能力よりも多様性が優先されるアメリカ航空機関、白人差別やトランスジェンダー特別扱いの危険性

数年前、早朝のロサンゼルス空港でスターバックスの列に並んでいたら背の高いパイロットの制服を着た人が前に並んでいた。空港だからパイロットが居るのは珍しいことではないが、私が気になったのはその人が長髪の髪の毛を雑なポニーテイルにしていたことだ。パイロットで長髪って珍しいな、まさかこの長身で女性ってことはないだろうなどと思っていたら、その人の番になり図太い男性の声で注文しているのが聞こえたので、あ、やっぱり男だと思ったのだが、振り向いたその人は顔に全く似合わない厚化粧をしていた!Oh, one of those! ああ、あっち系の人ね、と合点が行った。でもまあ腕さえよければパイロットが化粧をしていようとどうしようと構わんか、などと自分に言い聞かせてその場を去ったのだが、実はこの「腕さえよければ」というのがかなり怪しいという記事を読んでしまった。

デイリーワイヤーのマット・ウォルシが昨晩遅くXに「FAA(連邦航空局)のフライト・プログラム・オペレーション部門(航空機の運航全般を担当)の高官が、航空業界における白人男性の数を減らす計画を練っている内部映像を入手した」といって始めた長いスレッドには今の連邦航空局では多様性を重視するあまり空の旅の安全が軽視されていると書かれていた。

ウォルシは前々から最近のFAAのDEI(多様性、平等性、包括性)方針は職員の能力よりも人種や性別や性嗜好を優先させ乗客を危険にさらしていると指摘していたが、その確たる証拠を入手したようだ。非常に興味深い記事なので最初から読んでみよう。

先ずウォルシはFAAの航空機運航全般を担当するオペレーション部門のビデオ会議の映像を紹介する。この映像は、FAAの黒人女性のアンジェラ・マッカロー副最高執行責任者代理が、より多くの労働者が 「ランプからコックピットへ 」移動する必要がある、つまり、より多くの手荷物取扱者が航空会社のパイロットになることを望んでいる、と語るところから始まる。

会議が進むにつれ、マッカローは 「少し不快になる 」ことが重要だと宣言する。彼女は、フライトオペレーションが 「白人男性優位」であることを訴え、マネージャーたちに 「将来がどうなるかを話し合う」 必要があると言う。

これに対し、FAAのフライト・プログラム・オペレーション担当副社長であるデビッド・ウィル・リギンズは、「正直言って、素晴らしいことだ。この言葉は、私たちが本当に時間をかけて掘り下げて考えなければならないものです。」と答えた。

この映像は2022年4月のものだが、ウォルシはこの会議はもっと重大な問題が始まる兆候だったという。ここ数週間、ウォルシは航空業界の内部の人たちからDEIが一般市民を危険にさらし、彼らの仕事の邪魔になっているという話を聞いていた。

デルタ航空で働いているパイロットから得た情報によると、デルタ航空は最近、機長から繰り返し悪い評価を受けたトランスジェンダーであるパイロットを昇格させたという。その情報筋によると、このパイロットはトランスでなければ「おそらく研修期間を乗り切ることはできなかっただろう」という。

この情報源はまた、デルタ航空はトランスジェンダーであるパイロットの身だしなみや行動基準に関して、日常的に例外を設けているとも指摘している。社内では、デルタ航空は、自分が間違った体で生まれたと考えるパイロットのために、長いガイドを出版しているほどだ。

この部分を読んでいて私が冒頭で述べたポニーテイルの厚化粧男のことが頭をよぎった。男性パイロットの長髪など言語道断だが、女性でも長い髪の毛は後ろでお団子にしなければならないはずでポニーテイルはプロとしてだらしなさすぎる。それでも許されるのは彼がトランスだからなのだろう。

ウォルシは「このように業界全体があからさまな精神病を受け入れていることは、航空業界のあらゆる側面を苦しめている。」という。

彼が得た別の情報筋によれば、先進的な軍事システムを設計する仕事をしているエンジニアが、ことだが、「ジェンダーを考慮したシートベルト 」のようなDEIの提案に常に振り回されているという。このエンジニアの話では、大学を出たばかりの新入社員がやたらとDEIに関するアイディアを提案してくるというのだ。

このエンジニアによれば、彼の職場には二つのタイプの人間がいるという。一つは寝ても覚めてもDEI/ESG (Environmental, social, and governance 環境社会統治)しか念頭になく電子メールにわざわざ代名詞付きのサインをするような人達、もう一つは黙って仕事をするタイプだ。職場ではしょっちゅう白人以外のあらゆる人種や性嗜好グループを祝う行事が行われ、週に二回はDEI/ESG関係の訓練だの講習だので時間を割かれ、それがない時でも社員全員参加の会議と称してDEI関係の講義に強制参加させられるという。実は私も海軍の民間エンジニアリング部門で全く同じ体験をしている。毎月のようにラテン系だ黒人だ太平洋諸島民族の歴史といった催しがあり、そうでない時はLGBTや女性の月だなんだとゲストスピーカーが招かれて、オールハンズという全員強制参加の講演会があった。このエンジニアの職場では時間外でもDEIの名目でやれ昼食会だ、飲み会だ、映画鑑賞だ、と付き合わされているという。(強制飲み会参加とかまるで日本の職場みたいだな!)

またウォルシの元にはいくつかの情報源から、「eFast」と呼ばれるFAA最大のプログラムのひとつに関する文書も送られてきた。このプログラムでは、「インディアンの部族が所有する企業」と「社会的・経済的に不利な立場にある企業」を優先し、何十億ドルもの重要な助成金を提供している。FAAのeFASTに関する基本発注契約書には、1万ドルから15万ドルのFAA契約は、「社会的・経済的に不利な立場にある企業」のために「自動的に排他的に予約される」と記載されている。

いやあ、これも私の体験と同じだ。私は時々仕事で使う部品を購入することがあったが、軍隊なので近所の電気屋さんにちょっと買いに行くということはできない。ケーブル一本でも軍隊が指定した業者から注文しなければならず、少数派経営とか女性経営とかいったビジネスが最優先される。長年信頼関係を築いてきた業者が居ても、少数派経営の業者以外から注文する場合はいちいち正当な理由を提示しなければならず、それでも却下されることは多々あった。一度など、通常の業者からの購入が却下され、リストに載っていた少数派経営の業者への注文を余儀なくされたことがあったが、約束の納期を大幅に遅れて届いたと思ったら中国製の偽物商品。現場で使おうとしたエンジニアがどうもおかしいと気づいてくれたからよかったものの、気付かずに使っていたらどんなことになっていたか、、ここは軍隊だぞ、まったく!なんで中国製偽物を扱うような業者がリストに載っているんだ!

今年初めに羽田空港で起きた事故にしてもそうだが、あれは明らかに管制塔と湾岸警備隊パイロットとのコミュニケーションの行き違いによるものだ。あの事故は誰の落ち度かはまだはっきりしていないようだが、実はアメリカの空港では大事故には至らないまでも、ああいったニアミスは結構起きているという。管制塔職員やパイロットが能力よりDEIが優先されて採用されていた場合、今後はもっと大変なことが起きるのではないだろうか?

この無能と白人差別の組み合わせが、大規模な航空事故につながるのは時間の問題だ。多くの人々が命を落とす前に、航空業界にはまったく新しい任務、つまり安全性だけに焦点を当てた任務が必要なのだ。

とウォルシは締めくくる。


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日本法廷、遂に手術なしの戸籍性別変更を認める!

