で全会一致で承認されていた。同氏は18日に宣誓就任する。

ゲーツ氏任命の際の公聴会でゲーツ氏が「米国がイラク戦争に勝利しているとは言えない」と発言したことがアメリカメディアでは大きく取り上げられているが、だからといって必ずしもゲーツ氏はいますぐアメリカ軍はイラクから撤退すべきであるとは言っていない。以下はAPの記事より

ゲーツ氏はアメリカ軍の撤退をいつ始めるかという質問に対してはっきりした返事をせず、「現地での事情による」とだけ答えた。また氏は確認でき次第イラクへ行って米指揮官たちと相談するつもりだと語った。

後に軍撤退の時期を特定して発表するかという聞かれたことに関して、そのような日程はアメリカの弱さを象徴するものであり「(敵に)どのくらい待てば我々が去るかを伝えるようなものだ」と語った。

これなら今までブッシュ大統領がいい続けてきたこととなんら変わりはない。民主党議員たちはゲーツ氏がイラクでアメリカが勝っているとはいえないといったことだけに喜んで、では実際にイラクでアメリカはどうすべきなのかという話には注目しなかったのだろうか? いや、いくら民主党といえどそこまで間抜けではない。

以前に私は民主党勝利=イラク撤退ではない!と書いた。むしろイラクで決定的な勝利をおさめるためには増兵すらあり得ると書いた。この予測をばかばかしいと一笑に伏した輩もいるが、実は新しく民主党ペロシ下院議長から下院諜報委員会の委員長に任命されたテキサス州下院議員(民主党)のシルベスター・レヤズ氏がイラクへ二万人の増兵を考えていることを公表した。レヤズ議員はイラクのスンニとシーアの民兵は崩されなければならないと語った。

イラク増兵を訴えているのは政治家だけではない。現地の将軍たちもその必要性を訴えている

前回の民主党の勝利と、ラムスフェルド長官の辞職によって、アメリカのイラク政策はイラクより軍隊撤退だと考えていた人たちは、かなり的外れな期待をしていたのかもしれない。

December 11, 2006, 現時間 06:13 AM | コメント (3) | トラックバック

December 09, 2006

どこまで本当? ねつ造を暴露されてひらきなおるAP

イラク関係 , ネット戦争 , 中東問題 , 狂ったメディア

昔からアメリカにしろ日本にしろメディアの報道には偏向があることは情報通のひとなら誰でも感じていたことだろう。だが事実に関する情報に記者の個人的な解釈が加わったとしても、あからさまなやらせねつ造にお目にかかることは先ずなかった。たまに記者による盗作や事実誤認の記事を読むことはあってもこれは例外中の例外という意識があった。

ところがここ数年、主流メディアの報道には非常に怪しげなものが多くなってきたように感じる。いや、というよりも我々が嘘記事を見抜く手段を得たというだけなのかもしれない。我々が知らなかっただけで、もう何十年もメディアは至る所で読者や視聴者をだましてきたのかもしれない。それで主流メディアはブロガーたちの出現により、これまでの嘘八百がそのまま通らなくなってきていることに対応できないでただうろたえているだけだ。 

架空の警察官を証人として過去2年にわたり60以上もの記事をねつ造してきたAPは、この期に及んでもまだ自分らの過ちをみとめないどころか、嘘を暴露したブロガー達に八つ当たりをしている。(Hat tip Hot Air)

AP国際記事の編集員、ジョン・ダニスゼウスキー( John Daniszewski)は火曜日、軍による記事の情報元に関する質問は「ハッキリ言って馬鹿げており、事件の真相をある意味で必死で反論したり隠ぺいしようとしているかに見える」と語った。

ダニスゼウスキー氏はさらに記事を再報道をしたと語り、バグダッドのハリヤー地区に送り返した記者により、さらなる承認を発見。証人は事件を証明できるだけでなく当日のつきつめた詳細を語りその内容が火曜日の午後の記事となったという。元の記事は11月24日の金曜日の掲載された...

その残虐な詳細にも関わらず、イラク内政省の報道官、アブドゥール・カリーム・カーラフ准将は、木曜日この事件はただの噂にすぎないと主張し続けている。

「わが軍を噂の現地に派遣させましたが、(市民が)焼きころされた事件があったという場所で何も発見することができませんでした。

というわけだから、ブロガーたちの疑問は深まるばかり。これにたいしてAP編集長キャサリーン・キャロル女史は、金曜日の夜の会議でAPは不確かな情報に関する質問について、何度も報道しなおすことで答えているとし、これ以上の報道は単に何を言っても納得しないブロガーたちをいきり立たせるだけだと語った。

またHot Airhによれば、キャロル女史は内政省にはシーア派民兵がかなり潜入しており、つい最近までその事実さえ隠していた組織であるから、ジャマール・フセイン警察署長の存在について疑問をなげかけているのも情報操作の一部であると言いたげだ。

しかし、嘘をついているのがイラク内政省であるというなら、APは証人であるジャマール・フセインを紹介すればいいではないか。実在する人物で過去に60以上にもわたるAP記事の情報源となったひとだ、喜んで顔写真の撮影に応じてくれるだろうし、どの警察署のどの事務所で働いているか、彼の同僚や部下の証言も掲載すればいいだけの話。いまのままでは、いったいフセイン警察署長がどの警察署の署長なのかさえ不明なのである。

私が思うに、このじゃミール・フセインなる男はストリンガーと呼ばれるイラク人現地記者の創造だ。欧米のメディアは自社の特派員を危険な戦場へ送り込まずグリーンゾーン付近のホテルに留まらせ、危険な場所からの情報はすべてストリンガーによって集めさせている。

だが、このストリンガーからの情報は確認のできないようないい加減な噂が多く、およそイラクの真の姿を映し出しているとはいえないのである。APは過去にもビラル・フセインという現地カメラマンをやとってテロリストキャンプの内部からの特ダネ写真を何枚も掲載したことがある。しかし、この男、テロリストと強いつながりがあるとして後にアメリカ軍に逮捕されている。この男は殺されたイタリア人記者の遺体の横でポーズをとってるテロリストの写真などをとったりしていた。詳細はミッシェル・モルキンが9月に特集している。(Associated Press and the Bilal Hussein case; by Michelle Malkin)



Bilal Hussein and his picture    Italian

テロリストと一緒に逮捕されたAPカメラマン、ビラル・フセイン(左)フセイン撮影イタリア人記者の遺体の前でポーズを取るテロリストたち(右)


The Jawa Reportによると、APニュースは一連の架空証人やテロリストカメラマンの起用といった所行を反省するどころか、ロイターが以前にとりあげて全く信用性がないことがあれだけ暴露されている緑ヘルメットの男の写真を復活させているという。(注:この緑ヘルメット男のブログはパロディ) 当ブログでも緑ヘルメットの男のことはかなり書いたので覚えておられる方も多いだろう。(ここへいくAP作成のスライドショーをみることができる。)

それではここで、中東発生の主流メディアによるねつ造記事を振り返ってみよう。

眉唾なイラク米兵による悪事報道: イラクはハディーサでおきたとされる米軍兵による強姦殺害事件。あれだけ騒がれたのに捜査の結果何の証拠も得られず誰も逮捕されなかった。今となっては事件が本当にあったのかどうかも不明。

ヒズボラの情報操作作戦! ロイターのやらせ写真を斬る: イスラエルによる爆撃後の損害写真の一連だが、同じ男が別人として何度も登場したり、違う橋が同じ名前で登場したりしている。

ニューヨークタイムスやらせ写真がばれて、苦しい言い逃れ: レバノン、タイヤー市にて遺体として写真をとられた人間は別の写真でぴんぴんしていたことが判明。ニューヨークタイムスはころんでけがをした男性と説明書きをつけるべきだったと苦し紛れの訂正。

イスラエル、ロイターの車を空爆の嘘: イスラエルのミサイルに撃たれたはずのロイターの車。しかしミサイルで開いたはずの穴には古いさび後が、、、

仏テレビやらせ映像を指摘され訴訟起こす: パレスチナによる連続テロ事件をあおるきっかけとなったアブデゥーラ親子の殺害事件。あとでやらせがばれて報道したフランステレビ局と暴露した批評家との間で裁判沙汰にまでなっている。

緑ヘルメット男の正体: 今や有名な緑ヘルメットの男。レバノンで被害があるとどこからともなく現れて子供のなきがらをだきながらポーズをとりまくる変態男の正体。

ほかにもいろいろあるので興味のある読者のかたがたは当ブログの「狂ったメディア」カテゴリーをご参照いただきたい。

こうしてみてみると、我々が得ている情報はいったいどこからどこまでが本当なのか全く分からなくなってくる。最近では主流メディアからの報道では飽き足らないと自ら腰をあげてイラクやアフガニスタンに赴くブロガーたちも出てきた。こうしたフリーランスの記者による報道は主流メディアよりはましかもしれないが、彼等には彼等なりのアジェンダがあるわけで、これとてそのまま鵜呑みにすることはできない。

ではいったい我々一介の市民はどうすればいいのだろうか?

情報過多の現代社会では雪崩のように流れ込む情報の濁流を泳ぎながら、真実を見極める力を養うことが未来に生き残るただひとつの道なのかもしれない。


December 09, 2006, 現時間 11:18 AM | コメント (0) | トラックバック

December 03, 2006

また暴かれたAPのねつ造記事

イラク関係 , 狂ったメディア

アメリカのニュースワイヤーサービスであるAssociate Press (AP)が、中東での情報を自社の特派員を使わずストリンガーといわれる地元民から得ていることで、これまでにも根拠のない怪しげなニュースがまことしやかに報道されてきたことは、7月のレバノン戦争の時に当ブログで何度か紹介してきた。

レバノンでは緑ヘルメットの男があちこちに現れてレバノン市民の被害を訴えていたが、今度はイラクでジャミール・フセインなる「警察官」がAPニュースの情報元としてあちこちで出没している。

ジャミール・フセインの名前が取りざたされるようになったのは、先月APがイラクでシーア派の民兵がスンニ派一イラク人6名をイラク軍が見守るなか焼き殺したという報道をしたのがきっかけだ。まずは11月25日付けのAPニュースより:

バグダッドは金曜日にくらべて静かだった。目撃者や警察の話では(金曜日)暴れた民兵らがハリヤー地区の主にシーア派の住宅街で4つの聖廟や数軒の家を焼き払ったり爆破したりした。近くにいたイラク兵たちはシーアマフディ軍のメンバーを思われる容疑者の攻撃や、それに続いた攻撃で25人にのぼるスンニ派の殺害を阻止することができなかったと警察のジャミール・フセイン警察署長は語った。

米軍側は土曜日、ハリヤー地区を警備しているイラク軍は焼かれた聖廟はひとつだけで、金曜日に6人のスンニアラブ人が祈祷中に引きずり出されて焼き殺されたという殺されたという情報は確認できなかったと発表した。

この記事を読んで「変だなあ」と感じたアメリカ人ブロガー、Flopping Acesの元アメリカ海兵隊員で警察官もやったことのあるカートは、グーグルでちょっと検索をしてみたところ、6人のスンニイラク人が殺されたという話の情報元はジャミール・フセイン警察署長ただひとりであることがわかった。

焼き殺された6人についてのどの記事にもこの男の名前が現れるので俺はかなり古い記事を掘り起こしてこの男の関わった記事を探さねばならなかった。

この4月の話:

昨日最悪の暴力、手錠をかけられ目隠しをされ拷問の後のある6人の男性の遺体がバグダッド付近のドラにて発見されたとジャミール・フセイン警察署長は語った。

これは5月の記事から:

引き続き土曜日にも自動車爆弾がバグダッド南部の込み合った交差点でおき、すくなくとも4人の民間人が殺され7人がけがをしたとジャミール・フセイン警察署長は語った...

これは6月:

月曜日の夕方、バグダッドの商店街で内政省のパトロールを二つの爆破が襲い、少なくとも7人が殺され16人が負傷したと警察は語った。最初の自動車爆弾は西バグダッドの内政省のパトロールを襲い4人の機動隊員が殺され6人が負傷したとジャミール・フセイン警察署長は語った。フセイン署長は30分後もう一つの爆弾がバグダッドから20マイルほど離れたマフムーディヤ商店街で爆発し3人が殺され10人が負傷したと語った。

7月:

銃をもった男たちは西バグダッドのスンニ住宅街でバスを待ち伏せし一人の女性を含めた6人の乗客と運転手を殺したとジャミール・フセイン警察署長は語った...

この後9月の事件と続くが長くなるのでここでは省略しておく。スンニが殺されるたびに新聞に登場するこのジャミール・フセイン警察署長とはいったいどういう人物なのだろう。

4つもの聖廟が焼かれ6人の祈祷者が焼き殺されたという話にもどるが、25日付けの米軍の公式発表によると焼かれたのは一つだけで、AP記事に載った事件の確認はできないという。バグダッドの地元消防隊および警察もそんな報告は受けていないとしている。

バグダッド地元警察も聞いていない? ではいったいAP記事に話をしたフセイン署長はどこの警察の署長なのだ? ブロガーのカートはCENTCOM(アメリカ軍中央司令部)に連絡してこの男の身元について質問したところ、CENTCOMからはこの男の身元は確認できないが、彼がイラク警察の正式な報道官でないことは確かだという返答があった。

その後27日になってCENTCOMはジャミール・フセインなる男はイラク警察官でもなければ内政省の人間でもないと発表した。そして24日のAP記事の事件は全く根も葉もないでっちあげであるとAPへ抗議の手紙を送った。この手紙のなかには、APが好んで引用しているヤーモーク地区の警察官と称するマイセム・アブドゥール・ラザーク警部(Lt. Maithem Abdul Razzaq)もイラク警察の人間ではなく、イラク警察を代表して声明文を出す立場にいる人間ではないとある。

また、イラク警察を代表してメディアを話すことが許可されているのはチーフ以上の地位にあるひとのみで、それ以下の警察官がメディアと話すことは禁じられているとし、身元の確認できない人間からの報道は匿名として報道されるべきであると忠告している。

6人が焼き殺されたという記事を信用できる情報元から確認できない限り、APはこの記事を撤回するか、もしくは少なくとも情報元の名前が本人がいうものとは違っているという訂正文を出すことを要請する...

このCENTCOMの要求に対してAPは自分らの情報は正しいと主張して撤回も訂正もする意志がないことをあきらかにしている。

「金曜日のことについてさらなる情報を得るためAPのリポーターはフセインに三度目の連絡をとり、報道に間違いがないことを確認しました。署長は過去2年にわたって警察の情報提供を定期的にしてくれているひとでAPのリポーターは彼の警察署に何度か訪れています。署長はフルネームのジャミール・ゴーレイム・フセインと名乗っており、6人は本当に火をつけられたと証言しています。」

ジャミール・フセインと同様CENTCOMが警察官ではないとしているマイセム・アブドゥール・ラザーク警部だが、CENTCOMによれば彼はイラクの内政省から参考人として出頭するよう二週間前から令状が出ているという。またFlopping Acesの読者が詳細な検索を行った結果、ラザーク警部の名前は2006年4月3日から11月13日まで23の記事に載っており、ジャミールにいたってはカートが当初みつけた12の記事を大きく上回る61の記事で名前が載せられていたことが判明した。しかも彼等の名前が出てくるのはAP取材の記事のみである。

ところでイラク警察も内政省もそんな人間は働いていないといっているのに、APの記者たちはいったいどこの警察署を訪れてこの男に会見したのだろうか? それにAPが2年前から情報元としてつかっているといっているのに、どうしてジャミールの名前は今年の4月以前には全くAPの記事に現れていないのだろうか? 

Flopping Acesの読者によるとジャミール「署長」とラザーク「警部」の証言を取り入れた記事には必ずAPのイラク現地記者アル・バシヤー記者の名前が出てくるという。カカシはこの名前には聞き覚えがある。それもそのはず、アル・バシヤーは2003年9月からイラク人記者として多々の新聞に記事を寄稿していたからである。バシヤーが書いた2003年の10月5日のバグダッドで数年ぶりに競馬が行われたという記事はカカシも読んだ覚えがある。その後もバシヤー記者の書いた記事はイギリスの新聞などに十数回掲載されているが、常に別の記者との共同取材ということになっていた。

このバシヤー記者がAPのおかかえ現地記者となったのは2006年5月のことらしい。APのでっちあげ記事にはこの記者の関わりがかなり重要な鍵となっているようだ。

しかしこうしてみると、少なくともAPの記事に関してはシーア対スンニのいわゆる宗派間争いの記事にはかなり多くのでたらめねつ造記事が含まれているということになる。APの記事はアメリカ全国、いや世界各国の新聞社が情報元として信頼して再掲載している。そのAPが身元の確認できないストリンガーのでっちあげ記事をそのまま報道していたのである。

イラクの不安定な状態が先の選挙に大きな影響を与えたことを考えると、APはあきらかにイラクテロリストの情報操作の手先となっていたことになる。知っててやっていたにしろ知らずにだまされていたにしろ、メディアとしての責任を完全に怠ったこの行動は許しがたい。


December 03, 2006, 現時間 10:15 PM | コメント (0) | トラックバック

November 27, 2006

これは宗派間戦争だ! サドル派テレビ局を占拠

イラク関係

25日未明サドルのシンパらがバグダッドのテレビ局を占拠し、二時間に渡ってシーア派イラク人にスンニ派に対抗して蜂起せよと宗派間戦争を呼びかけた

『これは生放送である。神のご意志あれば、皆よく聞け。我々は歩道や水道やほかのことなどどうでもいい。我々がもとめるのは安全だ。』匿名のサドルシティのある住民はテレビ放映された群衆が歓声をあげるなか演説した。『我々は役人を求める。彼らは宗派間戦争は存在していないという。否!これは宗派間戦争である!それが真実なのだ!』

先日、アルカエダがサドルシティを襲撃し、数回に渡る自動車爆弾などで200人のシーア派を殺したことへのシーア派による反応である。

今朝のラジオで以前アメリカのイラク政策の報道官をしていた人が、今のイラクの状態はもう内乱だといっていた。確かにシーア派の暴徒がスンニ派を殺し、スンニ派が復習するということが続いている以上、これはまさに内乱だといえるのかもしれない。だがイラクは内乱状態にあると断言んてしまうのはかえって問題を深刻化してしまうような気がする。

私は決して現状を無視しろといっているのではない。だがこれが宗派間戦争だといってしまうと、イラク人同士が好きで殺しあいをしているのに何故アメリカが中にはいる必要があるのだ、イラク人には勝手に殺しあいをさせてアメリカ軍は帰って来いという理屈になる。しかしイラクはシーアとスンニが完全に二つに別れてそれぞれが軍隊をもって戦争をやっているわけではない。少なくともまだそんな段階にまでは進んでいないのだ。

今のイラクの状況は協力な暴力団同士の縄張り争いといった程度のものだ。そんな一部の過激派の勢力争いのために殺しあいを望まない一般のイラク人を見捨てるのはあまりにも乱暴だ。

サドルのシンパ連中がテレビ局を占拠してわざわざ「これは宗派間戦争だ」などと宣言しなければならない理由は、多くのイラク人が内乱など望んでいないからである。アルカエダにしてもシーアの民兵らにしても、イラクが内乱状態になることを望んでいる。イラクが混乱すればするほど彼等は自分らの勢力を延ばす可能性が高まるからだ。彼等は政治力で勢力を得ることはまだできない。彼等にできることは暴力による国民制圧だけだ。

もっとも正直な話、サドルシティは軍事的な標的としては適当だろう。サドルシティはイランの白豚サドルの本拠地であり、ここを起点としての攻撃で数多くのスンニ市民が殺されており、その行為を市民の大半が支持している。だからサドルシティがテロリストの犠牲になってもあまり私は同情できない。アルカエダの連中がサドルをシンパを殺したいならどんどんやってちょうだいといいたいところだ。

ただサドルの民兵がアルカエダによる攻撃の復讐をするといって無関係なスンニへの攻撃を激化するのであれば、これは宗派間戦争を望んでいるアルカエダの思う壷であり、イラク全体にとってよいことではない。

それに多くのスンニ派有力部族はシーアとの宗派争いを望まないだけでなく、アルカエダとの絆も断ち切ろうとアルカエダアルカエダに反旗をひるがえし、いまやアメリカ軍と協力してアルカエダと戦っているのである。しかもスンニ派なのにイラク警察やイラク軍へ志願するものも多くでてきているのだ。そのような大事な時にイラク人同士には好きなように殺しあいをさせておけなどという意見はあまりにも無責任である。

せっかくスンニ派の多くがアメリカ軍を信用するようになってきているのだ、シーアの過激派にスンニ派を殺させていてはまた信用をなくしてしまう。アメリカ軍はなんとしてもサドルの白豚ひきいるマフディやバーダーといったシーア暴力団を撲滅しなければならない。そのために兵を増加する必要があるというなら、それも仕方ない。とにかく撤退だけはあってはならない。

November 27, 2006, 現時間 05:38 PM | コメント (2) | トラックバック

November 25, 2006

見苦しいアメリカ保守派のパニック状態

アメリカ内政 , イラク関係

この間の中間選挙で負けてからというもの、アメリカ保守派の間でのうろたえぶりは見るにたえない。アメリカの保守派層、特にネオコンと呼ばれる連中はやたら悲観的でちょっとのことですぐヒステリーを起こす。私は彼等の肩をゆすって顔を平手打ちしてやりたいね。全く。

私がネットアクセスのなかった先週に保守派ブロガーの間で根拠のない馬鹿げた噂が広まった。その噂とは、ブッシュ大統領はイラクの未来をイランとシリアに引き渡しアメリカはイラクから撤退する。ゲーツ防衛大臣はそのための起用であり、イラク政策の委員会代表ベイカー氏もそのやり方を助言するというもの。

ブッシュ大統領がイラクをあきらめる? しかもイラクをイランとシリアに任せる? いったいどこからこんな妄想が生まれたのだ?

