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January 16, 2007
英米ペルシャ湾武装強化に慌てるイラン
私はすでにアメリカ軍のジョン・C・ステニス(USS John C. Stennis) と ドワイト・D・アイゼンハワー(USS Dwight D. Eisenhower)の空母艦戦闘グループ(CVBG)二つがペルシャ湾と(もしかしてインド洋にも)出動しているという話をしたが、これが普通の戦闘グループであるならすでに次の装備がされたことになる。
- ニミッツ級原始力駆動の空母艦、2隻
- イージス装備のクルーザー、4隻;
- 同じくイージス装備のデストロイヤー、4〜6隻;
- 対潜水艦用フリゲット(ASW)、2隻;
- ロスアンジェルス級速攻潜水艦、4艦;
- 戦闘機や攻撃・輸送用ヘリコプターあわせて180機。
- ペルシャ湾を航海するアメリカ及び同盟国の船をイランからの攻撃から守れる航空防衛可能なペイトリアット用のバッテリー
そして本日英国タイムス(UK Times Online) は英国が 爾来排除船 二隻をペルシャ湾に送ったと発表した。
英国が送ったのは二つの爾来排除船、HMS Blyth と HMS Ramseyである。二隻は湾岸に, イランが石油輸出用航路を塞ごうとする場合に備えて2年間にわたって航路の安全を守る任務を果たす。
ホワイトハウスはイランへの軍事行使の計画はないと主張している。しかしコンデリーザ・ライス国務長官はこの武装強化はイランの「不安定な振る舞い」に対して常に変化していく作戦の一部であると説明した。
さてここで私が先日今こそイランを攻めるチャンスで紹介した歴史家のアーサー・ハーマン氏の作戦を思い出していただきたい。
- まずホルムズ海峡を通る石油輸送を阻止する国はどこであろうと容赦しないと発表する。
- その脅しを証明するために対潜水艦船、戦闘機、じ来除去装置、イージスBMDシステムなどを含む空母艦バトルグループをペルシャ湾に派遣する。むろんこちらの潜水艦も含む。
- アメリカ一国によるイランの石油タンカー通行を封鎖。イランから出る石油、イランへ入るガソリンなどを完全阻止する。ほかの国の船は自由に通過させる。
- イランの空軍基地を徹底的に攻撃し、イランの空の防衛を完全に破壊する。
- イランの核兵器開発地及び関係基地、インフラなどを攻撃する。
- そしてこれが一番大切なことなのだが、イランのガソリン精製施設の徹底破壊である。
- アメリカの特別部隊がイラン国外にあるイランの油田を占拠する。
この作戦のすばらしい点はイランの一般市民への犠牲が非常に少なくて済むということである。ということは親米のイラン青年たちを敵にまわさずにイランの石油輸出とガソリン輸入をの行き来を我々の好き勝手に操れることになる。 -- 今現在これを完全停止することも可能なのである。そして現在の政権が倒されて、もっとましな新政権が設立された暁には流れを再開することができるという仕組みだ。
タイムス が意見を聞いた「イラン問題専門家」のアリ・アンサリ博士( Dr Ali Ansari)は、このような積極的な武装強化は「誤って」西側とイランとの間に戦争をぼっ発させる危険があると述べた。
「現在の冷たい戦争が熱い戦争に変わる可能性が多いにあります。」と博士「これは偶発的な戦争を待っているようなものです。たとえ世界一誠実な意図を持ってしてもこのような危機はうまくあつかえないものです。あっという間に手に負えない状況となってしまうからです。」
英国タイムス はアメリカのニューヨークやロサンゼルスと同じように鈍いのだろうか? 我々は今まさに湾岸においてハーマン作戦に必要な すべての要素 を装備したことになるのである。英国タイムス は本当に我々がイランが我々に攻撃する可能性を考慮していないと思っているのだろうか?
明らかに英米軍はイランによる攻撃に対応すべくすべての準備をしているのである。このような備えにはいくら民主党でも文句はいえまい。
イラン政府がこの武装強化に気が付かないはずはない。彼等は突然我々に柔軟な姿勢を見せ始めた。 聞くところによると強気のアクマネナジャド大統領と最高統治者 Grand Ayatollah Ali al-Khamenei 氏と共にスンニ王国であるサウジアラビアに使者を出しシーア派のイランとユダヤ・キリスト教のアメリカとの間を取り繕ってくれと嘆願したというのである。
月曜日、イランの核兵器交渉リーダーの Ali Larijani はサウジアラビアのアブドゥーラ王にイランの指導者からの手紙を届けた...
この会議にはサウード・アルファイサル外相大臣並びに皇室外交官のバンダー・ビンサルタン王子が参加した。
サウジ当局の話では イランはサウジの代表にワシントンにイランの誠実な意図を伝えて欲しいとサウジの協力をもとめたという。 しかしそれ以上の詳細は語らなかった。アメリカのコンデリーザ・ライス国務長官は月曜日か火曜日に会談のためリヤードを訪問する予定である。
英国のBlyth号と Ramsey号が到着して湾岸警備をはじめさえすれば、すべての要素が整うことになる。後は先制にしろ反撃にしろ、攻撃をする用意ができたのである。
イランとの短く熱い戦争はおもったより早く来るかもしれない。もしかすると戦争がおこったというニュースを聞く頃はすでに戦争は終わっており、世界中が騒ぎ立てても時既に遅しとなっているかもしれない。
無論これは言うまでもないが、単にふたつの空母艦隊がペルシャ湾に居座っているというだけで、戦争をするまでもなくイランの方針が変わり我々に勝利をもたらす可能性があることもわすれるべきではない。
January 16, 2007, 現時間 10:33 AM | コメント (1) | トラックバック
January 14, 2007
保守派イラン人、イランブロガーに異議あり!
昨日紹介したイラン人ブロガーのインタビューに対して、ヒューのところへ聴取者からメールが来た。メールの著者もイランからアメリカに移住した人だが、レーガン流保守派を誇りに思っているというこの聴取者はホセイン君のいい分にはかなり腹が立ったようである。この著者にいわせるとホセイン君の意見は一般のイラン人の見解とはほど遠く、あれが一般のイラン人の見解だと他のリスナーの人たちに勘違いされるのは叶わないとしている。
私はここミネソタのペルシャ語衛星放送をよく見ます。そこでアメリカの軍事行使によるイスラム共和政府への介入の話が出る度にイランの視聴者からかかってくる電話のほとんどが、アメリカの直接な軍事攻撃によってこの殺人的な政権を取り除いてほしいという意見です。科学的な世論調査をしたわけではありませんが、ほとんどの人々が後進的な機構を望んでいないことは明らかです...
としてこのメールは始まる。
実はカカシも昨日このイランブロガーのインタビューを訳していて感じたのだが、彼は自分をリベラルだと言ってはいたが、元大統領のラフサンジャニをリベラルだなどと表現しているところから、彼は単に反アクマネナジャド派なだけで、自分はかなりの現政権寄りの人間なのではないかという印象はあった。
このことについてメールの著者もラフサンジャニは左翼的なリベラルのヨーロッパ人ですらいい加減げんなりしており、ラフサンジャニがヨーロッパに自由に出入りするのを阻止しようという動きに進んでいるという。そして世界でおきるあらゆる出来事をなにかとアメリカのせいにするのは欧州のインテリの間ではファッションになっているが、このブロガーも含めこうしたインテリ連中が1970年代にシャーの独裁政権を崩壊させよと大騒ぎし、一部カーター大統領の手も借りてシャー政権崩壊は実現したが、その結果がイスラム原理主義の台頭ではないかと怒りをあらわにする。意味のないイラン・イラク戦争を8年も続け双方で150万という犠牲者をだすような国となり、宗教の自由、報道や表現の自由など全く存在しないイラン。こんな政権をよくも「民主的」だなどと言えたものだと著者は言う。
ヒュー、この男は現政権の見解を代弁しているのです。彼等は西側のメディアをどう悪用するか理解しリベラルとの共通の声をたくさんみつけたのです。太陽の下にあるすべての問題をアメリカのせいにするという、この男のやっていることは、リベラルが常にどんな問題に関してもやっていることです。ジェームス・ウースリーの偉大な格言に「我々が何をしようと彼等は我々を憎む。それは我々のやったことに対してではなく我々の信念に対してなのだ。」というのがあります。このことを忘れないようにしましょう。アメリカを責めよ主義の連中は危険なゲームをおこなっています。もし私があなたなら彼にこの質問をしたでしょう。「あなた方は帝国主義のアメリカを追い出し理想の国を作りました。そして27年間も『独立国』として何億ドルという石油の金が流れ込む国を築きました。あなた方はシャー政権の腐敗を一掃しました。それで今あなた方が自慢に見せられるものは何ですか? 発展を見せて下さい。』イランでは原油輸出以外の産業などなきに等しいのです。彼等は帝国主義の工作員だったシャーを取り除けさえすれば世界を征服できるはずでした。(シャー政権の崩壊)は実現しました。その結果得た自由とお金はどうなったんでしょうか? 答えは明白です。みじめな生活以外のなにものでもありません。ヒュー、イランでは売春や麻薬が流行病のレベルで広まっています。 バム地方では地震の後飲料水すらないのです。にもかかわらず政府はヒズボラに何百万ドルという資金を送っているのです。こんなことは数え上げたらきりがありません。
お願いです。腐敗した政権の代弁者に信頼性を与えないで下さい。彼等は27年間にわたって折あるごとに「アメリカに死を」とがなり立ててきた連中なのですから。
いつもあなたのやっていることには感謝しています。トークショーは私のような多くの人間にとって希望の灯火(ともしび)です。
我々西側の人間は(日本や韓国も含む)英語を堪能に話し西側文化の立ち居振る舞いをする人間は、我々と同じ価値観を共有していると勘違いする傾向がある。だからつい彼等のいうことを本当だと信じ込んでしまうのだ。これはリベラルにしても保守派にしても同じことがいえるのだが、我々は彼等は単に我々の聞きたいことを言っているだけかもしれないという可能性を常に念頭に入れておく必要がある。
彼等には彼等なりのアジェンダがあるのであり、英語のできる人間が我々に分かりやすい表現で説明することが必ずしもその文化や社会を代表しているわけではないということを知るべきであろう。
そういう意味で私はこの二人のイラン人の異なる見解は非常に興味深いと思う。アメリカの世論にしたって民主党と共和党の間では全くちがう意見が聞けるのだからこれも当たり前だ。イラン世論に色々あるのは当たり前だが、問題はアメリカがどれだけ正しくイラン情勢を把握できるかにかかっている。
January 14, 2007, 現時間 05:13 PM | コメント (0) | トラックバック
大爆笑! イラン、アメリカ軍のイラン政府ビル攻撃に抗議!
