いざアラスカへ、豪華客船の旅 その1

下記は2007年の9月上旬、カカシとミスター苺が行ったアラスカ旅行の旅行記です。
我々夫婦が選んだツアーはホーランドアメリカというオランダ本社のクルーズツアーで、船名はノールダム。
日曜日にシアトルを出発してグレイシャーベイ・ジュノー・シトカ・ケチカン・ビクトリア(カナダ)を巡って次に日曜日のシアトルに帰ってくるという日程。
日曜日、シアトル出港
シアトル空港からタクシーで船着き場まで行くと、港には大きな客船が二隻停泊していた。タクシーをおりると赤帽さんがそそくさと我々の荷物に荷札をつけはじめた。自分で重たい荷物を担ぎながらの乗船に慣れているカカシはちょっと戸惑ってしまった。同じ船の旅とはいえ、軍艦と客船ではなにもかも月とスッポン。船のサイズからお酒や食べ物から客船は本当にすばらしいが、なんといっても感激するのがこのきめ細かいサービスだ。
乗船手続きをする以前からいくつか並ぶテーブルでワイン券、カクテル券、ソーダ券などが販売されており、あらかじめ前払いしておけば船の中でいちいちお金を払わなくて済むようになっている。もっとも飲みきれないほど券を買ってしまうと最後に朝からワインを飲んだりして問題なのだが、ま、その話はまた後でしょう。また、持ってくるのを忘れた乗客のために、望遠鏡や日焼け帽子などが売られていた。カカシはミスター苺に「乗る前からお金をどんどん使えるようになっているね」とささやいたほど。
さて乗船手続きをすませていざ乗船していみると、第一デックのロビーは高級ホテルそのもの。吹き抜けのロビーは三階まで続いており、真ん中にねじ曲がった不思議な形のシャンデリアがぶら下がっていた。通された船室は団体部屋の三段ベッドで寝返りもできないほど狭いベッドになれているカカシには信じられないほどゆったりとしていた。部屋のなかには冷えたシャンパンがおかれており、チョコレートにくるまった苺が備え付けてあった。
身の回りの世話をしてくれるスチュワードは皆フィリピン人で、あんまり色々やってくれるので私はなんだか悪くなってしまい、「掃除は一日一回でいいよ」と言ったのが、「仕事ですから」とすんなり断られてしまった。どうも庶民のカカシには上流社会のしきたりはあわないようだ。
最初の目的地であるアラスカのグレーシャーベイに着く火曜日までは、特に何もすることはないので、ミスター苺と私は船の中を色々歩き回って探索することにした。船は水の上に出ている部分だけで10階(デッキ)もあり、第一から第三までのデッキには図書館、ギフトショップ、ヘルススパ、メインダイニングルームなどがあり、どこの階だか忘れたがカジノまであった。水泳プールも野外と室内の両方あり、ジャクジーと呼ばれる露天風呂もプールにふたつかみっつづつ着いていた。
カクテルバーが船の至る所にあり、どこに座っていても必ずパーサーが飲み物の注文をとりにくる。食事は時間帯によって出るものが違うが、その気になれば一日中食べていることができる。部屋にいてもルームサービスもすべて最初の値段に含まれている。だから調子に乗って飲んだり食べたりしていると大変なことになる。しかし、このクルーズの乗客は平均年齢が60歳くらいで、40代のなんてのはまだまだ若い部類なので、多くの乗客はゆっくり座ったまま景色を楽しむという時間の過ごし方をしていた。
苺夫婦は最初の晩は展望の出来る最上階のバーでゆっくり過ごすことにした。いってみると広いダンスフロアのあるナイトクラブには従業員はわんさかいるのにお客が一人も来ていなかった。考えてみれば乗客のほとんどはシアトルまでそれぞれ遠いところから旅をしてきたひとたちばかりだ。我々は南カリフォルニアなのでシアトルまでの旅行時間はたったの二時間程度。しかし上記のリンクでも分かるように、日本からシアトルまで来て、そこから船に乗ってくる乗客もいるくらいで、最初の晩は皆疲労困憊だろう。乗客の年齢を考えるとナイトクラブでどんちゃん騒ぎをする体力はちょっとないのかもしれない。
ナイトクラブにつとめるフィリピン人のウエイトレスはこの晩私たちの名前を覚えて以来、一週間全く私たちの名前を忘れなかった。繰り返すが船上でのサービスは並大抵のものではない。しかし感謝の気持ちを表そうにもスチュワードやウエイトレスにチップを渡そうとしても断られてしまった。いったいチップの規則はどうなっているのだろう?
ま、いいか。まだ旅は始まったばかり。後でゆっくりフロントにでも聞くことにしよう。ミスター苺は誰もいないクラブで踊るきはしないというし、今夜は二人でゆっくりバーで飲もう。でも明日の晩は踊ろうねミスター苺。覚悟しといてね。


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弁護士つきで戦争やるの?戦闘をいちいち戦犯扱いする米軍将軍たち

