民間保険を破壊するオバマ国民保険案の陰謀

先日、健康保険の国営化はファシズムの兆候であるという話をしたが、オバマ王の国民健康保険案の内容について、さらに詳しく説明しているサイトを幾つか読んでいて、オバマ王による民間保険企業破壊陰謀はカカシがおもっていたよりもずっと深刻でひどいものであることがわかった。
最初に読者のマイク・ロスさん紹介のタウンホールドットコムに掲載されていた共和党のトム・プライス下院議員のコメンタリーから読んでみよう。
日本の読者諸君は覚えていないかもしれないが、クリントン大統領の時代に夫人のヒラリーが提案した国営健康保険、いわゆるヒラリーケアは、国民の間でものすごい不人気だった。プライス議員によると、民主党はこの以前の失敗を教訓として、今度は国民に選択の余地を与えるとか、(public option)とか民間保険企業と競争する(compete)とかいう、いかにも自由市場を思わせる言葉を掲げ上げて、事実を覆い隠し、選択の余地も競争もなにもあったもんじゃない国営健康保険によって健康保険乗っ取りを計っているという。
国営保険プランは利益の有る無しに関わらず、巨額な国税の援助によって経営されるので、実質的利益に頼る民間企業では連邦政府財務庁に支えられた底なし政府プランには立ち向かえない。それで一見国営保険の方が安くて色々な医療を提供してくれるように見えるため、何百万という国民が国営システムの方に導かれることとなる。ここに深い落とし穴があるということも知らずに。
お役所仕事が民間企業より能率が悪い事は誰でも知っていることなので、多少の高額を払っても民間保険を選ぶ人はいるはずだ。しかし、オバマはそういう「間違った選択」をする国民や企業を罰する方法も用意している。
先ず第一に、国民に最低限の健康保険の加入を強制する。そして企業にもすべての従業員に健康保険を提供することを要求する。すべての国民に健康保険を与える法案とかいって、いかにもオバマ王は国民の健康を心配しているかのように見えるが、政府が要求する保険加入を拒否した個人や保険提供に見合わない企業は厳しく罰せられる。
この案が実践されれば、これまで個人が判断して自分に必要な保険にはいっていたのに、今後は政府が個人に必要な「最低限の保険」を指定するとなったら、いったいどういうことになるだろうか?
現状では、民間保険は保険に入る人の年齢やそれまでの病気の歴史やタバコを吸うとか肥満だとかいう個人の状況を考慮にいれて、それぞれ見合った保険料を課す。保険を選ぶ側も、これまで風邪もひいたこともない健康な若者なら、不測の事故で大怪我をした時だけ保険が降りる安い保険を選んだり、または、その時はその時だとして全く保険に入らない決断をすることも出来る。
だが、オバマ法案では、55歳で三人の子持ちで家族に乳がんの人がいる女性でも、23歳の若い男性でも、政府が決める「ワンサイズ」式でまったく同じ保険に入らなければならなくなる。20代の若者に50代に見合った医療保険を押し付ければ、個人にあった適切な医療提供など不可能になる。個々には個々にみあった医療というものがあるはずなのに、そうした個人の必要性を無視するのがリベラルの典型的な姿勢だとプライス議員は指摘する。
さて、では保健料が高すぎて、政府が要求する最低限の民間保健に入れない人や、税金控除もできなくなり、保険料のかさむ保健をすべての従業員に提供するなど不可能な企業らはどうすればいいのか?
個人なら保険料の安い国営保健に加入するだろうし、企業なら罰金を払っても従業員への保健制度を全面的に廃止したほうがかえって経済的だという結論をだすようになるだろう。もともとオバマの狙いはそこにあるのだから、企業は政府に罰金(税金)を払うことで、企業提供の保険制度は崩壊する。
CNNの経済欄社説に載せられているこの記事によると、オバマ保険案には民間保険会社を破壊すべく、上記の最初の規制に加え、さらに三つの厳しい規制が含まれているという。まずオバマ保険案のよっつの提案を見直してみよう。
第二に、連邦レベルで全国一律の保険料が課される。健康だろうと病気持ちだろうと若かろうと年寄りだろうと、個人の保険料が一律になるとしたら、結果的に若くて健康な人が年を取って病気勝ちな人間の保険料を賄うということになる。
第三に、オバマ王は個人が州を越境して安い保険に加入することを禁止する。安い保険料をもとめて消費者が買い物する自由を奪おうというのである。
第四に、「公衆選択」(public option)と呼ばれる一部の人だけが加入している既存のメディケアーのような国営保険を全国民に提供する。前記の三項目が民間保険企業を完全に破壊してしまうわけだから、国民は国営の健康保険を選ばざる負えなくなるというわけ。なにが「選択」なんだよ、いい加減にしろよと言いたいね、全く。
国民が政府に医療判断を任せたらどういうことになるか、考えただけでも恐ろしい。景気がいい時はいいが、国が経済難になってきたら、先ず最初に削られるのが医療だろう。80歳過ぎの年寄りは癌の治療などしてもすぐ死ぬのだから無駄だとか、エイズの治療は高くつくし、放っておけば2〜3年で死ぬから経費節約になるとか国が判断したらどうなるのだ? 
また国民全員が国民保険に入るとなると、政府に批判的な意見を言う人間の医療申告は何故か拒否されるとか、拒否されないまでも、何故かちんたら時間がかかって許可がなかなか降りないなんてことになりかねない。オバマをファシストなどと言ってたどっかの零細ブロガーが更年期障害でホルモン治療を受けたいと言っても拒否されて、ブログが余計ヒステリックなるなんてこと、あり得るなあ。
ファシストオバマならやりかねないことだ。
命を政府に預けてしまったら、自由の国アメリカはおしまいだ。アメリカ国民よ、オバマの二枚舌に騙されてはならない。国営健康保険制度は絶対に許してはならない!