遂に日本にもその日が来てしまった。「手術なしでも性別変更を」トランスジェンダー当事者の申し立てを認める 岡山家裁津山支部(KSB瀬戸内海放送) – Yahoo!ニュース

岡山県新庄村に住むトランスジェンダーの当事者が手術なしで性別変更を認めてほしいと2023年12月に行なった申し立てについて、岡山家庭裁判所津山支部は、性別変更を認める判断を示しました。 【写真】1回目の申し立ての審判(2017年)

臼井崇来人さん

(性別変更を申し立て/臼井崇来人さん) 「一般の方が普通にできていたことを、やっと自分もできるんだな、スタート地点からまた次の人生が始まったなという感じがして、わくわくしています」  申し立てをしていたのは、戸籍上は女性で男性として暮らしている岡山県新庄村の臼井崇来人さん(50)です。

 「性同一性障害特例法」では、戸籍上の性別を変更するには、生殖機能をなくす手術が必要だとしています。  臼井さんは2023年12月、健康へのリスクなどを理由に、手術を受けなくても性別変更が認められるよう岡山家裁津山支部に申し立てをしました。  岡山家裁津山支部の工藤優希裁判官は「医学的にみても必要かつ合理的なものとは言えず、憲法に違反する」として、特例法のうち生殖機能をなくす規定を無効とし、性別変更を認める判断を示しました。  

一方で、「特例法全体が無効となるものではない」としています。  臼井さんは2016年にも同様の申し立てをしましたが、最高裁は2019年、「特例法の規定は、現時点では憲法違反とまでは言えない」として訴えを退けていました。  

しかし、2023年10月に行われた別の当事者の審判で最高裁が「規定は憲法違反である」との判断を示したことから、臼井さんは再び申し立てをしていました。  申し立てが認められたことで、臼井さんは、一緒に暮らしているパートナーとの結婚を前向きに考えたいと語りました。

あ~あ、やっちゃった!これで男性器付きの自称女が戸籍を女性に変えて、生得的女性と同じ扱いをしろと要求してくる日に一歩近づいた。

こういうことを言うと、いや、温泉や銭湯は男性器付きの人を女湯に入れないという規則があるから大丈夫だとか言う人が居るが、これは法律でそう決まっているわけではなく、温泉や銭湯協会の方針がそうなっていると言うだけの話であり、経営者の判断次第でどうにでも変えることが可能なのだ。もしこれらの施設が男性器付きの戸籍上女性から「法律上の女性を女性扱いしないのは差別だ」と言って訴えられたらどう対応できるのか非常に疑わしい。いや、そんな訴訟を避けるために時と場合に応じて自称女性の要求を飲むところも出て来るかもしれない。すでに欧米各国で起きているように。

それに温泉や銭湯は不安な女性達が行かなければいいという選択肢もあるが、これは女性が選べない状況の女性救済センターや病院の病棟や刑務所及び女子スポーツなどに大きな悪影響を及ぼす。すでに諸外国で前例がいくらあるのに日本でこの判断を下した日本の最高裁はどれだけ狂っているのだ?

手術なしの戸籍性別変更が可能ということは、男性は身体を全くいじらずに女性を名乗ることが出来るようになるということだ。特例法にはホルモン治療をしていなければならないという規則はない。性違和の診断書など15分で書いてもらえる。ということは身体は完全な男が法律上は女性だと言い張って女性空間にどんどん入ってくることが許されるようになるのだ。手術なしに戸籍変更が出来るということは特例法の条件である三、四、五が無意味になるということだ。

  • 一 十八歳以上であること。
  • 二  現に婚姻をしていないこと。
  • 三  現に未成年の子がいないこと。
  • 四  生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
  • 五  その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。

手術をしなければ、四と五は事実上無効になり、生殖器を保持するなら将来子どもが生まれる可能性は大いにあるので三番目も意味のないものとなる。手術要件を失くすということは要するに特例法自体を無効にするということなのである。

私は昔から戸籍の性別を変更できるという前提で作られた特例法にこそ問題があると主張してきた。しかしそういう話をすると特例法こそが最後の砦なのだから守らなければならないという女性空間を守る会らの人びとから批判を受けた。しかし私は特例法がある限り、その条件がどんどん緩和されて意味のないものになっていくに違いないと主張してきた。それはイギリスなどの例を見ていれば火を見るよりも明らかだったからだ。

しかし日本の法律に詳しい人の話によると、すでにある法律を覆すことはほぼ不可能に近いのだそうだ。だとしたら男女を身体の性別で分けることは憲法違反にはならないという判決が必要となってくる。私は理解増進法にこの項目を付け加えるべきだとずっと考えていたのだが、そうした安全弁が加えられることなく増進法は通ってしまった。

手術要件を外すとなると、いったい戸籍の性別変更はなにを基準に許可されることになるのだろうか?実をいうとこの臼井さんと言う人は生殖機能の手術だけでなく、乳房除去もしておらず、ホルモン治療も今はしていないのだという。ということはこの人は身体は完全に女性なのだ。そういう人が男性として生きているとは一体どういう意味なのだろうか?そしてこの人が戸籍を男性に変えられるということは事実上同性結婚を許すことになる。現に臼井さんは女性パートナーと結婚する気まんまんである。

まったく日本の最高裁は何を考えているのだろう。この話は臼井さんひとりの問題ではない。男性器を持ったまま戸籍を変えたがる男たちが激増する日も近い。

特例法に関する三つの派閥|c71 (note.com)


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J.K.ローリングは本当にトランスフォーブなのか?教授との会話で考えを変えた学生

これは今ネットでちょっと話題になっているビデオなのだが、とある大学教授と学生がJ.K.ローリングのトランスフォーブと言われるツイートに関して、実際にそれが本当にトランスフォーブなのか分析するという会話である。私はこれを最初に観た時、多分やらせだろうと思ったのだが、実際はそうでもないらしく、本当の教授と学生の会話らしい。

ではその内容を紹介しよう。XでMoja Mojappa@MojaMojappaさんが日本語訳を載せてくれているのでそちらも参考にしながら私なりに訳してみた。

教授:この人たちはJKローリングについて話したがっている。どうなの?何が知りたいの?

学生:えっと~、彼女はかなり物議をかもした過去がありますが、それについて教授はどうお考えですか?教授は彼女の作品を今でもお好きですか、彼女の偏見に満ちた意見にも拘わらず、、

教授:具体的に「偏見に満ちた意見」とやらを定義してみようか。どの意見が偏見に満ちているのかな?これを思想実験として扱ってみよう。私は何が正しいとか、間違っているとか、何を考えるべきかなどをいうつもりはない。重要なのは何を考えるかではなく、どう考えるかを学ぶことだ。

学生:はい

教授:君が偏見に満ちていると言う時、君は彼女の意見が偏見に満ちているという結論から出発している。まず、彼女は偏見に満ちた意見をもっているのか、というところから始めてみよう。君が偏見に満ちた意見というのは、、

学生:彼女は非常にトランスフォビア的な経歴があると聞いています。

教授:君が聞いた?例を挙げてみてくれる?

学生:えっと~、彼女のTwitterを見ればわかるとおもうんですけど、、よろしければ何か探してみましょうか?

教授:探してみてくれる?

数分後

学生:彼女が2019年に公表したツイートのひとつはこうです。「みんな、好きな服をまとい、好きなように名乗り、好き逢う大人同士で共に寝て、平和と安定のうちに最高の人生を送ればいい。とはいえ、『性別は現実だ』と主張しただけの女から仕事を奪うの?」

教授:で、君はそれが偏見だとおもうの?どこが偏見だと思うわけ?

学生:みんなにトランスフォビアだと判断されたんです。僕もそう思います。僕自身も。

教授:君自身もそれがトランスフォビアだと思うわけ?

学生:う~ん、僕は特に意見はなくて、、ただ他の多くの人が言ってることに従ってるだけで、、

教授:じゃ、ちょっと立ち止まって、他の人が言ってることに流されないようにしよう、そして批判的に考える方法を学ぼう。我々自身でこのツイートを分析してみようか。それでその発言、君自身は何か問題があると思うかね、他の人の意見は無視して、

学生:えっと~、彼女は、、ある特定の集団に、、何かを、、なすりつけようとしました。

教授:どこにそんなことが書いてあるんだい?読んでみてくれる?

学生:でも「性別は現実だ」と主張した女性を仕事から強制的に追い出すという部分。

教授:私の解釈としては、女性が「男と女には違いがある」と言えばトランスフォビアだと攻撃されるという意味だと聞こえるが、そこが彼女の言いたいことだと思うよ。「性別は現実だ」と主張した人を攻撃する者がいる、、と

学生:まさにそれが彼女の言っていることです。

教授:それはトランスフォビアなのか?