この間アメリカ軍がイラン政府のビルを強制捜査した話をしたが、ミスター苺がそれについてミッシェル・モルキンの留守番エントリーに書いてるのでちょっと。
ついに先日クルド地方のアービルでアメリカ軍が捕まえた5人のイラン人はイラン軍特別部隊のクォード隊のメンバーであることが正式に発表された。
『拘束されている5人はイラン革命軍クォード特別隊(IRGC-QF)であることが初期の調査結果で明かになった。この組織は資金、武器、改良爆弾技術、訓練などを過激派グループに提供することによってイラク政府を不安定にしアメリカ軍を攻撃しようとしている組織である』とアメリカ軍当局は発表した。
まったく予想どおりの結果だが、これについてイランの外務大臣の報道官モハメッド・アリ・ホセイニ氏は怒りもあらわに声を震わせての抗議である。
ホセイニ氏は5人の職員が働いていたアービルのイラン政府施設は1992年にクルド人のビジネスマンや病人などがイラクからイランへ渡る手続きをするために設置されたと語っている。
「両国でこの施設を領事館の格に引き上げることで同意ができていた。」と氏は語る。「イラン領事館設立の同意は今年(イランのカレンダーで)交わされていた...」
ホセイニ氏はアメリカがイラクの安定化に失敗したことを認めたくなかったのでわざと「イラクの近隣国に対して敵対心と衝突」を起こしたのだと責めている。
「アメリカは5人の収容者をすべて釈放し、今後一切このようなことを防ぎ、損害賠償をすべきである」とホセイニは言う。
ちょっと待てよ〜。これは一考の価値ありだ。イランはアメリカ軍によるイラン人拘束に対してアメリカが「領事館の外交特権の尊厳を侵した」とほとんどヒステリー状態で反応しているわけだ。(大爆笑)
自分で言ってて歯がうかないのかね。
注:1979年以降に生まれたお若い方々にはこの皮肉さがお分かり頂けないかもしれないのでここで歴史をふりかえってみよう。
現在イランとアメリカの間には正式な外交関係はない。その理由は1979年にイランで宗教革命があり、テヘランにあったアメリカ大使館にイランの武装集団が押し入り占拠し、数人を殺害した後、外交官及び職員52人を444日に渡って拘束したからである。当時の大統領だった腰抜けカーター大統領は二回の救出作戦に大失敗して世界に恥の上塗りをしたあと、一期で落選。1980年に新しくレーガン大統領の代になってからやっと人質はかえってきた。ちなみにこの大使館攻撃に参加したメンバーの一人が、当時大学生だったアクマネナジャド大統領であることは意外と知られていない。
January 14, 2007, 現時間 03:24 PM | コメント (0) | トラックバック
イランのブロガー: イランのアメリカ軍攻撃は正当防衛
昨日ロサンゼルスのラジオDJがカナダのトロントに住むイラン人のブロガーにインタビューした話を、危険なのはブッシュ、アクマネナジャドではないで紹介したが、今日はその続きを紹介しよう。
このイラン人、ホセイン君、危険なのはイランの気違い大統領ではなくて過激派キリスト教徒に囲まれているブッシュ大統領のほうだといっていたが、ヒューはここで話題を変えてイラク戦争について質問した。イラクにおいて最近イランからの介入が入っていることが序々に明かになってきているが、そにについてヒューは、、
HH: イラク国内で路肩爆弾をしかけてアメリカ兵を殺そうとしているイランのクォッド軍(Quds: イラク軍のなかでも非常に残忍といわれる特別部隊) にたいしてアメリカ軍が国境をこえて攻撃したとしたら、イランの反応はどのようなものだと考えますか?HD: イランとアメリカの問題はずっと昔にさかのぼります。イランがこのような問題を起こしているのもイランにしてみればイスラム共和政府を正式な政権として絶対にみとめようとしないアメリカに対しての防衛です。(イランのイスラム共和政府)は、あの革命のスローガンは独立と自由です。そしてその宗教の混ざった政権は言ってみればイスラエルが民主主義と宗教のバランスを保とうとしているのと同じです。でもアメリカはこの政権の正当性を認めたことがありません。ですからイランが国の安全や独立を守ろうとするのは極、極、自然な反応です。 ですから彼等はアメリカからの攻撃を防ぐために、たとえそれが限定的な侵略であろうとも、できる限りのことをしてその可能性を減らそうとするでしょう。イランがあの地域でやっているすべてが、アフガニスタンにしろ、イラクにしろ、パレスチナにしろ、レバノンでヒズボラと一緒にやっていることにしろ、アメリカがイラクにしたのと同じことを防ぐための先制攻撃といえます。イランの誰もイラクでおきたことが自分達におこることを望んではいないですから。僕だって嫌です。そのことについても(ブログに)書いています、、
HH: ホセイン…
HD: …もしアメリカがイランを攻撃したら、僕はイランに帰りイスラム共和制をアメリカから守るために戦います。
HH: じゃあイランが今イラクにアメリカ人を殺すために武器や、多分人員も、送っていることは正当だというんだね。イラン政府の行動は正当だと。
私はイランの若者は結構反政権で親米だという意識があったので、ホセイン君のこの見解はちょっと意外だ。アメリカがイラク攻撃をしてもイランの反政府勢力がそれを機会に一気団結して反米になってしまうのではあまりいい状態とはいえない。もっともホセイン君はイランは基本的には民主主義だとかラフセンジャニがリベラルだとかいってるところを見ると、アクマネジャダドは嫌いでも案外現政府寄りの人間なのかもしれない。
この後ホセイン君は実際にイランがイラクに軍事援助をしているかどうかは知らないとしたうえで、人権迫害という意味ならアメリカがイラクでしていることはひどいのだからイランから攻められても文句はいえないといったようなことを言っている。
ではもしアメリカが防衛のためにイランに反撃したならば、ホセイン君はそれに抗議をするのかという質問には、当然すると答えた。彼にいわせるとイラク戦争はイランとの戦争をするための序幕のようなものらしい。
HH: じゃあ、君はアメリカとイランはすでに戦争状態にあるというのですか?HD: そう思います。でもイラクでではありません。もうすでに色々な場所で起きているのです。
HH: ほかのどんな場所でですか?
HD: レバノンがその例です。あの戦争は基本的にはイスラエルとヒズボラの戦争ということになってますが、本当はあれはイランとアメリカの代替え戦争です。
HH: おもしろいですね。ホセイン。私もそれには同意しますよ。
ヒューには悪いが私はこれには同意できない。レバノン戦争にイランが加入したことは確かだがアメリカは関係がない。しかし、イランとアメリカがすでに戦争状態にあるということならば私も同意する。
だがイランの行動がアメリカからの攻撃を防ぐための正当防衛だの先制攻撃だのという言い訳は認めない。なぜならイランが最初にアメリカに宣戦布告をしたからである。え、カカシさん、ちょっと待って、いったい何時イランがそんなことをしたんです? それは1979年、イランとは通常の外交関係にあったアメリカ大使館にイランの革命軍の一部である学生たちが攻め入り100人以上のアメリカ人外交官および職員を一年半にわたって監禁したのがその始まりである。
イランがアメリカとすでに戦争状態にあると思っているのならかえって都合がいい。そういうことならアメリカから何時攻められても文句はいえないだろう。
January 14, 2007, 現時間 02:15 AM | コメント (1) | トラックバック
January 13, 2007
イランのブロガー:危険なのはブッシュ、アクマネナジャドではない。
ロサンゼルスを基盤にしているラジオ番組の人気DJ、ヒュー・ヒューイットがカナダのトロント在住イラン人のブロガーにインタビューをした。その一部を紹介しよう。
ブロガーの名前はHossein Derakhshan, 生まれ育ちはイラン、イランで新聞記者をしていたが、彼のつとめていた新聞社が政権の保守派と対立する革新主義の政党を支持しているとして閉鎖されたのをきっかけに2001年イランを去ってカナダに移住した。ブログをはじめたのは911同時多発テロの直後で、一般市民の生の声を書きたかったからだという。
彼がブログをはじめた頃は英語以外のブログは珍しかったので、どうやってこの新しいユニコードを使ってペルシャ語でブログのブログを作るか彼自信が段階に分けて分かりやすい説明書を作成したのだという。
HH: さてホセイン、現在どのくらいの人がイラン国内でやってるんですか、そのブログですけど。HD: イラン国内では少なくとも4つの会社がテヘランとかの大都市でブログサービスをしています。これらの会社が提供しているブログの数はというと概算で多分70万は超えるんじゃないでしょうか。これはもちろん、、、
HH: 現政権はこうしたブログに何か規制をかけてるんですか?