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国民保険はファシズムの兆候

一応小山エミちゃんの反論の反論の反論というかたちをとって、どうしてオバマが発案する国民保険がファシズムにつながるのかという話をしたいと思う。
エミちゃんが私の情報ソースは保守派ブログなんだろうと書いているが、ま、カカシのへんてこカタカナ表記なんかで判断しなくても、私のブログの右バーナーに保守系ブログが愛読ブログとして沢山リストアップされているのだから、シャーロック・ホームス並の推理など使わなくてもその情報源は明白なはず。(ニューヨークタイムスやAPも読んでるけどね。)
しかし、右翼や保守派側に同じような考えを持つエコーチェンバーがあるというなら、リベラルの方は主流メディアがからんでいる分、そのチェンバーの効果は保守派のそれより何十乗にもなっているということに、そのまんなかにいるエミちゃんは気がついていない。
アメリカの主流メディアはかろうじてフォックスが多少中庸であることを除けばほとんどが左向きだ。また、リベラルとか左翼は自分たちの考えが主流だと思い込んでいるので、どんなに不適切な場所でも自分らの政治見解を述べることに遠慮がない。だからアメリカで保守派をやってると嫌が応にもリベラルの考えを聞かされるが、リベラル連中は自分らと違う意見を聞くことは先ずない。大学での演説で保守派政治家や作家が現れると暴力でその演説を阻止しようとするのは常に左翼学生達だ。
エミちゃんが私のことをトンデモ保守とか言ったりするのも、左翼やリベラル連中との付き合いしかないから比較的中庸保守のカカシが過激派右翼に見えるだけ。ムーブオンやエーコーンみたいな過激派左翼が人を馬鹿にした信じられないようなことを言うのを真に受けて、常識人なら誰でも見破れる陰謀を右翼の妄想だとかデマだとか言ったりするのも左翼リベラルの現実以外きかされていないのが原因。ムーブオンみたいな権力のある組織が自分らのサイトに掲載されたビデオの管理ができないとか、エーコーンが自分らの雇った従業員の選挙違反に気がつかなかったとか、普通の人なら絶対騙されないような口から出任せを恥じかしげもなく言って退ける。それで有権者を騙せると思ってるんだから、いかにリベラルが一般市民を馬鹿にしているかが解るというもの。
NYTやCNNが民主党応援団と成り果てた先の選挙の時でさえ、エミちゃんのような人はその偏向報道に全くきがついていなかったんだろうな。
さて、前置きが長くなってしまったのだが、エミちゃんの健康保険に関する見解は非常に薄っぺらで、彼女がこの件について深く考えていない事は彼女の行き当たりばったりの供述で顕著に現れている

カカシさんの懸念は「民間の保険に税金をかけたら公的保険にみんな加入してしまう」ということだと思うけれども、これは端的にカカシさんが問題を理解していないことを示している。だって、ここで議論になっているのは、民間保険に税金をかけるかどうかではなく、「企業が社員に提供する社員福利厚生としての保険」に税金をかけるかどうかだもの。

仮に上記の四原則に沿った健康保険改革が実現したとして考えてみてほしい。人々は公的保険に加入することもできるし、さまざまな民間保険のどれかに加入することもできる。そういう制度が実現したとしても、民間企業が社員の福利厚生として健康保険費を負担することが禁止されるわけではないから、これまで通り健康保険を提供する企業も残るだろう。その場合、健康保険の費用は給料と同じ扱いとなって課税されることになるが、これは不公平ではない。なぜなら、企業が健康保険費を負担しなかった場合、それぞれの社員は自分の給料の中から公的保険なり民間保険の保険料を支払うわけで、その給料は所得税課税されているのだから、福利厚生として提供される保険だけ非課税というのはそれこそ不公平だ。
別の言い方をすると、福利厚生に課税する制度は、勤め先から健康保険を提供してもらっている人も、自分で保険料を払っている人も、みんなフラットに課税される、より公正な制度だと言える。前者だけ免税することこそ政府の恣意的な経済介入であり、企業の福利厚生制度や人々の就業意志に影響を与える「ゆがんだインセンティヴ」だ。

企業がより優れた従業員を募るために福利更正として提供している「社会保険」を「ゆがんだインセンティブ」と言ってのけるところが、さすが社会主義者だけのことはある。だが、エミちゃんのいう「福利厚生に課税する制度は、勤め先から健康保険を提供してもらっている人も、自分で保険料を払っている人も、みんなフラットに課税される、より公正な制度」という供述を裏付けるものは何もない。
現在、勤め先を通じて健康保険のある従業員は、自分が払う保険料は無料か一部負担のみだ。それに企業を通じての健康保険は好きな医者に好きな時に行ける自由の利くプログラムが多い。だからオバマ提案の規制の多い国民保険など誰も入りたいとは思わない。だが福利厚生としての保険に課税したらどうなるか? エミちゃんのいう「ゆがんだインセンティブ」というものがなくなり、一般人は高い税金を払ってまで会社を通じて社会保険に加入すべきか、それとも融通は利かないが安い国民保険をに加入すべきかという選択に迫られる。若く健康な人ならわざわざ高い保険料を払って健康保険になど入りたがらないだろう。持病でも持っていて専門医に行かなければならないという人以外は、先ず保険料の安い国民保険を選ぶだろう。
そうしたら民間保険は商売上がったりになり、事実上崩壊するという計算だ。保険を持っている国民のほとんどが国民保険に加入した時点で民間保険への加入を違法にし、国民保険への加入を強制してしまえば、これで国民はオバマの思い通りになるというわけ。今は禁止していないからとか、どの保険にも一律に課税するから公平だ、とかいうのは民間保険企業を破壊するための口実なわけで、民間企業が破壊された時点でオバマ政策がどう出るかなんて火を見るよりも明らかだ。国民から選択の余地を奪い取るファシストオバマの悪どく恐ろしい企みに騙されてはならない。

カカシさんは市場主義を支持する保守主義者なのだから、オバマ政権が福利厚生に課税しようとしている(と報道されているがまだ発表されてはいない)件については「あの社会主義的なオバマにしてはよくやった、偉い」と褒めてあげてはどうかと思うのだけれど。

民間企業が国営企業と競争できる手段を奪っておいて何が市場主義なのか?オバマが本当により安い健康保険を国民に提供したいと思うなら、州を超えて保険を購入出来ないという法律を取り除き、全国中の保険会社が一様に競争できるよう市場を解放するべきである。
オバマ提案の国民保険はオバマのファシズム促進のための一手段である。有権者よ、騙されてはならない!


