ドイツ東部、ナンミンによる男性殺害に立ち上がった一般市民を「極右翼」や「ネオナチ」と報道する世界のフェイクニュース

もう一週間くらい前になるが、ドイツ東部のケメネッツという町で35歳のドイツ人男性がシリア人とイラク人の二人組に殺害されるという事件が起きた。これに対して地元市民が追悼の意味も込めて最初は100人ぐらいが集まって集会を開いていたが、翌日になるとその数は数百になり、日を重ねるにつれて数千人に膨れ上がり、一週間後の昨日はすでに一万人の抗議者が集まりデモ行進は止む気配をみせない。

これに対してカウンターデモと称し、いつも通り左翼ファシスト暴力団「アンティファ」の連中が数百人やってきて小競り合いが起き負傷者や逮捕者が数人出た。「アンティファ」はドイツで生まれた極左翼ファシスト暴力団で、奴らの手口はそれこそナチスのブラウンシャツと同じで、アメリカ支部よりずっと暴力的である。

地元民は似非ナンミンによる度重なる犯罪に堪忍袋の緒が切れたという状態で集まっているのだが、ドイツのメディアは定番通り、デモをやっているのは「極右翼」や「ネオナチ」だと言い張る。日本のメディアも自分らで取材もせず、現場に行って市民の声を聴くでもなく、ドイツ大本営放送の受け売りを報道している。

「難民が独男性を刺殺 ネオナチデモが激化」--毎日新聞
「ドイツ東部で極右デモ激化、移民めぐる緊張浮彫り、メルケル首相決断から3年」ーー産経ニュース
「ドイツで極右が大規模集会、『カウンター』とにらみ合い殺人事件に反発」--ライブドア
毎日新聞の記事から読んでみよう。

事件は8月26日午前3時ごろ、ケムニッツ繁華街で発生。家具職人のキューバ系ドイツ人男性(35)が男2人組と口論となった末、刃物で刺された。男性は搬送先の病院で死亡、一緒にいた友人2人も負傷した。 地元警察はイラク人の男(22)とシリア人の男(23)を拘束。独紙ビルトによると、イラク人は2016年、難民申請をしたブルガリアに強制送還されることになったが、実施されずに、ドイツ国内で傷害や覚醒剤所持事件も起こしていた。 ケムニッツがある東部ザクセン州は移民受け入れの経験がほとんどない旧東独州で、ネオナチや反イスラム運動の拠点として知られている。事件後、数千人規模のネオナチ支持者が集まり「(難民でなく)我々が国民だ」などと叫び、法律で禁止されているナチス式敬礼を繰り返した。 事件翌日の27日には暴徒化した一部デモ隊が外国人を暴行する事件も発生。国政最大野党で反イスラムを掲げる「ドイツのための選択肢」(AfD)のガウラント党首は独公共放送で「ナチ式敬礼は正しくないが、人々が怒るのは当然」と述べ、メルケル首相の難民受け入れ政策を事件と関連付けて批判した。

私が観た多くの映像では、抗議者たちがナチス敬礼をしているものなど一つもなかった。無論ビデオはどうにでも編集できるのでビデオ掲載者が敬礼部分を削除した可能性はある。だが、左翼メディアにそんなアジェンダはない。もし人々が本当にそんなことを繰り返していたのなら、何故フェイクニュースはその場面を大々的に第一面の写真で公開しないのだ?私が観た写真のなかで白人男性が片腕を振り上げているものはあったが、それは単にこぶしを振り上げていたのであり、およそナチス敬礼の手を伸ばすものではなかった。

ドイツ在住のフリージャーナリストという熊谷徹(@ToruKumagai)のこのツイートは非常に面白い。強調はカカシ。

ケムニッツ事件で驚かされるのは、ネオナチの動員力。警察はネオナチが千人しか集まらないと見て、警察官を600人しか投入しなかった。ところがネオナチはツイッターで他の町からも同志を招集。6000人の極右がケムニッツで行進し、一部が外国人狩りを行った。