HD: イスラム共和主義はそれほど人気のないことにはあまり関心をしめしません。もちろん彼等は世論をコントロールしたいでしょう。これは明らかです。でも一日せいぜい60人程度の読者しかいないようなブログのことまで心配していません。それがたとえイスラム共和主義の最大のタブーをやぶっていたとしてもです。でもものすごい人気があって世論に影響を与えるようなブログで、それがタブーをおかしているとなれば、僕のブログなんかもそうですが、人気があって影響力があると心配なようです。僕もこのタブーとかの問題は話しています。だから僕のサイトはフィルターかけれたりブロックされたりしてもうかれこれ2年くらいはイランからアクセスできなくなっています。
ここでヒューはイランのアクマネナジャド大統領について質問をした。ホセイン君はアクマネナジャドは過激派で本当に12人目のイマムを再来を信じ込んでいるような狂信家だが、国内ではほとんど人気がないし、イランの実際の権力者である聖職者の間からも支持がないという。この間のイランの選挙でアクマネナジャド派が大敗したことを考えるとホセイン君の見方は正しいのかもしれない。
しかし話がイランの核開発になってくるとホセイン君の意見はやはり我々とは違う。そして話がブッシュ大統領の方針になってくると常識ではちょっと考えられないような不思議な意見がとびだしてくる。
HH: ホセイン、あなたはさっきアクマネジャダドは12人目のイマム再来を本気で信じてると言いましたが、イラン政権に核兵器を持ってほしいとも言いましたね。HD: ええ、ええ。
HH: アメリカが、多くのアメリカ人が、それは許せない気持ちはわかりますか?
HD: ここにひとつ重要な事実があります。あまり多くのひとに知られてないことですが、メディアはほとんど報道しませんし、でもアクマネジャドの脅威なんて全然現実的ではありません。なぜって彼には軍隊を指揮する権限なんてないんですから。だから彼がヒットラーみたいになるなんてkとはあり得ないんです。よく彼とヒットラーを比べるひとがいますけど。イランの大統領で軍隊をコントロールできた人なんていないんです。これは非常に大事なことです。
HH: それは私も知っています。でも最高統治者のKhameneiがまだ生きているとしても、アクマネジャドと同じ考えを持つAyatollah Yazdim みたいな人と交替される可能性もあるわけでしょう。だとしたら我々がイランのYazdiのような最高統治者のもとにある核開発を、なぜ心配すべきではないというのですか?
HD: なぜならそれはほぼあり得ないことだからです。この間ほぼ民主的な形でリーダーの候補を選ぶ選挙がありました。ガーディアンと呼ばれるこの委員会において Ayatollah Yazdiは一番の候補者よりもずと離れた二番でした。この委員会は Council of Expediencyとも呼ばれていてペルシャ語ではMajlis-e Khobregaanといわれています。この一番候補になった人はかなりリベラルなひとです。彼はカターミの前に大統領だったひとで名前を、、
HH: ラフサンジャニ。
HD: ラフサンジャニ。
HH: 我々西側の人間からいわせるとラフサンジャニはリベラルでも穏健でもないですが、まそれはいいとしても、もしあなたが間違っていたらYazdiが最高統治者になる可能性もあるわけでしょう、そうなったら心配じゃないですか?
HD: それはそうですが、そんなことは先ずあり得ません。なんといっても色々問題はありますがイランは基本的には民主的な国ですから、この少数派で影響力も小さいグループの勢力は限られています。
HH: でもホセイン、たとえ僅かとはいえその可能性が多少でもある以上イランの核開発を否定する理由になりませんか。我々は12番目のイマムなんかに核爆弾のスイッチを握ってられちゃ困るわけですから。
HD: でもそれは、正直な話、ブッシュの側近に過激なキリスト教徒がいるのとたいした違いはありません。彼等がいたことがブッシュが最初のときも二回目も当選した理由のひとつですし。彼等も救世主の存在を信じてるわけですからそれと大して変わりませんよ。
HH: ホセイン、ちょっと待った。待った、待った、待った。ジョージ・ブッシュの周りには混乱による最期の時を信じてる過激派キリスト教徒なんていませんよ。それは真実ではありません。誰か名前があるんですか、、
HD: でも証拠がそれを示しています。
HH: 示してません。そんな人はいません。ひとりとして。そんな過激派がいるというなら一人でも名前をあげてみて下さい。
HD: 誰がブッシュに近いか近くないかということが問題なんじゃありません。彼等の政策が、例えばイラク侵略とか、味方につかなけりゃ敵だとかっていう言い方とか、他の方針とか色々なことがそのイデオロギーからきてることから言って、彼等がそれを信じていることを示唆しています。これはもっと危険なことです。なぜなら彼等はアクマネナジャドや彼を支持してる小さなグループなんかよりずっと人気があるんですから。
HH: ホセイン、もし事実この世の終わりを唱えるような人たちがいたとしたらもうすでに6年間もあったんですから、今頃はもうはじめてるはずですよ。
HD: わかりません。でもブッシュ政権のやり方をみているとアクマネナジャド政権からでてくるどんな方針より危険だと思いますよ。
アメリカのキリスト教徒がイランの気違い大統領と同じレベルだという考えには驚いたが、ブッシュ大統領のほうがアクマネナジャドなんかよりはずっと驚異的な存在だというのは私も同意する。もっともこれは民主主義を敵に回したらという意味だが。
ヒューのインタビューはその後イラクにおけるイランの介入に移るがこれに関するホセインの見解もまた面白いのでその話は続けて明日しよう。
January 13, 2007, 現時間 04:26 PM | コメント (0) | トラックバック
January 11, 2007
イラク多国籍軍イラン政府ビルを強制捜査
ラジオではイラクの多国籍軍がイラクにあるイランの領事館に攻め入ったという話だったのだが、米軍の話ではこれは領事館ではなく、単にイラン政府の所有しているビルであって外交官特権のある場所ではなかったそうだ。もしこれが正式な領事館だったらイラクはイラン領土に攻め入ったことになるので、もっと深刻な問題となる。
CNNのニュースから抜粋:
バグダッド──イラク国営テレビ局アルイラキアは11日、米軍主導のイラク駐留多国籍軍が、北部アービル市内のイラン領事館を強制捜査したと伝えた。現場はクルド人居住地区で、多国籍軍は複数の領事館職員を拘束したうえ、事務機器を押収した。
この事務機器のなかにはコンピューターや多種の書類が含まれている。また建物につとめていたイラン人職員も数人拘束された。APの記事ではイラン側からスイス領事を通して問い合わせと抗議がきていると報道している。
テヘランではイランの外務大臣がイラクとスイスの外交官を呼び寄せ、事件に関する「説明を要請」しているという。イランにはアメリカの大使館がないため、スイスがアメリカ政府の代行をしている。イラン外務大臣の報道官、モハメッド・アリ・ホセイニ氏は国営ラジオにおいて「アービル市内でのイラン人職員の存在は合法であり」強制捜査は「合法な施設」にたいする「外交上違法行為である」と述べ連合軍の行動はイランに対する「圧力の続行」でありかえってイラクと近隣諸国の間に「緊張を深める」ことになると述べた。
昨日の演説でブッシュ大統領はイランやシリアからイラクに入ってくる援助を阻止すると宣言したばかりのことであるから、この捜査の結果次第ではアメリカ軍によるイランへの強行手段がとられる可能性は十分にある。どうやらブッシュ大統領は外国からのテロ資源流入をやっと真剣に止める政策にはいったようである。
January 11, 2007, 現時間 06:40 PM | コメント (0) | トラックバック
January 09, 2007
イスラエルのイラン攻撃はちょっと無理?
この間、イスラエルはイランにちかぢか限定的な核攻撃をする計画があるらしいとイギリスの新聞、サンデータイムスが報道したという話を紹介したが、いつも読者に貴重な記事を紹介してくれている 陳さんは、こんなことをおっしゃっている。
再三述べるように、イランに対する軍事力行使のタイムリミットは今年春頃に予定されているブシェール原発への燃料棒搬入前にならざるを得ません。外交的に原発の稼動が阻止できないとなれば、イスラエルは内政的に動きが取れないアメリカを差し置いて単独攻撃を行い、ブッシュ政権はそれを黙認する可能性がありますね
さて、その陳さんの紹介で宮崎正弘の国際ニュースでは、サンデータイムスはガセ情報を流す常習犯なので、そう簡単には信じないほうがいいと警告している。
英紙『サンデー・タイムズ』はどうやら常習犯らしい。 イスラエルがイランのウラン濃縮施設を空襲する計画を練り上げた、という世界を驚かせたニュースである。同紙は昨年三月にもおなじ内容の報道をして「これはシャロン首相(当時)も同意している」などと報じた。イスラエルの奇襲それ自体は既に言い古されたことで、とりたてての驚きではない。
げんに著名ジャーナリストのセイモア・ハーシェが老舗マガジンの『ニューヨーカー』(06年4月)でも同様な計画を「アメリカが」立案したと書いて物議をかもし、ホワイトハウスは、「セイモアは病的」とまで酷評して否定した事件もあった。...イスラエル外務省はただちに会見し「あれは荒唐無稽」「そもそもイスラエル軍幹部の匿名情報などというニュースソウスもあやしい」とした。テルアビブの首相府は「荒唐無稽で、反論する必要もない」とする態度だった。
シーモア・ハーシェは有名は有名だが保守派の間では嘘つきハーシで通っているほど信用のない男なので、これと同じレベルだとしたらサンデータイムスもあまり信用できるとはいえないだろう。
これにたいしてイランはいつもどおり、奇襲などしたら後悔させてやる、これはシオニスト国家がわざと核兵器の存在を示しての威嚇だと鼻息があらい。自分達は核兵器が完成し次第イスラエルを攻めると常に豪語しているのだから、イスラエルからこのくらい威嚇されたからといって腹をたてるのは筋違いというものだ。
しかし、イスラエルがイランに奇襲攻撃をかけるという話そのものは大いにあり得ることなので、問題はそのタイミングとその効果力だろう。陳さんもおっしゃるようにイスラエルにはあまり時間がないからである。
専門家は次のように言う。 「イラクのオシラク原子炉攻撃は、一箇所に集中していたうえ、イラクまでは距離が近いという条件に恵まれた。だからイスラエルは81年4月のオシラク原子炉攻撃を成功させた。 イランの場合はナタンズ、イスファファンなど十二箇所以上に核施設は分散している上、地中深くのトンネルのなかである。イスラエルからの飛行距離も長く、ジェット戦闘機がレーダーに捕捉されないで、空中給油を受けながら飛ぶ可能性は高くない。 米軍との協力があろうとも、奇襲の成功は容易ではない上、攻撃できたとしても効果が疑わしいだろう」。とはいえイスラエル情報筋は「イランの濃縮ウラン施設の完成は2010年」と踏んでいる。
外交努力が2010年までに実を結ぶことがないとすれば、最後の選択肢はかならず浮上するだろう。
ペルシア帝国の復活をおそれるアラブ穏健派のくにぐに(エジプト、サウジ、ヨルダンなど)が、この騒ぎに沈黙を守っているのも奇妙である。
私がイラン人ならかなり神経を尖らせているところだな。
January 09, 2007, 現時間 11:00 AM | コメント (1) | トラックバック
January 06, 2007
イスラエル、イランへ核兵器攻撃の計画あり!
