アメリカは充分に社会主義国家ではないと嘆くオバマ王。アメリカのすばらしさを理解できない恥さらし!

ここ数週間、アメリカ議会では新しい2011年度の国家予算について激しい討論が交わされていた。それが昨日、ついに共和党が要求していたかなりの予算削減を民主党が飲んでなんとか予算案が通過するという結果となった。バリバリの保守派側からは削減が甘過ぎるとか、もっと厳しいものにすべきだったという批判も聞かれた。無論民主党側からは削り過ぎだという批判もある。しかし、どこかで妥協しなければ事は進まない。それが政治というものだろう。
だが、それが面白くないのが左翼バリバリ社会主義者のオバマ王。予算削減を要求した共和党に対して大統領としてにつかわしくない攻撃的な演説を行った。反オバマ派のなかにはオバマを社会主義者だと批判する人間が私も含めて多く居るが、この演説はまさにオバマが如何にアメリカの自由競争社会を忌み嫌い社会主義国家を理想としているかというオバマ王の本性を暴露するものとなった。
オバマは先ず、ここ数週間に及ぶ予算案討論は単なる数字の問題ではなく、今後のアメリカがどのような国となるのかということに大きな影響を及ぼすとして、「我々がどのような未来を求めるのか、どのような国を信じるのか、ということです。そのことについて私は本日お話したいのです」と始めた。
オバマはアメリカの豊かな社会は歴史的にアメリカの自由市場や個人主義が根源になっていること、政府に対して健康的な懸念を常にもっていることなどを認めたうえで、しかし何もかも個人でやれるというわけではなく、一人で出来ないことは市民が力を合わせてやってきたと語った。
だからこそ我々は鉄道を敷いたのであり、強い軍隊を作ったのであり、大学をつくり国民に高い教育を与えた。我々は科学者を援助し技術の発展を促進し、あたらしい職や産業を作り出した。我々個々がこれらの投資から恩恵を受けてきたのだという。
ここでオバマが言う「我々」とは無論「政府」と言う意味だが、アメリカ最初の鉄道は民営企業だったし、昔から私立の大学は存在していた。かろうじて軍隊のみが国営だ。ま、それはいいとして、ここからオバマの演説は変な方向に進む。

アメリカ精神の一部として、我々一人一人が基本的な安定性を保つ手段を持つ権利があるという考え方でつながっている。

ちょっと待てよ、私は国民すべてが安定した生活を送る権利があるなどとは考えてないし、そんなことがアメリカ精神だったという記憶もない。国民にはそれぞれが成功する均等な機会が与えられるべきだとは考えるが、その結果がどうなるかは個人の努力次第だ。無論、状況や運によって働けなくなったり失業したりする人がいることは確かで、そうした人々を社会が見捨てるべきだとは思わないが。
オバマ王は、アメリカ市民は不運は誰の身にも降り掛かるということを心得ているからこそ、メディケア(低所得者対象の医療保険)やソーシャルセキュリティ(アメリカ版厚生年金)や失業保険といった制度に税金を払うことに同意しているのだという。

我が国にはこのような責務があるからこそ、より良い国なのである。いや、もっと言わせてもらうなら、このような責務を果たさない国など偉大な国とは言えない。

オバマは、政府が裕福な市民からより多くの税金をとってきたのは、成功した市民を罰する意味はなく、アメリカの公平な価値観からアメリカの自由競争市場の恩恵をより多く受けた人々には、そうでない市民よりも大目に社会に還元すべき義務があるという考えからだったと説明する。
時が経つにつれて、特に1980年代くらいからアメリカの負債はうなぎ上りに増えて行った。しかしパパブッシュやクリントンの時代には共和/民主が協力し合ってその解決策を練ったという。無論これは増税という意味。オバマはアメリカは常に中流階級や低所得層を念頭に入れ、こうした人々を犠牲にしたりしなかったと強調する。そしてこの協力によりアメリカはなんとかうまくいっていた、少なくとも2000年までは、、、
ところが2001年ブッシュ前大統領の時代になると、、と続く訳だ。あ〜あ、またブッシュ前大統領を持ち出して来て、悪い事はなにもかもダービャのせいだとやりだすわけね。もう二年も大統領やってんのに、いつまで他人のせいにするのよ。
ま、オバマのいい分は、ブッシュ前大統領は二つの戦争で大幅に無駄遣いをしたあげく、その支払いも考えずに減税などというけしからんことをやったおかげで、諸外国からの負債を大幅に増やす事になってしまった。国の財政が落ち込んだのはすべてジョージ・Wの減税が根源なのだと言う。
ブッシュ前大統領政権の無責任な減税と処方箋薬剤制度といった悪政策のおかげで、自分が大統領になった頃には国の不経済は手のつけようの無い状態になっていたと、またまたブッシュバッシング。しかし、例えそれが事実だったとしても、それではオバマ王が大統領になってからの2年間で得た負債がブッシュ時代の8年間で得た負債よりも多いという事実はどう説明するのだろうか。イラク戦争が終わった今、オバマには「二つの戦争」という言い訳もないではないか。
誰のせいであるにしろ負債があるという事実は変わらない。ではこの負債をどうやって返して行くのか。オバマ王は、いまこそ共和も民主も協力してこの問題に取り組む時だと言う。確かにその通りだが、オバマ王のいう「協力」とか真剣に取り組むとかいうのは、結局どういう方法のことをいうのだろうか?少なくとも共和党が提案している削除案でないことは確かだ。
共和党のポール・ライアン上院議員は負債を向こう10年間で$4兆ドル減らす法案を提案している。しかし、オバマ王はクリーンエネルギーから70%、教育費から25%、交通機関から30%、ペルグランツという奨学金から年間1000ドル以上の削除、といったやり方はアメリカの歴史的な精神に反するやり方だと主張する。
このようなやり方は勉学に励みたいがお金がない若者に対して大学に行くなと言っているようなものだという。中国や韓国などでは国が国民の教育に熱心に投資しアメリカの生徒の学力を追い抜いているというのに、アメリカはさらに教育費を減らそうというのか。しかも貧乏な子供達の教育費やきれいな空気を守るためのお金はないといいながら、裕福な市民や企業の税金控除をする余裕はあるなどというのはおかしいと言うわけだ。

考えてもみてほしい。過去10年にわたって下層の90%のアメリカ人の収入は減った。にもかかわらず上層1%の収入は平均25万ドルの上昇をみた。なのに、これらの人々が低い税金をはらうべきだというのか?彼らは私のような(金持ち)に20万ドルの減税をし、33人の老齢者からそれぞれ6千ドルもの保険料を負担させろというのだ。それは不当だ。そんなことは私が大統領である間は絶対に実現させない。(略)このようなやり方は私が知るアメリカのやり方ではない!