集まった人間がすべてネオナチだと思うからこういう不思議な感想が出てくるのだ。ドイツ在住でも地元民に直接インタビューにも出向かないで、ドイツ大本営放送のプロパガンダをそのままツイートしているなんて、よくもそれで恥かしくもなくジャーナリストだなどと名乗れるものだ。

この市はドイツでも保守派が多く先の選挙でも25%がメルケルの無制限移民政策に反対しているドイツの選択肢党AfDを支持したという。AfDはネオナチではない。私が観た限り、ごく普通の人たちがナンミンに殺された被害者の写真を掲げて行進していたり、嘘ばかり報道するリポーターの回りを囲んで何故真実を報道しないんだと詰め寄ったりしているものだった。下記はイギリスの体当たりジャーナリスト、ケイティ・ホプキンスのツイッターより。

これがネオナチの集まりに見えるかどうかは、読者諸氏の判断に任せよう。


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BBCドキュメンタリー「日本の秘められた恥」の疑問点

伊藤詩織さんが元TBSワシントン支局長である山口敬之氏に強姦されたとして訴えた事件について、日本の秘められた恥と題して、イギリスの国営局BBCが一時間に渡るドキュメンタリーを放映した。全編は添付先で観ることが出来るが、ほぼ全面的に英語なのであしからず。後で字幕のあるものがあったら紹介する。

正直な話、このドキュメンタリーを観るにあたり、私にはかなりの偏見があった。そして番組をきちんと観た後もその偏見をぬぐうことはできない。もし詩織さんが彼女の言う通りに強姦の被害者であるのなら、私は彼女に全面的に同情するし、彼女の受けた仕打ちは本当にひどいと思う。だが、密室で起きた出来事ではどちらの言い分が正しいのか部外者の我々に判断することは出来ない。詩織さんが強姦対策が進んでいるとするアメリカにおいて、多くの大学では合意の上での性交渉が後に女生徒からの根拠のない訴えで学校を退学させられる男子生徒が多く出ている。こうして無実の罪で学校を追われた男子生徒が就職にも支障を来し、大変な被害をこおむったとして大学側を訴えるケースも後を絶たない。

私も一人の性犯罪サバイバーとして自然に詩織さんにはものすごく同情したくなる。だが、同時に保守派として、彼女が自分の被害を安部政権バッシングに利用している、もしくは政治的な下心のある人たちに利用されていることで、彼女の証言が100%真実であるのかどうか懸念せざる負えないのだ。そして特に腹が立つのは、BBCが自国の恥である何千人という被害者を出し、今も出している、イスラム移民白人少女強姦組織について何十年も長年沈黙を守って来たにも関わらず、日本だけが性犯罪を隠ぺいする社会かのように報道することに激しい憤りを感じるのだ。

この番組は完全に詩織さん側に立ってのドキュメンタリーになっており、反論を述べているのは国会議員の杉田水脈女史のみで、「酔っぱらって男の部屋についていくなど、すべては詩織さんに責任がある」と言っているかのような写し方になっていた。杉田女史によると、日本におけるセクハラ問題についてインタビューしたいというBBCの二時間にわたるインタビューには応じたが、それが詩織さんドキュメンタリーの中でほんの数分文脈を無視した切り貼りでつかわれるとは思っていなかったという。

この事件の真相はわからないのでなんとも言えないが、番組の中で言われていることでちょっと合点がいかない点を二つ挙げてみると、

  1. ホテルの監視カメラにひとりで立てない詩織さんを山口氏が壁に立てかけるようにしているビデオがあるというナレーションが入っているにも関わらず、そのビデオが番組中で使われていない。
  2. 番組では山口氏は事件直後に詩織さんからメールでビサに関する質問を受けたと証言していることに関して、詩織さんはそれが強姦のなかった証拠にはならないと言っているにも関わらず、そのやり取りがどういう内容だったかを紹介していない。(後に詩織さんが山口さんに送った、強姦を責めるメールのやりとりは番組の冒頭で詳細に紹介されているにも関わらずである。)

