国際法専門家でも国際法違反行為を正確に判断できない理由

先日倉山満氏の国際法に関する話をご紹介したが、今回はX上でミリオタ自称のJSKさんが国際法は専門ではない倉山教授の話よりも専門家の意見を聞くべきだといって紹介したこちらのビデオ東澤靖教授のお話をご紹介しよう。このビデオは1時間30分もあるので読者諸氏に全部観ろとは言わない。それより先日紹介した倉山氏の話と関係のある部分の説明と、今のイスラエル軍の行動が国際法に違反するという東澤教授に反論をしたいと思う。以下敬称は省く。

東澤は戦場においてどのような行為が国際法に違反するかを説いている。34:20で民間人・民用物を攻撃対象としてはならない(区別原則)の話をしており軍事標的は軍事目的の施設に限られるとしている。しかしこれが禁止しているのは意図的に民間人や民用物を標的にする行為であって、間違った場合や付随的損害(コラテラルダメージ)は違反行為とはみなされない。

37:06の区別原則:予防措置の部分では攻撃する側にも防御する側にも攻撃から民間人を守る措置が義務付けられているとしている。攻撃する側の義務として自制、中止、警告、選択があり、防御側には移動、回避、予防(人間の盾禁止)などがある。

この部分は倉山が言っていた、標的となる場所が軍事標的であるかどうかの証明は、攻める側にも防御する側にもあると言っていたことと一致している。アル・シファ病院について語るなら、イスラエルは昔からこの病院は軍事標的であると主張しており、多々の証拠を提示していた。またこの病院を攻めるにあたり一か月以上も避難勧告をおこなっていた。

それと共にハマスにはその攻撃から民間人を守るために医療関係者や患者を避難させる(移動)義務もあり、病院が軍事目的に使われていないことを証明して攻撃の回避と予防をする責任があった。

さてではハマスとイスラエルによる国際法違反行為について考えてみよう。

43:48ハマス側の行為をどう考えるかで、東澤は次のような違反行為を羅列している。

  • 10月7日の民間人の殺害
  • 軍事目標以外へのミサイル攻撃
  • 人質をとっていること
  • 軍事施設を病院など民間施設の近くにもうけていること
  • 人間の盾?

何故人間の盾に?が付いているのか分からないが、次に45:13イスラエルの行為についても羅列がある。

  1. 多くの民間施設への砲撃と生活基盤の破壊
  2. 包囲戦
  3. 民間人への移動指示
  4. 病院施設への攻撃

ちょっとこれはおかしいのではないか?1番と4番だが、東澤は民間の施設でも軍事施設として使われていた場合は例外として攻撃の対象となると前に述べている。ではここで東澤はイスラエルが攻撃した施設が軍事施設ではないと証明出来ない限りこれらの行為が違反行為であるとは断定できないはずである。

2番の意味は私には解らないのだが、戦争で包囲戦は一つの作戦であり、戦闘作戦が国際法に触れるというのであればこの法律そのものに問題があると思う。だがそれが法律だというならそれはちょっと横に置いておこう。

3番の民間人を強制的に移動させる行為は違法だというが、それは味方側の占領の目的としてそこに住んでいる人たちを無理やり立ち退かせる行為であって、攻撃の巻き添えにならないように無関係な民間人を避難させる行為とは同じではないはずである。だいたい民間員の避難はハマス側の責任であり、その責任を自らの危険を冒してまで負ったイスラエル側に対してこれが国際法に違反するなどというのは言い掛かりとしか思えない。

東澤はどのような行為が国際法に違反するかの説明はしているが、イスラエルの行為がそれに当てはまるという適切な説明を怠っている。そして私が全く同意できないのが46:39で始まるイスラエルのガザ地区への攻撃継続は、自衛権によって正当化されないと言う部分だ。東澤はまず「自衛権の行使には限界がある。」とし次の項目が必要条件となるとしている。