オバマ王だけではないが、民主党はかならず「減税」のことを「消費」と言い換える。国民が汗水流して稼いだお金を政府に渡さずに保持することを政府による「消費」だというのである。あたかも国民の金はもともと政府のものであり、国民がその一部を保持することは政府が国民に金を払ってやっているとでもいうように。
さて、それではオバマ王が考えるアメリカとはどういうものなのかと言えば、「私の知るアメリカとは寛大で温情的で機会の国という楽観的な国」なんだそうだ。だが、オバマがいう寛大で温情的な社会というのは、津波や地震の被災者に寄付金を送って上げるというような社会のことを言うのではない。オバマのいう寛大で温情的な社会とは、市民が払った税金で国が多くの福祉機関を運営する社会のことを言うのである。まさにこれが先日までカカシが討論していたツイッターの槻菟さんやウィスコンシンの小学校勤務さんたちと、私のような保守派との根本的な違いだ。
我々小さい政府を求める保守派から言わせると、政府のやるお役所仕事は不経済であり非能率的である。そんな政府に任せるよりも、我々が個人的に同胞を助けた方がよっぽども効率が良いと考える。政府が高い税金を我々から巻き上げるようなことをしないでくれれば、我々はもっと多くのお金を寄付することが出来るのだ。
日本の津波の被災などの募金運動でも解るように、アメリカ人のみならず日本人にしろ一般の市民は非常に寛大で温情が深い。税金などといった形で政府に強制されなくても、個々の意志によって困った人々を助けることなど普通に起きる。私から言わせれば、政府の介入がかえってそうした自然な慈善活動を邪魔していると思う。
オバマ王はこうした社会福祉機関への予算削除は全く望んでいないという。福祉を削らなくても負債を返す方法があるのだと。それはなにかと言えば、言わずと知れた増税である。
オバマ王は増税のことを政府の消費削減だと言い張る。なぜ国民から余計に税金を取りたてることが消費削減という屁理屈になるのかといえば、カカシが先にも述べたように、オバマ王は国民が保持している金は元々政府の金であり、一時的に政府が国民に貸してやっているものと考えている。だから減税は政府が国民に支払う金額が多くなり消費であり、増税は政府の支払いが減るから削減になるという理屈なのである。
だが、その話をする前に、先ずオバマが政府機関で唯ひとつだけ本当の予算削除を提案している部分がある。それは何かと言えば、そう、その通り防衛だ。
軍隊の総司令官として国の安全を危機にさらすようなことはしたくないとしながらも、国家負債は国にとって由々しき問題であるから国内の機関での節約が必要なのと同じように、やはり防衛も削らなければならないという。組合の力が強い他の公営機関からは何も削っていないくせに、自分が嫌いな防衛費だけは削っているオバマ王は、すでにここ2年間で毎年400億ドルを節約したと自慢する。そして今後も防衛費のもっと大幅な節約が可能だと言い張る。
確かに防衛庁には無駄な部分もあるだろう。お役所仕事であるから仕事もしないで給料もらってる役立たず従業員が居ないとは言わない。軍隊の部品なども高過ぎるものを無駄に買わされていることもあるだろうし、役にたたない武器開発プログラムがないとは言わない。だが、軍隊嫌いのオバマ政権のする軍隊予算削除で削られるのは、本当の無駄ではなく軍隊でもオバマと政治的に通じている将軍らが自分の気に入らない部分を削る結果になるのが普通だ。だからリビアで護衛艦のトマホークが弾切れになったりするのだ。
もうひとつ、オバマが予算削減に役に立つとしてあげているのが医療費の節約。オバマケアによって既存のメディケアやメディケイドといった医療保険が必要なくなるので、医療費を減らすことが出来ると言うのだ。だが、オバマ王以外はすでに誰でも認めているようにオバマケアは医療費節約どころか国の赤字をさらに増やすことになる。オバマケアではメディケアやメディケイドの加入者たちの医療など賄いきれない。つまり患者達は今までのような医療をうけられなくなり、もっと保険料の高いオバマケアへの加入を強制されることいんあるのだ。それをとぼけてオバマケアは国が使う医療費を大幅に節約するなどという戯れ言は民主党支持者でも信じていない。
ちょっと寄り道したが増税の話に戻ろう。オバマ王は税率を取り決める様々な規制を削減することによって財政の節約が出来るという。去年の12月、オバマ王は中流階級の増税をしたくなかったので、上流階級のブッシュ時代の減税をやむなく更新したと語る。しかし今後は百万長者や億万長者の減税を認める余裕はない、断じて金持ちの減税更新はしないと言い張る。
アメリカの税金制度は、色々なものが税金の控除になるように出来ている。例えば住宅ローンとか慈善事業への寄付金などは税金控除の対象となっているが、オバマに言わせるとこうした控除は税金の無駄遣いだという。何故なら大金持ちはこういった税金控除で一世帯あたり年間平均7万5千ドルも節約しているのに比べ、項目別納税をしていない中流階級はこうした控除が全くできないでいる、というのがオバマの理屈。だが、項目別納税をしているのは大金持ちだけではない。オバマが規制しようとしているのは年収20万ドル以上の家庭だ。20万ドルの収入は高いと言えば高いが、アメリカの中流家庭で夫婦共稼ぎの家の収入は10万から15万ドルくらいだから、20万はそれよりちょっと多いくらいであって、決して大金持ちと言えるような裕福な家庭ではない。
それにだ、私はビル・ゲイツのような大金持ちでも、マイクロソフトのような大企業でも、金持ちだからといって一般人より高い率の税金を払うべきだという考えには全く賛成できない。
ウィスコンシンの小学校勤務さんは、アメリカの現在の不況を作り出したのは大企業や大銀行の強欲が原因だと本気で考えているらしい。自分らで財政難を作り出しておきながら不景気の時に減税されるなど納得がいかないと彼女は言う。だが、自由市場で公平な競争で合法な商売をしている企業が、たとえどんな動機にせよ正当に利益を得ることが国の財政難につながるという理屈はおかしいし、例え本当にそれが財政難の原因になったとしても(そんなことはあり得ないのだが)そうした企業から収入が多いからという理由で高い税金を取り立てることで国の財政が潤うと思ったら大間違いである。
大金持ちや大企業は地元の税率が高くなったら何をするか、彼らは先ず近所を見回して税率の低い土地に引っ越すだろう。ビートルズを始め大金持ちがイギリスから逃亡したのも金持ち対象の法外な税金が原因だった。カリフォルニア州から大企業がどんどん退散して企業税金の低いネバダやアリゾナ州に引っ越したのも全く同じ理屈。企業が国内から逃げてしまったら、その企業が国内で雇っていた従業員は全員失業だ。失業者は税金など払えない。アメリカは高い税率によって税収入が上がるどころかかえって大幅に下がってしまうのが現実なのだ。
レーガン大統領の1980年代にアメリカのIT業界が一気に増幅し、前代のカーター政権時の不景気からアメリカが大挽回を達成出来たのも、レーガン大統領の大幅減税のおかげだった。レーガン時代には税率は下がったのに政府の税収入は上がった。それは好景気によりアメリカ国内の企業の利益と国民の収入が大幅に上がったからである。
オバマ王のやろうとしていることは、レーガン大統領がやって大成功を収めた政策の正反対のことなのだ。そんなことがうまくいくわけがないのは火を見るより明らかである。
だが、オバマ王はアメリカの特別な良さである競争の自由を理解していない。アメリカが機会の土地と呼ばれるゆえんを全く解ってない。
アメリカでは貴族に生まれようが平民に生まれようが、能力さえあれば成功する可能性がある国だ。だが、それが可能なのは自由競争という市場をアメリカ人が大事にしているからである。だが、オバマ王は自由競争では勝者と敗者があり不公平だという。だから敗者を助けるために勝者を罰するべきだというのである。こういう考え方はアメリカ的ではない、こういう考え方はアメリカ精神に真っ向から反するものである。こういう考え方はまさに
社会主義である!
オバマはアメリカの大統領の座に着きながらアメリカを代表しない非国民だ。アメリカの敵だ。2012年の選挙では、なんとしてでもオバマを打ち倒さなければならない。こんな人間がさらに四年も大統領をやったりしたら、アメリカはそれこそ私の知るアメリカではなくなってしまうだろう。