この二つの点は実際に性交渉に同意があったかないかを判断するうえで非常に大切なことだと思う。彼女がすすんで山口氏のホテルに行ったのであれば、性交渉は同意の上だったとする山口氏の言い分を裏付ける有力なてがかりとなるし、よしんばホテルには行ったが性交渉を同意したわけではないとしても、もし事件後に詩織さんが送ったメールが友好的なものであれば、やはり交渉は同意のうえだったと判断することも出来る。アメリカでも強姦で冤罪を受け有罪になった男性が、後日女性からもらったラブレターメールを提出することで冤罪が晴れた例もある。

それとこの番組の「日本は性犯罪を隠したがる」「日本のメディアは性犯罪について報道しない」ので詩織さんの件もメディアに無視されたという主張にもちょっと疑問を覚えるのだ。番組のなかで日本のテレビ映像がいくつか紹介されているが、詩織さんの記者会見の模様や、それに関するいくつかのニュースはすべて主流メディアのテレビニュースのものだった。この番組ではなかったが、この他にも私は普通のラジオ番組で詩織さんをゲストに招いた詩織さん側に同情的な番組を一部聴いたこともある。日本の主流メディアは詩織さんの件を無視したどころか圧倒的に詩織さんに同情的な立場で報道していたことが、この番組を観るだけでも明らかだ。これに対して、詩織さんに対して批判的な報道をしたとして紹介されたのは、ユーチューブで個人的な配信をしている聞いたこともない保守系ユーチューバーや、ネット放映の右翼保守番組のみ。山口氏は保守派のネット番組でしかインタビューに受けていないというが、それはいかに主流メディアが山口氏に非同情的であるかを示すものだ。同情的なインタビューなら彼も承諾していただろうから。

この番組は日本で性産業が盛んなことや、どこもかしこも萌えといわれる顔は子供で体は大人の嫌らしいアニメ風映像があふれかえっており、女性は常に性の対象になっているが、女性は性被害について声をあげることが出来ない社会でもあるというイメージを全面的に押し出している。番組後半で詩織さんが大学生相手に電車で痴漢にあっても女子高生は声も上げられないとか痴漢を目前で目撃した男子生徒も声をあげられなかったなどという話を聞いて、これが本当なら確かにひどいと思ったが、女性専用電車が設置されたり、痴漢冤罪で逮捕される男性が多いことなどから考えて、日本の女性たちがそこまでか弱いとはどうも信じられない。私の頃でも勇敢に声をあげる人は結構いたからねえ。(私も含めて)

町中に卑猥な映像があふれているという点では日本だけでなく欧州でも普通にある。昔フィンランドに留学していた友達から聞いたが、家族連れが歩くショッピングモールのビルの外壁いっぱいに全裸女性が描かれていたなど普通だったと言っていた。またフランスでも街中の売店で大股開きのエロ本が普通に売られているといって写真をアップした人もいた(ツイッターでは局部は隠してあった)。つまり、卑猥な映像が町にあふれかえっているのは何も日本だけではないということだ。それに卑猥な映像があふれていることと女性への性犯罪が多いこととは直接関係はない。そういう映像を厳しく規制しているイスラム圏では女性への強姦など日常茶飯事であることからもうかがわれる。

詩織さんが事件後に受けた警察での事情聴取の無神経さや、日本の性犯罪法が110年も全く改正されなかったことや、強姦被害相談施設が全国に数えるほどしかないことや、警察に届けなければレイプキットのある病院を紹介してもらえないとか、日本には性犯罪被害者への対策が不十分であるということは事実である。もし、詩織さんが日本のそうした体制を改善したいと思って勇気をもって自分の体験を語ろうというのであれば、それは賞賛されるべき行動である。だがもし、自分の体験を相手の男性に復讐するとか、左翼政治のために利用しよというのであれば、これはとても感心できる行為ではない。

そのことについてはもっと書きたいことがあるので回を改めて書こう。

 


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ニューヨークタイムス、「いかにして保守派が言論の自由を武器と化したか?」