ことの発端は11月12日にカンザスシティスターの載ったこの記事を、ネオコンブロガーとしては大御所のパワーラインが取り上げたのがきっかけ。この記事にたいしてパワーラインはこのような反応を示した。

私は本当に自分が間違っていればいいと思う。だがこれはまるでまぬけな外交専門チームのみが「現実的」といって考え出しそうな陰謀に聞こえる。なんだってこの神の緑の地球上で、個別にしろ一緒にしろ、イラクの平穏化にイランだのシリアなんてのの助けがいるんだ? 奴らの有利になるという理由で彼等こそが過去三年間にわたってこの力の限りイラクの混乱を招いてきたではないか。

カンザスシティスターの記事が正確ならばパワーラインの反応も理解できる。だが常々アメリカ主流メディアの偏向報道に批判的な発言をしているパワーラインが、自分達の被害妄想に沿った報道だとその信ぴょう性も吟味しないまま記事を鵜呑みにして騒ぎ立てるのはちょっとおかしいのではないか?

だいたいシティスターの情報源とは何だ? この記事を注意して読んでみるとおよそあやしげなソースばかりである。以下はシティスターの記事からの抜粋だが、私が黒字で強調した部分に注意をして読んでいただきたい。

ワシントン:合衆国諜報部員の上層部員らが中東のそれとベーカーイラク委員会から推薦されると予測される政策について話あうために会議をくりかえしていると、中東ソースはニュースデイに語った。

推薦提案にはイランとシリアに近付くことが含まれているとされる。これは委員会のメンバーであるロバート・ゲイツも推薦している政策である。元CIA長官のゲーツ氏はブッシュ家の長年の愛弟子であり、ブッシュ大統領からこの水曜日に辞任が発表されたラムスフェルド長官にかわって防衛大臣と選択された人である...

国家諜報部のジョン・ネグラポンテ長官は委員会の推薦の一部についてすでにベーカー氏と密接に計画を進めているという。

ネグラポンテ氏の考えに詳しいひとたちからの情報によると、氏はアメリカがイランに近付きイスラエル平行してシリアにも近付きイラク復興への援助を申し込むという、ベーカー氏のグループの推薦のなかでも一番話題を呼ぶこの提案に同意していると報告されている。金曜日コメントを求められたネグラポンテ氏の報道官はこの質問には答えなかった。

「中東ソース」「〜という」とか「考えに詳しいひとたち」とか訳の分からない情報ばかりでいったいどこの誰がこんなことを言ったのか全く定かではない。だいたい国際社会や国内での批判を押し切ってイラク戦争を始めたブッシュが、数々の批判を浴びながらイラク政策を全うしてきているブッシュ大統領が、突然イラクをイランやシリアに引き渡すなんてことが常識で考えられるか? この話どう考えてもおかしい。

何かとブッシュ政権の政策に批判的で常にわい曲した偏向報道を繰り返してきたメディアが中間選挙に民主党が勝ったからといって突然正直になるわけはない。だからシテイスターのでたらめ報道には今さら驚きはしないが、このでたらめ記事を鵜呑みにしてヒステリーを起こしている保守派の連中には失望する。

私も含め保守派の多くがCIAを信用していない。だから元CIA長官であるゲーツの選択には不満な人々が多いのも理解できる。私自身ゲーツが防衛大臣として適任なのかどうかかなり不安だ。

だがゲーツ氏は未知数である。ゲーツ氏が適任かどうか分からないという不安ではじまったことが、いつのまにかゲーツ氏は信用できない、ゲーツ氏はリベラルだ、ゲーツ氏はイラクをイランに売り渡す気だ、と被害妄想がエスカレートして膨れ上がってしまっているのは何故だろう? いったい保守派はなんだってこんなパニック状態におちいっているのだろう?

この記事が報道された翌日にもブッシュ大統領はイラクを時間制限で撤退する計画はないと断言している。またイギリスのブレア首相もイランとシリアはイラクの平穏化を脅かす行為は控えるべきであり、それに協力しないのであれば両国は国際社会から孤立する結果を招くであろうと厳しい発言をしている

つまり、アメリカもイギリスもイランやシリアにイラクを引き渡す交渉をしているどころか、イランやシリアにイラクにこれ以上手を出すなと強硬姿勢を崩していないのである。

アメリカの保守派諸君、ブッシュ大統領は我々を裏切ったことはない。どれだけの批判を浴びても自分の信念を貫き通してきたブッシュ大統領は中間選挙で共和党が破れたくらいで妥協して逃げるような臆病者ではない。これまでブッシュ大統領を信じて応援してきた我々ではないか、イラクが苦境にたっている今こそ建設的にイラク安定化を計る努力をすべきではないのか? リベラルメディアが何かいう度に一喜一憂していてはうまくいくものまでうまくいかなくなってしまう。

今こそ保守派は一丸となってブッシュのイラク政策を応援すべきである。ブッシュ大統領を信用して一緒にイラクの勝利を導こうではないか! 偏向メディアの無責任記事にパニクってる時ではない!

November 25, 2006, 現時間 03:26 PM | コメント (0) | トラックバック

November 22, 2006

アメリカがイラクで勝つ方法

イラク関係

English version of this post can be found atGood Hunting in Ramadi, Big Lizards.

先週からアメリカ・イラク同盟軍はラマディ付近でスンニテロリストに対して数々の攻撃を仕掛けており、同盟軍側の戦死者をひとりもださずに、何十人というテロリストを退治し同じように大人数のテロリストを捕らえた。Bill RogioのFourth Railの記事をまとめてみると、

カークック:イラク陸軍第1旅団第5師団とアメリカ題73騎兵隊と空挺隊82師団による合同攻撃において、連合軍は50人のテロリストを殺害、20人を逮捕した。さらに40万ラウンドの小銃弾、1万5千発のマシンガン用銃弾を押収。また爆弾製造の材料やプロパガンダ用のパンフレットやアメリカドルの大金も押収。

バグダッド:米・イ連合軍はスンニテロリスト18人を殺害、19人に負傷させた。さらに日曜日には9人のテロリストをさつがい、二人が逮捕された。

ラマディ: バグダッドの外でも一番危険な場所ラマディでは11月13日と14日の連続攻撃により、11人のテロリストが殺された。また土曜日にも連合軍は8人を殺害、二人を取り押さえた。

このようなアメリカ・イラク軍による圧倒的勝利はイラクでの戦闘においてはもう日常茶飯事である。でもカカシさんそれが本当ならどうしてスンニのテロリストたちはいつまでも戦いをあきらめないの、と読者のみなさんは不思議に思われるだろう。

その理由は大きく分けて二つある。

1 アメリカメディアが先頭にたってあともう少しテロリストが踏んばれば、アメリカはあきらめて退散すると報道しまくっていること。

2 イランの飼い犬ならぬ白豚サドルの民兵たちへの真剣な対策がとられていない。シリアやイランからの国境をきちんと守っていないため、シーア派のテロリスト及び武器弾薬が大量に流れ込んできている。彼等がイラクのスンニ派を大量に殺害している以上、スンニ派イラク人がシーアの味方だと解釈しているアメリカ軍に攻撃をしかけてくるのも理解できるというものだ。

私は国境を塞ぐことは可能だと考える。しかしそのためにはこれまでのようなやり方では駄目だ。シリアとイラク、イランとイラクとの国境線は何百キロと広がるわけで、現在いる兵数ではとてもパトロールをすることはできない。となれば偵察機を使った空からのパトロールが必要であり、侵入者は容赦なく空からのミサイル攻撃で殺すというやり方でなければ国境は塞ぐことはできない。つまりRule of Engagement (ROE, 戦闘時の規則)の見直しが必要なのだ。

歴史学者のビクター・デイビス・ハンソン氏はROEさえ改善されれば現在の兵数で十分にイラクを鎮圧することができると語る

ではもっと兵を出動させることや完全撤退やひどいニュース報道への苦情について考えてみよう。しかし現実は攻撃の際の戦略についてもっと余裕のある行動が許されさえすれば、敵意をもったメディアや凝視している敵ですら認めざる終えないような確実な勝利を獲得するに十分な兵士の数がイラクにはととのっているのである。ただこれは本国において最近我々の間でまたぶり返したヒステリー状態から立ち直ることができればの話だが。

今こそシーア派民兵を崩壊させる時である。サドルをいかしておいて将来のイラクに平和はない。

しかし「言うは安し行うは難し」である。シーア民兵との戦いにおいてアメリカ軍は2004年にファルージャはじめイラク各地で直面した難かしい問題と同じ問題に再び直面している。アメリカ軍は敵よりも圧倒的に優勢な戦力を有し領地を獲得することはできるが、その後の制覇ができない。それでアメリカ軍が去った後テロリストたちは再び舞い戻ってきてもとの木阿弥である。これはサダムフセインがアメリカとの戦いを前にしてあらかじめ考えていた作戦なのだが、アメリカ軍がこれに気が付くまでに2年という長い年月がかかってしまった。このモグラ叩きの状況を乗り越えるのはかなり難かしい。 それでもこの難関をアメリカ軍が切り抜けることができたのはイラク軍の起用である。 アメリカ軍が訓練をしたイラク軍がアメリカの勝ち取った領地を占領軍として守備にあたる。おかげでアメリカ軍は守りを心配することなく次の攻撃に神経を集中させることができたのである。

だがシーア民兵に対してイラク軍を守備にまわすには、まだ我々はイラク軍を完全に信頼できる状況にない。多くのシーア派を含むイラク軍には民兵のメンバーそのものや民兵のシンパがまだぞろぞろいる。これらの人員を排除できなければシーア派民兵撲滅は望めない。

ここで私はシーア派との戦いにおいて守備に回る占領軍としてアメリカ兵の増強が必要だと考える。いずれイラクの守備はイラク軍に任せなければならないが、イラク軍内部の清掃にはまだまだ時間がかかる。その間やはり守りはアメリカ軍が請け負うしかないだろう。

私はアメリカ市民の間にイラクの勝利を勝ち取ろうという強い意志があることを望む。キッシンジャー元国務大臣はアメリカ市民にこの意志はないという。アメリカ市民にはそこまで我慢できる粘り強さがないと悲観的だ。だがアメリカは南北戦争で何百万という犠牲を双方で出しながら双方とも圧倒的な勝敗が決まるまであきらめなかった歴史をもっている国民だ。私は今のアメリカ人にもその粘り強さがあると信じたい。

イラクにおいて軍事的勝利を勝ち取ることは可能だ。だがそのためにはここで新たにアメリカ市民の一人一人がイラク安定の大切さへの意志を新たにし勝利への道を望まなければならない。

November 22, 2006, 現時間 07:52 PM | コメント (2) | トラックバック

キッシンジャー元国務大臣「イラクで軍事的勝利は不可能」発言の真相

イラク関係

昨日喜多さんがキッシンジャーまで逃げたじゃんという題で、ワシントンポストに載ったユージーン・ロビンソンの記事を紹介していた。その内容は「保守派」のキッシンジャー氏ですらイラクではアメリカは勝てないといっている、アメリカは今すぐ撤退するしか道はないというもの。

大変じゃん。 ヘンリー・キッシンジャーですら、今じゃイラクの軍事的勝利は不可能だ、って言ってるならさぁ、ジョージ・W・ブッシュには本当に、ローラとバーニーしか残ってないって事じゃん...

でさぁ、キッシンジャーかよ(禿嗤)?
どーでも良いから気分が良くなるような事をテキトーに、でも定期的に大統領のお耳に入れる為にホワイトハウスにふらりと立ち寄ってた賢人様が?
まあ、最後まで頑張れや、って言ってた奴が?
2005年8月に「反乱軍に対する勝利が、唯一の意義ある撤収戦略だ」とか書いてた賢者がさあ、今じゃブッシュの撤収条件を「全イラクを統治し、暴力行為をコントロールする能力を持った、安定した政府」とかリストしてんだよ。
それでもってさ、それがムダムダムダー!って宣言してんの(大笑い)。
ヘンリーK様がもうすぐ、俺は最初っから愚行だと知っておったわい、とバラしても、驚く奴なんているかよ?

私はこの記事を読んでいて、キッシンジャー氏がそんなこと本当にいったのかあ?と不振に思っていたら、案の定、主流メディア特有の歪曲報道。キッシンジャー氏の「イラクの軍事的勝利は不可能だ」発言には前後の文脈というものがある。これを無視してここだけ取り上げるとキッシンジャー氏の本意とは裏腹の意味になってしまうのである。

ではキッシンジャー氏はいったい何と言ったのか、ニューヨークタイムスの「キッシンジャー氏、イラクでの軍事的勝利は不可能と発言」という記事には下記のようにある。

日頃からブッシュ大統領にイラク政策についてアドバイスしている元国務大臣のヘンリー・A・キッシンジャー氏は本日完全な軍事的勝利はもはや不可能であると語った。これで氏は戦争にたいして楽観的な見解をしめすブッシュ政権に挑戦する増え続ける保守派指導者たちに加わることとなった。

「『軍事的な勝利』とはイラク政府がきちんと設立されその統制が国全体に行き届き内戦も鎮圧され宗派間暴力も鎮圧されることが、民主主義の政治的な課程で支持できる時間以内に達成するという意味ならば、それは不可能だと思います。」 とキッシンジャー氏はBBCニュースに語った。

ここでキッシンジャー氏のいう「民主主義の政治的な過程で指示できる時間以内」というのはイラクの民主主義を意味するのではなく、アメリカの政治を意味する。つまりだ、アメリカ市民およびアメリカの政治が許容できる短い期間でイラクを統制することはできないだろうと氏はアメリカ市民の飽きっぽい性格を悲観的に見ているのである。イラク戦争が原因と思われる今回の選挙結果をみれば氏が悲観的になるのも無理はない。だが、アメリカ世論がついてこないだろうというのと、イラクでの軍事的勝利が不可能だということはまた別物だ。それをニューヨークタイムスもワシントンポストもわざと混合してわい曲報道をしているのは、いつものことながら汚いやりかただ。

November 22, 2006, 現時間 02:16 PM | コメント (0) | トラックバック

November 12, 2006

民主党勝利=イラク撤退ではない!

アメリカ内政 , イラク関係

English version of this entry can be found here.

私は先日、今後のイラク戦争、民主党勝利で激化の可能性でも述べたとおり、民主党が議会を制覇したからといってそれが自動的にアメリカ軍イラク撤退につながると考えるのは早計だと考える。 テロリスト諸君には申し訳ないが、いくら民主党といえどアメリカ人だ。アメリカ人はテロリストごときの脅しに怯んで逃げ出すほどやわではない。 むしろ戦争を早期に効果的に勝利に収めるために民主党は一時的にしろ戦況を激化する可能性がある。

テロリストどもも、昨日紹介したイスラム教諸国の政治家も、そして諸外国のメディアも皆誤解しているが、民主党は「イラク即刻撤退」を公約して選挙運動をしたのではない。 無論民主党の極左翼の連中が即刻撤退を約束していたことは確かだが、同じ民主党でも兵を増やすべきと唱える元将軍らもいて、中庸から右よりの候補たちのイラク戦争にかんする意見は決してイラク即刻撤退ではなかったのだ。 民主党候補者がただひとつ全員で意見がまとまっていたのは、ブッシュ大統領のイラク政策「進路を保つ」には絶対に反対だということだけだ。 だから民主党の公約はあいまいな「イラク戦争の進路を変える」というもっと微妙なものになったのである。

民主党候補らが、声を揃えてイラク即撤退を唱えなかったのは、自分らの間でも考えがまとまっていないということもあるが、アメリカ市民が即刻撤退を望んでいるかどうか確信がもてなかったというのもその理由のひとつ。 イラク戦争はすべきではなかったと考え、イラク戦争はうまくいっていないとしているアメリカ人も、始めてしまった以上はきちんと始末して帰って来いと考えている人が多い。 仕事を途中で放りだして負け犬のように退散すべしなどと考えるのは負けず嫌いなアメリカ人には似つかわしくないからである。

選挙運動中は便宜上極左翼のご機嫌取りをしてイラク即刻撤退を唱えていた候補者も、当選した今となっては今後責任ある対策を採らなければ2008年の再選は望めない。 だからハト派のプラットフォームで出馬した議員らが必ずしもイラク即刻撤退政策を打ち出すとは限らない。 

ブッシュ大統領はこの民主党の葛藤を利用すべきである。 ミスター苺は新しい議会が開会する来年の一月に、ブッシュ大統領はテレビネットワークを通じてひとつ大々的な演説をぶちかますべきだという。 下記は物書きであるミスター苺がブッシュ大統領のスピーチライターとして立候補して書いたブッシュ大統領がするべき演説。 (ブッシュさん、読んでね!)