私がこのブログを書き始めたころにハディーサでおきた海兵隊による民間人殺害が戦犯だったかどうかという事件について、すでに容疑者の何人もが続けて不起訴になったことはここでも何度か書いてきたとおりである。審査官の話ではハディーサでの海兵隊の行為は正当な軍事行為であり、犯罪は起きていないという結論が出ているくらいだ。
しかし裁判沙汰になって不起訴だの無罪だのという結果が出てみても、容疑者となっていた兵士らは一年半近くも犯罪容疑者として正規の軍人としての任務もはたせず、弁護にかかる費用のみならず、本人や家族らの心労はどのようなものか計り知れない。この無実の罪を着せられた兵士らだけでなく、このような裁判はアメリカ軍全体の行動に非常な悪影響を与えるものだ。
生きるか死ぬかのとっさの判断が必要なときに、自分の戦闘行為がいちいち刑事犯罪として罪に問われるかもしれないなどと考えて、どうやって軍人が任務を全うできるというのだ?これは捕虜を拷問したとか、罪のない婦女子を暴行したとかいう誰が見ても明らかに犯罪だとわかるような行為ではないのである。弾が飛んでくるほうへ反撃したとか、死んだふりをしているテロリストが動いたので撃ち殺したとか、戦場ではごく普通におきる状況なのである。
フォックスニュースでハント大佐(退役)がこのことについてかんかんに怒っているので今日はそれを紹介しよう。

我が将軍たちは兵士を裏切っている、まただぜ!

おっと失礼、しかし読者諸君の注意を引く必要があったのだ。アフガニスタンにしろイラクにしろ、米陸軍は(リベラルメディアやビルクリントンや議会ではない)そうアメリカ合衆国の軍隊がだ、任務を遂行している兵士たちを起訴しているのだ。我輩は叫んだり、汚い言葉でののしってみたり、ユーモアをつかってみたりして抗議してきたが梨の礫だ。読者諸君は私を信じないか、気に留めてないかのどちらかなのだろう。
…特別部隊の有能な陸軍兵が彼らのチームと共にアフガニスタンでも10の指にはいるお尋ねものの居所をつきとめた。特別部隊の兵士たちは悪いやつらを捕らえて殺せという忌み嫌われている戦闘規則に従って爆弾つくりの専門家テロリストとそのリーダーを追い詰めていた。隊員たちは殺し屋たちを隠れ家まで付けていき、さまざまなトリックを使って悪者たちを穴から外へおびき出し、頭に銃弾を打ち込んでやった。
完璧な任務遂行だった。「ようやらはりましたな」とハイファイブして「休暇でももろうて、次の任務に備えておくれやす」とねぎらいの言葉もあらばこそ、陸軍がどうやって特別部隊の兵士らに感謝の意を表したかといえば、なんと彼らを戦犯の容疑で取調べをはじめ、弁護費に何千ドルという金を使わせたのである。
テロリストたちが最初に殺されたとき、陸軍は勇者中の勇者である彼らを二度も捜査した。しかしどちらの捜査も必要なかった。捜査の結果彼らは何も悪いことはしていない無実であることが判明したのだ。今やわれわれは何をするにもおっかなびっくり、政治的に正しくあることに神経質になりすぎて戦闘をまるで警察の射撃のように扱っている。この偉大なる国のほとんどの都市では警察官は銃を撃つたびに、かならず上から取り調べを受けることになっている。警察官は上司を信頼することができずに 常におびえながら仕事をする状況にいい加減嫌気がさしている。しかし少なくとも彼らがいるのは一応平和な都市だ、戦場ではない。
我々の将軍たちは陸軍にしろ海兵隊にしろ、部下たちのことより自分らのキャリアと名声だけが先行している。海兵隊など隊員たちがテロリストを殺したこといってはやたらに起訴のしすぎだ。陸軍にいたっては、まったく陸軍では(味方による誤射によって死亡した)パット・ティルマンやアル・グレーブの醜態といった責任問題による軍法会議の件がある。
イラクでも同じようなものだ。陸軍は「ナム」でされた「おとり」を再発見した。これは弾薬だの爆発物の材料の一部だのを放置しておいて、それを盗みにきた敵を撃ち殺すという方法だ。我々は爆発性の銃弾をアルカエダ連中用に置いておいた。これを使えば銃のなかで爆発するしかけになっているのだ。ベトナム当時にも効果的だったように現在でも効果的なやりかただ。しかしなんと陸軍は任務を遂行しているだけの狙撃兵を裁判にかけているのである。 戦闘規則はきちんと従われたにもかかわらず、わが将軍どもはここでも我らが兵士らよりも自分らのキャリアを先行させようとしているのだからあきれる。このような不信感は軍隊の根本を揺るがすものだ。このような行為は兵士らやその部下たちをためらわせる。こんな戦い方をしていて勝利は望めない。
我々はこういう将軍連中こそ、まずラミーの尻馬に乗ったということ、そして同じように重大なことだが、自分らの兵士らを信用していないという罪で、裁判にかけるべきだ。少なくとも既述の事件のように兵士を起訴して彼らの無実がはっきりした場合には起訴した将軍どもが豚箱送りになるべきだ。残念なことに、こうした裁判のあと、兵士らのキャリアのみならず人生は破壊されてしまう。弁護費にかかった莫大な借金の返済で首がまわらなくなる兵士らをよそに、起訴した将軍どもは昇格される。
彼らが指揮をとるはずの兵士たちはこんな将軍の面汚したちにはもったいない。我々は国として第二次世界大戦当初に何百人という高位将校らを職務不行き届きで首にしたマーシャルみたいなやつが必要だ。とっくにやめさえられるべき高位将軍が多くいる今こそ、マーシャルが必要なのだ。

