February 2, 2007

イラク、アメリカ兵拉致殺人事件、イランの関係を追う

私は先日イラン工作員がイラク国内で紛争促進の工作を行っているという話をしたばかりだが、この間カルバーラで起きたアメリカ兵拉致殺人事件はイランの特別部隊ウォード(Qod)の関連についていよいよペンタゴンも調査に乗り出したらしい。

イラクの軍施設襲撃事件、米当局がイランの関与を調査

バグダッド(CNNー2007.01.31) イラク中部カルバラで1月20日、米軍とイラク治安部隊の共同施設が武装勢力に襲撃され、米兵5人が死亡した事件で、米国防総省は容疑者がイラン人か、イランで訓練を受けた活動家であるとみて調査を進めている。米当局者が30日、CNNに語った。

犯行グループは米軍風の制服で変装し、米軍で使用されている種類の車に乗り、英語を話すなど、用意周到だった。米軍は当初、死亡した米兵らが武装勢力に抵抗していたと説明していたが、後日犯行グループが検問所を難なく通過したうえ、米兵らを施設から連れ出し殺害したことを認めた。こうした手口は、武装勢力や外国人過激派には見られないという。

イラクでは1月11日、米軍主導のイラク駐留多国籍軍が、北部アービル市内のイラン領事館を強制捜査し、職員を5人を拘束した。米誌タイム電子版が30日伝えたところによると、カルバラの事件はイラン革命防衛隊による報復攻撃との見方がある。

米当局者が1月26日に明らかにしたところによると、ブッシュ米大統領はイラク駐留米軍に、イラク国内のイラン人工作員を殺害あるいは拘束する権限を認めた。また、タイム電子版によると、イラン革命防衛隊は敵に対して容赦ない報復攻撃を実行することで知られる。

アメリカ政府はイランによるシーア殺人軍団及びスンニ反乱軍やイラクのアルカエダへの援助について詳しい説明会を開く予定だったがイランへの気兼ねから遅らせることになったらしい。いまさらイランに気兼ねもないだろうが、裏取り引きがあるのかもしれないので、詳しいことは分からない。この説明会では、イラクで使用されている爆発物や武器にイラン製のラベルがついているとか、シリアル番号まで入っているといった詳細な証拠が提示されることになっている。

ところで、アンサーアルスンナというアルカエダ系スンニ派のテロリストが、イラクではイラン人工作員による暴力行為があちこちで行われているという告発プロパガンダビデオを発表した。

ビデオでは反乱軍がライバルのシーア民兵にイランから密輸入された武器にペルシャ語で「イラン内政省」と書かれたラベルを見せている図がある。

テロリストのプロパガンダビデオだから内容は100%信用できるわけではないが、ペンタゴンからの情報と同じものであるのは興味深い。

February 2, 2007, 現時間 8:50 PM

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» イランが米兵でなく英兵を拉致した理由 from In the Strawberry Field
私や多くのアメリカ人はアメリカ兵なら今回拉致されて昨日解放された15人のイギリス兵のように簡単には人質になったりしなかっただろうと考えていた。無論これは身内のひいき目もあるかもしれないが、どうやらそう判断したのはアメリカ人だけではなかったらしい。実はイランも本当はアメリカ兵を拉致したいと思っていた。いや思っていただけでなく実際に彼等は少なくとも2度ほどアメリカ兵拉致を試みていたのであるがどちらも失敗に終わっていたのである。一度はイラン兵が殺されて終わり、二度目はアメリカ兵が5人殺されるという悲劇とな... [Read More]

トラックバック日付け April 6, 2007 12:04 AM

コメント

前のコメント

下記投稿者名: asean

う~ん、カカシさん

イランの話はですねぇ~(一連のエントリーは読みましたが)何というかぁ、客観的と言うか
イランサイドからするとカカシさん提示される程度の内容ではちょっと米国が攻撃を実施する理由にならないですよね。

実際、現在のイラクでテロ行為を行っている集団を支援しているのはエジプト、サウジの匂いが強いですね。

サドルにしてもですね、カカシさんが仰ってるように「イランを利用する」にしても武器の購入資金を
本当にイランに頼っているのであればイラク国民からすると「売国奴」であることに代わりがない。

サドルの頭ではせいぜい権力争いの範囲から出れないから、サウジとの関係(国内のシーア派反体勢力を押さえ込む等)の
条件で(上手くいけばの話ですけどね)”同じアラブ人”という意味では資金協力を受け易い。

でも、肝心のサウジ側としてはサドルの本当の実力やイラク国内での評価は分かっているから、
あんな連中に任しておいては希望とおりに行くとは思えないので、初めて登場するような名称の
テロ組織を支援して、イラク全土があたかも混乱しているかのような局所的ではあっても被害の大きな
(一度に百数十名の死者が出れば欧米社会は腰を抜かしますしね)テロ行為を実施させる。
(因みに、サウジ、エジプト政府が治安部隊でも何でもを正式に使って支援している、という意味ではないんで
勘違いしないで下さい。強いて言うならテロ組織支援を黙認している、というのが正しいですかね、はい)

イランの関与を示す「書類を発見した」・・・なんて出来過ぎですよ、それこそ現行犯逮捕でもして
(イラン人が直接武器をイラク領内で運んでいた現場とか、ドル札をどっさり運んでいるとかの現場ね)
「どうだっ!これが動かぬ証拠じゃっ!」とでもやらない限りちょっと根拠が弱い。

イラク国内のイラン領事館にイラク国軍が踏み込んだ根拠は何だったんでしょうね?
それこそ治外法権なんですけど・・・イラク政府がイランを敵性国家として正式に認定したんですか?
それともイランと交戦状態にあるとでも?確実な物証も何もない状態で主権国家の領事館に踏み込むのは
それこそ戦争行為なんですが・・・・???