我が同胞アメリカ市民の皆さん今晩は。 去る11月の選挙は多くの論争問題によって決められました。腐敗やスキャンダルの排斥といった誰でも同意できるものから、ほかはもっと複雑なものもあります。

イラク戦争問題がその複雑な問題のひとつです。 アメリカ人のなかには、善良なアメリカ人でこの国を愛しながらも、この戦争は勝てないと考える人がいます。 彼らは我々にできる唯一の方法は敗北してイラクを去ることであると信じています。なにしろ勝利を持って去ることは不可能なのだからと。 私はそうはおもいません。 ほとんどのアメリカ人がそうは考えていません。

そのほかに、アメリカ軍はイラク内部にある基地に退き、我々が援助して築いた新しいイラク軍に残りの戦いを任せるべきだという人もいます。彼らはこのままアメリカ兵がパトロールを続ければ、もっと多くのアメリカ兵が殺される、これ以上の犠牲はアメリカは我慢できないと心配します。 この意見にも私は同意できません。 我々はパトロールを続行しイラクの人々と近い接触を保たなければなりません。 なぜならそれがイラク市民からテロリストに関する諜報を集める手段だからです。 イラクの人々と日々の接触がなければ、イラクで悪行を犯す悪者をみつけることはできません。

しかし時には政権の内外に存在する先鋭な見解を持つ多くのアメリカ人が、イラクで、治安を安定させ、テロリストやジハーディストから勝利を勝ち取り、我々の考える形と違うとはいえ、中東の真ん中に民主主義を繁栄させるという仕事を完遂させるには、アメリカ兵の数が多すぎるのではなく、少な過ぎるのだと論じてきました。

私はアメリカ兵の大幅な増加には抵抗してきました。 なぜなら私はアメリカ兵の足跡が多くなればなるほどイラク人が自らの手で責任を負うことが難しくなると考えたからです。しかし兵力増加の訴えは良識となり、いまや戦地の将軍達のほとんどが同意しています。

私はこの戦争を始めた時から、先ず勝利を勝ち取る責任のあるプロの意見を聞くと繰り返してきました。 現場の指揮官から広範囲にわたる議論を聞き、また議会の新しいリーダーたち及び与党の議員とも相談した結果、私は間違っていたと気がつきました、そして私の批判者は正しかったと判断しました。 我々はサダム・フセインを倒すのに充分な軍隊を送ってその戦争には勝ちました。 しかし主な戦闘が終わった後、私は平和を保つのに必要な充分な軍隊を残しませんでした。

今夜、この場において私はさらに75000兵をイラクに出動させることを発表いたします。 司令担当者たちは早急に詳細にわたって何人の兵士が何処に必要であるか調査書を提出します。 しかしこの戦争に勝つためには次の三つの目的をはたさねばなりません。

イラクのイランとシリアとの国境を守ること。 この二つの国々は双方ともイラクに武器弾薬及びテロリストを潜入させています。 この穴を埋められない限り、ジハーディストに勝つことは出来ません。 なぜならイランとその手先のシリアがその穴からどんどん代わりを送ってくるからです。

我々はイラクの最前線を守らねばなりません。特にアンバー地区ですが、ここに多くのスンニテロリストのアジトがあるのです。

そして最後に、イラク人口の20%以上が住んでいるイラクの首都、バグダッドを平穏化せねばなりません。 これはイランが支配しているモクタダ・アル・サドルの民兵とバーダー旅団といったこちらもイランのムラーたちと親密な関係にあるシーア民兵軍を崩壊させることを意味します。 新しく出動する我が軍のほとんどがバグダッドに配置されます。

新しい部隊は少なくとも一年はイラクに駐留します。そして任務が完遂するまでは撤退しません。 彼らはそのためにこの危険な職務に立候補したのです、任務を遂行させ戦争に勝つために。

我々はイラクのノーリ・アル・マリキ首相と相談し、出来る限りの範囲でイラク政府の祝福を得ながらイラク軍と一緒に行動します。 しかし我々はイラクにある目的を持って侵攻しました。 それはイラク人を解放するというだけでなく、合衆国を守るという目的のためです。アルカエダや他のジハーディストテロ軍団がイラクを温床として、大量破壊兵器を開発し、イラクを拠点に世界中にいるアメリカ人やアメリカ国内へ戦いを挑むことが出来ないようにするためです。

アメリカ合衆国はこの目的を達成するまではイラクから退きません。我々は苦境に不動に立ち向かいます。我々は勇ましく戦います。 アメリカはイラクが今後二度と過激派やテロリストの味方とならず、アメリカ関係及びアメリカ本土そのものを含み他の諸国に対してあからさまな攻撃をしかけないと確信するまでは、は怯みません、負けません。我々は我々を守るためにせねばならぬことを成し遂げるのです、今もそして将来も。

私は議会において両党協力してこの一時的な兵力増加法案を通してくれることを呼びかけます。 上院多数派リーダーのハリー・リード議員、ならびに下院ペロシ議長、そして共和党上院少数派リーダー、ミッチ・ミッコネル議員そして下院少数派リーダーマイク・ペンス議員、らはすでに各党の議員たちと相談をしています。そして我々は全員この戦争に勝つためには一致団結して同じ方角にすすむ意外にはないと同意しました。

両党の多くの議員の方々からすばらしい貢献をうけ、ご支援をいただいたことを感謝します。 神の祝福を受けながら、アメリカ軍の陸軍兵、水兵、空軍兵、そして海兵隊の勇気と根性をもってすれば、我々はかならずや世界中にひろまるジハード戦争に勝つことができるでしょう。 そしてその一番重要な戦場イラクで勝つのです。

今アメリカ人の一人一人が、戦地で敵の弾や爆弾やロケット弾に面している兵士らと同じ勇気をもちさえすればいいのです。 イラクの爆破魔や首切り屋にアメリカ合衆国に面と向かうということがどういうことか教えてやろうではありませんか。 奴らは戦争を欲したのです。奴らは戦争を得ました。 奴らに合衆国アメリカに喧嘩を売った日を生涯悔やませてやりましょう。

ご清聴ありがとうございました。 我々すべてに神のお恵みあれ。

アメリカ人はイラク戦争においていくつかの求めていることがある。

  • 何か目に見えた状況改善の道を選ぶこと。

  • 共和民主が協力して行動すること。

  • そもそもどうしてこの戦争を始めたのかという明確な目的を提示すること。フセインを倒したのはいいが、それがアメリカにどういう関係があるのかが明らかではない。

アメリカ人がナンシー・ペロシ女史とはちがって、イラクで勝つことのほうがイラク撤退よりアメリカのためになると悟って、敗北よりも勝利を選んでくれるといいのだが。

(ところで75000という数はミスター苺が適当にだした数字であって、無論これは現場の将軍たちが決めることだ。)

もし民主党がこの考えに賛成すれば、新しい防衛長官ロバート・ゲイツ氏の任命承認もスムーズにいくだろう。

November 12, 2006, 現時間 08:13 AM | コメント (1) | トラックバック

November 10, 2006

今後のイラク戦争、民主党勝利で激化の可能性

イラク関係

私はブッシュ大統領は個人的に好きだし、彼の政策にもだいたい賛成している。 だが、彼の「やり方」は不器用だと常日頃から考えてきた。

今回のラムスフェルド辞任のタイミングにしてもそうだ。 これはさっきもコメント欄で龍之介さんに書いたことなのだが、選挙大敗直後にラムスフェルドを辞めさせるくらいなら、どうして数ヶ月前からラムスフェルドは選挙後の結果にかかわらず辞任すると発表しなかったのか? それどころか、ブッシュ大統領は選挙直前にラムスフェルド長官はブッシュ政権の任期が終わるまで辞めさせないと宣言すらしていた。リベラルは最初からラミー長官を毛嫌いしていたから別として、保守派の間でもラミーの人気はそう高くなかった。いや最近ではかなり保守派からラミーの辞任を唱える声が聞こえていたものだ。 

アメリカ市民はイラク戦争に対してかなり苛立ちを高めている。これはリベラルも保守派も同じである。 だが双方が同じように戦争状況に不満があるからといって、双方の不満が同じであると解釈するのは間違っている。 保守派の不満はイラクから兵を今すぐ引き上げないことへの不満ではなく、イラクでアメリカ兵が足りていないということに対する不満だ。つまり、多くの保守派はラムスフェルド長官の軍隊理想像である「強力な少ない数の特別部隊による戦争」のやり方に大きな不満をもっており、最初から「衝撃と感嘆」の物量作戦をすべきだったという意見が大半なのだ。

だからもし、数ヶ月前にブッシュ大統領がラミーの辞任を宣言し、イラク戦争が新しい方角に向かうという姿勢をあきらかにしていたならば、保守派も希望を持ってもっと選挙に積極的に参加したかもしれないのだ。 それをブッシュ大統領がラミーはブッシュの任期が終わるまで勤めると発表したことで、イラク政策は今後もかわりばえのしないもになるという失望感が保守派の間でひろまったことは否定できない。

しかし、おきてしまったことを今更言っても仕方ない。 今後のイラク政策だが、私はイラクからは兵が撤退するどころかイラク出兵の数は大幅に増えると予測する。 大量出動を嫌っていたラムスフェルドが居なくなった以上、地元の将軍たちはもっと多くの兵を要請するだろう。 そしてその要請によって出動命令をだすブッシュ大統領を民主党はそう簡単には拒絶することはできない。  

なぜなら民主党は公約どおり、この戦争を速やかに終わらせる必要がある。 しかし、ただ単にアメリカ軍を撤退させて世界中のテロリストに勝利宣言のお祭り騒ぎをされたり、アメリカ国内でテロをおこされたりしてはかなわない。 それこそ、「それみたことか、これだから民主党に国防は任せられない」ということで2008年の選挙は共和党に奪い返される可能性があるからだ。 民主党はさっさと戦争に勝ってイラクを引き上げためには一時的な兵数増加も止む終えないと判断するかもしれない。

それに、今回新しく議席を得た民主党議員の多くが民主党とは名ばかりの保守派が多いことも忘れてはならない。 民主党議員がかならずしも鳩派でイラク戦争から即刻撤退を望んでいると考えるのは間違いである。 保守派の民主党議員はイラク戦争そのもには反対でも、一旦始めたからには勝たなければならないと考えている人が多い。 彼らのイラク戦争批判は、「やるべきではなかったうえに、やり方を間違えている」というもの。 だからイラクに勝つための政策変更が彼らの意見と一致すれば、ブッシュ大統領は民主党議員を味方につけてイラク戦争を一時的に激化させる可能性は充分にあるのだ。

イギリスの鷹派政治評論家、メラニー・フィッリプス女史は今回の民主党勝利はアメリカが弱腰になっている証拠だという。 たかが三年の戦争で結果がでないからなんだというのだ、イギリスなど何年もかかってマラヤの抵抗軍を鎮圧してきたぞと。  

そう簡単にアメリカを見限って欲しくないなあ。


November 10, 2006, 現時間 06:28 AM | コメント (0) | トラックバック

November 08, 2006

ラムスフェルド米国防長官が辞任!

イラク関係

さっきテレビを見ていたら、突然のニュースフラッシュ! ラムスフェルド米国長官が辞任! しょっく~!

ワシントン(CNN) ブッシュ米大統領は8日午後(日本時間9日未明)、ホワイトハウスで記者会見し、ラムズフェルド国防長官(74)の辞任を発表した。大統領は「国防総省に新しいリーダシップをもたらす適切な時期だ」と説明し、後任にはロバート・ゲイツ元中央情報局(CIA)長官を指名した。

7日に投開票された中間選挙の出口調査では、有権者の57パーセントがイラク戦争に不満を示すなど、イラク政策をめぐってラムズフェルド国防長官に対する批判が高まっていた。

ブッシュ大統領は会見で「昨日の投票で、米国人の多くが(イラク国内の)進歩の欠如に不満を示した」との認識を示し、ラムズフェルド長官と進退について対話を重ねていたことを明らかにした。

ゲイツ氏は1991年から93年にかけてCIA長官をつとめ、現在はテキサス州のテキサスA&M大学の学長。

ラムズフェルド国防長官は、ブッシュ政権1期目の01年1月20日に就任。同氏はフォード政権時の75年から77年にかけても国防長官をつとめた。

ブッシュ大統領は「(ラムズフェルド氏は)変化の時代において素晴らしいリーダーだった。それでも、この戦争の大切な時期に、新しい視点をもたらす重要性について認識していた」と述べて、同長官の決断を評価した。

イラク戦争の大事なときにラミー長官が居なくなるのは痛いなあ。 しかし考えてみれば民主党が上下院をコントロールする以上、今後ラムスフェルド長官を忌み嫌っていた民主党員たちが、あることないことでっちあげて、ラミーを攻めまくってあっちの公聴会、こっちの捜査と、ラミーを引きずり回すのは目に見えている。 そんなくだらないことに巻き込まれるくらいなら、いまのうちに辞めてしまおうというのがラミーの本音なのかもしれない。

いやあ、初日からたいへんなことになったな。

November 08, 2006, 現時間 06:31 PM | コメント (4) | トラックバック

November 06, 2006

イラク:マリキ首相の微妙な立場

イラク関係

The English language version of this article can be found here.

サダムフセインの死刑判決が出たことはまことに喜ばしい。 しかしだからといって喜んでばかりもいられないのがイラクの難しいところだ。 まだまだ我々の上空には暗雲が立ち込めている。

しかし先ずはいいニュースから。先週、アメリカとイラクの連合軍がバグダッドで数々の手入れを行いサドルの率いるマフディ軍の幹部らを何人も取り押さえた。(Fourth Railより)

土曜日、イラク特別部隊はアメリカアドバイザーに見守れながら、サドル市内においてイランの手先モクタダ・アルサドルとそのマフディ軍のバグダッドアジトに手入れを行った。 この手入れで「殺人誘拐犯グループ」の三人のメンバーが逮捕された。 マフディ軍はイラク軍に小銃やロケット弾で攻撃しながら逃走した。

これはノーリ・マリキ首相が先週の火曜日、一週間にわたる封鎖を解除するよう命令してから、初めての攻撃作戦であった。 同日のサドル市内での作戦では三人のテロリスト容疑者逮捕の成果があった。 封鎖解除の命令はアメリカ軍からは強く反発が出、イラク大統領もこの決断には強く反対していた。 マリキ首相がサドル率いるシーアの死の軍団の武装解除にどれだけ真剣なのかという深い疑問が生まれている。

問題なのはマリキ首相はかなりサドル勢力に政治的に傾いている点だ。彼は前任の首相ほどサドルべったりではないにしろ、なにかとサドルの肩を持ちすぎる。 マリキ首相は最近とみに、アメリカ・イラク連合軍による宗派・部族争い鎮圧の努力を邪魔するようになってきている。

この間の封鎖解除における理不尽な要請がそのいい例である。 以下ニューヨークタイムスの記事より。

マリキ氏のサドル市封鎖解除宣言はアメリカ軍司令官達には当初不意を突かれた形になった。しかし夕方までにはアメリカ軍はバグダッド東部と中央部に一週間ほど設置してあった分離帯の位置を放棄した。これはイラク軍を含めて行われていた行方不明のアメリカ兵捜索の一部として設置されたものだった。 関門は交通を迂回させたため、東部では日常生活や商売の妨げになっていた。

この宣言の言葉使いがあたかもマリキ首相にアメリカ軍に指令を下す権限があるかのような表現であったため、マリキ首相はシーア派の支援者に迎合するため、自分の権限を踏み越えたと見られている。

この撤退は人口密度が高く反米意識も高いサドル市内では歓喜で迎えられた。アメリカ軍は捜索の焦点をここに絞っていた。

マリキ首相の微妙な立場はわからないではない。彼は自分の支援者の前でアメリカ政府に対して強気の姿勢を見せなければならないのだろう。 とにかくアメリカの操り人形だと思われては困るというわけだ。 しかし自分でシーアの民兵を退治できないでアメリカに頼っている以上、大きな口を叩ける立場にはないはずだ。またアメリカ軍もおめおめとマリキのいいなりになどなるべきではない。 マリキが独立国の首相として大きな口を叩くのは独立国の首相らしくきちんと自国の暴走民兵らを取り締まってからにしてもらいたい。

私が思うに、マリキ首相はアメリカ軍の駐留はもうそう永くは無いと考えているのではないだろうか。 いったい氏はどこからそんな考えを持ってきたのだろう? どうも彼はサドルがアメリカ軍が去った後、強力な政治勢力として生き残ると踏んでいるように思える。 だからアメリカ軍が去った後も自分の立場が悪くならないように今のうちからサドルにゴマをすっておこうという魂胆なのではないだろうか。

しかし、これまでにアメリカ軍の強さを過小評価してきた多くの勢力がそうであるように、マリキは間違っている。 明日の選挙でどうなろうとも、アメリカ軍はサドルとその手下のマフディ軍、そしてバーダー旅団を始末せずにイラクを撤退するなどということはあり得ない。 大統領には議会に対抗する非常に多くの権限がある。 ロナルド・レーガン大統領が多数議席を握る民主党議会に真っ向から対決して多々の政策を押し通したように、軍隊の総指揮官であるブッシュ大統領は軍隊を自由に操る権限があるのだ。 特に議会はすでにイラク戦争を承認しているのだから、戦争を続行するのは大統領の一存ということにもならない。

どうしてこう皆アメリカ軍を見損なっているのだろう。 確かにクリントン時代のアメリカ軍は途中で戦争を投げ出すことが多かった。しかしブッシュ大統領の代になってから、そのようなことは起きていない。 ならば前大統領時代の例よりも現大統領の実績からアメリカ軍は判断されるべきではないのだろうか? 

戦闘に次ぐ戦闘でアメリカ軍は圧倒的勝利を収めている。にも拘わらずあまりにも多くに人々が我々の敗北は間違いないと確信しているのは不思議でならない。 もっとも民主党や民主党の応援団と成り下がった主流メディアの話を鵜呑みにすれば、今度の選挙で民主党が上下議院をコントロールするようになった暁にはアメリカ軍は退陣にいそしむと考えるのも無理は無いのかもしれない、メディアは皆口を揃えてそういっているではないか!

アメリカメディアのプロパガンダを完全に信じきってるのが、アルカエダもサドル達だ。 彼らは本気で民主党が勝てば自分達が勝つと信じきっている。そして彼らは愚かにも自分らが人を殺せば殺すほど、恐怖におののいたアメリカ市民は退陣を訴える民主党に投票するようになると信じているのである。

だが、真実はその反対だろう。 アメリカ人は自分らの軍人が殺されたり自国が攻撃されて怯えて逃げる人種ではない。 かえって怒り来るって奮起立つ性分だ。 今アメリカ市民がイラクに関して消極的な姿勢を見せているのは、攻撃を恐れているからではなく、負け犬の連中が声を大にして繰り返す敗北間違いなしのシュプレヒコールを信じてしまっているからだ。 残念ながら、どんな嘘でも大声で何度も繰り返せば、だんだんと人々はそれを信じるようになってしまうのが現実だ。

2009年に新しい大統領になって、イラクで確実に勝利と言われる何かが起きるまでアメリカ市民は自分達の勝利を信じられないのかもしれない。 だがここでちょっと振り返ってそう遠くない過去に我々が成し遂げた輝かしき勝利を思い出していただきたい。以下ビクター・ハンソンのエッセーより。

とうの昔に忘れられてしまったのは三週間で悪徳独裁者を倒した輝かしい戦闘。 またアメリカが、ソビエトがアフガニスタンで負けた後や我々の前任がレバノンやソマリアでしたように戦後の動乱を見放したりせずに、民主主義の理想を貫くために努力していることも高く評価されない。 そして我々はシリアがレバノンから立ち退かざるおえなくなったことや、リビアが大量破壊兵器開発をあきらめたことや、パキスタンがカーン博士を潔くみとめたことや、湾岸の王国でわずかながらも選挙が行われるようになったことにも感謝していない。.