本当かなあという感じの記事ではあるが、一応紹介しておこう。今日のサンデータイムスによると、イスラエルはイランの核兵器開発基地を狙い核兵器を使って限定攻撃をする計画があるという。題して「イスラエルの対イラン核攻撃暴露さる!」
この記事の内容はイスラエルの空軍の2中隊がバンカーバースタータイプの小規模な核兵器を使ってイランの濃縮ウラン施設を攻撃する訓練を行っているというもの。
この計画によると通常のレーザー援助の爆弾を撃ち込んで標的に向かって穴をあけ、そのなかに「ミニ核」を撃ち込もうというもの。地下深くで爆発するため放射能の散らばりなどを防ぐという考えらしい。
「命令が下り次第一回の任務、一回の攻撃でイランの核兵器開発計画は崩壊されます」と関係者は言ってるらしい。これはイランが核兵器開発に2年以内に成功するという情報がモサドによって明らかにされたことからたてられた計画だという。
イランの核兵器開発施設は地下深くにうめられているという話だから、イスラエルとしては通常の武器での攻撃ではこれらの施設を破壊することはもはや不可能であると判断したらしい。しかしながら、この計画が遂行されるためには、アメリカがこの攻撃を邪魔しない場合に限る。
イスラエルが攻撃の標的としている施設は:
- ナタンズ(Natanz)濃縮ウラン精製に必要な遠心分離機が何千とあるといわれている。
- イスファハン(Isfahan) ウラニウム還元施設。250トンにわたる濃縮に必要なガスが保管されているという。
- アラク(Arak)の原子炉、将来に核爆弾を作るに必要なプラトニウムが保存されているという。
イスラエル当局はこの三つの施設を破壊することでイランの核兵器開発を半永久的に遅らせることができると語る。これでイスラエルが「第二のホロコースト」を恐れる理由がなくなるというのである。
サンデータイムスによれば、イスラエルとアメリカはすでに何度もイランへの軍事攻撃に関する会談を繰り返してきたという。イスラエルがこの計画をあえて発表した理由はイランに圧力をかけ、アメリカに攻撃を促すこと、及びイスラエルの攻撃に先駆けてアメリカに予告しておくことにあるのではないかという意見もある。それというのも、新しい防衛長官ロバート・ゲーツ氏はイラン攻撃は最後の手段だと語っており、イランへの武力行使にあまり積極的な意見を述べていない。イスラエルとしてはこうなったら自分達次第だという考えがあるのかもしれない。しかしイスラエルがそのような攻撃に出れば昨日も書いたようにイランはペルシャ湾の原油輸送を阻止することは必定。となってくると、アメリカは否応なくイラン攻撃に巻き込まれるだろう。
私はアメリカによるイラン攻撃には賛成だが、その時期をイスラエルによって決められるというのは好ましい状況とは思えない。もしイスラエルがイランを攻めるのであれば、アメリカと前もって打ち合わせをした合同作戦であるべきだ。こちらが用意ができていないうちに状況が進んでしまうというのは決してよいことではない。
イスラエルのパイロットたちはすでにジブラルタルまで飛んでおり、イランまでの往復2000マイル飛行への訓練をしているものと思われる。またイスラエルからイランへの三つの飛行航路もすでに敷かれているらしい。
どうもイスラエルの訓練といい、アメリカの空母艦派遣といい、イスラエルとアメリカの合同イラン攻撃の布石がおかれているような気がしてならない。
January 06, 2007, 現時間 10:43 PM | コメント (2) | トラックバック
January 05, 2007
今こそイランを攻めるチャンス!
これは噂でまだ実際のことははっきりわかっていないが、イランの大教祖様であるアヤトラ・アル・コメイニーが病死したかもしれないという情報がある。イランで実際に権力を握っているのはなんといってもグランドアヤトラと呼ばれる聖職者。この間の選挙でもイランではかなりの権力争いが起きているようだから、今後も激しいお家騒動が期待できる。だとすればアメリカがイランを攻めるなら今がチャンスである。
先日アメリカ軍はイラクにいるイラン軍の高官数人を一時的に拘束したという話をしたが、彼等の持っていた書類にはどうやらイラク侵略計画が緻密につづられていたようである。パジャマメディアのマイケル・ラディーンによればイラク、シーア派の勢力者ハキム氏の自宅に集まっていたテロリストのなかにイラン革命軍のAl Quds部隊という特別に凶悪な部隊の高官がまじっていたという。しかもこの男のもっていた書類にはイランがイラクにおいてシーアとスンニ両方のテロリストを使って攻撃する壮大な計画が描かれていたというのである。イランがイラク情勢にちょっかいを出しているとは薄々勘付いてはいたものの、アメリカ諜報部が握っていたよりもずっと大規模なイランによるイラク攻撃計画が着々と進んでいたようである。
この情報はすでにブッシュ政権の耳にはいっているとのことだが、折も折り、すでに出動されている空母グループに続いて二つ目の空母とその護衛隊がペルシャ湾に出動されることになった。今回出動になるのはUSS John C. Stennis とそのストライクグループで、先に出動したUSS Dwight D. Eisenhower空母グループとあわせると16000人の水平がペルシャ湾に待機することになる。
だが、大事なのは水兵の数ではなく、戦闘機の数だ。これによってアメリカ軍は普通の戦闘機とヘリコプターをあわせて180機をペルシャ湾に出動させることになる。
ペルシャ湾の右端にあるホルムズ海峡は幅約32kgの狭い海峡でタンカー用の幅1.6kmの航路が二本引かれている。なんと世界中に供給される石油の1/4がこの道を通って輸送されるのである。イランを攻めるにあたって一番の脅威はイランがホルムズ海峡でテロを行うことだ。ヘズボラが石油タンカーをこの狭い航路で攻撃して船を二つ三つ沈めるようなことがあったら、この航路は一年は封鎖され世界中で石油大幅不足が起きるという大惨事につながる。原油もれによる環境破壊も世界最悪の規模となるだろう。
これは単にカカシの被害妄想ではない。歴史家のアーサー・ハーマン氏によると、イランは2006年の4月に大掛かりな海軍演習をやっており、その際いくつも対船ミサイルの試射を行いイランに楯を突けばタンカーなどいくらでも沈められるというデモンストレーションを行ったという。この演習は称して「聖なる予言者の戦争演習」また8月にはイラン軍はルーマニア所属の船に発砲した上乗船した。船の持ち主が誰か確かめるためという口実だったが、実際には西洋にイランにはどの国の船も安全ではないぞという警告を発することが目的だったことはいうまでもない。
ホルムズ海峡は確かにイランからの石油輸送にとって非常に大事な場所である。だが、それをいうならイランにとってもこの海峡は非常に重要な航路だ。イランはホルムズ海峡を手に取って世界をコントロールしようとしているが、アメリカはこれを逆手にとってイランをコントロールできるとハーマン氏は語る。それをどういうふうにするのか、下記がハーマン氏の提案だ。
- まずホルムズ海峡を通る石油輸送を阻止する国はどこであろうと容赦しないと発表する。
- その脅しを証明するために対潜水艦船、戦闘機、じ来除去装置、イージスBMDシステムなどを含む空母艦バトルグループをペルシャ湾に派遣する。むろんこちらの潜水艦も含む。
- アメリカ一国によるイランの石油タンカー通行を封鎖。イランから出る石油、イランへ入るガソリンなどを完全阻止する。ほかの国の船は自由に通過させる。
- イランの空軍基地を徹底的に攻撃し、イランの空の防衛を完全に破壊する。
- イランの核兵器開発地及び関係基地、インフラなどを攻撃する。
- そしてこれが一番大切なことなのだが、イランのガソリン精製施設の徹底破壊である。
- アメリカの特別部隊がイラン国外にあるイランの油田を占拠する。
イランは今非常に厳しい状況にある。ハーマン氏は我々はそれを最大限に利用すべきだという。
イランは非常に大きな石油輸出国であるにもかかわらず、なんとガソリンの40%を湾岸諸国を含む外国からの輸入に頼っている国なのである。精製施設がなくなり保存施設も破壊されれば、イランの自動車、トラック、バス、飛行機、戦車および軍事機器がすべて乾いてしまう。これだけでイランはイラン軍による反撃など不可能となってしまうのである。(イランの海軍は年老いて破損が激しい。一番の財産であるロシア製キロ級潜水艦は港を出る前に破壊してしまうべきである。)
これでイランをコントロールすることが可能だとハーマン氏はいう。ミスター苺は同時にイスラエルがヘズボラをたたくことを提案している。
さて、ハーマン氏のこの提案は2006年の11月に発表されたものだが、これを念頭において先に紹介したロイターの記事を見直してみよう。すでに派遣した一つのバトルグループについで二つ目のバトルグループを送り出すということはブッシュ政権は本気でイランを攻めるつもりだとは考えられないだろうか? 我々はBMDや潜水艦の派遣などという機密情報は知る由もないが、分かっているだけでもかなりきな臭い状況になっていると想像できる。
都合のいいことにこの作戦は議会の承認を必要としないため、ブッシュ大統領がその気にさえなれば彼の一存で実然させることができる。
第一この作戦における利益は膨大なものがある。
* イランの台所はすでに火の車、これで経済破たん間違いなし。* この攻撃がきっかけで支配者層のムラーたちに対する国民の奮起がるかもしれない。
