イラク北部の自爆テロが意味するもの

昨日イラク北部で大規模な自爆テロがおき、APの記事によると、夜が明けて死者の数はすでに250人にのぼったとされている。下記は昨日の毎日新聞の記事より。

北部で車の自爆テロ、175人死亡 過去最悪規模

[ 08月15日 10時34分 ]
毎日新聞社
 【カイロ高橋宗男】イラク北部モスル西方のシリア国境に近いシンジャル近郊3地区で14日夜、燃料を積んだ複数のトラックがほぼ同時に爆発した。地元警察によると少なくとも175人が死亡、200人以上が負傷した。ロイター通信が伝えた。少数派ヤジディ教徒を狙ったイスラム教スンニ派武装勢力による自爆テロとみられる。イラクで一度に発生したテロとしては、過去最悪規模のテロとなった。
 ヤジディ教はイスラム教以前から存在する原始宗教で、イラクやシリアのクルド人らの一部が信仰している。
 モスルやシリア国境に近い地域は、国際テロ組織アルカイダ系のスンニ派武装勢力で組織する「イラク・イスラム国」が実効支配している。今年4月にヤジディ教からイスラム教に改宗した少女の「名誉殺人(親族による殺人)」が起きたことを機に、スンニ派武装勢力によるヤジディ教徒への攻撃が頻発していた。
 AP通信によると、「イラク・イスラム国」は今月上旬にシンジャルなどで「反イスラムのヤジディ教に対する攻撃が目前に迫っている」とのビラをまいていたという。
 一方、イラク駐留米軍が14日未明からバグダッド北東のディヤラ県でスンニ派武装勢力の大規模掃討作戦を開始したのに対し、武装勢力側がシンジャルでの同時テロで攻撃能力の誇示を狙ったとの見方もある。
 米軍のディヤラでの作戦は、県都バクバで過去数週間継続してきた作戦を拡大したもので、バクバを逃れた武装勢力の掃討が狙いとされる。スンニ派武装勢力は過去にも作戦地域から逃れ、周辺部で組織を再構築してきた経緯がある。

今年の2月にアメリカ軍による対テロリスト作戦が施行されてから、バグダッド市内とその付近での大規模な攻撃はやく五割ほど減少したと、この間軍当局が発表したばかりだった。この攻撃によってイラクでの新作戦は本当はアメリカ軍当局が発表したほどもうまくいってないという意味を持つのだろうか?
しかしこの攻撃が何処で誰に対して行われたかを考えると、変な言い方ではあるが、この攻撃こそアメリカ軍の新作戦がうまくいっている証拠ともいえるのである。
毎日新聞も指摘しているように最近米・イラク連合軍はディヤラ地方で厳しい取り締まりが始まっており、先日もディヤラでアメリカ軍による大規模攻撃があった。ディヤラ地方から追い出されたアルカエダは北部で体制を再び整え、米軍の攻撃と同時に自爆テロ攻撃をおこなったのである。しかし、攻撃がディヤラ内部ではなく外側の北部であったことから、これによってアルカエダにはアメリカ軍がいるディヤラ地方で大規模な攻撃を行うことができなかったことが暴露された。
またこの当たりはシリアとの国境線であり、シリアからの外国人テロリストがイラク侵入に使っていた通り道の付近だそうだ。ということは、外国人テロリストはイラクへ侵入したはいいものの、国境付近よりも先に進めず入り口で立ち往生したことになる。
しかも攻撃の対象となったのがクルド民族やシーアの有力者だとか、神聖なモスクだというかいうのならまだ話は分かるが、シーアともスンニともクルド俗とでさえ相容れない北東で孤立した少数派のヤジディ教徒相手だというのだから分からない。ヤジディ教は他のイスラム教徒から悪魔崇拝主義者として忌み嫌われており、こんな種族を殺してみても一般のイラク人にはほとんど無関係だし、戦力の誇示というにはほど遠い攻撃である。ただもともと数の少ないヤジディ派にしてみたら、最近のアルカエダによる攻撃は民族浄化を意味する。
だが、このアルカエダの狙いはこの攻撃によって直接的な軍事効果ではない。アルカエダの狙いは米国内の反戦派政治家らにあるのだ。このニュースを聞くや否や、反戦派の米民主党員らは早速イラク新作戦はうまくいってないではないか、撤退、撤退、いますぐ撤退!と大騒ぎを始めている。民主党はまんまとアルカエダの策略に乗せられているのである。
ところでこの事件について書かれているAPの記事の最後の方に、こんな一節があった。

バグダッドの北東部では、Buhrizで起きたモーター攻撃の容疑者と思われるアルカエダ関係の戦闘員を追跡する警察にイラク市民が参加した。この戦闘によって8人の武装勢力が殺され、6人の市民が戦死したと警察は発表している。

バグダッドでは一般市民が警察に協力して自らの命を失いながらもテロリスト退治に参加しているのである。どうりでアルカエダがバグダッドでの攻撃を避けるわけだ。


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いつまで続く? 危険な中国製品の輸入

アップデートあり:
昨日の新聞の見出しにアメリカの大手玩具会社マテルが中国製玩具の大量リコールをするとあるのを読んで、数日前にリコールを発表したばかりだったのでは? とちょっと戸惑ったのだが、記事を読んでみると、今月の二日に続いて二度目のリコールだという。

米マテル社の中国製玩具、また自主回収

2007.08.15
Web posted at: 10:42 JST
– CNN/AP/REUTERS
米メリーランド州ベテスダ──米玩具大手マテルは14日、基準値を越える有害物質が含まれている中国製玩具の自主回収を、米国内外で実施すると発表した。同社の製品自主回収は、今月2日の子会社フィッシャープライスの製品150万個に続いて2度目。
米消費者製品安全委員会の発表によると、今回回収対象となるマテル製品は、米国市場向け950万個と、海外市場向け1100万個。ボブ・エッカート最高経営責任者(CEO)は14日付ニューヨーク・タイムズ紙やウォール・ストリート・ジャーナル紙、USAトゥデイ紙に掲載された一面広告で、マテルが製品の安全性に真剣に取り組んでいることを強調。また、CNNに対し、自主回収がやむを得ない措置であるとの認識を示し、謝罪を表明した。
回収対象の玩具には、外れやすく、子どもが過って飲み込む恐れがある小さな磁石が使用されていたり、塗料に基準値を超える鉛が含まれているなどの問題がある。
一方、中国紙チャイナ・デーリーによると、今月2日に自主回収が発表された玩具の生産元の社長が先日、自社倉庫内から首を吊った状態の遺体で発見された。生産元は先週、中国当局から輸出停止処分を受けており、捜査当局は社長が自殺したとみて調べを進めている。
中国の玩具生産量は、世界全体の80%を占めている。