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グォンタナモ収容所を閉めてはいけない理由

小山のエミちゃんが私の反論に反論しているのだが、あまりにもこじつけのような反論だし、時差ぼけでやたらにやり合う元気は今ない。グォンタナモ収容所閉鎖について、保守思想のマイク・ロスさんが、エミちゃんのコメント欄で貴重な情報を提供してくれているので、そちらのほうを紹介しておきたいと思う。
でもその前に、彼女の前置きについてひとこと。

わざわざクレタ島(クリートは英語読みで現地語ではクリティに近いらしいのだが、日本語ではクレタで定着しているのでそう表記する。現地語読みするのも日本語として定着した読みをするのも良いと思うけど、第三国の発音でカタカナ表記するのは変だと思う)でバケーション中にわたしの相手なんてしなくていいのになぁ。クレタ島で過ごせる貴重な時間がもったいないでしょ?

昨日、日本に居る父に「クリート島ってとこに行ってたんだよ。」と言ったら「そんな島は知らんなあ、、クレタ島のことかな? だったら第二次世界大戦で海上大合戦のあった島だが、、」と言われて、はじめてクリート島のカタカナ表記はクレタ島だということを知ったカカシであった。(言っとくが、私はクレタ島に遊びに行ったのではないからね。)クレタ島をクリート島と表記したのは、英語ではそう表記されてるからだし、現地の人の発音もそれに近かった。外国住まいのカカシが日本語のカタカナ表記を知らなかったからってどうってことないでしょう。こういうくだらないことを重箱の隅をつつくみたいにほじくるからリベラルは嫌いよ。では本題。
先ず、水攻めにあった三人の収容者がどのような人物であったのかという件について、マイクさんはウィキペディアを引用してこのように説明している。

Wikiによると、水攻め(Waterboard)されたのはカリー・シェイク・モハメッド(Khalid Sheikh Mohamed)とアブー・ザバヤハー(Abu Zubayahah)。この二人がテロリストではなく、テロ支援者の疑いで捕まっただけでしょうか?

紹介されたウィキによれば、カリー・シェイクは911攻撃陰謀を企てた首謀者であり、1993年の貿易センター爆破事件を初めバリのナイトクラブ爆破事件、未遂で終わった2002年のロサンゼルスバンクタワー攻撃計画、アメリカン航空爆破計画、ダニエル・パール記者斬首虐殺事件などにも加担していた事実を認めている。この事実は911調査報告書に記載されているという。ちなみにオバマ政権が公表したCIAの取り調べ法に関するリポートには、取り調べによってどれだけ貴重な情報が得られ、危険がテロ計画が未遂で阻止された事実は一切隠されていた。

もし、テロリスト=自爆で死んだ人の定義であれば、確かにテロリストではありませんが、テロリスト=テロの計画にかかわった、もしくはテロをプロデュースした人の定義でいけば、彼は立派なテロリストです。

また、彼は”戦場”で捕まった。そして、私服で戦闘にかかわったとなると、第二次世界大戦のルールで行けば、その場で射殺されても国際法上問題が無かった人物です。

小山エミやリベラルが解っていない、もしくはわざと解らない振りをしている大切な事実は、グォンタナモの収容者は単なる犯罪容疑者ではなく、不正規敵側戦闘員として捕虜となったテロリスト達なのだということだ。
もし、アメリカが敵国と戦争して敵側の正規軍の兵士を捕虜にした場合、個々の兵士の罪が裁判にかけられるということは先ずない。しかし正規軍の兵士は捕虜としてジュネーブ協定によりその人権も保証されている。
だが、不正規戦闘員の場合はそうした権利は全く保証されていない。彼らは単なる犯罪容疑者でもなければ、正規軍の捕虜でもない。だから普通に民間の裁判で裁かれるべき人間ではないし、だからといって証拠不十分などという理由で解放するわけにもいかない。母国が引き取ってくれなければアメリカ政府が半永久的に拘束する以外にない危険人物ばかりなのである。
ジュネーブ協定に関するエミちゃんの誤解について、マイクさんとエミちゃんのやり取りを読んでみよう。

エミ:兵士はジュネーヴ条約に基づいて捕虜として扱われるべきで、グアンタナモのような扱いは許されません。第二に、理由があって連れて来られたのかどうかは裁判で明かされるべきで、その裁判を受ける権利を否定するのは認められません。
マイク:ジュネーブ条約を読んでください。Guantanamoで収容されている捕虜は対象外です。また、このような人たちは犯罪者として取り扱われるのではなく、処刑される位置づけの人たちです。すなわち、生きている事自体が”恩赦”である存在です。アメリカは現地に引き渡すと殺される存在に対して慈悲をあたえ、リスクをとってまでしても一部を自由にし、リスクをとりたくない、もしくは受け入れ先が無いのが現在残っているわけです。選挙で政治家として発言したオバマ氏でさえ、ブッシュと同じ判断に至っています。
エミ:あの、だからさ、わたしはかれらは犯罪者もしくは捕虜として扱われるべきだ、と主張しているの。犯罪者なら公正な裁判を受ける権利があるし、捕虜ならジュネーヴ条約の保護を受けます。そのどちらでもないと決めつけたのはブッシュ政権であって、わたしじゃないですよ。
マイク:権利のない人を権利のある人同様に”犯罪者”として扱う事は危険です。その為にジュネーブ条約が有ります。あなたはジュネーブ条約を盾にした意見を述べていますが、同時にジュネーブ条約を無意味にしています。その矛盾を理解していただけないのなら話は前進しません。どちらでも無いと決めつけているのはブッシュ政権ではなく、ジュネーブ条約です。一度ジュネーブ条約を読んでみてください。