という事実があるにも拘わらず、マリキは自分の政治将来しか考えていない。 いったいなんだってイラクはこんな奴を首相にしたんだ? あ、前任のジャファーリを追い出すためだったっけ。

だがマリキは考え違いをしている。 サドルの命はそうながくない。 我々がイラクを去るまえに誰かがサドルを殺すだろう。そうなる前にマリキもシーア派も誰の側につくのか早く決めといたほうがいい。 そうでないとサドルが地獄へ堕ちるときまだサドルにくっついていれば彼らもサドルと運命を共にすることになるからだ。

ま、それも悪くないけどね。

November 06, 2006, 現時間 06:08 PM | コメント (0) | トラックバック

November 04, 2006

ケリーの弟子? 反戦イラク帰還兵のおかしな戦話

アメリカ内政 , イラク関係

先ほどケリー上院議員がベトナム戦争帰還後にあることないこと、(ほとんどないこと)をでっちあげて反戦運動をしたという話をしたばかりだが、新世代にもケリーのような帰還兵はいるらしい。 ミズーリ州上院議員選挙で民主党のクレア・マックカスキル(Claire McCaskill)候補の選挙運動テレビ広告では、ジョシュア・ランスデールというイラク帰還兵がイラクで負傷した足首を軍事病院で診てもらうのに6ヶ月もかかった、これというのも軍隊医療費増加法案を反対した共和党議員のジム・タレントのような政治家のせいだ、と言う証言をしている。

ランスデール君は実際にイラク帰還兵で軍医をしていて、2003年から2004年にかけてイラク戦争に参加していた。 同じランスデール君はまた別のテレビコマーシャルでも、「イラクのせいで世界はもっと危険になった。」という台詞でちょっと登場していた。 「していた」というのは実は今は登場していないからだ。 その理由はというと、

実はランスデール君がイラクで負傷した後診察を受けるまで6ヶ月もかかったという話がどうも胡散臭いのだ。 軍事病院がいくら能率が悪いとはいえ病院の話ではイラク帰還兵は最優先で治療を受けられることになっており、長くても30日以内に治療をうけられるはずだという。 この疑問に答えるためにマックカスキル候補はランスデールに診断書を提出するように要請したが、ランスデール君はマックカスキルからの電話に答えようとしないで逃げまくっているらしい。

この4月、ランスデール君は自分が足首を怪我した状況をこのように語った。

「かなり危険な場所でした。 私たちはたくさんのモーター弾や、路肩改良爆弾、自動車爆弾などの攻撃を受け、ヘリコプター墜落もたくさん目撃しました。 私たちは国連爆破時の救援にあたりました。 私は燃える建物やら、車やら、バイクなどの爆発から何人もひきずりだしました。」

しかしイラクでランスデールと同じ隊にいた別の帰還兵らの話によると、どうもランスデールが語ったこの勇ましい手柄話にもかなり後から尾ひれのついた自慢話になっているらしいのだ。

ランスデールの所属していたのは陸軍の予備隊487、エンジニア部でイラク出動は2003年5月から2004年4月までの一年間。同じ隊で消防隊チーフをしていたゲリー・クーエン(Gary Kuehn, SFC/AGR, Retired)さんの話では、、( Gateway Pundit

一度ヘリコプターのタイヤがパンクして一人の兵士が大怪我を負い、一人が死亡という事故がありました。 また一度バイクを運転していた兵士が臨設トイレ清掃車にぶつかって頭に大きなたんこぶをつくるという事故がありました。 それ以外には我々が居た間、飛行機やヘリコプターの墜落など一度もありませんでした。 我々はバグダッド近くには行きませんでしたし、大使館の建物もキャンプアナコンダへ行く途中に通りすぎだだけです。

モーター弾による攻撃は幾晩もありましたが、我々や消防署の付近まで届いたのはほんの1~2発で、しかもそれはほとんど最後のほうでした。 敵の撃った95%ははずれか不発でした。 私の部下の消防士で燃える建物から人を引きずり出した者はひとりもおりません。 二人ほど火事と戦っている最中に熱さから倒れるということはありましたが。

ジョシュア・ランスデールは確かにアメリカでは見られない色々なことを目撃したのでしょう。 しかし彼の話はあまりにも大げさ過ぎます。 私の部下に三人ほど彼など想像もつかないほど死に近づいた者達がいます。 彼の診断書をみるまではなんともいえませんが、私は彼が足首を怪我をしたことを思い出せません。 ねんざくらいはしたかもしれませんが、、

私は戦争体験者が自分の手柄話を誇張して友達や親戚に語る分には全く問題ないと思う。 たとえ自分自身危険な目にあっていなくても死ぬかもしれない戦場を覚悟で戦争に行ったというだけで帰還兵にはそのくらいの自慢話をする権利はあると考えるからだ。 しかし、それが講じて他人を傷つけるようなことになるとしたらこれはいただけない。 そのようなことをするのは自分のせっかくの栄誉に泥を塗るだけでなく、もっと危険な目にあった他の軍人達にも失礼である。

しかしこの地方選挙の泥試合、醜いものだな。

November 04, 2006, 現時間 12:08 PM | コメント (0) | トラックバック

October 28, 2006

イラク戦争には勝てるのか? 三つの段階を考える

イラク関係

日本の保守派ブロガーのなかでは日本内政情報についてのその知識の豊富さによって人気ナンバー1の極右翼評論の瀬戸弘幸さんが、なんと我がブログとアレックスさんのブログを並べてアメリカの中東政策情報の参考にしているとおっしゃってくださったので、新しく訪れた読者の皆様を失望させないためにも、ここはひとつイラク情勢について書かねばらないだろう。 (当ブログにおけるイラク関係の過去ログはイラク関係カテゴリーをご参考にされたし。)

のっけから瀬戸さんのご意見に異議を唱えるのも心苦しいのだが、私は瀬戸さんのイラク戦争は失敗だったとの分析にはちょっと賛成しかねる。 そこで私はアメリカのイラク政策は大成功したとは言わないが、完全に失敗したという状況ではないということを二回に分けてお話したいと思う。

フセイン旧政権が崩壊、新憲法が国民の圧倒的支持で承認されてから25日で一年が経過した。しかし、イラクは未だに武装勢力が国土の大半を支配している。

 この武装勢力は各宗派によって組織化されており、深刻な宗教対立、民族対立の中で、まさに行き場のない混沌とした状況下にある。どう見ても米国のイラク統治は失敗である...

世界中のメディアが全く認めようとしない事実に、イラク戦争において軍事的にアメリカは多大なる勝利を収めているということがある。 このようなことを書くと「え? 何が勝利なの?」と私の正気を疑うひともあることだろう。 だがちょっと振り返ってイラク戦争が経てきた三つの大きな段階に注目していただきたい。 

イラク戦争と一口にいってもこの戦争は2003年の開戦当時からいくつかの段階を通過してきた。 先ずはフセイン政権崩壊、アルカエダという外国人テロリストグループ及びスンニ親派との戦い、そして現在のイランの影響を強く受けているシーア過激派民兵との戦いである。 この三つの戦いのうち最初の二つにおいてアメリカ及び連合軍が圧倒的勝利を得た事実を皆さんに思い出していただきたい。

フセイン政権の崩壊はあっという間の出来事であったし、数あるフセインの銅像があちこちで引き倒されイラク市民がサンダルでフセインのポスターを殴りつけるシーンはいくらも放映されたので読者の皆様の記憶にも残っていることだろう。 だが、第2段階のアルカエダテロリストに対する大勝利はアメリカのメディアを始め世界メディアはほとんど無視した。 メディアの第2段階から第3段階への移行はあまりにもスムーズだったため、多くの人々がこれを見逃したとしても不思議ではない。 しかししイラク戦争の報道に注意を傾けていれば、新聞の紙面からアルカエダ、ザルカーウィ、スンニ抵抗軍、自爆テロ、自動車爆弾テロ、路肩改良爆弾(IED)という語彙がいつの間にか、宗派間紛争、民兵、サドルといった言葉に置き換えられたことに気がついたはずだ。

ではいったい連合軍はどのようにしてアルカエダ及びスンニ抵抗軍に対して勝利をおさめたのか。 イラクのアルカエダはザルカーウィを筆頭とした外国人勢力であり、その中堅部の指導者たちはイラク人ではなく外国人が占めていた。 当初彼らはアメリカ軍に対して真正面からの攻撃を試みたがこれは数十人のアルカエダ兵士の死者に対して一人二人の米兵の戦死という全く不均衡な惨敗の連続だった。 そこで彼らはスンニ居住区でのゲリラ戦を行ったが、これも2004年の二度にわたるファルージャの戦いなどでも解るようにアメリカ軍が圧勝した。 この頃(2004年2月ごろ)、ザルカーウィがアルカエダ本部へ当てて書いた手紙を持った使者が捕らえられ、ザルカーウィがアメリカ軍はどんな戦いにもひるまない、我々には新しい作戦がいる、支援を求める、といった内容の手紙が公表された。 ザルカーウィはアメリカ軍は臆病者だとののしった後で、それでもアメリカ軍はシーアを味方につけその勢力を増しており、一旦アメリカ軍に奪われた地域はアメリカ軍が去った後でも取り戻すのは難しいと語っている。

我々は荷物をまとめ別の場所を探しに出かける、悲しいながらも、我々が何度もこの聖戦において繰り替えしてきたことである。なぜなら敵は勢力を増し、その諜報能力も日ごとに増加しているからだ。 カバの主よ、この道で我々は窒息しつつあり疲れている。人々は宗教の王たちに従うであろう。彼らの心はあなた方と共にあり、彼らの剣はウマヤの力と勝利と安全にある。神よ御慈悲あれ。

イラクで勝つためにはシーアと戦わねばならないと判断したザルカーウィは作戦んを変えて、シーア派イラク市民を狙った自爆テロや爆弾テロ攻撃を増加させ、シーア派市民を捕らえては拷問斬首している姿をビデオにとってネットやメディアにばら撒くなどした。 しかしこの野蛮な行為はかえって逆効果を生み、それまでアルカエダに同情的だったスンニ派の部族すらも嫌気がさしてアルカエダと見放すという状況が出来てきた。

これに関しては2005年7月ごろに送られたと思われるアルカエダのナンバー2のザワヒリからザルカーウィへ宛てた手紙やザルカーウィが殺されたとき所持していた別の幹部からの手紙でも、ザルカーウィの野蛮なやり方はかえってイスラム教徒をアルカエダから遠ざけることになり、アルカエダがイラクをアルカエダのテロ国家として所持する目的には邪魔になるとたしなめてさえいた。

連合軍との戦いで中堅指導者を次々に失ったアルカエダは、ヨルダンやシリアから新しい指導員をどんどん呼び寄せたが、アルカエダを裏切ったスンニ派などの密告によりイラク入りしたアルカエダ幹部は次々と暗殺されてしまった。 外国人勢力であるアルカエダは地元スンニイラク人を信用しなかったため、イラクのアルカエダは指導者を失いザルカーウィだけを首領とする死のカルトへと変貌、ザルカーウィの死とともにアルカエダの威力は急激に弱体化した。

完璧な世界ならば、ここでスンニ派部族の多くがアルカエダを見放しイラク復興の政治に参加しようという気になって、一件落着、めでたしめでたし、で終わるところなのだが、そうは行かないのが中東の難しさである。 アルカエダ勢力が弱体化したことを利用し、今度は俺達の出番といって勢力を挙げてきたのがイランの飼い犬、白豚サドル(モクタダー・アル・サドル)とその手下の愚連隊マフディ民兵軍である。

サドルのマフディ軍がナジャフで蜂起したのはファルージャとの戦いと同時期でありこれは決して偶然ではない。 フセイン亡き後アメリカを追い出しイラク国内で勢力を得ようとしたサドルがアルカエダのザルカーウィと組んで同時攻撃を試みたとしても決して不思議ではない。敵の敵は味方という理屈である。

この当時アメリカ海兵隊はサドルをナジャフの聖廟に追い詰めており、一斉攻撃を仕掛ければ一日でサドルとマフディ軍を崩壊させることが出来た。だが、シーア派の大聖教者のシスタニがそれを許さなかった。シスタニは決してサドルの味方ではない。 だがサドルをシーア派の聖廟内で無信心者で野蛮人のアメリカ軍に聖廟を冒涜され信者を殺されることを容認すればシーア派の面子にかかわる。 またイラク人によるアメリカへの敵対心を煽ってイラクは余計に混乱に陥るという心配もあったのだろう。 私たちはシスタニがなんといおうとサドルを生かしておいては後でろくなことにならないと海兵隊一斉攻撃が中止されたときは多いに腹をたてたものである。

この第三段階の宗派間紛争の鎮圧において、アメリカ軍はアルカエダとの戦いから今度はシーア派過激派との戦いへと戦略を変更した。 ラマダン中に激しい闘争が繰り返されここ二年間で10月はアメリカ兵戦死者の数がこれまでで一番多いという悲しい状況が生じた。 しかし戦死者の数だけをみてアメリカ軍が戦争に負けていると判断するのは誤りである。 何故戦死者の数が増えたのかその背後にあるアメリカの戦略を考慮に入れなければ戦死者の数だけ数えてみても意味はない。

長くなるので、この現在の状況は次回に回すことにしよう。

October 28, 2006, 現時間 11:48 AM | コメント (0) | トラックバック

October 20, 2006

ブッシュ大統領、ベトナムとイラクを比較

イラク関係 , 狂ったメディア

昨日も私はああベトナムよもう一度でこの話はちょっとしたが、ミスター苺が同じ件についてもっと詳しい記事をBigLizards.netで書いていた。 さすが夫婦気持ちが通じるなあ。(笑)

実は私は今週はじめからバージニア州へひとりで出張にきている。以前にも書いたと思うが私は長期出張が多いため、一年のうち何ヶ月もホテル住まいとなる。 それでミスター苺との交流はメールや電話が主だが、仕事のいそがしさにかまけて自分の英語のブログはミスター苺に任せきりになっていてろくろく読んでもいなかった。「君ねえ、自分のブログに書かないだけならまだしも、たまには読むくらいしなさいよ」、とミスター苺に叱られそうだ。

というわけで私が取り上げた記事をミスター苺がどのように取り上げたか、こちらでも紹介しておこう。

****

ブッシュは正しい! イラクはベトナムのようだ 
ミスター苺著

...とは言ってもジョージ・スナファルパガスや民主党の奴らが騒いで言ってるのとはちょっと違う意味でだけどね。 僕が何の話をしてるかって? えっと、なんだっけ? あ、そうだ。 このインタビュー、ABCテレビで大統領と司会者のスナファルパガスとのやりとりの一部にこんなのがあったんだ。 (カカシ注:司会者の名前はGeorge Stephanopoulos, でステファノポロスと発音するが、ミスター苺はいつも間違って発音している。)

ブッシュ大統領はABCニュースでジョージ・ステファノポロスとの一対一のインタビューにおいて、ある新聞記事によるイラクの現在の戦況と1968年のベトナム戦争の岐路となったテット攻撃の比較は的確であるかもしれないと語った。

ステファノポロスは大統領はニューヨークタイムスにイラクの状況は40年前のベトナムでのテット攻撃に匹敵するものだと書いたコラムニスト、トム・フリードマンの意見に同意するのかと質問した。

「彼は正しいかもしれません。」と大統領は答えた。そして加えて、「確かに、選挙を前に暴力が増加しています。」

なんてこった! ブッシュがイラクとベトナムを比べている! ブッシュでさえも戦争は絶望的だと考えてるってことだ。だよね? 他にどう取り様があるんだよ?

実はあ~、 ジョージW・ブッシュはベトナム戦争の歴史をかなり良く知ってるって意味なのだ。 少なくともジョージ・スナファルパガスやハワード・ディーン、ナンシー・ポロシ、ハリー・「土地取得汚職事件」リードや馬鹿サヨブログの連中なんかよりはね。

先ず基本から始めよう。俺達はみんなすべてひっくるめて考慮してベトナム戦争には負けたってことで同意だよな。だが左右両方全員で同意できるのはそこまでだ。

民主党の連中とってはこれはすでに信仰のようなものだが、信じられないほど強力な北ベトナム軍(NVA)と南の同盟軍である無敵の南ベトナム解放戦線(ベトコン)がレニングラードやスターリングラドで強靭な赤軍に追い返され命からがら逃げ去ったナチス軍のように、アメリカ軍を破壊し完全崩壊したのだと深く信じ込んでいる。

言ってみれば民主党はきリスト教徒がイエスキリストの復活を信じているのと同じくらいの意味で、我々ファシストで帝国主義のアメリカ軍が人民革命に打ちのめされ、それが理由でベトナムでは負けたのだと信じている。

民主党の持っているベトナムのイメージは何百何千という臆病者のアメリカ兵がパニックに陥って遁走し、何千という単位で脱走し、背中から勝ち誇るNVAに後ろから撃たれながら逃げる姿だろう。これは大げさな表現なんかじゃない、民主党員のだれとでもベトナム戦争について話してごらん、だれでもすぐに彼らの脳裏にはこのイメージがくっきりと刻み込まれていることに気がつくはずだ。

この「証拠」は不思議なNVAとVCによるテット攻撃の幻想にある。以下ウィキペディア はこう説明する。:

テット攻勢とは (1968年、1月30日 - 1969年6月8日)ベトナム戦争中におきた連続攻撃作戦のことで、南ベトナム解放戦線(ベトコン) の強力な数部隊と北ベトナム軍(PAVN)の部隊が南ベトナム軍とアメリカ軍に対して計画的一斉に行った攻撃だった。(略)攻勢は旧正月の祝いのなかで輝かしくはじまり、1969年の6月まであちこちで分散的に続いた。

NVA の強力部隊が国境を越えてなだれ込み、同時にベトコンが激しい攻撃をベトナムの主要都市を一斉に攻撃した。彼らの思惑は(共産主義者はそう信じていたのだが)アメリカ人も南ベトナム政府もベトナムでは人気がないので、このような攻撃によって人々は蜂起し国を挙げての革命にまでつながり、資本主義の豚どもを海に追い込めるというものだった。

ここで民主党が「イラクは今世代のベトナムだ」というのはこのことを意味する。つまり、イラクはベトナムがそうであったように、「勝ちようがない」、そしてイラクの解放軍はファシストアメリカ軍に戦闘に次ぐ戦闘で大勝利を挙げているという考えなのだ。 もうあとすこしで、と民主党は熱烈に願う、アメリカは負け、(911でしたように)恐縮する。そして貧乏に生まれなかったことや、黒人でないことへの罪悪感に包まれるだろう。

悪いけど、本当のテット攻勢はアカの奴らが企んだような訳にはいかなかったんだよね。民主党の信仰ともちがってね。

テト攻勢は 共産主義勢力にとって軍事的には大惨敗だった, ベトコンも北ベトナム軍も作戦の目的を何一つ達成することができなかった。さらに、作戦の損害は多大で南ベトナム軍及び同盟軍によってベトコンは事実上機能不能となった。

しかし1968年には侮ってはならない大きな親共産主義勢力が存在していた。それがアメリカのエリートメディアだったというわけ。 彼らは北ベトナムと解放戦線にアメリカ軍が圧倒的に惨敗することを切に願っていた。ウォルトおじさんの指揮にしたがって、ニュースメディアは嘘をつきまくった。抵抗軍が同盟軍によるすさまじい攻撃で崩壊したという事実を報道するかわりに、敵側の攻撃は共産主義勢力の歴史的な勝利だったという大嘘を報道したのだ。

当時もそしてその後も、戦争一般、特にテト攻勢のアメリカメディアの悲観的な報道を批判する声は多くきかれた。アール・ウィラー氏、当時のChairman of the Joint Chiefs of Staff,はテット後の 「アメリカメディアの間でみられる絶望と失望」について不満をもらしていた。

アメリカメディアのなかで一番有名で影響力のあった反戦運動といえばウォルター・クロンカイド司会で行われた1968年2月27日放送のスペシャルニュース番組である。テット攻勢語の戦場を一回り見学し、 現場の落胆した兵士や将校らにインタビューした後、クロンカイド氏は直接軍上層部とジョンソン政権を批判した。「私たちはアメリカの指導者らによって、ベトナムでもワシントンでもこの暗雲の向こうに銀色の日差しが見えるという楽観的な見解に何度も失望させられました。」この引き分け状態を終わらすためアメリカは交渉[降参] すべきだと語った。

テット攻勢は共産勢力にとっては軍事的には悲劇的で圧倒的な大惨敗だった。 だがアメリカメディアはそれを共産主義の大勝利だったと執拗にプロパガンダを流し続けた。

テト攻勢がベトナム戦争と岐路といわれるのは、このメディアプロパガンダ宣伝により、それまで戦争を支持していた人々の心が反戦へと動いて、それがアメリカ軍撤退への道へとつながったからである。

この歴史を踏まえれば、ABCが選んで放映した部分だけみても、ブッシュ大統領はテト攻勢の意味を良くわきまえた上で、上記のような発言をしたことがわかる。

「ジョージ、私の腹の勘では敵はずっと、我々に充分な損害を与えさえすれば我々が引き上げると考えてきたのです。」ブッシュは言った。「アルカエダのリーダーたちはそれを明らかにしてきました。いいですか、私はこのように見ています。先ず、アルカエダはいまでも非常に活動的です。彼らは危険です。彼らは致命的です。彼らはできるだけ多くのアメリカ兵を殺そうしているだけでなく、イラク国内で宗派紛争も起こさせています。 彼らはイラクで充分な混乱を起こすことができれば、アメリカ人は嫌気がさしてイラク戦争に疲れて、アメリカ政府に(アメリカ軍を)撤退させることができると信じているのです。」

つまり大統領は敵がイラクで「勝っている」としたら、それは反米のアメリカメディアが執拗に繰り返すプロパガンダにおいてだけだと正しく把握しているのだ。そのいい例が元クリントン大統領の報道官だったジョージ・スナフルパガスなのだ。敵の勝利が可能なのはアメリカの馬鹿サヨメディアがアメリカ市民を脅かして恐怖におののかせ、目的未達成のままアメリカ軍を撤退させるような状態になった時だけなのだ。民主党はその時が来たらどのくらい早い時期にイラクをアルカエダに手渡そうかとテロリストと交渉したくてうずうずしている。

だからブッシュ大統領は全く正しい。イラク戦争という覆面をかぶったこの政治の裏芝居はまさにベトナムの時とそっくりだ。

October 20, 2006, 現時間 02:32 PM | コメント (0) | トラックバック

非国民CNNのテロリスト狙撃ビデオに怒る米兵達

イラク関係 , 狂ったメディア

昨日私はCNNがテロリストプロパガンダのPR会社と成り果て、テロリストがアメリカ兵を狙撃して殺す映像ビデオを放映し、そのウェッブサイトにビデオリンクまでつけているという話を書いたが、このCNNビデオに関してアメリカ兵の間から激怒の反響が起きている。(当たり前だ!)