イランの現状からすると、湾岸アラブ諸国と違ってイラクの混乱状態が継続するのは全くメリットがないんですよ。
(サウジやエジプトにはありますが)

何度も言いますが、現在、イランを米国が攻撃する正当な理由は何処にもないのですが
「阿呆なアフマデネジャドが嫌いで、宗教評議会の坊主達も嫌いだし、あの言い草が癇に障るっ!ぶっ飛ばしてやるっ!」
ってなら、通常兵力なんかを使用するのはやめた方がいいに決まってますので
戦略核兵器をドン!っと使ってイランを地図上から抹消してしまうことです。

前にもコメントで書いたと思いますが、米国の威信をイスラム諸国(第三世界)に思い知らせたいのなら
断固、戦略核兵器を使用してイランを殲滅することで「元首が反米的な発言を繰り返して、
米国の癇に障ると、こうなるんだぞっ!」ってことを国際社会に示すべきですね(チャベスも大人しくなりますよ)

参考迄にこちらもどうぞ!
Gordian Knot ?: The Middle Eastern labyrinth

上記投稿者名: asean Author Profile Page 日付 February 4, 2007 10:20 PM

下記投稿者名: scarecrowstrawberryfield

アセアンさん、

イラク国内のイラン領事館にイラク国軍が踏み込んだ根拠は何だったんでしょうね? それこそ治外法権なんですけど・・

まずアメリカが踏み込んだのはイラン所有のビルとはいえ外交特権のある領事館ではありません。だから治外法権にはならないのです。それにその話をはじめたら、イランは1979年にテヘランのアメリカ大使館を襲った時アメリカに宣戦布告をしたことになり、アメリカとイランは以来戦争状態にあるのだということもできます。

アメリカがイランを攻める正当な口実などくらでもありますよ。

カカシ

上記投稿者名: scarecrowstrawberryfield Author Profile Page 日付 February 5, 2007 12:33 AM

下記投稿者名: asean

カカシさん

79年の事件がですね、米国にとっては大きなトラウマになっている(1年以上でしたからね)。

そのせいで「イラン=悪」という短絡的な話になるんですけど、その話を米国が持ち出した瞬間に
米国がイランとの外交関係を回復することは未来永劫に渡って不可能だ!っと言わざるえませんね。

なぜなら、当時、在イラン米国大使館を占拠した人間の多くが現在イランの改革派と呼ばれる政治家だからです。
(専制政治に反対した非常に世俗的でリベラルな思想を持った大学生達が中心だったはずです)

保守派とは(アフマデネジェドですから)到底話しにならないのですが、改革派とも実はその事件を前提にしてしまうと
例えイラン国内で保守派を打倒する反政府運動を支援したとしても(実際は出来ませんが)関係修復等無理なんですね。

ですから、僕が何度も言ってるように「あくまでも米国の都合」でイランを攻撃するのですから
戦略核兵器を使用すべきなのです・・・外交関係を築けないんですから。
(攻撃の米国にとっての正当な口実であって、国際社会が認める正当な開戦理由ではないですよ)

因みに「在イラン米国大使館を襲った」のでは言葉が足りません。
パーレビーが米国へ入国した為に王政派が米国と結託することを恐れて人質にしてしまった、が正しいかと、はい。
(なぜそうなったか?は米国に責任がありますが・・)

なので、元々米国(全体)にイランとの関係修復を考慮する下地が実は存在しないにも関わらず
何をモタモタしているんです?・・・何もアアダコウダと口実を探さなくてもいいのではないですか?
生理的に嫌いなモンは何をどうしても嫌いなんです。
(民主党にしたって本音では嫌いでしょ!何せ救出に向かって大失敗をしたのは民主党政権ですからね)

イランへ戦略核兵器をさっさと打ち込んで、落ち着いてイラクの治安回復を実施するのがいいのではないですか?

僕が恐ろしいのではありませんよ、外交手段による打開策を米国自身が見出せないが故に
米国に採用出来る手段はそう残っていないのです。

戦略核兵器を打ち込むなら、後世、悩むか、歴史書にイランを戦略核兵器で消滅させた大統領として名を残すか
で現大統領1人が責任を負えば済む話で、米軍の誰もが死傷したり悩むこともありません。

上記投稿者名: asean Author Profile Page 日付 February 5, 2007 1:16 AM

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