先日ニューヨークタイムスは「いかにして保守派が言論の自由を武器と化したか」という驚くべき記事を掲載した。ここ十年来、後退派左翼による保守言論弾圧は頓にひどくなっているが、それでもつい最近までは後退派左翼も表向きは言論の自由は大切であるという姿勢を取ってきた。ところがここ1~2年、特にトランプが大統領になってからは、彼らは言論の自由を守るべきという姿勢すら崩しつつある。このNYTの記事はまさに後退派左翼がもはや言論の自由を信じていないと全面的に認めるという驚くべき内容なのだ。

何故、言論の自由の守護神のごとくふるまってきた後退派左翼が今になってアメリカ憲法補正案第一条である言論の自由に懸念を抱き始めたのかと言えば、彼らに言わせると言論の自由は最近、保守派の思想を広めることに「悪用」され始めたからだという。

NYT曰く、最高裁判所審査最終日、リベラル派裁判官エレーン・ケーガン女史は5人の保守派裁判官が多数権を握る最高裁判所は補正案第一条を使って公務員労働組合に多大なる打撃を与えたと警鐘を鳴らした。その前日にも最高裁は宗教関係の妊娠相談所にて中絶に関する情報を与えることを義務化しているカリフォルニア州の法律は補正案第一条に反し違憲であると判断した。ケーガン裁判官は最高裁は「補正案第一条を武器と化している」と語った。

この他にも同性婚ウエディングケーキ製作を拒否したキリスト教徒のケーキ屋に関する訴訟や銃砲所持権利や限度なしの選挙運動資金などに関しても、最高裁は補正案第一条の宗教と言論及び表現の自由を理由にことごとく保守派の訴えを認めている。つまり、後退派左翼は、自分たちによる保守派言論の弾圧が憲法補正案第一条によってことごとく阻止されている。これがケーガン裁判官のいう補正案第一条が保守派の「武器と化している」と言う意味だ。

もともとリベラル派は建前上自由を信じているとされてきた。いや、実際に本当に誰の言論の自由も守られなければならないと思っていたリベラル派は多くいたのである。1977年、人権団体のACLUなどはネオナチがナチスドイツ収容所生存者の多く住む町でデモ行進をする権利すらも擁護したほど言論の自由の原則を信じていた。

その彼らが今になって恥も外聞もなく「フリースピーチはヘイトスピーチだ!」などと言えるに至ったのか。

1960年代の人権運動が起きるまで、アメリカ社会は非常に保守的だった。これは今でいう保守派とはちょっと違う。経済的には非常に社会主義的であったが、社会的には保守的だったということ。例えば映画や雑誌などでの性的表現など今では考えられないほど厳しい規制があった。であるから当時のリベラル派の間では言論や表現の自由弾圧は常に保守的な体制によるものなのであり、それに対抗するために補正案第一条の拡大を信じるのは普通の姿勢だった。

ところが最近、自分らが昔使った理屈や手法が保守派の意見拡大のために使われるという不思議な状況が生まれた。これによって言論や表現の自由は神聖なものとしてきたリベラル派の間で第一条が及ぼす害について考え直す人々が増えて来たというのだ。

例えば、ポルノグラフィや野外デモ。昔のリベラルは過激な性的描写を規制する政府からその表現の自由の側に立って戦ったが、今は女性に対する暴力や人権侵害につながるとして支持できないと考える人が増えている。昔はアメリカナチ党のデモ行進を支持したリベラル派も、去年シャーロッツビル市で行われた白人至上主義デモには概ね批判的だった。

言論の自由に関してリベラル派は多少ナイーブな考え方をしていたと語るのバージニア大学のフレドリック・シャウアー教授。

「1950年代から1960年代における言論の自由は、わいせつ表現規制や反人権やベトナム戦争抵抗運動などに関するものだったため、左翼は演説者に同情することが出来たし、こうした表現は無害だと思われていた。」と教授。「しかし言論が無害とか不活性などということが真実だったことはない。最近の現象によって左翼はその事実に気づいた。問題なのは、では何故左翼は一度でも(言論の自由が無害)だなどと信じたのかということだ。」

