雨の桟橋

読者の皆さん今日は。
今週は月曜から金曜日の今日まで、ネットアクセスゼロの場所にいたので、コメントをいただいたアセアンさん、souさん、龍之介さん、はじめ私の留守中も当ブログをご訪問いただた読者の皆さん、ありがとうございます。
カカシはさっきやっとバージニアのホテルに帰ってきたところ。 ここで週末を過ごした後は再び外の世界からは遮断された一週間がまっているのです。 (うう、、涙)
二週間前にバージニアに着いたときはまだ結構暖かく、半そでのTシャツでも平気だったのに、月曜日の朝早く出航した時はものすごい北風で桟橋を歩くのに一苦労した。 五日後の今日、港は雨。 野郎ばかりの同僚達はこぞってフーターズへ行こうと張り切っていたが、私は早々に引き上げた。 どうも奴らは私が女性であることを忘れているようだ。つくづくこの仕事は女がやることじゃないと感じる。
さて、「イランをどうするか」シリーズはミスター苺が去年から今年の初めにかけて、色々な角度からイランへの攻め方を考えて見たもので、こうすべきであるという確立した考えではない。ましてやアセアンさんがおっしゃるようなアメリカ保守派を代表するような考え方では全くないのであしからず。 いってみれば英語でいうところのブレーンストームというやつである。可能な限りのやり方を先ず出してみる。そしてあまりにも非現実的なものから排除していって、一番適切なものを選んでいくというやりかた。
しかし缶詰中に読んでいたトム・クランシーの本のなかで強調されている地元の諜報が我々には非常に不足しているというのが現実だろう。もしアセアンさんが言うようイスラエルのモサドですら正しい諜報をもっていないとなるとこれは非常に問題だ。やはりCIAの諜報部員がイランに潜入して核兵器施設のありかや、イラン内部の政治情勢などについて、もっと詳しい情報を集める必要があるだろう。イランの内政がわからずに下手に手を出すとたいへんなことになる。
ところでsouさんは私をネオコンだとお思いのようなのだが、私はネオコンではなくどちらかというと旧保守派である。ただし、私は英語でも日本語でもブログを始める前までは自分はかなり過激な右翼だと思っていたのだが、ブログスフィアーではかなり中庸だということがわかってがっかり。(笑) 元旧保守派のパット・ブキャナンはアメリカの孤立主義への思い入れが講じてどうも最近はひどい人種差別者へと変わりつつある。 だいぶ前から主流の保守派からは見放されている。(彼が共和党を去ったのはもう数年前になる) ブキャナンの場合右翼は右翼でも社会主義的な右翼、ファシストに近いという気がする。
では今週末ネットサーフを満喫してブログに精を出そう。 他にやることもないし、、、


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イラン攻撃作戦4、スーパー経済制裁

イランをどうするか、前回までのお話:
1)攻撃作戦の選択色々
2)斬首作戦
3)ムラーの顔丸つぶれ作戦
題名からもご察しの通り、これはイラン経済に注目する作戦である。言ってみれば「超経済制裁」である。イラク、サウジ、そしてほとんどの中東の産油国のようにイランは原油輸出国である。 
イランの経済は原油に完全に頼った非常に偏ったものである。ほとんどの経済活動は政府が統括しており、民間企業などほとんどない。カタミ前大統領は経済改革をラフサンジャニ大統領も続けているがあまり効果はない。近年原油価格が比較的高いおかげでイランは40億ドルという外貨リザーブを所持している。しかしこれもインフレや高失業率を緩和するのにはほとんど役に立っていない。大量破壊兵器開発に不均衡な資産を投入しすぎていることも大きな問題である。
この状況を観ればイランの弱点は一目瞭然である。イランは原油輸出で成り立っている国だ。輸出するということは原油を外へ運び出さなければならないわけで、その通路となる港を遮断してしまえば輸出は不可能となる。この経済制裁作戦は最初の核兵器施設破壊作戦と同時に行えばイランは破壊された施設を修理することすらできなくなる。
油田そのものを破壊する必要はないので、環境汚染につながることもなく、イラン国内だけでなく近隣諸国への悪影響も出ない。クルーズミサイルを数本ペルシャ湾とキャスピアン海に打ち込めばことは足りるはずだ。この作戦の目的はイランを崩壊させることにはない。ムラー達に圧力をかけて国内における革命を促進することにある。だから革命後に必要なイランのインフラはなるべく破壊せず一時的に昨日不可能な状態にして保存しておく必要があるのだ。
しかしこれだけでは不十分である。イランが現在持っている40億ドル外貨をなんとかする必要がある。そうでないとこの金を使ってイランは食料から修繕費からすべてまかなうことができるからである。ということは二つの出入り口をふさぐ必要がある。
ペルシャ湾には我が海軍が出動して閉鎖することが可能だが、カスピは陸に囲まれているためれができない。だがここはどうしてもふさがなければならない。なぜならカスピ海を使ってロシアから必需品が輸送されるのを防がなければペルシャ湾だけをふさいでも意味がないからである。 (イランの地図参照
この裏口を閉めるのは地理的にも政治的にもかなり困難と思われる。幸運なことに今現在イランとロシアとの間で実用的な原油パイプラインは存在していない。 イランへ来るどのような貨物も海を渡るか路線を使う以外に方法はない。
イランのカスピ海沿岸にはネッカとバンダー・アンザリという二つの主要な港がある。ネッカには核兵器施設があるとされているので、まず最初にここを攻撃すべきだろう。しかしイランのもっとも主要な港はイラン北西でアゼルバイジャンに接するバンダー・アンザリのほうである。アンザリも大事な標的リストのうちに入れられなければならない。
これはイラン隔離というわけではない。石油輸送の阻止であってイラン漁業の邪魔をするわけではないからだ。一般市民への悪影響は出来る限りさけなければならない。
地上輸送はそれほど問題にならないのではないかと思う。というのもイランはトルコ、アルメニア、アゼルバイジャン、トルクメニスタン、そしてもちろんイラク、アフガニスタン、パキスタンに囲まれている。最後の三つの国からの援助は先ず考えられない。イランは北方の近隣諸国とはまあまあの関係にあるが、トルコ以外にはイランを支えるだけの資源を提供できるような産業といったものは特にない。我々はトルコとの親睦に力をいれてイランへの空爆に協力させるよう働きかける必要がある。 すくなくともいまのところトルコはイランよりは親米に近寄っている。
万が一交渉が失敗した場合には、アメリカはイラン攻撃に備えてトルコ国内に核兵器設備を90ほど配備しているという。 イランがトルコからの協力を得ることは先ず無理だろう。
一番心配なのはロシアの反応と原油市場の反応である。もしサウジがイランに同情してアメリカへの原油輸出を制限した場合にはアメリカは難しい状況に陥る。しかしブッシュ大統領のおかげでアメリカには石油の貯えはかなりあるが、それでも二年か三年が限度だろう。 輸出制限がそんなに長く続くとは思えないが、アメリカ国内の経済に与える悪影響は多大なものになる可能性がある。
しかしOPECは今のところ我々側についているので、サウジがイランの分を補ってくれれば原油の値段が上がる必要はない。
ロシアの反応は簡単には予測できない。イランとロシアは最近色々な企画で協力関係にある。 また旧ソ連時代からの名残もあっていざとなればロシアはアメリカよりイランに味方するだろう。しかしロシアがアメリカに対して何ができるのかはかなり未知数だ。ロシアはチェチェンやウクライナの問題を抱えているし、西側とも経済面で色々なつながりがある。ロシアはまだまだ現代化に向かって産業を発展させる必要がある。そんな時にロシアはイランの問題でアメリカと一戦交えたいなどと考えるだろうか、ロシアも手を焼いているのと同じ過激派のイスラム教徒なんかのために、、
この作戦4は作戦1のイラク核兵器施設攻撃と同時に行われるべきである。このような状況にあってロシアは多分国連安保理で大声を張り上げて抗議はすうだろうが、特になにもしないのではないかというのが私の予想だ。
この作戦は作戦1をエスカレートさせたものだが、攻撃に次ぐ経済制裁でイランが破壊させた核兵器施設を再建するのを防ぐことになる。であるからこの作戦は真剣に考える価値があると思う。
原文はこちらBig Lizardsより:, Iran Strategies 3: the Econostrike


