WPATHファイル徹底解説その1、トランスジェンダー医療の基準スタンダードオブケアの歴史

先日から話題のWPATHファイルだが、その242ページにわたるリポートを読み始めたので、少しづつご紹介していきたいと思う。しかしいかんせん長いリポートで中身も濃いのでどれだけ時間がかかるかは分からない。あらかじめその旨ご了承願いたい。

このファイルは学術論文なので、最初は論文の結論をまとめたExecutive Summary、この論文を書くにあたりどのような経過があったか、どのような人々の協力を得たかといったことが書かれている。そして簡単なWPATHの歴史。これについては先日マット・ウォルシの記事を紹介しているので繰り返さない。

カカシ注:3月16日現在。このExecutive Summary を邦訳してくれた人がいたので、そのリンクを貼っておく。WPATHファイル:子ども、思春期の若者、そして社会的弱者である成人に対する疑似科学的な外科手術とホルモン投与による実験 – ジェンダー医療研究会:JEGMA

さて、WPATH創設の歴史はおいといて、WPATHが辿ってきたトランスジェンダー医療の基準、スタンダードオブケア(SOC)の歴史について考えて行こう。このSOCこそが現在トランスジェンダー治療をする際のガイドラインとして医療機関が広く参考にしている基準だからである。

トランスジェンダー医療の基準SOCの歴史

最初のSOCが発表されたのは1979年、後にWPATHとなるザ・ハリー・ベンジャミン国際性違和協会(HBIGDA)によるものだ。そして第二SOC2, 第三SOC3が1980年、1981年と続き、第四版が1990年に発表された。

初期の段階ではHBIGDAのメンバーは多少なりとも科学的に精神疾患の分析の元にどのようなホルモン治療や整形手術が適切であるかを考えて行こうとしていた。しかし1990年代になるとその方針が変わってくる。

1998年SOC5が発表された。当時の会長スティーブン・B・レビーン博士は異性ホルモン治療を始める前に二人の医師からの診断書を必要とするというガイドラインを求めたが、代表のリチャード・グリーン博士はそれが気に入らず、三年後に発表されたSOC6では診断書は一人の医師のみでよいと改訂された。

HBIGDAはどんどん活動家によって乗っ取られていき、2002年レビーン博士は「組織の推薦が初期の科学に基づくものではなく政治やイデオロギーが支配するものになってしまった」として辞任した。

そして2007年、HBIGDAはthe World Professional Association for Transgender Health WPATHと改名し活動を始める。この時点で全く実歴がないにもかかわらず、過激な性癖概念を持つ藪医者の集まりであるWPATHは国際的威厳のあるトランスジェンダー医療専門組織として一目置かれるようになる。

2012年SOC7が発表される。ここで初めて思春期前児童への思春期ブロッカーが完全に可逆的なものだとして推薦される。まだこのブロッカーの効果も副作用も完全に理解されていなかったにも拘わらずである。そしてここで、それまでにあった医師の診断書という項目が無くなり、代わりに情報を正しく得たうえでの同意、いわゆる「インフォームドコンセント」という言葉が出て来るのである。これによってジェンダー専門家は患者及び保護者が十分に理解出来たうえで同意したとして、精神科医による充分な診察が行われないまま過激な治療を開始することが出来るようになったのだ。

この頃から性同一性障害を精神病ではなく単なる精神疾患とする動きが始まる。性違和は病気ではなく単なる健康な精神状態の一貫であり、性違和患者が体験する精神的ストレスは周りに理解されない偏見や差別への反応であるという考えが広められた。

SOC7発表後、アメリカ精神科医協会(APA)は第五改訂版の「診断と精神障害の診断と統計マニュアル」(DSM-5)を発表し、「性同一性障害」は「性同一性疾患 gender dysphoria」と改名された。

SOC7の後2022年にSOC8が発表されるまでには10年が経過する。SOC8発表わずか二日後、WPATHは未成年に関する必要条件を削除してしまう。またSOC8にはノンバイナリー治療についても述べられており、男性でも女性でもないことを自認する人のために中性的外見をつくるための処置やペニスと膣両方を望む患者のための膣形成手術なども含まれていた。

しかしさすがにこのSOC8は医療機関から非難を浴びた。それで2000人に渡る医療関係者がWPATHはよもやジェンダー関係の推薦を出来るような組織として信用できないという声明文を公表した。

WPATHファイルを発表したエンバイロメンタルプログレスは、米国小児科学会(AAP)、米国精神医学会(APA)、米国医師会(AMA)のような評判の高い医学団体に対し、WPATHとの関係を絶つように呼び掛けている。

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私は精神科医学会がDSM-5で性同一性障害は病気ではないと認定したと聞いた時に、これは医学的に新しい発見があっての改訂ではなく、政治的圧力による改訂であると信じて疑わなかった。私の勘はあたっていた。

HBIGDA及びWPATHによるSOCシリーズは何度改訂版が出ようと、それは精神医学やホルモン治療や整形手術に関する新しい発見による改訂ではなく、彼等の政治的イデオロギーや変態的性癖をより効率よく主流化させるための基準なのであって性違和を持つ患者を救うことにも治療することにも何の役にも立っていない。

いや、それどころか過度の精神病を持つ人々が正常な判断力のないのを良いことに出鱈目を吹き込んで洗脳し自分らの性的願望を満たすための人体実験に使ったのである。そしてさらに悪質なのは、その実験を年端も行かない思春期前の子供たちに行い、子供たちの一生を台無しにしてしまっているということだ。

我々は断じてこの詐欺師集団WPATHを破壊せねばならない。トランスジェンダリズムという似非科学を根絶せねばならない。


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マット・ウォルシ、WPATHの知られざる暗い過去を暴露

この間もちょっとお話したこのThe WPATH Filesというリポートは凄まじいスキャンダルだ。WPATHとはthe World Professional Association for Transgender Health の頭文字。これはトランスジェンダー医療に関するガイドラインを決めている国際組織で、会長は自らも男から女へのトランスジェンダーである外科医、マーシー・バワーズ医師。このリポートはWPATHから流出した情報を元に、WPATHがどれほど悪質な組織であるかを暴くものだ。

WPATHから流出したファイルにより、世界的なトランスジェンダー医療機関において、子どもや社会的弱者に対する医療過誤が蔓延していることが明らかになった。世界トランスジェンダー医療専門家協会(WPATH)のメンバーは、異性間ホルモンやその他の治療が衰弱させ、致命的な副作用をもたらす可能性があることを認識しているにもかかわらず、患者の長期的な転帰を考慮していないことを示している。

このリポートは242ページもあり、月曜日に発表されたばかりなので、とてもとても一度にすべてをご紹介することはできない。それで本日はマット・ウォルシのポッドキャスト(The Secret History Of WPATH, The Perverse Cult That Pushed Gender Madness Into The Mainstream | The Daily Wire)で紹介されたWPATHという組織の知られざる暗い過去についてお話ししたいと思う。

WPATHといえば、性転換治療のにおいて世界各地のジェンダークリニックが指導を仰ぐガイドラインを制作していることで知られている。しかしながら彼等のいわゆる「ガイドライン」は医学に基づいたものではない。テネシー州による子どもの性転換治療禁止法は違憲であるとACLUが訴えた際、州の医療機関が元にしていたWPATHのガイドラインについて第6巡回控訴裁は、WPATHが自らも認めているように、思春期ブロッカー剤や異性ホルモンを子どもに投与した結果生じる『長期的な身体的、心理的、神経発達的転帰』に関する『限られたデータ』しか提示していないことを指摘し、禁止の法律を合憲と認めた。しかしこのWPATHファイルによれば、WPATHのデータは「限られた」などというレベルではないことが解る。

それどころか、WPATHのこの内部文書は、いわゆる「ジェンダーを肯定するケア」が、子どもたちの人生を台無しにし、彼らの身体に永久的なダメージを与える非科学的な詐欺であることを示す包括的な証拠である。そして決定的に重要なのは、この文書がWPATHがそれを知っていることを証明していることである。

ではここでWPATHの歴史を振り返ってみよう。

WPAHの前衛はErickson Educational Foundation (EEF)という名前で、創設者は性違和を持つレズビアン女性リタ・エリクソンとその友人ゼルダ・スプリー。エリクソンは1917年にテキサスの大富豪の娘として生まれた。リタは名門お嬢様学校を卒業後エンジニアとなり、両親亡きあと稼業を継いだが、そののちビジネスを売却しさらに大金持ちとなった。