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ウィスコンスィン州教員さんからの多分最後の手紙に返事

昨日書いたばかりのエントリーに、ウィスコンシン小学校勤務さんから、もうすでに返答があった。左翼リベラル特有の人をバカにした言い方で、「とんちんかん」な答えを読むのが「面白かった」と書いている。だが、相変わらずカカシが彼女の質問を大げさに表現していると文句をいいながら、メール内容の直接公開を拒否している。ので、ま、しかたない。彼女とのやり取りは多分これで最後になるだろう。自分がカカシに対して非常に失礼な内容の手紙を書いているのに、自分は丁寧に手紙を書いているのに私が乱暴な言葉使いをしたと文句を言ってる。ご冗談でしょう!
先ず、『証拠をだせ』『情報源を提示しろ』と色々いっていた事に関して、ウィスコンシン州の公務員の給料が民営企業のそれより高いという事実や、公務員は犯罪を犯していても解雇するのは難しいという例など、色々とリンクまで張って情報源を提供したが、コメンターさんは、自分の反論の根拠が完全に崩れた情報源についてはだんまりを決め込み、ちゃちゃを入れられそうなものだけ選んで見苦しい言い訳にかかった。そのひとつがこれ。
学校に足も踏み入れずに高額の給料をもらっている用務員の例について、そういう用務員が沢山いると書いていたのに例はたったのひとつなのか。
最初はそういう人間が居るということすら認めず、沢山いるというなら一人くらい例をだせるだろ、出せるもんなら出してみろ、というから一例を出したら、たったの一例なのか。ばかばかしいと来た。もっともこれでカカシが10例だそうが100例だそうが、彼女の答えは同じだろう。検索するだけ時間がもったいないからこれでやめておく。
ウォーカー知事が警察や消防隊や州警備隊を予算削減の対象からはずした理由について、カカシは最初にストをやられたら困るからと書いたくせに、公務員のストは違法だと指摘されたら、労働組合が恐怖を煽るとか、話をごまかしている。
私が最初にウォーカー知事は州の安全保証に関わる人々の組合相手に予算削減の話など始めて、ストでもやられた日にはかなわないという話をしたが、無論そのストとは組合連中が州民の安全を脅かすために組員をそそのかしてやらせることになるだろう、なんてことは文脈から明らかなはずだ。公務員のストは違法だが、ウィスコンシンの教員達は仮病を使って休みをとるという事実上のストを行っている。警察や消防隊なら、犯罪や火事の通告があっても出動しないとか、出動してものろのろ時間稼ぎをするとか、あからさまなストではなくても事実上のストなどいくらでも出来る。そんなことになったら教育界の予算の話などやってる場合ではなくなる。組合の汚い手口は充分承知のウォーカー知事は先手を売って警察や消防や州警備隊の予算には触らなかったのだ。そのくらいのこと読めばわかるだろうに、よくこれで教員なんかやってられるよな、、おっと正教員ではなく単なる助手だっけ。
それから州の上院議員が組合の暴力団に囲まれた件に関しても、単に囲まれただけじゃないか、暴力シーンとかおおげさなことをいうな。カカシの州では単に囲むことが暴力を振るったということになるのか。
カリフォルニアだけでなく、アメリカ全国において個人を威嚇して取り囲む事は”assault”と言って完全な犯罪になる。しかもこの議員は議事堂に投票するために出勤しているのに、その議員が仕事をすることを邪魔したことや、道を封鎖したことは、下手をすれば誘拐とか強制幽閉とかの罪にも問われる。だからこれは暴力団員に暴力をふるわれた、警察はなにもしなかったというカカシの最初の提言は歪曲でもなんでもない事実である。
それから彼女は自分は左翼リベラルのバブルの中で生きて等いない、夫の両親はバリバリの共和党員で義兄もバリバリの保守だと書いている。だったらもう少し家族の方々のいい分も聞いては如何かな? 
ところで、議会で議員としての責任を果たさず他州に遁走した民主党議員たちについて、コメンターさんは彼らの非民主主義的行為を責めるどころか、彼らの帰還を英雄のように出迎えたのだそうだ。州民から州の憲法を尊重するために選挙で選ばれた議員たちが、自分らの責任を果たさずに逃げ隠れしているのを支持するウィスコンシンの左翼リベラルは完全な部族主義。とうてい民主主義者とはいえないね。


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カカシにもの申す!『異なる意見を尊重しない、根拠もなしに嘘八百』ウィスコンシン州教職員からカカシに猛抗議! 

前回、ウィスコンシン州の小学校勤務というコメンターさんの話をしたが、彼女のなが〜いメールの中でされたいくつもの質問や抗議についてこちらがすべて答える暇もなく、私の第一弾のブログポストについての返事が二通に渡って立て続けに来た。しかもそのどちらも非常な長文。そのなかで、彼女は私が、異見を持つ人を尊重しないきわめて失礼な人間であるとし、カカシが根拠もなく嘘をつき、他の保守派の意見の受け売りをしている独創性の無さに失望したと批判した上で、共和党の面々はカカシも含めて信用できない、と書いて来た。しかも最初のメールで自分の書いたことをそのまま直接公表してくれるなとの彼女の意志を尊重したカカシに対して、自分の都合のいい部分だけを選りすぐって答えているとか、彼女が書いたことを歪曲しているなどという苦情も述べていた。しかも他人に根拠を提示せよと要求するわりには、自分の書いていることを証明するような根拠は一切提供していない。
このように相手に礼節を要求しながら、自分は失礼きわまりない侮辱的なメールを連続して突きつける一方的な相手に対して、カカシがいつまでも礼節を尽くす義務はないと思う。よって、今後のブログエントリーは手袋を脱いでさせてもらう。カカシが要約した彼女のメールの内容が歪曲されているとか正しくないという気持ちがあるなら、メール内容の公開を許可されたし。私はもともとメール内容の公開許可を求めていたのだから、全く困ることなどない。それが嫌ならどのようなことを書かれても文句は言えない、フェァゲームである。
では、彼女が私に抗議した内容について、引き続き答えていきたいと思うが、先ずは私の先のエントリーへの返事があるので、そちらから片付けておこう。
民間企業はすでに不景気のあおりを食っているというが、民間企業には市場競争があるのだからそれは当たり前だ。利益とは無関係に社会に必要な仕事をしている公務員を民間人と同等に並べて競争させるべきではない。そのような公務員の待遇を景気の善し悪しで変えるべきだという考えはおかしい。
景気や利益とな無関係だという崇高な仕事をしている公務員なら、民間人より低い給料をもらっているとか苦情をいうのは変ではないか。それに公務員は特権階級の人間なのか?不景気で州が破産しようという時に公務員だけは社会が必要としている仕事だから優遇されたままでいいというのか? しかも、その特別待遇は下々の者たちの税金を上げることで賄うべきだと言い張るコメンターさん、すでに不景気の煽りを受けて失業したり減俸されたりしている納税者にさらなる負担を強制することで、自分らの特別待遇を保ちたいというコメンターさん。彼女はこれが民主主義のあるべき姿だと本気で考えるのだろうか?
ウォーカー知事は組合を潰すとは言っていないと言うが、組合から交渉権を奪うということは組合をつぶそうというのと同じだ。
これはまさしくその通りだろう。ウォーカー知事が組合に要求した三つの条件のうち最初の二つを飲むと妥協案を出した組合に対して、三つ目の交渉権規制も受け入れなければ議論は破綻だと言い張るウォーカー知事の本心が組合つぶしにあることは先ず間違いない。だが、最初から知事が組合はつぶすべし、と言ってしまっては、組合連中のウォカーは労働者の敵だという定義付けにはまってしまう。そのへんは政治家としてウォーカー知事はしたたかなのだ。だから、私はあえて知事にその意志がないとは書かず、知事はその意図を明らかにしていないと書いたはずだ。ちなみに組合つぶし多いに結構、組合など害あって益なしというのがカカシの意見だ。
「公務員の給料が民営のそれより低かったというのは昔の話」などとは何を根拠に言い張るのだ。ウィスコンシン州の公務員の給料や一般市民の平均収入も額もしらないくせに、いい加減なことを言うな!
およそ保守派とか右翼とは言えないUSA Todayの調査で、ウィスコンシン州の公務員の給料は民間企業の平均給料よりも高い41州の中に含まれるというものがある。