学生:え~~と~~

この後、学生はローリング女史が謝罪ツイートを出していると言って別のツイートを引用するが、それは単に先のツイートを別な言葉で説明したもので謝罪でも何でもない。そこでもこの学生はトランスフォビアだと思われる発言を見つけることができなかった。

それで教授は、どうやら彼女の言っていることご学生の考えとは特に違いはないということが解った今、彼女が大勢から攻撃される現状は公平だと思うかと学生に聞く。

教授:この会話の冒頭で、JKローリングがトランス差別者であるという前提を踏まえて、ハリー・ポッターについてどう思うかという質問を振り返ってみて、その言い方は最適だったと思うかね?

学生:いいえ、なんか馬鹿みたいな気がします。はは、、

教授:いいのさ、だからこそ我々は考え方を学ぶためにこうしてるんだから、、

実際にJKローリングをトランスフォーブだと批判している多くの人がこの学生のように、実際に彼女が何を言ったのか全く知らないか、歪曲したバージョンを信じ切っている。酷いのになると、ローリング女史が女性のことを「生理のある人」と言ったというデマを未だに信じている人がいる。真実はその真逆で、女史は女性を生理のある人と表現した新聞記事の見出しに対して「生理のあるひと?他になにか言葉があったはずよね」という皮肉っぽい言い方をして批判したのである。

トランスジェンダー活動家たちはローリング女史が彼等の言うような「トランス女性は女性です」という意見を全く受け入れていないことが気に入らないのだ。女史がどれだけトランスジェンダーの人に理解を示そうと、男を女と認めないことで彼女をトランスフォーブ扱いしている。それで何回も何年も彼女はトランスフォーブだと言い続けることによって、事実を知らないこの学生のような愚か者が本当にローリング女史はトランスフォーブだという前提を受け入れてしまっているのだ。

それにしてもどうしてこの偏見を人々は素直に受け入れるのだろうか?私が特に不思議なのは、ハリーポッターのファンたちまで自分らで確かめもせずにこのあからさまな中傷誹謗を頭から信じてしまっていると言う点だ。自分が好きな作家なら、酷い噂を聞いたら、彼女が実際何を言ったのかしろうとするはずだと思うのだが。

ともかく、このビデオのおかげでローリング女史が何を言ったのかより多くの人が知ってくれることになるなら、このビデオがやらせでもなんでも構わないと思う。ビデオの全編は先のリンク先でご参照のこと。日本語字幕があるので解りやすい。


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ニューヨークタイムス、脱トランスの現状を紹介

昨日ニューヨークタイムスが脱トランスについてのオピニオン記事を掲載したという話をちょっとしたが、今回はその内容について少し詳しく掘り下げて読んでみようと思う。

記事の著者はパメラ・ポール(Pamela Paul)。Opinion, by Pamela Paul, As Kids, They Thought They Were Trans. They No Longer Do. (nytimes.com) by Pamela Paul

グレース・パウエル(現在23歳)が自分が男の子かもしれないと思い始めたのは12歳か13歳くらいのこと。ミシガン州のグランドラピッズという比較的保守的な土地にで育ち、多くのティーンエージャーがそうであるように自分の身体に居心地がよくなかった。まったく人気はなかったし良くいじめられた。思春期になると鬱に悩まされセラピーを受けたり受けなかったりしていた。

「自分が身体から離れているような気がしてました。身体が育っていくことが自分に敵意を持っているような気がして」とパウエルは言う。自分の身体の成長に違和感を持つのは典型的性違和の症状だとポール記者は書いている。

パウエルはトランスジェンダーに関する情報をオンラインで読むにつれ、自分の違和感は自分が間違った身体に生まれたからだと思い始める。性転換は明確な解決方法に思えた。彼女が繰り返し聞いたのは性転換をしなければ自殺してしまうというものだった。

それで彼女は17歳で両親に自分がトランスだと告白した。両親はジェンダー診療所に彼女を連れて行き、そのままホルモン治療、そして乳房除去へと進んでしまった。この間医療関係者は一度も彼女の性違和の原因や過去のトラウマに関しての診察は無かった。それで医者やカウンセラーは彼女が子どもの頃に性的虐待を受けていたことを知ることもなかった。

その後、身長160センチで非常に女性っぽいゲイ男性に見える彼女は大学へ進むと男子寮で生活をするようになった。

「もっとちゃんとオープンな話し合いがあればよかったのに」と脱トランスした彼女は言う。「でも私は治療法は一つしかないと言われました。これがあなたの問題ならこれしかない、これがあなたを救うと言われたのです」

これは私(カカシ)も何度も聞いている話だが、ジェンダー診療所は妊娠中絶専門のプランドペアレントフッドと同じで、診療所の門をくぐったら性転換への道しか示されない。普通の病院なら「私、心臓がどきどきするんです。心臓病だと思うんです」という患者が来ても、医者が「はい、じゃあすぐ手術しましょう」なんてことにはならない。「じゃあ検査してみましょう」というのが普通の医療だ。ところがジェンダー医療(医療といえるのかどうか、、)となると患者がそういうからそうなのだという肯定そして治療へとまっしぐらに進んでしまう。なぜ患者が性違和を持っているのか、他の精神病が原因なのではないかといった診察が全くなされないのだ。

ポール記者はジェンダー概念に関しては右翼も左翼も同じように極端な議論を交わしているというが、それは正しくないと私は思う。彼女はドナルド・トランプ大統領がトランスジェンダリズムを「左翼のジェンダー狂気」と呼んだことを批判しているが、自分が異性だと思い込むのは明らかに狂気だ。それに今の右翼保守は昔と違って、同性愛を病気と決めつけて野蛮な治療をして同性愛を治そうなどとはしない。それどころか未成年に不可逆的なホルモン治療や手術を施すなと言っているのだ。そして性違和は心の病気なのだから先ず精神の治療を行うべきだと主張しているのだ。少しでも他人の性違和を疑う人を「トランスフォーブ」といって黙らせようとする左翼連中よりもよっぽどまともだと思う。

増える新しいタイプの患者たち

ポール記者は大人のトランスジェンダーの多くは性転換に満足しており救命治療でもあったが、問題なのは最近急激に増えている子供の性違和患者であると指摘する。

アメリカ最初の小児ジェンダー診療所の創設者ローラ・エドワーズ・リーパー精神科医は、2007年に診療所をオープンした頃は長期にわたる性違和に悩み性転換によって他の精神的な問題がなくなる患者がほとんどだったが、最近それが変わってきていると語る。

エドワーズリーパー医師は自分がカウンセリングした患者たちの性転換は後悔しておらず、政府による禁止法にも賛成ではないとしながらも、医療組織によるきちんとした規制がないことに懸念を抱いている。最近の彼女の患者たちのほとんどが幼い頃に全く性違和を示した歴史のない子たちである。それが10代になって突然性違和を言い出すのである。これは俗にRapid Onset Gender Dysphoria(急性性同一性障害)と言われるものだが、この病気の有無については専門家の間でも色々意見が割れている。

幼児や思春期の患者に関してはもっと慎重な治療を行うべきだとWPATH(the World Professional Association for Transgender Health)の幼児思春期部門の委員長だったエドワーズリーパー医師は語る。

とはいえ専門家や科学者や医者たちは、患者の性違和に自動的に同意すべきではないという考えを公言するのには消極的である。今は閉鎖されたイギリスのタビストックジェンダークリニックの職員たちは患者の性違和を肯定するように強く圧力をかけられていたと証言している。

エドワーズリーパー医師が訓練した医師の多くがジェンダー治療から離れてしまったという。それというのも慎重なカウンセリングをしようとするとトランスフォビアだと責められることが多いからだ。

オレゴンの結婚カウセリングセラピストのステファニー・ウィンは、ジェンダー肯定治療の訓練を受け何人ものトランスジェンダー患者を診て来た。しかし2020年、脱トランス者のビデオをみてからジェンダー肯定治療に疑問を抱くようになった。2021年、彼女は性違和治療はもっと色々考慮する必要があり、脱トランス者の意見にも耳を傾けるべきだと発言して以来、トランス活動家から攻撃を受けており、2022年には彼女のセラピストライセンスをの見直しが審議されていると告げられた。彼女の捜査は打ち切られたが、今は未成年の患者は取り扱わず、居場所を確定されるのを恐れて、カウンセリングもオンラインのみでおこなっている。

性違和患者の診察は慎重に行うべきというカウンセラーが命の危険を感じるというのは、いったいトランスジェンダリズムとはどういう概念なのだ?