ジュネーブ協定を強調していながら協定の内容を理解していないエミちゃん。自分で下調べをせずにリベラルトークショーホストの受け売りで物をいうからこういうことになる。
また、こういう人間たちをアメリカ国内の刑務所に収容することの危険性についてもマイクさんはこう説明する。

すでに釈放されている人口のうち、7人中1人は釈放された国でテロを行っています。これまで、テロ容疑でアメリカ国内で逮捕された人は獄内でリクルート行為を行い、その結果、未遂に終わっているが、国内でのテロ事件はこの人たちによって計画され、実行に移されている。

罪が無い人がテロのレッテルをはられる事は問題かもしれないが、Guantanamoにいる囚人はテロに関与していると断言しても良いほどテロに関わってきた人たちだ。その人たちをアメリカの犯罪者と一緒の環境においても良いと言う考え方に問題があるとおもいますが、いかがでしょう? それとも、囚人の家族には説明しなくても良いと?

エミちゃんはテロリストが国内の刑務所に収容された場合の脱走の危険しか考えていない。だが、危険なのは脱走だけではない。
これらテロリストがアメリカ市民の犯罪者をテロ集団に勧誘する可能性も考えなければならない。刑務所で知り合った釈放間近の収容者をスパイに使う可能性もある。また国内に収容すれば、国外では与えられなかったアメリカ国内の法律がテロリストにも当てはまるという議論が生じる。そうなれば、テロリスト仲間の弁護士などを通じて国内でのテロ作戦が実行に移される可能性は大きい。
また、テロリストでも重要人物が何処の刑務所に収容されているかが公になれば、テロリスト仲間による刑務所攻撃テロも充分に考えられる。地元の人が反対する理由はこの危険性を恐れてのことである。
グォンタナモは閉鎖すべきだ、テロリストは国内の刑務所に移すべきだ、と言うのは簡単だが、そうした場合に起きる国土保証に危険を及ぼす大きな弊害についてエミちゃんをはじめ、リベラル連中は全く考えていない。人権がどうの自由がどうのと大騒ぎする割には、アメリカの自由もアメリカ人の人権も踏みにじろうとするテロリストによる攻撃には全く無頓着なリベラルたち。
エミちゃんは以前に、ブッシュ政権時代の取り調べ法は憲法違反だと書いていたが、これには全く根拠がないばかりか、完全な誤りである。エミちゃん風に言えば「嘘」である。それにういてマイクさんの説明はこうだ。

”水攻め=拷問”とするにはまず、拷問を定義しなければなりません。人の命を助ける目的で水攻めなどの行為を行う事は”拷問”ではないと判断されています。すなわち拷問の”Intent”がなければ拷問ではない。これがアメリカ法務省が下した結論です。この結論に基づいて政府の役人が業務を遂行した。それを後からリベラルの方々は”犯罪”扱いにしている。何を根拠に? 人の命を守るため、法の範囲内の行動を行った人を裁判に引きずり出し、人生を破壊し、どのようなメリットをMacskaさんは得られるのですか?

すべてのやり取りを読んだわけではないのだが、きちんと事実調査をしているマイクさんに比べ、いかにエミちゃんが印象だけで事実に基づかない議論をしているかが解る。


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ムーブオンはサイト管理に責任がないって?

小山のエミちゃんが私の反論に反論しているのだが、反論があまりにもナイーブなんでまた反論なんてだるくてやる気しないんだけど、この件だけはちょっと書いておこう。

カカシ:ファシストをファシストと呼んで何が悪い? だいたいブッシュをヒットラーとなぞらえるような選挙運動やってた党が、いまさらこんなことをいう資格はないだろう。

エミ:うわー、いまだにそんなデマ言う人いるんだ? これはもうずっと前に保守メディアで騒がれた話で、どういう経緯かというと、MoveOn.orgという団体が優秀作は実際にテレビで放映するという形で「ブッシュ政権に反対する30秒コマーシャルコンテスト」を実施したところ、数千件もあった応募作のうち二つだけブッシュをヒトラーとなぞらえるような内容のものがあったのね。このコンテストでは、YouTubeと同じようにユーザがビデオを自由にアップロードできるようになっていて、その中からMoveOn.orgメンバーの投票で優秀作が選ばれることになっていたのだけれど、主催者による検閲がなかったために不適切な内容のビデオもいくつか掲載されてしまったというのが事実。もちろん、「ブッシュをヒトラーとなぞらえるのは不適切だ」という指摘がすぐにあり、それらのビデオは主催者によって速やかに削除されたけれど、それを保存していた人がいて、保守メディアで繰り返し放送された。
不適切なビデオが投稿されることは当然予想されたことで、内容を確認してから掲載すべきだった、という批判は妥当かもしれない。けれどもこれは、何千件もの応募作のうちの二つでしかなく、内容に気付いた主催者がすぐに削除したのだから、MoveOn.orgが意図的にブッシュをヒトラーとなぞらえるために掲載したわけではない。また、MoveOn.orgは政治資金法上、民主党の選挙対策委員会と戦略を協議することは認められていないから、仮にMoveOn.orgにこの応募作について何らかの責任があったとしても、民主党には何の関係もない話だ。

うわ〜、未だに天下のムーブオンが自分たちのサイトに掲載するビデオの管理が出来てなかったなんて人を馬鹿にした言い訳を信じてるナイーブな人が居るんだ!信じられない!
ブッシュとヒットラーをなぞらえるやり方は左翼の常套手段だったんだけどね、今更なにをとぼけてんだってとこだ。これなんかがいい例。ま、一部の過激派がやったことで民主党が公式にやったことじゃないって言いたいならそれでもいいが、はっきり言ってlameな言い訳。