しかも中国はこのおもちゃの磁石の危険性について今年三月からすでに知っていたにも関わらず何の対策もとらずにアメリカへ輸出していたというのだ。
中国製品を大量に輸入しているアメリカの企業もこれでは大損害だろう。多分すでにマテルなどは中国の製造元に訴訟を起こす用意は整えているだろうが、中国が相手では訴訟に勝てるとは思えない。中国政府が間に入って訴訟は棄却されるのが落ちだ。しかしそういうことをして中国側が、してやったり、と考えているのだとしたらそれは非常に近視眼的な見方といえる。
アメリカ国内では政府が中国製品の輸入を規制すべきなのではないかという意見もあがっているが、私はそれは無駄だと思う。中国は政治的な制裁などなんとも思わないからだ。それよりも危険な中国製品を扱っているアメリカの会社を国内で消費者が訴える方が話が早い。アメリカの輸入業者が民間の経済制裁を受ければ、自然と中国製品を輸入しなくなる。中国はアメリカ市場から追い出され大打撃を受ける。そうなれば中国側の必要に迫られて安全な製品を製作になるというわけだ。こういうことは政府がやたらに口出しするより市場に任せるのが一番である。
中国製品に自信を失っているのはなにもアメリカばかりではない。粗悪な中国製品の一番の被害者はなんといっても中国市民そのものだ。このあいだ日本からの輸入米が中国産のものよりも20倍という値段にも関わらず飛ぶように売れたという話を聞いたが、高くても日本製品は安全だという消費者の信用度がものをいったものと思われる。
アップデート:中国製のタイヤも回収! もういい加減にしてよ、中国産!


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イラク従軍記者便り: 生まれ変わるハイファ通り

今日私は非常に興味深いリポートを読んだ。従軍記者としてバグダッドにいるウェスリー・モーガン記者が(Wesley Morgan at the Fourth Rail)がジェフェリー・ピーターソン中佐の隊に付いてあの悪名高いハイファ通りのパトロールに参加した。今日から四百万人が集まるといわれるシーア派の巡礼行進が始まるため、その前に警備体制を整える準備のためだ。隊は目的地まではストライカー三台を連ねていったが、時々中佐はストライカーから降りて地元の人々と話はじめた。モーガン記者が驚いたことは地元の人々が中佐の隊を歓迎しているように見えたことだ。ハイファ通りといえばちょっと前までアルカエダが幅を効かしていたところで、2004年に選挙委員会の職員が渋滞する車の行列の前で真っ昼間にテロリストに処刑された場所でもある。モーガン記者は2004年に比べてこの通りがずいぶん様変わりした様子を語っている。

ピーターソン中佐が歩道を歩いていくと、人々は彼を歓迎しているかに見えた。店の店主が挨拶したり、住民がサラームアレイカムと言ったりする、こうした様子に私は非常に驚いた。

白髪の歯の抜けた痩せた男が座っていた席から中佐の心地よい「こんにちは」に笑って答えた。中年の男もまた同じように答えた。黒いローブから顔だけだした女性たちが我々の挨拶に笑顔で答えた。若い男たちはもっと元気がよかった。中佐とその部下たちを知っているらしく中には熱意を込めて英語で挨拶をするものもあった。ただ中には全く無表情で冷たい顔つきで完全に我々を無視するものもいた。子供たちは幼い子から大きな子まで男の子も女の子も我々の周りにまつわりつき、「はろ〜、みすた〜!」とか「ちょこれ〜と頂戴!」と笑いながらねだった。多くの子供が手を延ばしてはハイファイブしたり、拳骨ごっこをしたり、握手を求めたりした。

この様子はマット・サンチェズが同時期にサドル・シティで子供たちから「待ち伏せされた」 と言って提示したビデオに赤裸々に映っている。カメラを持って取材するマットの周りを十数人の子供たちが囲み、それぞれカメラに向かって自分を映してもらおうと躍起になっている。マットが自分の名前を「僕はマシューだよ。」と言うと、こどもたちは口々に自分たちの名前を叫びはじめた。マットが子供の名前を変な発音で呼ぶとこどもたちはケラケラ笑っている。ひとりの男の子がサッカーのボールをかかげて何かいっている。「フットボールしよう」といってるように聞こえるがどうなんだろう? 近くで女性の兵士が子供たちにチューインガムを配りはじめると子供たちの注目は一斉にそっちへ移る。「ちょうだい!ちょうだい!」と多分言っているのだろう。
この様子をみていて太平洋戦争直後に進駐軍のジープの後を「ビブミーチョコレート!」と変な英語を叫んで追いかけまわしたという母の兄の話を思い出した。母はまだ幼児だったためそんなことはできなかったが、伯父は結構ちょっとした「英語」を覚えてGIにおねだりをしてはお菓子をもらっていたという。戦争中はアメリカ兵は頭に角が生えた鬼だと聞かされていた子供たちだが、実際には飢えた子供たちをかわいそうだと思って自分のポケットからお菓子を投げてくれるような優しい男たちだった。今も昔も米兵は親切だなとつくづく思う。ついこの間まで自分に銃を向けていた市民の子供たちなのに、いや、今でも状況がかわれば路肩爆弾でふっとばすこともなんとも思わない人々の子供たちにここまで親切にできるというのは何故だろう。アメリカ人てのはつくづくお人好しだと思う。
とはいうものの、マットのビデオに映っているあどけない子供たちの顔をみていると、チョコレートの一つもあげたくなるのが人情かもしれない。
このような様子を見て、イラクの治安は良くなっているとか、米兵は歓迎されているとか結論付けるのはあさはかなのかもしれない。子供たちは米兵が好きというより、単にチョコレートが欲しいだけなのだといえばそれはそうかもしれない。
しかし、そうだとしても子供たちが安心して米兵に近付いてくるのはいい徴候なのである。以前に私がイラク帰還兵から聞いた話だが、パトロールしている地域で子供たちが米軍兵の周りに集まってそれを大人たちが止めようともしない場所なら、先ず安心だということだ。だが反対に兵士の顔を見て子供たちが慌てて隠れるようならそこはかなり危険な場所で、なにか恐ろしいことが起きる可能性が高いのだという。
モーガン記者が気が付いたもう一つのことは、サドルシティにイランの飼い豚サドルのポスターがあまり張られていないということだ。しかも町は意外なほどゴミが少ないという。どこにいてもどぶ臭く、未処理の汚物が流れるイラクの市街地ではこれは非常に珍しい状況だ。
町がきれいだというのはどうでもいいようで実は非常に大事なことである。ジェームス・Q・ウィルソン著の「壊れた窓」現象がイラクでもあてはまるからだ。サドルシティのような貧困な町で、市民が自分の住む界隈のゴミを掃除するということは、彼等がここは自分の町だと誇りを持っている証拠である。自分が社会の一員であると考える人々はその社会を破壊するような暴力行為にはおよばない。
モーガン記者のリポートは決してすべてがバラ色ではない。イラク警備隊はやる気は満々だが四百万人もの群衆を警備できるような武器も装備も整っていない。
しかしそれでも、このリポートはいいニュースといえる。我々はイラクの町をひと区域づつ平和にしていかなければならない。 ハイファ通りはそんじょそこらの通りとは違う。暗く邪悪な過去を持つ通りだ。しかし我々はここも、ほかの通りと同じように平和にしていかなければならない、ひと区域づつ、ゆっくりと。