  1. 武力攻撃の存在
  2. 急迫性
  3. 必要性
  4. 均衡性

そして今の状況はそれぞれどの条件のどれも満たしていないとしてこう説明する。

  1. パレスチナ占領による急迫性の製の欠如。
  2. ハマス武装勢力を領域内から排除し急迫性は終了している。
  3. 将来の攻撃やテロの可能性は必要性としては不十分。専制的自衛を国際検証は認めていない。
  4. 「反撃」の行っている攻撃は明らかに過剰人質がとられていることは武力攻撃を正当化しない。

東澤はさらに歴史的な背景や大義名分は国際法では考慮されないとも語っている。先ず1と2だが、これはイスラエルがハマスの侵略を追い払ったというのであれば意味があるが、ハマスはイスラエル領に奇襲攻撃をしかけ1200~1300人の民間人を虐殺したうえでガザ側に自発的に引き返したのであって、イスラエル軍の反撃にあって逃げ帰ったわけではない。これは攻めて来た軍隊がこちら側の反撃にあって撤退したのとはわけが違う。なにしろガザはイスラエルと国境を接しておりほんの数キロの余裕もないのである。彼等は単にベース基地に戻って再度の攻撃を狙っているのだ。そしてハマスのリーダーは今後も第2第3の攻撃をすると宣言している。この状況で急迫性がないとはどういう意味だ?

3の必要性にしてもそうだ。イスラエルのやっていることは先制攻撃ではない。宣戦布告をした敵に対しての攻撃である。すでにこちらに攻め入り1300人もの民間人を虐殺(東澤も認める国際法違反行為)をし、今後も責め続けると宣戦布告をした敵への攻撃に必要性がない?いったいどうすればそういう結論が生まれるのだ?

そして均衡性。イスラエルの行為が「明らかに過剰」とは何を基準にして言っているのだ?この均衡性に関しては敵と味方の犠牲者の数では決められないという話は以前にもお話した通りである。

東澤のような弁護士が理解できないのは、これは法廷ではないということだ。相手がどれほど危険であるかを判断するのはその場に居ない法律家ではなく現場で戦争をやっている軍隊がするのだ。だから今現在起きている戦争が国際法に触れるかどうかはハマスのやったようなあからさまな違法行為以外は簡単に判断することは出来ないのである。東澤の専門は法律であり戦争ではない。この戦争に急迫性があるか必要性があるかを判断できるのは同じ敵と長年戦ってきて相手の出方を十分承知している当事者だけである。

つまりどれだけの専門家であろうとも、現場の戦況をきちんと把握できない人には誰がどのように国際法に違反しているかということは正しく判断できないのである。

東澤靖:所属明治学院大学 法学部グローバル法学科 教授学位、法学士(1983年3月 東京大学)LL.M.(1994年5月 コロンビア大学ロースクール) 研究分野:人文・社会・国際法額・交際人権法・公法学、憲法



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アメリカ保守の親たち「今の米軍に息子や娘を入隊させたくない!」軍隊強化より多様性を重視するバイデン政権

アメリカの右翼保守は伝統的に愛国者が多くアメリカ軍を強く支持してきた。一族郎党数人が軍隊経験があり、今も若い世代が軍隊にいるなどという家庭はごく普通である。うちも一応ミスター苺が若い頃に海軍に居たことがある。しかし最近アメリカ軍は志願兵が激減しており、国防に必要な人員枠が満たされていない。こんな状態で戦争でも起きたら一体アメリカはどうなるのだろうか?しかし何故そんなにもアメリカ軍は兵士調達に苦労しているのか。実はそれはバイデン政権の軍隊の多様性重視に問題があるのではないかといわれている。

そんななかバイデン政権の防衛省は2024年度の予算1.147億ドルを「多様性・平等、包括性、手の届きやすさ(diversity, equity, inclusion and accessibility (DEIA))プログラムに使うため予算を上げてほしいと請求した。