ハディーサ事件当時、海兵隊のひとりから、「今後は弁護士つきで戦闘に赴かなければならないな。」と冗談交じりに言われたことがある。まったく本当だ。アメリカ人から訓練を受けているイラク兵たちは、よくアメリカ兵がパトロール中に怪しげな一般市民を取り調べるときに非常に神経質に気を使っているのをみてあきれているという話を何度もきいたことがある。特に女性の容疑者への取調べはわざわざ女性兵士を呼び出すという気の使いようで、女性蔑視の傾向があるイラクでは考えられないようだ。
米軍は地元市民の気分を害さないようにとか、人権を大切にしたいとかいう気持ちが先走って、実際にそれが戦地で適切な行為であるのかという現実的な解決策を考えていない。
アメリカ軍隊をよく知らない人々は、アメリカ軍は政治的に正しい行為などということに気を使うとは思っていない。それどころか、軍人はぶっきらぼうで無作法で人権など無視しまくってイラクでも無差別殺人をしているという印象を持っている人が多いことだろう。だが実際には軍隊ほど人権問題だの差別意識だの女性蔑視だので攻撃されることに被害妄想なほど神経質になっている組織も少ない。
たとえば、私は民間人の女性として軍人と接することが多いのだが、男性兵士が私を軍事施設のどこかへ案内した場合、もしもその部屋に他に女性がいなかったらドアは必ず開けっ放しにされる。一度あまりにも風がひどく開け放されたドアがばたばたとうるさいので、「ドアを閉めてくれ」と頼んだが、若い男性の兵士は自分でドアを抑えながら、絶対に閉めようとはしなかった。これは軍人でない女性と密室で二人きりになって何か悪さをしたという疑いをかけられないための用心なのである。また基地内で自分の机の上にビキニ姿の女性の写真がついた卓上カレンダーを置いていた民間人従業員は上司からしかられたという話を聞いたことがる。これは小さなカレンダーで、その机のまん前で注意深く覗き込まなければ気がつかないほどのものだったのにもかかわらず、回りの女性に不快感を与えるといって取り除くようにといわれたというのだ。だが彼の周りい女性の従業員などいなかった。
またフィリピンの密林で勤務するむさくるしい野郎ばかりの隊の連中が、ハードコアのポルノビデオをみていたら、上司からポルノは今後一切禁止と言い渡されたという話もきいたことがある。隊員たちは地元娼婦との交渉も厳禁されており、そのうえにポルノ映画をみてもいけないというのだから、いったい上部の人間は兵士らを何だと思っているのだと聞きたくなる。命がけの仕事をしている隊員たちがせめて気分転換にポルノ映画をみたからといって何だというのだ。この隊に女性がいるわけじゃなし。
政治的に正しくあろうという態度が講じて、軍隊が戦争をしにくい場所になっているとしたらこれは非常に問題だ。ポルノがみられるどうのこうのの問題ではない。生きるか死ぬかの問題なのである。これは兵士らだけの問題ではない。兵士らが裁判を恐れて必要な戦闘を避ければ、兵士らの命のみならず、いずれはアメリカ国民全体の命にかかわることになるのである。


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ピグミーとイグアナ、空港セキュリティーを無事通過!

私はここ数週間の間で飛行機での旅は何回しただろう。ロスとシアトル間を往復。ロスから成田、羽田から長崎、長崎から名古屋、名古屋から成田、成田からサンフランシスコ、サンフランシスコからハワイ、ハワイからロサンゼルス、、、なんだか何処にいるのか今何時なのかさっぱりわからなくなってきた。
このように空の旅が続くと、なんといってもセキュリティーを通り抜けるのもカカシはすでにプロ。歯磨きのチューブも、コンタクトの液体も、すべて規定の大きさでビニール袋に入れてあるし。ライターは持ち込まないしカッターナイフは郵送しておいた。パソコンも鞄からだして靴も上着も脱いでポケットには乗車券以外はなにもはいっていない。だから通過は非常に簡単。
私のような善良なビジネスウーマンがこのような努力をしているというのに、実はこれは先月おきたことなのだが、生きたピグミー猿を隠し持って空港のセキュリティーを二回も無事通過した人がいるという話を今日読んでびっくり。これはCBSテレビの報道より

火曜日の午後ペルーからニューヨークのラグアディア空港に到着したスピリット航空の便の乗客がアメリカに猿を隠し持って搭乗し、機内で放していたことを(CBS) NEW YORK CBS 2 HDは学んだ。

当局の話では猿はピグミーマーモセットで、ペルーのリマ出身の男性の持ち物であったという。男性はリマの街頭で猿を買ったと話ている。

猿は背丈30センチもない小さいが、男性はこの猿を隠し持ったまま、ペルーからフロリダのフォートローダーデール(Fort Lauderdale)、そしてフロリダからニューヨークの便と二つもセキュリティーを通過していたにも拘わらず、警備員はどちらでも発見できなかったというのだから驚いてしまう。
それが何故みつかったのかというと、乗客が男性のポニーテールにしがみついている猿を目撃し、乗務員にしらせたのがきっかけで解ったと言うのだからしょうがない。ラグアディア空港で待っていた警察に男性は取り押さえられ猿は保護されたが、男性は動物を持って帰るのが違法だとは知らなかったと述べたと言うが、どうも疑わしいな。
もちろんここで問題になるのは、どうやってこの男性が二つのセキュリティーチェックをまったく察知されずに通過したのかということと、もうひとつは猿が持っているかもしれない伝染病に周りの人たちが感染したかどうかということだ。
交通警備当局の話では猿があまりにもちいさかったため、警備員は気がつかなかったと言っているが、この間規定よりちょっと大きめの歯磨き粉を持っていて没収されたミスター苺にいわせると、なんで生きた動物に気がつかないで歯磨き粉なんかには気がつくんだ!ってなとこだろう。
ところで、生きた動物を密輸入しようとする人間は結構いるらしい。これはほんの数日前に裁判が行われた出来事だが、カリフォルニアの男性が擬足にイグアナを隠して密輸しようとしたのが見つかっている。
フィジィ島の自然公園から三匹のイグアナを盗んだ男が、自分の擬足にイグアナを隠して密輸入しようとしてつかまった。 男の名はジェレーム・ジェームス33歳でロングビーチ在住。これは連邦法に触れるらしく、有罪になれば最高5年間の禁固刑の処せられる深刻な犯罪。
イグアナは絶滅の危機にさらされてるとかで、輸出入は禁じられているが、ジェームスは闇で三匹のイグアナを3万2千ドルで売ったという。
この間もセーターの中にイグアナを隠して空港のセキュリティーを通過しようとした女性が、セーターの中からイグアナが首を出して御用となったという話をきいたのだが、ちょっと記事が見つからない。このほかにもワニの赤ちゃんとか蛇とか珍動物がこういう形で密輸入されるケースが結構あると私はきいたことがある。
まったく世の中には不思議な商売が横行するものだ。