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ファシストオバマ王によるGM・クライスラー社の国営化は進む

保守派思想のマイク・ロスさんが紹介している記事は興味深い。
記事の著者であるバイロン・ヨークによると、ファシストオバマ王によるGM・クライスラーの経営乗っ取りは民主党の基盤以外のアメリカ国民の間では全く人気がないとのことだ。オバマ王の支持率はまだ60%と比較的高いが、それでも今回のアメリカ大手自動車メーカー二つの国営化に関しては保守だけでなく無所属からもかなりの批判が出ている。
私の民主党支持の同僚でさえも、「国が企業の運営に口出しすべきではない」とオバマの政策を批判していた。オバマ自身、民間企業の国営化は国民に人気がないことを承知しているため、国はGMやクライスラーの経営には関与するつもりはないと発表している。
た、だ、し、それには経営における基本的な決断を除いては、という注意書きが添えられている。
では、政府が口出しする「基本的な決断」とは何か、

オバマ氏の演説前夜に行われた記者団への電話によるブリーフィングにおいて、オバマ政権高官はこの点を特に指摘した。「政府は日々の会社の経営の邪魔をするようなことはしない。」と高官は「ただ株主として、政府は基本的な経営、特に会社の重役選考や、主なイベントや取引などへの投票にとどめる。」とした。

重役の人事や主なイベントや取引に口出しするんだったら、事実上政府が関与してるのと同じじゃないか。何が国が企業の経営には関与しないだ。いい加減にしろ!
オバマの人気はまだまだ高いが、自動車会社の乗っ取りがきっかけとなり、一般庶民にもファシストオバマの本性が明らかになるのは間近いかもしれない。


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社会主義が進むオバマアメリカ

先月コメンターのkusukoさんが、紹介してくれた三橋貴明氏のブログを時間が出来たので改めて読ませてもらったところ、kusukoさんのご指摘の通り、三橋氏も最近のオバマ政権の方針にはカカシと同じような見解をもっておられるようだ。

最近のアメリカは資本主義国と言うより、どちらかと言えば社会主義国に近づいています。担保が設定してある債権者までもが、政府から無理やり資産売却への同意を求められるのですから、これはかなりハイペースのシフト(社会主義国への)が進んでいると見るべきです。

 以前も書きましたが、アメリカの凄みは戦略的にコロッと国家の色を変えてしまうところです。一年後の春に、アメリカの要人の誰かが、
「資本主義? プ、今更www」
 などと発言したとしても、ち〜っとも驚きません。○×主義とやらに身を捧げた結果、国を衰退させるよりは、現状に合わせてさっさと戦略を変更する。要するにプラグマティストということですが、どちらかと言えばわたしはこの手の考え方にシンパシーを抱きます。未だに、
「新自由主義!」
 などと言っている日本人がいますが、今や世界的にクラウディングアウトが通用しない時代になりつつあるのです。要は、政府がどれだけ国債を発行しても、金利がちっとも上昇しないという(新自由主義者から見ると)異様な世界です。
 ちなみに、日本はすでにこのステージを経験しており、実際に日本の長期金利は1999年以降、一度も2%を上回ったことがありません。マスメディアの言うように、本当に日本政府の財政が破綻するならば、もう少し金利が上がっても良さそうなものです。

クラウディングアウトとはどういう意味なのかカカシには解らないのだが、アメリカの要員が本気で「資本主義?プ、、」なんて時代が本当に来るとしたら、カカシとしては非常に恐ろしい。
しかし私はオバマが国の財政をまもるために資本主義を無視して社会主義を導入しようとしているという三橋氏の考えには全く同意できない。オバマは国を守ることなど最初から考えていない。オバマのやりかたで「我々の知るアメリカ」が崩壊したとしても、それは彼自身の社会主義理想を作り出すための手段であり、アメリカを守る手段ではないのだ。それに、アメリカの社会主義化がアメリカの経済を救済するなどと、本気で考えてる人はいないと思う。
アメリカ社会主義化について、三橋氏の後編はもっと解りやすく具体例があるので、読む価値あり。三橋氏は前政権のブッシュ大統領のファニーメイ、フレディマックの救済から、この傾向が始まったと書いているが、種はもっと前に植えられている。
それにしても、経済の専門家たちもアメリカが社会主義に進んでいると見ているということは、アメリカの社会主義化はトンモ右翼だけの妄想、という左翼の主張はむなしい。


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カカシただ今帰国しました!