「軍部、OSDの多様性・公平性・包摂局、国防機会均等管理研究所にまたがるこの資金は、DEIAを促進し、DEIAの価値、目的、配慮をビジネスや任務遂行の方法に取り入れることを目的としたプログラムやイニシアティブに投資されている。」

だそうだ。で、具体的にこれらはどんな風に使われるんだ?もっとLGBTQ+αの連中を入隊させるのか?女性兵士の中絶の資金を出すのか?トランスジェンダーの性転換手術費用を出すのか?軍隊基地にゲイバーでも作るのか?

防衛相は過去6年にわたり毎年行われる監査で不合格になっている。2023年度の監査では29のカテゴリーのうち7つしか合格していない。税金がどう使われているかも不透明であるのに、これ以上に予算を増やせなど厚かましいと共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員は自分のXに書き込んでいる。

保守派ポッドキャスターのマット・ウォルシは、先日家族で一緒になった時、10代の甥が陸軍に志願しようと思っていると語っていたのを聞いて、今の軍隊はやめた方がいいと助言したそうだ。ウォルシは10年前の自分がもしも10年後に親戚の子が軍隊に志願するのをとめようとするなんて考えも及ばなかったという。しかし今の政権を考えると私も全く同じ意見だ。

先日ソーシャルメディアで数年間の軍隊任務を終えた若い男性が名誉の除隊の際に自分のギアを返納するさい、あてがわれたギアの一部が欠けているということで、なんと40万円相当の弁償金を請求されたという。しかしこのギアは二年まえのアフガニスタン撤退の際に重量の関係で飛行機に乗せられず、やむなく現地に残して来たものだという。しかも上からの命令で弁償する必要はないと口約束されていたという。あの無様な撤退のおかげで米兵四人が戦死し、何万というアメリカ人や米軍関係者のアフガニスタン人が置き去りにされた。あんな戦争に行かせるために子供を育てたわけじゃないと思った親たちは多かったことだろう。


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アメリカ陸軍の新しい勧誘コマーシャルが男らしいのは戦争が間近な証拠?

先日陸軍は新しい志願者勧誘コマーシャルを発表したが、その内容が伝統的なマッチョなもので、昔ながらの”Be all you can be, in the army”というスローガンが使われていたことが話題になっている。これは陸軍で自分の最高の可能性に挑戦しようという意味。

背後に流れている音楽は”Be all you can be”の歌で、米陸軍がコマーシャルにずっと使って来た歌だ。今回はメロディーだけで少しメランコリーな調子になっているが、私が若い頃にしょっちゅうテレビや映画館で流れていたのでよく覚えている。

このコマーシャルは一見何気ないものだ。軍隊のCMだから格好いい軍人が格好いいことをしているのを見せるのは当然。しかしここ最近のポリコレな陸軍CMと比べるとまるで違う。先ず登場人物がすべて白人男性。女性は愚か黒人や他の人種が観られない。もしこのCMが1970年代に流れたとしても全く違和感はなかっただろう。

以前に私はアメリカ陸軍は深刻な志願兵不足に悩んでいるという話を何回かしたことがある。そしてその理由として陸軍のWOKEお目覚め主義文化に問題があるのではないかとも書いた。アメリカ陸軍、志願兵激減の危機 – Scarecrow in the Strawberry Field (biglizards.net) バイデン政権になってからというもの、軍隊ではトランスジェンダーが許可され同性愛者や女性の志願兵もどんどん募られるようになった。志願兵の枠を広げレベルを落とすことで数を増やそうと考えたのだとしたらこの作戦は完全な誤算だった。だいたい軍隊に志願しようなんて男たちはポリコレになど興味がない。いや、かえってそんなところは敬遠するだろう。それで、いまや1973年に徴兵制度が禁止されてから最低の志願兵数へと落ちてしまったのだ。添付記事内でも紹介したが、これが去年起用されたポリコレCM。二人の母親に育てられゲイパレードにも参加したという女性兵士の話だ。