ウィスコンシン州は公務員が同州の民間企業の労働者よりも多く稼いでいる41州のひとつであることが、USA TODAYの分析で解った。ウィスコンシン州公務員の給料以外の手当は連邦政府公務員以外の全国平均よりも低く、2000年以来多少の増額しかみられない。

アメリカは連邦制を引いているので公務員といっても州と連邦政府とではまた異なる。これが連邦政府に雇われている公務員となると、これも同じくUSA TODAYの調査だが、その給料は同等の職種の民間労働者よりもずっと高いという統計が出ている。
カカシは『公務員の場合、単に仕事が出来ないというだけでは先ず辞めさせられないのが現実』などと書いているが、いったいどこの州のどこの公務員がこれにあたるのか明記せよ。私の勤める学校区ではそんなことはあり得ないと断言できる。
正直な話、うちの職場でも民営企業ならとっくの昔にやめさせられているような従業員がいるが、そんな体験話は証明のしようがないので、こちらの例を出しておこう。ニューヨーク州のニューアーク学校地区では少女にわいせつ行為を働いた教員ですら組合が弁護して解雇されなかったといった例がある。リンク先の記事にはテニュアーといって終身雇用保障資格をとった教師達は不能でも、いかに解雇が難しいかが記されている。
公立学校の用務員には学校に足を踏み入れたこともないのに膨大な収入を稼いでいる奴が多く居るなんてのは口からでまかせだ。そんな人間がいるというなら明記しろ!
ニューヨーク州はクィーンズ地区で明らかにされたこの事件
36年間学校区に勤めていたベテラン用務員の年収はなんと17万ドル。地区に10軒の不動産をもち、その合計5百80万ドルというこの男性。彼の家の改築に雇われた元大工たちの話によると、この用務員は自分の仲間をさらに学校の従業員として雇い、仕事に来ても居ない仲間達と学校の用務員用の予算をやまわけしていた。
私立に子供を行かせられる家庭は一般市民より裕福な家庭なのだから、さらに州からバウチャーなどという援助は必要ないはずだ。財政が破綻している時こそ、裕福な家庭は州民の教育費の負担をすべきなのであり、自分が払った税金の一部返済など求めるべきではない。
子供を私立の学校に送りたいと考えている家庭は何も裕福な家庭とは限らない。自分の住む学校区の公立学校は柄が悪く程度も低いので、子供は私立に通わせたいが経済的に授業料を全部払うのは無理。こんな家庭にとって州から税金を一部返済してくれるバウチャーは大歓迎だろう。だいたい公立学校の教員の程度が低いから子供を私立に送りたいなんて家庭が増えるんじゃないの?
しかし夫を教員に持つコメンターさんは教員の能力を生徒の学力で審査するなど出来るはずがないという。
教師の昇級を生徒の学力向上で決めるなどというが本当に出来るとあなたは考えているのか?知恵おくれの生徒もいれば天才的な生徒もいるのに、その両方を担当している教師の能力をどうやって計るのだ?また、また家庭に恵まれた子の多い地域と貧困に苦しむ地域との子供達とでは学力も異なり、家庭の協力が得られるかどうかによっても子供の学力には差が出る。そんな教育の場所でどうやって教師の能力を計ることができるのか? それを理解せずに校長が教員の能力を生徒の学力で計りたいと言っている学校区があるというなら明示しろ!
生徒の学力を全国テストなどの点数だけで計れといわれれば、恵まれた地域の子供とそうでない地域の子供では差が出るから無理だというのは解る。だが、特定の教師が受け持つ以前と以後とで生徒の学力こう向上がみられれば、それは教師の才能を計る目安となる。カリフォルニアで英語もろくに話せないラテン系移民の高校生の数学の成績を劇的に上げたハイミー・エスカランテ教員などがいい例だろう。
また、学校は公立だけでなく私立もある。私立の学校ではレベルが低くなれば生徒数が減って経営に困るから、能力ある教師を集めるのではないのか?私立の学校で出来ることが何故公立の学校で出来ないのか?同じ仕事をしているのに何故民営と公営では質がこうも異なるのか、コメンターさんは考えた事があるのだろうか?
ところで私は公立の学校で、教師の才能を生徒の学力で審査するような校長が居ると言った覚えはない。教育界で左翼リベラルの思想におかされ組合政治にどっぷりつかっているような校長のなかにそんな根性のある人がいるとは思えない。私はよしんばそんな既得な校長がいたとしても、組合の圧力の前では手も足もでないだろうと書いたのだ。
カカシは警察や消防などが予算削減の対象から除外されたのは州の安全に関わることだからなどというウォーカー知事の言い訳を真に受けている。問題はそんな単純なものではない。そもそも公務員のストは違法だ。そんなことも知らないのか。
私は知事の言い訳を真に受けているのではなく、州の安全に関わる人たちを予算削減の対象にしたりすると、州の予算削減によって州民の安全が脅かされるなどといって組合が州民に恐怖心を煽るのは目に見えているから、それを見越して知事はこれらの人々を対象からはずしたのだろうと書いたのだ。公務員のストは違法だというが、教員ら公務員がヤブ医者からもらった偽診断書を学校側に提出して仮病をつかってデモに参加するのも違法のはず。民主党議員が議員としての義務も果たさず議会から遁走して州外に逃げ隠れするのも違法とまではいかないまでも、政治家としての任務放棄で責められるはず。民主党支持のコメンターさんは、ウォーカー知事の苦肉の策を違法だのなんだのと批判する暇があったら、その原因をつくった民主党議員達の責任放棄について批判すべきだろう。
ウィスコンシン州の労働組合の組員がティーパーティーのメンバーに暴力を振るったというような事実は全くない。抗議者の運動はすべて平和的であり、逮捕されたのはデモの許可の出ていない場所でデモをしたことが原因。断じて暴力行為などしていない。
羅列されたあらゆるいいがかりにいちいち答えるのにかなり疲れたので、労働組合の暴力団員の暴力行為については下記のリンク参照。組合暴力団員による暴力はビデオに撮られている。これはウィスコンシン州だけの例だが、他の州も合わせたらかなりのもの。それに比べてコメンターさんが馬鹿にしているティーパーティーの集まりでは、反対派に暴力をふるうような野蛮な組合員はいない。
リンク先で労働組合の暴力団員にひとり囲まれたウィスコンシン州の共和党議員の映像をみることができる。
こちらは実況中にウィスコンシンの組合暴力団に襲われたフォックスニュース記者の映像。
その他、ウィスコンシン組合暴力団員の暴力行為に関する記事はこちら。
ウィスコンシン州小学校勤務コメンターさんは、常に自分と同じ意見の左翼リベラルのバブルの中で生きているから、右翼保守は証拠も無いのに思いつきで一方的な意見を述べている、相手の意見などに耳を傾けない、という自分らで作り上げた保守派のステレオタイプを信じ切っている。自分と違う意見を持った人の立場を尊敬していないどころか、知りもしない。相手を上から見下して馬鹿にしているのは自分たちのほうなのだということにすら気がついていない。
ただし、このコメンターさんは少なくとも右翼保守だと自分で認めているカカシのブログを一応は読み、そのカカシに自分の立場を丁寧に説明してくれたので、それだけでも右翼保守なんぞと話ても時間の無駄だと反対意見など聞く耳持たない彼女の旦那さんよりは救いはある。
そう思ったので、長時間かけて返答をさせてもらった。