私がよく読んでいるミルブログ(現役退役米軍兵及びその家族などの米軍関係の人たちが書いてるブログ)ブラックファイフでも米兵らからの怒りのメールが殺到しているという。ここでその一部を紹介しておこう。(元記事にはかなり激しい表現があるので、訳も多少乱暴な言葉を含むがご了承願いたい。)

以下Black Five, CNN - Plays Into the Hands of the Enemy (Knowingly)より。

CNNは狙撃者がアメリカ兵を殺すビデオを載せている。記事にはこのような前書きがある。

イラクではすでに2800人に及ぶアメリカ兵が殺されています。そんななかで抵抗軍による一番の危険な攻撃は狙撃です。CNNはイラクでも一番活動している抵抗組織、「イラクのイスラミック軍」から狙撃班がアメリカ兵を標的にしているビデオを入手しました。イスラミック軍はアメリカと話がしたいといっており、イスラム系インターネットにビデオを載せることでPRキャンペーンを行ってアメリカ市民に影響を与えたいとしています。 このビデオを見るのは不快ですが、CNNは衝撃的とはいえ語られる必要のある記事だと信じます。

ああ、そうだろうとも、CNNはテロリストがアメリカ兵を殺すビデオを放映するかどうか葛藤の苦しみだっただろうよ。

だが結論として、CNNは承知の上敵の手の内にはまったってことだよ。

ブラックファイブにはこの記事に関するコメントが100以上も載っているが、文中で引用されているコメントも含めここでいくつか紹介したいとおもう。 

共産主義(コミュニスト)ニュースネットワーク(CNN) の吐き気のするビデオに出くわした。 局はイラクの抵抗軍からビデオを入手したといっている。ビデオでは抵抗軍の狙撃兵がアメリカ兵を撃ち殺す映像が写っている。こういうのを抵抗軍の奴らは俺達に見せつけたいんだ。アメリカで誰かの両親や恋人がこんなもんを観る必要はない。これは牛の糞だ!!!これでまた主流メディアを信頼できない理由がひとつ増えたぜ。今度から記者とかかれてない車にのせて、ボケナスどもが好んでかぶる青ヘルメット抜きでイラクへ送り込んでやれ。(後略) -Staff Sergeant ,OIF III (イラク戦争体験者の准尉)
もう俺はこんなことでは驚いたり腹が立ったりさえもしないね。ため息をついて自分の仕事に戻るのみだ。なぜってこんなことはもう珍しくもなんともない。主流メディアが本国での戦争支持意識を崩させようとしてるのは既成事実だからだ。 主流メディアがイラクでの長期軍事作戦に反対だってことも、おやじや爺さんが使ってたベトナム時代の主流メディア手引きをつかってるってことも、泥沼だ、勝てない状態、 切捨て撤退、なんだかんだとやってることも、これもう常識。奴らは敵を援助することになってもかまわないんだ。奴らは兵隊や海兵隊員が死んでもかまわないんだ。もちろんこれは兵士の死をニュースハイライトで使って、戦争が「絶望的」だとアメリカ市民に訴えるとき以外はの話だが...ーSGT Torgersen
もう我々はニュースメディアが客観的だなどという前提は捨てるべきだ。奴らは積極的に抵抗軍を支持し我らの現政権に反抗しているのだ。 明らかに彼らは情報源ではなく我らの敵となったのだ。今後一切やつらを敵としてみなすべきである。すべての兵士が(記者の)質問に対して、「あっちいけ、くそったれ、おめえらは抵抗軍との戦いに邪魔なんだよ。」と答えれば奴らにもそれがわかるだろう。こっちの言い分など解ってもらおうとするな。どうせ奴らは報道しないんだから。ーMike O
CNN殿:どの神の名によってテロリストがアメリカ兵を狙撃するビデオなど掲載したのでしょう?イラクで負傷し帰国を余儀なくされた一兵士の母親として、また一水兵の母親として、私はこのアメリカ軍とその家族への無神経さに激怒し、テロリストのプロパガンダを宣伝するなどという常識を超えたその行為には完全にあきれます。単にテープを観たとだけ報道すればよかったのです。我々は見る必要などありません。テロリストにいくら払ったのですか? アメリカ兵の血でいくら金儲けをしたのですか? ー兵士の母 (カカシ注:文章からいってこの女性は二人のお子さんをイラクに送っているようだ。)

アメリカのメディアが、アメリカ兵が何人死んだとか、テロ爆発でイラク人が何人死んだとかいうニュースの代わりに、アメリカ兵がテロリストを何人退治し、イラク軍の能力がどれだけ進歩し、どれだけの地域が平穏化し、どれだけの病院や学校が建てられ、どれだけの子供たちが救われたかという話を報道していたなら、アメリカ市民が戦争から受ける印象はまったくちがったもになっていただろう。

あるテレビ局は一時期、アメリカ兵が死ぬたびに追悼と称して戦死した兵士のプロフィールを紹介していたが、いつも紹介するのは兵士になる前の若者がどんなふうだったとか、帰ってきてからどうするつもりだったとか、いかにもあたら若い命を無駄になくしたという印象を与えるものばかりだった。同じ戦死者への追悼でも、この兵士の勇敢な最後の戦いや、彼が戦時中にどのような立派な仕事をしたかを紹介したなら、名誉の戦死をした兵士の魂や家族がどれほど慰められるかわからない。観ているほうも悲しいがそれでも感謝の気持ちでいっぱいになるだっただろう。この兵士の死を無駄にしてはいけないという気持ちになっただろう。

私はミスター苺と共同で書いている英語版のブログ、Big Lizards.netで、戦場からのいいニュースシリーズを時々書いている。ある時いつものようにイラクやアフガニスタンでのアメリカ軍の功績を書いていたら、アメリカ軍中央司令部(CENTCOM)の広報部の人からメールが来て、いつもアメリカ軍について良いニュースを書いてくれてありがとう、ついてはアメリカ軍に関するニュースレターを定期的に送ります、とあった。我々のような零細ブログをアメリカ軍広報部は読んでいるとはちょっと驚いた。しかしアメリカには第二次世界大戦の時のような大本営放送はない。だから軍の広報部はこうした地道な活動で軍の功績をアメリカ市民に知らせるしかないのだろう。

アメリカのメディアがアメリカ軍に味方してくれれば軍もこんなに苦労しなくて済むものを。 全く嘆かわしい。

October 20, 2006, 現時間 11:10 AM | コメント (0) | トラックバック

October 19, 2006

ああベトナムよもう一度

イラク関係 , 狂ったメディア

アイゼック・アシモフが書いたファウンデーションというSF小説のなかにミュールという超能力者が出てくる。 ミュールには敵対する側の戦士や国民の戦意を戦わずして喪失させてしまう心理的操作の能力があった。 だから彼の率いる勢力に対抗する敵は圧倒的武力を所持していても絶望に陥り大敗してしまうのである。

今のアメリカメディアを観ていると、彼らは明らかにアルカエダのためにアメリカに大してこのミュールの役目を買って出たとしか考えられない。私はアメリカメディアの愛国心を疑ってはいない。彼らには愛国心などない。彼らは裏切り者であり、非国民である。彼らの目的はアメリカに敗北をもたらせることにある。 だから彼らはテロリストプロパガンダのPR会社としてせっせと働いているのだ。

このCNNの記事はまさにその典型だ。

「ビデオが捕らえた狙撃者の凍りつく所業」( Video shows snipers' chilling work in Iraq)と題されたこの記事ではCNNがテロリストから入手したというビデオテープの紹介がされており、ビデオのなかでカメラマンと狙撃者がどこから撃てばいいかとか相談しあっている声が入っているとある。そしてこのページにはアメリカ兵がテロリストによって狙撃され殺されるビデオへのリンクまでついている。

CNNはテロリストが人質を斬首するビデオは残虐すぎると放映しない。911事件直後タワーから人々が次々に飛び降りる姿も悲惨だといって放映しなかった。だがアメリカ兵が無残にも殺される姿を報道することには問題がないというのか? 
CNNにとって放映するビデオの内容が悲惨かどうかなどということは問題ではないのだ。アメリカ市民はテロリストが無実の市民を惨殺する姿や、テロ攻撃によって大量の市民が殺される姿をみれば、テロリストとの戦いに戦意を燃やすだろう。だが、アメリカ兵がいとも簡単にテロリストに狙撃される姿をみれば、アメリカ軍は勝てないのではないかと戦意を失う効果がある。CNNはそれを承知の上で、いやそれが目的でこのテロリストプロパガンダをわざわざ放映しているのだ。

アメリカがニクソン大統領とフォード大統領の時代にベトナムから屈辱の撤退をしたことで、アメリカ民主党及び左翼は共和党がアメリカを望みのない戦争に引きずり込んだとして30年以上も共和党バッシングに使ってきた。彼らは今回もイラク戦争に負けることで、再び政権を民主党のものに取り戻そうと考えているのだ。

我々は長い間アメリカはベトナムで大敗し引き上げざる終えなかったと教えられてきた。だが実際にはアメリカはベトナムで軍事的な勝利をあげていた。アメリカ軍は北ベトナム軍との戦闘で一度も敗れたことはなく、あの悪名たかいテット攻撃ですらも、アメリカ軍の圧倒的な勝利だった。

だがテット攻撃の直後、アメリカで一番人気だったニュースキャスターで「ウオルトおじさん」と国民に慕われていたウォルター・クロンカイド氏がベトナムから中継で「アメリカ軍はベトナムで大量に戦死している。戦況は悲惨でアメリカは大敗している。アメリカ市民は政府に騙されている」と報道したのがきっかけとなり、それまでベトナム戦争を支持していたアメリカ市民までが、戦争に背を向けるようになったのである。

イラクのアルカエダたちはこの歴史をよくわきまえている。だからアメリカは戦争が長引き血みどろの戦いが続けば戦意を失って絶望して撤退すると踏んでいるのである。そしてアメリカのメディアは血を求め残虐なニュース、(特にアメリカ兵が殺される)が好きだということをテロリスト達は知っているので、ジャーナリストの集まっているバグダッド付近、特にジャーナリストが泊まっているホテルの目の前で人殺しや自爆テロを行うのだ。 この間ラムスフェルド長官も話していたが暴力がひどいのはバグダッド周辺ほんの直径10キロ円周の中だという。

本日ブッシュ大統領もイラク戦争とベトナム戦争の共通点について述べた。だが、ブッシュはイラクがベトナムのように負けるという意味でいったのではなく、今年のラマダンでは紛争が激化したのは、アルカエダがベトナムのテット攻撃を再現させようというものではないかという問いに対して、それはそうかもしれないと同意した後、アメリカの中間選挙に向けてアルカエダは戦いを激化させて選挙に影響を与えようとしている可能性はあると述べた。 テロリスト達が「切捨て退散」の民主党に勢力を持たせようとしていることは言うまでも無い。

今度の中間選挙は現実などお構いなく、非国民メディアがどれだけアメリカ市民に悲観的な戦争像を売りつけることができるかそれを試す試験だといえる。もし共和党が圧倒的に議席を失い民主党が多数議席を獲得したならば、これだけブログやトークラジオががんばっても、まだまだ主流メディアの影響力には及ばないということが顕著になるからである。

October 19, 2006, 現時間 01:40 PM | コメント (1) | トラックバック

September 29, 2006

公開された米機密報告書、本当の内容はいかに?

アメリカ内政 , イラク関係 , 対テロ戦争

この間漏えいされたイラクに関する情報をまとめた機密報告書「国家情報評価」(NIE)の一部が昨日公開された。漏えい記事を書いたニューヨークタイムスは、この報告書がいかにもイラク戦争が世界をより危険にさせたと結論付けたように書いていたが、実際の結論はもっと微妙なニュアンスがある結論になっている。だが書類が公表された今でも反戦派はこの当初の報道の結論を引き合いにだし、まだ執拗にイラク戦争のせいで危険が増加したとの姿勢を崩さない。

ではいったいNIEの本当の内容とはどういうものだったのだろうか。CNNの記事を読みながら分析してみよう。

NIEは今年4月、イラク・アルカイダ機構のザルカウィ容疑者が米軍の攻撃で死亡する数週間前に発行された。国家情報長官のサイトに掲載されたNIEの要点によると、「聖戦活動」が拡散し、反米組織が各地に設立されるなか、イスラム過激派は国際テロ対策に順応しつつある。聖戦活動は世界戦略を欠いているものの、新たなテロ組織が出現する可能性が高いため、聖戦組織を捜索し弱体化させるのは一層困難となっている。

この間アフガニスタンのアルカエダ本部からザルカーウィ宛の手紙が公開された。それによると、本部はザルカーウィのやり方にかなり不満を持っており、ザルカーウィの乱暴なやり方ががスンニ派やバース残党などを遠ざけていると批判しているものだった。つまり、アルカエダはイラクというアフガニスタンからは比較的近くにある組織ですらも思うようにコントロールすることができなかったのである。ザルカーウィは自分をアルカエダからの直接な指揮下にあると考えていなかった証拠だ。ということは指揮者もはっきりしない、小さな組織が世界中に拡散するということはその勢力も拡散し効果も半減するということだ。

米国主導のイラク戦争は、聖戦に関与している勢力にとって「関心の的」であり、米国のイスラム社会への介入に対する深い怨恨とともに「世界的な聖戦運動の支持者を育成する」結果を生んでいる。イラクの聖戦活動家らが成功を収めたと認識された場合、過激思想はエスカレートする恐れがあるが、失敗したとみなされた場合、聖戦活動を継続する活動家は減少する見通し。

さてここが非常に大事な点だ。これはこの間ブッシュ大統領がいっていた通り、イラクでの勝敗が今後のテロリストの士気に多いに影響があるということである。たとえイラク戦争がアメリカへの怨恨により聖戦運動家を増やしたとしても、イラクでテロリストが負ければアルカエダへの勧誘はうまくいかなくなり、戦争に関わった人々も国へかえって恥さらしなテロ活動はしないだろうということなのだ。ということは今すぐイラクから撤退するということは対テロ戦争において完全な命取りになるということだ。

NIEは、米国主導のテロ対策がアルカイダの指導者らや活動に「重大な打撃」を与えたとする一方、アルカイダが米国にとって依然最大の脅威であると位置づけている。また、聖戦への関与を自称するイスラム教徒の増加傾向が続いた場合、米国内外の権益に対する危険が多様化し、世界各地で攻撃が増加するとの見通しを示している。

え? なんだって、『米国主導のテロ対策がアルカイダの指導者らや活動に「重大な打撃」を与えた』?こんな大事な部分がニューヨークタイムスの記事には載っていなかったとは、これはいかに。先日新しくイラクのアルカエダのリーダーとなったAbu Hamza al-Muhajir 別名Abu Ayyub al-Masri, がイラクでは4000人の聖戦者が殉教したと発表した。(The Belmont Clubより)アメリカ軍は正確な数を発表していないが、実際の数はその倍に近いだろうということである。

イラク戦争によって聖戦活動家、ジハーディストが増えたというなら、我々が殺している中から次から次へと生まれたということになるが、経験ある戦士が次々と死んだり捕まったりしているのに、入れ替わった新しい戦士らがより強力な勢力になるとは考えにくい。

聖戦活動の拡散を容易にする原因として挙げられているのは、▽汚職や不正、西側諸国による支配への恐怖といった根強い不満▽イラク国内の聖戦▽イスラム各国における経済・社会・政治改革の滞り▽イスラム教徒の間にまん延する反米感情──の4つ。事態解決にはアルカイダ指導者の拘束や殺害以上の方策が求められているが、アルカイダがオサマ・ビンラディン容疑者やザワヒリ容疑者といった大物を失った場合、小さなグループに分裂する恐れがある。

イスラム過激派によるテロの激化を食い止める方法としては、聖戦活動家らが掲げる過激なイデオロギーの公表や、尊敬を集めているイスラム聖職者を通じたテロ非難などがある。聖戦活動家らによる大量破壊兵器の入手や、インターネットを通じた通信やプロパガンダ活動、人員募集、訓練、各種支援の取得を阻止する必要もあるという。

アメリカの各情報部が集まって作った報告書にしてはずいぶんありふれた分析だ。イスラム過激派との戦いは戦場だけでなく、諜報と情報操作にも大いに力を入れなければならない。だからこそアルカエダのザワヒリが今日も今日とてビデオでせっせと勧誘運動を行っているのである。

ブッシュ米大統領はアルカイダの拡散を指摘したNIEに同意する一方、イラク戦争によって米国が安全でなくなったとする解釈を拒否する姿勢を示した。大統領はまた、海外のテロリストを打倒することが米国を守る最善の方法だと強調した。

まさしくその通りだ。この報告書で一番大切な結論は、今すぐイラク撤退などという愚かなことをしてはいけない、イラク戦争には断じて勝たねばならない、ということだ。実際の報告書の内容は最初に漏えいされた内容とはかなりくい違うものであったことが読者の皆様にもよくお分かり頂けたと思う。

やはり中間選挙に向けて民主党がより優勢になるよう計算づくの漏えいだったのだろう。だが、ブッシュ大統領が中身を素早く公開してしまったため、「切り捨て遁走」を唱えている民主党にとって、かえってこれは逆効果になってしまったのではないだろうか。

関連ブログ記事:

「イラク戦争の勝利が決め手」ブッシュの反撃記者会見!

イラク戦争はテロを悪化させたのか?

September 29, 2006, 現時間 10:40 PM | コメント (0) | トラックバック

September 28, 2006

「イラク戦争の勝利が決め手」ブッシュの反撃記者会見!

イラク関係

昨日のアメリカ情報機関報告書(NIE)が一部漏えいされ、ニューヨークタイムスなどが、イラク戦争がテロを悪化させたと結論付けていたことに対して、私は色々書こうと思っていたのだが、今朝のブッシュ大統領とアフガニスタンのカルザイ大統領との合同記者会見での発言で私がいいたことをすべて聞いたので、二人の大統領の発言をここでご紹介しよう。一般公開されたNIEの内容については後ほど詳しく報告させていただく。

記者:4月のNIE報告書によれば、イラク戦争が世界中でテロ増発の燃料となったと結論付けられていますが、イラク戦争それでもなおかつイラク戦争のせいでわが国がより安全になったと主張されますか?