脱トランス者の話を取り上げてくれるのは保守派メディアだけであり、そのせいもあって彼等は右翼保守のトランス攻撃の道具となってしまう可能性があるとポール記者は語る。しかしトランスジェンダーを名乗り出た時はちやほやしていた左翼連中が、一旦脱トランスした人を助けようともせずに一斉に見捨てておいて、彼等を右翼の道具扱いする方がおかしいのではないか?

右翼保守は脱トランスの人たちに対して「それみたことか、だからトランスなんかすべきじゃないのだ、自業自得だ」と言って責めたりしていない。それどころか親身になって話を聞き、話をとりあげてくれているのだ。ポール記者はそのことにもっと注目すべきではないのか?

ポール記者はさらに、トランス自認の子供を持つ親たちのインタビューについても語る。これは日本で発刊中止に追い込まれたアビゲイル・シュライヤー著書の「あの子もトランスジェンダーになった」でも書かれていた通り、親たちは子供の性違和は子供が自分の同性愛嗜好に悩んでいるのではないかと疑いながらもジェンダー医療関係者からの圧力に負けてしまう。子供の性違和に少しでも疑問を示すと自動相談所から子供を取り上げられてしまう可能性もある。少なからぬ親たちが子どもが性違和を言い出した時に「娘(息子)を失ったような気がした」と語っている。

ある母親は性違和を持つ子供の両親たちのサポートグループに参加した際、ほとんどの子どもたちに自閉症や他の精神病があることを知った。にもかかわらずグループの主催者は「ともかく転換させなさい」と促したという。「強迫性障害やうつ病がどうしたらホルモン治療でなおるというのでしょうか」とその母親は言う。

こうした親たちの一部は最近オンラインでのサポートグループに参加し、子供たちの精神状態などについて色々話をしているが、子供たちに共通していることはユーチューブやTikTokのインフルエンサーたちに文字通りインフルエンス(影響を受ける)されているということだ。そしてコロナでの隔離生活中にこの問題に拍車がかかったことも事実である。

15歳の息子が突然自分は女だと言い出したキャサリンという女性。息子がADHDかどうかの診察をしてもらいたかったのに、なぜかジェンダークリニックを紹介され、医師は息子の精神病の診断をせず突然「死んだ息子と生きてる娘のどちらが欲しいのか」と質問してきたという。

これは今初めて聞いた質問ではない。子供が突然性違和を言い出した時、子供の性違和に疑問を抱く親たちが必ずされる質問だ。医師たちは子供を性転換させないと子供が自殺してしまうと親たちを脅すのである。

しかし性違和患者が性転換しないと自殺するという説の根拠は乏しい。三年前に発表されたThe Journal of the Endocrine Societyの調査では、性転換治療と自殺予防との関連性は証明されなかったとある。さらに他の自殺願望は他の精神病が影響している場合もあり、性違和のみが原因ではない場合、性転換治療は自殺願望緩和には全く意味がないどころか、ホルモンのバランスが崩れて悪化する可能性も考えられる。

政治の道具にされる未成年トランスジェンダー達

ポール記者の記事はまあまあ良い点をついているのだが、彼女の左翼バイアスが記事のあちこちからうかがわれる。彼女は未成年のトランスジェンダー問題は医療問題であるはずなのに、えてして政治問題として扱われることが多いと語る。

保守派の議員たちは、未成年のジェンダーケアへのアクセスを禁止しようとしている。しかしもう一方で、多くの医療従事者や精神科医が、活動家の圧力や組織の取り込みによって手を縛られていると感じている。彼らは、こうした若者たちに対して責任あるメンタルヘルスケアや医療を実践することが難しくなっていると言う。

いや左翼のトランスジェンダリズムが完全に政治活動になってしまった以上、それに異を唱えるためには政治力を使う以外にない。ちゃんとした診療をおこなおうとする医師たちに手かせを嵌めているのはバイデン政権をはじめとする左翼政治家達なのだ。これはどっちもどっちというものではない。

前述のパウエルも左翼から「トランスジェンダーの人々の信用を失墜させるために偽の物語を作っている右翼だと何度も非難された」と語っている。

LGBT当事者の中からも現在のトランス治療に疑問を呈する人たちが増えている。33歳で女性から男性に性転換した50歳のFtMアーロン・キンバリーは性転換によって自分の性違和は消えたという。キンバリーは看護師としてブリティッシュコロンビアの病院で働いていたが、ホルモン治療が必要とされた患者が深刻に精神を病んでいると判断しホルモン治療よりも精神カウンセリングを薦めたところ、性転換の門番をしていると責められ転職を余儀なくされたという。「なにか完全に脱線していると気が付きました」とキンバリーはいう。キンバリーはその後the Gender Dysphoria Alliance (性違和同盟)と L.G.B.T. Courage Coalition (LGBT勇気協定)を設立した。

一般的性別傾向から逸脱している女性っぽいゲイ男性やお転婆なレズビアン女性らもトランスジェンダーだと診断されてしまうことが多いという。これこそ昔のコンバージョンセラピーと何が違うのだろうか?また宗教心が強く保守的な家庭に育った同性愛者は同性愛は不浄だと思い込みトランスすることも多い。

子供の頃に性犯罪の被害に遭った子が性違和をもつことはよくあると言う話も昔聞いた。自分がこんな目にあうのは女(男)だからだと思い込み、異性になりたいとおもってしまうのだ。

ケイシー・エメリックも幼児性虐待の被害者でレズビアン。しかし自分は男だと思い込み性転換し男性として5年間も生きたが、精神状態は良くならず2022年に脱トランスした。彼女がTwitterでそれを発表したところ、すぐに酷い攻撃を受けた。私も当時の彼女のビデオを観たが、彼女のことを禿げだの醜いだのという中傷誹謗が酷かったのはよく覚えている。

「私の人生は終わったと思いました。私は五年間も偽りの生活をしていたのです」

A woman dressed in black with tattoos on one arm looks off to the right.
Kasey Emerick Credit…Tanyth Berkeley for The New York Times

彼女の声は男性っぽく低く、見た目も男性に見えるため、脱トランスだと言うと、何時テスタストロンをやめるのかと聞かれるそうだ。それでもうやめて一年も経っているというと驚かれるという。いちどなどセラピストに脱トランスだと話したところ「トランスジョセーだったなんて信じられないわ」と言われ「え?私をどっちの性だとおもってます?」と聞き返したそう。

何故かは解らないが、トランスした年齢にもよるが、男性から女性へMtFが女性ホルモンをやめると割合普通の男性に戻れるのに対して、女性から男性の場合は声変わりも髭や体毛や脱毛などは永遠で不可逆的である。男性ホルモンは顔立ちまで男性っぽくかえてしまうので、FtMの脱トランスは非常に難しい。

子供、特に思春期は反抗期でもある。昔なら髪の毛を青く染めたり、変な化粧したり、コスプレする程度で済んでいたことが、最近は身体を不可逆的にかえてしまうトランスが流行っているのだ。こどもたちにはこの行為が自分の将来にどんな悪影響を及ぼすのか全く理解できていない。ポールは80%以上の子供が思春期を過ぎれば自然と性違和がなくなると指摘。またホルモン治療を始めた30%が四年以内にやめてしまうという。

最近のThe Archives of Sexual Behaviorという調査(recent study)78人の若い脱トランス者の40%までもがROGDに病んでいたという。トランスジェンダー活動家はそんなものはないと主張しているが、実際に証拠があるのだ。