イサーイ!(ギリシャ語で、『こんにちは』という意味らしい。でも『さようなら』という時にも使えるみたい。)
ギリシャから、数時間前に自宅のカリフォルニアに帰国したカカシです。四週間の長い滞在で、宿からのネットアクセスはゼロ、出張先付近のタバコの煙がむせるWiFiネットカフェで、仕事の合間に毎日一時間程度のアクセスしかなかったため、ブログ更新もままならず、読者の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
ギリシャでの旅行記はいずれまた日を改めてしたいと思うが、20数時間に渡る帰りの旅路はちょっとした冒険だった。
アテネからミュンヘンへの飛行機が遅れて、パスポートチェックをしてチェックインもしなければならないのに、接続時間たったの15分! しかもチェックインカウンターのアホ受付が「チケットナンバーがないので手続きできない。どうしても乗りたいなら新しく旅券を買え」などというので、カカシはぶっとんでしまった!同じe-ticketで、他の航空会社の飛行機を何機も乗り継いで飛んで来ているのに、今更何をぬかすんじゃ「予約コードがあるじゃろうが、それで調べられんのか、」というとドイツ人の金髪娘は「出来ません。」の一点張り。「あんたじゃ話にならん、上司を呼んで来い!」と怒鳴ると中年の男性が現れてピコピコっとキーボードになにやら入力して、手続き完了。「ほれみろ、できるでないの。」と思ったが、上司の男も部下の不能を謝る気配まるでなし。チケットナンバーのない書類を持っていたこっちが悪いと言わんばかり。田舎のローカル線、エーゲ海航空のおばちゃんでも問題なく手続き出来たのに、天下のルフトハンザがこの程度のことも出来ない馬鹿娘を受付に使ってるというのも、情けないね。
しかし、怒鳴ったのは大人げないと思ったので、「怒鳴ってごめんね。なにせ焦ってたから。」と一応金髪女に謝ったのに相手は、にこりともせず、「ふ〜んだ!」という顔でこっちの顔もみない。なんて失礼な奴!やっともらった搭乗券をもってゲートまで突っ走った。(ものすごく遠かったのだ。)
ところで、関係ないがミュンヘンから乗ったルフトハンザのスチュワーデスは皆背が高くて美人ぞろいで、往年のパンナムのスチュワーデスを思い出させた。昔、カカシが若い頃は、スチュワーデスになるのは若くてきれいな娘というのが定番だったが、今や「容姿端麗にて聡明な若い独身女性求む」なんて募集記事出したら訴訟沙汰になるだろう。当時のエアロフランセの募集記事には文字通り「容姿端麗」という言葉が使われていた。確か身長170センチ以上、英語、仏語、日本語のどれか二カ国語は堪能でなければならないという条件だった。今や、そんな有能な女性はスチュワーデス、おっとフライトアテンダント(日本語では何と言うんだ?機内添乗員?)を目指さなくても他にいくらも仕事が選べるだろう。
飛行機内に液体を持ち込めないという規則も本当にやっかいだ。アテネの免税店でバーバリーの香水を買ってユーロを使いきってしまおうと思ったのに、ミュンヘンの乗り換えの際にセキュリティーを通るからという理由で売ってもらえなかった。でも実際にミュンヘンではゲート変更だけで、セキュリティーチェックはなし!な〜んだ、それなら香水買えたのにとがっかり。
ゲート付近で係員から「どこから来たんですか?」と聞かれて、私は一瞬自分が何処にいるのか何処から来たのか思い浮かばず、「ミュンヘンです。」と答えて変な顔をされた。もう一度聞かれたが、また「ミュンヘンです。」と答えたので、相手は私が英語が解らないのだろうと思ったらしく、それ以上は聞かなかった。後々考えたら、「あ、今居るのがミュンヘンだった!来たのはアテネからだった!」と思い出したが、時既に遅し。どうりで係員は変な顔をしていたわけだ。
あっちこっち移動していたので、いったい自分がどこの飛行場から飛んで来たかなんて、いちいち覚えてられない。自分の席を探して座ると、なんと同じ列に会社の同僚が座っていた。「お前、なにやっとんじゃ、ここで?」と聞くと「ノルウェーに行ってたんだよ。コペンハーゲンから乗り継いだんだ。悪いか!お前こそ何処言ってたんだよ。」と同僚。
変な話だが、私は同僚と本社で顔を合わすことより、こうやって旅先の空港とか飛行機の中でばったり出会うことのほうが多い。つくづく出張の多い仕事だなあと実感してしまった。
では、明日からはまた通常の政治ブログい戻りますので、よろしく。


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GMの国営化に成功した独裁者オバマ王

アメリカがファシズムに向かって進んでいるなどというのは、過激派右翼に感化されたトンデモ保守のカカシさんくらい、と誰かさんが言っている間にも、独裁者オバマ王のアメリカファシズム化は着々と進んでいる。
こんかいのジェネラルモータースの破産の件について読んでいたカカシは、いくらオバマ王でもそこまでする?と思うくらいあきれてしまった。
GMはその膨大にかさむ人件費のおかげで、ここずっと経営不振だった。私は以前からずっとアメリカのビッグスリー自動車会社は倒産させ、本当の意味でのリストラをして、会社の生き血を吸っている労働組合を解散すべきだと言ってきた。
しかし、GMの救済にはファシスト、オバマ王が登場。なんと国民の血税$19.4 billionをつぎ込んで、政府GMの会長を解雇。直接GMのリストラに関与し、さらに$30.1 billionを融資してGMの60%の株券を握る株主となった。12%はカナダ政府が持つことになったという。しかも、GMを破産に追い込んだ悪の張本人である労働組合UAWがなんと20%近い株券を握ることとなったというのだから驚く。
どんな理屈をこねようと、GMは国営化されたのである。民間企業を国が運営することに関しては、民主党議会からもかなりの批判が出るだろう。だが、直接的なGMの運営をみかけだけは変えることは簡単だ。先ず、アメリカ国内における外国車の販売を規制する。すでにオバマ王はインド車のアメリカ市場を許可しいない方針を示唆している。ヨーロッパ者や日本、韓国の車なども、オバマ政権下ではかなりの圧力を受けるはずだ。たとえば、外国自動車外車が拒んできた労働組合導入の強制などが考えられる。(すでにこの陰謀はオバマ王によって色々企てられている。)
そうやってGMの競争相手を弱体化したのちに、オバマ王はじめ民主党に多額の献金をする企業にGMを受け渡す。こうすれば、一見GMは再び民間企業になったかのように見えるが、実際にはオバマ王の息のかかった企業として市場を独占できるというわけだ。
まさしくファシストオバマ王の計算どおりである。
こうして独裁者オバマ王の陰謀は続くのであった。


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国土安全保障に完全にクルーレスな左翼変態フェミニスト

昨日は時間切れで詳しくエミちゃんの指摘に対して反論することができなかったので、本日は返答がてら、国防の大切さについて語りたいと思う。先ずはこれ、

オバマが「水攻めにあった三人のテロリストにやたらな同情をしている」という記述には、何の根拠もない。そもそも三人はテロリストではなくテロリズム支援者という疑いを持たれて米国によって拘束された人たちであり、少なくとも拷問を受けた時点において何の犯罪でも起訴されていない。そしてオバマが拷問に反対するのは、必ずしもかれらに同情しているからではなく、拷問をしている国家として国際的な非難を受けるばかりか、かえって反米感情を高め、米国人の命を危険にさらすと判断しているからだ。そのこと自体に異論があるならそうオバマを批判するべきで、オバマは国民の安全をまったく気にせずテロリストにやたらと同情している、というのでは話にならない。