ブッシュ大統領:私は無論NIEの判断を読みました。そしてその結論に同意しました。なぜならそれは我々の対アルカエダ作戦が成功したことで、敵は弱体化し孤立したとあったからです。敵がイラク情勢を利用してプロパガンダの道具にし人殺しの仲間を勧誘してるときいても特に驚きません。

人によっては報告書の内容を想像してイラク戦争が間違いだったと書いてあるかのように結論付けましたが、それには全く同意できません。 全く甘い考えだと思います。アメリカ国民を殺そうとしている人々を攻めることがアメリカをより危険な状態にしているなどという考えは間違っています。テロリストたちがイラクで戦っているのには理由があるのです。彼等はイラクの民主化が進むのを阻止しようとしているのです。彼等が同じようにアフガニスタンで民主化が育っていくのを阻止しようとしているように。そして彼等はこれらの戦争を勧誘の道具につかっているのです。なぜなら彼等には何がかかっているかがわかっているからです。その大切さが分かっているからです。彼等はイラクで負けければ何が起きるか知っているのです。

いいですか、我々がイラクに侵攻しなければ過激派が過激な運動に参加する可能性が低かったなどというバラ色のシナリオを考えるのは、過去20年の経験を全く無視してるとしかいえません。9月11日の攻撃当時、私たちはイラクにはいませんでした。何千というテロリストが(カルザイ大統領に向かって)あなたの国の訓練キャンプで訓練を受けていた時、我々はイラクにはいませんでした。1993年に貿易センターへの最初の攻撃があった時我々はイラクにいませんでした。 コールが爆撃された時も、ケニヤとタンザニアが爆破された時も、我々はイラクにいませんでした。我々がイラクに行っていなければ、彼等は何かほかの口実を探したでしょう。なぜなら彼等には野望があるからです。彼等は自分達の目的のためには誰でも殺すのです。

過去にオサマビンラデンは、サマリアを口実に使って彼等の聖戦運動に加わるように説得しました。また時にはイスラエルとパレスチナの紛争を口実にしました。彼等は聖戦運動にとって便利なようにあらゆる勧誘手口を使ってきたのです。

我が政府はどのような手段をつかってでも本土を守り抜きます。 我々はわが国の攻撃を阻止するどのような口実をも使わせません。アメリカを守る最善の手段は外国で殺し屋たちと立ち向かうことによって、本土で立ち向かわなくてもすむようにすることです。我々は敵の嘘やプロパガンダに我々の勝利を左右させるようなことはさせません。

さて、NIEについてですが、この報告書は4月に結論が出ていたものです。しかも結論の資料となったのは今年の2月の終わり現在の情報です。それなのにその発表がいままで延ばされて、この時期、中間選挙を目前にして新聞記事の第一面にでかでかと掲載されたというのは興味深いとは思いませんか? 誰かが 政治的な目的でこの情報を漏えいしたのです。

私は本日情報局(DNI)のジョン·ネグラポンテと話ました。政府が秘密情報が漏れる度に情報を公開するのは決して好ましいことではないのですよ。それをやると良い情報を集めにくくなるわけですからね。長年この仕事についてるひとなら分かるでしょうが。しかしまたしても誰かが大切な情報を漏えいしてしまいました。私はこれは選挙運動中にアメリカ市民を混乱させるための故意の漏えいだと判断します。

ですから、私はDNIにこの書類を一般公開するように命じました。どうぞご自分でお読みください。そして政治的な目的で誰かが敵の性質について混乱させようとしている意見や憶測を止めたいと思います。ですからDNIのネグラポンテに言ってなるべく早く秘密書類の指定からはずしてもらいます。氏が大事な点を公開しますからご自分で読んで判断してください。(略)

カルザイ大統領: 我が兄弟ムシャラフ大統領について語る前に申し上げます。テロリズムは9月11日のずっと前から我々を傷つけていました。大統領がいくつか例をあげられた通りです。これらの過激派勢力はアフガニスタンやその近隣で何年も人々を殺していました。彼等は学校を閉鎖し、聖廟を焼き、子供たちを殺し、ぶどうの房がついたまま、ぶどうを根から引き抜き、国民を貧困と悲惨な目にあわせてきました。

彼等は9月11日にアメリカにやってきました。しかしその前から彼等はあなた方を世界のほかの場所で攻撃してきました。 我々はアフガニスタンで彼等が何者で、どのように我々を傷つけるかを見た目撃者です。あなたがたはニューヨークの目撃者です。お忘れですか、飛行機が突入し、80階や70階から人々が飛び下りたのを。 あんな高いところから飛び下るのがどのようなことだったのか想像できますか? それを誰がやったのですか?  そして彼等に立ち向かう以外にどうやって彼等と戦うのですか、どうやって彼等を取り除くのですか。彼等がまた我々を殺しにくるのを待っていろというのですか? だから我々は世界中でもっと行動しなければならないのです。アフガニスタンで、世界中で彼等過激派とその仲間も一緒に敗北に追いやるまで、

我々の行動がテロリストの行動に影響を与えるのは当たり前だ。だが、だからといってなにもしないという姿勢が得策などであるはずがない。第一、テロリストの反応に踊らされて文明社会がびくびくと脅えながら暮らしていくなど私はまっぴらごめんである。

さてこれについてワシントンポストでロバート·ケーガンが良いことをいってる。(Mike Rossさん紹介)

ケーガン氏は、我々の行動が将来誰かをテロに追い込むとわかっていたとして、我々はどうすべきなのかと問いかける。そういう場合我々は常に行動を自制するべきなのだろうか、それともそのまま行動を進めるべきなのだろうかと。例えば1991年の湾岸戦争後アメリカ軍がサウジに駐留したことでオサマビンラデンがかなり怒ったことはよく知られている。それが彼のアルカエダを使ったアメリカへの攻撃につながったことは確かだろう。だが、だからといって我々はイラクのクエート侵略をみすみす指をくわえて見ているべきだったのだろうか? 1970年代から80年代にかけてアフガニスタンのムジャハディーンがソ連と戦うのを援助したことで、イスラムテロリスト勢力の土台を強化したことも無視できない。

しかしだからといって、これらの我々の行動は間違っていたといえるのだろうか。もし我々がソビエトをアフガニスタンから追い出す手伝いをしなかったら、世の中はより平和だったといえるのだろうか? フセインのクエート侵略を阻止しなかったならばどうだろう。

第一、どの行動が我々をより安全にするかという質問には単に新しいテロリストの数を数えるだけでは答えられないと氏は語る。

私はアメリカの外交が我々の行動がどのように怒りや過激化や暴力を促進するかという恐怖によって左右されることを恐れる。過去にそうであったように、我々が判断する際計算にいれるべきことは、何が我々をそして世界をより安全にするのかしないのか、それだけのはずだ。

ケーガン氏も述べている通り、イラク戦争によって多くの人がテロに走ったからといって、それが世界をより危険な状態にしたと結論付けることはできない。確かにイラクの戦場で経験を積んだテロリストがその技術を生かして自国で悪さをするという可能性はあり得る。だが、イラク戦争で技術を磨いているのはなにもテロリストだけではない。2003年の時点で世界最強といわれたアメリカ軍だが、2006年のアメリカ軍には到底およばないのである。

それにテロリストたちがイラクで成功したなら別だが、イラクで大敗したならば、自国へ帰るまえに多くのテロリストが殺されてしまうということのほかに、失敗した作戦をそのまま持ち帰ってテロを続行するかどうかも疑問である。イラクでの敗北に士気を失うという可能性も十分にあり得る。

単にテロに走る若者が増えたから世の中がより危険になったという考え方はあまりにも短絡的すぎる。もっとも公開された報告書の内容はそんな単純なものではないようだ。

次回は問題の報告書の内容について語りたい。

September 28, 2006, 現時間 12:10 AM | コメント (3) | トラックバック

September 26, 2006

イラク戦争はテロを悪化させたのか?

アメリカ内政 , イラク関係 , 対テロ戦争

アップデート!最後を参照!

この週末旅行をしていてブロギングができなかったので、コメントをいただいたみなさんに返答できなかったことをお詫びします。特にsouさんのコメントの承認が遅れたことをお詫びします。

さて、コメンターのsnoozyさんがご心配されている、イラク戦争がかえってテロを悪化させたというアメリカ情報機関NIEの報告書だが、このことについてはこちらでもニューヨークタイムスやワシントンポストが報道している。

まずは読売新聞の記事より。

「イラク戦争でテロ問題悪化」米情報機関が機密報告

【ワシントン=貞広貴志】中央情報局(CIA)など16の米情報機関が、国際テロの動向とイラク戦争の関係を分析した機密報告をまとめ、「イラク戦争は、全体としてテロの問題を悪化させた」と結論付けていたことがわかった。

24日付の米紙ニューヨーク・タイムズが報じたもので、ブッシュ政権の「対テロ戦争で世界と米国はより安全になった」という公式見解を情報機関が否定する形となった。

同紙によると、「世界規模でのテロの傾向」と題した機密報告は、政府機関内での激論を経て今年4月にまとめられた。国際テロ組織「アル・カーイダ」とその関連組織を核としていた勢力が、アル・カーイダ指導部とは直接のつながりを持たない「自己派生」の細胞組織へ変ぼうしてしまったと分析。

また、「イスラム過激主義は、衰退しているというよりも拡大している」と指摘した。
(2006年9月25日2時1分 読売新聞)

私はこの記事には二つの問題点があると考える。

先ず第一にNIEの報告書は秘密書類であるため報告書そのものは一般公開されていない。よってこの報告書の内容はNYTの説明に頼るしかなく、実際の内容をを確認することができない。これまでに何度も意図的に虚偽の報道をしてきた前科のあるNYTの記事なのでそのまま鵜呑みにするのは危険である。

第二に、もしNYTの説明が正しかったとしても、イラク戦争後にテロ活動が悪化したからといって、その原因がイラク戦争にあったという根拠にはならない。

ではNYTの記事から少し抜粋して考えてみよう。(訳:カカシ)

書類ではイラク戦争が世界的な聖戦運動に及ぼした影響についてはほんの少ししか述べられておらず、「イラクで進行中の自由への戦いはテロリストの戦意を奮い起こすプロパガンダとして歪曲されてしまった」とある。

報告書ではイラクで戦ったイスラム過激派がそれぞれの国へかえって「国内での紛争を悪化させる、もしくは過激な思想を設立させる」恐れがあると語る。

概要は過激なイスラム運動がアルカエダの中心から、アルカエダ指導層によって刺激され「自発的に生まれ」ながら直接オサマビンラデンや上層部との関連のない新しい部類のグループを含む提携した集団へと拡大したと結論付ける。

報告書はさらにインターネットがどのように聖戦主義思想を広める役にたったかを分析し、サイバースペースによってテロリスト工作がもはやアフガニスタンのような地理的な国々だけに限られないことを報告している。

テロリストの活動がアルカエダの中心からインターネットなどによってジハーディストの思想に共鳴する直接関係のないグループへと拡大したのは事実でも、それとイラク戦争とどういう関わりがあるのだろうか? イラク戦争によって反米意識が高まりジハーディストの士気があがったという理屈なら、911でアメリカがなにもしなければ、世界中のジハーディストたちが、アメリカの弱腰に元気つけられて活動が活発になったという正反対の理屈も可能だ。

イスラム過激派によるテロが悪化したことがイラク戦争のせいだというのであれば、イラク戦争がなかったらこれらの事態はおき得なかったということを証明する必要がある。だがNYTの記事ではそのような証明は記述されていない。それどころか歴史的事実がこの結論付けを完全に裏切っているといえる。

イスラム過激派の活動が活発になったのは、なにもイラク戦争開始の2003年に始まったことではない。1979年のイラン宗教革命以来、イスラム過激派によるテロ行為はあちこちで起きていた。特にジハーディストの活動が目立ってきたのはソ連によるアフガニスタン侵略以後だといえる。持ち前の資金を使ってアフガニスタンで武器調達などに貢献したビンラデンの権威があがったのもこの時期だ。

国連がイラクのクエート侵略を阻止したとはいえ、フセイン政権が存続したためクリントン前大統領の無行動によりフセインの勢力は湾岸戦争後完全に回復し、より手強い敵となってしまった。上院議会の報告書がなんといおうと、イラク国内でアルカエダがザルカーウィを筆頭にすでに訓練キャンプをつくっていたことはどの国の諜報機関も認めていることだ。アメリカがフセイン政権を倒さなければこれらのキャンプがイラク政府の協力を得てより手強いテロリスト養成所となっていただろうことは容易に想像できる。

しかもフセインは大量破壊兵器の開発への野心を全く捨てていなかった。国連による経済制裁は事実上終わりに近付いており、数年後には生物、化学兵器はおろか、核兵器ですら所持する国家になったであろうイラクにおいて、このようなテロ集団が自由に行動することを考えた場合、イラク戦争がなかったら、テロ活動が悪化しなかったと結論付けることなど絶対にできない。

第一、アルカエダのリーダーであるオサマビンラデン自身が911でアメリカ本土に戦いを挑んだ理由として、アメリカのそれまでのテロ行為に対する及び腰に勇気づけられたと語っているのである。アメリカは弱い、アメリカは反撃しないと、ビンラデンはテロ直後のアメリカ軍のレバノンやサマリア撤退、そして数々のテロ行為に対してアメリカの無策をあざ笑った。

つまりアメリカがテロ行為に反撃しなかったことが、テロリストの戦意を高めたともいえるのである。とすれば、イラク戦争がテロを悪化させたというこの理屈がどれだけ中身のないものかが分かるというものだ。

アメリカの中間選挙をひかえ、都合良くこういう報告書がNYTによって漏えいされるというタイミングも十分に考えるべきである。

アップデート:

今朝ブッシュ大統領はアフガニスタンの大統領との合同記者会見でNIEの報告書を一部公開することを発表。すでに発表されたので、後でコメントします。乞うご期待! 

September 26, 2006, 現時間 06:57 PM | コメント (3) | トラックバック

September 15, 2006

911陰謀説についてひとこと

どうでもいいニュース , イラク関係 , 対テロ戦争

私は世の中に陰謀が全くないなどとは思っていない。かくいう私もヒズボラの陰謀をここで何度か書いている。911などは前代未聞のアルカエダによる陰謀だった。

しかしみなさんもご存じの通り、911はブッシュ大統領とイスラエルの諜報機関モサドの陰謀だったなどというひとたちが絶えない。俳優のチャーリー·シーンなど政府は事実を隠ぺいしているなどと恥も外聞もなく公言している。「どうして第7棟がくずれたんだ!」「なんで南棟は自由落下の速度で崩壊したんだ!」など自由落下の方程式すら知らない人間がまことしやかに知ったようなことをいう。

だが、もし読者諸君がこのような陰謀説を唱えるひととの議論に巻き込まれたら、こういう枝葉末端につきあってはいけない。なぜなら貿易センターがどんな速度で崩れたかなんてことはアマゾンの大森林のなかで一枚の葉っぱの色がおかしいからここはジャングルではないと言っているのと同じくらい意味のない議論だからだ。

昨日紹介した911ドラマの話でも書いた通り、911の陰謀はブッシュ大統領政権発足と同時に始まったのではない。少なくとも1993年の2月以前から貿易センター破壊計画はラムジー·ユーセフというイラク人によって計られていたのである。クリントン大統領の就任が1993年の1月であるから計画はパパブッシュの時代にまでさかのぼる。1993年から2001年に至るまで911への計画は至る所で部分的に知られていた。アメリカ国内だけでもCIA, FBI, 移民局、農業局、関税、地方警察、地方空港の管制塔、民間の飛行訓練所、などなどで911に関わった同じ人間たちの名前がその不振な行動からあちこちで何年にもわたって取りざたされていた。これらの人間がビンラデン率いるアルカエダと絡んでなにか大掛かりなテロを企んでいることは世界中の諜報部が集めた様々な情報によって予期されていたことなのだ。



SachiNYSkyline

911前のニューヨーク、WTCを背景にポーズをとる苺畑カカシ


ただ当時のアメリカではそれぞれの諜報機関が情報交換をするということが法律上禁じられていた。911が起きるまでCIAとFBIが情報を共有していないという事実をブッシュ大統領は知らなかったというお粗末な展開があったほどだ。だからそれぞれの機関がもっていた一片一片の情報はそれだけでは意味のないものだった。911事件が起きて初めて、その片が膨大なジグゾーパズルのどの部分にあてはまるかがはっきりしたのである。その時無数の諜報機関がそれぞれ持っていた細い情報がやっと全体像のなかで意味のあるものとなったのだ。無論ときすでに遅しだったわけだが、、

ということは、もし911がブッシュ大統領の陰謀だったとしたならば、ブッシュ大統領は自分が大統領になる9年も前からこの同時多発テロの計画をたて、これらの細い証拠をアメリカ中、いや世界中にばらまいていたということになる。しかもジョージ·W·ブッシュはこの時大統領になれるという保証など全くないただの一般市民だった。一介のアメリカ市民が現政権に全く悟られずにイスラエルの諜報機関と共謀してアメリカ市民大量殺害の陰謀を企むことが可能だったはずがない。この時期クリントン大統領は動機はどうあれパレスチナとイスラエルの関係を正常化しようと多大な努力をしていた。こんな大事なときにイスラエルが二期に渡る政権をさしおいて前の大統領のどら息子のいいなりになる理由がない。第一、911事件がイスラエルにとって何の得になるというのだ? 
もしクリントンもこの陰謀に加担していたというなら別だが、そうなってくるともうこの話はファンタジーの世界だ。

こうして考えてみると911自作自演説は貿易センターがどう崩れたとか、ペンタゴンに突っ込んだのは旅客機ではなくミサイルだったとか、くだらない説を唱えるまえに、計画の段階で完全に不可能だったことがわかる。

昔、私の大学の教授がこんな話をしてくれた。時々春先になると自称発明家と名乗る人間が「永久作動機械」を発明したといって持ってくるという。そんな時教授はすぐさま出口を案内するが、発明家は決まっていう。「でも教授!まだ私の発明をみてないじゃないですか?!」教授は発明家の肩に手をまわし出口に促しながら微笑む。「そのとおり。その必要はありません。」

September 15, 2006, 現時間 02:46 PM | コメント (5) | トラックバック

September 14, 2006

911ドラマ、『911への道』を観て、、

アメリカ内政 , イラク関係 , 対テロ戦争

クリントン元大統領や民主党議員たちがABCテレビ局製作のPath to 911(911への道)放映を阻止しようと躍起になったにも関わらず、ABCは多少の編集をしただけでほぼそのまま放映した。

全編は四編に別れた5時間ものなので録画して三日に分けて観た。私はここ数年911について非常に興味があったことでもあり、ドキュメンタリーを見たり、関係書類を色々よんだりしているので、このドキュドラマで描かれた歴史的事実についてはほとんど全て知っていたが、それでも改めて驚かされる場面もあった。全体的に事実に基づいた正直な作品になっていると思う。

ただ、ドラマであるから主人公のFBI役員のジョン·オニールや若いCIA工作員のカーク(仮名)らが英雄的にかなり美化されている点はある。特にクリントンのテロ対策委員だったリチャード·クラーク氏はちょっとかっこ良すぎる。(笑)しかしクリントン大統領をはじめ、オーブライト官房長官や警備アドバイザーだったサンディー·バーガーなど、自分の政治生命を守ることに必死で国の防衛など後回し、彼等の優柔不断で無責任な態度をよくまあABCがあそこまで描けたものだと驚くとともに感心してしまった。

特にビンラデンの家を北同盟の戦士と一緒に囲んでいたCIA工作員たちが、ホワイトハウスからの最終許可を得られずみすみすビンラデンを取り逃がしたシーンなどはみていて歯がゆいったらない。北同盟のリーダーは「アメリカには最新の武器はあるが、誰も戦争をする度胸がない」とCIA工作員に食って掛かるシーンは印象的だ。

また別のシーンで、ビンラデンの隠れ家を無人飛行機に備えられたカメラでとった航空写真を北同盟のリーダーに見せるシーンでは、「我々が欲しいのはビデオでもミサイルでもない、ジープやヘリコプターだ。」アフガニスタンがソ連と戦っていた時はアメリカは何でも用意してくれたと彼は言う。「レーガンは解っていた」ABCのドラマが、当時メディアに目の敵にされていたレーガン大統領についてここまで言うとは驚きだ。(注:レーガン大統領、共和党、1980年〜1988年)

前半の終わりで1993年の第一貿易センターテロの首謀者で911テロ計画の首謀者だったラムジーユーセフが逮捕されるまでの過程はまるでスパイ大作戦でもみているようで興奮する。ユーセフを裏切った男が合図をしてCIAエージェントたちが一斉に建物に押し入る図などは見ていてすかっとする。もしこれがフィクションの映画なら、ここで悪者が退治され「めでたし、めでたし」で終わるところなのだが、実際にはユーセフの計画はすでに後戻りできないところまで進んでいた。現実の悲劇である。

前評判では後半はブッシュ大統領への批判がかなりひどくなるという話だったが、クリントンの8年と比べてブッシュはたった8か月。最初の頃はブッシュ政権のテロ政策はクリントンの政策をそのまま継続していただけなので、FBIがCIAから情報をもらえずに苛立つ場面などは、ブッシュへの批判というより融通の利かない組織への不満であるように受け取れた。

911が近付いてくるに従って、アルカエダ工作員たちの活動は盛んになった。彼等が動けば動くほどアメリカ各諜報組織はそれぞれ色々な情報を手に入れる。だがCIAは情報過多で盗聴した膨大な量のアラビア語の交信が英語に訳せなかったっり、とった写真の意味を分析する人間がいなかったり、なにかが起きると分かっていても予算不足で動きがとれない。FBIはFBIで、テロをおっていたジョン·オニールが組織内部の勢力争いに破れて辞任。移民局は違法滞在をしていた911テロリストの一人を一旦逮捕はするものの持っていたコンピューターの捜索許可が降りずみすみす証拠を手放す。民間の飛行訓練所の講師らがテロリストたちの態度がおかしいとFBIに連絡をとるが、それが上まで伝わらない。飛行場で関税の役員が怪しげなサウジ人の入国を拒否して送り返すが、このリポートはどこへもいかない。