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カカシにもの申す! ウィスコンシン州教員の立場から抗議

本日、ウィスコンシンで公立学校で夫婦で教員をしているというアメリカ生活はもう長いとおっしゃる日系アメリカ人女性からメールを頂いた。非常に丁寧にご自分たちの立場をご説明いただいたので、こちらもきちんとお答えする必要があると思う。お返事はせっかくなのでメールではなくブログにて書かせてもらう。ただし、メールからの直接の引用は止めてほしいとのことだったので、私の文章でまとめたものを掲載する。
彼女は私が以前に書いた一連のウィスコンシン騒動について異論を述べている。関連記事はこちら。
ウィスコンシン州知事全面勝利、明るみに出た民主党と労組の腐敗ぶり
何故団体交渉はいけないのか?
民間企業の組合よりたちが悪い州公務員労働組合
さて、ではコメンターさんのクレームを順を追って分析してみよう。
ウォーカー知事は州の財政を建て直すために労働組合を廃止しようとしているが、州の経済は組合をつぶさなければならないほどひどい状態ではない。
これは非常に事実を歪曲した言い方だ。先ず第一に、ウォーカー知事は労働組合を廃止したいなどとは一度も言っていない。組合による団体交渉権の一部を限定したいと述べたに過ぎない。知事が財政を建て直すために州公務員に提案した内容は下記の三項目、知事が州公務員にあてて書いた手紙よりまとめると、、

  1. 年金への自己負担について、ウィスコンシン年金システムへの振込の毎月自己負担を50%に引き上げる。これには知事を含む州従業員全体が対象となる。この金額は2011年の年収の5.8%程度であり、民間企業に勤務する人々のほぼ全国平均である。
  2. 健康保険料の負担について、現在州従業員は毎月の健康保険料の6%を負担しているが、これを少なくとも12%に引き上げる。これでも民間従業員の負担よりずっと少ない。(後略)
  3. 団体交渉権について、基本給料の率に関しての交渉権を制限する。昇給の額はthe Consumer Price Index (CPI)を上回ってはならない。契約は一年ごととし新しい契約がむすばれるまで給料は凍結される。組合は一年ごとに選挙をおこない組合としての資格を維持しなければならない。経営者側が組合費を集めることは禁じる。団体交渉の対象となる従業員でも組合費を支払う義務はない。 この法律からは地方警察や消防署及び州パトロール隊の従業員は除外される。

ウォーカー知事が組合の権力を弱めようとしていることは確かだが、組合の存在そのものをつぶそうという意図は明らかにされていない。組合が実際に従業員の労働条件を良くしているというのであれば、特に政府が会費を無理矢理とりたてなくても自主的に従業員から組合費を集めることは可能なはずだし、組合が人気があれば、組合の存在自体を承認するかを投票で一年ごとに取り決めることにも問題はないはず。こうしたことが組合をつぶすことになるというのは変な理屈だ。
また、警察や消防などが予算削減の対象から除外されている点についても、コメンターさんは彼らが前の選挙でウォーカー知事にたくさん献金したからだという。だが私から言わせれば、州の安全に直接関わる機関を対象外にするのは当然のことだと思う。少なくとも予算削減は他の部分で決着が着いてからにするというのは懸命だ。最初から警察官や消防官や州警備隊を予算削減の対象にしたりしてそれらの組合にストでもやられた日には教育組合との話合いどころではなくなるからだ。
団体交渉権がなくなると、劣悪な労働条件を強制されても従わなければならなくなる。
以前にも書いたが、民間企業の場合には組合が団体で経営者と交渉する権利が保証されることに問題はない。なぜなら民間の場合、雇用主が従業員に直接給料を払う立場にあるからだ。しかし公務員の場合は、交渉の相手である州政府は公務員の雇用主とはいえ直接給料を払う立場ではない。実際に公務員の給料を払うのは一般の納税者である。ところが、その当の納税者にはこの「交渉」における発言権がない。言ってみれば、公務員労働組合の団体交渉は組合と州政府が組んでいかに納税者から税金を巻き上げるかという相談でしかなく、納税者には異論をとなえるすべがないのである。(こういうのを代表のない課税という)
これまで、ウィスコンシン議会で多数議席を占めていた民主党議員たちは組合に都合のいい条件を通す事によって自分たちは組合から政治献金という見返り金をもらってきた。そうやって州公務員は民間従業員よりずっと良い労働条件を得て来たのである。それが現在の州の財政難のひとつの要因となっているのだ。
ウォーカー知事が団体交渉権の制限を主張し続けている理由は、交渉権さえあれば、共和党が多数議席を持っている間だけ妥協しても、民主党が多数を握った時点で再び公務員優遇体制が舞い戻り、現在の財政難を作った状況が繰り返されるだけだからだ。
ウォーカー知事は公立学校の予算を減らしておきながら、私立学校へ通う生徒にバウチャーという形で授業料を援助しようとしている。
私立へ通う生徒へのバウチャーだが、州は公立学校に生徒の頭数によって資金を供給している。無論学校の資金は税金で賄われているわけだから、子供を私立の学校へ送る家庭は自分の子供が行かない公立学校に行く子供達の授業料を一部負担し、さらに自分の子供が行く私立学校の授業料を払うという二重の負担をしていることになる。
ウォーカー知事が提案していることは、私立学校に子供を通わせる親にも、自分の払った税金の一部が自分の子供の授業料にバウチャーという形であてがわれるようにしただけだ。しかも私立に行く子供に与えられるバウチャーは州が公立学校に支払う一人頭の生徒の金額よりも少ない。つまり、州としては私立に行く生徒にバウチャーを払った方が同じ生徒が公立学校へいくための授業料を払うより安上がりなのだ。公立学校の生徒への資金を減らして私立学校の生徒にあてがったという考え方は正しくない。
州が経済難であるにも関わらず、利益をあげている銀行や大手企業には税金控除がされ、公立学校や生活保護や保険などの公共機関の予算が削られるのは理に合わない。なぜ民営企業にばかり恩恵をあたえ、公共機関を縮小しようとするのか。何故公務員ばかりがリストラされたり減俸を強いられるのか。予算がないのなら税金をあげて州全体で不況を乗り切ればいいではないか。景気のいい時は民営企業の社員は公務員よりずっと高給をもらってその恩恵を受けて来たのだから、不景気の時くらい犠牲を払ってもいいはずだ。
この部分を読んで、教育界というバブルの中で生きていると、こうも世間知らずになるものなのかと感心してしまった。
コメンターさんは自分の夫の給料が民間企業の同じ学歴の人と比べてそれほど高くはないと言い張る。ウィスコンシンの一般市民の平均年収がどのようなものか私は知らないので何ともいえないが、借りに民間企業の従業員が景気のいい時に公務員より高級取りで優遇されていたとしよう。コメンターさんは不景気になった今、こうした民営企業の社員たちがそれまでと同じように優遇されていると本気で思っているのだろうか?
一昔前までは民営企業の給料の方が公務員のそれより高いというのが普通だった。それでも公務員が低い給料で甘んじたのは公務員には安定性があるからだ。一般企業は企業が経営不審になれば従業員を簡単にリストラするし、減俸するにしても特に知事が法律を通したりして全国ニュースになどなったりはしない。民間企業で高給をもらっていた社員たちは、景気が傾いた時点で、もうすでにリストラされたり減俸されたりしているはずだ。民営企業に努める納税者たちはもうとっくの昔に不景気のあおりを食って十分に犠牲を払っているのだ。
ウォーカー知事が民間企業の税金を控除したりしているのは、そうした企業の負担を少しでも和らげ、企業の経営維持がされることで、失業者の数を減らそうという考えからだろう。そして、知事は公務員だけを責め立てているのではなく、こういう時だからこそ民営企業の人々と同じように公務員も犠牲を払うべきだと要求しているにすぎない。
公務員の給料が民営のそれより低かったというのは昔の話。それだけではない。組合の団体交渉のおかげで健康保険料の負担や年金への積み立て負担など、一般企業の人々では想像も出来ないような優遇がされていたことが今回のウォーカー知事の法案で明らかにされたのだ。州公務員のコメンターさんは、すでに不景気でリストラされたり減俸されたりしている民営企業の納税者たちに、さらに公務員の恵まれた生活を守るためにもっと税金を払え犠牲を払えと要求しているのである。
自分らの要求がいかに理不尽であるか、彼女たちは全く気がついていないのだ。
次回に続く、、


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連邦政府閉鎖の危機、連邦公務員は無給自宅待機を余儀なくされるのか?