1963年、父の死後リタは女性から男性へのトランスを試み、ハリー・ベンジャミンという医師の元でFtMとなり名前もリード・エリクソンと改名した。その後エリクソンはトランスジェンダリズムを主流化するために大金を注ぎ込む力となったのだ。

1964,「……身体的、精神的、社会的に不利な条件によって人間の可能性が制限されている分野や、研究の範囲が新しすぎたり、論争的であったり、想像力に富んでいたりして、従来型の支援を受けられないような分野に援助と支援を提供する。」という目的でエリクソンはEEFを設立。

しかし彼女自身は麻薬中毒になり年と共に精神的にも身体的にも劣化し、娘が後見人を務めるに至った。しかしその間にもエリクソンのパートナー、ゼルダ・スプリー(女性)はEEFの運営者として整形手術中心のトランスジェンダー治療を続けた。

スプリーはヌーディストであることで有名でプレイボーイで初めての全裸写真のモデルとなった人だ。彼女は全国から過激派の医者を集め、旅費や支援金を払って、整形手術中心のトランスジェンダリズムを国中にひろめさせたのだ。EEFはあの悪名高きジョン・マネー博士のことを崇拝していた。

EEFは1977年ジョナスインフォーメーションファシリティー(JIF)と名前を変え、EEFとしての活動は停止した。しかしJIFがその活動を引き継ぎ、ゼルダ・スプリーはそのままJIFで活動をつづけた。JIFは性違和を持った患者に整形手術をする医者を紹介する施設となった。スプリーと共に、ジョン・マネー博士の元同僚のテキサス大学ポール・ウォーカー医師が性転換手術の主流化のために働いた。

しかしこの極端な手術の結果は全く良好とは言えなかった。手術による合併症があまりにもひどかったため、多くの患者が手術を後悔した。1982年、エールとケンタッキー大学が行った調査によると、術後合併症は、

ホルモン治療を受けた男性の乳がん、ホルモンの影響で肥大した手足の縮小手術の必要性、膣の開口部の度重なる造設、泌尿器系と直腸の感染症、出血、皮膚移植片の喪失、術後の自殺と自殺未遂」、「手術を元に戻せという患者の要求」。

この余りの酷さに、ある患者は外科医の男性器を撃ってやると脅迫したという。

私(カカシ)はこれを読んでいて非常に驚いた。この手術による合併症は、私が最近聞いた性転換手術体験者の話とあまり変わらない。しかしこの話は40年以上も前の手術結果なのである。

実は私はつい最近まで男性から女性への所謂性適合手術(SRS)というものを非常に簡単に考えていた。日本で最初に性転換手術をしたことで有名なのはカルーセル真紀さんだが、真紀さんがモロッコで手術を受けたのは1960年代後半だ。そしてその頃にはすでにモロッコでは男子から女子の性転換手術は行われていた。ということはMtF手術はすでに80年あまりの歴史を持つ手術だということになる。であるから私はてっきりこの手術は完成度がかなり高い手術であり、医学の発展により合併症などの問題点はすでにほぼ解決済みなのだと思っていたのだ。

ところがここ数年、手術体験者による恐ろしい合併症の話しをきくにつれ、SRSは安全でないどころか、完璧とは程遠い野蛮な手術であることを知った。何十年も歴史のあるMtFの手術ですらこれなのである。せいぜい20年くらいの歴史しかないFtMなどもっとひどいのは当然だ。(FtMのSRSにおける合併症発生率は60%と聞いている)

正直完璧な性適合手術など存在するのだろうか?私にはとてもそうは思えない。

1979年、EEFの基金からの支援を受けハリー・ベンジャミン医師がthe Harry Benjamin International Gender Dysphoria Association(国際性違和協会)を設立しJIFの運営を引き継いだ。会長は前出のウォーカー博士。ベンジャミン医師はエリクソンから年収1万8千ドル(今なら17万6千ドル)を得ていた。

そしてハリー・ベンジャミン協会はすぐに「医療基準・スタンダードケア」というガイドラインを発表。数々の失敗例を無視してこの道の専門家を気取ったのである。しかしそれでもその時は、性転換治療は大人だけとしていた。その理由は子供には同意する能力がないからという理由。

2000年、ハリー・ベンジャミン協会の初期のウェブサイトは、同協会の初期メンバーの一人で、同協会のスタンダードケア委員会の委員を務めていたアン・ローレンス博士が運営する「Transexual Women’s Resources」という別のウェブサイトと提携していた。ローレンス博士は自他共に認めるオートガイナフィリア(AGP)であり、現在もその傾向が続いている。ローレンス博士は論文の中で、AGPは「過小評価されている」性嗜好であると述べている。

ローレンスほど自分の性癖に関して正直な人もいない。1999年、ハリー・ベンジャミン協会がリンクしているサイトでローレンス博士はいかに「入れ物」になりたかったかを書いている。その例として、SRSを受けた後に医者がダイアレーターを試した時の体験話があるのだが、小さい順に試してみて最後1-1/4インチのものを試した時の感想はというと、、

「そんなの入らないよ!」 でもなぜか入る。狂気の喜びでほくそ笑みながら、私は手鏡を手に取り、よく見た。押し入れの竿のように太く、私の中に15センチも挿入されている。何年もの間、私は貫通すること、器となること、容れ物となることを切望してきた。

1997年、ローレンスは婦人科の医師が診察室を一時去った後、意識のない女性患者の局部を無断で勝手に「診察」したとして勤めていた病院を辞任している。

いったいどれだけの「トランス女性」が単に自分を女性としてみることで興奮する性癖を持っただけの男なのだろうか、とウォルシは問う。さらにいうなら、どれだけの女性器を単に「容れ物」とみているような男たちが女性や女児のトイレや更衣室への立ち入りを許されているのだろうかと。

ローレンス博士はこのような気持ち悪い体験談を公開したにも関わらずハリー・ベンジャミン国際性違和協会のために「スタンダードケア」とは関わり続けた。彼は2001年に発表された第六版の基準の共同著者である。これは2007年に同組織が現在のWPAHとなる前の最後の改訂版だった。

WPATHと改名後も、同団体は同じ過激なジェンダー概念を促進し続けた。2012年にWPATHの名前で発表され2022年まで使われていたスタンダードケア七番目の改訂版には、かの悪名高いジョン・マネー博士や自他ともに認めるAGP容れ物男のローレンス博士の論文が引用されていた。

ほんの去年までWPATHはEEFとしの起源や1977年に活動停止した後、そのままハリー・ベンジャミン国際性違和協会が生まれ、それが今のWPATHとなった歴史を自慢げに公表していた。

このようなおどろおどろした恐ろしい過去があるにも関わらず、何故かWPATHは今やトランスジェンダーの権威として医療機関から仰がれる存在となってしまったのである。

これは現代医学における唯一最大の詐欺かもしれない。全国の子供たちの人生を破壊している。それだけは明らかだ。しかし、WPATHの起源について真実を知る者が、なぜ彼らの言うことに耳を傾けるのか、その理由はあまり明らかではない。今日のWPATHは、数十年にわたるヤラセと性的実験の誇り高き産物である。公衆衛生、とりわけ子どもたちへの脅威である。

ウォルシも言うように、WPATHが権威ある医学組織であるという詐欺行為にいつまでも我々が騙され続ける必要はない。医者も病院も保険会社もその道の専門家たちはWPATHを詐欺団体として拒絶すればいいのである。これまでにも一時期は医療として受け入れられていた治療法が、後に科学的根拠のない野蛮な治療としてどんどん廃止されていったのと同じように、トランス医療などというインチキ医療もいい加減廃止されるべき時代が来たのだ。

これまでほとんどの人がWPATHの歴史を知らなかった。多くの人は子供たちにこんな野蛮な治療が施されていることすら最近まで知らなかった。しかし、WPATHが如何に科学に基づかない詐欺団体であったかが解った今こそ、この野蛮な行為を全面廃止する時が来たのだ。

過去にも何度か書いているが、私(カカシ)は前々から性同一性障害の治療が性適合手術であるという考えに懸念を抱いてきた。これは子供だけではなく、大人にも言えることだ。性別は変えられるという概念そのものを撲滅すべきである。そして性転換手術は大人でも全面的に禁止すべきである。


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未成年の性自認肯定治療は自殺願望治療には役立たない、新しいフィンランドの調査に虹色活動家たちが大パニック

数日前に報道されたこのニューヨークポストの記事を本日発見したので、昨日のアビゲイル・シュライアーの本と関係あることでもあり、ご紹介しよう。記事の著者はベンジャミン・ライアン(Benjamin Ryan Published Feb. 24, 2024, 7:00 a.m. ET)この記者は中道派のゲイと言う話だ。

小児の性転換治療を支持する運動は、小児の医療介入は「医学的に必要」であるだけでなく、真に「命を救う」ものであるという主張の上に成り立っている。

しかし、この主張が真実かどうかを解明しようとした研究者はいない。

これまでは。

フィンランドで行われた大規模な新しい研究によると、思春期や若年成人に異性間ホルモン剤や性別移行手術を施しても、自殺による死亡に大きな影響はないようである。

え~、大問題!だって今までジェンダークリニックで性転換を強く奨励されるとき、医療関係者は親たちに向かって「生きた息子と死んだ娘ならどちらが欲しいか?」という恐ろしい選択に迫られていたのだ!