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イラク戦争、戦死者の数はここ14か月で最低に減る!

イラクにおけるアメリカ軍兵の戦死者が減っているとAFPが報道している。
2007年9月のアメリカ軍戦死者の数は70名と、去年の7月の月平均で最低の数となったとペンタゴンは発表している。この数値はここ4か月に渡る連続減少であり、今年で一番高かった5月の121人、6月の93人、7月の82人、8月の79人、と減る傾向が見えている。

「明らかにこの傾向は正しい方向へ向かってます。」とアメリカ軍報道官のマーク・フォックス少将はバグダッドの記者会見で語った。

「増派は文句抜きでより多くの場所に同時に多くの勢力が行動できることが可能となり、アルカエダや過激派から温床や聖域を拒絶することができるようになりました。」

これまでで戦死者の数が一番多かったのは2004年の11月の137人で、米軍の率いる連合軍がファルージャを攻撃した月であるが、死者137人のうち何と126人までもが戦闘で戦死した。次に多かったのはイラク戦争が激化し始めた2004年の4月の135人だった。
一般に増派と呼ばれているが、実際にはCOINと呼ばれるべき現在のアメリカ軍の対反乱軍作戦は、その成功の尺度は民間人と味方軍の犠牲者の数がどのように減少するかにかかっている。COINの成功を一般の正規軍同士の戦争のようには解釈出来ない理由は、テロリストやゲリラは正規軍のような戦い方をしないからだ。特にイスラム教反乱分子は影の政府を設立するでもなく、地元市民に取り入っていわゆるハートアンドマインド(心と魂)を勝ち取ろうという努力すらしない。彼らがすることといったらやたらめったらに市街地へ攻め入り、不特定多数の市民を殺しまくるだけだ。
テロリストは主に市民を攻撃するが、時々味方軍を攻撃する時でもパトロール中を待ち伏せするやり方を好む。面と向かっての突撃では勝ち目は無いからである。これはアフガニスタンのタリバンがNATO軍に正面からの攻撃をしては大惨敗をとげていることがよく物語っている。であるからテロリストが生き残るためには小さくてもいいから連続的な「勝利」を必要とする。なぜなら勝たなければ地元市民からの援助も新しいメンバーの勧誘も今のメンバーの士気を保つこともうまくいかなくなるからである。だからテロリストが勢力を保つためにはなんとしても目立った大量殺人を続けなければならないのである。
テロリストと戦っている側がテロリストによる勝利を阻止すればするほど市民やCOIN軍の犠牲は減る。これが続くと次の二つのことが起きると、最近専門書を読んだミスター苺は説明する。

  • 一部の市民は反乱分子への支持を考え直し始め、次第に積極的な援助をしなくなる。そして対反乱分子軍のほうに協力し始める。
  • 反乱分子そのものもだんだんと恐怖と飽きもあって、地元市民に紛れ込んだりそれが不可能な場合には外国へ逃げたりする。(イランに逃げ帰った白豚サドルがいい例である。)

というわけだから、イラクで市民や味方軍の犠牲者の数が減っているのは、COIN作戦が成功している証拠なのだ。なぜならこの作戦がうまくいっていれば当初の激しい戦争で味方軍の戦死者が一旦増えた後は、どんどん減るというのが予測されていたからである。
iCasualtiesによるとイラク市民の死者数 は9月で746人、2006年2月から最低の数。なんと今年の2月から比べてイラク市民の死者数は75%も減っているのだ!
ミスター苺がこの傾向をグラフにしてくれているので、下記を参照いただきたい。このグラフには8月14日のヤズィーズ爆破は含まれていない。それはあの爆破はCOIN作戦の行われていない僻地での出来事だったからである。緑が連合軍、赤が全体。

Iraq insurgency killings 2007


このグラフを見れば犠牲者減少の傾向は明らかである。まさにCOIN作戦は計画通りの大成功を遂げているのだ! つまり、今後なにか特別な変化でもない限り、イラク戦争はアメリカ軍にとってもイラク民主主義にとっても文句無く勝利は約束されたのである。無論まだまだ戦闘は続くし、今後の後片付けにも連合軍にもイラク市民にも犠牲は出るだろう。だが、もう結果は決まったのだ。我々の勝利は間違いない。


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日本人になりたい! あるビルマ人の悲痛な叫び

オーストラリア在住のフィリピン人ブロガー、レチャードがビルマの友人から手紙をもらったといって紹介している。先日、日本人記者がビルマの紛争に巻き込まれて射殺されたことに関して書かれた手紙だ。

今夜床につく前に私は仏に祈る。朝日本人として目が覚めますようにと。私はこれまでずっとビルマ人だった、そして国連の「人権の普遍宣言」(The Universal Declaration of Human Rights)を読んで以来すべての人間の命の価値は等しいと信じてきた。しかし私はここ数日間で現実の厳しさに目覚めた。