とにかくあらゆる場所で点が無数に集められていたにもかかわらずこれらの点が結びあって線とならないまま、911が迎えられる。

あれだけ貿易センターのテロリスト追求に躍起になっていたオニール氏は、FBI引退後貿易センターの警備責任者としてあの日もビル内部で働いていて果てる。アメリカ国内でひどいテロが起きるのを防ぐために過去10年近くも働いていた彼にはさぞかし無念だったことだろう。

このドラマのメッセージは明白だ。我々は1993年以来、いやもっと以前からイスラム過激派のジハーディストらと戦争状態にあった。ただ我々は2001年の9月11日まで一部の諜報部員たちを除いて大統領から一般庶民にいたるまで全く気が付いていなかったのである。911は我々の無知と無策と油断のたまものだ。

911は我々には苦い薬だった。だがこの薬が911以後生かされたのかどうかは、保守派とリベラルでは完全んい見解が異なる。だがひとつだけ確かなことは、我々は常にジハーディストたちと戦争状態にあるということを忘れてはならないということだ。敵の目的はただひとつ、我々の世界を破壊しジハーディストの理想の世界を作ることにある。そのためなら彼等は手段を選ばない。そのような敵と戦っているということを我々は常に念頭において行動すべきである。

なぜなら我々が一時でもそれを忘れれば、そのときこそ911事件が繰り返されるからだ。

無策無能だったクリントン大統領が放映阻止をしたがったのも納得がいく。

September 14, 2006, 現時間 06:15 PM | コメント (6) | トラックバック

September 09, 2006

合点いかない米上院の戦前イラク情報全面否定

アメリカ内政 , イラク関係 , 対テロ戦争

私はイラク戦争が始まる前から、イラクには大量破壊兵器はある。フセインはアルカエダと深いつながりがあると主張してきた。だからこのような記事を読むと、絶対にそんなはずはない、何かおかしいと思ってしまう。とにかく先ずは今日の読売新聞から読んでみよう。

米上院報告書、イラク開戦前の機密情報を全面否定

 【ワシントン=貞広貴志】米上院情報特別委員会は8日、イラク戦争の開戦前に米政府が持っていたフセイン政権の大量破壊兵器計画や、国際テロ組織アル・カーイダとの関係についての情報を検証した報告書を発表した。

 報告書は「フセイン政権が(アル・カーイダ指導者)ウサマ・ビンラーディンと関係を築こうとした証拠はない」と断定、大量破壊兵器計画についても、少なくとも1996年以降、存在しなかったと結論付けた。

 ブッシュ政権が2003年当時、中央情報局(CIA)などの情報をもとに挙げた開戦理由がことごとく覆された形で、米軍イラク駐留の是非をめぐる論議にも影響を与えるとみられる。

 報告書によると、今年6月に米軍の攻撃で死亡したヨルダン人テロリスト、アブムサブ・ザルカウィ容疑者が02年5月〜11月にバグダッドに滞在していたことは確認されたが、元大統領フセインは保護するのでなく、逆に所在を突き止め、拘束しようとした形跡があるとしている。さらに、フセインはアル・カーイダを警戒し、幹部との会合を拒否していた事実も確認された。

 イラクの大量破壊兵器計画についても、パウエル国務長官(当時)が国連安全保障理事会で説明した移動式の生物兵器製造施設や、ウラン濃縮用とされたアルミ管の疑惑を全面否定した。

 報告書を受け、民主党のカール・レビン上院議員は「ブッシュ・チェイニー政権の民意を欺く偽計が明るみに出た」と政権批判を強めた。

 これに対し、ホワイトハウスのスノー報道官は「新しい事実は何もない」と静観の構えだが、報告書は、イラク戦争を最大の争点とする11月の中間選挙の論議に一石を投じることになりそうだ。
(2006年9月9日10時53分

読売新聞の記事はだいぶ決定的な書き方をしているが、実際の報告書はそこまで『全面否定』などしていない。ミスター苺が、上院の150ページからなる報告書を午後いっぱいかけて読んだとのいうので、彼の分析を借用させてもらおう。

上院の報告書はまるで木を見て森をみずというもので、一歩下がって全体像を見ようという姿勢が全くない。ザルカーウィとフセインの関係に関する部分はその典型である。

サダム·フセインがアルカエダと特にアンサーアルイスラムのムサブ·ザルカーウィがフセイン政権にとって「脅威」であると考えていたことは確かだ。だがそれはフセインがザルカーウィを取り除こうとしたという意味でもなければ、ザルカーウィを匿っていなかったという意味でもないし、ましてや機能的な協力関係がなかったという意味でもない。

1940年代にアメリカ人の多くが共産主義の脅威を感じながら、ルーズベルト大統領がヨセフスターリンの共産政権と手を結んでヒットラーと敵対するのを支援したではないか。友は近くに敵はもっと近くに保てというように、敵を脅威とおもうことと、敵と同盟を結ぶこととは必ずしも矛盾しないのである。

具体的に話そう。

2005年の10月にCIAが「(イラク)政権はザルカーウィやその仲間の行動を黙認したり、擁護していた事実はない」と報告書を提出したのは事実である。だが、だからブッシュ大統領が戦争をする際に国民や世界に嘘をついていたという結論は理論の飛躍も甚だしいというものだ。

この報告で、CIAは2002年に結論付けていたフセインがザルカーウィの北のクルド地方での存在を黙認していたとの自らの報告を覆すことになる。報告書には2002年10月、フセインはある外国政府から(多分アメリカから)ザルカーウィとその側近の4人を逮捕しアメリカに引き渡すようにと要求されたとある。アメリカからの占領をさけようと必死になっていたフセインはイラク諜報部に書面でアンサーアルイスラムのメンバー5人を逮捕するように命令したとある。

だが実際にこの命令が執行されたという記録はない。これはおそらく書類の命令は単に外国政府へのみせかけであって、口頭では真剣に取り扱うなという命令が同時にされたからであろう。低位の工作員が命令を受けたがこの工作員がアンサーアルイスラムのアジトへ行ったかどうかさえ定かではない。

もしフセインがザルカーウィのグループはイラクにとって危険な存在だと感じ全く関係ももっていなかったのだとして、本当にザルカーウィをとらえたかったなら、なぜイラク諜報部の工作員たちをつかってアンサーアルイスラムに潜入していなかったのだ? このような潜入の話は上院報告書でも取り上げられて入るが、ザルカーウィ捕獲になんらかの役目を果たしたことは全く記されていない。

いや、それをいうなら、どうしてフセインはアンサーアルイスラムに軍隊を送ってザルカーウィ探しにとりくまなかったのだ? もしフセインが本当に彼等を脅威とみていたなら、多少の軍事力を使って自国の民にしたように、皆殺しにするなり追放するなりすればよかったではないか?

後にザルカーウィはイラク東北を去りイランへ渡ったが、イラン滞在後、再びイラクの南へとかえってきた。しかし彼の仲間のひとりであるアブ·ヤシン·サイームがイラク政府によって逮捕された。イラクは彼は確かにザルカーウィと同じくアルカエダのメンバーであると判断した。しかし彼はアメリカに引き渡されることなく釈放された。ヤシン釈放はサダムフセインからの勅令だった。

ここで全体像をみてみよう。フセインの行動はザルカーウィとアンサーアルイスラムの連中を本当に取り除きたいと思っている暴虐な独裁者がする行動というよりも、アメリカからの侵略をさけ、お友達であるおふらんすやロシア、中国といった国々からの手助けで経済制裁を終わらせたいと思っている暴虐な独裁者の行動である。

だからフセインは最初から従われないと分かりきった命令をだして、あたかも忠誠な僕の体を装ったのである。

CIAのこのフセインとアルカエダ関係の見直しは逮捕された一人のイラク諜報部工作員の証言と、アンサーアルイスラム基地にいたアルカエダメンバーの証言だけに頼っている。双方共に互いに協力関係にあったこをを否定しているからだ。

しかし常識的に考えて、この結論には疑問が残る。

  • 下っ端のちんぴらメンバーがイラク諜報部にしろアンサーアルイスラムにしろフセインやザルカーウィの秘密関係を知っているだろうか?いったい仲間の何人がそんな情報持っていたのだろうか。

    ザルカーウィは熱狂的なワハビ派の仲間に世俗主義でワハビ教を禁止した悪魔と手を組んだなどと教えるだろうか。またフセインは諜報部の下っ端将校にそれでなくてもアメリカから戦争の口実として使われている世界一のテロリストと実は協力しているなどと言うだろうか? これは馬鹿げている。その程度の地位の人間は必要なこと以外何も知らされていなかったと考えるべきである。

  • たとえCIAが詰問した囚人のうち何人かが高位の人間だとしてフセインやザルカーウィに十分に信頼されていて情報を持っていたとしてもどうして真実をCIAに白状する必要があるのだ? そんなことをして熱狂的なバース党員やアルカエダのジハーディストに何の得があるというのだ?
  • ほとんどの囚人は事実関係を知らないだろうし、知っていても白状する理由がない。だからCIAがフセインイラクとアルカエダの関係はなかったと結論付ける情報源としては囚人の証言など頼りなさ過ぎる。それよりもフセインが真剣にザルカーウィをとらえようとしなかったことや、ザルカーウィの仲間を一旦はとらえながら釈放したという行動のほうがよっぽども意味を持つ。

    すくなくとも、フセインがザルカーウィらを「黙認」していたことになり、それは「擁護」や「協力」とほとんど同じ意味を持つ。CIAは潔く表にでてブッシュを責めず
    なんとなくやんわりと「ブッシュが嘘をついていた」と暗に示唆しているのである。

    この報告によって新しい情報などひとつも明らかにされていない。フセインとアルカエダの協力関係はあったようだが確たる証拠はないという今までの状態と何の変わりもない。だが、わざわざこうやって選挙前に意味のない報告書を提出することで、CIAがブッシュ大統領と共和党の選挙に悪影響を与えようとした作為は丸見えである。


    September 09, 2006, 現時間 02:46 AM | コメント (0) | トラックバック

    September 07, 2006

    イラク戦争と米共和党

    アメリカ内政 , イラク関係 , 対テロ戦争

    イラク戦争は今度の中間選挙では重要視されそうだ。最近の世論調査ではかなりのアメリカ市民がイラク状況に悲観的な考えをもっているらしい。

    オピニオン・リサーチ社が8月30日─9月2日、成人1004人を対象に実施した調査の結果によると、ブッシュ政権の政策を支持した候補者に投票する可能性が「低い」は55%で、「高い」の40%を上回った...

    また、イラク戦争を「支持する」は39%、「支持しない」は58%。「支持しない」は先月調査の61%からやや低下したものの、イラク問題が共和党不支持の大きな要因であることが浮き彫りになった。

    イラクで勝利する勢力を問う質問では、「米国」が25%、「反政府勢力」が12%となる一方、「なし」が62%と圧倒的多数を占めた。

    イラクのフセイン元大統領が米同時多発テロに直接関与していたと思うかとの質問に対しては、「思う」が43%、「思わない」が52%。イラク戦争と米国が主導する対テロ戦争の関連については、「つながりがある」は45%、「ない」は53%だった。

    CNNの記事ではこの調査はイラク問題が共和党の「あしかせ」となるだろうと分析しているが、イラク問題は共和党候補にとってあしかせにも有力な武器にもなりうる。これはアメリカ国民がイラクの情勢が良くなっていると思うかどうか、そしてイラク戦争と国内のテロ対策とどういう関係があると考えるのかに寄るのである。

    変ないいかたではあるが、これは国民の持つ「印象」であって、事実関係とは必ずしも直接関係ない。

    先ず、イラク情勢は一般国民が感じているほど悪い状態ではない。民主党はブッシュ大統領も共和党議会も全く出口作戦がないと攻める。ブッシュ大統領は最初からイラク政府が独自に治安維持ができるようになれば、連合軍は撤退できるといい続けてきた。イラク戦争が始まる前からブッシュ大統領の出口作戦は大々的に公表されており全くかわっていないのだ。もしこの期に及んで民主党がブッシュ大統領の出口作戦が理解できないというなら、いったい今までどこで油売ってたんだといいたくなる。

    バグダッド地域を抜かせばイラクのほとんどの地域は比較的平穏である。そしてイラクでは少しづつではあるが区域ごとにイラク警備軍がアメリカ軍および連合軍から警備責任の引き渡しを受けてきているのである。

    つい昨日もイラクの海軍と空軍の一部が連合軍から警備責任を引き渡しを受けた。これは8月のカークック地域にアメリカ軍から、7月のDhi Qar地域にイギリス軍からの引き渡しなどに続いて4つ目の引き渡しである。

    連合軍によるイラク軍の訓練はゆっくりではあるが着々と進んでいる。いまやイラク軍は戦闘能力や武器装備の面でいえばアラブでは最強の部隊となった。今は兵えん(戦時の作戦を遂行するための軍需品の確保、管理、補給、表員の輸送、衛生、糧食などの供給)の訓練に力が入れられている。

    問題はこうした事実が大きく取り上げられず、イラクでアメリカ兵が戦死したとか、自爆テロでイラク人が何十人も死んだとか、悲劇的な話ばかりが報道されるので、イラクでは内乱状態になっているのではないかという印象をうけてしまうのだ。

    しかし主流メディアが民主党の選挙運動団であることは周知の事実であり、それに苦情をいっているだけでは共和党はこの選挙に勝つことはできない。ブッシュ政権にしても共和党議会にしても彼等の一番の落ち度は現状を国民に分かりやすく説明しないことにある。反対派の協力なキャンペーンと対抗するためにはこちら側ももっと積極的なアピールが必要である。

    ここ数日のブッシュ大統領による一連の演説は国民にブッシュ政権がどのようにテロに取り組んでいるか、アメリカの安全を守るためにどれだけ努力をしているか具体的に説明するという非常に意味のあるものである。ブッシュ大統領だけでなく、共和党候補者たちはなぜイラク戦争が大切なのか投票者に分かりやすく説明すべきだ。戦争が不人気だからといって戦争やブッシュ大統領から距離をおくような選挙運動をしたらかえって信念がないようにみえて逆効果である。

    自分らの意見に責任をもって国民を説得してほしい。

    September 07, 2006, 現時間 05:46 PM | コメント (1) | トラックバック

    September 04, 2006

    オサマビンラデンを何度も取り逃がしたクリントン前大統領

    アメリカ内政 , イラク関係 , 対テロ戦争

    911の記念日が近付き、アメリカのテレビ局ではいくつか特別番組が予定されているが、ABC局作成のThe Path To 9/11(911への道)という番組が保守派とリベラル派との間で結構話題を読んでいるようだ。(保守思想のマイクさん紹介)

    特にこの番組のなかで、アメリカのCIAがビンラデンの隠れがを囲んでいながら、クリントン大統領から突撃命令が出なかったため、せっかくのビンラデン逮捕作戦がおシャンになってしまった話や、CIAが911事件の犯人の名前を事前に知っていながらFBIと情報交換をしていなかったことからテロが防げなかったことなど、クリントン大統領のテロ対策への優柔不断ぶりが描写されているという。まずは保守派Frongpagemagより。

    まず最初にいわせてもらいたいのは、「911への道」は私がこれまでみたテレビ番組のなかで、最高のひとつであり、もっともインテリで、もっとも親アメリカのミニシリーズだ。保守派はこの番組を支持しできる限り積極的に宣伝すべきだ。

    この番組ではハリウッド製作では初めて正直にクリントン政権がどれだけビンラデンの捕獲を何度もしくじったかが描かれている。特にある場面ではCIAと北同盟のがアフガニスタンのビンラデンの家を囲んでいる。ビンラデン捕獲まであと一歩というところまできていた。だが、攻撃にはクリントン大統領からの最終命令が必要だった。彼等はクリントンに電話をしたが、クリントンのシニアスタッフはもしも作戦が失敗して一般市民の犠牲がでて政治的に不評を得るのを恐れ、ビンラデン捕獲を許可しなかった。 国家防衛アドバイザーのサンディー·バーガー はチームがビンラデンを捕まえたければ許可なくして独自にやれと告げた。そうすれば何かあってもチームの責任となり、バーガーの責任は問われない。驚いたアフガニスタン現場のCIA工作員はそれが政権の本心なのかと何度も質問した。バーガーは答えを拒否し最後には電話をきってしまった。CIAチームと北同盟はビンラデン捕獲まであと一歩というところで作戦をあきらめなければならなかった。ビンラデンとアルカエダはこの数日後タンザニアとケニアのアメリカ大使館を爆破、女子供を含む225人以上を殺害し、4000人以上にけがをおわせた。

    この話はクリントン時代の無責任さと不能さを完璧に物語る例である。

    これに関して左翼のブログ、デイリーコスの反応はといえば、、

    俺たちはこれが単なる牛の糞(でたらめ)だってことをしってる。だがABCはこのプロパガンダを報道する。そしてこの2週間宣伝に躍起になるに違いない。

    企業メディアに立ち向かって不利な活動するってすばらしいじゃないか? 嗚呼...民主主義!

    誰が民主主義にとって最高の脅威なのか? テロリストそれともメディア連中?

    自分らの主張がメディアに支えられている時はどんなでたらめ報道でもなにも言わないくせに、ちょっとでも自分らと反対意見が取り上げられるとヒステリーをおこすのだからしょうがない。自分らの言論の自由は保証されなければならないが反対派の意見は報道されるべきではないというのか? たいした民主主義だな。

    我々保守派がいつも左翼メディアの偏向報道にどれだけ苛立ちを覚えているか、たまには左翼連中も思い知るがいい。

    デイリーコスがリンクしているDemocratic Undergroundでウィリアム·ピット氏が(WilliamPitt)クリントン政権がどれだけ積極的にテロ対策をとってきたかということをまとめている。

    1995年にはじまってクリントンがテロリズムにたいしてとった行動はアメリカの歴史上前代未聞であった。彼は何億という金額を対テロ行動のため諜報部全体に注ぎ込んだのである...