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イラン攻撃作戦3、ムラーの顔丸つぶれ作戦

昨日は核兵器施設などでなくイランの頭首らを叩く案を書いたが、今日はそこまで極端ではないが同じような効果が得られる別のやり方を考えてみたい。
イランをどうするか、前回までのお話:
1)攻撃作戦の選択色々
2)イラン攻撃: 斬首作戦
この作戦は簡単にいえば、一万から二万の兵をイラクからイランの東側へ電撃攻撃で乗り込ませるというもの。あまり深入りせず国境沿いに50から70マイル程度のところまで隊を備える。ただし、これすべてイラン側の領地。ここにしっかり居座って何があっても敵に一歩も譲ってはならない。
アメリカ政府は、この作戦の目的はイランからイラクへ侵入してくるテロリストを食い止めるためであると発表する。この際、イランの核兵器の話は一切しない。事実イランからのテロリスト侵入を阻止するというのはこの作戦のボーナスのようなもの。イラクにとってイランから邪魔をされずに国づくりができるのは好都合。しかしこの作戦の本当の目的はイランの現政権を崩壊させることにある。
この作戦はまずイランの統治者にとって堪え難い状況を作り出すことにある。イランの統治者であるムラー達がイランを統括できているただひとつの理由は彼等が無敵の存在であり誰にも破壊されない党首であると国民に思わせているからだ。そのムラー達に自分らの領地を占領している外敵を攻撃して蹴散らすのか、それとも黙認するのか、その手のうちを無理矢理開かせるのである。
もし彼等がなにもせずにアメリカ軍にイラン領土を占領するのを黙認すれば、彼等の面子は丸つぶれである。イラン政府がこのようなあきらかに臆病な態度を示してはイラン政府がそのまま権力を保つことはできない。政府が自国の領土も占領軍から守ることができないというのであれば、政権の指揮者としての信用は完全に喪失される。
しかしもし彼等が攻撃した場合でもその結果は同じである。なぜならイランが占領軍であるアメリカ軍にうちかつためには圧倒的多数の軍隊を送り込まなければならない。ヒズボラのようなテロ軍団は真正面からの攻撃では正規軍には太刀打ちできない。しっかり根をおろしてふまえているアメリカ軍に真っ向から突撃したのではイラン軍は大敗する。イラン軍は崖に当たる波のように木っ端みじんに崩れてしまうだろう。
無論、イラン軍は大量破壊兵器を使うにちがいない。だがアメリカ軍はそれにも十分に立ち向かえる備えがある。科学/生物兵器防衛用のスーツを着れば恐くない。 もし彼等が小型核兵器をひとつやふたつもっていたとしても、それを撃ち込むための輸送機間、飛行機、ヘリコプター、トラック、牛車、、近付くものはことごとく破壊し、絶対に近付けないだけの機能がアメリカ軍にはある。
最終的にイランは自国の領土に居座るたかが数千の外敵を追い出すこともできないほど情けない存在であることを暴かれてしまうわけだ。彼等の誇りは傷付き面目丸つぶれとなる。ここでこれまで弾圧されていたイラン市民が立ち上がって、この張り子の虎を追い出し、多少西側諸国に似たような民主主義をつくりだしてくれれば儲け物である。 我々が秘密裏に事前に現政権反対派のリーダーたちと連絡をとっておくのも悪くない。
ミスター苺は、この提案は彼以外の人が書いてるのを読んだことがないといっている。その理由はこれがすばらしい考えで誰も思い付かないだけなのか、あまりにも馬鹿げているせいなのか解らないのだが、、(汗)
原文はこちらBig Lizardsより:, Iran Strategies 2: Beachhead Bingo