これはものすごい自認だ。『言論や表現が自分たちの思想と沿っている間はその自由を認めるが、それが自分たちに都合が悪くなったら認めない』というのであれば彼らは言論の自由など最初から信じたことがないと認めたも同じだ。

昔のリベラル派には自分が同意できない意見の発言も守られるべきと信じていた生粋の自由主義者が結構居たが、今やリベラルを追い出し後退派と化した左翼連中でそんなことは信じている者はない。いや、それどころか自分らの思想拡大のためには反対意見は暴力を使ってでも徹底的に弾圧すべきというのが今の彼らの姿勢だ。真実はそれまでリベラル派の間に隠れていた社会主義左翼たちがついに本当のリベラルを追い出し、リベラル運動を乗っ取ってしまったと言った方が正しいだろう。

NYTは保守派が言論の自由を武器に使い始めたというが、言論の自由が武器として使われるというのは今に始まったことではない。体制派が何故人々の言論を抑圧するのか、それは表現される思想が体制派のものだけに統一したいからだ。多々の思想を弾圧することによって体制派の権力を拡大するためだ。人々が大本営放送だけを聞いて他で種々の情報を取り入れたりせずに体制の思い通りになってもらうためだ。情報は力だ。「筆は剣より強し」というのはまさにそれを表しているのだ。

後退派左翼が自由表現に脅威を持つのは今や左翼思想こそが体制だからである。ポリコレとかコンプライアンスとかいう言葉が聞かれるようになって、アメリカ及び欧米社会で(日本も含み)後退派左翼による言論規制は昔よりずっとひどくなっている。そしてそれに対する保守派からの抵抗も日に日に増している。後退派左翼が「言論は暴力だ!」と言って保守派の講演を暴力で阻止したり、フリースピーチ(言論の自由)はヘイトスピーチだと言って人々の言論を抑圧しようとするのも、彼らは左翼が独占してきた左翼主義思想が崩れつつあることに脅威を覚えているからである。

しかし後退派左翼が言論の自由を武器として使っていた頃から全く学んでいないことは、常に自分たちの意見が多数意見であるとは限らないということだ。今はメディアや大学などの教育界が左翼によって権限を握られているからといって、今後もそうであるという保証は全くない。今後保守派が体制となり左翼が少数派になった場合、言論弾圧をよしとした方針は結局自分らの言論を弾圧するために使われることになるのだ。何故左翼連中はそれに気が付かないのだろう?

私は純粋な意味での言論の自由を信じている。だから私が馬鹿にしている後退派左翼によるどんな馬鹿馬鹿しい言論もデモをする権利も守られなければならないと考えている。自分が耳にするのも耐えられないほどひどい議論を守れなければ、本当の言論の自由など存在しないのである。

後退派左翼は一度でも個人の自由や権利など信じたことはない。彼らが信じた言論の自由とは自分らだけの思想を表現する自由であって他の意見を守る自由ではない。もし読者諸氏が少しでも後退派左翼のきれいごとを信じているのなら、今すぐやめるべきである。


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ニューヨークレストランの最低賃金値上げ運動に反対なのは当の職員たち!

先日ニューヨークにおいて、Sex & Cityというテレビシリーズで人気になったサラ・ジェシカ・パーカーなる女優がレストラン従業員の最低賃金値上げ運動のため資金集め宴会を行った。一人頭500ドルの会費で、一テーブル5万ドルにも及ぶこの宴会だが、反対派による妨害が予想されたため時間や場所は土壇場になるまで参加者に公開されなかった。

ではいったいどんな人々が彼女の提案に反対なのかというと、それは誰あろうレストラン業界及びレストラン従業員たち!