* イランの資金援助なくしてはシリアのアサード政権も長持ちしない
*イランの援助なくしてはヘズボラは行動できなくなる。
* イランの援助なくしてはイラクのサドルも資金不足で人気がた落ち。
* アメリカがほんの数年で、アフガニスタンのタリバンを倒し、フセインのバース党を倒し、イランの支配階級を倒したということになれば、イスラム教過激派のジハード信教者の士気も萎えて志願者の数も減るだろう。
イスラム教社会は強者に付く社会だ。アメリカ文化のように弱い者の味方をするという慣習はない。だからヨーロッパ風の妥協は全く通用しない。だが、アメリカが圧倒的な勝利をおさめれば彼等も感服するだろう。
この作戦は今すぐにでも可能だ。問題は我々にその意志があるかどうかということだけである。
January 05, 2007, 現時間 08:04 PM | コメント (4) | トラックバック
December 26, 2006
イラン核兵器開発に夢中で石油生産をおざなりに
喜多さんとこでイランの石油生産状態がよくないという記事を読んだ。以下ワシントンポストに載ったこの記事によると、全米科学アカデミーが発表した情報ではイランの石油輸出の売り上げは激減しており、このままだと2015年には石油輸出による収入はほとんどなくなってしまうというのである。(訳はもちろん喜多竜之介さん)
イランは毎年石油輸出で約&500億を稼いでいる。減少は年間10-12%と予測されている。5年を経ずして、輸出は半減し、2015年には消滅するだろう、と(ジョン・ホプキンス大学の経済地理学者ロジャー・)スターンは予測した。彼は、石油生産は減少傾向にあり、ガスも石油も高額の補助金を付けて国内では販売されているのだ、と語った。同時に、イランは石油生産施設に再投資を怠っている。
イランは一日に約370万バレルを生産しており、OPECが定めたイランの割当量よりもおよそ30万バレル少ない。
この不足分は年間約$55億の損失となる、とスターンは言った。2004年のイランの石油売上は、政府収入の内65%だった。
であるからアメリカがイランを今すぐ攻めたりしなくても、数年ほうっておけばイランは自滅するだろうとスターン博士はいう。はっきりいってこれは興味深い発見である。イランは核兵器開発やテロリスト援助に夢中になりすぎて古くなった石油生産施設へのメインテナンスも技術高進もしていないため、生産が他国より遅れているのだろう。それに加えてイランには石油精製工場が極端に少ない。だから石油産出国でありながら精製後のガソリンはほとんど輸入に頼っているという皮肉な状態がおきている。
とするならば、スターン博士のいうようにじっと待っていなくてもこちらから意味のある経済制裁を施してイラン崩壊をお手伝いするという手もある。以前にも書いた通りイランに出入りする石油タンカーを完全封鎖してしまうことだ。原油は売れないガソリンは手に入らないとなればイランの経済崩壊は2015年まで待つまでもない。
国際社会が真剣になれば、イランの核開発を阻止することは案外容易にできるのかもしれない。問題はその意志が国連にあるのかどうかということだが、、、
追伸:ミスター苺にいわせるとイランに12番目のイマームが訪れてイランをすくってくれる日は近いので、2015年の心配などする必要はないと、アフマネジャド大統領は考えているのだろうとのこと。これだから狂信国は恐い、、
December 26, 2006, 現時間 02:44 PM | コメント (0) | トラックバック
イラクにてイラン軍高官4人を米軍が拘束
シーア派のマフディ民兵軍の親玉はサドルは、イランの飼い犬ならぬ飼い豚(どうみても豚にみえるな、あの顔は)であることは周知の事実。イランはアルカエダと民兵のどちらも煽ってイラクの宗派間争いを企んでいる。陰謀があるとすれば、まさにイランこそがその裏に潜む悪玉である。
その根拠となりそうな情報を昨日米軍は発表した。以下産經新聞の記事より:
12月26日8時0分配信 産経新聞【ワシントン支局】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は25日、イラクの治安部隊を攻撃する計画にかかわっていた疑いで、イラクの駐留米軍が少なくとも4人のイラン人を拘束したと報じた。拘束者の中にはイラン軍高官や外交官も含まれているという。
ブッシュ米政権は、混迷するイラク情勢打開のため、超党派グループからイランを含む周辺国との直接対話を勧告されているが、イランが米国に反発を強めるのは確実で、米国のイラク戦略に何らかの影響を与える可能性もある。
報道によると、米軍は21日夜、バグダッドのイラン大使館近くで、公用車を停止させ、イラク人護衛を含む同乗者全員を拘束した。イラン人外交官2人はイラク政府に引き渡された後、保釈された。また22日未明には、イラク連立政権を構成するイスラム教シーア派の「イラク・イスラム革命最高評議会」指導者、ハキーム師の施設内を捜索、イラン軍高官を拘束したとしている。
イラン外務省スポークスマンは25日、「拘束は国際規範に反しており、深刻な結果を招くだろう」と米国を非難した。(強調はカカシ)
イラクで革命を起こそうという連中と会議をしておきながら、「高速が国際規範に反している」などとよくいえたものだ。ま、国連の条例など無視して核兵器開発をやってるならず者国家だからこの程度の反応は別に驚きはしないが。それにしてもニューヨークタイムスは、いったいイラン高官がシーアの政治家と一緒になって何をやっていたのかという質問をする前に、イランがアメリカに反発する可能性などを心配している。全く本末転倒だ。アメリカをぶっつぶすといっているイランがこれ以上アメリカを嫌ったからって何がかわるというのか、ばかばかしい。
ま、それはいいとして、これまでイランがイラクの内政に裏から口をだしていることはさんざん話題にはのぼっていたものの、確たる証拠が提示されたことはない。この拘束されているイラン人によってイランがイラクをどのようにコントロールしようとしているのかが明かになってくれるといいのだが。
しかし、この時期にアメリカ軍がイラン高官を拘束しているという事実をわざわざ公表したというのは興味深い。ベーカー氏のイラク研究会の推薦にはイランとの対話が含まれていたが、もしやアメリカはイランと交渉をするとして、その際上手にでられるような布石を投じているのかもしれない。なにやら緊張した空気を感じる。
December 26, 2006, 現時間 01:48 AM | コメント (0) | トラックバック
December 25, 2006
’96のサウジ米軍宿舎爆弾事件、米裁判所イランの関与認定
よくイスラムテロリストによるアメリカへの攻撃をいうと、2001年の911同時多発テロが最初だと思う人がいるが、実はそうではない。1990年代だけでも最初のWTC爆破テロからはじまって、アフリカのケニアとタンザニアのアメリカ大使館で同時に起きた自動車爆弾テロ、イージス艦コールの爆破などアメリカはイスラムテロリストから何度も攻撃を受けていた。1996年にサウジアラビアの米軍宿舎で起きた自動車爆弾攻撃もそのひとつである。
私は当時の状況に詳しいFBI捜査官から話を聞いたことがあるが、サウジアラビアはもともとアメリカ軍の度重なる要請にもかかわらず、空軍宿舎の前にもう一つ防御フェンスを取り付けるなど、警備を厳しくすることに協力してくれなかったのだそうだ。だから自動車爆弾を運転した男は門をつっきって宿舎に突っ込むことが容易にできたのだという。事件後もFBIの捜査官に女性が含まれているといって全く捜査に非協力的だったようだ。
しかし、最近になってあのテロにイランが関与していたことがアメリカの裁判所によって正式に認識された。
米裁判所がイランの関与認定、サウジ米軍宿舎への爆弾攻撃
2006.12.23
Web posted at: 15:50 JST
- CNN/APワシントン——サウジアラビア東部、ホバル市で1996年起きた米空軍操縦士、関係者が寝泊まりする宿舎へのイスラム過激派の爆弾攻撃で、米連邦地裁は22日、事件へのイランの関与を一部認定、遺族が同国に対し約2億5400万ドル(約302億26万円)の損害賠償を請求する権利を認めた。
同裁判で、一部とは言え、イランの関与を結論づけたのは初めて。
事件では米国人19人が死亡。米連邦捜査局(FBI)は、イスラム強硬派ヒズボラのサウジアラビアの分派の犯行と断定した。ただ、イラン政府と同分派のつながりには明確には触れていなかった。
22日の判断は、FBI要員の証言を材料にした。イラン政府直轄の情報機関要員2人と同国政府職員が同分派に資金、訓練、支援物質などで便宜を図っていたと述べた。
連邦地裁の判決に対するイラン側のコメントはない。
これも古い話ではあるが、アメリカを最初に攻撃したイスラム過激派といえばイランである。1979年イラン革命直後にイランの学生たちがアメリカ大使館を乗っ取り外交官や従業員を一年半あまり人質にした事件が最初だ。今思えばイスラムジハーディストによる西洋への戦争はあの時始まったといっていい。
イラクにおいても、レバノンや、最近はパレスチナにも手を出しているイラン。全く歯のない経済制裁など屁とも思わないイラン。アメリカはいずれは戦争をしなければならなくなるだろうな。