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イラン攻撃作戦2、斬首作戦

昨日に続いてイラン攻撃作戦を考えてみよう。これはミスター苺が2005年にBig Lizards.netに掲載したアイデアを参考にしたものだ。
イランをどうするか、前回までのお話:
1)攻撃作戦の選択色々
イランの核兵器施設への一斉攻撃作戦は理想ではあるが、効果的な攻撃とするためにはかなり大掛かりなものになってしまう。このことは昨日も書いた通り。しかしそんなことをしなくても、もっと簡単に確実にイランの脅威を破壊する方法がある。それはイランの頭を狙うことである。
核兵器そのものを拳とするならミサイルは腕、軍隊は胴といえる。(さしずめ汚い仕事専門のヒズボラは尻だわな)だが腕も拳も頭からの命令がなければ動かせない。だからイランを倒すならこのタオル頭を首からちょん切るのが一番効果的なのではないだろうか? ヒズボラにしろ大統領のアクマディネジャドにしろ皆、イランのムラーから指揮を仰いでいる。イランの実質的な指導者とはムラー達であり、その最高指導者はアヤトラアリコメーニ(Ayatollah Ali Khamenei)なのだ。だからコメーニを含め指導層の連中を取り除けばイランの核開発プログラムは自然消滅するだろう。
とはいえ、私はイランの指導層を文字どおり暗殺しろといっているわけではない。(もっともゴッドファーザー2の最後みたいな同時多発暗殺も決して悪い考えではないが、、)私が考えているのはCIAが煽動し、ウクライナでおきたような「オレンジ革命」を成功させることだ。もちろんCIAがブッシュバッシング目的で国内で秘密情報漏えいに夢中になっている間はこんなことは望めないが。
CIAがたよりにならないとしたら、イスラエルのモサード、英国のMISなどの力を借りて、イランのムラー独裁政権崩壊を促進するにはどうすればいいか、革命は何時おきるか、生徒、共産党、またはシーア静寂派(quieties)か、どのグループが一番親米かということを探り出す必要がある。
斬首作戦の利点は秘密裏にできるので、国際社会のの意見を聞く必要がないということだ。革命が成功しても失敗しても、我々は関係を否定することができる。
斬首作戦の利点はイランの核兵器開発を阻止するだけでなく、ほかにも色々ある。

* イランのムラーから切り離されればヒズボラは勢力を大幅に失う。イラン国内だけでなく、シリアやレバノンでも彼等の勢力は喪失するであろう。

* 穏健派が政権を握れば民主主義にそれだけ近付く。
* 国民の2/3を占めるイランの若者は比較的親米である。少なくとも彼等はアメリカ文化が好きである。

イランの人口の多くがすでに親米であるから、我々が極端なことさえしなければ、イラン市民をアメリカの味方につけることができる。だからイラクスタイルの侵攻は問題外だ。理想はウクライナ風のオレンジ革命だ。少なくともそのような動きが自然に起きた場合にそのチャンスを見逃さないようにしっかりと諜報を集めておく必要があるだろう。
原文はこちらBig Lizards.netより:Iran Strategies 1: the Guillotine Gambit


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イラン攻撃作戦1、攻撃作戦の選択色々

今週いっぱい、私はネットアクセスのない場所で過ごさねばならないため、ミスター苺がBig Lizards.netで去年あたりから書き続けているイラン対策を少しづつ翻訳して紹介したいと思う。リアルタイムでの掲載ではないのでコメントへの返信は遅れると思うがそのへんはご了承いただきたい。
イランをどうするのか、どうもイランとの国連による交渉は全く拉致があかないようだし、このままではいずれはアメリカはイランと戦争をするはめになるだろう。だが、一口に戦争をやるといっても、第二次世界大戦のような戦争はもはや時代遅れであり、空爆を主体とする攻撃はイスラエルによるレバノン攻撃をみていてもわかるように、庶民への被害が大きいだけで肝心の標的を能率良く破壊することができない。ではいったいどうすればいいのか。
ここで三つ違ったやり方を考えてみよう。

  • 1. すでに分かっている核兵器施設の三つか四つを選りすぐって攻撃し、イランの核開発を遅らせ、対策を検討する時間稼ぎをする。
  • 2. 核兵器施設と解っている場所及び疑わしい場所すべてに一斉攻撃をかけ、イランの核開発計画を破壊する。
  • 3. イラン全体を侵略する。
  • 3番目は最初から問題外だ。アメリカはイランを侵略し占領するだけの人員など持ち合わせていない。イラクとアフガニスタンで手一杯なのにイランまで手をのばすことなど不可能である。クリントン前大統領の徹底的軍隊縮小がいまとなって仇となった。
    1番の限定攻撃作戦だが、標的を限定してみてもイランからの反撃は総攻撃のそれと全くかわらないだろう。我々が攻撃を制限したからといってイランが反撃を手加減するとは思えない。限定であろうと総攻撃であろうとイラン攻撃に協力する同盟国の数はかわらないだろう。つまり、総攻撃と限定攻撃ではこちらの損害は全く同じだということになる。
    1番と3番がだめとなると、残りは2番の

  • 核兵器施設と解っている場所及び疑わしい場所すべてに一斉攻撃をかけ、イランの核開発計画を破壊する。
  • ということになる。
    しかし一斉攻撃をかけるといっても、具体的にどうすればこの作戦を成功させることができるのであろか?
    この攻撃で問題なのはイランが実際何を持っているかがはっきり解っていないことにある。イランにはすくなくとも20数カ所の核兵器施設があるといわれているが、多く見積もるとこの数は70とも80ともいわれている。攻撃作戦がなにひとつ失敗せずに大成功だったとしても、イランの核兵器施設をすべて破壊することはできない。完全破壊ができなければイランの核兵器開発を阻止することはできないのである。
    なるべく多くの施設を破壊するためには正確な諜報が必要である。ここでもし、イスラエルの秘密警察、モサドの協力を得ることができればアメリカは大いに助かる。イスラエルはフセイン時代のイラクには潜入することができなかったが、現在のイランにはかなり秘密工作員が侵入しているらしい。イスラエルの諜報部はアメリカのCIAでは決して突き止められない情報を既に持っているのだ。イスラエルもアメリカが本気でイランを攻撃するつもりだと判断すれば、アメリカが生半可なやり方で中途半端な結果をだすよりは全ての施設を破壊してくれた方がイスラエルもありがたい。なぜならアメリカが失敗すれば、その報復は好むと好まざるとに関わらずイスラエルに向けられることは間違いないからである。
    こうするとこの作戦はちょっと改良されて