さらに、若者をジェンダー・クリニックに送るほど深刻なジェンダーの苦悩と、自殺死亡率の高さとは無関係だったという。では何が高い自殺率と直接関係があるのかというと、それは精神病専門家へ通った回数と関係があるという。つまり、個人がどれだけ深刻な精神疾患を病んでいるかが原因だというのだ。

というわけなので、調査の結論は二つ。

  1. 性違和患者の自殺率は普通よりは高いが、精神を病んでいる若者の間では稀である。 
  2. このグループの高い自殺率は性違和が原因ではなく、より深刻な別の精神疾患にある。

よって調査団は、これらの若者に緊急に必要なのは性転換治療などではなく、もっと包括的な精神治療であると締めくくっている。

この調査はトランス自認の若者の高確率な精神病はトランスジェンダーに対する厳しい社会からの批判によるものなのか、それとも多くのジェンダー論批判派がいうように、性自認が原因というより、既にある精神病への対処法としてトランスを自認しだすのかという議論の真髄に触れることになる。

「生きた娘と死んだ息子ならどちらが欲しいか」という質問に関して、2月17日に発表されたこの新しい研究のリーダーであり、フィンランドのタンペレ大学病院の思春期精神科医であるリイッタケルトゥ・カルティアラ(Dr. Riittakerttu Kaltiala)博士は、「親にそのようなことを言うのは最も非倫理的です。それは事実に基づいていない」と語る。

カルティアラ博士自身、かつては未成年の性転換治療の支持者だった。彼女は2011年にフィンランドで最初の小児ジェンダー診療所を設立した人だ。しかしすぐに彼女はこの治療に疑問を持つようになった。

それまでにも小児の性違和治療に関しては種々の研究がされたがどれも科学的であるとは言えなかった。そこでカルティアラ博士のチームはフィンランド全国の健康記録を元に調査を始めた。1996年から2019年までの間に、22歳以下(平均18歳、最年少8歳)でフィンランドの2つの診療所のいずれかを初めて受診した2,083人全員の記録を調べた。そして研究者たちは、約17,000人の一般のフィンランド人からなる比較グループを作成した。

性同一性障害を持つ38%がホルモン治療をしたり性転換手術を受けたりしていた。確かに性違和患者の自殺率は一般人の三倍であったが、0.1%:0.3%、彼等が性転換治療を受けていたかいないかとは関係が無く、性別転換治療を受けていても、その後精神科へいく頻度を減らすことに役立っていなかった。つまり性転換治療は若者の精神疾患の治療として効果がないと言う結果が出たのだ。

この調査結果は今まで性違和肯定治療を奨励してきた医療関係者が言っていた「肯定治療は命を救う」という論説と真向から対立することになる。道理で活動家たちがヒステリーを起こしているわけだ。

WPATHのアメリカ支部USPATHの前会長だったエリカ・アンダーソン精神科医(MtF)はこの研究は「波紋を呼ぶだろう」と発言。またWPATHの現会長マーシー・バウワーズ(MtF)外科医も若者への医療介入を見直す時だと述べた。というのも、「自殺は、ジェンダーを肯定するケアの有効性を測る方法としては、今も昔も貧弱だからです」と語る。バウワーズ医師は若者の性転換手術外科医としては第一人者である。彼がこんなことをいうとなると、この問題は明らかに転機を迎えていると言える。

また、青少年の性の悩みに対する優先的治療としてカウンセリングを呼びかけるTherapy Firstのポール・ガルシア・ライアン代表は、性違和と自殺を単純に結びつける行為は、かえって「傷つきやすい若者の自殺願望を引き起こしたり、悪化させたりする」可能性があると述べた。

無論このような調査結果は性自認肯定治療こそが性違和の最適な治療であり命を救うと信じている活動家からしたら不都合であることは言うまでもない。記事が掲載されるやいなや、虹色活動家からのライアンへの攻撃は凄まじく大量の批判が集まっている。特にひどいのは著名なLGBT活動家グループであるGLAADのシニア・コミュニケーション・ディレクターが、ライアンを「ジャンク・サイエンス」を推進していると非難し、この研究をあえて報道したことでライアンが同性愛者であることから「自己嫌悪に陥っている」とレッテルを貼っている。

実際に研究方法や結論の良し悪しを議論するのではなく、単に研究結果を報道した記者を個人的に攻めるというのは卑怯であり幼稚である。問題なのは性違和を持つ若者への最適な治療は何なのかということであり、もし現在の性自認肯定治療が治療として効果がないのであれば、不可逆的で危険な治療をこのまま続けるべきではない。命を救うからという理由で極端な治療に甘んじた家族や当事者にも医療関係者は多大なる責任を負っているのだ。

私はずっと以前から性同一性障害の最適な治療法が性転換手術であるという考えに疑問を持っていた。これは子供だけでなく大人も同じことだ。自分に性違和があると訴えるひとに必要なのはホルモン治療でも整形手術でもない。先ずどうしてそんな違和感を持っているのかという根本的なところから始めるべきなのだ。妄想に合わせて身体を変えていくのではなく、その妄想を取り除くことに努力すべきである。何故ならもし後になって心が晴れ、性違和が無くなった時、変えてしまった身体は元には戻せないからだ。

カルティアラ博士とチームの研究結果は下記。

All-cause and suicide mortalities among adolescents and young adults who contacted specialised gender identity services in Finland in 1996–2019: a register study | BMJ Mental Health


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話題の児童トランス医療啓発本、「あの子もトランスジェンダーになった」Irreversible Damageの問題点

先日もちょっとお話したアビゲイル・シュライヤー著の「あの子ももトランスジェンダーになった(仮名)Irreversal Damage」の問題点がハッフィントンポストに掲載されていたので、それをちょっと読んでみよう。なぜトランスジェンダー活動家達がこれほどまでに出版を阻止しようとしているのか、その建前の理由がわかるかもしれない。

この記事の著者はジャック・ターバン医学博士。

本書の中核をなす(そして誤った)前提はこうだ――本当はトランスジェンダーなどではなくただ混乱しているにすぎない「トランスジェンダー」の若者が途方もなく大勢いる。かれらはジェンダー・アファーミングな、すなわち自認する性に近づける医療的介入(ホルモン療法や性別適合手術など)を受けるようみな急き立てられていて、あとでそれを後悔することになるのだ。

誤った情報に満ちた突拍子もない本だ。医師そして研究者として、トランスジェンダーの若者のケアと理解にキャリアを捧げてきた私はそう思った。

といってはじまるので、もうだいたいどんな記事かは想像がつく。ターバン博士はこの本が「無責任なジャーナリストじみた手口と全くの出鱈目に満ち」ているという。にも拘わらずこの本がベストセラーになってしまったことにかなりの怒りを感じているようだ。

ターバン博士は一部の非主流派の医療機関を除けば、若者が自認する性に近づける医療を施すこと自体が論争の的になることはないと断言している。いや、それは違うだろう。もうすでに欧州の医療機関では子供の性転換医療への懸念が大きく取り上げられるようになっている。そしてこの記事が書かれた去年の12月の段階で、アメリカでも20以上の州で子供の性自認肯定医療が禁止されているのだ。だからこの記事はかなり不誠実であることがわかる。

ターバン博士は個人が性自認肯定治療を受けるにあたっては厳しいガイドラインがあり、個人の状況に合わせて慎重に審議されると語っているが、これも嘘だ。私はたった2~30分の問診で、すぐに異性ホルモンを処方されたと証言する当事者の話をいくらも聞いている。ガイドラインがいくらあろうと、ほとんどのジェンダークリニックは金儲け主義であり、問診などいい加減なのである。