ポールはここでオランダ、イギリス、スエーデン、ノルウエーなどアメリカに先駆けて子供のトランス治療を始めた国々が次々に方向転換をしていることを指摘する。しかしなぜかカナダやアメリカでは未だに子供の性転換治療が盛んである。

しかし昨日も指摘したように、ニューヨークタイムスでこのような記事が掲載出来たということだけでも、アメリカのトランスジェンダリズムに関する姿勢は変わってきている証拠だと思う。すでに20以上のアメリカの州で子供のトランス治療を規制する法律が色々通っている。男子の女子スポーツ参加に関しても規制法律が通っていることを考えると、アメリカでも明らかに風向きが変わったと私は確信する。

日本も変な方向へ進まないうちに方向転換をしてもらいたい。

関連記事:

Yes, Europe Is Restricting “Gender-Affirming Care” | City Journal (city-journal.org)

studies (fundacionjuntoscontigo.org)

questioned (segm.org)

criticized (tandfonline.com)

riddled (tandfonline.com)

British effort to replicate the study (nih.gov)

When Kids Say They’re Trans: A Guide for Thoughtful Parents (whenkidssaytheyretrans.com)



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遂にニューヨークタイムスまでが、性自認肯定治療に批判的な記事を掲載!

2024/2/2のニューヨークタイムス(Opinion, by Pamela Paul, As Kids, They Thought They Were Trans. They No Longer Do.)で脱トランスの記事が載ったが、それを紹介しているYang@AxiomAmericaのXポストを我らがエスケーさん@KatzePotatoesが翻訳してくれたので、エスケーさんのご了承を得てこちらに転載させていただく。文脈が繋がるように多少手を加えた。

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ニューヨークタイムズは本日、脱トランス者と、「常に肯定」モデルがどのように多くの混乱した子供たちの身体と人生を破壊したかについての長い記事を掲載しました。 以下にいくつかの注目すべき詳細を示します。

この記事は、ROGD(急性性同一性障害)の 10 代のよくある例から始まります。いじめられ、場違いに感じられ、問題を軽減する方法としてすぐに性別移行に惹かれたのです。移行期間中に、彼女がトランスジェンダーではないかもしれないと示唆する人は誰もいませんでした。

プライマリケア(主治医)のスタッフは、他の診断では決してそうしないにもかかわらず、何があっても患者のジェンダーアイデンティティ(性自認)を肯定するように言われています。

多くの親は、自分の子供が他の問題、特に自閉症を併発していることに気づいています。しかし、支援団体を運営する人々は親たちに、とにかく子供たちをただ性別移行させるように言います。

臨床医は通常、ホルモン剤や手術を受けなければ子供が自殺するだろうと言って親を脅迫している。しかし、自殺リスクが増加するという証拠はありません。

性別移行を望んでいる子供の多くは同性愛者です。多くの同性愛者は、トランス・イデオロギーが新たな「転換療法」であると警告している。

ある例では、脱トランス者がどのようにして彼女が若いゲイのティーンとしてトランスしたかについて話します。彼女は過去に多くのトラウマを抱えていたため、自分をコントロールできる感覚を求めていました。

場合によっては、それは十代の反抗の手段であることもあります。しかし、彼らが行うことの中には、取り返しのつかないダメージを与えるものもあります。

トランス活動家はよくROGDは右翼の神話だと言います。この用語を作った科学者であるリサ・リットマン博士がリベラルであり、それが実際に起きている現状であることは無視して。

他の国々はすべて子どもの性別移行から手を引いている。しかし、アメリカの臨床医たちは、その政策が誤った研究に基づいているにもかかわらず、方針を変えることを拒否しています。

この記事は、15年間自分をトランスジェンダーだと思っていた男性のプロフィールで終わっています。実際のところ、彼は同性愛者であることに苦しんでいただけで、今は肯定的なモデルの冷酷さについて他の人たちに警告しています。 終わり/

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カカシ:エスケーさん、翻訳ありがとうございます!このポスト拙ブログで引用してもいいですか?

エスケー:(6) エスケー on X: “@biglizardswife もちろんです! もし翻訳間違いがあったらすみません🙏” / X (twitter.com)

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こういう記事がニューヨークタイムスに掲載されると言うこと自体が驚きである。私は別にNYTが特別勇気があるとか、この記事が画期的であるとは思わない。むしろこういうことに関しては極左翼的なNYTですらさえも、この問題は取り扱うべきである、いや、取り扱っても大丈夫だと判断したということに注目すべきである。

この記事を書いたパメラ・ポールは明らかに保守派ではない。彼女は小児のトランスジェンダーケアに関する激しい論争は過激派革新派と過激派右翼の論争であるかのように書いているし、ドナルド・トランプがトランスジェンダリズムを「左翼のジェンダー狂気」と表現したのと革新派のいう「トランスフォーブ」が同等だとも言っている。はっきり言ってこれはトランプ大統領の「ジェンダー狂気」の方がよっぽども現実に近い。

またポールは思春期の未成年の性転換はもっと慎重に取り扱われなければならないとしながらも、大人の性転換は満足している人も多く、人によっては救命治療ですらあるというトランスジェンダー活動家の言い分を100%受け入れてしまっている。しかしそんな彼女でも昨今未成年のトランス自認者が増えていることには危惧を抱いているのである。

ポールはまた、脱トランスの話は保守派のメディアしか取り上げてもらえず、脱トランスたちは左翼革新派やトランス活動家たちからひどい仕打ちを受けていることも指摘している。トランスする時はあれほどちやほやした人々が、一旦脱トランスすると手のひらを返したように冷たくなるのは事実だ。

記事は、性違和を言い出す子供達を一番助けたいと思っているのは親たちである。しかし子供達の性違和に疑問を呈ずる親たちは子供達との関係が悪化してしまったと悲嘆にくれる話も紹介している。これはアビゲル・シュライヤーが「あの子もトランスジェンダーになった」で書いていた通りの話だ。残念ながら日本では発刊がトランスジェンダー活動家によって阻止されてしまったが、今やNYTですらも無視できないほど未成年の性転換治療は問題になっているということである。


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東洋人に向かって「あなた中国人?」と聞くのは必ずしも差別ではない

私はアメリカ生活四十余年なので(しつこい!)もちろん「あなたどこから来たの?」とか「国籍はどこ?」なんて質問はよくされる。「あなた中国人?」と聞かれることも度々ある。30年以上前に住んでいたマンションには70代や80代の白人のご隠居さん達が多く住んでいて、みんな私には優しかったし親しくしてくれてたが、何度訂正しても私のことをThat Chinese girl (ザットチャイニーズガール・あの中国人の女の子)と呼び続けた。日本で言ったら昭和一桁世代にとって東洋人とチャイニーズは同義語だったのだ。

先日アメリカ上院議会の公聴会でトム・コットン議員(共和アーカーソン代表)がtiktokティックトックの代表取締役のShou Zi Chew(周受资)氏の国籍に関して「あなたは中国人か?」という質問を何度もしたことが、東洋人だからと中国人だと決めつける人種差別だという批判が高まっている。こちらがその典型的な意見。やりとりは日本語字幕があるので観ていただきたい。

この切り抜き映像だけを観て前後の文脈を理解しなければ、ブランドン・K・ヒル氏がいうように「無知なステレオタイプ」な質問だと勘違いされる読者もおられるかもしれないが、実はこの質問には理由がある。

先ずこの公聴会はなんのためのものだったのかということを理解しなければならない。これはTikTokを含めMeta, X, SnapやDiscord, Facebookといったソーシャルメディアが子どもに悪影響を与えているのではないかという前提で開かれたもので、各メディアの代表者たちが招かれて質問を受けたのである。トム・コットン議員はもともとTikTokには非常に批判的な立場であり、アメリカでは使用禁止にすべきだとすら言っている人だ。そしてその理由というのが中国共産党にある。