アップデートあり:政府の閉鎖回避 与野党、連邦予算削減で合意
アメリカ国内では今夜零時までに予算案が通らなければ、連邦政府は今年の予算配布をすることができず、連邦政府閉鎖という危機を迎えている。
問題なのは共和党が提案した大幅削減の予算に民主党が全く妥協出来ずにごねているため、共和民主の間で予算案の合意が得られないことにある。そして今年の予算案決算締め切り日は本日零時。その時になっても予算案が通らない場合には、どうしても必要とされる最低限の機関は除いて連邦政府のほぼすべての機関が活動停止となる。連邦政府に勤める二百万という公務員たちは一時的に無給の自宅待機とを余儀なくされる。
さて、ここで問題なのがどうしても必要な最低限の機関とは何かということだ。常識から言って、戦争中の軍隊とか空港の警備員とか空港の管制タワーの職員などは必要最低限の人員だと思うが、そこは常識はずれのオバマ王のことだ、どうなるのかかなり怪しい。
防衛庁勤務で必要最低限と指定された軍人や民間人従業員も、そのお給料の支払いはすでに働いた分の一週間分を除き、残りの供給は予算案が通ってからのことになるので、決議が長引けば長引くほど収入なしでやりくりしていかなければならない。ある程度貯金のある人はいいが、月々の給料でやっとこさ生きている若い兵士やその家族たちは、給料を一ヶ月でも先延ばしにされたらかなり困るだろう。これが戦地で命がけで戦争やってくれている軍人達に対してする行為なのか?
と思った共和党議員たちは議論中も防衛庁だけは悪影響を受けないようにと2011年度末まで防衛庁の予算を限定付きで配分する議案を提案した。しかし、オバマ王は何を思ったのかそのような議案が通った場合には否決すると宣言した。

「そのような法案は今年度の予算案妥協という肝腎な仕事や、連邦政府閉鎖というけしからん行為を避けることの邪魔になる。」

というのがその屁理屈。
連邦政府閉鎖はクリントン大統領時代の1995年に二回連続して行われた事がある。その時は民主党の発案に共和党が妥協せずに起きたため、有権者の多くが共和党を責めて次の選挙で共和党は大敗したという歴史がある。実際に閉鎖の原因が共和党にあったかどうかは別として、市民が民主党より共和党に腹を立てた事は事実である。
共和党はその過去の歴史を教訓として、今回はなんとしてでも政府閉鎖だけは避けたいと言い続けて来た。そして共和党は自分らのこれだけの努力にも関わらず民主党は政府閉鎖を決行しようとしていると民主党を攻め続けている。また、民主党側も共和党が無理難題を押し通すのなら政府閉鎖も覚悟の上だと大騒ぎしているので、市民の間では政府閉鎖の責任は民主党の方にあるという印象が強くなっている。
そのことで、次の選挙で再選がかかっている民主党議員の間では、国民に余り腹を立てられないように、せめて軍隊の予算だけでも確保しておこうと思う議員も多いだろう。ということは防衛省の本年度予算一時確保の法案は共和民主の共同で通る可能性は多いにあり得る。
その法案をオバマ王が否決したりすれば、完全にオバマ王の反軍隊意識があからさまになり、こんな奴に総指揮官などやらせておけないと思う国民が多くでるかもしれない。そうなれば2012年の選挙ではオバマにしろ民主党にしろかなり危ないことになるだろう。
ともかくだ、おい、議会の政治家連中!税金無駄遣いすな!ごたごたごねるならごねてる間無給料でやれ!なんでお前らの優柔不断のせいで無関係な公務員が給料なしで働かなきゃなんないんだ!いい加減にしろ!
アップデート:政府の閉鎖回避 与野党、連邦予算削減で合意

ワシントン古本陽荘:米連邦政府の暫定予算の期限が切れる8日、11会計年度(10年10月~11年9月)の予算案について与野党は約390億ドル(約3兆3000億円)を削減することで大筋合意した。これにより連邦政府の一時閉鎖という最悪の事態は回避された。
 法案策定作業は同日中には間に合わないため、上下両院は1週間の暫定予算案を賛成多数で可決し、大統領の署名で成立。11年度予算案については来週中には成立する見通しとなった。
 与野党の合意が発表されたのは暫定予算の期限が切れる約1時間前の午後11時ごろという土壇場だった。(略)
 今年度予算をめぐっては、(略)大胆な財政削減を求める共和党と、極端な財政削減は経済成長の妨げとなると主張するオバマ大統領・民主党との間で対立が続いてきた。会計年度が始まったのは昨年10月で、半年たっても予算が成立しない異常事態に陥っていた。


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通過して1年、日に日に明らかになるオバマケアの問題点

この間からツイッターで、私の、高額な税金や政府の無駄遣いに関する批判について、どうも理解できないという人から立て続けに質問を受けているのだが、日本の皆保健に慣れて満足している方々には、オバマ大統領及び民主党がごり押ししたオバマケア国民皆保険制度に何故多くのアメリカ市民が反対なのか理解に苦しむのかもしれない。オバマケアは日本の皆保険制度とは違う。アメリカ市民が反対しているのは国民皆保険制度というよりオバマケアという悪制度であることをご理解頂きたい。
そこで、オバマケアが通過して一年、すでに現れているその悪影響についてアメリカンフォータックスリフォーム(税制度改正を求めるアメリカ市民)なる団体が掲げた、10の問題点を読んでみよう。

  1. 2011年1月1日から、職場を通じたFSAや個人のHSAといった、医療費専門預金口座から市販の薬を買うことは出来なくなった。
  2. 2010年7月1日から、アメリカ市民はタニングサローン(室内日焼けサロン)において、これまでより10%増しの消費税を払わされている。
  3. 2018年から「良過ぎる」もしくは「キャデラック(豪華過ぎる意味で)」とされる健康保険に入っている人には、保険に対して40%の増税が課される。
  4. オバマケアには21項目の新しい税金が盛り込まれており、向こう10年間で政府は五兆ドルの増税をすることになる。
  5. 2014年始めから、適格する保険に入らない個人や世帯には毎年罰金が課税される。
  6. オバマケアに含まれる7つの増税項目は、オバマ大統領が個人年収20万ドル以下、及び家族年収25万ドル以下の納税者の増税はしないという公約を完全に破る事になる。
  7. オバマケアによって固定資産税は2012年から23.8%となり、現在より59%の増税となる。
  8. 2013年には、税金控除の対象となる医療費の金額が減らされるため、高額の医療費支払いで一番苦労している人々にたいして、さらに高い税金が課されることになる。
  9. 2014年から、50人以上の従業員を持つビジネスは健康保険をすべての従業員に提供しなければならなくなる。それが出来ない場合には従業員の数に基づいて政府に罰金(税金)を支払うことが強制される。
  10. 2013年から、医療費専門預金口座に入れられる金額は2500ドルに限定される。現在、預金額の限定はないので、預金は様々な医療費の支払いに使われているが、特に年間1万4千ドルからする特別教室に通う子供達の学費などは、今後この口座から支払えなくなる。