さて、では本題に戻ってターバン博士のいうこの本の問題点を吟味してみよう。

1)シュライアー氏は、自身が取り上げたトランスジェンダーの若者のほとんどに取材していない。

シュライアーは本著のなかで思春期になって突然自分はトランスだとカムアウトした少女数人の話を取り上げているが、どれも本人に直接話をきくのではなく、トランスが原因で娘たちと疎遠になってしまった親たちとのインタビューだけを載せている。これでは本人が本当に外部からの影響で混乱してトランスを言い出したのか、本人がもともと性違和を持っていたのか分からないではないか、というわけだ。

この問題についてはシュライアー自身も他のインタビューで語っていたが、当事者は肯定治療に疑問を持つ人とのインタビューに等応じない。それに相手が未成年の場合は患者のプライバシーにも関わることでありそう簡単にはインタビューなど出来ないのである。

2)シュライアー氏は、自分は政治とは無関係だと主張する。ところが本書は、保守派政治思想の推進を使命に掲げるレグネリー出版社から出ている。

これはくだらない言い掛かりだ。彼女自身が政治的でなくても、今回角川書店の例でもわかるように、左翼の出版社がこのような本を出版するわけはないし、中立を保ちたい出版社も嫌がらせや脅迫を受けるような問題ある本に関わり合いになりたくないのは当然。結局出版してくれるのはトランスイデオロギーに反対の立場にある保守派出版社だけしかない。

シュライアー自信が政治的かどうかは関係ない。はっきり言ってこの本を読んでいれば彼女が保守派でないことは明白だ。

3)シュライアー氏は「性別違和はほとんどの事例(70%近く)で解消される」のだから、自認する性に近づけるための医療ケアを若者に提供すべきではない、と主張しているが、この統計は誤っている。

シュライアーの用いた統計は昔の古い基準をもとにしており、その基準は今よりも緩かったので、本物のトランスでないひとまでトランスであると診断されてしまい、後になってそうでないことが解る人が結構いた。しかし現代の厳しい基準でトランスと診断された人の70%近くが解消されるなどということはない。とターバン博士は言う。

しかし私はこれは全く信用できない。今のジェンダークリニックでは患者が自分はトランスかもしれないと言ったら誰も患者を疑ってはいけないことになっている。そんなやり方で気が変わらる子供たちがたったの70%というのだって怪しいものだ。思うにこれは多分90%以上が性違和を解消すると言った方が正しい。

4)シュライアー氏は、トランスジェンダーだと言う子どもの多くは実際にはLGB(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル)なのに怖くてそう言えない、それはトランスジェンダーの方が辛くないスティグマだからだ、と主張する。だが実際のデータはその逆を示している

ターバン博士によると、2019年の調査で学校ではLGBであるよりもトランスの方が強い敵意にさらされているとし、LGBとカムアウトするほうがトランスよりもずっと楽だと言う。

しかしそうだろうか。昨今のトランスジェンダリズムは性別の社会的役割をやたらに押し付ける思想のように思える。例えば3歳の男児がピンクが好きだと言ったり、フリフリのスカートをはきたがったりすると、すぐにこの子はトランスジェンダーなのではと言い出すのはTRA達の方である。

それに同性愛は罪であるという宗教的な家に育った子供は、同性への性愛を感じた場合、同性愛者であることを自分で認めるよりも、自分は間違った性に生まれたのだと思った方が気が楽ということもある。これはどちらが虐められるかという問題ではないように思う。

また、今の世の中LGBだとカムアウトしたところで誰も何とも思わない。皮肉なことにLGBがあまりにも普通に受け入れられるようになったため、すでにLGBであることはマイノリティーでもなければ特別な存在でもないのである。だから若者が目立ちたいならば、トランスジェンダーだとカムアウトする方が色々特別扱いしてもらえるのである。

5)シュライアー氏は、思春期の子どもたちに思春期ブロッカー〔二次性徴抑制ホルモン療法〕を与えると、よりトランスジェンダーと自認し続けやすくなると述べているが、これも間違いだ。

シュライアーは思春期ブロッカーを始めた子供はほぼ全員異性ホルモン治療を始めるというオランダの研究をもとにしているが、それは思春期ブロッカーを摂取したからではなく、真実のトランスであることがはっきりしている子供のみブロッカーが与えられるという証であるとしている。

つまりそれだけ審査は厳しくされているというわけだ。いやいや、これも大嘘だ。

シュライアーが原著を書いたのはすでに4年も前のことだ。それ以後あちこちのジェンダークリニックから内部告発があり、性違和のある子どもたちは一旦ジェンダークリニックの門をくぐると、一回2~30分の問診を数回するだけで、すぐにブロッカーを勧められ、数か月後には自動的に異性ホルモンへと進むのである。ブロッカーを摂取したのに異性ホルモン接種を止めるのは、医者の決断ではなく親か子供が自発的にやめた例だけである。

6)自認する性に近づけるための医療的ケアがトランスジェンダーの若者のメンタルヘルスを改善していることを示すデータを、シュライアー氏はことごとく無視している。

ターバン博士はジェンダー肯定治療が子どもたちの精神状態を良くしたという調査結果がいくらもあるのに、シュライアーがそれを無視していると語る。

だが少女の間でトランスジェンダリズムが蔓延しだしたのはここほんの数年である。そして子供たちに思春期ブロッカーが処方されだして、まだ10年も経っていない。最近になって脱トランスとして声をあげるようになった少女たちの話を聞いていると、大抵が治療を始めて4~5年経って大人の女性の年頃になってから後悔している。ということは、今は未だこのジェンダ―肯定治療が少女たちの精神状態を向上させたかどうかなどというきちんとした資料は存在していないのだ。

すでに子供のトランス治療のガイドラインを作っているWPATHのスキャンダルが明らかになった今、ターバン博士のこの記事は非常に空しいものになった。


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「あの娘もトランスジェンダーになった」アビゲイル・シュライヤーの著書Irreversible Damageが産経新聞出版から発刊に

去年の12月にKADOKAWA書店から発刊される予定だったが虹色活動家らに阻止され発刊中止に追い込まれていた、未成年少女たちの間で蔓延しているトランスジェンダリズムを描いた本、Irreversible Damage(あの娘もトランスジェンダーになった)が来月産経新聞出版から発刊されることになった。

すでに出版社には嫌がらせのメールが殺到しているらしいが、KADOKAWAのこともあるので、嫌がらせは覚悟の上だろう。どうか圧力に負けずに発刊していただきたい。今は注意深く楽観的にに見守りたいと思う。

トランスジェンダーカルトの人と話をしていると、彼等はトランスジェンダー活動家(TRA)の要求を100%受け入れ積極的に奨励しないと、「差別」「疎外」「トランスジェンダーを認めない」とののしり、挙句の果てにトランスジェンダーを死に追い込むとまで言い出す。はっきり言ってこんな我儘な人たちは他にハマスくらいしかいないのではないか?

ちょうどいいタイミングで子供のトランスジェンダー医療を奨励している世界的組織WPATHの会議の模様が一部リークされた。その「WPATHファイル」をMoja Mojappa@MojaMojappaさんが日本語で紹介してくれている。

読者諸氏は多分外科医でWPATHの会長であるマーシ・バウワーズ医師を覚えておられることだろう。彼は自らも男から女へのトランスジェンダーで、子供時代からトランスしたMtFのテレビスター、ジャズ・ジェニングの主治医だった人で、マット・ウォルシの「女とはなんぞや」の映画でもインタビューを受けていた子供のトランス医療にあたっては第一人者である。そのバウワーズ医師は表向きは思春期ブロッカーは「完全に可逆的」だと述べている。しかし実際はそれが事実でないことを十分に知っている。

この一連のスレッドではこの会議に参加した内分泌学者、心理学者、精神科医といった医師たちが、実際子供のトランス医療についてどう考えているかが議論されている。

例えば、内分泌学者であるダニエル・メッツガー博士は、こどもたちが生殖機能を失うことが何を意味するのかよく理解できていないと語る。心理学者であるダイアン・バーグ博士は、子供は発達上、トランスすることの意味を理解できておらず、親もよく理解できないまま治療を承諾してしまっているといったように。

にもかかわらず、彼等は子どもの性転換医療を積極的に奨励し、彼等の定めたガイドラインが世界各国のジェンダークリニックで適用されているのである。

昨日Xでシュライヤーの本がヘイト本だといい、彼女が著書のなかで紹介している急性性違和症候群(Rapid Onset Gender Dysphoria ROGD)が医学的に認められたものではない主張する人がいたが、彼が信用できるとしているWPATHのガイドラインこそ医学に基づかないいい加減なものであるということが、この漏洩した会議の模様ではっきりしたのである。

ご存じのように、今や欧米各地で子供の性転換治療の見直しが行われている。アメリカでも20以上の州で未成年の性転換治療が禁止になった。カリフォルニアですら禁止にしようという署名運動が起きているくらいだ。多分もうあと5年もしたら、これは完全なる幼児虐待であるとして、世界的に禁止されるようになると思う。しかし今この狂気の真っ最中に居る少年少女やその親たちにとっては一刻を争う問題である。

どうかこの本が少しでも多くの親御さんや若者に読まれ、この危険なカルトに日本が誘惑されないことを願うものだ。


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野蛮人と文明人は共存できない、ガザへの支援物資を運ぶトラック運転手が殺害される

先日エジプトからガザ北部へ向かう支援物資のトラック行列がガザ西部でガザ民の群衆に襲われてエジプト人トラック運転手たちは命からがらエジプトへ逃げ帰ったという話を紹介したばかりだが、不幸なことに少なくとも一人はガザ民の手で殺され、トラックは略奪されてしまったようだ。

陸路では危険だということで、本日からヨルダンやアメリカの空軍が空から支援物資を投下する方法に切り替えたが、空中投下では陸路に比べて支援物資は全く行きわたらないとの批判もある。だが、それではどうしろというのだ?