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タリバン、韓国女性人質二人を解放

本日タリバンで人質になっていた女性のうち二人が解放された。以下、朝鮮日報で写真が載っている。不思議なことに朝鮮日報では詳細がのっていないので、以下は読売新聞より

【カブール=佐藤昌宏】アフガニスタンの旧支配勢力タリバンが韓国人23人を誘拐、2人を殺害した事件で、タリバンは13日午後(日本時間同日夜)、体調が悪化したとされる女性2人を解放した。人質の解放は7月19日の事件発生以来、今回が初めて。

 2人が解放されたのは南部ガズニ市近郊。2人は現地の部族長老を通じ、アフガン赤新月社に引き渡された。韓国大使館員が保護し、ガズニ市内の米軍施設に滞在している。
 AFP通信によると、女性の1人が電話取材に応じ、「韓国人です。2人います。大丈夫です」と話した。部族長老は「健康状態は問題ない」と話しているという。
 タリバンは11日夜、本紙などに、「2人を無条件で解放した」と語っていたが、方針変更などを理由に拘束を延長していた。
 韓国、アフガン両政府は、残る人質の解放に全力を挙げている。だが、タリバンは、収監中の仲間の釈放要求を取り下げていないため、解放交渉は引き続き難航が予想される。

この話、何故かアメリカでは主流メディアはあまり取り上げていない。かろうじて右翼ブログのミッシェル・モルキンがなにかある度に随時報告しているくらい。
モルキンによると解放された女性の名前はキム・ジーナさん32歳とキム・キョンジャさん37歳(Kim Gina, 32, and Kim Kyung-ja, 37)と韓国政府は発表しているらしい。無論タリバンはこの『好意』を見せたことで、アフガニスタンからタリバンの囚人を解放してもらおうという魂胆なのだろうが、アフガニスタンや米国がそんな要求に応じるとも思えず、このことで何も得られなければ、また人質が殺される可能性がある。難かしいところだ。
今日は非常に忙しいのでニュースのコピペのみで失礼! 明日はもっと中身のあるエントリーを下記ます。


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アメリカ動物愛護テロリスト、UCLA科学者暗殺計画を宣言!

さる6月24日、カリフォルニア州立大学(UCLA)医学大学の教授、アーサー・ローゼンバウム博士(ARTHUR ROSENBAUM)の自家用車に時限爆弾が仕掛けられるという事件があった。幸いにして爆弾は不発で発見されたが、三日後に動物解放旅団(Animal Liberation Brigade)と名乗る過激派動物権利市民運動団体が犯行を認める誤字だらけの声明文を北アメリカ動物解放広報部ロサンゼルス支部(NAALPO)という自分らのウェッブサイトに発表した。(以下LA Weeklyの記事より)

『130am、六月二十四日、アーサー・ローゼンバウムの大きな白く輝くBMWの角に1ガロンの燃料に火がつけられた。
『ロス市内の〜在住の、奴とその妻の〜はUCLAの霊長類に行う邪悪な行為のため革命の標的となったのだ。我々はこの目で奴らが意識ある霊長類を拷問するのを目撃した。我々は彼等のうめきと苦痛な悲鳴を聞いた。それを目撃した我々はすぐにも飛び出して吐き出したくなったほどだ。我々はローゼンバウムの研究所で地獄をみたのである。
『ローゼンバウムよ、背中には気をつける、この次は手術室かお前の診察室でお前が霊長類にしたように注射されるかもしれないぜ、この悪魔め。
『運動家は単にデモ行進やってるだけじゃこの悪は止められないと気付くべきだ。(後略)』