December 25, 2006, 現時間 04:53 PM | コメント (0) | トラックバック
December 20, 2006
イラン選挙:アハマディネジャド大統領勢力衰える
皆さんは、最近イランの大統領アハマディネジャドの勢力がイラン国内で衰えていることをご存知だろうか。 先日行われたイランでの選挙での開票結果が発表されているが、アハマディネジャド大統領派は各地の地方選挙で大幅に議席を失いつつあり、大統領の勢力衰退を示している。
[テヘラン 17日 ロイター] 15日に行われたイラン専門家会議と地方評議会選挙は17日までの中間集計で、保守穏健派が躍進し、保守強硬路線のアハマディネジャド大統領派が苦戦していることが明らかになった。
選挙一週間くらい前にサウジの新聞がこの結果をかなり正確に予測していたが、大統領派の勝敗は投票率にかかっていると書かれていた。 アハマディネジャドは投票率が低い方が有利だと踏んでおり、だいたい15%くらいの投票率だろうと予測していたらしい。確かに過激派にとっては投票率が低い方が有利なのはどこも同じ。 ところが蓋をあけてみたらなんと保守派の選挙運動が身を結んだと見えて投票率は60%という高さ。
地方評議会選挙では特に重要といわれているテヘラン市会議員の選挙では15議席中14議席をもっていた大統領派はなんと4議席しか保持できなかった。
どうしてこのような結果になったのだろうか。
先の選挙でアハマディネジャドを支持していたのは故ホメイニ派の過激派だった。 しかしアハマディネジャドは自分の支持する聖職者Ayatollah Muhamad-Taqi Mesbah-Yazdiを支持するムラー(宗教指導者たち)をイラン専門家会議のメンバーに多く当選させ、多数議席を占めるYazdi派のメンバーによって現議長であるホメイニの跡継ぎアヤトラ・アリ・カメーニ(Ayatollah Ali Khamene)を議長の座から引き摺り下ろそうと企んでいたのである。
ところがこのたくらみがカメーニにばれてしまい、専門家会議に立候補しそうなアハマディネジャド派の候補はすべてカメーニによって失格させられた。ちなみに保守派のラフサンジャニ派の候補もラフサンジャニ自身を除いた全員が失格となった。 (このへんのことはかなり複雑でイランの政治機構をはっきり理解していないカカシとしてはみなさんへの説明にもちょっと苦労するのだが、、)ま、ともかくだ、ホメイニ派の支持者たちはアハマディネジャドが過激派のホメイニ派を差し置いて自分の勢力を強めようとしていることに反感をもって今回の選挙はボイコットしてしまったわけだ。
それにひきかえ、当初はボイコットするだろうと思われた、保守派の前大統領ハシミ・ラフサンジャニ派と、穏健派とが結託して選挙に参加したことで、反アハマディネジャド派の投票率が大幅に高まったのである。
これでアハマディネジャドは終わりだというわけではないが、彼の勢力が極度に衰退したことは確かである。
ところで、こんなイランの情勢を知ってか知らぬか、アメリカは今湾岸で海軍増強を計画中の模様。
米国、イランけん制で湾岸での海軍増強を計画=CBS
米国防総省は、イランに対する警告として、湾岸地域に配備する米海軍の大幅な増強を計画している。CBSニュースが18日伝えた。
CBSは、匿名の軍関係者の話として、同計画は湾岸地域に2隻目となる空母の配備を求めるものだと伝えた。CBSによると、この措置は1月に着手し、対イラン攻撃を目的としたものではなく、米当局者にとって一段と挑発的になっているイランの行動をけん制するのが目的だとしている
カカシとしてはブッシュ大統領の任期が切れる前にイラン攻撃をすべきだと思う。 この動きがイラン攻撃につながるのかどうかは不明だがちょっと気になる動向である。
December 20, 2006, 現時間 03:44 PM | コメント (5) | トラックバック
October 27, 2006
イラン攻撃作戦4、スーパー経済制裁
イランをどうするか、前回までのお話:
1)攻撃作戦の選択色々
2)斬首作戦
3)ムラーの顔丸つぶれ作戦
題名からもご察しの通り、これはイラン経済に注目する作戦である。言ってみれば「超経済制裁」である。イラク、サウジ、そしてほとんどの中東の産油国のようにイランは原油輸出国である。
イランの経済は原油に完全に頼った非常に偏ったものである。ほとんどの経済活動は政府が統括しており、民間企業などほとんどない。カタミ前大統領は経済改革をラフサンジャニ大統領も続けているがあまり効果はない。近年原油価格が比較的高いおかげでイランは40億ドルという外貨リザーブを所持している。しかしこれもインフレや高失業率を緩和するのにはほとんど役に立っていない。大量破壊兵器開発に不均衡な資産を投入しすぎていることも大きな問題である。
この状況を観ればイランの弱点は一目瞭然である。イランは原油輸出で成り立っている国だ。輸出するということは原油を外へ運び出さなければならないわけで、その通路となる港を遮断してしまえば輸出は不可能となる。この経済制裁作戦は最初の核兵器施設破壊作戦と同時に行えばイランは破壊された施設を修理することすらできなくなる。
油田そのものを破壊する必要はないので、環境汚染につながることもなく、イラン国内だけでなく近隣諸国への悪影響も出ない。クルーズミサイルを数本ペルシャ湾とキャスピアン海に打ち込めばことは足りるはずだ。この作戦の目的はイランを崩壊させることにはない。ムラー達に圧力をかけて国内における革命を促進することにある。だから革命後に必要なイランのインフラはなるべく破壊せず一時的に昨日不可能な状態にして保存しておく必要があるのだ。
しかしこれだけでは不十分である。イランが現在持っている40億ドル外貨をなんとかする必要がある。そうでないとこの金を使ってイランは食料から修繕費からすべてまかなうことができるからである。ということは二つの出入り口をふさぐ必要がある。
ペルシャ湾には我が海軍が出動して閉鎖することが可能だが、カスピは陸に囲まれているためれができない。だがここはどうしてもふさがなければならない。なぜならカスピ海を使ってロシアから必需品が輸送されるのを防がなければペルシャ湾だけをふさいでも意味がないからである。 (イランの地図参照)
この裏口を閉めるのは地理的にも政治的にもかなり困難と思われる。幸運なことに今現在イランとロシアとの間で実用的な原油パイプラインは存在していない。 イランへ来るどのような貨物も海を渡るか路線を使う以外に方法はない。
イランのカスピ海沿岸にはネッカとバンダー・アンザリという二つの主要な港がある。ネッカには核兵器施設があるとされているので、まず最初にここを攻撃すべきだろう。しかしイランのもっとも主要な港はイラン北西でアゼルバイジャンに接するバンダー・アンザリのほうである。アンザリも大事な標的リストのうちに入れられなければならない。
これはイラン隔離というわけではない。石油輸送の阻止であってイラン漁業の邪魔をするわけではないからだ。一般市民への悪影響は出来る限りさけなければならない。
地上輸送はそれほど問題にならないのではないかと思う。というのもイランはトルコ、アルメニア、アゼルバイジャン、トルクメニスタン、そしてもちろんイラク、アフガニスタン、パキスタンに囲まれている。最後の三つの国からの援助は先ず考えられない。イランは北方の近隣諸国とはまあまあの関係にあるが、トルコ以外にはイランを支えるだけの資源を提供できるような産業といったものは特にない。我々はトルコとの親睦に力をいれてイランへの空爆に協力させるよう働きかける必要がある。 すくなくともいまのところトルコはイランよりは親米に近寄っている。
万が一交渉が失敗した場合には、アメリカはイラン攻撃に備えてトルコ国内に核兵器設備を90ほど配備しているという。 イランがトルコからの協力を得ることは先ず無理だろう。
一番心配なのはロシアの反応と原油市場の反応である。もしサウジがイランに同情してアメリカへの原油輸出を制限した場合にはアメリカは難しい状況に陥る。しかしブッシュ大統領のおかげでアメリカには石油の貯えはかなりあるが、それでも二年か三年が限度だろう。 輸出制限がそんなに長く続くとは思えないが、アメリカ国内の経済に与える悪影響は多大なものになる可能性がある。
しかしOPECは今のところ我々側についているので、サウジがイランの分を補ってくれれば原油の値段が上がる必要はない。
ロシアの反応は簡単には予測できない。イランとロシアは最近色々な企画で協力関係にある。 また旧ソ連時代からの名残もあっていざとなればロシアはアメリカよりイランに味方するだろう。しかしロシアがアメリカに対して何ができるのかはかなり未知数だ。ロシアはチェチェンやウクライナの問題を抱えているし、西側とも経済面で色々なつながりがある。ロシアはまだまだ現代化に向かって産業を発展させる必要がある。そんな時にロシアはイランの問題でアメリカと一戦交えたいなどと考えるだろうか、ロシアも手を焼いているのと同じ過激派のイスラム教徒なんかのために、、
この作戦4は作戦1のイラク核兵器施設攻撃と同時に行われるべきである。このような状況にあってロシアは多分国連安保理で大声を張り上げて抗議はすうだろうが、特になにもしないのではないかというのが私の予想だ。
この作戦は作戦1をエスカレートさせたものだが、攻撃に次ぐ経済制裁でイランが破壊させた核兵器施設を再建するのを防ぐことになる。であるからこの作戦は真剣に考える価値があると思う。