ガザにトラックを入れればトラック自体が襲われて修繕が効かないほど破損されるだけでなく、運転手の命さえ危険にさらされる。かといってイスラエル軍が武力で群衆から行列を守ろうとすれば、国際社会がIDFが過剰な暴力を振るったといって批判する。

イスラエルとしては批判されながら敵の民の救援をするいわれはない。機会さえあれば自分らを襲ってくるひとたちである。

イラク戦争の時もアメリカ軍の物資輸送トラックが襲われることはよくあった。しかし米軍の場合は前線にいる自分らの味方軍のための物資を輸送していたのであり、襲ってくるのは敵であったからその対応は明白だった。彼等の使命は襲ってくる敵を排除し物資を守るである。相手は敵なのだから何人殺そうが問題ではない。敵の犠牲者が多ければ多いほど戦った方の米軍兵はその勇敢さを讃えられこそすれ責められるようなことはなかった。

しかしイスラエルは不可能な責務を負わされている。救援物資は自分らのためでなく戦っている相手側の民のためのものである。ところが相手は物資をもらって感謝するような輩ではない。ガザ民はイスラエルの敵ではないということになっているが、ガザ民の中には敵のハマスも多く含まれている。物資トラックの襲撃者のなかにもハマスが居たことは間違いないだろう。にもかかわらずイスラエル軍はこの物資を守るために群衆に発砲してもいけないというのだ。物資は守れ、だが襲撃者を殺してはいけない。じゃあいったいどうしろというのだ?

もしこれが日本の被災地とかだったら、日本人はどんなにお腹が空いていても辛抱強く列にならんで配給品を待つだろう。何故ならそうやって待っていたほうが結局はみんなに品が行きわたることを知っているからだ。しかし行儀よく待てるのは途中で略奪する人などいないという前提があるからこそである。もし一部でも暴力で物資を略奪しそれが放置されて末端にいきわたらないことが最初から解っていたら誰もが略奪をしなければならなくなる。それが今のガザの状態だ。

私はこういうのを見ると、つくづく野蛮人と文明人の共存は不可能だと思う。

もうここ20年くらい、欧州では安い労働力として輸入したアラブやアフリカからの移民達が働かなくなり、欧州諸国の手厚い福祉を目当てに最初から働く気のない違法移民が殺到して大変なことになっている。彼等は地元の社会秩序などまるで興味がない。窃盗も強盗も強姦も好きなようにやる。例えつかまっても自国では即死刑になるような犯罪も欧州の罰は緩いので痛くもかゆくもないのだ。

社会秩序は警察が厳しく取り締まることももちろんだが、本当の力はその社会に住む人々が共有する道徳観念だ。何故日本の田舎で無人野菜売店が存在するのか、それは誰も見ていなくても他人の者を盗むことは悪いことだという道徳観念を村の人びとみんなが共有しているからである。だがそんなことは全くお構いなしで本能の欲するままに行動する野蛮人が大量に押しかけて来たらどうなるか。それが今の欧州の実情だ。

無論アメリカも全く他人事ではない。バイデン政権でガバガバになった国境から諸外国の違法移民が殺到している。また警察の予算が削られほぼ無法状態になってしまったワシントン州やカリフォルニア州やニューヨーク州の一部では、万引きが横行してどんどん商店が潰れるという状態になっている。

もういい加減我々に我々は気づくべきだ。人々の価値は皆同じではない。文化の価値も同じではない。世の中には良い文化と悪い文化があるのだ。良い民族と悪い民族があるのだ。文明社会と野蛮社会は違うのである。そして文明人と野蛮人の共存は不可能なのだ。


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イスラエル領の歴史的変化(忘備録)

Tag:イスラエルの歴史

常に話題になるので、今後質問された時のためにXでErected Official@OfficialErectedさんがまとめてくれたイスラエル・パレスチナ紛争の歴史を記載しておく。(転載はご了承済み)

1947年: イギリス領パレスチナ地区をイスラエル、ヨルダン、エジプト、レバノンの間で分ける案が国連で採択 1948-49年: イスラエルが建国と同時に反発したアラブ連盟軍(エジプト、ヨルダン、シリア、イラク)がイスラエルを攻め、返討ちにされ、領土を失う。 1949年: 地区の難民支援としてUNRWA設立。

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1956-57年: 航路として重要なスエズ運河をエジプトが国有化するとの宣言に反発してイギリスーフランスーイスラエル連合がエジプトに侵攻、スエズ運河まで占領するも、国際社会に非難され、最終的に撤退。地図上の変化は無し。

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1973年: ヨム・キプールの日にアラブ諸国(エジプト、シリア、イラク、ヨルダン)からの奇襲を受け、苦戦を強いられるが停戦した際にはイスラエルが占領区を増やしていた。

1987年: 第一次インティファーダの勃発。イスラエルとテロ組織の小競り合いやイスラエル人とパレスチナ人の犯罪などをきっかけにパレスチナ解放機構(PLO)とイスラエル政府の間で緊張が高まる。パレスチナ人による攻撃はエスカレートしていき、爆薬を使った攻撃が頻発するようになる。

1993年: 周辺諸国で紛争を繰り返して来たパレスチナ解放機構(PLO)とイスラエルとの間で相互承認がなされ、オスロ合意Iが署名さる。1. 西岸・ガザ地区で5年間の暫定自治、2. 国連安保理決議に基づくパレスチナ最終地位交渉、3. 暫定自治開始後3年以内に、エルサレムの帰属、パレスチナ難民、国境等の問題を含む最終的地位交渉開始

1994年: オスロ合意に基づき、イスラエルは西岸・ガザ地区から撤退。PLOは暫定自治政府(PA)を設立。一方で、原理主義組織であるハマスやイスラム聖戦はオスロ合意を拒否、イスラエルへのテロ攻撃を続ける。相次ぐテロ攻撃によりイスラエル国内でPAに対する不信感が高まり、和平交渉は停滞。1999年に暫定自治期限が終了する。

2000年: 第二次インティファーダの勃発。衝突はガザ、西岸の全域に広がった。 2002年: イスラエル政府はテロリストの侵入を阻止するため、西岸地区に壁の建設を決定。

2005年: アッバースPA大統領がハマス等の諸派との対話、治安情勢に一定の成果を上げた結果、イスラエルとPAの双方が軍事活動と暴力の停止を宣言し、西岸6都市の移譲、パレスチナ人拘禁者900名の釈放等が合意された。

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Big Lizard’s wife(カカシ姐さん)@biglizardswife

参考にしたいのでこちらのスレッドを私のブログで転載してもいいですか?

Erected Official@OfficialErected

どうぞ使って下さい!