オバマケアは健康保険改正などではなく、さらなる増税の手段である。しかも、オバマ政権に献金したマクドナルドの大企業や、オバマと仲良しこよしの労働組合や、オバマとコネのある個人などが次々にこのオバマケアから控除されている事実も忘れてはならない。
つまり、オバマ王は、健康保険制度を使ってアメリカ市民から自由を奪い、納税者にさらに高い税金を課し、大企業や組合から多額の献金を巻き上げようという魂胆なのである。これこそファシズムと言われてもしょうがない制度だ。
オバマケアが通過して一年、こうした問題点が明らかになるにつれ、オバマケアに反対する国民の数は44%に増えており、いまやオバマケアを支持するのたったの46%となった。(一年前は賛成49%、反対40%、解らない11%だった。)
前回の選挙で国民が民主党を見捨てて共和党議員たちを議会におくったのも、多数議席を握った共和党に、この悪法を撤廃し、民主党が課したあらゆる増税や予算無駄遣いをなんとかしてもらいたいという意向の現れだった。政府のやっていることに不満な場合、国民は選挙で気に入らない議員たちを取り除く。それがアメリカの代表制共和主義のやり方だからである。
共和党の議員諸氏にはそのことを充分に肝に命じてほしいものだ。


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ウィスコンシン州知事全面勝利、明るみに出た民主党と労組の腐敗ぶり

この間から何週間にもわたってもめていた、スコット・ウォカー州知事が提案した州職員労働組合の団体交渉権の規制案がウォカー知事の機転で民主党議員なしの投票で州議会を通過。今後ウィスコンシン州では労働組合は無制限に有権者の血税を略奪することができなくなった。
共和党議員だけで通すことが出来るなら何故三週間も揉めていたのか、何故民主党が他州に逃げていたのかという疑問が生まれる。だが、ここにウォーカー知事のしたたかさが見える。
特定の予算に関する法案では議会の2/3の同意がなければ通らないことになっているのだが、その特定な項目さえ除けば単純多数決で通るのだそうだ。それで、ウォーカー知事は特定の予算関係の項目を削り、労働組合の交渉権に関する項目のみの法案に変えて、多数議席を持つ共和党議員たちだけで法案を通してしまったというわけだ。
怒った労働組合の暴力団員たちが州議事堂になだれ込み、共和党議員らを人質にとって抗議を行おうとした。それを自分らも労働組合の組員である警察官たちは見てみぬ振り。一時は共和党議員たちはかないり怖い思いをしたらしい。
これについて、保守派の攻撃的な言葉使いが暴力を扇動したと攻め立てられたサラ・ペイリンがここぞとばかりに労働組合の親玉たちが組合員たちの暴力を煽っているとして組合暴力団員たちを「無頼漢」と痛烈に批判した。

州職員たちは組合に参加するしないにかかわらず組合会費を強制的に給料から差し引かれていた。これまで組合の会費を集めていたのは州政府だったのである。つまりこれはていのいい税金だ。
だいたい何故労働者には組合が必要なのか。もともと組合が雇用主と交渉する必要があるのは、労働者と雇用主との間で労働条件に対する意見のくい違いがあるからだ。労働者が自分が受けている報酬以上の労働を強いられていると感じる時、労働者と経営側がお互い妥協できる条件にするため交渉するのが組み合いの役割だ。労働者と経営側が意気投合している状態なら組合は必要ない。
例えば私なんぞは一日18時間の勤務などザラだが、残業手当は四時間分しか出ない。だから後の六時間はただ働きということになる。そういう不当な扱いを受ければ、きちんと10時間分の残業手当を出してくれと経営者と交渉する意味はある。
だが、働こうと働くまいと労働組合と「雇用主」である民主党議会が残業手当を10時間分づつ支払うと州財政や州民の負担など完全無視して合意するのであれば、これはいかに納税者から金をぶんどるかという相談であり交渉ではない。しかも、その支払いをする納税者には何の相談もないどころか、納税者には発言権すら与えられていないのだ。これこそボストン茶会が抗議した「代表のない課税」である。
今回の法律によって、組合は組合に参加したくない州職員から自動的に会費を徴収することが出来なくなった。また、毎年一回州職員の間で組合の存在そのものについて投票を行い、もし職員が多数決で組合の存在を否決した場合には、その存在そのものが消滅することになったのだ。
アメリカの民間企業では労働組合の力は衰退している。唯一組合の力が強力なのが公務員組合だ。しかし今回のウィスコンシン州の例に励まされ、他州でも同じような法律が通る可能性が大きくなってきた。また今回の大騒ぎで国民の多くが公務員労働組合と民主党との癒着と腐敗について多いに学んだものと思われる。共和党はこれを利用して、民主党に政権を任すとこういうことになるのだと何度も市民に訴える必要がある。そして労働組合べったりのオバマ政権に対しても批判の声を緩めてはいけない。
共和党は州にしろ連邦政府にしろ、多数議席を握ったら、これまでどおりの民主党のやり方を継続するのではなく、どんどんと根本的な腐敗を撤廃し、共和党でしかできない無駄遣いの削減に真剣に取り組むべきである。
あれだけの圧力を受けながら、一歩も引かずに勝利に導いたスコット・ウォーカー知事に喝采をおくりたい。


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民間企業の組合よりたちが悪い州公務員労働組合

ウィスコンシン州を初め、カリフォルニア州でも州公務員の多額な給与や年金や保険料が州の財政を破産に追い込んでいるところが少なくない。ウィスコンシン州では共和党の新知事スコットー・ウォーカー氏が、州公務員の保険料と年金負担の増額、そして労働組合の団体交渉権の規制を求めたことで、反対派の労働組合員たちから激しいデモを起こされて二週間になる。少数派の民主党州上院議員たちは法案の投票をすれば負けることがわかりきっているので、投票を逃れるために近隣の州に逃げ込み身を潜めている。
私はもともと労働組合なる組織が好きではない。ただ、民間の場合は、産業革命が起きた頃の醜悪な労働条件を向上させるために自然と出来たもので、当初の目的は充分に理解できる。民間企業の労働組合は労働者を人とも思わないむごい扱いをする雇用主との敵対によって成立したともいえる。
昔は労働者を一部屋に閉じ込めて外から鍵をかける工場とか、休憩時間一時間も取らせず一日12時間以上働かせるとか、危険な場所での労働であるにも関わらず安全設備が全く整っていない炭鉱とか、産業の発達に人間性が全くついていけない時代があった。労働者が少しでも抗議をすれば、経営者側が暴力団を雇って従業員に暴力を振るうなど日常茶飯事という時代があった。
そんな時代なら、悪質な経営者と戦うために一般労働者が連帯して組合を結成し、雇用主に団体で就労条件の向上を目指して交渉にあたったのも充分に理解できる。
今は従業員をそんなふうに扱う企業などアメリカでは先ず存在しないが、今でも組合と雇用者側は多少なりとも敵対関係にあることは確かだ。それでも民間企業の労働組合が企業の経営難を無視して理不尽な要求をすれば、企業自体が倒産してしまったりリストラを余儀なくされたりして、かえって労働者に損害を与えることになる。だから民間企業の組合はある程度のところで給料を上げたくない経営者と妥協しなければならない。
しかし、これが公務員になってくると状況は全く違う。公務員の雇用主は政府であるが、政府の収入源は自由市場での競争によって得た利益ではなく国民の税金を集めたものだ。政府にとって公務員の給料を組合の要求どおり受け入れるためには国民の税金を上げればそれで解決するのである。
特に組合員の合意なしで会費を好きな政治家に献金することが可能な労働組合の要求となれば、組合が潤えば自分への献金も増える民主党の政治家たちが組合の要求を拒む理由などどこにもない。つまり、州公務員組合の要求は組合と親交な民主党政治家らとの癒着によってまるで抵抗なくどんどん受け入れられてしまうのである。
ウィスコンシン州のウォーカー知事は、この際限のない労働組合と政府の癒着を取り除くために、労働組合による団体交渉権を規制しようとしているのだ。労働組合が年金と保険金の一部負担は妥協すると言っているにも関わらず、ウォーカー知事が断固拒絶している理由はそこにある。現在共和党知事や共和党州議会が与党であるときは一時的に妥協しても、これが民主党の議会になれば、また交渉次第で以前の約束などどんどん撤回することが出来る。ウォーカー知事はその回転ドアを永久的に閉めようとしているのだ。
また公務員労働組合側が、たとえ従業員のリストラという犠牲を払っても、団体交渉権をあきらめないのは、自分らの持つ政治家への影響力をあきらめたくないからなのだ。最近の労働組合は労働者のことなど本当はどうでもいいのである。奴らの真の目的は自分らの権力拡大に過ぎない。
どっかのリベラルメディアの記者がウォーカー知事が組合の妥協を受け入れずに交渉権に拘るのは、金儲けが目当てだと話していたが、金の話をするなら、組合とその支持者である民主党こそ金儲けがs先決で肝心の労働者や民間の納税者のことなどなんとも思っていないではないか?