日本人ジャーナリストがラングーンで殺されてからの日本政府の反応をみていて、私はひとりの日本人の命が何千というビルマ人の命より尊いことを知ったのだ。日本政府はビルマ人がフンタの手によってどれほどひどい目にあわされてきたかずっと前から知っていた。裁判なしの処刑、強制労働、強制移住、子供の強制徴兵やもっとひどい悪行について知っていた。だが、日本政府はそんなことには無関心で軍事ユンタと交渉し援助してきた。
突然日本の副外相は日本貴社の死因を調査するためビルマを訪れるという。誤解しないでいただきたい、私を含めすべてのビルマ人は永井さんがビルマ人が毎日のように体験している地獄のような生活を世界中に知らしめようと努力してくれたことには感謝しているのだ。彼の家族にはお慰めを申し上げたい。悲しいのは無実の日本人の命が失われたのは、日本政府が何十年にも渡って現状を無視しつづけてきたからなのだ。
私はまたすべてのビルマ人が日本人として目をさますことを祈ろう。仏はよ、どうか御慈悲を。私たちを日本人として目覚めさせてくれたまえ。
ザウ・タン(Zaw Tun)

これに対してレチャードは、ビルマの自由を勝ち取るためには、国連の人権宣言などを頼りにしていても何の足しにもならないと語る。日本政府が日本市民を守るのはあたりまえだ。しかし日本政府がそのようにふるまうのも、日本人が他国をたよりにせずに自分達の手で自分達の市民を守ろうと政府を設立したからである。国連の連中はビルマ人を気の毒に思ったとしても、ビルマ人を救うために指一本貸してはくれないだろう。ビルマ人がたよりにできるのはビルマ人だけだ。
ビルマの問題はビルマにビルマ市民を守れるような本来の意味での政府がないことにある。ビルマ人自身が本当の政府を望まない限りは、たとえ日本政府が望んだとしても、日本政府にビルマを救うことはできない。
「ビルマはひとりだ」とレチャードは言う。

君たちはひとりぼっちだ。だが君たちには君たち自身がある。君らの政府がどれほど似非ものになろうとビルマ人は男だ。助けはくるかもしれない。だがそれをあてにするのは懸命ではない。君らには君らの男気に頼るしかない。君らの方にこそ自由へのわずかなチャンスが担っている。そこから法が生まれるのだ。国際法などというブルッセルでお菓子やコーヒーを飲みながら作られるのではなく、君らの間から生まれるのだ。統治される民の合意によって。

君らは寂しいだろう。だが助けはこない。自由への道が長く厳しく苦痛に満ちたものではないといえば嘘になる。『死と悲しみが君らの道ずれだ。苦労が君らの着物だ。辛抱と勇気のみが君らの盾だ。』この道こそが君らの歩むべきみちなのだ。なぜなら人として他に道はないからだ。
私には君らに捧げるどんな力もない。ただ言えることは主イエス・キリストと仏のお導きがありますように。そして君らを故郷へお導きなさいますように。

アーメン。


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不公平なバンクーバー市内禁煙法、イスラム教徒には特別許可!

欧米にはポリティカリーコレクト(PC)という概念がある。日本語にすると「政治的に正しい」という意味だ。元来は男女差別や、人種、国籍、宗教などによる差別をしないという目的で生まれた概念なのだが、この概念が実社会で実用される時には何故か必ずといっていいほど左翼政治への迎合という形で現れてしまう。だから右翼の間ではPCは忌み嫌われている。
例えば、女性差別はしないという概念は立派だが、英語では普通の単語になっているメールマンを男性という意味の「マン」でなく配達員という意味の「キャリアー」にせよとか、議長という意味の「チェアマン」を中性の「パーソン」におきかえろとか、スチュワーデスは女性だけを示す言葉なので、フライトアテンダント(機上添乗員)とかいう名前に変えろとか、すべてPCの現れだ。「マン」には男子という意味以外に広い意味で「人間」という意味もあるということや、男性なら単にスチュワードと呼べばいいではないかなどという理屈はPC警察には通用しない。
しかし、言葉使いなんて程度のことならなにも眉をひそめる必要はないと読者諸君はお考えかもしれない。しかしジョージ・オーウェルの「1984」にあったように、左翼の狙いは言葉を変えることによって概念まで変えていくことなのだということを十分に心にとめておく必要ある。おっと、話がちょっと本題からそれてしまった。
さて、PCには少数民族や異教徒を差別しないという概念があるが、差別をしないということと特別扱いをするということは完全に正反対の意味を持つにもかかわらず、一部の宗教団体が自分らの要求が通らないと「宗教差別だ」「人権問題だ」といって騒ぎ立て、常に特別扱いをうけていることはここでは私も何度も紹介した通りである。
私のいう理不尽な「一部の宗教団体」とは言わずと知れたイスラム教徒のことだ。イスラム教徒は自分達が特別な人種だと信じて疑わない。それで異教徒のことをインファデル(信じないもの)といって侮蔑する。彼等は欧米のPCな概念を悪用して、自分らがアラーの神が決めたように下々(しもじも)のものたちとは違った扱いを受けないと大騒ぎをする傾向がある。それでも欧米諸国が「少数民族がうるさいことをつべこべいうな、おれたちのやり方が気にいらねえんなら国へかえれ!」と言って無視してしまえばそれでことはおさまるのに、(当のイスラム諸国では異教徒に同等の権利など与えているところは全くない。)「差別だ」「人権問題だ」といわれるとすぐにへいこらして迎合するから始末が悪い。
アメリカでもミネアポリス空港でイスラム教のタクシー運転手が理不尽な要求をした話や、ミネソタの大学でイスラム教徒用の足洗い場を特別設置することになったなどという話もここで何度かしているが、今度はバンクーバー市で実施されることになった市内一斉禁法について、イスラム教徒だけは例外扱いされるという話をバンクーバーサンが報道している。
中近東ではフーカと呼ばれる水煙草が人気がある。カカシのうちの近所でも中近東の人が多いので、ダウンタウンの歩道カフェなどでは数人の男性が集まってひとつのフーカをまわし吸いしているのをよく見かける。街全体を禁煙にしようというバンクーバー市内では、フーカパーラと呼ばれるフーカを専門にしている喫茶店だけは例外にするというのである。