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フロリダ大学、多様性関係の従業員を全員解雇に, 一方空軍ではトランス自認男を称賛

こと多様性に関しての政策は三百六十五歩のマーチのように三歩進んで二歩下がるといった感じだ。片方で社会が正気を取り戻しつつあると思うと、もう片方で狂った方へと進んでいく。しかしアメリカ社会は確実に正気な方向へ向かっていると私は確信する。

先ず正気に向かっている方の話をしよう。金曜日、フロリダ大学は多様性・平等、包括性の三つで知られるDEIに関係する従業員を全員解雇すると発表した。同大学の新聞ザ・アリゲーターによると、同大学は同大学の多様性部門を閉鎖することになり、その部門のすべての職種を廃止することになったという。

これは州政府の予算がDEI関係のプログラムにあてがわれてはならないという新しい法律にのっとったものであるとのことだ。

この発表は、カレッジ・フィックス紙が、フロリダ大学では学部生4人につき1人の管理職を雇用しており、10年前と比べて12%増加していると報じた約1週間後に行われた。

UFのDEIイニシアチブは24人のフルタイム職員に相当し、大学には5300万ドルの費用がかかっている

いかにDEIというのがビッグビジネスであるかがわかる。この新しい規制はロン・ディサンティス知事によって署名されたものだが、ディサンティス知事はDEIプログラムのことを「差別的な取り組みである」と言っている。

ところでディサンティスが知事を務めるフロリダ州に基盤を持つディズニー社も最近経営不振で無駄なDEI部門を廃止。どんどん関係者を解雇している。

空軍士官学校、リーダーシップ・サミットでトランスジェンダー将校に注目

さて次は狂ってるほうのニュース。これはデイリーワイヤーの記事から拾ったもの。最近のアメリカ軍隊のお目覚めぶりは酷い。トランプ大統領の時代は軍隊におけるトランスジェンダリズムは禁止されていたが、バイデンになったとたんに単に許容するだけでなく積極的に奨励するようになった。それで防衛省はなんと「トランスジェンダー可視化の日」を推進する一貫として、空軍士官学校にトランス自認の現役軍人を招いてリーダーシップと包括性についての講演を行った。

米国宇宙軍のエンジニアであり、軍におけるトランスジェンダーの活動家でもあるブリー・フラム大佐が、「文化を受け入れ人々に力を与える」をテーマとした全米人格リーダーシップシンポジウムで講演した。軍関係者によると、彼は空軍のLGBTQ+取り組みチームの共同リーダーであり、「空軍と宇宙軍におけるLGBTQ+の軍務に対する障壁をなくすことに専念している 」という。

フラム中佐はトランスジェンダーでは軍隊最高の地位に居る将校なんだそうだ。私はこの男性の演説の様子をビデオで観たが、非常に気持ちの悪い話方をする人だ。ちょっと前なら男が(特に軍人が)あんななよなよした話し方をして将来を担う士官学校の学生たちにリーダーシップについて演説するなど考えられなかったが、バイデン爺さんのアメリカ軍の女々しさには呆れる。

フラム中佐は実際には軍人と言うよりただのトランスジェンダー活動家である。しかも非常に熱心な活動家でアメリカ軍全体を虹色に変えようと頑張っているのだ。彼等の使う「多様性」だの「包括性」だのというのは、以上な性趣向を受け入れるということであり、それが軍隊を強化するのにどんな役に立つかなんてことは二の次なのである。

「包括性には行動が必要であり、包括性には問いかけが必要であり、包括性には理解が必要であり、それはより多くの仕事であり、リーダーにとってはより多くの仕事です。「将来、私たちは頭脳の力で戦い、戦争に勝利することになるでしょう。もしその頭脳がたまたまトランスの身体を持っていたとしても……あなたとともに働いてほしいのです。なぜなら、彼らが宇宙やサイバー、その他あらゆる戦争領域での戦い方に革命を起こすかもしれないからです」

なんだこの訳の分からないスピーチは。ま、それはともかく問題はこのくだらない取り組みにどれだけの軍事予算が注ぎ込まれているかということ。なんと防衛省は2024年だけで1億1千4百万ドルをDEIの「無意識偏見や多様性研修」や「多様性と包括性取り組みの研修」に割り当てたいというのである。

またフラン中佐が中心となって設立された空軍のLGBT取り組みチームは左翼思想を全面的に押し出しており、トランスジェンダー可視化の日などを祝っている。

軍隊というところは比較的右翼保守の集まりのような印象があるかもしれないが、それは個々の軍人には保守的な人が多いというだけであって、上部の将軍たちは政治家であり軍隊の性質はその時の政権によって右へも左へも傾くのだ。近年の軍隊がかなりポリコレになってきているのは、軍隊に居る人間なら誰もが気付いた現象である。

例えばバイデン政権が始まったばかりの2021年1月、海軍勤めの私は職場でオールハンズ(All hands)という従業員全員強制参加の緊急会議に召集された。その内容というのが「どのように過激思想と戦うか」というものだった。これは1月6日の議事堂乱入事件のあった直後であり、彼等のいう「過激思想」とは明らかに右翼保守思想のことだった。職業柄職場の30%以上は現役及び退役軍人であるうちの職場では、個人的には右翼保守の考えの人が非常に多く居たので、この会議(というよりお説教)は非常な反感を買った。とはいえ軍隊という場所は上からの命令は絶対だ。特に現役軍人はやたらな反論は出来ない。なにせこれは大統領命令だから。

魚は頭から腐るというが、まさにその通りなのだ。

このようにアメリカ軍がどんどん左翼化していくにつれ、軍隊への志願兵の数が激減、前代未聞の大危機を迎えている。空軍、陸軍、海軍のどれも2023年の志願兵目標数に達しなかった。特に白人志願者が激減しているという。そりゃあそうだろう。「多様性」というのは反白人男性という意味なのは、もう誰もが知っていることだから。

こういう状況であるにもかかわらず、フランはさらに左翼アジェンダを軍隊の指導者たちに押し付け、軍人は「社会から疎外されたコミュニティーに寄り添い、支援することでアライとなる」ことができると主張するのだ。

私は20年以上も海軍で仕事をしてきたが、軍隊ほど少数派に対して平等な場所はない。軍隊では白人も黒人も東洋人も男性も女性も能力次第で昇進が出来る。民間企業では差別のあった時代でも、軍隊では黒人でも将校になれたし、下の位の人は上官の人種や性別にかかわらず、上官としての敬意を示して来た。軍隊ほど多様性があり包括的な組織は他になかったのである。しかしフランの言う多様性や包括性はそういう意味ではない。

さてこれについて空軍広報担当者はデイリーワイヤーの取材に対し下記のように述べた

「フラム中佐の講演は、軍における多様性の価値と、軍務への不必要な障壁を取り除くことの重要性を強調するものだった。「フラム中佐は、米空軍と米宇宙軍の両方で卓越したキャリアを持ち、その経験とリーダーシップを活かして、我々の戦争遂行任務と軍内の包括性を支援してきた。

広報担当者はまた、男性が女性になることができるというのが空軍士官学校の公式見解であると述べ、「意図的な性別の間違い」は差別に当たる可能性があると付け加えた。

「国防総省と空軍士官学校の方針に従い、米空軍士官学校は、個人の内的または個人的な性別感覚が、出生時に割り当てられた性別と一致しない場合があることを認識しています」と、広報担当者はデイリー・ワイヤー紙に語った。さらに広報担当者は、「意図的な性別の間違いは、機会均等ポリシーのもとではハラスメントや差別とみなされる可能性があります」と述べた。

軍隊がこれでは志願兵が減るわけである。私は軍隊に同性愛者が勤めることに関しては全く問題がないと思っているが、トランスジェンダーはMtFでもFtMでも反対である。何故かと言うと、彼等は先ず精神的に不安定であるということ、肉体的にも異性ホルモンのせいで不健康であり常に医療を必要とすること、特に男性の場合は女性ホルモンによってその運動能力が著しく落ちる弊害がある。など軍人としてはふさわしくない要素を多分に持っているからである。そしてもし性転換手術などということになったら、長期の休暇を必要とし、しかもその後の維持も大変で、とても戦地に赴けるような身体ではない。

フラン中佐はトランプ前大統領が次期大統領として返り咲いた場合は自分は軍隊から追い出される可能性があると示唆している。まったくそうあってほしいものだ。

もうひとつおまけで軍隊の話題。こんどは陸軍の話。Army quietly dropped 5-mile run from airborne school in 2018 (taskandpurpose.com)。実はこれ結構古いニュースで、2018年に陸軍空挺隊学校の卒業必須課目から5マイルランがこっそり取り除かれていたと言う話が、最近になって浮上した。

空挺隊というのは陸軍でもエリートのパラシュート隊のことである。これに関して陸軍の広報部はこのように説明している。

分析によると、身体的な訓練要件は、パラシュートの安全な装着、高性能機からの脱出、降下のコントロール、パラシュート降下の実行など、スタティックラインパラシュート操作に関連するコースの学習目標の達成とは相関していなかった

とのことだった。いや、空挺隊のエリート兵が5マイルくらい走れなくて大丈夫なのか?過去の卒業生の間からは5マイルランは弱い兵士を取り除くのに役に立ったとのことだ。

なんだか米軍の質がどんどん落ちているような気がする。


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「イスラエル軍、救援物資を待つガザ民の列に発砲、100人以上が死亡か」というデマを無責任に報道するアメリカメディア

アップデートあり

見出しの通り、昨日アメリカの主流メディアが一斉にイスラエル軍が救援物資を取りに来たガザ民に発砲したというニュースを流した。下記はロイター通信から。支援物資待つガザ市民に発砲か、100人超死亡との情報 イスラエル側は異議(ロイター) – Yahoo!ニュース.