  • イスラエルの諜報でつきとめた、核兵器施設と解っている場所及び疑わしい場所すべてに一斉攻撃をかけ、イランの核開発計画を破壊する。
  • となる。しかしこのような「神に対する暴虐」をイランが許すはずはないから、もってるもの全てを駆使して猛反撃をしてくるだろう。イランはアメリカまで届く長距離ミサイルはもっていないが、アメリカ軍が駐留しているお隣のイラクへなら攻撃は可能だ。
    またイランが化学・生物兵器を所持していることはほぼ確実である。イランはこれらの武器を守りの甘い一般市民に向けて使うであろう。ということは攻撃の際には同時に弾道およびクルーズミサイル、爆撃機、軽飛行機、ヘリコプターに至るまで、イランの反撃機能も完全に麻痺させなければならないことになる。
    イランからイラク、アフガニスタンへ続く道も閉鎖せねばならない。そしてイラクに駐留しているアメリカ軍をイラン国境のイラン側へ移動させ、付近にあるテロリストのアジトに不意打ちをかけ、徹底的に潰す必要がある。
    思うにイランはアメリカからの攻撃はいずれあると予測しているはずだ。しかし多分彼等はクリントンがフセインイラクに仕掛けたような限定攻撃を期待しているはずである。数日間の限定標的への空爆ならイランはたえられると踏んでいるに違いない。だから我々がこのような一斉攻撃を仕掛ければ彼等の不意をつくことができる可能性は非常に高い。
    しかしこれをやっても、我々の完全な安全は保証されない。イランはいずれ反撃にでるだろう。もし長距離、中距離のミサイルがいくつかでも残れば、アメリカ、イスラエル、イラク、アフガニスタン、そしていずれはヨーロッパまでミサイルを飛ばしてくるだろう。それを予期して我々は弾道ミサイル防衛システムをできる限りの広範囲に備えておかねばならない。
    さらに、イランがヒズボラを活用することも考えねばならない。ヒズボラは言ってみればイランの先攻特別部隊である。イランを攻める同時にヒズボラも攻めなければならない。
    このへんはイスラエルに任せて、シリアがコントロールしているレバノン系ヒズボラが巣食っているベカバレーあたりを空爆してもらうのがいいかもしれない。レバノンがイスラエルの攻撃に協力などするはずはないが、ヒズボラが退治されても特に文句はいわないだろう。
    ふむふむ、この作戦かなり良くなってきたぞ。

  • イスラエルの諜報でつきとめた、核兵器施設と解っている場所及び疑わしい場所、ミサイル基地、航空基地、イラク国境線に巣食うテロリストのアジト、レバノンのヒズボラなどすべてに一斉攻撃をかけ、反撃に備えてミサイル防衛システムをはり巡らせ、イランの核開発計画を破壊する。
  • 無論、攻撃の直前には敵を混乱させるため味方の軍は意味があろうとなかろうとあちこちに移動する必要がある。こうしておけば相手は何かが起きるとは察知しても何時何処でどのような攻撃があるかを正確にとらえることができないからだ。ま、これは戦争の常識だから言うまでもないが。
    最後に大事な点を指摘しておこう。これは多分欧州にはショックだろう。だから事前に彼等に言ってはならない。イランにもれる可能性が大きいからだ。
    イランはアルカエダとかなり親しい関係にあるという。アルカエダはいまでもアメリカ本土攻撃をあきらめていない。イランが危機に陥れば、必ずやアルカエダに資金援助などをしてアメリカ攻撃を委託するだろう。アメリカを内部から崩してアメリカがひざまずかせようとするだろう。
    であるから、我々がイランとヒズボラを攻撃するのと同時に、アメリカ国内にあるイラン大使館、イラン系聖廟、市民団体、などに一斉に手入れをする必要がある。
    書類などをすべて没収し、国内に潜むアルカエダメンバーをいぶり出すのである。イランについての専門家であるケニス·ティマーマン(Kenneth Timmerman)氏によれば、イランの諜報省(MOIS)の大臣であるHojjat-ol eslam Ali Akbar を含むイランの高官や、イランの最高指揮官アヤトラ·アリ·コメーニ(Ayatollah Ali Khamenei )自らが過去にアルカエダのリーダー、アイマンザワヒリやオサマビンラデンと直接会見しているというのだ。
    イランはイラクのフセインや他の独裁者らと同じように外国勢力との会見については詳細な記録をとっているはずである。イラン大使館に納められているアメリカ国内のアルカエダアジトや名簿などはFBIやCIAが何年かかっても集められないような膨大な資料であるに違いない。無論、アメリカ国内の外国大使館を襲うなどということは、国際社会から非難轟々だろう。特にこの作戦では国連ビル内の大使館も含まれるのだから。しかし、考えてみればイラン攻撃ですでに国際社会は大騒ぎしているだろうから、もうひとつくらい加えても大したかわりはないだろう。
    というわけで、最終的にこの作戦は:

  • イスラエルの諜報でつきとめた、核兵器施設と解っている場所及び疑わしい場所、ミサイル基地、航空基地、イラク国境線に巣食うテロリストのアジト、レバノンのヒズボラなどすべてに一斉攻撃をかけ、反撃に備えてミサイル防衛システムをはり巡らせ、それと同時にアメリカ国内にあるイラン大使館、聖廟、市民団体の事務所などに一斉に手入れをし、アルカエダメンバーの名簿やアジトを含むすべての書類を没収し、イランの核開発計画を破壊する。
  • はあ、なんかすごい計画になってきた。しかし実際に攻撃をしようというならすべての可能性を考えておいた方がいい。たとえ計画に時間がかかったとしても、後になって「あ、あれを忘れていた!」なんてことになっては意味がない。マキアベリが言ったように、「王に攻めるなら王を殺さねばならん」
    生半可な攻撃ならやらないほうがいい。やるなら徹底的にやらねばならないのだ。
    原文はこちらBig Lizards.netより:Iran Strategies 0: Re-examining the “Default Assault”


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    韓国の裏切り

    さっきフォックスニュースをみていたら韓国で反米のデモが起きているという話をしていた。え?反米デモ?反北朝鮮じゃないの?と思ってよく聞いてみたら、アメリカが音頭をとって国連が北朝鮮への経済制裁を決めたことに抗議をしてのデモだという。ちょっと抗議をする’相手を間違えてないか、国際社会の意向を無視して韓国の安全に危機を及ぼす核兵器実験をおこなった北朝鮮に攻撃すべきなのでは? なんて考えるのは韓国の幼稚な外交を理解していない人間のいうことなのだろう。
    このような韓国政府及び韓国左翼(?)の行動に対して朝鮮日報のコラムは韓国が国連や同盟国であるアメリカを裏切る恥知らずな行為だと辛らつな批判をしている。

    盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の安全保障政策の代弁者ともいうべき青瓦台(大統領府)の宋旻淳(ソン・ミンスン)安全保障室長は「国連に韓国の運命を任せるのは自らの運命を放棄するということ」と発言した。また、「まともな国は自国の問題を絶対に国際化・多国化しない」とも述べた。