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ミッシェル・バックマンの不思議な眼差し。ティーパーティーの輝ける星がオバマの教書演説に返答

保守派女性で人気者といえば、前アラスカ知事のサラ・ペイリンを思いつく人が多いと思うが、実は保守派の現役議員でティーパーティーの人気者で、美貌もペイリンに勝るとも劣らぬ女性が存在する。その名もミッシェル・バックマン。
その彼女が、先日行われたオバマ大統領の教書演説に従来野党がおこなう返答演説に加えて、ティーパーティー代表として返答演説を行い異例の1:2の返答となった。

演説に対する共和党の正式声明で、ポール・ライアン下院予算委員会議長は「大統領は、連邦財政赤字に何も取り組んでいない」と批判。さらに、ミッシェル・バックマン下院議員(ミネソタ州選出)は、テイーパーテイ(茶会運動)を代表した形で声明を発表した。バックマン氏は、茶会運動クイーンとも言われている存在、下院茶会運動幹部会の創始者でもある。2012年の大統領選出馬も、メデイアで取り沙汰されている。

 バックマン氏は、ここ2年間での失業率増加・財政赤字の増大に対し、オバマ政権を激しく批判した。また、医療保険改革法は「どの電球を買うべきかを国民に強制しているようなもの」と非難した。

この演説が非常に好評だった

共和党下院のミッシェル・バックマン議員は、個人的におこなったオバマ大統領の教書演説への返答演説において、またまた驚くべき飛躍をし、ティーパーティーの代表として全国的な注目を浴びている。

ティーパーティーのチャンピオンの彼女は、オハイオ代表のジョン・ベイナー議長のライバルになろうなどとは考えていないと主張している。しかし水曜日、同僚たちは、以前から前アラスカ知事のサラ・ペイリンがよくしているように、バックマンの保守派を沸き立たせる才能やメディアの隙間を右から埋める力に感嘆している。

議員たちはこぞって大統領の演説について感想をテレビインタビューで述べたがったが、共和党代表の正式返答演説以外で、バックマンのように全国放送で演説をぶった議員は後にも先にも彼女ひとり。
下院18年のベテラン共和党議員でティーパーティーとも深いつながりのあるジョージア州代表ジャック・キングストン議員はバックマンの行動は場外ホームランだったと感心。

「我々は皆、なんとか評判を得て名前を売り出そうと苦労してるなかで、、、、、彼女は突然列の先頭に進んで、多くのアメリカ人の想像力を把握したのです。」

バックマンは議員暦たったの四年だが、他のベテラン議員たちを差し置いて頻繁なテレビ出演は、羨望の的だ。すでにバックマンは来期の大統領出馬の水を試しているようで、早期予備選が行われるアイオワ州でアントニン・スカリア最高裁判官を招いて憲法シンポジウムを主催するなど、根回しに余念がない。それに加えて今回の前代未聞のCNN全国生放送の演説。
これに関しては、公式演説をおこなったウィスコンシン州のポール・ライアン議員に対抗しているとか、共和党内部の亀裂を表すものだとかいう批判も聞かれるが、バックマン自身はそんなつもりは全くないと語っている。
もともとバックマンは数ある茶会グループのひとつ、ティーパーティーエクスプレスから演説を依頼された。これはウェッブのみで公開されるはずだった。それが土壇場になってCNNが同時放映するということになったので、バックマンは即座に自分の演説が生で全国放映される可能性があることをライアン議員に報告した。共和党からは何のクレームもつかなかっただけでなく、ライアンからは「よくやった」とねぎらいの言葉までもらったとバックマンはインタビューで答えている。
野党による公式返答以外の演説が全国放映されるなどということは異例中の異例。それを議員暦たった4年の若干54歳のバックマンがやってのけたということで、バックマンは今や話題の女性。
ところで、CNNのバックマンの演説を観ていると、なぜか彼女が正面カメラに向かわずに右側を観ていることに気づく。それは彼女がウェッブカメラのほうを向いていてそれをCNNが横から撮影していたからなのだが、テレビの視聴者は彼女のロンパリ演説を観ることとなった。
それで彼女は共和党議員というより茶会議員なのではないかという批判まで生まれたほど。彼女はライアン議員のように外交的な言葉使いをせず、オバマ大統領の健康保険法を「オバマケア」といった俗語を使ってを批判して、具体的な健康保険制度を提案するなどした。
余談だが、ところでバックマンの「どの電球を買うべきかを国民に強制しているようなもの」というのは比喩でもなんでもない。ハワイ州やカリフォルニア州では蛍光灯電球は強制されている。これも環境保全の行き過ぎなのだが、オバマ政権下ではごく普通の出来事。
それはともかく、左翼リベラルや体制保守派がペイリンばかりに気をとられていると、バックマンのような現役議員に隙を突かれる恐れ充分にあり。


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批評家の批判とは裏腹に、好評だったサラ・ペイリンの反論ビデオ演説

先週の水曜日に数日間の沈黙を破ってサラ・ペイリンが自分のフェイスブックで公開した反論ビデオ演説(字幕付きロイターニュース)について、ニューズウィークやMSNBCなどのリベラルメディアはペイリンの失点だとか、オバマに比べて利己主義な演説だったとか批判たらたらだ。特にMSNBCのスカーボローアナウンサーは、「これでペイリンの政治キャリアが終わらなかったら驚きだ。」とまで言っていた。
ところが、14日発表のHCDが行った世論調査では、ペイリンの反論演説は意外と好評だったという結果が出ている。
民主、共和、無所属の1437人を対象に行ったこの調査では、ビデオを観た後、サラ・ペイリンへの印象が好転するという結果が出た。
アンケートでは、回答者にサラ・ペイリンについての印象が、「好感が持てる」「信用できる」「誠実である」の三つに関して、ビデオ演説を観る前と後に、それぞれ最低の1点から最高の7点までで採点してもらった。
民主党支持者の間での「好感が持てる」以外は、どのグループも演説を観た後のほうが点数があがっている。特筆すべきなのは「誠実さ」に対する点数が民主支持者の間で2.62から2.69に、共和支持者で5.25から5.45へ、無所属の間では3.68から3.85点にあがったことである。
また、これとは別の世論調査で、今回の乱射事件にサラ・ペイリンが選挙運動の際に激戦地区を表すために使った射撃の標的地図がどのくらい影響があったかという質問に対して、相当な影響を及ぼしたと答えたのはたったの19%、多少は影響があったと答えたのが16%、大してないが15%、全く影響がないが圧倒的多数で44%だった。
つまり、左翼リベラルがあれだけ一生懸命になって三日間に渡ってサラ・ペイリンを悪者扱いしたにも関わらず、一般市民はそんな情報操作には全く乗らなかったというわけだ。しかも、批評家がこてんぱんにこき下ろしたのに、実際に演説を観た人々の間では、ペイリンの演説は彼女の好感度を増し、民主党支持者のあいだですら、彼女は誠実で信用出来るという印象を与えたのである。
左翼リベラルが思うほど、一般のアメリカ市民は愚かではないということだ。


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