February 26, 2007

シーア派への連続爆弾攻撃はサドルの仕業? まさかね

The English version of this entry can be read here.

今日はミスター苺のエントリーをそのまま紹介しよう。以下Big Lizards.net/blogより。

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ちょっとここ数日偶然にしては出来過ぎている事件がいくつも起きているので、ここでちょっと気になる点をあげてみた。

  1. モクタダ・サドルがイラク作戦変更と同時にイランへ遁走。
  2. サドルはマフディ愚連隊の仲間たちにもすみやかにイランへ避難しろと命令。あっと言う間にマフディ軍の姿はイラクから消えてしまった。
  3. 安全な場所からサドルはイラクに残っているマフディ軍のメンバーにほとぼりがさめるまで抵抗せずにじっとしてろと命令した。
  4. マフディ軍が街から姿を消したのと同時に、偶然にも大掛かりな自動車爆弾がシーア派居住地区で続けて爆発。しかも一つはシーア派の副大統領アデル・アブドゥール・マフディ氏の暗殺を狙ったものだった。
  5. サドルはすかさず「占領軍」が「スンニ」によるシーア攻撃をとめることが出来なかったと声明文を発表。「警備強化の真っ最中であるにも関わらず、我々は連続自動車爆弾によって我々の愛する罪のない市民が何千人と殺されるのを目の当たりにしている。」

    (無論この何千なんてのは大げさで、犠牲者の数は100人未満だろう。それに警備強化は真っ最中どころかまだはじまって二週間もたっていない。アメリカからの援軍もまだ予定の20%程度しかイラクに入国していない。こんな言い方はしたくないが、サドルはちょっと数字に弱いんじゃないだろうか?)

  6. 最後にブッシュの新しい作戦は完全に失敗だという見解が、サドルもイランもそしてアメリカメディアも全員で一致している。まだ計画のほんの一部しか実行されていないというのに!

このAP記事の巧みな結論に注目されたし。

サドルの声明文は、少なくとも42人が殺されたシーア派専門学校での爆発事件とほぼ時を同じくしてバグダッドにいるサドルの助手によって発表された。アル・サドルの手厳しい言語をつかった声明は今後の警備が難かしくなることの深刻さを示している。

ちょっと一歩下がって全体像を見てみよう。新作戦の前まで一般にいわれてきたことは、スンニとシーアのテロリストによって毎日平均100人のイラク人が殺されていたということだ。ブッシュの新作戦が始まって12日、この計算でいくと1200人のイラク人が殺されていなければならないはずだ。しかし1200人はおろか250人も殺されていない。ということは新作戦が始まってイラクでの死者の数は 80%も減ったことになる!新作戦が大成功だとは言わないが、少なくとも民主党がブッシュ大統領の政策をことあるごとに「無惨な大失敗」 とけなしているほど悪い結果ではない。

しかし昨日も今日もシーア地区で、あたかもサドルが予期したアメリカ軍による警備強化は大失敗するという事実を裏付けるかのように自動車爆弾が爆発した。マフディ軍なくしてシーアは安心できないというサドルの声明文が読まれたのと、まるで打ち合わせでもしたかのようにちょうどいいタイミングだった。

サドルはよっぽど運がいいのか、それともお〜? もしかして〜? ん? 僕の考え過ぎ?自動車爆弾を爆破できるのはスンニテロリストだけとは限らないからね〜。

もっともシーア派への自動車爆弾攻撃がサドルの仕業だなんてことを言うのは邪推というものだろう。まさかいくらサドルでも自分の政治勢力を有利にするために同族のシーアを殺すなんてことはしないだろう。いくらそれがアメリカ軍を追い出す結果になるからといって、いくらなんでもサドルにだって多少の愛国心はあるだろうし、、、

それにサドルがシーア派の副大統領を暗殺しようとしたりするだろうか? スンニ派の副大統領もいるというのに。アブドゥール・マフディはサドルにとっても仲間のはず, だよね?

いや...それがそうでもないんだなこれが。ウィキペディアによると アデル・アブドゥール・マフディ(Adel Abdul Mahdi)はSCIRIのメンバーである。首相の ノーリ・アル・マリキ(Nouri al-Maliki)はサドルの強い味方と噂されている。(口の悪いひとはマリキは、自分がイランの飼い犬であるサドルの、そのまた操り人形だとさえ言う。)そのマリキはダワ党の人間。

SCIRI とダワは宿敵だ。同じシーア派の支持を得ているとはいえ憎みあってるライバル政党なのである。しかもSCIRIはダワ党よりも強力でサドルにしてみれば邪魔な存在。

アブデル・マフディは長年隣国のイランに基盤をおいていた強力なシーア党であるイラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)のリーダーで、アメリカ政府の政策には反対していたがクルドやイラク全国議会(Iraqi National Congress)を含むアメリカが支援しているサダム・フセインに対抗するほかのグループとは強いつながりがある。

現在サドルはダワを通じてイラク政府をコントロールしようとしてるわけだが、暗殺されそうになった副大統領はダワのライバル政党のSCIRIのリーダー。-- ただの偶然かなあ?.

これらシーア派への連続テロ行為がスンニテロリストの仕業だという証拠はまだ確定されてない。第一爆弾積んだスンニのトラックがシーア派市民が目をこらして見張っているシーア居住区に簡単に入り込めるというのも変な話だ。

でももちろん僕はこれがサドルの自作自演だなんていう気は毛頭ないよ。いくらサドルがイランの息がかかってるからってそんなことがあるはずないよな。トム・クランシーの読み過ぎかな?

February 26, 2007, 現時間 6:10 PM

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