     だが、今日この大韓民国が存在するのは、56年前の国連決議(韓国戦争〈朝鮮戦争〉における北朝鮮弾劾決議)のおかげだ。その国連に対し、今になって「国連に運命を任せることができない」とは、これ以上の裏切りがあるだろうか。裏切りの中にも、恥を知り陰でこっそりとする裏切りと、恩人の面前で見ろと言わんばかりに図々しくやる裏切りがある。現政権の国連に対する裏切りは、どうも後者のようだ。いくら言いたいことがあったとしても、そのようなやり方ではいけない
    今日多くの発展を遂げた国として、国力にふさわしい待遇を要求するのは当然だとしても、韓国の今日があるのは米国の支援のおかげだということまでをも忘れてしまっては困る。米国人らは現在、韓国と韓国人に裏切られたと感じている。ある世論調査で「韓国の安全保障にとって、最も懸念される国は米国」という結果が出たとき、米国人らは衝撃を受けたという…
    そして、裏切りの極致をいくのが北朝鮮の独裁者らだ。大韓民国の進路をいつも遮ってきたのは、北朝鮮の支配者とその追従者たちだった。戦争を起こして数百万人を殺し、機会あるたびに韓国にテロを加え、挙句の果てには核兵器でわれわれの首を締めようとしている.。韓国は北朝鮮を助けようと苦労し、できるだけのことはした。それならば、感謝の念までは持たずとも、「火の海」や「火炎」で恐喝するのは控えるのが当然ではないだろうか…
     与党ヨルリン・ウリ党の代表が、核実験の衝撃が収まる前に開城へ行くと言い、与党の議員らが金剛山の案内員の言葉だけを聞いて「平穏なようだ」と言ったとき、人々は韓国内に「金正日の友人」が数多くいるということを知った。そして韓国国民全員が、自国の運命を国連に任せるとか、問題を国際化することはできないという青瓦台の見解に接してからは、彼らが国連を裏切った以上に国民を裏切っているということを悟っている。まるでどこかで誰かが順々に裏切りのボタンを押しているような印象さえ受けるほどだ…
    北朝鮮の核実験をきっかけに、全世界と米国・日本が一方に、韓国と中国がもう一方へと構図がすっかり変わり、韓半島(朝鮮半島)内部でも北の金正日と南の盧武鉉・金大中(キム・デジュン)が軸を成す構図に変化している。北朝鮮を擁護する側は、何かにつけて「戦争をする気なのか」と言い、平和主義者のふりをするが、彼らによって戦争の危険はむしろより大きくなっている。核実験で実際に戦争が起きなくとも、国民が戦争の不安に陥ればそれで十分に脅迫の效果は得られるのだ。

    朝鮮戦争で敵として戦った北朝鮮が、いまや核兵器まで持って韓国及び近隣諸国の安全を脅かしているというのに、共産政権の独裁主義から守ってくれたアメリカの恩を忘れ、お世話になった国連に楯をつき、芸能産業などで友好的な姿勢を示す日本に唾を吐き、先の戦争で自分らを滅ぼそうとした北朝鮮に迎合する韓国のノムヒョン政権。
    そんなに民族主義におぼれたいのか? 朝鮮民族の血を共有しているということがそんなに大事なのか? 北朝鮮からは韓国は腰抜けだとあざ笑われていることにさえ気がつかないのか?
    来年の大統領選で、韓国の人々がこの裏切り者政権をおいだしてくれることを願うのみである。


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    我らが敵BBC(イギリス国営放送)

    以前にイギリス在住のななっちさんが、イギリスのテレビや映画ではアメリカ人像といえばキリスト教に凝り固まった下品で田舎者で馬鹿だという描写が多いという話をしておられた。イギリスに住んでいたこともある龍之介さんも「BBCが世界の良識?嗤わせるな!」とかいておられる。今日BBC内部の会議内容が漏洩した記事で、お二人の言い分もさもあらんと思えるものがあった。この記事でイギリスの国営テレビ局BBCは左翼エリートに占領されていると自ら認めていることが明らかになったのである。
    イギリスの国営放送局BBCが秘密裏に行った「客観的サミット」会議から漏れた情報を元に、デイリーメイル紙でサイモン・ウォルターが書いている記事によると、(We are biased, admit the stars of BBC News、By SIMON WALTERS, Mail on Sunday)BBCの重役達は自分らはこの会議においてすでに視聴者や批評家が昔から言っていた偏向を自らみとめていることがわかった。

    その日はBBCの重役らやスター司会者らが批評家が何年にも渡って言ってきたことを認めた日だった。BBCはキリスト教徒に偏見を持ち、多種文化主義を好むトレンディで左翼リベラルに仕切られていると認めたのだ。

    BBC会長、マイケル・グレード氏が主催した「客観的サミット」の漏洩した内容は BBCの大事な時事問題の報道の仕方、特にイスラム教徒や対テロ戦争に関して、新しい話題を巻き起こすことは間違いない。
    この会議で明らかにされたのは、テレビのお笑い番組で重役らは聖書をゴミ箱に捨てることは容認するが、コーランは駄目、機会があればオサマビンラデンとのインタビューは放映する。さらにBBCの「多様化首領」はイスラム教徒の女性アナウンサーにベールをしたまま出演させたいと語っていたことが提示された。 I
    ロンドンで先月行われたこの秘密会議は、ベテランのブロードキャスター、スー・ロウリー( Sue Lawley)の司会で行われ、重役たちは、BBC社は同性愛者、少数民族、多種文化主義をわざと広めようとする人々によって独占されており、反米で反地方のうえキリスト教徒の気持ちよりイスラム教徒の気持ちを気遣っていると認めた。
    あるベテラン重役は「我々は政治的に正しい方向へ行き過ぎたのではないかという意識は広範囲にわたって認められています。」と語った。「残念ながら、BBCの文化に深く浸透していてそう簡単には変えられないのです。」