    アメリカ国内では、このことを知った人々は少ない。クリントンの切羽詰まったテロ脅威の警告、クリントンによ秘密でもない大掛かりな作戦によってテロを防いだことなど、全くメディアによって報道されなかった。メディアはしみのついたドレスや、根拠のない麻薬使用のうわさ話で大忙しだったからである。

    クリントン政権が実際にビンラデンのテロ組織にたいして軍事行動をしたときも、メディアと議会は「犬を振る」作戦(無関係な話題をつくって本題から目をそらさせようとする行動)といって取り上げなかった.現にあるテレビ局などは映画の "Wag The Dog" (犬を振る)の場面の一部を報道しクリントン政権のすることはすべて偽物であるという印象を強調した。

    クリントン時代を生きてきた経験のある私には当時、クリントンがCIA局長との面接を何度も拒否したことや、イラクへの査察団からイラク政府の妨害で査察がうまくいかないという苦情がでているにも関わらずなにもしなかったこと、スダンからビンラデンの身柄引き渡しをオファーされたのに拒絶したこと、たまに全く無意味な空爆をしてらくだの尻をふっ飛ばす程度のことしかしていなかったことなど、さほど遠くない記憶としてちゃんとおぼえている。当時からクリントン政権へのテロへの無関心さ、もしくは不能さは悪名高かったのである。

    ピット氏は特にスダンの製薬工場爆破の一件について、化学兵器に使われる薬品が発見されたにも関わらず、メディアをはじめ議会からも意味のないパフォーマンスだと非難されたことを語っている。 だが、ピット氏が無視している大事な点は、クリントンがこのような派手な攻撃をする時は、決まってセクハラ事件の聴講の日であったりとか、何か別のスキャンダルでクリントンの評判が落ちている時と一致していたのである。

    クリントンのスキャンダルは共和党やメディアが作り出したものではなく、クリントン自身が作り出したものだ。選挙前に人格は関係ないといっていたクリントン支持者たちだが、彼が後から後から犯した個人的な失態により、彼の政権がまじめにとりあつかってもらえなかったのだとしたら、それは一重に彼の人格失格の結果ではないか。

    それにもしピット氏のいうとおり、クリントンがテロ対策に力を入れて大金を注ぎ込んでいたのだとしても、それならなおさらクリントン時代に起きた度重なるアメリカ人へのテロ攻撃は、クリントンの政策がどれほど不能であったかを物語る。ブッシュ大統領の対テロ作戦によって、戦場以外の土地では、911以後アメリカ人へのテロ行為は全く起きていない。

    とにかくこの番組は楽しみである。

    September 04, 2006, 現時間 04:44 PM | コメント (0) | トラックバック

    September 03, 2006

    イラクアルカエダのナンバー2逮捕される

    イラク関係 , 対テロ戦争

    シーア派イラク人にとって非常に大切なサマラの聖廟を爆破し現在おきている宗派争いに拍車をかけた。そのアルカエダのナンバー2といわれる男がイラク政府によって逮捕されていたことがあきらかにされた。

    【カイロ支局】イラクのルバイエ国家安全保障顧問は3日、テロ組織「イラクの聖戦アルカイダ組織」のナンバー2とされるハミド・サイディ(アブ・フマム)容疑者を逮捕したと発表した。AP通信が伝えた。数日前に逮捕したというが、場所は明らかにしていない。
     同容疑者は今年6月にイラク駐留米軍が殺害したザルカウィ容疑者の後継者アブアイユーブ・マスリ幹部の副官。今年2月、イラク中部サマラで起きたイスラム教シーア派聖廟(せいびょう)爆破事件に直接関与したという。イラクでは同事件をきっかけにシーア派とスンニ派の宗派間抗争が激化した。毎日新聞

    September 03, 2006, 現時間 01:49 PM | コメント (0) | トラックバック

    September 02, 2006

    イラク状況のそんなに悪くない実態

    イラク関係

    イラクからのニュースというのは、アメリカの主流メディアはまあ良いニュースを報道しない。最初の頃はアメリカ兵が殺される度にうれしそうに死体の数を数えるような報道が目立った。アメリカ兵および連合軍の犠牲者が減ってくると今度はアメリカ兵によるスキャンダルの注目。このあいだラムフェルド防衛長官が文句をいっていたが、アメリカではふしだらな行為をしたアルグレーブの犯罪者の名前のほうが勲章をもらった英雄の名前よりも有名だというのははなはだ嘆かわしい状態だ。

    最近のニュースはといえば、イラクでの宗派間の争いで、毎日のように自爆テロがイラク人を大量に殺し、7月などは一日100人以上のイラク市民がテロの犠牲として果てた。アメリカ軍はアルカエダなどの外国人テロリストやスンニ抵抗軍による攻撃はほぼ鎮圧することができたが、イランの後押しのあるシーア派のモクタダ·アル·サドルの率いるマフディ民兵軍と、スンニ派との内輪もめはアルカエダの攻撃よりもイラク市民にとっては危険なものとなった。

    昨日発表された米国国務省のイラク情勢に関する報告書でも、最近とみに激しくなった宗派間争いの状況が記されている。

    【ワシントン=貞広貴志】米国防総省は1日、今年8月中旬までのイラク情勢についてまとめた四半期ごとの報告書を作成し、連邦議会に提出した。

     治安情勢の悪化でバグダッドを中心にイラク市民が犠牲になるケースが急増しており、前期に比べ死傷者数で51%増、テロの件数でも15%の増加を記録した。

     報告書は、「暴力の水準と質における事態の悪化は、イラク復興などあらゆる分野に影響を及ぼしている」とした上で、「イラクが内戦にいたる条件は存在する」との悲観的な見方を示した。

     テロが横行する要因として報告書は、イスラム教スンニ派を中心とする国際テロ組織「アル・カーイダ」と、シーア派強硬指導者ムクタダ・サドル師の民兵組織「マフディ軍」との間で、市民を巻き込んだ報復合戦の様相を呈していることを指摘。7月にバグダッドの検視官事務所に運び込まれた1800の遺体のうち、90%までが処刑と見られる死因だったとしている。読売新聞) - 9月2日11時50分更新

    これだけ読んでいるとどうもイラク情勢は悲劇的だ、いますぐアメリカ軍を撤退させよという民主党の「切り捨て遁走」論が人気を得そうだが、実際はそんなに悲観するほどの惨状ではない。

    まず報告書の期間はマリキ氏がイラク首相に就任した5月末から8月11までとなっており、その後イラクでは暴力が激減した期間の事情が含まれていない。また、主流メディアは報告書に書かれているイラクの良い状況については全く報道していない。

    ペンタゴンのウェッブページを参考に、主流メディアが無視した良い点をいくつかあげてみよう。

    この時期にイラク政府は内閣の地位をすべて埋めた。またイラク政府は一般国民からの支持を得、新しいイラク軍と他のイラク警察を含む警備軍がイラク警備の指令と統制の役割をよく果たしていること。 イラク経済も好転している。去年のGDP成長率は4%だった。

    石油輸出も増加。電力の普及も向上。水の浄化、下水設備なども作動している。また国中のインフラも迅速に蘇っている。イラク戦争からの損害からだけでなく、何十年にもわたるフセイン政権下で崩壊したインフラも着々と再建されている。

    ただ一つ問題なのは治安である。むろんこれが一番やっかな問題なわけだが、それにしてもイラク人自身が対応にしっかり取り組んでいる。ペンタゴンの報告書にもどろう。

    イラク人によるイラク人への暴力、特にバグダッド周辺、は増加している。しかしほとんどの暴力は18府あるうちの4府で起きている。後の14府は比較的平穏である。そのうちのひとつムサナ府では連合軍は全く配置されていない。

    イラク軍の訓練と軍備は予定どおりに進んでいる。27万8千人のイラク警部兵がイラク軍、中央警察、地方警察として訓練を受け軍備を整えた。これは前期5月末の報告書よりも1万4千人の増加である。

    さらにイラク軍がこれらの地域の指揮をとっているため連合軍は援助としての役割を果たすことができるようになった。現在イラクの5つの師団、25の旅団、そして85の部隊がこれらの地域の指揮にあたっている。これは前期の報告書より32%の増加である。

    連合軍の訓練者たちは戦闘後方援助、医療、支給、修理などといった戦闘員援助への訓練に焦点をあてている。これはイラク軍が独立して任務につくことができるためである。また長期にわたって責任をはたすことになる内政省と防衛省の能力向上にも焦点があてられている。

    連合軍の作戦はうまくいっているのである。この最新の報告書直後のイラクでは一般市民の犠牲者が劇的に減っているのである。主流メディアはなかなか認めようとしないが、それでもこんな記事をみつけることができる。
    ロイターより、 訳:カカシ)

    イラク死者数減少、新しい大量殺人にも関わらず

    2006年9月1日 アラスター·マクドナルド記者

    今週にバグダッドにおいて70人もの犠牲者をだした一連の爆発にもかかわらず、暴力的なイラク市民の死亡率は先月末までの今期、統計的に減少している。

    保険省の統計をもとに、イラク内省によって公開されたこの小計は、まだ毎日何十人という死者が出ているとはいえ、アメリカ軍による首都での厳しい取り締まりが成果を見せているという自信を裏付けるものといえる。

    また同記事によれば、アルカエダの勢力もザルカーウィ亡き後かなり弱体しているとある。だが問題はイラクで内乱が起きるという懸念がどれだけ現実的なものなのかということだろう。しかしそれについても報告書に関する別の記事でロイターはしぶしぶその危険性が少ないことを認めている。

    同報告書には「イラクにおいて内乱に結びつく状況は存在する」とありイラク市民の間でも内乱への心配が増加していると書かれている。

    「しかしながら現在の暴力は内乱ではない。さらに内乱に結びつく動きは防ぐことが出来る」と報告書は加える。報告書では2003年3月に米軍の率いる連合軍がフセイン政権を倒した侵攻以来一番複雑な治安状況いなっていると述べている。

    またペンタゴンの記事でもあるように、イラク政府がきちんと機能しているということ事態、内乱など起きていないということの証明である。

    イラク状況をまとめてみると、、

    * バグダッドにおいて宗派間の暴力が激増している --

    * しかし内乱といえるほどひどくはない --

    * そしてアルカエダ弱体によるテロ戦争が崩壊したことによって解決に向かっている --

    * この状況は新政府設立によってはじまった...

    * しかし大掛かりな連合軍とイラク軍の最近の攻撃によって暴力はおさまりつつある--

    * これはここ数日のスンニ派によるいくつかの大きな攻撃を考慮にいれてもなのである。

    というわけだから、悲劇的な新聞の見出しだけみて、イラクの状況が絶望的であるなどと判断すべきではない。確かにイラクは難かしい状況におかれている。だが決して最悪な状況ではないし、イラク軍の力は日に日に強化されており、辛抱強く努力を続ければイラクは必ずや平穏化するであろう。

    我々庶民も、連合軍とイラク軍の活躍を辛抱強く見守ろうではないか。

    参考ブログ記事
    That (Not So) Gloomy Pentagon Report

    September 02, 2006, 現時間 04:10 PM | コメント (0) | トラックバック

    August 24, 2006

    米軍海兵隊志願者は本当に足りないのか?

    イラク関係 , 対テロ戦争

    昨日ラジオで米軍海兵隊の予備兵2500人が呼び戻されるという話をきいた。無論ワシントンポストはこれを、戦争への支持が大幅に減って若い男女が戦争へいく可能性の一番高い海兵隊へ志願する人間が極端に減っているせいだと解釈している。

    軍隊が若い男女を集められないことや、一般市民がイラク戦争を大幅に拒絶していることで、やっとアメリカは本当の変化を促すかもしれない。

    59000人いる海兵隊の予備兵のなかから、そのごく一部にあたる2500人が呼び戻されたのは予備軍から募ったイラク出動への志願兵の数が十分に集まらなかったからであって、海兵隊自体への入隊志願兵が減っているという理由ではないのだ。このへんのことをワシントンポストは完全に誤解しているのである。

    海兵隊の公式発表によると正規軍新規志願兵の数は過去13か月にわたってどの軍もずっと目標数を達成しているか目標数をこえているかしている。しかも志願兵のレベルも高く、皆高卒で、軍人適応試験(Armed Services Vocational Aptitude Battery test)において全員50%以上の点数をとっているという。

    特に戦場へ行く可能性が一番高い陸軍と海兵隊では6月の志願率は102%と105%と目標数を上回った。また海兵隊予備軍への志願兵も目標を1%上回った。

    つまり、海兵隊員になりたい若者は十分足りているのである。

    足りないのは戦闘経験のある兵士でまた自主的にイラクへ出動すると志願した人の数なのである。戦争が長引くにつれ、すでに海兵隊員のほとんどがイラクへ二度三度と出動している。戦争がはじまって三年間に三回も出動となると一年のうち半年はイラクにいっていることになり、これでは本人も家族も大変だ。そこでなんとかこのローテーションで本国にいる時間をのばすために、ローテーションに加わる人間の数を増やそうというのが今回の予備軍呼び戻しの意図である。

    たしかにアメリカ軍の規模が小さく、昔のようにみっつの戦争を同時にできる軍隊というわけにはいかなくなった。ということは現在存在する軍人の間ですべてまかなわねばならないという難かしさが生じる。だが軍隊の規模を拡大するしないは防衛費の問題であって、志願兵が足りる足りないという問題ではない。ましてイラク戦争が国民の間で人気があるとかないとかいうこととは全く関係がないのである。

    アメリカの主流メディアはなんとかイラク戦争を勝ち戦から負け戦に持っていきたいようだ。それでこういう意味のないことで軍隊を批判する。だがイラクで軍人の数が足りないとは報道しても、軍隊が小さすぎからもっと防衛予算を増やして軍を拡大せよなどとは死んでもいわない。

    彼等の本心は反アメリカ軍。それだけなのだ。

    August 24, 2006, 現時間 06:27 PM | コメント (0) | トラックバック

    July 23, 2006

    米軍バグダッド安定に武力強化

    イラク関係

    レバノンの戦争に気を取られている間に、イラクではかなりひどい暴力の連鎖が続いている。イラクアルカイダのザルカーウィが死んで、これでやっとイラクにも平穏が訪れると思いきや今度はシーア派でイランの飼い犬モクタダ·アル·サドル率いるマフディ軍がスンニ派の市民をやたらめったらに殺しはじめた。それでスンニの抵抗軍やアルカイダのテロリスト残党たちはアメリカ軍ではなくシーア派にその攻撃の的をうつし、自爆テロや自動車爆弾テロでシーア派を殺している。7月22日付けニューヨークタイムスの記事より。(訳:カカシ)

    「バグダッドにおける宗派間での暴力は非常に深刻です。」アメリカ軍中央司令部長官ジョンP·アビゼイド陸軍将軍は金曜日のインタビューで語った。「この国は抵抗軍のほうが宗派争いより容易に片付けられます。宗派間の争いはもっと断固とした処置が必要です。」

    アメリカ軍当局はバグダッドの警備を最優先とし、バグダッドの治安安定を第一目的として作戦をすすめている。特にアメリカ軍の標的はサドルシティに巣食うサドルの民兵たちである。以下AFPより。 (訳:カカシ)

    アメリカ/イラク連合軍によって先日行われ、9人の民兵が殺されたシーア派地区への手入れが、「シーアのザルカーウィ」と呼ばれる男が標的だったと、サドルシティそしてインターネット掲示板で評判になっている。去る金曜日の夜、サドルシティのまちはずれで米軍の手入れによって逮捕された匿名の「抵抗軍の幹部』という男が、シーア民兵のアブデラーと呼ばれる男ではないかという話がでている。

    最近のバグダッドにおける暴力はマフディ軍によるもののほうがアルカイダやスンニ抵抗軍よりひどいといわれている。22日の土曜日にもアメリカ軍はサドルシティーでシーア派の民兵軍と衝突し14人の民兵を殺している。7月23日AP記事によるとこの戦いで2人の人質が解放された。また、同記事によればイギリス軍が先週マフディ軍幹部を逮捕したともある。この人質とは誰なのかというと、ロイターの記事に詳細が乗っている。(訳:カカシ)

    モクタダアルサドルひきいるマフディ軍を代表する政党の国会議員は、日曜日ムサヤブの戦いで殺された14人はサドルの手下であったと発表した。

    バハアルアラジ氏はまたサドル派も所属しているマリキ首相の政府にたいし、スンニのテロリストをかくまっていると責め、自分らの派の要求が無視された場合には暴力も辞さないと警告した...

    公式発表としては珍しくサドル民兵たちは自分らの手で法を施行すると断言、アラジ氏は49人の「テロリスト」をムサヤブ付近のマフムディアで逮捕したと語った。しかしこれらの人々は土曜日の米軍との戦闘ですべて解放され、10人のサドル兵士が死亡した。

    どうもいろいろなことがいっぺんにおきているため、何がなんだかかなり混乱するのだが、要するにアメリカ軍とイラク軍の連合軍はバグダッドにおいて、サドル率いるマフディ軍への掃蕩に力を入れはじめたということだ。イラクの平和を乱すものはスンニであれシーアであれ許さないというのがアメリカの姿勢だからである。

    サドルの白豚が2004年に抵抗軍を立ち上げた時、私はこいつは今のうちに殺しておかなければあとで問題になるとはなしていたものである。やはり思った通りこいつは悪いニュースだった。今回は徹底的にマフディ軍を壊滅し、サドルは処刑すべきである。

    しかしどうやらサドル軍との衝突で味方の犠牲者はイラク兵ひとりということなので、1:14というこの調子でマフディ軍退治にがんばってもらえば、マフディ軍全滅も早期に望めることだろう。イラク軍とアメリカ軍の健闘を祈る。

    July 23, 2006, 現時間 10:04 PM | コメント (0) | トラックバック

    July 12, 2006

    置き換えられた人権擁護: アルカイダの米兵遺体冒涜に思う

    イラク関係

    アルカイダのテロリストたちはこの間拉致して拷問殺害したアメリカ兵の遺体を冒涜しているシーンをビデオに撮って公開した。(注:このビデオへのリンクではないのでご安心を)

    バグダッド(CNN) イラク中部ユスフィヤで武装勢力に拉致され、殺害された米兵2人の遺体とみられる映像が10日、イスラム系ウエブサイトに掲載された。また映像に伴って、中部マハムディヤで米兵がイラク人女性に暴行を加え、家族ら4人とともに殺害したとされる事件との関連を示唆する声明が出された。

    声明は「2人の米兵と同じ部隊の兵士に同胞女性が辱められたことへの報復として、このビデオを公開する」と述べている。

    このビデオがアメリカ兵らによるイラク家族4人殺害疑惑(真実かどうかかなり疑わしい)と関係があるなどというアルカイダのプロパガンダを信じるひとなどいないだろう。アルカイダはイラク戦争の前からアメリカ人ジャーナリストを拉致して斬首したビデオを公開した過去がある。イラク戦争中も日本人の若者、香田さんを含み何人もの無抵抗な非戦闘員の首をかっ切るなど残虐な所行をビデオに撮って公開してきた。同じイスラム教徒であるシーア派の人々を拉致しては拷問虐殺し続けているアルカイダ。そんな奴らがイラク女性が一人二人強姦されたからといって気にしたりするものか。これは明らかに文明諸国の反戦派を狙った宣伝行為だ。

    アルカイダの連中がこういう行為にでることは特に不思議でもなんでもない。野蛮なテロリストが野蛮行為をしたからといっても別に今さら騒ぎ立てるほどのことでもないだろう。だが問題はこのようなニュースを取り扱うメディアや、自称人権保護団体の反応だ。

    アメリカ兵やアメリカ政府がやったとされる行為は、まるで鷹の目のように鋭い目で監視する彼等は、テロリストの悪行にはあまり関心がない。キューバのゴンタナモ収容所での囚人への扱いが人権迫害だのジニーバ条約に違反するなどと大騒ぎする割には、ジニーバなんてどこにあるかも知らないようなテロリストが女子供もかまわず虐殺し、拉致した戦闘員を拷問の上虐待して遺体を冒涜するような行為にでてもアムネスティーインターナショナルがこれはジニーバ協定に反するなどと抗議することはない。それどころかCNNの記事など詳細がはっきりしていない米兵による『悪行』と結び付けることによってテロリストの行為と米兵との疑惑を同率に並べている。

    アルグレーブで米兵の看守らによる囚人への嫌がらせが大々的に問題になったとき、私は同僚とその話をしたことがある。同僚は米兵のやっていることを「虐待だ」といって強く批難していたが、私は囚人を裸にひんむいて写真を撮ったり犬をしかけるふりをしておどかした程度のことを「虐待」などと呼んで騒ぐのは行き過ぎだと反論した。なにしろアルグレーブの囚人たちはアメリカ兵を路肩爆弾でふっ飛ばしたり、イラク市民を自動車爆弾で大量殺害しているようなテロリストのあつまりだ。そんな奴らが多少看守からセクハラを受けた程度で騒ぐほどのことはない、というのが私の意見だった。

    誤解のないようにいっておくが、たとえテロリストといえども、アメリカ兵が囚人を不必要に虐待しても良いなどと私は考えていない。アルグレーブのけしからん看守どもが軍法会議の末禁固刑数年の罰をうけることになったのも、監視役の准将が不名誉の除隊をよぎなくされたのも政党な罰だと考える。

    どんなやり方をしても勝てばいいとおもっているテロリストらにしてみれば、西側諸国のこうした反応はきっと理解できないとおもう。そして我々が考える人権とか道徳というものを我々の弱さだと考えることだろう。さもあらん。彼等が侵略者の立場なら非戦闘員も抵抗軍も無差別に徹底的に虐待しているだろう。イラクの人々ももしアメリカ兵に本当に虐待を受けたとしてもアメリカメディアが騒がなければ特に驚かなかったろうと思う。

    私も英米や連合軍は片腕を後ろ手に縛られて戦争をしているような気がしてならない。皮肉なのはアメリカほど敵や非戦闘員の人権を尊重している国はほかにないだろうに、アメリカが一番責められているということだ。敵側がプロパガンダを利用して我々を責めるのは納得がいくが、どうしてアメリカのメディアや西側の市民団体が我々を目の仇にするのか不思議でし