December 29, 2006

サドルの挑戦、受けて立とうじゃないの!

English version of this story can be found here.

モクタダ・アル・サダル派の連中は激怒している。なぜかというとアメリカ軍がサドルの片腕をぶっ殺した からである。殺されたサドルの幹部はアメリカ軍のいうところの「路肩改良爆弾の製造者」で10月に警察署長を殺したとされる容疑者だった。

マフディ軍は殺されたサヘブ・アル・アミリ(Saheb al-Amiri)はマフディ軍のメンバーではなかったとしながら、彼の死を報復すると息巻いているのだから訳がわからない。ロイターなどはマフディ軍の脅迫を真に受けてはアメリカ軍がマフディ軍の爆弾製造者を殺すのは危険だなどと警告している。まったくロイターときた日には我々にアメリカ軍の公表よりサドルのプロパガンダを信じろといいたいらしい。

シーア聖職者上層部でアメリカ軍に対抗するサドルの民兵2004人が待機するナジャフ。サドルはバグダッドにも勢力の基点がある。

サドルのマフディ軍による再度のアメリカ軍対抗紛争はアメリカ軍にとって非常な頭痛の種となるだろう。 国中に散らばる13万5千からなる(マフディ軍のメンバーは)シーア対スンニの争いを握っている。

だがこれは本当だろうか? 本当にこれは我々にとって「頭痛の種」だろうか? いや、これはむしろ我々にとってこの上なく好都合な出来事なのではないだろうか。何しろ相手がこっちに報復すると豪語しているのだからこちらからマリキ首相のお伺いなどたてずにマフディ軍を蹴散らす絶好の機会となるからだ。

もし、サドルが勇敢なる麻薬漬けマフディ軍に命令してアメリカ軍を攻めたならば、ナジャフの戦い三度目の正直で今度こそ奴らがアラーと面会する夢を実現させることができる。マリキ首相はとっくの昔にサドルとの親密な関係で公平な判断などできなくなっている。そんなマリキはすでにナジャフを占領してイラク政府なんぞ屁でもないといってるマフディ軍をアメリカ軍に無視しろなどと言える立場ではない。特にシーア派最大の政党SCIRIがマリキがサドルの、ひいてはイランの言いなりになっているとしてマリキ首相の辞任を強く要請 してるような状態を考えれば、まず無理である。

議会に30議席を持ち6つの省の大臣を持つサドル派はマリキ首相がブッシュと先月会見して以来マリキ政権をボイコットしている。
マリキ首相にできることといったら、サドルとその男たちが陽炎のような存在となるのを黙って見守ることくらいしかない。

こうしてみると、我々の立場は11月の時よりかなり向上しているといえる。


  • もっとも暴力的で破壊的なシーア民兵の勢力を著しく弱めることができる。
  • マリキのパトロンを傷つけることで彼自身に大打撃をあたえることができ、彼を政権から追放しやすくなる。
  • サドルを殺すことでイランに大きな損害を与えることができる。

残念なことに、すべてのプレーヤーが同じことを考えているだろうから、サドルがアメリカ軍やイラク軍を攻めてこちらから反撃する口実をやすやすと与えるとは思えない。しかしポーカーに例えるならば数カ月前に比べてアメリカの手中にあるカードはかなり良くなってきているといえる。

我々のもともとのカードは決して悪かったわけではないが、アメリカ軍はまたまた良いカードを拾ったといえる。アメリカ軍がイラクで大勝利する可能性はここ数日で急上昇したといえる。

December 29, 2006, 現時間 4:46 AM

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下記投稿者名: MikeRossTky

サドルを撲滅すべきだとIraq The Modelが記事をOpinion Journalに投稿しています。

http://www.opinionjournal.com/federation/feature/?id=110009434

MikeRossTky

上記投稿者名: MikeRossTky Author Profile Page 日付 December 29, 2006 10:17 PM

下記投稿者名: Sachi

マイクさん、

情報ありがとうございます。今おせち料理の最中なんで時間が空き次第感想を書きます。

上記投稿者名: Sachi Author Profile Page 日付 December 30, 2006 12:37 AM

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