    これについてアメリカのブログ、パワーラインではBBCワシントン支部の局長だったジャスティン・ウェッブ氏と話た時, BBCはアメリカに対する偏見がひどすぎるため deputy director general のマーク・バイフォード氏が密かに間違いを正してくれることに同意したという。ウェッブ氏によるとBBCはアメリカをさげすみアメリカには全く道徳的価値がないとしていることを付け加えた。
    カカシはBBCのドラマは結構好きで昔から良く観ている。特に歴史者や文学者のテレビドラマ化は非常に質が高く、派手なだけで中身のないアメリカドラマよりもずっと味わいのあるものが多いからだ。1980年代に放映されたシャーロックホームズの冒険シリーズは原作に忠実な傑作集だった。(DVD持ってるもんね) 
    コメディでも1970年代のモンティパイソンなどはカルトクラッシックで今でも全世界で親しまれている。
    だが、最近のBBCコメディは面白くもなんともない。私がたまに観るリトルブリテンなどはその典型で、この間も傲慢なアメリカの大統領とハンサムなイギリスの首相が会談中、双方のオカマ男性アシスタント二人が口げんかをするという意味の解らないスキットがあった。同じ番組の別のスキットでは破廉恥な格好のオカマ男性(ミスター苺と同じ名前)の前でカトリック神父が男性の恋人とキッスをする場面があった。 まさにひとつの番組でアメリカとカトリック教を馬鹿にするというダブルパンチ。
    アメリカのCNNといい、イギリスのBBCといい、どうしてこうも自分らの国や同盟国をこき下ろす放送局が多いのか。彼らは自由民主主義の恩恵にどっぷりつかりながら、常にその社会を破壊しようと励んでいる。どうにも理解できない心境だ。


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    米共和党スキャンダルを超え巻き返す

    この間からずっとバージニア州に出動じゃないや、出張している話は昨日も書いた。 カカシは自宅ではあまりテレビニュースを観ない。私はニュースはもっぱら朝の通勤中にラジオで聴くか職場でネットサーフしながらニュースを読むのが常である。たまにニュースをテレビで観るとしたら、職場の待合室にあるテレビで写しっぱなしなっているフォックスニュースくらいだ。
    それで出張先のホテルでCNNニュースを観ていたらそのあまりの偏向放送におくちあんぐり! な、な、な、なんだこれは! とあきれ返ってしまった。普通のアメリカ市民はこんなニュースを毎日観ているのか、どうりでイラクは泥沼だとか共和党はもう終わりだとか思うわけだ。(たまには敵のプロパガンダも観てみるものだ。)
    たとえば共和党が最近放映しだしたこのテレビコマーシャルについて、CNNはテロリストの脅威を誇示して、アメリカ市民を不必要に脅かしているというコメント入りで紹介。
    さて、それで肝心の支持率だが、共和党はマーク・フォーリー議員のスキャンダルでてっきり支持率がた落ちと思いきや、そうでもない。 
    ブッシュ大統領と共和党の支持率はスキャンダルの前まで少しづつではあるが、じわじわと上昇しつつあったことはこのブログでも何回か書いた。特に今年の9月11日以降、共和党の支持率上昇振りは結構見ごたえのあるものだった。ところが9月29日、ABCテレビ局とワシントンポストがフロリダのマークフオーリー議員のスキャンダルを暴露して共和党勢いが急停止してしまった。
    共和党にとっては大打撃だった、、、はず、、、ところが、、ジャジャーン!
    民主党はスキャンダルのおかげで支持率急上昇。ちょうど10月11日から12日にかけてこの人気は頂点を迎えた。この時点で取られた世論調査では民主党が断然有利だったため、主流メディアは1994年に共和党が上下院で多数議席を奪ったような大津波が起き、民主党が40から50の議席を取って、民主党が晴れて上下議会を再び支配するときが来ると歓喜の声をあげていた。
    しかし選挙を二週間半に控えたいま、振り子はまた反対に振ろうとしている。スキャンダルの炎が燃え尽き、高揚する経済、低い税金、国防などが再考され、共和党の支持率が再び上がり始めているのである。イラク状況でさえ、対テロ政策として再び見直されてきている。それに引き換え民主党は勢いを失いかけている。
    しかしおかしいではないか、通常ならば共和党は10月の中旬にそのピークを向かえ、後はだんだん支持率が落ちて民主党の支持率が上がるはずだ。 民主党が自分らの政策を打ち出し、共和党と対抗する考えを国民に訴えるという通常の選挙運動をしていれば、この次期支持率が向上するのは民主党のはずだった。しかし民主党はフォーリー議員のスキャンダルに力を入れすぎて選挙運動を怠ったため、この自然の振幅リズムを崩してしまったのだ。
    つまり民主党は共和党が時期早尚にピークに達するのを防いで、反対に自分らのピークを早めてしまったのである!
    さてさて、11月7日の選挙はどうなることやら。 ところで、私は選挙当日も出張中で投票できないので、投票を郵便で送れるよう手続きをしておいたのだが、「投票券きた?」とミスター苺にきくと「あ、君ね、もう投票したよ、全部民主党にいれといたから安心したまえ」とミスター苺。あ~た、ちょっと冗談きついわよ。(笑)


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    日本の核武装とアメリカの思惑

    北朝鮮の核実験の文脈で日本の核武装が話題になっている。 私もこのことについては北朝鮮核兵器実験と日本の核開発ええ~? 日本の核がアジアを救うって?でちょっと触れてきた。
    実は私は日本が核武装をすべきなのかどうか、という問題に関してはまだはっきりとした結論を出していない。双方の意見を聞くたびに、「なるほど~、そうか~」と考えがあっちへいったりこっちへいったりするので、まだまだなんともいえないのである。そこで今回は賛成意見も反対意見も両方紹介して読者の皆さんと一緒にこの問題を考えてみたい。多分この問題は今後も何度も訪れることになるだろう。
    先ずアメリカのブッシュ政権は日本の核武装には大反対である。このあいだアメリカのコンデリーザ・ライス国務長官がわざわざ日本へ訪れて、日本は安保条約でアメリカの傘下にあるから核兵器開発の必要はないと暗に日本核武装への釘をさした話は昨日もしたとおり。 どうしてブッシュはこうも日本の核武装を嫌がるのかねえ、とミスター苺と話していたら、「それは君、ブッシュはなんだかんだいっても外交面ではかなり凡人なんだね。昔堅気の気性だから核武装はよくないという先入観から抜けきれないんだろう。」という答え。
    これまでにも日本が核兵器を持つべきかという話題が上ったことは何度もある。だが、それは常にアメリカが中国に北朝鮮の核開発をやめさせる圧力のひとつとして使ってきた脅しであった。つまり、もし中国が北朝鮮への財布の紐を締めないなら、日本が核武装して大変なことになるぞ、といういわゆるハッタリ核カードであった。 アメリカも日本も本気で日本を核武装しようなどとは毛頭考えていなかったのである。
    しかし北朝鮮が実際に核実験を行ったことで、(いくら失敗とはいえ)この事情は大きく変わってしまった。アメリカでも昨日紹介したチャールズ・クラウトハンマー氏だけでなく、極わずかではあるが、他にも日本の核武装は実際に中国に圧力をかける実態のあるものとして考えるべきときが来ていると語る人たちがいる。
    古森 義久氏は10月13日のコラムのなかでそんな意見を紹介している。(カツラギさん紹介)