ローゼンバウム博士の専門は小児眼科で、猫や猿を使って研究をしている科学者でもあることから、以前より動物愛護市民団体から狙われていた。ロサンゼルスウィークリーの記事によれば、博士とその同僚の科学者たちはもう何年も前から脅迫状だの、自宅前での座り込みだの、ずいぶんとひどい嫌がらせに耐えてきていたという話だ。
欧米の動物権利運動団体は動物愛護協会のような単に動物を愛する人々の集まりなどではない。彼等は動物をまもるために人類は滅びるべきだと思っているような気違いテロリストの集まりである。日本でもPETAという団体は有名だが、彼等は単に毛皮を着るくらいなら何も着ないとかいって、裸で町を歩いたり訳の分からないビラを配ったりする程度でそれほど害のない団体だが、動物解放前線(ALF)は過激派の環境保護を唱える市民団体のELFと提携している正真正銘のテロリスト団体。博士の命を狙ったALBもその名前からいってALFの支部なのかもしれない。
実際こういうグループを監視している民間組織のアンタイデファーメーションリーグ(the Anti-Defamation League、ADL)のオーレン・シーグル氏(Oren Segal, co-director of ADL’s Center on Extremism in New York City)によると、これらのグループは何かする度に色々と名称を変えて色々なグループがあるかのようにふるまうが、実際にはALFもELFもその他もろもろの団体も同じグループなのだという。「私たちは外国では人間が標的にされるのを多くみてきましたが、それがここでもおきはじめています。」とシーグル氏。さらに困ったことにロサンゼルスでもっとも多く暴力が見られるようになっているというのである。
このテログループのロサンゼルスのリーダーはなんと自らも医者である、ロサンゼルス中心部から約50km西にある住宅街に住む外科医のジェリー・ブラサク49歳。
ある初夏の暑い日に、黒いシャツに黒いズボンの出で立ちで真っ黒の318i BMWに乗ってロサンゼルス・ウィークリーのインタビューに現れたブラサク医師は背の高いやせた男で、頭は半白髪、顎には薄れた色の髭をはやした男だった。彼は自分の情熱について声高に語った。「動物権利運動は過激な行動を取るのにのんびりしすぎてました…彼等は優しすぎました。」とブラサク氏。
テキサス出身のブラサクは1993年にこの運動に参加、元子役俳優で動物権利運動に参加していた妻と出会ったのがきっかけで自分も参加したのだという。2004年にニューヨークとテキサスの仲間を集めてNAALPO(North American Animal Liberation Press Office)をロサンゼルスに創設。その目的は動物権利運動を過激化させることにある。
ブラサクは自分が医師であることからグループにそれなりのハクをつけることになると認めている。氏は諸外国のメディアからも色々インタビューを受けており2004年のロンドン・オブザーバーとのインタビューでは「そんなにたくさんの科学者を殺す必要はないと思いますよ。せいぜい10人か15人くらい殺せば、百万、二百万、一千万という人間でない命が救えます」と言い、イギリスからは入国禁止の状態になっている。にもかかわらず南カリフォルニアはでは外科医として三つの病院で手術をおこなっているというのだからアメリカは分からない。カカシは地元だけにかなり心配になってきた。
ブラサクは2001年にUCLAの学生から動物をつかった生体実験の実情及び科学者の個人情報などを手にいれた。この名簿を使ってブラサクたちは科学者たちに脅迫をはじめたが実際に暴力におよんだのは2006年の6月、UCLA医学センターの職員の家に火炎瓶を仕掛けたのが最初である。幸いにしてこの火炎瓶は爆発せず、家を間違えてお年寄りの婦人が住む別の家に仕掛けられた。巻き添えで無関係の人間が亡くなっても彼等はなんとも思わなかったことだろう。
FBIは去年の事件についても今年の事件についても情報のある人に恩賞を出すといっているが、犯人はまだ捕まっていない。しかしブラサクのような奴が堂々と歩き回っているというのに、犯人が分からないというのはどういうことなのだろう?
UCLAは動物実験をやめる意志などさらさらないと発表している。ただ動物実験の情報については今後は一切一般公開しないことにしたとしている。そして大学病院や教授らの自宅に厳し警備をつけることで、病院や科学者の身の安全を守ることに万全と尽くしていると語る。
だが、テロリストグループが撲滅されない限りはいずれ誰かがけがをしたり殺されたりしかねないと関係者は心配している。
それにしても、地元ロサンゼルスの零細新聞以外にこの問題を主流メディアが取り上げないというのはどうしたことだろう?この左翼テロ軍団は世界中にその支部を持つ大規模なテロ組織である。アルカエダのような組織力はないかもしれないが、類は友を呼ぶということもある。これらのグループがアルカエダと協力してアメリカ国内を襲う可能性は十分にあり得る。彼等には仕掛け爆弾の技術はまだないようだが、もし彼等がアルカエダの技術を取得したらどうなるのだろうか?
それにしてもブラサクのような奴が平気で医者をやってるのが信じられない!!


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ハディーサで殺人事件はなかった! 米兵容疑者二人目も起訴却下決定!

2005年にイラクはハディーサで路肩爆弾での攻撃の後、復習のため近所の民家に住む無関係な民間人を24人虐殺し、上官たちもその事実の報告を怠ったとして、8人の海兵隊員が起訴されている事件で、先日三人の民間人を殺害した容疑で起訴されていたジャスティン・シャーラット兵長(Lance Corporal Justin Sharratt)が物的証拠が検事側の主張とは完全に矛盾するとして、証拠不十分で起訴取り下げとなった。これでこの事件で起訴が却下されたのは先のこれで、この事件で起訴却下になったのはサニック・デラクルーズ軍曹(Sergeant Sanick DeLa Cruz)に続いて二人目。(事件後に適切な捜査を行わなかったとして罪を問われていた四人の将校のうちのひとり、ランディ・ストーン大尉の件も裁判前の審問の結果、審査官から起訴取り下げの推薦がされている。)
これまでの事件のいきさつについては、私は一年以上前から書き続けてきた。過去のエントリーは下記のとおり。

ハディーサ事件次々に崩れる検察側の主張

ハディーサ事件:それぞれの思惑
疑わしきは罰するメディア その2
ハディーサ疑惑: 怪しげな証言続く

先月行われた審査の結果、起訴却下の推薦を受けて、先日第一海兵隊遠征軍の司令官ジェームス・マティス(Lt. Gen. James Mattis)中将はシャーラット兵長にかけられた三つの容疑を全面的に却下した。
上記のエントリーでも書いたが、起訴却下の推薦をした審査官のボール・ウェア中佐はシャーラット兵長への検察側の主張をこのように批判している。

ウェア中佐は報告書のなかで、シャーラット兵長にかけられた容疑は「根拠がなく」何度も(起訴されたことが)「信じられない」と語っている。

中佐はさらに死んだイラク人の幾人かは被告が言うように抵抗戦士だったと示唆している。
先月シャーラット被告の審査の指揮をとったウェア中佐はイラク人目撃者の話は存在する物的証拠と矛盾して一致しないと語る。
物的証拠によれば「(殺された人は)誰もみな遠方から正面を向いて9ミリ口径のピストルで撃たれている。これは近距離から処刑された反応とは一致しない。」とウェアは書いた。
中佐は死んだイラク人の親戚は米軍に解剖のために遺体を掘り起こすことを許可しなかったとし、イラク人はアメリカ軍に殺された市民の家族に時々支払われる2500ドルの慰謝料欲しさに嘘をつく強い動機があったことも付け加えた。
このようなイラク人目撃者を信用することは「私の意見では米海兵隊の任務に対する市民の協力を減らすために、米軍にたいして無実の罪を着せるという危険な前例をつくることになると思う」とし、「もっと危険なのは海兵隊が敵に面した重要な時にためらう可能性があることである。」と書いている。

さてここで2006年の6月に、海兵隊員がハディーサで無実の民間人24人を虐殺し、その事実を隠ぺいしたという確かな証拠を取得したと息巻いていたジョン・マーサ米民主党下院議員の話を振り返ってみよう。下記は去年の6月のエントリーから引用。
『米軍の捜査経過の詳細を研究したとして民主党の下院で反ブッシュのマーサ議員があちこちのテレビ局で海兵隊員が一般市民を虐殺した証拠があると発表した。下記はABCがおこなったマーサ議員のインタビューの記事を訳したもの。(翻訳:妹之山商店街さん)