バンクーバーのフーカパーラーの経営者たちは木曜日、新しく提案されている歩道や商業地域、バス乗り場、バンクーバーを通過するタクシーの社内まで規制する禁煙法にフーカパーアラーが規制対象から外されることを知って喜んでいる。

バンクーバーの市会議員たちは、フーカラウンジは市内のイスラム教徒らの大事な安らぎを与える場所であるとし、一時的に例外とすることを全員一致で決定した。

カリフォルニアはアメリカ国内でもいち早くバーやレストランなどを全面的に禁煙にした州だ。しかし煙草を吸う外国出身の移民が多いうちの近所では、それでは商売があがったり。それで煙草をすう客のために、レストランのほとんどが歩道にテーブルを出して、パティオと呼ばれるパリのように歩道カフェが盛んになっている。ビジネスのビルでは従業員が外の歩道などで煙草を吸っている姿をよくみかける。カナダのバンクーバー市ではこうした外での禁煙も禁止しようというわけだ。
私は禁煙法そのものに全く賛成できないが、それでもその法律が市民全体に平等に適応されるというのならまだしも、イスラム教徒のフーカの習慣だけは例外というのはどういうことだ?この記事のなかには、イスラム教の移民にとってフーカパーラーでの喫煙は日頃の苦労から安らぎを見いだす習慣だと語っている人の話が出ているが、それなら中国系の移民が「マージャンやりながら煙草をスパスパ吸うのは中国人移民にとって憩いの時間だ、マージャン屋でのたばこ喫煙を例外にしろ」と要求してきたらバンクーバーの市会議員たちは耳を貸すだろうか?もしヒッピー連中が「マリファナはヒッピー文化の大事な習慣だ、マリファナ喫煙を合法にしろ」といったらどうするのだ?もし中国系移民やヒッピーの意見が聞き入れられないなら、どうしてイスラム教だけが特別なのか市議会は市民にきちんと説明すべきである。
ちなみに、この法律では葉巻き専門のシガーストアの喫煙所は規制外になっている。その理由は葉巻きは煙草ではないからとなっているが、ノンスモーカーにとっては煙草の煙も葉巻きの煙も迷惑なことに変わりはない。しかし、葉巻きが例外な本当の理由は左翼の政治家のなかに葉巻き愛煙家が多いということだろう。
要するにだ、葉巻きは自分達が好きなものだから合法、フーカはイスラム教徒がうるさいから合法、などというふうに自分達の都合で法律があてはまる人間を区別しているのだ。このようなことがまかり通るのであれば、この社会は本当の意味での自由社会とはいえない。なぜなら自由社会の根本は法律が誰にでも平等に適応されることにあるからだ。法は人の上に人を作らず、人の下に人を作らずである。法律が権力者の気分次第でどうにでもなるというなら、一般市民はその法律のみならず、すべての法律を尊敬しなくなる。そうなると、人々は盗みは悪いことだからやらない、というような道徳観念で自分の行動を決めるのではなく、捕まらなければ法律は破ってもいいという考え方にかわる。そうなれば既存の警察官の数など社会を取り締まるためにはとうてい追い付かない。
権力者による法律の悪用は社会の秩序を乱すことにつながるのだ。