    ブッシュ政権で大統領補佐官を務めたデービッド・フラム氏がニューヨーク・タイムズ10月10日付に発表した寄稿論文での主張である。フラム氏はこの論文で北朝鮮とその背後にいる中国を厳しく非難していた。北朝鮮が米国をはじめ国際社会をだまして、核実験に踏み切り、しかも中国はその冒険を阻止できる立場にあるのに止めなかった、と糾弾している。だから米国は北朝鮮と中国にそんな危険な挑発行動への代償を払わせるために一連の断固とした措置をとるべきだ、と主張している。

    フラム氏はそのなかで日本について次のように述べていた。
    「米国は日本に対しNPTを脱退し、独自の核抑止力を築くことを奨励せよ。第二次世界大戦はもうずっと昔に終わったのだ。現在の民主主義の日本が、台頭する中国に対してなお罪の負担を抱えているとするバカげた、見せかけはもうやめるときだ。核武装した日本は中国と北朝鮮が最も恐れる存在である」。
    「日本の核武装は中国と北朝鮮への懲罰となるだけでなく、イランに核武装を思いとどまらせるという米国の目標にも合致する。日本の核武装の奨励は、他の無法国家がその地域の核の均衡を崩そうとする場合、米国とその友好諸国がその試みを積極果敢に正そうとすることをイランに知らしめることになる。米国はイスラエルの核攻撃能力を高めることもできるのだ」

    日本に関する同氏の主張で注目されるのは、米国にとって日本は核兵器開発を促せるほど信頼できる同盟国だとみなしている点であろう。米国からみて日本が敵に回りかねない不確定、不透明の国家であれば、そんな国の核武装を奨励するはずがない。

    無論日本が核武装などとんでもないという意見の方がアメリカでも日本でもまだ大半を占めているようだから、今後これがどういうふうに発展していくのかは定かではない。このトピにもよくコメントを下さるアセアンさんはアメリカが日本の核武装「ブラフ(はったり)」を応援しようなど「ナンセンス以外のなにものでもない」とし、日本とアメリカの双方の国益にも全くプラスにならないと言い切っておられる。

    五百歩以上譲って(・・・)日本が核武装したとして(その前段階をすっ飛ばしてますが)その核の目標は何処に向けられているのか?ですね

    中国?韓国?ロシア?それとも米国?・・・日本の核武装には米国にとって大きなパラドックスを含んでいるんです。
    つまり日本が核武装を行えば、当然現在の日米安保による「核の傘」は外されることになる・・・乱暴な言い方をすると米国はハワイ以西に米軍を駐留させる意味が消失する。
    日米同盟が日本の核武装後も堅持される保障がそもそもなくなるんですよ。(米英同盟・・・ってのはその意味合いが違いますからね)。 現在の米国の国是でもある「核拡散を防止する」どころの話じゃなくなるのです。
    当然、核武装の開発維持には膨大な費用を必要としますから、日本はGDP1%枠なんてことは言ってられなくなる。
    (米国の国防予算4,236 億ドル:約42兆円:に対抗する?それとも現行約5兆円の防衛予算をDGP10%枠に拡大して約50兆円にでもする?)
    だとするなら、当然、国民負担を軽減しよう、という話になって、日本は武器輸出三原則と非核三原則も廃止して、武器輸出国になる決意をしなくてはならない(日本のお家芸でもある、軽薄短小技術を最大限生かして低価格高性能な核兵器を輸出でもしないことにはね、MHIを筆頭に本音では武器輸出したい企業は五万とある:多分、儲けもあるだろうけど、自社製の戦闘機でもMBTでもが活躍する姿を見たい!ってな技術者の能天気な願望だけかも知れないですけどね)
    つまり”世界の超大国であり続け、世界最先端の軍事技術大国であり続ける”という米国の基本が日本の核武装を容認することで崩壊する可能性が高くなるんです・・・許せますか?そんなこと米国が?

    実はラムスフェルド国防長官はアメリカ軍の構成をかなり変革しようと努力してきた。これまでのような歩兵重視の物量作戦ではなく、小さな独立した部隊が臨機応変に対応できる軍隊つくりを目指してきた。そしてその一部として、地元同盟軍の大幅な起用がある。ラムスフェルド長官は世界で危機が起きるたびにアメリカ軍が大量に繰り出す昔風の戦争を嫌い、なるべく地元の軍隊を駆使しアメリカ軍は指導及び後方援助に回るというやり方を好んでいるのだ。イラクで圧倒的多数のアメリカ軍を動員してイラクを完全制圧してしまわず、わざわざ面倒くさいイラク軍養成などという回りくどいことをやっているのも、将来中東の安全は中東の国々に任せたいという思惑があるからである。
    これは大げさには取りざたされてはいないものの、フィリピンや中南米などでも行われていることなのだ。そして東洋では韓国がいい例だろう。何故、最近アメリカは勧告に軍の総指令権を移譲しようとしているのかといえば、韓国の防衛はいい加減韓国にやってもらおうという考えからである。 
    ではその延長として、極東の防衛はそろそろ日本に肩代わりしてもらってもいいのではないか、と考える人がでてもこれは一言でナンセンスとは言い切れないと思う。
    アセアンさんがいみじくもおっしゃっているが、「日本が核武装を行えば、当然現在の日米安保による「核の傘」は外されることになる・・・乱暴な言い方をすると米国はハワイ以西に米軍を駐留させる意味が消失する。」というのは果たしてアメリカにとって悪いことなのだろうか?
    アメリカが超大国で軍事最強国であるという事実が日本が核兵器を持ったくらいでそう変化するとは思えない。だが、たとえ日本が今よりもずっと経済的にも軍事的にも強国となることが実際に悪いことなのかどうかは、日本がどれだけ世界平和への熱意を真剣に保持しているかにかかっている。日本が昭和初期のような軍事独裁政権をいまだに奨励するような国だというなら話は別だし、共産主義に傾きつつあるというならこれも問題だ。
    だが、クラウトハンマー氏やフラム氏が言うように、日本は過去60年にわたってもっとも安定した民主主義を保ち、太平洋戦争の壊滅状態から世界にほこる経済大国へと発展した。(その間諸外国を占領しようなどとは微塵も考えず。) アメリカが日本の核武装を容認するかどうか、それはアメリカがどれほど日本を信頼しているかにかかってくるだろう。
    ただ、ひとつ心配なのは核武装が与える中国以外のアジア諸国への影響である。
    アセアンさんは日本が核武装した場合の東南アジアへの悪影響は多大だとおっしゃる。中国を威嚇するどころかかえって彼らの危機意識を激化させる。またベトナムやタイなどのアジア諸国は太平洋戦争時代の日本への不信感と脅威がよみがえり、東南アジアに進出している日系企業を対象にテロ行為にでないとも限らない。そうなった場合、日本は海外の日本人や企業を守るために自衛隊を海外派遣するなどという軍事力などない。核兵器では正体のわからないテロリストを威嚇などできないのだと。
    日本が核武装をするとなると、核兵器開発だけではことは収まらない。それに付随する政治的軍事的な影響も考えて、日本は日本の軍事を根底から覆して考え直さなければならなくなる。 もし日本が本気で核開発に挑むなら、日本もアメリカもその影響を充分に覚悟の上で始めなければならない。