他人のかいてることを嘘偽りだという割にはエミちゃんのこの記述には真実がまったくない。水攻めにあった三人は自他共に認めるテロリストであり、彼らから得た情報によってテロ陰謀が未然に防がれたという事実があるのである。かれらは単にテロ支持者の疑いを持たれたなどという生易しい人物らではない。
水攻めが拷問かどうかという話はとりあえず避けるとして、オバマによる「拷問をしている国家として国際的な非難を受けるばかりか、かえって反米感情を高め、米国人の命を危険にさらすと判断しているからだ。」という考えが、いかにナイーブで国を危険に陥れることになるかという話は何度も指摘して、そのように何度も批判している。だいたい私の文章をちゃんと読んでいれば私が何を批判しているのかは明白なはず。それをわかっていてわざとこういう風に私の文章のスタイルを批判して、本点をずらすやり方は感心しないね。
さて、グォンタナモ収容者に関するこれについても私はエミちゃんの非常識さにあきれてしまった。こと国土安全保障とか戦争とかって話になると彼女はまったくクルーレスだね。

拘束された人たちはテロリストとは限らない。また、オバマ政権が機密メモを公開したのは、そこに書かれた「取り調べ方法」は米国憲法及び国際法に違反した行為であり、今後同じ手法を使わないと決めたからであって、それをテロリストが知ったところで今後アメリカがどのような取り調べを行なうかは分からないはず。だいいち、「水攻め」をはじめとした拷問が行なわれていることはメモ公開以前からも報道されていたことで、オバマが公開したからはじめて知られたわけでもないし、そもそも拷問というからには準備しておけば耐えられるような生易しい手法ではないはず。

グォンタナモに収容されている人間がテロリストとは限らないどころか、ほとんどが、イラクやアフガニスタンでアメリカ兵を殺そうとしたもしくは殺した敵側戦闘員なのだ。彼らは単にテロリストの疑いをもたれて逮捕されたというような犯罪容疑者ではないのである。また、CIAの取調べ法がアメリカの憲法を違反した行為だというのは真っ赤な嘘だ。ブッシュ政権下において、水攻めも含めCIAの取調べ法が憲法に違反するかどうかという調査がおこなわれ、これは違反ではないという判断が下されている。オバマ王は今になって、この判断を下した弁護士を戦争犯罪という罪で裁判にかけようなどと示唆しているのだ。これが国際法に違反したものであるという判断もされていない。しかし、国を守ることと国際法とどっちが大事なのかということになれば、国防を選ぶのは大統領たるもの当たり前だ。
公開された取調べ法は単に水攻めだけではない。他にも色々なやり方が公開されてしまった。たとえオバマ王がこれまでのCIAのやり方に批判的な意見を持ち、今後こういうやり方はしないと決めたとしても、過去のやりかたを公開することは非常に危険だ。
まず、アメリカ政府による取調べ方法が他から流れていた事実があったとしても、政府自体がそれを認めるということには重大な問題がある。アメリカの敵国、特にテロリストが多くでているイスラム圏諸国などは、もともとアメリカは悪魔の国だと信じている。その国の大統領が、「おっしゃるとおりでございます」と認めてしまったら、「やっぱりそうだったじゃないか。やはり破壊せねばならぬ。アラーアックバー」てなことになるのだ。
オバマ王になってからのイランや北朝鮮の傲慢な態度を見ればこれは明らかではないか。ブッシュ政権の頃はブッシュのイラク侵攻を見て、自分の国にも攻めてくる危険性を恐れて多少の遠慮を見せていたイランなど、オバマにそんな度胸はないと踏んで今はミサイル発射の実験はする、戦艦をソマリア沖に出動させるなど、国際社会の批判を完全に無視しての行動だ。北朝鮮は北朝鮮でクリントン時代に交わされた核拡散条約を破って核兵器爆破実験をおこなったばっかり。
次に、テロリストがこのメモから何もまなぶことがないというエミちゃんの見解にはあきれてあいた口がふさがらない。
どの国の軍隊でもそうだが、アメリカ軍には捕虜になった場合、どのように抵抗するかという訓練がある。民間人でも軍関係の仕事をしている人間はその仕事にもよるが、危険性の程度によってそれなりの訓練を受ける。
これがどういう訓練かといえば、これまでにテロリストや敵国に誘拐されたり捕虜になったりした人々の体験談から、どのように振舞うことで情報を守りながら、自分の身の安全を守ることができるかを学ぶものなのである。であるから敵がどのような取調べをするかということを前もって詳しく知っていればいるほど効果的な抵抗ができるのである。
今後どのように変化するにしても、テロリストたちがアメリカの過去の取調べ法から学べることは大いにある。それを今後はやり方がかわるので公開しても問題ないなどどといってのけるクルーレスな人にはまったく驚く。そういう奴が大統領をやってるってことがさらに恐ろしい。

ブッシュ政権の高官らは戦争犯罪者として人道に対する犯罪を裁かれるべきだと思う。というのも、イラクのアブグレイブ刑務所はじめ世界各地における米軍兵士が収容者や捕虜を虐待した件については軍事法廷が開かれており、数百人もの下っ端の米兵が直接虐待に加担した罪で起訴されているのに、それを命令した政府や軍の高官の責任がまったく問われないというのではあまりに不公平だもの。というか、米国は第二次世界大戦中に米国人捕虜を「水攻め」にした罪で何人もの日本軍関係者を処刑しているわけで、ブッシュ政権の高官がまったく同じことを命令したのに処罰しないというのはどう考えてもおかしい。