支援物資待つガザ市民に発砲か、100人超死亡との情報 イスラエル側は異議

パレスチナ自治区ガザの保健当局によると29日、援助物資を待つ市民100人超がイスラエル軍の砲撃を受けて死亡した。 これはロイターが入手した映像。ロバの荷車に遺体や負傷者を乗せて搬送する様子が映っている。

ホワイトハウスは「深刻な事案」だと表明。米国家安全保障会議は「罪のない人々の命が失われたことを悼み、罪のないパレスチナ人が家族を養おうと努めているガザで悲惨な人道状況があることを認識している」との声明を発表した。 パレスチナ保健当局によると、1度による攻撃の死者数としてはここ数週間で最大規模。また約5カ月にわたる紛争による犠牲者は3万人を超えた。

医療関係者は、この砲撃による負傷者の多さや傷の程度に対応することができなかったと述べた。数十人の負傷者は、イスラエルの襲撃を受け機能の大部分が停止したアルシファ病院へ搬送された。 別の映像には、物資搬送用だとするトラックに遺体や負傷者が積み上げられる様子が映っている。ロイターは撮影場所を確認したが、撮影日時は不明。 国連のグリフィス事務次長(人道問題担当)は死傷者数の報告に「がくぜんとしている」と述べた。 ガザ市のカマル・アドワン病院にいたこちらの男性は、犠牲になった人々は援助物資がナブルシ地区に到着すると聞いて、そこへ向かっていたと証言した。「その4―5分後、イスラエルの戦車が現れて私たちは驚いた。戦車は無差別に発砲した。その直後、私たちが目にしたのは、殉教者と負傷者が無秩序に地面に散乱している光景だった。

これは、子どもたちのために食料を調達しに行って負傷した私の兄だ」 ガザ北部への物資搬送はまれで、混乱を伴う。戦闘が活発な地域を通過して、国連によると多くの人が飢えに苦しむ地域へと運ばれる。 イスラエルは、29日の事件の死者数に異議を唱えている。イスラエル軍は、援助トラックの周りに集まる人々を写したというこの映像を公開した。軍当局者によれば、数十人が踏みつけられたり轢かれたりして死傷したとしている。またトラックに押し寄せた人々の一部が、戦車を含む軍の車両に近づき、イスラエル軍は発砲したとしている。 バイデン米大統領は、戦闘休止に向けた協議を複雑にする公算が大きいという認識を示した。 イスラム組織ハマスは声明で、今回の砲撃は休戦と人質解放に向けた交渉の失敗につながりかねないと警告した。

冒頭から「パレスチナ自治区ガザの保健当局によると」とあるので、もうこの時点で事実はかなりの眉唾物だと判断できる。ただこの記事は最後の方でイスラエル軍の言い分も載せているのでまだいい方なのだが、それでもこれでは救援物資の配給を辛抱強列に並んで待っていたガザ民に向けて、何故かイスラエル軍が一方的に発砲し100人以上が犠牲になったというふうに受け取れる。イスラエル軍側の公式発表を聞く前に、まずこれが現実的な状況かどうか考えてもらいたい。

イスラエルはわざわざ何十台という救援物資をガザ内に送り込み人道回廊まで設け、輸送車の行列に護衛までつけている。にもかかわらず、それを大人しく受け取りに来た群衆に向かって戦車で発砲する?何のために?イスラエルがガザ民を大量に殺害したいなら、救援物資の配給を許可せずガザ民を兵糧攻めにすればいいだけのことだ。なんでわざわざ輸送トラックを調達したりするのだ?

考えの足りない人は、救援物資を送り込まないと国際社会か批判されるからだなどと言ってるが、一旦ガザに入れたトラック行列に集まるガザ民に発砲する方がよっぽども国際社会からの非難を浴びるだろう、現にハマスのプロパガンダを国際メディアが妄信していることからも解るように。

ではイスラエル軍の公式発表を聞いてみよう。下記はIDF Spokesperson RAdm. Daniel Hagariの発表である。例によって私による乱暴な翻訳なのであしからず。

今朝30台の救援トラックを人道的救援の一貫としてガザ北部住民のために輸送した。この支援物資はエジプトから来たものである。この物資はイスラエルのカレムシャロムで検査を受けた後、民間の運送業者によって輸送された。

この貴重な物資はガザ民のところへ行く途中だったところ、何千というガザ民がトラックの列に殺到した。何人かが暴力的に他の人を押し倒したり踏みつけたりし、救援物資を強奪し始めた。この不幸な事件によって、何十人というガザ市民が殺されたり負傷したりした。

ここに事実を記す。午前4時40分最初の人道トラックの列が我々が警備をしている人道回廊を登り始めた。そう、IDFは救援物資の行列がガザ北部の目的地に無事到着するために人道回廊の確保をしていた。我々の戦車は行列を警護するために出動していた。我々のUAV(ドローン)は上空から現場の明確の状況を兵士らに知らせるために出動していた。この人道的作戦の最中、午前4時45分、群衆が行列を待ち伏せし行列は止った。2:07ビデオでも解るように、戦車は行列を守るために居た。

イスラエル兵は平和に群衆を解散させるために何発か空に向けて警報射撃を行った。しかし数百人が数千人へと膨れ上がり、手に負えない状態になった。戦車隊の司令官はその場にいたガザ民に危害が及ばぬよう撤退を決断した。2:42ビデオでも解るように彼等は非常に気を付けて後退を始めた。軍人として言わせてもらうなら、これは非常に安全を保った後退である。彼等は自分達の命を危険にさらしながらも群衆に発砲することはなかった。

イスラエル防衛軍は作戦規約と国際法に乗っ取って行動した。IDFは救援物資行列に向かって攻撃していない。繰り返す。IDFの攻撃は救援物資行列に向かって攻撃していない。それどころか、IDFは人道作戦を行っておりガザ北部の人びとに届くように、人道回廊を守り救援物資が目的地に無事到着するように警護していたのだ。我々はこのような人道作戦を過去四晩に渡り問題なく行って来た。このような事件は初めてのことだ。

この救援物資はイスラエルによってガザ民のために調整されたものである。我々は救援物資がガザの人びとに届くことを望んでいる。我々はこれを実現するために日夜働いている。イスラエルは物資がガザに入ることに何の規制もしていない。我々は人道団体や国際社会と協力して、ガザ内部の配給問題に取り組んでいる。今朝救援物資は無事ガザ北部に到着した。これに対してIDFの攻撃は一切なかった。繰り返す。この物資に対するIDFの攻撃はなかった。我々は物資を守るためにそこに居たのだ。なぜなら我々の戦争はハマスとの闘いであり、ガザ民との闘いではないからだ。

我々は我々が始めたのでも、求めていたわけでもない戦争の中にいる。ハマスがこの戦争を始めたのだ。10月7日にイスラエル市民を大虐殺し拉致した時に。そしてハマスはガザにもどりガザ市民の後ろに隠れている。彼等を人間の盾として使っている。我々は無実のガザの人びとの苦しみを理解している。であるから我々は人道努力を拡大しようとしている。そのために我々は今朝のような人道作戦をおこなっているのである。

先ず、この救援物資トラックはこのトラックに押し寄せた群衆のためのものではなかったということ。これらはガザ北部の住民に届けるためのものだった。つまりそこに居た群衆は救援物資を受け取るために待っていたのではなく、輸送中の救援物資トラックを襲撃して物資を略奪するために集まったのである。

しかも報道官の見せたビデオでも解るように、群衆の数は数百人ではなく数千人にも及んだのだ。このような群衆が一気に攻めて来たにもかかわらず、群衆に向かって発砲しなかったイスラエル軍の自制力は大したものだ。私はこの状況で、もし本当にIDFが群衆に発砲したとしても完全なる正当防衛だと思う。しかしIDFの発表によれば、イスラエル軍はそれすらもしていないのである。ただ一つ認めていることは、空に向かって威嚇射撃をしたこと。この発表では含まれていないが、別の動画では威嚇してもさらに前進してくる群衆の足元を撃ったという発言もあった。

こちらのNBCの報道は本当にひどい。のっけから救援物資を待っていた人々に向かってイスラエル軍の戦車が発砲したと断言している。

しかしNBCの記者がその場に居たと言いながら、実際に戦車が群衆に向けて発砲した映像がない。また戦車やIDF兵士の発砲によって散り散りに逃げ惑う人々の映像もないのだ。わざわざ現場に行きながら、こんないい加減な報道があるか?