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    ええ~? 日本の核がアジアを救うって?

    龍之介さんがまたまた面白い訳で、ミスター苺がサワークラウトと呼んでいるチャールズ・クラウトハンマー氏のコラムを紹介してくれているので、こちらでもお借りしてしまおう。
    この間米国のコンデリーザ・ライス長官が北の核実験後の訪日で、日本は核兵器を持つなどという大それたことは考えないようにと釘を刺して帰ったのに対して、クラウトハンマー氏は何故日本ほど頼りになるアメリカの同盟国で経済大国である日本が、おふらんすやインドは愚か、すぐテロ国家になりそうなパキスタン、「そしてそれから『親愛なる首領様』が生まれて初めてゴルフをお楽しみ遊ばしたのに5回もホールインワンをお決めになられ、6つもオペラをお作りにもなられた、なんぞと伝えられる、宇宙一キチガイ国家、北朝鮮」までが核を持ついま、日本が核兵器を持って何が悪いのかと問いかける。

    日本は模範的な国際的市民、ってだけじゃねーんだよ。ダイナミックな経済。安定した民主主義。目立たず騒がずの外交政策。しかもアメリカにとって最も重要で最も信頼出来る、同盟国だろうが。その上ってのはイギリスしかないんだよ。わかってるか?最近のアメリカ外交政策の、もちょっと地味な成功の一つ。それは米日同盟の強化だ。日本政府はミサイル防衛システムの開発と配備に参加した。神経痛みたいな台湾問題において、アメリカと手を握り合って、万が一にも紛争が起こっても団結するぞ、と誓ったんだぞ。

    日本の核保有検討は、中国が北朝鮮非核化に集中、という効果を即座にもたらすだろう。 中国は計算している。 自分とアメリカ軍によって補強されたダイナミックで資本主義の南朝鮮の間にはさまった、北朝鮮は便利バッファーね、と。 中国は、我々にとっちゃ悩みの種の手下国家に、結構満足してる。 アジアの余白で野望を広げないように、我々を抑え込んでいるからだ。 結局の所だね、金王国の核兵器なんてのは、東じゃなくて西向きに狙いを定めているんだよ。
    けど、日本が「おらおら、核保有するぞ」と脅せば、この計算は狂ってくるだろう。それどころか、中国に金正日を絞り上げさせる事すら出来ちゃうかも知れないよ。だって奴等は日本に核兵器を持って欲しくないんだから。この日本カードってのは、金正日の核兵器開発を逆戻りさせる、なんて超ウルトラCすら可能に成っちゃうかも知れない、唯一無二のカードであり続ける。
    日本のさ、北朝鮮の脅しへの対応ってのもさ、結構強力だし、厳しい制裁だって結構断固としてやるって言ってるし。これは勿論、自己利益の為ね。利他的なもんじゃないよ。でもそこが味噌なんじゃん。 日本の当然の国益ってのは、アメリカの太平洋環の国益と一緒な訳。 軍事的安定性を維持して、政治的安定性を維持して、遠慮なくブクブクでかくなる中国を平和的に封じ込めて、平壌のヤクザ国家に対抗して、んでもってアジア中に自由民主主義モデルを拡大する、と。
    この世間にはタダ乗りしようとする同盟国が山ほどいるじゃないか(一番とんでもないのは、あの宥和常習犯の南朝鮮だろ)。その中でだよ、この安定した信頼も出来る民主主義的な同盟国は、我々が重荷を担ぐのを手伝おうとしてるんじゃないか。
    なんだって我々はそう必死こいて、手伝う方法に「反対反対」って言ってるんだよ?

    私はずっと日本は核アレルギーがあるから核所持国にはなれないのではないかと考えていた。しかし最近になって安部総理が日本の憲法を改正する必要があるとか、麻生外相が核の話もすべきだと言い出したことは、日本もそろそろやる気が出てきたのかなという気はする。
    この間の日曜日、飛行機で隣に座った男性は海軍で空母艦の仕事をしている人だった。横須賀では今停泊しているキティホークと入れ替わりに新しい空母艦が行くことにいなったのだが、この後継船は原子力軍艦である。「あれ、日本は原子力船の乗り入れは禁止しているのでは?」と聞いたら、その人は肩をすくめていた。 どうやら米軍と神奈川県との話し合いで、安全訓練を定期的に行うということで新しい船の乗り入れを日本は認めたらしい。 ま、いくら反対してもアメリカではもう原子力軍船以外の空母艦を製造していないから仕方ないのだが。
    こんなことを書くとまた神奈川県民を不必要に怖がらせることになってしまうが、この艦には核兵器を積む機能が配備されている。無論港に停留中の船には武器を積まないことになっているから日本に停泊中に核兵器がこの船に積まれているということはないだろうが、私は日本政府のこの譲歩の姿勢は今後日本が核所有国になるためのベイビーステップなのではないかという気がしないでもない。
    はっきりいって、アメリカはあまり日本にきついことはいえないはずだ。クラウスハンマー氏もいっているように、日本はアメリカにかなり恩を売ってるし、日本が極東を守ってくれることはアメリカにとっても都合のいいことのはずだ。 その守りに核が必要だというなら、アメリカが日本にとやかくいう筋合いではない、、と私はおもうけどね。


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