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朝からビールの長崎空港

移動が多いということは、必然的に空港で過ごす時間が多くなるわけだが、空港といってもそれなりに色々と個性がある。私の出張はほとんどがアメリカ国内なので、それほどの差はない。ただ、国内でも東海岸に行く時は直便ではなくハブシティといわれる空港で乗り換えることが多い。ハブとは車輪のこしきのことで、車輪のように地方からの便が集まることからそう呼ばれている。
乗り継ぎ時間が一時間程度の時は飛行機が遅れたりするとかなり焦るが、かといって二時間以上になるとちょっと時間つぶしに困ってしまう。私は航空会社のラウンジを使えるほどのエリートではないので、待つ場所はもっぱら空港のバー。アメリカの空港ではゲート内でもあちこちにバーがあり、そこでハードリカーとかスピリットとか呼ばれるお酒が売られている。これらはビールやワインとは違って強いお酒で、水割りからカクテルまですべてこの部類にはいる。バーではたいていテレビがあって、フットボール、バスケット、野球などを観ながら見知らぬ旅人同士が長年の友達でもあるかのようにゲームの話で夢中になる。
今日も私の空の旅は待ち時間を入れると朝6時50分から翌朝の7時までの約24時間。名古屋での待ち時間がなんと6時間もあった。
日本に居て気が付いたことは、どこにいてもビールやお酒が飲めるということだ。道ばたの自動販売機やホテルのロビー、バスターミナルの待合室、空港のどこでも缶ビールやカップ酒が買える。値段もアメリカに比べるとずっと格安だし、人々が時間かまわずビールを飲むのはイギリスと非常に似ている。
今朝7時に長崎の空港で朝ご飯がまだだったので、角煮まんじゅうセットなるものを買って食べた。これは豚の角煮の片が中華饅にはさまってハンバーガーのようになっているもの。これをうっていたのは牛乳やパンを売ってるスタンドのようなお店だったのだが、まんじゅうのセットでついてくる飲み物は、なんとビール!朝からビールは飲めないなあと思っていたら、コーヒーなら百円安いといわれ、コーヒーに替えたのだが、朝食からビールがついてくるってのがなんとも日本的。
ところが長崎の空港でみつからないのがスピリッツの飲めるバー。うどん屋でもハンバーガーショップでも、お弁当やでもビールやお酒は置いてるが、カクテルは売ってない。(缶入り酎ハイはいくらでもあったが、これはスピリッツとはいえない。)ま、別に朝っぱらからハードリカーを飲む気はなかったし、長崎の空港は小さいしローカルだからそんなもんだろうと名古屋に期待することにした。
ところが、名古屋でも状況はほぼ同じ。アメリカの空港なら二百メートル間隔であるバーが、名古屋のような国際空港でもひとつも見つからないのだ。うどんやラーメン、トンカツやファミリーレストランなどたくさんあるのに、座ってお酒だけ飲める場所というのが全くない。見た感じはいかにもバーに見えるカウンターのあるところでも、おいてあるお酒はビールとワイン類だけ。(日本酒、焼酎もこの部類)これでは6時間の待ち時間がつぶせないなあ。
それにどうして名古屋空港って、ああも居心地の好い椅子がすくないのだろう? 座って待てる椅子はゲート内にはあったが、ゲート内にある食堂はバス停の待合室にあるようなうどんやさんだけ。
帰りもまた名古屋で長い待ち時間があるのだが、飛行機にお酒が持ち込めないのが非常に残念だ。


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イラク世論調査:大多数が増派はうまくいってないと返答

私がよく行く掲示板でイラクからの悪いニュースを専門に書いてるひとが、またまたこんな記事を紹介してくれた。これはイラクの世論調査でイラク人の大半が米軍の増派作戦は失敗していると感じているという内容である。
約70%のイラク人が増派が始まって以来治安は悪化したと答えた、として始まるこの記事は最近イラク人2000人を対象に、イギリスのBBC, アメリカのABCNews, そして日本のNHKが共同でスポンサーとなって行ったものだが、さらにこの調査では60%のイラク人がアメリカ軍への攻撃は正当だと答えたとしている。これはスンニ派では93%、シーア派でも50%がそう答えたと言う。
それでこの記事を紹介した人は、もしアメリカ軍や従軍記者が言うように、スンニ派の部族がアルカエダに嫌気がさして米軍と協力して戦っているなどということが真実だとしたら、このような世論調査の答えはおかしいではないかと問いかける。無論彼は反イラク戦争派なので、従軍記者たちは米軍からの検閲にあって、自由に記事が書けないと結論付けているのだが。
しかし反米君の疑問にも一理ある。もし90%ものイラクスンニ派が米軍への攻撃を正当だと感じているなら、何故米軍に協力などするのか?反対に、もし米軍や従軍記者が言うように多くのスンニ派部族が積極的に米軍に協力しているというのが本当なら、どうして90%ものスンニ派が米軍への攻撃を正当だなどと答えたりするのだろうか?
一口に世論調査などといっても中東で行われる調査は日本やアメリカのような先進国で行われる調査のようなものだと考えるのは大きな間違いである。独裁政権の下で長年生き延びてきた市民は政府や体制に対する不信感が強い。誰かに意見を聞かれても、その質問に答えることで自分の生活がどのように影響を受けるのかを先ず考えねばならない。このような社会では世論調査の質問に正直に答えなければならないという感覚はまったくない。
冷戦時代にソ連で一般市民にマイクを向けてアメリカの取材班が取材をおこなっていたところ、取材の記者とたあいない世間話に応じただけの商人が記者が立ち去った後にKGBらしき男から詰問されていた映像をみたことがある。
また、先日CNNヨーロッパの放送を見ていてアフガニスタンで取材をした女性がこんなことを言っていた。彼女はタリバン時代から何度もアフガニスタンに足を運びアフガニスタンの女性の生活についてリポートを続けているが、最近の訪問で一般市民にインタビューをしようとしたら、ある女性から「あんたの質問に答えて私に何の得になるというの?」と聞かれて言葉を失ったと言う。
他にも市民が質問者が自分らの生活を悪化させるなり向上させるなりの力のある人だと感じれば、質問者が聞きたいことを答えるということも大いにありうる。一度私は中華の惣菜店で「この料理には卵は使われているか?」と聞いたことがある。これは私が卵を避けていたからなのだが、最初中国人の店員は「卵、欲しい?入ってるいるよ」と調子よく答えた。ところが「それなら私はいらない」言うと「おー、入ってないあるよ。大丈夫。」と答えを変えたのである。この店員にしてみれば、料理に卵が入っているかどうかという事実よりもどう言えば客が品物を買ってくれるかという考えが先行していたのだ。
欧米のメディアがイラクで世論調査をするといっても、彼らが直接イラクへ行って人々に質問をするわけではない。アラブ語の話せるエージェンシーに調査を依頼するのだ。もしもこのエージェンシーが雇った質問者がスンニ派でテロリストと強いつながりがあると地元市民が知っているか、疑っているかした場合には、市民は何と答えるだろうか?シーア派にしたところで、地元の反米権力者と関係があるらしい人が質問をしたら、親米な答えなど正直に言うだろうか?
これについて、ミスター苺はこんなことをいっている。