我々はこれまでにいくつもハマスが救援物資を運ぶトラックを乗っ取ったビデオを見てきている。もし本当にイスラエル軍が群衆に発砲したというなら、その証拠動画があるはずだ。背後に銃声が聞こえるような動画が出てきてもよさそうなものである。

だいたい救援物資輸送トラックを警護しているイスラエルが、救援物資をもらうために待っている群衆に発砲するという不思議な状況を誰か説明してもらいたい。救援物資はガザ民のためにあるのだ。イスラエル軍はそのために危険を冒してトラック輸送の警護に当たっているのだ。なのに何故そんなことをするのだ?

下記は現場の様子。背後に銃声も戦車の発砲の音も聞こえない。人々が逃げ惑う様子もない。

ハマスがこの事件を大々的に訴えている理由は明白だ。ハマスはすでに完全に追い詰められている。残された最後の砦はラファだけである。もしラファが落ちればハマスは終わりだ。シンワルは重々それを理解している。だからこそ、今の時点で世界中がイスラエルを攻撃し、イスラエルに国際的圧力をかけてラファ攻撃を止めさせようと必死なのだ。

だがそれはうまくいかないだろう。イスラエルは散々国連や国際社会から非難されながらもここまで作戦を遂行してきた。ここまで来て、ラファ落日を目の前に戦闘を止めるなどという愚かなことはしないだろう。そんなことをしたらこれまでの苦労が水の泡となってしまうからだ。

アラブ諸国が考える戦争の勝利は我々の考えるものとは全く違う。彼等はどれだけの戦闘で惨敗し領土を失くしどれだけの民が犠牲になったとしても、政権の首領が囚われの身とならず生き延びることができれば、それこそが勝利なのである。ここでイスラエルがラファ攻撃をせず、ラファに籠城した数千人のハマスが生き延びることが出来れば、イスラエルのような強硬な軍隊を相手に勇敢に戦って勝ったとしてハマスの拍が上がり、今後も支持者が増え国連からの同情支援金がどんどん集まりめでたしめでたしとなり、ガザ復興ならぬハマストンネル復興が始まるのである。そんなことになったらイスラエルにとっては元の木阿弥である。何百人ものイスラエル兵を犠牲にし多額の予算をつぎ込んで戦った意味がなくなるのだ。そんなことをイスラエルが許すはずがない。ここまで来たら最後までやり遂げなければならないのだ。

だからハマスがどうわめこうと、マスメディアがどう騒ごうと、バイデン爺が何を言おうと、この戦争はハマス殲滅が完了するまで終わらないのである。そのことに世界はいい加減気付くべきだ。

アップデート:3/1/24現在

ガザでの仕事を終えてエジプトへ帰ったトラック運転手たちの証言。

声1:みんな、国境を超えるな。パレスチナ人たちは俺たちのトラックを全部破壊した。奴らが犯したダメージが良く見えるだろう。奴らは岩を投げて窓を割った。これが仲間の運転手の血だよ。

声2:奴らが俺たちのトラックに何がしたか見えるか?運転手は重症を負って帰ってきた。見てみろよ!これがガザの奴らの祖業だよ。俺たちが祈ってやった人たちの。もうやめろ。奴らには今起きてる以上の罰がふさわしい。


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スタートレック、ストレンジニューワールド、シーズン2第二話、一体主役は誰なんだ?

去年の6月の公開されたスタートレックのストレンジニューワールド。無料の第一があまりにもひどかったのでそのまま観ないでいたのだが、昨晩第二話が特別サービスで75セントとあったので観てみた。いやあああ、酷かった、第一話にもまして酷かった、よくもこんな台本が通ったな。

あらすじ。前シーズンの最後に逮捕されたナンバー1、ルナの裁判が始まる。ほとんどが法廷シーンで、彼女の罪は自分が、スターフリートでは禁止されている遺伝子組み換え人間、エレリアン星人であることを隠してスターフリートに入隊したこと。法廷シーンはこのスターフリートの法律が非常に差別的であるということを弁護士が訴えることに終治している。結局彼女が遺伝子組み換え人間であることは彼女自身の罪ではないこと、スターフリートでの彼女の行動にまるで問題がないことなどから、彼女は無罪になる。という非常にくだらない内容。

筋そのもののつまらなさはこの際置いといて、このエピソードの設定には二つの問題点がある。一つ目はエピソード全体が裁判に終治してBストーリーがないこと。そのせいで話の進み方がゆっくり過ぎて退屈。そしてそれが二つ目の問題、レギュラーメンバーの誰一人として目立つ活躍をする機会がないことにつながる。

法廷シーンの主役はウナではなく、彼女の弁護をする女弁護士(もちろん黒人)。しかしこの弁護士はレギュラーメンバーではなくゲスト女優。裁判長はじめ主要な登場人物が女性なのはいいとして、シリーズのレギュラーたちはほとんど出番がなく、法廷での様子をモニターで見ているだけ。

スタートレックでは以前にも法廷を題材にしたものがいくつかあった。私の記憶に最も残っているのは新世代でサイボーグのデータがスターフリートの所有物なのか、それともデータという独立した個人なのか、という裁判だ。そしてデータの弁護士をピカード艦長、そして検察官をピカードのナンバー1,ライカ―が引き受けることになった。これは非常によくできたエピソードだった。法廷に出て来る三人が三人ともレギュラーであり、ピカードとライカ―が敵対関係になるという葛藤も描かれていた。

これは被告も弁護人も検察官もレギュラーメンバーだったので、感情移入が出来たのだが、今回のストレンジニューワールドでは、弁護士も検察官もレギュラーではなく、これまで視聴者があまり親しみのない人達なので観客が感情移入できないのだ。検察官役はシーズン1で登場したパイクの元彼女らしいが、あまりにも印象が薄かったので私は覚えていなかった。

さらに、ウナの弁護にあたり、エンタープライズの乗組員が無実を証明するような証拠探しでもするというのなら解るのだが、これといった調査もしない。パイク艦長も最初に弁護士に弁護を依頼した後はオフィスに座って裁判を観てるだけだ。いったいこのシリーズの主役は誰なのだ?

私がこの話を書いたとしたら、こういうふうにするね。

先ずパイク艦長はこういう裁判では有能と思われる弁護士を探すが、誰一人として弁護を引き受けてくれない。そこで仕方なく自分が弁護を引き受ける。そして人間ドラマをつくるために、検察官はパイクの元彼女という設定はそのままでいい。元カノはルナに同情的だがスターフリートオフィサーとしての義務感は強い。

さて、弁護をするにあたり色々と資料が必要。それにウナを告発したのが誰なのかも調べる必要がある。そこで捜査班を二つに分ける。

一班:遺伝子組み換えが普通だったウナの出身地の星へ向かいウナの生い立ちを調査する。これは医学的な調査も必要なのでチャペル看護婦と、ボディガードとしてクルーの誰かが一緒に行く。これは自分の不注意のせいでウナが告発されたのではないかと思っているルアーンが適役だろう。

二班:エンタープライズに残り、告発者が誰だったのか通信関係の捜査をする。これはスポックの支持でオフラが担当。

一班は訪問した惑星で何故か色々な妨害を受け、捜査がなかなか進まない。ここで異星人との格闘シーンなども入れるとよい。やっと協力者を見つけ、その人の手助けで遺伝子組み換えの歴史や禁止後も継続した人々がいた理由など色々と学び意外な事実を知る。何が意外なのかはどうでもいい。ともかくその事実を持ち帰って弁護士であるパイク艦長に渡す。

二班は色々ルナの通信記録などを調べていくうちにここでも意外な事実を発見。

この一班と二班の行動は法廷シーンと並行して進める。

もうひとつ、Bストーリーとして、医師とパイロットのオテーガによるボルカン星人に関する賭けなんかを加えてコミックリリーフを行う。

このやり方ならパイク艦長を始めレギュラーメンバーには色々な活躍をさせることが出来るし、観客はハラハラドキドキを体験することが出来る。私のようなド素人でもこのくらい思いつくのに、いったいこのシリーズの脚本家たちは何をやっていたんだ?

第三話以降はやっぱり見ない。75銭でもムダ金だわ。


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