この文章も嘘だらけ。先ずアルグレイブの問題が明らかになったのは、米陸軍で内部告発があり、それを陸軍が自分らで調査した結果、実際に虐待が存在したことを確認した上で、直接関わった看守数人とその直属の上官が処分された。これは変態の看守ら数人の個人的な犯罪であり、彼らは上からの命令で虐待を行ったのではない。刑務所の管理をしていた准将は除隊処分となったが、彼女も「監督不行き届き」で処分されたのであり、虐待命令を下したという戦争犯罪に問われたわけではない。
日本軍の裁判については私は詳しいことを知らないので、言及はさけるが、前政権の高官を裁判にかけることは非常に危険だ。いくら政治的に反対の意見を持っているからといって、そうやたらにライバル政権の高官を裁判にかけたりすれば、今後政権交代ごとに内乱の危険性をはらむ。アメリカの民主主義が200年以上も続いている理由は、政権交代によって前政権の人間が刑務所送りになったり首をきられたりしない平和的な交代が保証がされているからなのだ。
グォンタナモ収容者について、もうひとつ。

収容者を米国内に「解放する」という話に関しては間違いで、多分上記の「自分たちのコミュニティに連れてくるな」というキャンペーンを「コミュニティ内の刑務所に収容する」ではなく「コミュニティに引っ越してくる」と誤解したのだろう。

エミちゃんは知らないらしいが、グォンタナモに収容されてた囚人は、もう何人も解放されている。たいていの場合は彼らの母国に返還されるのだが、パキスタンとかトルコとかでつかまったテロリストは母国が戻って来れれては困るの返還を拒絶する場合がある。そういう人間をどこに解放するかという問題がおき、一時はアメリカ国内に開放するという話が持ち上がったのだ。もちろんこれには民主党も合わせて国内から大反対が起きたのでオバマは取り下げたのだ。
それから最後にこれ、

民主党を別の呼び方で呼べば国民が民主党に嫌悪感を感じて共和党に寄ってくると考えたのであれば国民をバカにしているとしか思えないけれども

ファシストをファシストと呼んで何が悪い? だいたいブッシュをヒットラーとなぞらえるような選挙運動やってた党が、いまさらこんなことをいう資格はないだろう。第一、民主党のブッシュ批判と違って共和党のオバマ批判は事実なんだから問題ないはず。事実を指摘されたからといって指摘した相手を悪く言うほうこそ、国民を馬鹿にしていると思うがね。


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バラク・オバマはファシストか?

クリート島に来てはや四週目に入る。こんな僻地にきてやっとネットカフェに落ち着く機会が出来たので、メールを開いていたら、なんと例のフェミニスト小山のエミちゃんからトラックバックが来ていてびっくり。どうやら私のオバマ王に関する記事をまとめ読みして燃えちゃったらしい。エミちゃん、ご愛読ありがとう!
ついでに私のダイエットブログの紹介までしてくれて感謝なのであった。
エミちゃんは私がオバマ王をファシストだと考える理由はフォックスニュースとかラッシュリンボーのような「極右翼」の報道に感化されているからだといいたいらしいが、私はフォックスニュースを観る暇もなければ、ラッシュリンボーも時間帯が遅すぎてほとんど聴いたことがない。だから私のオバマ王に関する意見はそうしたメディアからの影響を受けているのではなく、実際にオバマ王がやってることを私なりに解釈してるに過ぎないのだ。
先ずファシストとは何か?私の理解するファシズムとは、社会主義ではあるが共産主義とは違う。共産主義の場合は民営の企業は存在せず、政府がすべての産業を所有し経営する。それにくらべてファシズムの場合は民営企業は存在するが、どの企業がどの産業を独占するかを政府が決める。だから政府に取り入るのが得意な企業が成功するわけだ。ナチスドイツで成功した事業家で後にユダヤ人を大勢避難させたオスカー・シンドラーなどがその典型である。
さて、それではオバマ王がこれまでにしようとしてきたことを考えてみようじゃないか。先ず金融機関の救済において、オバマは救済金を支払うかわりに金融機関の経営にうるさく口出しするようになった。重役たちの賞与の金額までコントロールしようとしたことは読者諸君の記憶にもあたらしいことだ。半分公営化するという話まで出て、救済金を受け取った金融企業は驚いて救済金を返済しようとしたがオバマ政府はそれを受け入れなかった。
クライスラーの件にしてもそうだ。オバマはクライスラーの人事にまで口出しをして、会長を辞任させた。どの販売店を閉鎖するのかまで指図している。エミちゃんは自動車の販売店は共和党支持者が多いから、閉鎖される店のほとんどが共和党支持でも陰謀ということにはならないというが、共和党支持の多い自動車企業を厳しくコントロールすることによってオバマ王は共和党への献金を減らすことができるというわけだ。
また、オバマ王が提案している国民保険案などまるで社会主義だ。オバマ王は社会保険は廃止しないと言っているが、社会保険にも税金をかけるという提案がある。国民保険を選べば税金がかからないとなれば、普通の人は国民保険を選ぶだろう。ということは事実上社会保険は消滅する。そして国民のすべてが国民保険を持つようになった暁には、政府が国民の受ける治療方法を制限することが出来るようになる。国民は政府に命を預けることになるのだ。これが社会主義でなくてなんだろう?
製薬会社への値段のコントロールも取りざたされている。新しい薬は開発に時間とお金がかかる。アメリカの医療技術が世界で最高なのは、アメリカは医療機関が自由であり、新しい薬をいくらでも高い値段で売ることが出来るからである。もし、これらの薬の値段を規制すれば、カナダで起きたように新薬の開発は完全に停止する。開発しても利益がないものを誰が研究などするだろうか?
これらはすべてオバマ王の発案である。これがファシズムでなくてなんであろう。
もっと書きたいことがあるのだが、ネット接続がかなり不安定なので今回はこのあたりでアップしておこう。エミちゃんへの詳しい返答はまた次回にまわすとする。


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