ここでアメリカにおける最低賃金とチップ制度を簡単に説明しておこう。ウエイトレスやウエイターといった給仕にあたる人たちは基本給は最低賃金だけなので低いように見えるが、実は彼らの収入源はチップが主なのだ。普通チップの割は15%から20%。$20ドルの請求書につき3ドルから4ドルのチップがもらえる。最低賃金が時給12.50ドルとしてもニューヨークのレストランならひとつのテーブルで10ドルくらいは普通にもらえるだろうから、テーブルを2~3卓受け持てば一時間で30ドルくらいになる。基本給と合わせると時給40から50ドルくらいになる。時給40ドルで8時間働き月に20日の労働とすれば、月収は6400ドル(64万円くらい)だから給仕たちは別に最低賃金引上げなど望んでいないのである。

当人たちが望んでいない賃上げを、いったい誰が上げたがっているのかといえば、それはニューヨーク州政府と労働組合。その理由は簡単。

チップは料金中に含まれていないので店の売り上げとはみなされない。また給料の一部でもないので従業員の税金の対象になりにくい。一応料金の10%くらいの割で納税申告をする義務は課せられているが、それ以上もらっていれば後はすべて無税で従業員の懐にはいる仕組み。つまり政府としては従業員がどのくらい収入があるのか実額を知ることが出来ないというわけ。

同じように賃金値上げを狙うのは労働組合。レストラン従業員が必ずしも労働組合に入っているとは限らないが、入っている人たちの組合費は給料の比率で決まるので最低賃金が安いと組合費も格安になってしまう。また労働組合は最低賃金引上げと共に他の賃金引上げについての交渉もするので、最低賃金が上がるとその他の賃金も自然に高くなるというのが現状。よって労働組合の収入も増えるという算段だ。

しかし何故レストラン職員たちが最低賃金値上げに反対なのか不思議に思われるかもしれない。賃金が上がればその分手取りも増えると考えるのは甘い。

経営者の立場からすれば、チップの多い少ないは経営者には無関係だが賃金が上がれば経費も高まる。となると多くの従業員を雇えなくなり何人かをリストラするか小さい店なら店じまいをするところも出てくる。そうなって困るのは今まで働いていた従業員。最低賃金が$12.5から$15になっても失業すれば収入はゼロである。

それに人件費が高くなれば経営者は商品の値上げもせざる負えない。それで食べ物や飲み物の値段が高くなりすぎれば客足も遠ざかるし、来る客たちもこれまでのようにチップをはずまなくなる。例えば一足先に最低賃金の上がったサンフランシスコで働くバーテンダーは、お客から「給料上がったんだからチップはそんなにいらないよね。」と言われてチップ収入が極端に減ったと証言していた。給仕たちの主な収入源はチップなので最低賃金が2.5ドルくらい増えたからといってその分チップが減ったら彼らの絶対収入はかえって減ることになる。

だいたい一人頭500ドルもするような会費を払って宴会に出席できるような金持ちが下々のもののためと称して賃上げ運動をするなどおおきにお世話様!余計なおせっかいはやめてほしい。というのがレストラン業界の意見である。


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トミー・ロビンソンを釈放せよ!数千人がデモ

一昨日のトミー・ロビンソンの逮捕から二日目に突入したが、昨日イギリスではフリートミー(トミーを釈放せよ)というデモがダウニング通にある首相官邸前で行われた。ネットによる呼びかけで集まったのは当初数百人だったのだが、後に近所の公園に移った頃には群衆は数千人(6000人という噂もある)膨れ上がっていた。

昨日も書いた通り、イギリス国内においてトミーの逮捕に関する報道をすることは禁じられている。ツイッターでつぶやくことすら禁止なのだ。であるにも関わらず国外のトミー支持者や自由主義者たちのおかげで、トミー逮捕のニュースはあっという間に世界中に広まってしまった。私のツイッターフィードだけでもオーストラリア、イスラエル、そして日本ですらもトミーのことが話題になっている。下記は海外ニュース翻訳情報局の記事。元記事はVoice of Europeのもの。

英国:衝撃】世界に衝撃:保守系活動家トミー・ロビンソン逮捕、今日はトミーだが明日はあなた

私は主に日本語でツイートしているが、この件について日本語でツイートしているのは私だけではないので、日本にもトミーのことを知っているひとが案外居るのかもしれないとうれしく思った。それにこれはトミーだけの問題ではない。誰にも迷惑をかけずに街頭で事件の報道をしていただけのジャーナリストが、政府に都合の悪い報道をしたというだけで「平和を乱す」などと言いがかりを付けられて逮捕され、たったの一時間の裁判で弁護士も立てずに判決など、法治社会ではあってはならない理不尽が天下の偉大なるブリテンで起きたということは自由を愛する世界中の人々に影響を及ぼす。