マーサ議員:IEDが爆発したんです…毎日外に出る度にIEDが爆発するんです…ですから毎回プレッシャーが高まっていく訳です。この場合はIEDが爆発し、海兵隊員一人が死亡。そこにタクシーがやって来て、中には四、五人が乗っていました。武装していなかったのですが、この人達を射殺しました。その後、民家を襲撃して人々が殺害したんです。女性の一人は、海兵隊の人から話を聞いた所、子供をかばって命を助けてくれと懇願したにも関わらず射殺したということです。更に気になるのはイラクの人達はこのことを知っていたということなんです。家族に補償金を支払ったからです。それに加え、隠蔽工作が行われたんです。間違いありません。最初この人達はIEDで死亡したと言ったんです。翌日調査の為に要員が派遣されました。ところがそれについて何の報告も行われず、三月になってタイム誌がこれを伝える時誰も何が起こったのかを知らなかったのです…

質問:写真や画像証拠があるとのことですが、本当ですか
マーサ議員:その通りです。捜査を担当した人とイラク側の証拠を入手しました。何が起こったかについては、疑いようがないんです。問題は、誰が、何故、隠蔽工作をしたかということなんです。何故明らかになるのに半年も掛かったんでしょうか翌日調査を行い、ニ、三日後にはこの人達が殺害されたことが分かっていたんです。

まだ米軍による調査がすんでもいないのに、何が起きたかは間違いないとか、隠ぺいが行われたとか適当なことを良く言えたものだ…マーサ議員はタイムスの記事を書いたイラク記者の報道をそのまま鵜呑みにして事実確認もせずに米海兵隊を有罪と決めつけ軍当局が隠ぺいしたと言い切っているのである。…事実関係がはっきりするまでは、有罪無罪の判断をするのはまだ控えるべきである。だが、マーサ議員が隠ぺいがあったといいきってしまった以上、今後の捜査で海兵隊員が無実だったという結果がでても、隠ぺいの疑惑は根深く人々の気持ちに植え付けられてしまったことだろう。』
マーサ議員は元海兵隊員だったくせによくもまあ同胞の海兵隊員に対してテロリストか民間人かも分からないようないい加減な人間の証言だけで、自国軍の兵士をここまでこき下ろせるものだ。これが背信行為でなくてなんだろうか? 今回のことでマーサ議員は証拠もなく米国海兵隊員の名誉を汚したことを正式に謝罪すべきだ。そして民主党はこのような行為をしたマーサ議員を制裁すべきである!


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TNRバグダッド日記ねつ造記事事件に学ぶ匿名記事の危険性

アップデートあり:後部参照
スコット・トーマス・ビーチャムの、今はねつ造がはっきりしたバグダッド日記がザ・ニューリパブリック(TNR)に掲載されてからというもの、ブログ社会、特に米軍関係者が書いているミルブログの間ではここ数週間この話で持ち切りだった。その間主流メディアはこの出来事をほとんど無視してきたが、昨日になってとうとうアメリカのワイヤーサービスであるAPニュースまでもがTNRを厳しく批判する記事を書いている。

陸軍は今週捜査を終了させ、ビーチャムの証言はすべて嘘であったことが判明したと言っている。

「取調中、隊の隊員全員がビーチャム二等兵が自分のブログで書いていた証言のすべてを否定しました。」とバグダッド第4旅団の報道官ロバート・ティモンス軍曹はメールで語った。(Sgt. 1st Class Robert Timmons, a spokesman in Baghdad for the 4th Brigade, 1st Infantry Division, based at Fort Riley, Kan.,)
記事が疑われた後同誌は元軍人や法医学の専門家、戦地特派員、兵法専門家、そして陸軍報道官を含む十数人と再々確認したという。
TNRはさらにビーチャムの隊の隊員五人からも証言を得たが皆匿名を希望したという。…
APはビーチャム本人とは連絡がとれなかった。陸軍によれば捜査の詳細は公表されないとのことである。「個人的な問題なので内部で処置をします。公開はされません」と陸軍報道官のジョセフ・M・ヨスワ中佐は語った。(Lt. Col. Joseph M. Yoswa, an Army spokesman)

さらにAPは著者が匿名であることは記事の信ぴょう性に疑いを持たせると、ジャーナリズムの学者であるボブ・スティール博士(Bob Steele, the Nelson Poynter Scholar for Journalism Values at The Poynter Institute school for journalists in St. Petersburg, Fla.,)の言葉を引用している。匿名ならば他人に対して根拠のない罪を着せることは簡単にできるし、遠慮なく他人の名誉をけがすことが出来るとスティール博士は指摘している。
しかしTNRが匿名で載せた供述はなにも著者のビーチャムだけではない。TNRが事実関係を確認したという専門家はブラッドリーの製造元や法医学者など、連絡をとったというクエートの基地の報道官の名前すら誰一人として明らかにされていない。上記のAPの記事で2人の報道官の名前と位そして所属する組織がきちんと明記されているように、報道官はメディアと話をする時必ず身元をはっきり表明する。また、専門家が専門意見を述べるのに匿名を希望する理由は全くない。また、ビーチャムの隊の隊員にしても、顔にやけどの痕のある女性をビーチャムと一緒になってからかった友達以外は、この女性を基地で見かけたことがあると証言している兵士らは、それがイラクであろうとクエートであろうと事実ならば名前を隠す必要は全くないはずだ。「あ〜確かにそういう人がいたね。ビーチャムのやつあの人にそんなひどいことを言ったのか。俺がその場にいたらぶっとばしてやるところだった。」というふうにメディアに意見を述べるのは別に軍規約の違反にはならないからだ。
このことに気が付いたミルブロガーの一人はConfederate Yankeeのボブ・オーウェンだ。(注:全然関係ないが彼のブログの名前は北部アメリカ出身の南部軍隊員という意味)

なんといっても興味深いのはTNRはその声明文の中で「十数人の人々」と話して事実関係の確認をしたと発表しているにも関わらず、その専門家の名前を誰一人として紹介しようとしない。またこれらの専門家の資格も公表していない。

その理由として別のミルブロガーのAceなどは、TNRは専門家の名前を明記したりして第三者がその専門家にその真偽を確認したら、事件とは直接関係ない一般的な質問をしただけなのがばれてしまうからだろうと推測していた。
事実オーウェンは独自の調査によりAceらの推測が正しかったことを証明している。下記はオーウェンがTNRが連絡をとったというブラッドリー戦車製造元であるBAF Systemsの通信、地上、武器部のダグ・コフィー部長から直接受け取ったメールの一部だ。(Doug Coffey, the Head of Communications, Land & Armaments, for BAE Systems)