聡明なる読者諸氏はご存じかもしれないが、TikTokは元々中国のソフトウエアで、使用者が自分で撮影した短いビデオをアップして共有できるアプリである。TikTokは中国本土ではDouyin(抖音)と呼ばれており中国資本のバイトダンス(ByteDance)が所有している。いまやTikTokの人気は世界中で2兆個の携帯機器にダウンロードされており、その影響力は(特に子供や青少年の間で)すさまじいものである。「ユーザーデータが中国政府に収集される可能性があるという国家安全保障上の懸念や子どもたちの安全のために、いくつかの国がTikTokの使用を制限、禁止、または禁止しようとしている」とウィキにはある。

実はトランプ大統領の時代にTikTokの使用を禁止しようという動きがあったのだ。これはアメリカ市民の情報が中国共産党(CCP)に筒抜けになっているという懸念だけでなく、CCPはTikTokのアルゴリズムを使ってプロパガンダを流しているという懸念があるからなのだ。例えば最近やたらと若い人たちの間で親パレスチナやオサマ・ビンラデンの手紙崇拝などの思想が広まっているのも、TikTokの影響が非常に大きい。CCPが反イスラエルで親パレスチナなのは先日もお話した通り。

つまりこういう背景がある以上、アメリカのTikTokCEOが中国共産党員かどうかという質問は非常に正当なものなのである。無論トム・コットン議員のような知識の高い人が公聴会に招いた人の略歴を把握していないはずはない。現に彼は周氏の妻子がアメリカ国籍であることを知っていたのだ。だからこの質問は周氏が中国人かどうかを知るためのものではなく、彼がCCPとどういう関係にあるかを知るための質問だったのだ。コットン議員はこの一連の質問について、「(周氏)自身が、彼の会社のように、中国共産党の影響下にあるかどうかを追及するのは、まったく妥当なことだ」と述べている。

こういう正当な理由があったにも関わらず、先のヒル氏のようにこれを人種差別問題にすり替えるのは非常に悪質だ。特に我々東洋人は東洋人だというだけで皆同じだと思われることに日頃から少なからぬ不満を持っている。その感情を悪用されて人種差別だなんだと言う煽りに乗ってはいけない。

出身地を聞くのは差別なのか

関連した話で、先日Xで最近日本に帰化したばかりのアンちゃんというアメリカ人女性が近所のご老人から「どこから来たのか」と聞かれて差別だと騒いでいるのを目にした。実はこれ、アメリカでも少数民族に対して出身地を聞くのは差別だと言い張る人達が多いので、アンちゃんさんも典型的アメリカリベラルだなと思わざる負えない。せっかく日本に帰化したのに、こういう下らないアメリカ思想を持ち込まないでほしいね、全く。

アメリカには移民が多い。それで出身地や民族は全く知らない人同士の会話のきっかけになる。言葉にアクセントがあり少数民族だったら出身地に興味を示されても不思議はない。聞いている人に他意はないのだ。もちろん少数民族だからといって移民とは限らない。二世三世になればすでにアメリカ人だ。だから「どこから来たの?」と聞かれたら「ロサンゼルス」と答えればいい。それでも「いや、だから元々はどこ?」としつこく聞かれたら「生まれも育ちの葛飾柴又、、、」冗談冗談。

相手が何を聞いているのかははっきりしてるのだから、「両親は日本からの移民だけど、私は生まれも育ちもロサンゼルス。日本のことは何も知らないし、日本語も話せない」くらいペラペラしゃべっても別にいいと思う。相手は単に話題のきっかけを探したいだけなのだ。そして反対に「あなたの出身はどこ?」と聞けばいいのだ。

アンちゃんさんも「どこから来たの」と聞かれたら、「アメリカ出身ですが、最近帰化して日本人になりました」と答えていれば質問した方も「へえ、すごいね」となって面白い会話が交わせたと思うのだが。

追記:Xでヒル氏のポストについてるリプライを読んでいたら、皆さん結構まともなことをおっしゃているので、コメント欄に貼っておく。

こちらコメント欄にあったジェニファー・ゼングという女性のポストに貼られていた写真。

TikTokの周受资が中国共産党員じゃないって?じゃ、CCP旗の横で座ってる男は誰なのよ?もちろんCCPは頭いいから「シンガポールのビジネスマン」をCEOにしてこういう質問から逃れようとしてるのよ。


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まるでパロディー、でも笑えない、チームの半分が男子の女子チームが男子二人の対抗チームに勝利

デイリーワイヤー制作の「レイディーボウラーズ」という映画の中で、全員男子の「女子」バスケチームがトーナメントを総なめしようと企んだところ、もっと才能のある全員男子の「女子」チームと対抗してしまい、え?となるシーンがあった。いや、自分らがインチキできるなら相手チームもそうなるでしょ、という設定である。無論これはコメディー映画のパロディーであり現実ではなかったのだが、なんとチームメンバーの半分である3人までもが男子という女子バレーボールチームが男子メンバー二人を含む女子チームに大勝利という信じられないゲームがカナダで実際におきてしまった!

先日も50代の男が最年少13歳を含む10代女子水泳競技に参加して女子更衣室を使っていたというニュースを報道したレベルニュースが、内部からの密告を得てこの事件を報道している

内通者からの報告を得てレベルニュースの記者が試合当日に取材に行くと、試合は明らかに男子選手による圧倒的な活躍が目立ち、ベンチで待機していた補欠の本物の女子メンバー達の出番は全くなかったそうだ。以前にアメリカで男子選手のスパイクをもろに顔に受けて後遺症が残る大怪我をした女子選手がいたが、カナダでも自称女子の男子選手の参加が増えるにつけ、女子選手の負傷も増えている。すでにここ数か月でオンタリオ大学体育協会(OCAA)主催の試合中に男子選手のスパイクをうけて脳震盪(のうしんとう)を起こした女子選手が二人も出ているのだ。

現在、OCAAには6人のトランスジェンダーがいるのだが、OCAAには何をもってして女子と認めるかという確たる規則がない。そのせいでトランス女子を名乗る男子6人のうち5人は、単にホルモン療法すら受けていない自称女子というだけの普通の男子なのである。

この試合を取材したレベルニュースのデイビッド・メンズィース(David Menzies)記者は、こういう取材をするときに取材を阻止してトランス自認の男たちを積極的に擁護するのは必ずといっていいほど若い女性達だという。こうした若い女性達の多くはトランスジェンダリズムに完全に洗脳されていて自分らのスポーツが破壊されつつあることに気付いていないのだ。

そのうちレイディーボウラーズの映画のように、全員男子の「女子チーム」が女子トーナメントで競い合う日が来るだろう。ほんと、これ冗談じゃなく。


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親パレスチナ運動は金になる?ニューヨークや中国共産党が資金供給

先日民主党下院リーダーのナンシー・ペロシ議員(民・カリフォルニア)が自分の家のドライブウエイで中国人の親パレスチナ支持者たちによって嫌がらせをされるという事件が起きた。その時に腹を立てたペロシ議員は「出ていけ、中国へ帰れ!お前たちの国へ帰れ」と怒鳴ったことで人種差別だのなんだのと批判されている。私はペロシ議員のファンではないが(大嫌いだ)この場合は彼女の言ったことは正しい。イスラム教徒のウイグル人を自国で文字通りジェノサイド(民族浄化)している中国人が、ハマステロリストと戦うイスラエルを支援しているアメリカ政府を批判する資格などない。

これに関してスティーブン・クラウダ―(Steven Crawder)がポッドキャストで、中国共産党はアメリカ国内における親パレスチナ運動に資金供給をしているというので、ちょっと検索してみたところ、親パレスチナ運動には数年前からかなりの金が注ぎ込まれていることを発見した。

ニューヨーク市は2010年から反イスラエルのモスリム団体に資金援助をしていた!