報道規制上逮捕の危険を冒してトミーについてツイートをしているケイリン・ロバートソンによると、今のところトミーは刑務所の中でも安全な場所におり襲われたりはしていないということだ。

これだけ事が大きくなってしまった以上、もし彼の身に何かがあったらイギリス政府としても大恥をかくことになるので、トミーは今のところは安全かもしれない。


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MovableTypeのアップグレード遂に完成!

やったああ~!
大変長らく皆さまにご迷惑をおかけしましたが、やっとこさMovableTypeバージョン4.21へのアップグレードが完成しました。もう長年バージョン3.なんたらの旧式を使っていて限界が来ていたのですが、面倒くさくて放ったらかしにしておいたら全然書けなくなってしまいました。サイトホストのお姉さんに色々助けてもらって、ウエッブをファイアーフォックスに切り替えたらどうなのと言われたので、試してみたら見事成功!
こんなこと言いたくないですが、エクスプローラーエッジはものすごく使いにくいです。もう絶対に使いません。
え~とそれで、読者の方からツイッターのほうで変な投稿が続いてますけどサイト乗っ取られたとかじゃないですよね、というようなお問い合わせまでいただきましたが。実はミスター苺がヘルプデスクのお姉さんと色々試しに書いていて、彼は日本語が書けないので英語でテストテストみたいなことをふざけて書いてたのが、そのままフィードに載ってしまったようです。あとで消しときますんで、どうもすいませんでした。
ではこれからもご愛読よろしくお願いいたします。


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オバマのスキャンダルを隠した左翼メディアの陰謀明るみに!左翼ジャーナリスト掲示板暴露さる!

ジャーノリストという左翼ジャーナリスト400人が参加している登録メンバーのみの掲示板サイトの存在は、2〜3年前から一部の人たちの間では知られていた。サイトの創設者はエズラ・クレイン( Ezra Klein)というワシントンポストのブロガーでニュースウィークのコラムニスト。
先日、掲示板メンバーであるデイブ・ウエイガル(ワシントンポスト記者)のプライベートなメールが暴露され、左翼ジャーナリストたちがつるんでオバマの当選確保のため、オバマのスキャンダル隠蔽をしていたことが発覚した。ウエイガルは責任をとってポストを辞任したが、これに反応してクレインはサイトを閉鎖した。しかし先日、掲示板の過去ログが公開され、左翼ジャーナリストたちにによる幅広い陰謀が暴露された。そして、そのなかにはサラ・ペイリン攻撃作戦なども企まれていた。
オバマがヒラリーと民主党の大統領候補の座を競っていた時、人種差別者のジェラマイヤー・ライトという黒人の牧師の話がもちあがった。オバマはこの牧師の協会に20年来も通っていた信者で、ライト牧師を恩師として仰いでいた。ところが、ライトが白人に対して非常に侮蔑的で人種差別的な演説をしているビデオが公開され、オバマの候補者としての立場は危うくなった。
ザ・デイリーコーラーによって暴露されたウエイガルのメールによると、この時、左翼ジャーナリストたちは、なんとかこのスキャンダルをもみ消そうと陰謀を企てていたという。ウエイガルのメールでは数人のジャーナリストとのやり取りが含まれているが、ザ・ガーディアンの記者、マイケル・トマスキーは、

いいか良く聞けよ。俺が思うにABCの馬鹿げた話はどんな場所を使っても、揉み消す必要がある。

といい、ザ・ワシントンインディペンデント のジェームス・タラント記者は、

右翼がライトを支持するか糾弾するかを強制すれば、俺たちがどちらを選んでも奴らの選んだゲームに俺たちは負けることになる。そうなるまえに、やつらの誰か一人を捕まえて、フレッド・バーンズでもカールローブでも誰でもいいから、人種差別者呼ばわりするべきだ。