原文はこちらBig Lizardsより:, Iran Strategies 3: the Econostrike
October 27, 2006, 現時間 01:38 AM | コメント (0) | トラックバック
October 26, 2006
イラン攻撃作戦3、ムラーの顔丸つぶれ作戦
昨日は核兵器施設などでなくイランの頭首らを叩く案を書いたが、今日はそこまで極端ではないが同じような効果が得られる別のやり方を考えてみたい。
イランをどうするか、前回までのお話:
1)攻撃作戦の選択色々
2)イラン攻撃: 斬首作戦
この作戦は簡単にいえば、一万から二万の兵をイラクからイランの東側へ電撃攻撃で乗り込ませるというもの。あまり深入りせず国境沿いに50から70マイル程度のところまで隊を備える。ただし、これすべてイラン側の領地。ここにしっかり居座って何があっても敵に一歩も譲ってはならない。
アメリカ政府は、この作戦の目的はイランからイラクへ侵入してくるテロリストを食い止めるためであると発表する。この際、イランの核兵器の話は一切しない。事実イランからのテロリスト侵入を阻止するというのはこの作戦のボーナスのようなもの。イラクにとってイランから邪魔をされずに国づくりができるのは好都合。しかしこの作戦の本当の目的はイランの現政権を崩壊させることにある。
この作戦はまずイランの統治者にとって堪え難い状況を作り出すことにある。イランの統治者であるムラー達がイランを統括できているただひとつの理由は彼等が無敵の存在であり誰にも破壊されない党首であると国民に思わせているからだ。そのムラー達に自分らの領地を占領している外敵を攻撃して蹴散らすのか、それとも黙認するのか、その手のうちを無理矢理開かせるのである。
もし彼等がなにもせずにアメリカ軍にイラン領土を占領するのを黙認すれば、彼等の面子は丸つぶれである。イラン政府がこのようなあきらかに臆病な態度を示してはイラン政府がそのまま権力を保つことはできない。政府が自国の領土も占領軍から守ることができないというのであれば、政権の指揮者としての信用は完全に喪失される。
しかしもし彼等が攻撃した場合でもその結果は同じである。なぜならイランが占領軍であるアメリカ軍にうちかつためには圧倒的多数の軍隊を送り込まなければならない。ヒズボラのようなテロ軍団は真正面からの攻撃では正規軍には太刀打ちできない。しっかり根をおろしてふまえているアメリカ軍に真っ向から突撃したのではイラン軍は大敗する。イラン軍は崖に当たる波のように木っ端みじんに崩れてしまうだろう。
無論、イラン軍は大量破壊兵器を使うにちがいない。だがアメリカ軍はそれにも十分に立ち向かえる備えがある。科学/生物兵器防衛用のスーツを着れば恐くない。 もし彼等が小型核兵器をひとつやふたつもっていたとしても、それを撃ち込むための輸送機間、飛行機、ヘリコプター、トラック、牛車、、近付くものはことごとく破壊し、絶対に近付けないだけの機能がアメリカ軍にはある。
最終的にイランは自国の領土に居座るたかが数千の外敵を追い出すこともできないほど情けない存在であることを暴かれてしまうわけだ。彼等の誇りは傷付き面目丸つぶれとなる。ここでこれまで弾圧されていたイラン市民が立ち上がって、この張り子の虎を追い出し、多少西側諸国に似たような民主主義をつくりだしてくれれば儲け物である。 我々が秘密裏に事前に現政権反対派のリーダーたちと連絡をとっておくのも悪くない。
ミスター苺は、この提案は彼以外の人が書いてるのを読んだことがないといっている。その理由はこれがすばらしい考えで誰も思い付かないだけなのか、あまりにも馬鹿げているせいなのか解らないのだが、、(汗)
原文はこちらBig Lizardsより:, Iran Strategies 2: Beachhead Bingo
October 26, 2006, 現時間 03:06 PM | コメント (0) | トラックバック
October 24, 2006
イラン攻撃作戦2、斬首作戦
昨日に続いてイラン攻撃作戦を考えてみよう。これはミスター苺が2005年にBig Lizards.netに掲載したアイデアを参考にしたものだ。
イランをどうするか、前回までのお話:
イランの核兵器施設への一斉攻撃作戦は理想ではあるが、効果的な攻撃とするためにはかなり大掛かりなものになってしまう。このことは昨日も書いた通り。しかしそんなことをしなくても、もっと簡単に確実にイランの脅威を破壊する方法がある。それはイランの頭を狙うことである。
核兵器そのものを拳とするならミサイルは腕、軍隊は胴といえる。(さしずめ汚い仕事専門のヒズボラは尻だわな)だが腕も拳も頭からの命令がなければ動かせない。だからイランを倒すならこのタオル頭を首からちょん切るのが一番効果的なのではないだろうか? ヒズボラにしろ大統領のアクマディネジャドにしろ皆、イランのムラーから指揮を仰いでいる。イランの実質的な指導者とはムラー達であり、その最高指導者はアヤトラアリコメーニ(Ayatollah Ali Khamenei)なのだ。だからコメーニを含め指導層の連中を取り除けばイランの核開発プログラムは自然消滅するだろう。
とはいえ、私はイランの指導層を文字どおり暗殺しろといっているわけではない。(もっともゴッドファーザー2の最後みたいな同時多発暗殺も決して悪い考えではないが、、)私が考えているのはCIAが煽動し、ウクライナでおきたような「オレンジ革命」を成功させることだ。もちろんCIAがブッシュバッシング目的で国内で秘密情報漏えいに夢中になっている間はこんなことは望めないが。
CIAがたよりにならないとしたら、イスラエルのモサード、英国のMISなどの力を借りて、イランのムラー独裁政権崩壊を促進するにはどうすればいいか、革命は何時おきるか、生徒、共産党、またはシーア静寂派(quieties)か、どのグループが一番親米かということを探り出す必要がある。
斬首作戦の利点は秘密裏にできるので、国際社会のの意見を聞く必要がないということだ。革命が成功しても失敗しても、我々は関係を否定することができる。
斬首作戦の利点はイランの核兵器開発を阻止するだけでなく、ほかにも色々ある。
* イランのムラーから切り離されればヒズボラは勢力を大幅に失う。イラン国内だけでなく、シリアやレバノンでも彼等の勢力は喪失するであろう。
* 穏健派が政権を握れば民主主義にそれだけ近付く。
* 国民の2/3を占めるイランの若者は比較的親米である。少なくとも彼等はアメリカ文化が好きである。
イランの人口の多くがすでに親米であるから、我々が極端なことさえしなければ、イラン市民をアメリカの味方につけることができる。だからイラクスタイルの侵攻は問題外だ。理想はウクライナ風のオレンジ革命だ。少なくともそのような動きが自然に起きた場合にそのチャンスを見逃さないようにしっかりと諜報を集めておく必要があるだろう。
原文はこちらBig Lizards.netより:Iran Strategies 1: the Guillotine Gambit
October 24, 2006, 現時間 05:04 PM | コメント (1) | トラックバック
October 23, 2006
イラン攻撃作戦1、攻撃作戦の選択色々
今週いっぱい、私はネットアクセスのない場所で過ごさねばならないため、ミスター苺がBig Lizards.netで去年あたりから書き続けているイラン対策を少しづつ翻訳して紹介したいと思う。リアルタイムでの掲載ではないのでコメントへの返信は遅れると思うがそのへんはご了承いただきたい。
イランをどうするのか、どうもイランとの国連による交渉は全く拉致があかないようだし、このままではいずれはアメリカはイランと戦争をするはめになるだろう。だが、一口に戦争をやるといっても、第二次世界大戦のような戦争はもはや時代遅れであり、空爆を主体とする攻撃はイスラエルによるレバノン攻撃をみていてもわかるように、庶民への被害が大きいだけで肝心の標的を能率良く破壊することができない。ではいったいどうすればいいのか。
ここで三つ違ったやり方を考えてみよう。
1. すでに分かっている核兵器施設の三つか四つを選りすぐって攻撃し、イランの核開発を遅らせ、対策を検討する時間稼ぎをする。
2. 核兵器施設と解っている場所及び疑わしい場所すべてに一斉攻撃をかけ、イランの核開発計画を破壊する。
3. イラン全体を侵略する。
3番目は最初から問題外だ。アメリカはイランを侵略し占領するだけの人員など持ち合わせていない。イラクとアフガニスタンで手一杯なのにイランまで手をのばすことなど不可能である。クリントン前大統領の徹底的軍隊縮小がいまとなって仇となった。
1番の限定攻撃作戦だが、標的を限定してみてもイランからの反撃は総攻撃のそれと全くかわらないだろう。我々が攻撃を制限したからといってイランが反撃を手加減するとは思えない。限定であろうと総攻撃であろうとイラン攻撃に協力する同盟国の数はかわらないだろう。つまり、総攻撃と限定攻撃ではこちらの損害は全く同じだということになる。
1番と3番がだめとなると、残りは2番の
核兵器施設と解っている場所及び疑わしい場所すべてに一斉攻撃をかけ、イランの核開発計画を破壊する。
ということになる。
しかし一斉攻撃をかけるといっても、具体的にどうすればこの作戦を成功させることができるのであろか?