ボブ、あなたの先のメールは受け取りました…あなたの最後の質問に最初に答えると,その通り、私はTNRの若い記者と話をしましたが、彼は単に「ブラッドリーは壁を突き抜けることができるか」とか、「犬がトラックに引っ掛けられる可能性はあるか」とか、その他はブラッドリーの性能に関する一般的な質問だけでした…

オーウェンは先日も、クエートの基地の報道官レネー・D・ルソ少佐が(Major Renee D. Russo, Third Army/USARCENT PAO at Camp Arifjan, Kuwait)TNRの取材に対して、顔にやけどの痕のある女性の話は「都市神話だろう」と答えていた事実を確認している。
今回のこの事件がこのような発展を遂げたのは、本来ならば情報の信ぴょう性を徹底的に確認する義務のある主流メディアがその調査を怠り、自分達の政治偏見にそったものだという理由で自社の従業員の配偶者からの匿名記事をそのまま掲載したことからはじまる。これがベトナム時代ならこのねつ造記事の真相が明かになるまでには何か月もかかっていただろうし、後で記事がねつ造だったことがばれても、その時には人々の間ではすでに米軍兵の悪行というイメージが浸透してしまっていただろう。
だが、インターネットのおかげで軍隊や戦地について詳しいミルブロガーたちが、この話はどうもうさん臭いと、その情報力で真相を突き止めた。特にボブ・オーウェンやマット・サンチェズのプロ顔負けの捜査はお手柄である。
ところでTNRがねつ造記事を掲載したのは実はこれが最初ではない。1998年にもスティーブン・グラスという記者がコンピューターハッカーについて書いた記事がねつ造であったことがフォーブスマガジンによって暴露されたことがある。しかもさらに調べてみると、なんとグラスは3年間にわたって27つの記事をねつ造していたことが明らかになったのだ! これはあまりにも大スキャンダルだったためハリウッドで2003年にShattered Glass(シャタードグラス、砕かれたガラス)という題で映画にもなっているほどである。
TNRはこの語におよんでもねつ造記事を掲載したことを認めていない。それもそうだろう。もしねつ造だと認めれば編集長は辞職を余儀なくされるからだ。こうなった以上、陸軍が捜査の詳細を公表しないのをいいことに、TNRは陸軍はビーチャムを拷問して無理矢理自供させたのだとか、他の隊員たちも脅迫されて事実が言えないのだとか言い張って逃げ切るつもりなのだろう。そうでもしないとメンツが立たない。
しかし今回のことでまたひとつ賢くなった読者はそう簡単にTNRの言い訳を信じはしまい。これはどっかのお偉いさんが言った言葉でまとめておこう。
全ての人を時々は騙すことはできる。
幾人かの人を常に騙すことはできる。
だが、
全ての人を常に騙すことはできない。
アップデート(11, Aug 2007, 18:16 PDT):従軍記者のビル・ロジオがウィークリースタンダードで陸軍のスティーブン・ボーイラン大佐(Col. Steve Boylan)からのメールを発表している。TNRはビーチャムは携帯もコンピューターも取り上げられ家族とはなすことも許されていないとしていたがそれは全くの嘘で、ビーチャムは家族のみならずメディアのインタビューに応じることも自由だとしている。ビーチャムの行為は軍法会議にかけられるような犯罪とは判断されず、書類送検だけで終わることになったが、書類送検の内容は法律によって公開できないことになっている、とのことだ。
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嘘つき二等兵、取り調べで嘘を全面的に認める!

この間からイラク駐留の米兵の悪行についてザ・ニューリパブリック(TNR)誌のイラク日記というコラムでショック・トゥループという記事を書いたスコット・トーマス・ビーチャム陸軍二等兵の話をしてきたが、本日、陸軍の捜査でビーチャム二等兵はTNRに書いたことはすべて嘘であることを認めたという記事が8月6日付けのウィークリースタンダードに掲載された。これは先日マット・サンチェズが報告しConfederate Yankeeのオーウェンが確認を取った陸軍による捜査の結果をさらに詳しく報道したものだ。
事件の背景は下記をご参照いただきたい。
「冬の兵士」再び、米二等兵の軍隊バッシング
暴かれたイラク版冬の兵士の嘘
ウィークリースタンダードは軍隊の捜査の関係者から、スコット・トーマス・ビーチャムはTNRに掲載された三つの連載記事に書かれた内容は誇大表現を使った嘘であり「一握りの真実」しか含まれていないねつ造であることを認める、という自供書に署名をしたという情報を得たという。
また別に、多国籍軍バグダッド支部の副報道官であるスティーブン・F・ラム少佐(Major Steven F. Lamb, the deputy Public Affairs Officer for Multi National Division-Baghdad)によれば、ビーチャム二等兵の捜査は完結し、二等兵の書いたことはすべて嘘であることが判明したとのことだ。取り調べを受けた隊の誰一人としてビーチャムの話を裏付ける者はなかったという。これもサンチェズとオーウェンが先日確認した情報と一致する。
ところでビーチャムの自供は捜査の初めの頃にされたものだという。ということはTNRが記事は正しいと大見見栄を切って声明文を発表していた時、すでにビーチャムはすべて嘘だと白状していたことになる。
これについて元陸軍特別部隊隊員のミルブロガー、ブラックファイブのジンボーおやじの感想は、当たり前だが、かなり辛らつだ。

俺はスコティーをちんぴらと呼び自分がねつ造した糞話で奴が言ったようなことを何一つやってない隊員仲間に糞を投げつけるこようなことをした以上、背中には気をつけるべきだと言ったことで、左翼連中から批難の集中砲火を浴びた。左翼の奴らは奴がショックトゥループで書いたことは明かに真実なのだから何を怒る必要があるのだろうかとおもったのかもしれない。そりゃそうだ、俺たちは皆、頭がい骨を掘っては帽子がわりにかぶってるんだからな。

ジンボーの親爺っさんも、サンチェズやオーウェンといった他のミルブロガー達も、最初からビーチャムの話はおかしいと疑っていた。ジンボーにいたっては「スコット・トーマスは糞やろうだ」と最初から全く信用していなかった。だからこそ彼等はTNRを問いつめたのであり、個別の捜査を行い、陸軍が正式な捜査を行うに至ったのである。
さて、ではこの新しい情報の進展で、TNRは反省して謝罪をするかと思いきや、ウィークリースタンダードが関係者から得たという情報は確認できないという声明文をだしただけ。TNRはわざわざ軍当局に問い合わせなどしなくても、ちんぴらビーチャムに直接問いただせばいいではないか、それとも奴さん、TNRに勤める自分の女房にも自供書のことをはなしてないのかな?