つまり、黒人牧師の人種差別を指摘されたら、実際に差別者であろうとなかろうと、保守派の誰かを名指しで差別者呼ばわりして話題を変えようという話し合いをしているのである。
また、7月21日にデイリーコールが掲載した記事によると、ジャーノリストのメンバー達はなんとかして連邦政府にフォックスニュースの閉鎖を促せようと相談していたという。
それについて掲示板の投稿を引用されたジョナサン・ザスロフUCLA教授は、単に連邦政府はフォックスニュースを閉鎖することが出来ないのだろうか、という疑問を述べただけで、閉鎖させろと言ったわけではないと弁解している。
また同記事によると、NPR(ナショナルパブリックラジオ)系列のラジオ局プロデューサーのサラ・スピッツは保守派トークショーホストのラッシュ・リンボーが目の前で心臓発作を起こしたら笑ってやると書いたという。

ジャーノリストにおいて、保守派は対向者というより敵として扱われている。よってこのようなコメントには眉毛ひとつ上げられない。

政治系掲示板に投稿したことがある人なら、右翼より左翼系の人間のほうが言葉使いも汚いし書く事がえげつないことは誰でも知っていることだ。(保守派は割合仲間内でもあまりひどいコメントにはクレームが付く)それが仲間だけの左翼サイトなら、保守派や右翼についてどんなひどいことを書いているかなど、簡単に想像出来る。
また、ブルームバーグニュースのライアン・ドンモヤーは、ティーパーティー運動をナチスとなぞらえているが、デイリーコールは、ジャーノリストのメンバー達にとって、保守派は単に間違っているのではなく、悪なのだという考え方が普通だと言う。
ジャーノリストの過去ログを暴いたデイリーコールの編集者、タッカー・カールソンは、ジャーノリストのジャーナリストたちは民主党政治家のトーキングポイントに合わせて政治運動をしていると指摘する。これはジャーナリズムでもなんでもない。奴らは左翼系政治家の運動員と成り下がっているのだ。カールソンは左翼記者たちはいい加減に、ジャーナリストの振りは止めるべきだと語る。

私は大人になってずっとジャーナリズムのなかで生きて来ました。そしてこれまで保守派仲間がニュースビジネスは根本的に腐っているという批判を聞く度にジャーナリズムを弁護してきました。でも今は、そのような弁護は難しくなりました。 正直なジャーナリストが(そう、リベラルの)ジャーノリストで起きたことは間違っていたと批判してくれればやりやすいのですが。

ジャーノリストが閉鎖された直後、「カバリスト」というサイトが隠密に創設されたが、数週間後にザ・アトランティックのジェフェリー・ゴールドバーグによってその存在が暴露された。
カカシは以前から左翼連中の陰謀について、特に主流メディアの左翼より偏向報道について批判してきたが、そういうことを政治に疎いひとに話すと、私の被害妄想のように思われてしまう。だが、実際にこういうふうに事実を見せつけられると空恐ろしい。
だから左翼メディアは信用出来ないんだ!


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苺畑カカシより


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左翼フェミニストの陰謀か! 「苺畑より」がペットショップサイトに乗っ取られた????

今朝起きたら、うちのブログがなぜかペットショップのホームページにつながったので、読者の皆様は困惑されたことでしょう。
もしやこれは、左翼フェミニストによる陰謀か、はたまたイギリスやカナダの人権擁護法による言論弾圧なのであろうか、と色々勘ぐった末、単にプロバイダーによる更新手続きミスだったことが判明しました。(ちゃんとお金はらってるのにね!)
というわけで問題は解決しましたのでどうぞご安心を。
アクセス不能の間、皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
またある特定のドメインをお持ちの方が拙ブログにアクセス出来ないという苦情をいくつもいただきました。今、プロバイダーに問い合わせ中です。できれば別のPCで試していただくかあ、メールをいただければ特定のエントリーをお送りいたします。(私自身職場のPCからではアクセス不能なのです。)
苺畑カカシ(『苺畑より』管理人)


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