この攻撃で問題なのはイランが実際何を持っているかがはっきり解っていないことにある。イランにはすくなくとも20数カ所の核兵器施設があるといわれているが、多く見積もるとこの数は70とも80ともいわれている。攻撃作戦がなにひとつ失敗せずに大成功だったとしても、イランの核兵器施設をすべて破壊することはできない。完全破壊ができなければイランの核兵器開発を阻止することはできないのである。
なるべく多くの施設を破壊するためには正確な諜報が必要である。ここでもし、イスラエルの秘密警察、モサドの協力を得ることができればアメリカは大いに助かる。イスラエルはフセイン時代のイラクには潜入することができなかったが、現在のイランにはかなり秘密工作員が侵入しているらしい。イスラエルの諜報部はアメリカのCIAでは決して突き止められない情報を既に持っているのだ。イスラエルもアメリカが本気でイランを攻撃するつもりだと判断すれば、アメリカが生半可なやり方で中途半端な結果をだすよりは全ての施設を破壊してくれた方がイスラエルもありがたい。なぜならアメリカが失敗すれば、その報復は好むと好まざるとに関わらずイスラエルに向けられることは間違いないからである。
こうするとこの作戦はちょっと改良されて
イスラエルの諜報でつきとめた、核兵器施設と解っている場所及び疑わしい場所すべてに一斉攻撃をかけ、イランの核開発計画を破壊する。
となる。しかしこのような「神に対する暴虐」をイランが許すはずはないから、もってるもの全てを駆使して猛反撃をしてくるだろう。イランはアメリカまで届く長距離ミサイルはもっていないが、アメリカ軍が駐留しているお隣のイラクへなら攻撃は可能だ。
またイランが化学・生物兵器を所持していることはほぼ確実である。イランはこれらの武器を守りの甘い一般市民に向けて使うであろう。ということは攻撃の際には同時に弾道およびクルーズミサイル、爆撃機、軽飛行機、ヘリコプターに至るまで、イランの反撃機能も完全に麻痺させなければならないことになる。
イランからイラク、アフガニスタンへ続く道も閉鎖せねばならない。そしてイラクに駐留しているアメリカ軍をイラン国境のイラン側へ移動させ、付近にあるテロリストのアジトに不意打ちをかけ、徹底的に潰す必要がある。
思うにイランはアメリカからの攻撃はいずれあると予測しているはずだ。しかし多分彼等はクリントンがフセインイラクに仕掛けたような限定攻撃を期待しているはずである。数日間の限定標的への空爆ならイランはたえられると踏んでいるに違いない。だから我々がこのような一斉攻撃を仕掛ければ彼等の不意をつくことができる可能性は非常に高い。
しかしこれをやっても、我々の完全な安全は保証されない。イランはいずれ反撃にでるだろう。もし長距離、中距離のミサイルがいくつかでも残れば、アメリカ、イスラエル、イラク、アフガニスタン、そしていずれはヨーロッパまでミサイルを飛ばしてくるだろう。それを予期して我々は弾道ミサイル防衛システムをできる限りの広範囲に備えておかねばならない。
さらに、イランがヒズボラを活用することも考えねばならない。ヒズボラは言ってみればイランの先攻特別部隊である。イランを攻める同時にヒズボラも攻めなければならない。
このへんはイスラエルに任せて、シリアがコントロールしているレバノン系ヒズボラが巣食っているベカバレーあたりを空爆してもらうのがいいかもしれない。レバノンがイスラエルの攻撃に協力などするはずはないが、ヒズボラが退治されても特に文句はいわないだろう。
ふむふむ、この作戦かなり良くなってきたぞ。
イスラエルの諜報でつきとめた、核兵器施設と解っている場所及び疑わしい場所、ミサイル基地、航空基地、イラク国境線に巣食うテロリストのアジト、レバノンのヒズボラなどすべてに一斉攻撃をかけ、反撃に備えてミサイル防衛システムをはり巡らせ、イランの核開発計画を破壊する。
無論、攻撃の直前には敵を混乱させるため味方の軍は意味があろうとなかろうとあちこちに移動する必要がある。こうしておけば相手は何かが起きるとは察知しても何時何処でどのような攻撃があるかを正確にとらえることができないからだ。ま、これは戦争の常識だから言うまでもないが。
最後に大事な点を指摘しておこう。これは多分欧州にはショックだろう。だから事前に彼等に言ってはならない。イランにもれる可能性が大きいからだ。
イランはアルカエダとかなり親しい関係にあるという。アルカエダはいまでもアメリカ本土攻撃をあきらめていない。イランが危機に陥れば、必ずやアルカエダに資金援助などをしてアメリカ攻撃を委託するだろう。アメリカを内部から崩してアメリカがひざまずかせようとするだろう。
であるから、我々がイランとヒズボラを攻撃するのと同時に、アメリカ国内にあるイラン大使館、イラン系聖廟、市民団体、などに一斉に手入れをする必要がある。
書類などをすべて没収し、国内に潜むアルカエダメンバーをいぶり出すのである。イランについての専門家であるケニス·ティマーマン(Kenneth Timmerman)氏によれば、イランの諜報省(MOIS)の大臣であるHojjat-ol eslam Ali Akbar を含むイランの高官や、イランの最高指揮官アヤトラ·アリ·コメーニ(Ayatollah Ali Khamenei )自らが過去にアルカエダのリーダー、アイマンザワヒリやオサマビンラデンと直接会見しているというのだ。
イランはイラクのフセインや他の独裁者らと同じように外国勢力との会見については詳細な記録をとっているはずである。イラン大使館に納められているアメリカ国内のアルカエダアジトや名簿などはFBIやCIAが何年かかっても集められないような膨大な資料であるに違いない。無論、アメリカ国内の外国大使館を襲うなどということは、国際社会から非難轟々だろう。特にこの作戦では国連ビル内の大使館も含まれるのだから。しかし、考えてみればイラン攻撃ですでに国際社会は大騒ぎしているだろうから、もうひとつくらい加えても大したかわりはないだろう。
というわけで、最終的にこの作戦は:
イスラエルの諜報でつきとめた、核兵器施設と解っている場所及び疑わしい場所、ミサイル基地、航空基地、イラク国境線に巣食うテロリストのアジト、レバノンのヒズボラなどすべてに一斉攻撃をかけ、反撃に備えてミサイル防衛システムをはり巡らせ、それと同時にアメリカ国内にあるイラン大使館、聖廟、市民団体の事務所などに一斉に手入れをし、アルカエダメンバーの名簿やアジトを含むすべての書類を没収し、イランの核開発計画を破壊する。
はあ、なんかすごい計画になってきた。しかし実際に攻撃をしようというならすべての可能性を考えておいた方がいい。たとえ計画に時間がかかったとしても、後になって「あ、あれを忘れていた!」なんてことになっては意味がない。マキアベリが言ったように、「王に攻めるなら王を殺さねばならん」
生半可な攻撃ならやらないほうがいい。やるなら徹底的にやらねばならないのだ。
原文はこちらBig Lizards.netより:Iran Strategies 0: Re-examining the "Default Assault"
October 23, 2006, 現時間 12:43 PM | コメント (1) | トラックバック
October 06, 2006
日本とイランの石油
イランの核開発は北朝鮮の核開発よりも国際社会には心配だ。北朝鮮は気違いが首相をやっているので、何をやるか分からないという心配はあるが、経済的に行き詰まっている北朝鮮で実際に核兵器開発を成功さえることなどできないと私は踏んでいる。また、北朝鮮が核兵器を使用すればそれは北朝鮮の終わりを意味する。将軍様は気違いでもその参謀らがそれを許すと思えない。金正日が自滅的な行動をとればクーデターになりかねない。
しかしイランの場合、彼等のやり方はかなり周到である。レバノンのヒズボラがイランの先攻特別部隊であることは明らかだし、イラクのサドルもイランの鼻息がかかっている。アフガニスタンやパキスタンで最近勢力を取り戻してきたタリバンも、かなりイランからの支援を受けているという。911にもイラクの関わりよりイランの関わりのほうが大きかったという説もあるくらいで、イランがテロリストを使って世界に及ぼす脅威ははかり知れない。このような国が核兵器を所持するのを自由社会が放っておくのは非常に問題だ。アメリカやイスラエルも核を持っているからいいじゃないか、などという単純な理屈では片付けられない問題なのである。
しかしもしアメリカやイスラエルがイランと戦争をするなどということなったら、日本はかなり苦しい立場に追い込まれる。いや、イランへの経済制裁だけでも日本は大影響を受けるのである。それは日本はイランと共同で油田開発をしているからだ。
私は3年くらい前に日本がイランと油田開発をすることになったという記事を読んで、いや〜な予感がしたのである。これは決していい考えではないとその時思った。しかしそもそも日本が何故イランで油田開発をするようになったのか、このことを毒吐き@テックさんが分かりやすく説明して下さっているので引用したい。(句読点のみ付け加えた)
まず、なんで我が国がイランの油田開発をするようになったか、これはね、覚えてる人もいるかもしれないけど、アラビア石油ってとこが持ってた、カフジ油田(サウジアラビア・クウェート沖)の採掘権、これの延長交渉が2000年に失敗した。ここは1957年からずっとアラビア石油が採掘権を持ってた...で、その頃はまだ9.11の事件の前だった。アメリカ様はイランのハタミ政権の穏健路線を評価し、イランへの敵視を止める可能性があった。
実は、既にネオコンが力を付け始めてたんで、強硬路線もあるってことに気付かなかったのね、日本はそんなこんなで、日本政府はイランにこだわり、石油業界をアザデガンの開発に参加させることを決めた。
そこに起こったのが、例の9.11事件。ブッシュは小泉さんに対し、イラン? んなもんは、捨て置け、油田開発には調印するなと命令した...イランは、油田の開発権を中国やEUに譲ってしまうと脅した.
さて、ここで国益重視・・・というか、石油業界の意を受けた経産省と、媚米派の外務省の暗闘が始まる。
結果、戦後初めて? それまでアメリカ様に逆らったことのない日本が、エナジー確保という「国益」というか、錦の御旗を掲げて、イランと調印するに到った。
それにしても調印をしたのはすでにイラク戦争が始まってからのことだったと記憶しているが、世界の情勢が見えてないとしか言えない愚かな決断だったと思う。もっとも油田開発という長期計画の必要な企画ではそうそう世界情勢に臨機応変に対応するというわけにはいかない。リビアに経済制裁を加えていたアメリカも、リビアが大量破壊兵器開発をあきらめたことをきっかけに、リビア対策を緩和している傾向がある。それで日本へもリビアとの契約を示唆しているという。そこで日本もリビアと接近しているらしい。
で、日本が何したか知ってる? 去年の3月に、高市センセの元カレと噂されてたりする・・・もと閣僚経験者がリビアに飛んでるで、結果として、翌月の4月にカダフィの息子のセイフが来日して、小泉さんと会ったんだけど、この間に取った我が国の行動が・・・ちくっとみんなには理解できないかも
何したか・・・
セイフの絵の個展を日本が開いてやった(笑)
こいつの来日にあわせてね寛仁親王殿下までが駆り出されたんだよ、まったく・・・
ま、オプションは色々あったほうが日本のためだ。悪いことではないと思う。しかしリビアとの交渉がどういう封に進むかまだ完全に未知数である今、イランから原油を買えないという状態になった場合、日本はかなり困るはずだ。
ではイランをどうするのか、次回にその具体策を考えてみたい。