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ネットが幅を効かせるアメリカ左翼、デイリー・コス年次大会の影響力

先の参議院選挙で主にインターネットでの選挙運動に頼った右翼の新人候補が惨敗したことで、ネットの力を過信しすぎたのではないかという議論があちこちで見られた。今はまだ日本ではインターネットから出た候補者が勝利をおさめるには時期早尚かもしれない。だが将来そういうことが起きないとは断言できない。ネット歴史の浅い日本ではネットの影響力をどう政治に利用していくかその方法がまだはっきりと設立していないだけだ。
現にアメリカではデイリー・コスという左翼ブログが主にネットで活躍する過左翼市民団体のムーブオン・オーグと共に左翼・リベラル系の民主党支持者に多大なる影響を与えている。ここ数年デイリー・コス主催で行われているコス年次大会では、今年も民主党の大統領候補者ヒラリー・クリントンやブラコ・オバマなど大物政治家が何人も参加しており、この参加者の面々を見ればこのブログがどれほど強力な存在であるかが分かる。
ウィキペディアによれば、デイリーコスはマーコス・モーリトサス(Markos Moulitsas Zúniga)によって2002年に創設され週のヒット数は60万をこえるという。ただコスの場合ひとつのブログだけでなく提携ブログが多数あり、無数の掲示板も付属していることから、もうこれはただのブログとはいいがたい。こうしたコスのメンバーのことをコサックス(Kossacks)と呼び、その運動のことを草の根運動・グラスルーツをもじってネットルーツ運動と呼んでいるが、その過激的な思想から右翼系からはナットルーツ(気違い根っこ)ともじって呼ばれている。
さてこのコス年次大会はこの週末に行われたが、そのなかでも面白いエピソードがいくつかあるので紹介しておこう。

ヒラリー氏、ブロガーの集会でブーイング浴びる

2007年08月05日23時56分
 08年の米大統領選で初の女性大統領を狙う民主党のヒラリー・クリントン上院議員が4日、インターネットのブロガーの集会でブーイングを浴びた。…
 この日、リベラル系で人気の政治ブログ「デイリー・コス」がイリノイ州シカゴで開いた集会には、約1500人のブロガーらが参加。候補指名争いでクリントン氏を追うオバマ上院議員らも駆けつけた。インターネットのブログに書き込む草の根の情報発信は、米国政治では無視できない存在となりつつある。
 ブーイングが起きたのは、政治家との癒着が問題となりがちなロビイストの献金について、クリントン氏が「受け取る」と言明したため。「多くのロビイストは現実の米国人を代表している」とまで言い切った。
 民主党支持のブロガーは大半が左派リベラル系で、反ブッシュ色を鮮明にする。古い政治を破壊したい気持ちが強く、ロビイストへの拒否反応は強い。…
 だが、候補指名を得た後、共和党候補と対決する本選挙になると中間層の支持が欠かせない。リベラルなイメージの強かったクリントン氏はここ数年、イラク戦争の開戦に賛成するなど中間層をターゲットに据えてきた。ブロガーの世界では懐疑的に見られているが、嫌われない程度の距離感をとっており、この日もブロガーとの間には一線を引いた。

これは日本のネット会でもありがちなことなのだが、人気のあるブログに集まる意見が必ずしも市民の声を代表しているとは限らない。いや、かえって過激なことを書いた方が人気があがることから、ネットの意見というのは左翼にしろ右翼にしろ極端になることが多い。例えば前述のムーブオンなどはネットの力を利用して2004年の大統領選挙の時、バリバリの反戦派ハワード・ディーン候補を強く後押しした。予選前までは圧倒的に支持率が高く民主党候補も夢ではないと思われたディーン氏だったが、最初の予選でそのあまりに過激な思想から完全崩壊してしまったのは記憶に新しい。また2006年の中間選挙の時もムーブオンは、2000年の大統領選挙では民主党の副大統領候補にまでなった民主党の大御所ジョー・リーバーマン氏を、氏がイラク戦争支持であることを理由に攻撃した。氏の選挙区に民主党から無名の新人を出馬させ、再当選確実だったリーバーマン氏から民主党候補の座を奪ってしまったのである。だが、無所属として上院議員に立候補したリーバーマン氏は民主・共和双方の候補者をやぶって圧勝した。ナットルーツは左翼系はコントロール出来ても中間層からの支持は得られなかった典型例である。
ヒラリー・クリントンがデイリー・コスのメンバーたちの機嫌をとりながらも、一戦の距離をおいているのは、民主党候補となった後の一般選挙のことを考えてのことなのだ。過激派左翼の人気を得ようとあまりに過激な発言をすれば、後で中間層から見放されるのは目に見えている。しかし、基盤となる左翼系の支持なくしては候補に選ばれない。ここらへんの綱渡りが難かしいところだ。
さて、この大会においては色々な話題が取り上げられたが、「軍隊と革新派、お互いそんなに違うのか?」という主題のパネルにおいて質疑応答の際、増派支持について語ろうとした軍人の質問が突然打ち切られるという出来事があった。
質問したのはデイビッド・D・アキナ曹長。アキナ曹長はパネルの専門家たちが言ったことに対して増派は成功していると主張するつもりで、分厚い資料を片手に質問に挑んだが、質問の答えを得る前に司会者のジョン・ソルツ氏から軍人が制服姿で政治討論に参加するのは軍規約に違反する行為だとして警告され、パネルのメンバーたちは曹長の質問には答えず早々に立ち去った。翌日右翼系ブログのパジャマメディアからインタビューを受けたアキナ氏は「厳密的には(ソルツ氏)は正しい」と認めた。「彼は陸軍の将校ですから私はその規則に従います。彼の権威を尊重するからこそ今日は私服できました。」
軍関係の人たちの間でも軍人が軍隊の作戦がうまくいっているかいっていないかについて質問することが政治活動と考えられるのかどうかかなり意見が別れるところなのだが、それにしてもそれを決めるのは軍隊であってコスの司会者ではない。ソルツ氏は元陸軍大尉だったとはいえ現在は民間人でありアキナ陸軍曹長に命令する権限は持たない。だいたい常に軍隊を蔑んでいる民間組織のコスが突然の軍規約を尊重するというのはどうしたものなのだ?
コスの方針が制服姿の軍人の政治活動を許可しないというものであるなら、なぜソルツ氏はアキナ曹長の質問を許したのだろう?最初から制服姿の軍人からの質問は一切受け付けないといって拒絶するべきだったはずである。ソルツ氏がアキナ曹長をさした理由は彼が制服を着ていたからで、現役軍人から戦争反対の意見を聞きたかったからなのだ。それが期待に反して戦争賛成の意見が出てきたので突然軍規約などを持ち出し自分の元将校という権威をふりかざして反対意見を弾圧したにすぎない。反対意見は黙らせるというのが左翼の常套手段だから特に驚くことはない。
パジャマメディアのインタビュアーが「本気で誰かの気持ちを変えさせることが出来ると思ったんですか?』と聞くと、大会に参加していた人々は結構アキナ氏の話を聞いてくれたという。アキナ氏にとってはここも戦場なのだと氏は言う。そこで氏はイラクに駐留していた時自分の隊の食料が不足しておなかをすかせていた時、イラク兵が自分達の間でも足りないほど少ない食料を削って曹長に分けてくれた話をした。アキナ氏はイラク市民と個人的な絆を感じるのだという。
アキナ氏の姿勢は立派だが、このエピソードでも分かるように極左翼のコサックスはイラク戦争がうまくいっている可能性さえ議論する気はないのである。そのような組織から戦争支持の候補者が支持を得ることはあり得ない。いや、イラク戦争には反対でも即撤退は望ましくないというような意見さえ観客を得るのは難かしい。
これに加え9月にイラク戦線司令官のペトラエウス将軍がイラク状況の向上を報告したりしたら、アメリカの中間層と過激派左翼の間で大きな溝が生じることは明白だ。そうなった時、民主党の候補者たちは基盤を守りながら中間層の支持を得るためさらに難かしい立場に立たされるだろう。


