January 1, 2007

今度こそサドルを退治せよ! イラクブロガーは語る

イラク人のファディール三兄弟が始めたイラク・ザ・モデルというブログがある。スンニ派でありながら親米で、アメリカではずいぶんと有名になり、三兄弟のうち二人がアメリカに来てブッシュ大統領と対面するなど結構人気者である。モハメッド、オマー、アリの三兄弟はそれぞれ歯医者と医者で、そのうちの一人は日本自衛隊が駐留していたサマワの診療時に出張勤務していたこともあり、日本軍のおかげで水がきれいになったと感謝の意をブログで評していたこともある。(最年長のアリは後にこのブログから独立して自分だけでブログをはじめたが、今は更新してない模様)

その三兄弟のうちの一人、オマー君がウォールストリートジャーナルに記事を書いているので紹介したい。(Hat tip Mike Ross)

オマーは、イラクの紛争状態を解決するには政治上と軍事上の解決手段が必要だとし、なぜ政治上の解決がこうも難航しているのかを分析する。オマーにいわせると、イラクの一部の政治家は自分らが政治家になった時支持してくれた過激派勢力とのしがらみでがんじがらめにされているため、思うように正しい方向へ進めないのだという。言ってみれば、イラクはこうした宗派勢力の人質になっているというわけだ。

私が言わんとすることは現時点での軍事作戦はこれまで米軍とイラク軍がしてきたような一遍とおりの軍事作戦をやっていたのでは駄目だということだ。

新しい軍事作戦は政治家たちが過激派に脅迫を使わずに友好的に交渉して同意に到達できる状態をつくりあげる要素をとりいれるべきである。

であるからさらに兵が加えられるのだとしたら、その任務にはノーリ・アル・マリキやタリーク・アル・ハシミ(それぞれダワ、イスラミック党)といった政治家と政党を縛り付けているモクタダ・アル・サドルや一部の危険なスンニ政治体の紐からといてやることが含まれなければならない。

今がまさにその時である。おそらく最適な時なのではないか。なにしろすでに過激派勢力に反論しようとする大きな動きが設立されつつあるのだから。

そしてオマーは、「前進への道」を達成するためにはマリキおよび彼の政党をサドル勢力から守ってやると約束するか、この際だからサドル派を一斉退治するかして、彼等をサドルの手中から解放してやるべきだという。だが、マリキを説得するやり方は全く効果をあげていない。となれば、イラクの安定に最大の障害物となっているサドルを取り除く以外に前へ進む道はない。

しかしイラクの民兵は分散しており、どれもがサドルの配下にあるというわけではない。サドル派を退治しただけでは民兵の暴力を完全に取り除くことはできないという見方もある。だがこれはかえって都合がいいのだとオマーは言う。彼等はサドルに忠誠心を持っているわけではないから、サドルのために戦うということもしないだろう。

多くの民兵軍が経営していけるのは、中央リーダーからの資金が物を言っている。民兵の最大の武器はなんといってもお金と恐喝である。彼等が地元民の協力を得られるのは地元への物的な援助と脅しがあるからだ。失業率の高いイラクでは民兵軍に参加すればものが食べられる、乱暴して威張っていられると思って参加している若者が多いはず。理想や信念で参加した人はごくわずかだろうとオマーは語る。であるから中央のリーダーシップが崩れればおのずと地方の民兵軍もくずれるというのである。アメリカ軍とイラク軍はこの少数の過激派とイラクに居るイラン人やヒズボラを対象に戦って取り除けばいいのだ。

我々は共にイラクの安定と治安維持に最も脅威を及ぼすとされたアルカエダの勢力を減衰させることができた。今度は共にサドルとその一派の暴力団に同じことをしてやることができる。我々は問題も理解できている、診断もした。いまこそ治療の時である。

2004年の4月と8月にサドルがまるでザルカーウィのファルージャ紛争とうちあわせたかのように奮起したナジャフでの戦いの時、ファディール兄弟はサドルは今のうちに退治しておくべきだと何度も書いていた。私も当時トピ首をしていた某掲示板で毎日のようにサドルが退治されるのを今か今かと待ち望む意をあらわしていた。

当時はシーア派の大教祖シスタニ師がサドル個人を嫌いながら、それでもシーアは一致団結していなければならないと頑固にがんばったため、サドルを殺すことができなかった。今もまた同じシスタニがサドル退治の障害になっている。2年半前に、いや、もっと前2003年にサドルが反米新聞を経営したいた時点でアメリカはサドルを拘束するなり殺すなりしておいたら、今になってこのような大問題にならずにすんだのである。

今回もシスタニ師や他の聖職者らに遠慮してサドル退治を怠れば、イラクの安定化は全く望めない。アメリカ軍が一時的にイラク人に嫌われてもそれはかまわない。多くのイラク人がサダム時代を懐かしむような状態ではせっかくのフセイン処刑が意味をなくす。ここは断固としてサドル派民兵を完全退治すべきである。我々の無行動が今回の問題を起こしたのだ。同じ間違いを繰り返すのはやめよう。

January 1, 2007, 現時間 1:52 PM

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