去年発表された陸軍リクルートコマーシャル

ご覧の通り、これのどこが陸軍なんだと思うような内容。

さて、ではどうして陸軍は突然伝統的なマッチョなコマーシャルに切り替えたのだろうか?実はこれは、もしかしたらアメリカは再び戦争をやる気だからではないかという噂が流れている。平和時であれば多様性だのLGBTQ+だのと言ってる余裕はあるが、実際に戦争するとなると頼りになる男たちが必要である。戦場に行って命を懸けて闘ってくれる頼もしいマッチョマンが必要なのだ。ではいったいそんな男たちをどこから集めるのかといえば、やはり伝統的に軍隊文化のあるテキサスや南部の州からだろう。そうしてこうした州の若者で軍隊に入ろうなどと考えるのは保守的な白人男性達が圧倒的に多い。だからそうした男たちにアピールできるコマーシャルといえば、伝統的な”Be all you can be.”なのである。

しかし戦争ってどの戦争だ?まさかバイデン政権は米軍を中東に派遣しようというのではないだろうな。一般的に共和党の方が鷹派だという印象をもつが実はそうでもない。ベトナム戦争は共和党のアイゼンハワー政権の時アメリカはアドバイザー的な存在だったが、民主党のケネディー政権を経てジョンソン政権の時に米軍が出動されて拡大した。コソボ・ボスニア戦争もクリントン政権の戦争である。アフガニスタン・イラク戦争は共和党のブッシュ大統領の時に始まったが、同じく共和党のトランプ大統領が終結させた。バイデンが引き揚げを完全に失敗してタリバンにアフガニスタンを獲られてしまうという体たらくだったが。

つまり米国は民主党も共和党も戦争を始めている。最近の政権で戦争を始めずに世界平和に貢献した大統領は共和党のレーガン大統領とトランプ大統領だけだ。

それはともかく、我々がイスラエルとパレスチナの紛争に気を取られている間にも、中東では色々な問題が起きている。イラクではアメリカ大使館がすでにモスリム過激派によって襲撃されているし、米軍の護衛艦はイエメンからのミサイル攻撃を受けているのだ。バイデン政権は外交が下手すぎるのでイランにも中国にも舐められている。このままだと中国が台湾を襲撃するのは時間の問題だ。そうなったらアメリカは二つも三つも戦線をもつことになるのである。

しかしバイデン政権で軍隊に入りたいなどと思う人がどのくらいいるだろうか?アフガニスタンの無様な撤退劇を見ていると、私が親なら共和党政権になるまでは軍隊に入るなと言うだろうな。

ちなみにこちらが1980年代の陸軍のコマーシャル


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アメリカ軍の深刻な志願兵不足は軍隊のお目覚め主義ポリコレ方針が原因か

Tag:世論調査

今現在アメリカ軍は深刻な志願兵不足に悩んでいる。多くの人がこれは最近のアメリカ軍隊は優秀な兵士育成よりも、LGBTQ+などくだらないポリコレ政策を重視しすぎているからではないかと批判しているが、問題は肥満や麻薬依存症など若者の不健康な生活により軍人としてふさわしい候補者が減っていることにあると指摘する人もいる。

現デューク大学の教授でクリントンとブッシュ政権中、国家安全保障会議(the National Security Council)のメンバーだったピーター・フィーバー(Peter Feaver)教授はWOKE(お目覚め主義)の要素は誇張されていると語り、最大の理由は労働市場と若者の不健康な生活環境にあると語る。同教授によれば肥満や麻薬依存症などによって軍人にふさわしい候補者の数が減っていると出張する。

フィーバー教授は新著「サンキューフォーユアサービス( “Thanks For Your Service”)の中で人々の軍隊への信頼感が薄れていることについて追及している。 フィーバー教授によれば軍隊が両政党によってあまりにも政治化されていることが原因だと語る。