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ヒラリーが賢く見える? バラク・オバマの連続失言

アップデートあり:後部参照のこと。
ここ数日民主党から大統領に立候補しているバラク・オバマによるあまりにも政治家として無思慮な発言の連続がヒラリーを嫌いなカカシですら、ヒラリー候補の方がまだましかも、と思うようになっている。(苦笑)
オバマ議員は先日行われた民主党の討論会で自分が大統領になったらまず最初にアメリカに対して敵意を示している諸国のリーダーたちと会見すると断言した。同討論会でヒラリー・クリントン議員はそのような会見は敵国のプロパガンダに利用されるだけなので何かしらこちらが得るものがない限り安易な会見はするつもりはないと発言。さらにクリントンはオバマの発言は無責任だと言及した。(下記はロイターの記事より

クリントン選挙事務所を代表して元アイオワ知事のトム・ビルサック氏は記者への電話で、オバマ候補はイラン、北朝鮮、シリア、キューバ、そしてベネズエラといった諸国リーダーたちと無条件で会見するつもりだとし、このような国々との会見では何かしらの条件をつけてからするものだと語った。

オバマも軽はずみなことを言ってしまったと気が付いたらしく、後に「私は条件付きでという前提で話をしていた。」などと苦し紛れの言い訳をし始めたが、これもまた政治的に賢いヒラリー側はオバマ候補はインタビューされるたびに言うことがころころかわっていると逆に利用されてしまった。
このことで大統領としては腰が低すぎると批判されたオバマは自分には勇気があるということを示そうとでも思ったのか、今度はパキスタンにテロリストが隠れているという確たる証拠がを得たらムシャラフ大統領に有無もいわせずパキスタンを攻撃するなどと勇ましいことをいってのけた。(読売新聞より)

オバマ議員は、アフガニスタンとの国境に近いパキスタン北西部の部族支配地域を「(世界の)安全保障を最も脅かす地点」と表現し、情報機関が信頼に足るテロリストの潜伏情報を上げてきた場合、直接攻撃に踏み切る方針を明示した。また、パキスタンに対して実施している軍事援助について、「テロ組織の訓練キャンプ閉鎖で成果を上げた場合」などと条件をつける考えを示した。

仮にもパキスタンはアメリカの同盟国である。アフガニスタンに潜むアルカエダやタリバンとの戦いでムシャラフ大統領の協力は必要不可欠なものだ。そういう国に対してこれから大統領になろうという男が宣戦布告してどうするのだ!あほ!第一テロリスト退治にパキスタン侵攻も止む終えない事態があったとしても事前にそれを宣言してしまうなど愚の骨頂である。パキスタンには核兵器があるのだぞ。もしムシャラフがアメリカから攻めてこられると本気で心配したら、ムシャラフは自国内にいるアルカエダなどのテロリストと協力してアメリカを相手に核兵器を使うかもしれないのだ。いや、それだけでなく、パキスタンはイランに核兵器を売るかもしれない。そうなったら中東はあっという間に核武装してしまう。そうなったらイラク戦争どころの騒ぎではない!
誰かが言っていたのだが、オバマの魅力は反戦派であるということだったのに、アメリカ軍のイラク撤退どころか、新しくパキスタンとも戦争をはじめるなどと息巻くオバマを、これまで通り反戦左翼が支持するのだろうか?
バラク・オバマの話を聞いているとヒラリー・クリントンが賢者に見えてくる。おそろしや〜!
アップデート(4:20PDT):もうひとつオバマの失言を忘れていた。(下記毎日新聞より。)

【ワシントン及川正也】来年の米大統領選で民主党指名の獲得を目指すバラク・オバマ上院議員(45)は2日、対テロ戦争で核兵器を使用しない意向を明らかにした。AP通信に語った。ブッシュ政権は先制核攻撃を含め戦域・戦術核兵器の使用を排除しない核戦略を取っており、対抗する狙いがあるとみられる。

 オバマ氏は、アフガニスタンやパキスタンでの国際テロ組織アルカイダ撲滅を目的とした核兵器使用について「いかなる状況であれ、核兵器を使用することは深刻な誤りだ」と述べ、核兵器使用は「選択肢にはない」と明言した。戦術核の使用についても同様だ、と答えた。
 オバマ氏は1日、場合によってはパキスタン政府の承認なしにアルカイダを攻撃する考えを表明していた。 オバマ氏の「核不使用」発言について、ライバルのヒラリー・クリントン上院議員(59)は「大統領は核兵器の使用や不使用についての議論には慎重であるべきだし、発言も慎重であるべきだ」とけん制した。


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