これはちょっと前のニューヨークポストの記事(2023年11月4日)なのだが、Pro-Palestine rally sponsors raked in $9M in city funds (nypost.com)だが、ニューヨーク市は2010年から900万ドルという資金を四つの反ユダヤ運動非営利団体に供給していたという。これらの2023年10月7日のハマスによるイスラエル人虐殺を公に祝福していた団体である。

ポスト紙が市の記録を調査したところ、425万ドル(約半分)以上の現金が、市議会議員が地元の支持を集め、再選を目指す際の票を動かすために毎年支出する政治資金を通じて流されたことがわかった。

また、2021年11月の総選挙で社会主義者やその他の極左議員が大量に議会に流入した後、議会のいわゆる「裁量資金」のうち200万ドル近くが反イスラエル団体に贈られた。

残りの446万ドルは、市の機関が発注した政府契約を通じて非営利団体に支払われた。

この非営利団体のなかでもニューヨーク市のブルックリンに拠点を持つザ・アラブアメリカン協会過去2年間の3百万ドルを含む合計6.8百万ドルを受け取った。この団体は去年10月21日にブルックリンをパレスチニア人で溢れさせると叫び、イスラエル殲滅のサインを掲げイスラエルの旗をゴミ箱に捨てる絵のついたポスターを掲げながら行進した団体である。

ニューヨーク市議会は2015年にリンダ・サーサワーという過激派が率いるザ・アラブアメリカン協会への援助金を停止しようと考えたが、サーサワーが代表を辞任したことで議会はサーサワーの行動のみで団体全体を罰するべきではないという結論を出し、支援は継続された。

ニューヨーク市から支援金をもらっているその他のモスレム団体。

  • ムスリム・アメリカン・ソサエティー・オブ・ニューヨークは、ベイリッジの集会を共同主催した、ブルックリン南部に拠点を置くもう一つの団体である。同団体は、市との契約と議会から26万ドル以上の資金援助を受けている。
  • クイーンズ区を拠点とするDesis Rising Up and Moving (DRUM)は、39万ドル以上を受け取り、10月20日にブライアント・パークで開催されたDemocratic Socialists of America主催の集会に協賛した。
  • 極左の億万長者ジョージ・ソロスが多額の資金を提供し、ハマスの血なまぐさい攻撃を正当化するいくつかの非営利団体を後援しているアドボカシー・グループ、タイド・センターは、教育省や他の市機関との契約を通じて120万ドル以上を稼いだ。この非営利団体は現在も市と取引をしているが、契約の大部分は10年以上前に結ばれたものだ。

中国は親パレスチナの歴史が長い

次にこちらの記事。China has a history of being pro-Palestinian, but now faces diplomatic conundrum | China | The Guardian Helen Davidson and Amy Hawkins

中国共産党はいち早くハマスとイスラエルの停戦を唱え始めたが、中国は毛沢東の時代から二か国解決を唱えて来た。しかし共産党はかなりイスラエル政府にも接近しており、パレスチナとイスラエルに関しては中立を保とうという危ない綱渡りもやっている。中国はアメリカに対抗して中東でも影響力のある国になろうとしているのだ。

10月7日の後イスラエルがガザで反撃を始めると、イスラエルは過剰防衛をしているとして16日の段階ですでに習近平は停戦を言い出した。私は見落としていたが、なんと中国は2023年11月に国連安全保障理事会の議長国に選ばれていた。中国は11月の段階で停戦条令に投票した120国のひとつである。

この記事によれば、中国はパレスチナの味方をしているというよりも、中東における中国の影響力を拡大したいと思っているようで、イランにも働きかけ、これ以上紛争を拡大しないように圧力をかけているという。ザ・ランド・コーポレーションの政治学者レイモンド・クオ博士によれば、中国はこの地域にあまり影響力がないため、停戦の仲介人となることで、停戦条令に反対しているアメリカが全ての悪の根源だという印象づくりをしたいのではないかと語る。

中国が最優先としているのは中国こそが世界で抑圧されている発展途上国の救世主であるという立場に立つことである。無論抑圧者というのはアメリカやイスラエルといったアメリカの同盟国のことを指す。こうやってガザ民に同情を示すことで自国がやっているウイグル人弾圧から話題をそらそうというわけだ。

共産党のプロパガンダしか聞いていない中国市民の間では反ユダヤ主義が高まっている。もともと中国には反ユダヤ主義があったが、今回はそれに拍車がかかっている。普段はソーシャルメディアを厳しく規制している共産党も反ユダヤ主義メッセ―ジは奨励している。アメリカの若者が好んで使うTikTokが中国発アプリであり、TikTokで反ユダヤ親モスレムメッセージが蔓延しているのも決して偶然ではない。

中国共産党のメッセージはイスラエルはアメリカの歩兵であり、アメリカが世界征服をするために中東におかれた布石であるというものだ。だからアメリカに居る五毛(中国工作員)達がアメリカ国内でも反ユダヤ、親パレスチナ運動を活発に行っているというわけである。

サンディエゴに中国人移民殺到

イスラエルの問題とは直接関係ないが、サンディエゴに中国からの違法移民が殺到しているという話は以前にもした。サンディエゴはメキシコと国境を接する都市である。昨日Xで、サンディエゴ住まいの人がミッションバレーというサンディエゴのホテル街にあるラマダインというビジネスホテルに大量の中国人違法移民がバスで連れて来られたという動画をあげていた。しかもラマダインの周りは金網のフェンスが建てられ外からは見えないようになっているという。

私は仕事柄サンディエゴには何度も行っており、ミッションバレーにあるヒルトンやマリオットには長期滞在したことがある。こんな近くまで違法移民の波が押し寄せてきていると思うと背筋がぞっとする。

アメリカは中途紛争やウクライナに構っているよりも、アメリカ国内の違法移民対策に緊急に注意を払わないと、闘かわずして中国やアラブ諸国にアメリカを乗っ取られてしまう。


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多様性に東洋人は含まれないのか?

人気アニメ、アバター・ザ・ラストエアベンダーの実写版がネットフリックスで公開されることになり、その予告編が公開された。

白状すると、私はこのアニメの存在を今の今まで知らなかったので、これらのキャラクターを演じる俳優たちが原作のイメージに合っているかどうかは知らない。下記はアニメの方の予告編。

これは日本のアニメではないが、明らかに日本アニメの影響を受けたアニメシリーズである。登場人物のほとんどが東洋人。それで実写版に起用された俳優たちもほとんどが東洋人だ。にもかかわらず、実写版の俳優たちが十分に色が黒くないとして批判をしているアホどもが居るらしい。

こちらがその記事。‘Avatar: The Last Airbender’ Netflix trailer sparks debate over representation: ‘Why is it so hard to cast dark-skinned characters?’ (yahoo.com)。見出しを訳すと「なんで肌の色が暗いキャラクターの配役はそんなに難しいのか?」と言った意味になる。

このアニメは2005年から2008年にかけてニコロディアンという子供向けのテレビ局で放映されかなりの人気を集めたらしい。このシリーズは、4つの元素を操ることができるアバターと呼ばれる若いヒーローとその仲間たちが、火の国の乗っ取りを阻止するために世界を旅する旅に焦点を当てている。今回一部の煩いファンの間で取沙汰されているのは水族のソカ(Sokka)とカタラ(Katara)という兄弟の役。彼等の種族はアラスカエスキモーのイヌイット(inuit)族がモデルとなっているという話だ。この兄弟を演じるイアン・オウスリー(Ian Ousley)もKiawentiio Tarbellもアメリカ先住民の血を引いているが、特にオウスリーの肌の色が白すぎるとして一部ファンからクレームがついている。

オウスリーが実際にイヌイット族出身ではないとしても、イヌイット族の中にも色の白い人も黒い人もいるわけで、アニメで描かれている肌の色より多少白い人が演じたからといってなんだと言うのだ?アニメのキャラと実際の人間とでは全く同じに出来ないのは当たり前で、イメージさえ合っていれば肌の色などどうでもいいではないか?