最近行われたギャロップ社の世論調査によれば軍隊の信頼度は60%で1997年以来の低さである。58%の回答者が軍隊を信頼していると答えた。信頼度が60%未満だったのは1980年代でソ連など共産圏との冷戦が頂点に達していた時期である。

ギャロップ社によれば2018年くらいまで軍隊への信頼度は74%と非常に高かったが、バイデンによるアフガニスタン撤退の大失態により信頼度は地に落ちてしまった。特に無所属の間では55%にまで落ちた。

フィーバー教授は軍隊がWOKEなどのお目覚め主義も含めあまりにも政治利用され過ぎていると語る。これについてはクリスティン・ワームス陸軍長官も今年の初め記者団にWOKEのイメージが志願数に悪影響を与えていると語っている。

「軍に対する信頼の低下の一因となっているのは、軍指導者の政治化に対する賛否両派の懸念だと思います。(略)軍の指導者たちが政治化された空間に引きずり込まれれば引きずり込まれるほど、本当はそうではないのに、政治的であるという認識を助長することになると思います(略)私が言おうとしているのは、WOKE(お目覚め主義)軍隊に対する批判が、どのように垂れ流されているかということです。

この軍隊のお目覚め主義政策は多々の方面から批判を浴びている。海軍退役軍人のロン・ディサンティスフロリダ州知事は軍隊の「多様性、公平性、包括性(DEI)」について下記のように語った。

「私が見ている軍隊は、私が従軍していた軍隊とは違っていると思います」とデサンティスは今年語った。「今は政治的イデオロギーや、性別の代名詞のようなものが強調されている。DEIのようなものもよく目にしますし、そのせいでリクルートが激減しているのだと思います。」

マイク・ポンぺオ前国務長官もこの件についてフォックスニュースのオプエドコラムで陸軍が目標新規兵に満たなかった時にこのように書いている。

アメリカのために命を懸け、アメリカのために死のうとさえ決意した若者たちに、わが国が本質的に人種差別的であることを肯定しろとどうして言えるのか?ポンペオはこう書いた。「人種や性別という狭いプリズムを通して、戦友や姉妹を見るよう彼らに求めることができるだろうか?彼らの命を戦場で危険にさらすことなしに。覚醒した軍隊は弱い軍隊である。残念なことに、WOKEした弱い軍隊は、バイデンのリーダーシップのもとで我が軍がまさにそうなりつつある。」ポンぺオ長官はさらにバイデン政権は自分の出身校であるウエストポイント陸軍学校でもDEI方針を押し付けていると語った。

ヘリテージ基金のロバート・グリーンウェイ副会長(the Heritage Foundation)は批判的人種理論など軍隊内を分離するような方針が取られていると語る。軍隊にとって貴重な時間と資金が、軍をより有能にするために使われずにDEI教育に注ぎ込まれ、国家防衛のための資源が無駄に使われていると語る。グリーンウエイ氏はDEI教育や人種差別や過激思想と言った教育が軍隊の役に立っているという証拠は全くないと語る。

今や国民による軍隊への信頼度は地に落ちている。イラク・アフガニスタンの戦争が終わり、長く危険な戦地への出動がなくなったにも関わらず、現役及び退役軍人の自殺率が上がっている。アフガニスタンからの屈辱的な撤退の後、軍隊は軍強化ではなくDEI/CRT/LGBTQ政策に力を入れているのだ。

私は2000年代のイラク・アフガニスタン時代の志願兵の数をずっと追っていた。多くの人がアメリカの戦争は泥沼で負け戦となり士気が衰えて軍隊への志願兵が減っていると言いたがっていたが、実はその反対で陸軍や海兵隊は志願兵の数が目標より上回っていたくらいだった。陸軍や海兵隊は一番最前線に行く可能性の高いブランチである。それなのに何故比較的安全な海兵隊や州軍への志願よりも多かったのか?

