March 6, 2007
NATO軍春を待たずしてアキレス作戦
アフガニスタンのNATO軍はタリバンが予告している春の総攻撃を待つまでも無く、すでに対タリバン攻撃を始めている。題してアキレス作戦。
今回の連合軍に参加しているのはアメリカ、イギリス、オランダ、カナダあわせて4000の兵、それに1000のアフガン兵が加わる。
今回の作戦は北側のヘルムランド地区に集中される。タリバンが占拠したと発表しているムサカラ(Musa Qala) とワシア(Washir)そしてナズワドの位置する地域である。ムサカラは去年の暮れ、イギリス軍がタリバンと交渉の末譲り渡した場所だが、タリバンなどと交渉ができると考えたイギリス軍は甘かった。おかげでここを拠点にタリバンが勢力を強め攻撃をしかけてくるという有様である。再びこの土地をとりもどさねばならなくなった。イギリスとアフガンの歴史は19世紀にさかのぼるほど古いのに、何で同じ間違いを何度も繰り返すのだろう。不思議でしょうがない。,
昨日も書いたように、NATO軍はすでにあちこちでタリバンと戦闘を続けており、その度に10人から50人の戦死者がタリバン側から出ている。タリバンが面と向かった攻撃でNATO軍に太刀打ちできるわけはないのである。
去年の総攻撃では役3000人のタリバンが殺されたが、一般市民も1000人巻き添えを食ってしまった。今回も春の攻撃をめざしてタリバンは兵を集めているが、今回も大惨敗で終わること間違いなし。アフガニスタンはこうやって何年も同じことを繰り返し、どっちの辛抱が持つかで最終的な勝ち負けが決まるのだろう。
March 6, 2007, 現時間 7:49 PM
エントリーが気に入ったらクリックしてください。
トラックバック
この記事のトラックバックURL: http://biglizards.net/mt4.21/agakhantrack.cgi/1863
下記は他のサイトからのリンクです NATO軍春を待たずしてアキレス作戦:
» 何がタリバン春の大攻撃だ! from In the Strawberry Field
今日、産経新聞の「タリバン、春に大攻勢へ アフガン駐留外国部隊が標的」という記事を読んでカカシが大学生の、パキスタンの留学生との会話を思い出した。ある時私はパキスタンとインドがカシミアを巡ってまた戦闘を始めたようだねという話をしたら、パキスタン空軍でパイロットをしていたこともある彼は、「あ~春だからね」と退屈そうに答えた。彼に言わせるとカシミアあたりは冬は寒くて雪もつもり山岳地帯での戦闘はほぼ不可能。暖かくなってくるとお互い何発か打ち合って形だけの戦闘をやるのが習慣なんだそうだ。これじゃまるで日本の... [Read More]
トラックバック日付け December 25, 2007 7:14 PM
コメント
前のコメント
下記投稿者名: rice_shower
タリバンは、当初はソ連軍撤退後の内乱状態の祖国に安定を取り戻さんとする、その名の通り数十人の神学生の始めた愛国的な活動だったのが(バックにパキスタンが居たとか何とかは置いといて)、瞬く間に“文化大革命”になってしまった。
学も教養も無い、粗暴な田舎ものの“紅衛兵”の集団となってしまった。 バーミヤン大仏の爆破にも最後まで反対した、またビンラディンの追放をオマル師に進言した良識派、穏健派もその巨大な渦に弄ばれるだけの小船でしかなかった。
百戦錬磨のビン・ラディンにしてみれば、原理主義という名の、実は単なる“異文化フォビア”に取り付かれたタリバンを手なずけるなど“屁”でもなかったのだろう。
逆に言えば、当時国際社会が本気になってアフガンを思い、しっかり寄り添い、真摯に話しかけ続けていれば、タリバンをビンラディンから引き離し、徐々にその異文化フォビアを解いていく事も容易かったはずだ。
「愛の反意語は無関心(マザーテレサ)」
上記投稿者名: rice_shower 日付 March 7, 2007 10:07 PM
下記投稿者名: scarecrowstrawberryfield
ライスシャワーさん
イスラムの教えの根本として、異文化を受け入れるなという教えがあるため、原理教で過激派のタリバンに交渉で異文化を受け入れるよう説得することは無理だと思います。
今、モハメッドについて読んでいるので、またその話は詳しくしますね。
カカシ
上記投稿者名: scarecrowstrawberryfield 日付 March 8, 2007 12:03 AM
下記投稿者名: rice_shower
>今、モハメッドについて読んでいるので、またその話は詳しくしますね
はい、楽しみにしてます。
大仏爆破のちょうど一年前あたり、タリバン穏健派、良識派(高等教育を受けた学者達が中心)は、オマル師(高等教育を受けていない)の了解の下、“原理教で過激派”な軌道の修正を図り、いくつかの政策を具体化させていたんですね。(このあたりは『大仏破壊』高木徹著、に詳しい) ある程度、世界の常識、良識との折り合いを付けねば、国際社会に受け入れられない(タリバン政権は国連加盟を希望していた)と認識する“現実主義者的原理主義者(?)”も存在していたのは事実。 ナンシー・デュプレという、女性でキリスト教徒でアメリカ人という、原理主義的には“おぞましい”はずのNGO活動家も受け入れ、ちゃんとレスペクトしていた。 このタイミングで国際社会が無関心を止めて、関与していたら、大仏破壊(ビンラディンが煽った)も、そして9.11も防げたのではないか(有り体の歴史のifで、言っても詮無いことですが)と、残念に思うのですよ、私は。
上記投稿者名: rice_shower 日付 March 8, 2007 1:02 PM
登録ありがとうございます。 さん コメントを残して下さい。 (サインアウト)
このサイトへ初めて投稿される場合には、サイト主による承認が済むまで投稿が画面に現れないことがあります。しばらくお待ちください。
© 2006-2015 by 苺畑カカシ - All Rights Reserved