だいたい多様性を口にする人ほどこの肌の色は一方通行である。私は前々からこのダブルスタンダードが気に入らない。例えば白人でそばかす赤毛のリトルマーメイドを黒人女優が演じたり、色白であることが特徴の白雪姫を肌の浅黒いラテン系女優が演じるのはいいのに、有色人種の役をちょっとでも元のキャラより色が白い俳優が演じると、たとえキャラクターと同じ人種でもホワイトウォッシュだと言い張る偽善。

ハリウッドの言う多様性とは黒人のことであって、他の人種は完全にステレオタイプに凝り固まっている。特に東洋人の場合はそうである。ハリウッドには東洋人はこうあるべきというイメージがあり、例え東洋人でもそのイメージに合わない人は採用してもらえないなんてことは日常茶飯事である。以前にハリウッドで俳優をしている日本人俳優が言っていたのだが、彼は長身で髪の毛が栗色の巻き毛で目鼻立ちもはっきりしていていい男である。しかし彼は日本人役に応募してもハリウッドがイメージする日本人に合わなといって断られたことが何度もあるという話をしていた。

つまりハリウッドは東洋人にも色々な人がいるという多様性を全く認めていないのだ。

以前にも日本のアニメで色の黒いキャラクターの声を黒人にやらせるべきだと大騒ぎした人たちが居た。しかし登場人物は全員日本人であり、その役もたんに色黒だというだけで黒人だったわけでじゃない。だがこの日本のアニメやゲームで多少でも色の黒いキャラクターが出てくると、かならず黒人だと言い張るアメリカ人が出て来る。いくら移民が増えたとはいえ、日本にそんなにたくさん普通に黒人が居るわけないだろ。だが、彼等はそういう現実は全く無視する。

さて、以前にワンピースの実写版が好評だったことでもあり、今回のアバターもかなり期待されているようだ。くだらないクレーマー達など無視して良い作品であることを祈る。


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ハマスはUNRWAの賜物だ

本日イスラエルの元国会議員でありシオニズム及び外交や教育を専門とする学者であるエイナット・ウイルフ博士(Dr.Einat Wilf)によるUNRWAに関する演説を聞いた。非常に興味深い内容なのでご紹介したい。

ウイルフ博士の演説の主題はUNRWAは解体させるべきであり、それに代わるガザ民支援機関は必要ではないというもの。

先ず博士はUNRWAを理解するにあたりUNKRWAという機関について説明する。Kとはコリア・韓国のことである。この機関は一時的なものとして設立された朝鮮戦争直後の難民救済のための組織であった。韓国人難民の数はおよそ2百万人で当初のアラブ難民の三倍に及ぶ数だった。しかしこれらの難民は3年から4年の間に別の地に落ち着いた。かかった予算はUNRWAの当初の予算の三分の一だった。

UNRWAとUNKRWAの違いは、韓国難民が別の地へ移住したのにくらべ、今パレスチナ人と呼ばれるアラブ難民は別の国への移住を拒否したことだ。同時にイスラエルという国の存在を認めることも拒否した。それでUNRWAは最初からアラブ難民たちに乗っ取られてしまったのだ。

UNRWAは二国解決策に反対する組織として生まれた。それでアメリカやイギリスはUNRWAを解体しようと考えていた。UNRWAは難民を他所へ移住させるという当初の目的に失敗したことは明らかだったからだ。しかしこの時点でアラブ諸国が反対した。アラブ諸国にとってはUNRWAが存続する限り、イスラエルと言う国が独立した国であることに疑問符を打つことができたからである。

西洋諸国はアラブ諸国の要求を飲んだ。それというのもUNRWAを継続させることで特に困ったことはなく、アラブ諸国を大人しくさせられると考えたからだ。UNRWAには価値はないが少なくとも危害を及ぼすものではないと判断したわけだ。

しかし博士はUNRWAは大いに危害を及ぼたと語る。UNRWAは当初の目的に「帰還」という概念を加えた。つまりイスラエルと言う国は一時的なものであり、いずれアラブ難民はイスラエルの地に帰還することができるという概念だ。これこそがハマスがUNRWAの賜物であるというゆえんである。

ミュンヘンでオリンピック選手たちを惨殺したテロリストたちはUNRWAの学校で教育を受けた難民の子供たちだった。UNRWAは無益だが危害は及ばさないという欧米諸国の考えは間違っていたのだ。UNRWAの教育により世代に次ぐ世代が、アラブ難民たちはイスラエルはアラブ人から国を盗んだ悪党国家であり、いずれ自分らはイスラエルの土地へ帰還することができると思い込むこととなってしまったのだ。

Overview image

Einat Wilf was born in Jerusalem and raised in a Labor Zionist family. She studied at the Hebrew University High School in Western Jerusalem.

UNRWAのいう難民とは普通国際社会で認められる難民ではない。彼等は「難民登録」をしている人々であり、4代も5代も前の祖先が難民キャンプで生まれたというだけの人びとである。

難民登録者の40%(4.8百万人)は現在もガザや西岸に住んでいるが、すでに別の土地へ移住した人もおり、40%の難民登録者はヨルダン市民である。ヨルダンに住むある難民登録者は豪邸に住んでおり湾岸で大儲けをした。ヨルダン市民の難民登録者は中流階級市民であり金持ち商人もいる。残る100万人はシリアやレバノンに住んでいる。すでに外国へ移住したなら難民とは言えないはずだと思うかもしれないが、UNRWAは一旦登録した難民を除名しないのだ。だからドイツに移住してドイツ国籍を得たひとですら難民登録名簿から削除されないのである。

例えば「私の大好きな難民登録者は」と皮肉っぽく博士は言う「億万長者のアメリカ市民であり、モデルのジジとベラ・ハディディの誇り高き父親です」なぜなら彼はシリアの難民キャンプで生まれアメリカに移住後も名簿から削除されていないからだ。博士によればハディディ氏は難民登録証明書を自分のインスタグラムで公表したという。

国連にはUNHCRという機関があり、世界中の難民の世話をしている。しかしUNHCRの規則では難民がよその国に移住し市民権を得た時点で難民ではなくなる。だから難民は一世代だけで二世目からは難民とはみなされない。難民の子孫を自動的に難民名簿に加えてしまうUNRWAとは大違いなのである。

しかし外国に住むほとんどの難民登録者はUNRWAから何の支援もうけていない。西岸に住む人々すらそうなのである。UNRWAが存在する目的は難民救済ではなく、常にイスラエルが独立国であるかどうかに疑問符を与えることにある。

UNRWAの目的は二つある。教育や健康はその一部ではない。彼等の目的は終わりのない難民問題を継続することである。

1)独立国としてのイスラエルに常に疑問符をあたえること。最終目的はイスラエルを殲滅しアラブ人がイスラエルの土地に「帰還」すること。

2)第二の目的は10月7日に明らかになったように、イスラエルに拘束されているテロリストたちを解放させること。そして解放されたテロリストたちによって、イスラエルが失くなるまでイスラエルとの紛争を継続すること。

博士はUNRWAの目的は二つと言っているが、結局のところ、彼等の目的はイスラエル国を失きものにしてアラブ人がイスラエルの土地を奪い返すことにあるということだ。

私(カカシ)から言わせると、彼等にはこの二つの意思すらないと思う。この二つはパレスチナ過激派に向けた表向きの目的であり本当の目的は利権だろう。

興味深いのはイスラエルこそがUNRWAの最強のロビーイストだという。トランプ大統領が一時的にアメリカによるUNRWA支援を停止した時、イスラエル政府はドイツ政府に支援金を増やすように嘆願したという。イスラエル政府はUNRWAがある限りパレスチナ人はおとなしくしてくれると考えたからなのかもしれない。しかし博士は、イスラエルはUNRWAがハマスよりましだという考えを変えなければならないという。UNRWAの職員はヨーロッパから派遣された国際社会が思うような国連従業員ではないのだ。彼等はガザで生まれガザで育ちパレスチナ解放を目指している過激派なのである。

博士は今回のイスラエルによるガザ侵攻でも明らかになったように、ガザ民は巨大なトンネル建築をするだけの技術を持っている。支援などしなくても十分に立派なインフラを作り出すことが出来る能力のある人々であることが証明されたと語る。

UNRWA学校はパレスチナ人によるパレスチナのための学校だ。イスラエルに帰還し復讐せよと教えているだけの害あって益なしである。「UNRWAは存在すべきではない。イスラエルがこの機関から得られるものは何もない。」と博士は結論付ける。


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