イラクでの世論調査はあてにならない。イラク人や他のアラブ人たちが世論調査をどう理解しているのか我々にはわからないからだ。彼らは増派が失敗したと言えば地域にもっと多くの軍隊を送ってもらえると考えたかもしれない。もし増派は成功したと答えたらアメリカ軍はすぐに撤退してしまうのではないかと恐れたのかもしれない。

また我々には実際の質問がどういうものだったのか知らされていない。COINのような新作戦がうまくいっているかどうかは、客観的に確認できる事実で判断されるべきであり、人々の意見で一喜一憂すべきではない。

我々は自由社会に住み好き勝手なことを好きなときに言えるので、つい他の社会の人々も同じだと思い勝ちである。だが、実際は中東社会は他の社会とはまったく違うのである。それを我々の物差しで計ろうとするのは非常に危険である。


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カカシのホテル談話

今回日本を出張中というお話は以前にもちらっとしたが、なにせ移動が多いのでひとつところに落ち着けない。とはいうものの、これまでに泊まったホテルはそれぞれ非常に良い点が多いので、ビジネスホテルに泊まる機会のある読者のためにちょっと感想を書いておきたい。
日本への出張が決まった際、うちの会社に所属している旅行代理店の連中は、会社の予算内で泊まれるホテルが見つからないと行ってきた。「じゃあどうしろっての」と聞くと、自分で探してくださいと来たもんだ。探せといわれても出先の会社の地理もよくわからない外国人によくもそんないい加減なことがいえたものだ。支店から1キロ範囲のところなのか10キロも20キロもはなれたところなのか、ホテルの住所を見ただけでは見当もつかない。ロサンゼルスのような大都市の場合、端から端までの距離は何十キロ。車で一時間以上なんてところはざら。それを右ハンドルの左運転なんていう不思議な国で、レンタルカーもなくしてどうやって動きをとれというのだ!
と、まあ、私が普通のアメリカ人なら怒るところだが、そこはそれ。私には日本語の検索機能という強い味方があったのだった!この前もちょっと話たが、日本語で検索できるホテルは結構いろいろあり、お値段も手ごろである。
私が最初に泊まった羽田空港付近のホテルJALCITYは空港まで無料で送迎用のシャトルバスが出ていて非常に便利。お値段も一泊一万三千円程度でビジネスホテルとしてはまあまあだと思う。各部屋にLANケーブル付き。外国機種用にアダプターまで用意してあってネット料金は無料。ツインの部屋を一人で借りたのだが、ゆったりしていて非常に良かった。お風呂は深く座ったままゆっくりつかれる。いいなあ日本の湯船は。
三日間泊まった佐世保ワシントンホテルは佐世保バスセンターから徒歩一分。朝夕食事つきで一泊一万一千円二百円程度。ここはシングルで、部屋は狭かったがひとりならゆったり。ワイヤーレスのネットコネクションあり。ネット料金無料。アダプターは置いてなかった。日本では日本の電圧から外国へ変換するアダプターは売っているがその反対を探すのは大変なので、海外からの旅行客は本国から持参することをお勧めする。このホテルは朝食がバイキングスタイル(英語でいうところのブフェ、フランス語だとビュッフェかな?)は品数が多くとてもおいしい。日本食といわゆる英国風の料理があるが、なんといっても日本食をお勧めする。英国風のスクランブルエッグやソーセージはちょっとね、、、
夕飯もよかったのだが、最後の晩にハンバーグステーキにスパゲティが出たのには参った。最初の二晩の和食が旬の魚をつかった美味だっただけに、最後の晩の洋食にはちょっと失望した。このホテル洋食はやらないほうがいい。ホテルの食事が口にあわなければすぐ歩いていける場所にレストランがごちゃまんと並んでいるし、佐世保駅ビルにはマーケットもついていていくらでもお惣菜を買うことができる。
さて、今夜のホテルは長崎空港近くの長崎インターナショナルホテル。空港からは車で10分程度。朝が早いので朝食抜きで9900円。ツインをひとりで泊まっているが部屋が馬鹿でかい。ベッドのほかに机とコーヒーテーブルが置いてあり、リビングルームのような場所がとってある。二部屋にはなってはいないが、ほとんどスイートといっていもいいくらいの広さがある。ホテル内には和食と洋食のレストランがついているがどちらもお値段はかなりはる。まわりはあまり何もないところで、車がないと非常に不便。通常のネットアクセスは無料だが、パソコンを忘れた人のために一日千円で貸してくれる。やたらにネットカフェなど探さずにすむから非常に便利。
というわけで今回の出張、ホテルには恵まれているカカシである。もうひとつホテル予約がはいっているが、そこに泊まったことのアル同僚の話では結構よさそうなので期待している。
さて明日も早いのでもう寝なければ、、


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「中東有事はそっくりそのまま朝鮮半島有事じゃねぇかよ」

短いが気になったのでちょっと書き留めておく。
タイトルは陳さんのエントリーから拝借。これは陳さんが、シリアからイスラエルが北朝鮮が提供した核兵器の材料を押収していたという記事に対して書かれた反応だが、まさに的を射ていると思う。
でも解せないのは、アメリカが北朝鮮をテロ国家指定から削除するつもりらしいということだ。北朝鮮にはクリントン時代に一度騙されているし、第一シリアへの核兵器援助に関してはアメリカも知っていたという話でもある。とすればどうしてこの次期に北朝鮮を悪の枢軸からはずす必要があるのだろうか?


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