平和主義者には解らないかもしれないが、一定数の男性には(女性にもだが)冒険を求める習性があるのだ。自分の戦争でもないのにわざわざ傭兵になって戦地へ向かう人もいるくらいだ。であるから愛国心があり軍隊に対する信頼度が高い時には戦時中こそ志願兵が増えるのである。

フィーバー教授は景気のいい時は若者は他に仕事を得ることが出来るので軍隊への入退者は減るというが、アメリカには軍隊家族が結構おり、男は(最近は女でも)何代にもわたって軍隊に勤務するのが普通という家庭が少なくない。軍隊にいたということを誇りに思う人たちが多くいる。しかし現在の軍隊を見ていると、現役軍人がトランスジェンダーだ何だと言ってホルモン治療を受けていたり、将校が化粧してみたり、人種差別がどうのこうのと訓練を受けさせられたり、そんなくだらない軍隊に誰が入りたいとおもうだろうか?

私は同性愛者の入隊にはずっと賛成だったが、今のLGBTQ+に染まった軍隊は御免被りたい。


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アメリカ陸軍、志願兵激減の危機

本日アメリカ陸軍は史上最悪の志願兵不足に危機的状況であるという記事を読んだ。Army recruiting crisis: shortage of soldiers despite record bonuses (usatoday.com)

このUSATodayの記事によると、米陸軍は1973年に志願兵のみの軍隊に変わって以来史上最悪の志願数という危機状態だという。

好景気の時は軍隊への志願数が減るというのはよくあることで、今年は失業率が3.6%という50年以来の低さが原因ではないかと同記事は分析しているが、コロナ禍で若者の間で生まれた新しい生活習慣も影響があるのではないかとしている。

ペンタゴンはヨーロッパ駐留軍に2万人を追加し10万人に増やしたばかりだ。この状態で兵士が足りなくなるというのはかなりの問題だ。(翻訳DeepL)

  • 魅力的な民間雇用市場と有能な候補者の減少により、陸軍は隊員の補充と重要な任務の遂行に必要な若者の数が決定的に不足している。
  • 4月までに陸軍が採用した兵士の数は目標の68%で、目標より8,282人少なかった。海軍は1,473人の水兵が不足し、目標に8%届かなかった。空軍、海兵隊、宇宙軍はいずれも目標を達成または上回っていた。
  • 陸軍は、6年間の入隊を約束した新兵に対して、過去最高額の5万ドルのボーナスを支給することになりました。陸軍は6月の1週間、新兵に高校卒業資格かそれに相当するものを与えるという条件を取り消した。
  • 水曜、陸軍幹部は、陸軍を理解し、兵士としての生活を思い描くことができず、軍を含む米国の制度に対する信頼と信用を失いつつある米国人が少ないことを指摘し、募集の問題についてのメモを発表した。

クリスティン・ウォーマス陸軍長官とジェームス・マクコンビル(将軍)陸軍参謀長は志願兵を46万6千人に増やすべく新方針を発表した。なにしろこのままだと今年度末の9月30日までに44万5千人程度しか集まらない見通しだからである。

陸軍当局によると、軍人年齢の17歳から24歳のアメリカ人で軍人にふさわしい精神的肉体的なレベルの若者はおよそ23%程度だという。コロナ禍で在宅勤務に慣れた若者の生活スタイルは軍隊とは対照的だ。才能ある若者の軍隊離れは深刻である。

しかし原因はそこにあるのだろうか? この記事には書かれていないが、米軍への入隊希望者が減っているとしたら、それは今の軍隊の姿勢に大きな問題があると私は考える。だいたい最近の軍隊のリクルートコマーシャルでレズビアンカップルに育てられた女性の話を起用したり、トランプ大統領が禁止していたトランスジェンダーの入隊許可が始まって以来、ネットでは化粧した男子兵士の動画だの訳の分からないWOKEな軍人の動画で溢れかえっている。

陸軍リクルートコマーシャル

それに加えてアフガニスタン撤退の無様ぶりも記憶に新しい。こんな虹色に染まったアメリカ軍にいったいどういう若者が志願するというのだ?

アメリカ軍が全志願兵制度になってから、軍隊に志願する若者には特徴がある。これは家族の経済状況や人種や階級よりも地域的なものなのである。ちらのサイトに詳しい統計が掲載されている絶対数から言えば志願兵が一番多いのは人口の多いカリフォルニアやテキサスなのだが、人口の割合からいうと上位10州は、1サウスダコタ、2ハワイ、3アラスカ、4フロリダ、5ジョージア、6コロラド、7アラバマ、8テキサス、9ノースカロライナ、10ネバダの順である。

Joining the Military photo

伝統的にこうした州からの志願兵が多いというのも、軍隊に志願しようと思う若者の多くが家族に軍隊経験者がいる。2019年の統計によれば、ほぼ8割がたの志願兵が家族に少なくとも一人軍隊経験者がおり、なんと25%が親が軍人の家庭だ。親や親せきから過去の武勇伝を聞かされたり、軍隊で勤めることは愛国者としての義務だと聞か割れて育てば、そりゃあ自分も軍隊に入ろうという気にもなるだろう。

しかし愛国心溢れ冒険を求める若者にとって、今の軍隊は魅力的な場所だろうか?

だいたい軍隊に憧れる若者が求める者とは何か?すでに銃を持って狩りをやってるようなアウトドアな若者たちが軍隊で何をしたいと思うだろうか?

LGBTQ+αに染まった軍隊が彼等を惹きつけることができると思う方がおかしいのだ。

ここでアメリカ軍がイラクで苦戦していた2007年頃のリクルートの状況を書いた拙ブログのエントリーを張っておこう。当時アメリカ軍は長年の泥沼状態からはい出しつつあった頃であり、戦死者や負傷者の数もかなり多かった。しかし一番最前線に送り込まれる可能性の高い海兵隊は志願兵が減っていなかったという内容だ。米軍隊志願兵が減っているという嘘 – Scarecrow in the Strawberry Field (biglizards.net)

イラク戦争が不人気なため志願者の数が減っているというのが本当だったとしたら、戦場へかり出される可能性が一番高い隊が一番不人気になるはずであるが、実際はその逆である。

戦争において一番危ない戦場へ送り込まれるのは誰かといえば、それは圧倒的に海兵隊だろう。その次が陸軍でむろん空軍は常に危険な空を飛ぶことになる。海軍は比較的安全だが、それでも中東で戦争が起きていれば長期にわたる出動が期待される。また正規軍と比べて予備軍や州兵隊は後方の援護が主な任務であり最前線にいく可能性は低い。それを考えると現在軍隊に志願した若者の傾向は実際に戦場へいく可能性の高い部署ほど人気があるということになる。

それでは最後にロシア軍のリクルートコマーシャルを掲げておこう。君が男ならどっちの軍隊に入りたいかな?


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ロシア・ウクライナ戦争の機密情報を漏洩した21歳の州軍空兵逮捕される

先日ロシア・ウクライナ戦争に関して、ウクライナ国内におけるアメリカやNATO軍の関与に関して機密情報を漏洩した21歳の州兵軍の一等兵が逮捕された。私は機密情報をを漏洩する行為は許せない。特にわが軍の位置や作戦を敵に漏らすような行為は非常に危険だ。

逮捕されたのはジャック・ティヘラ、21歳。マサチューセッツ州の州軍空軍の一等兵。航空警備隊所属で専門はサイバー輸送システム、いわゆるIT専門家だ。彼は「ウクライナに対する米国およびNATOの援助や、米国の同盟国に関する米国の情報評価について詳述」されてる書類の写真をディスコード(Discord)というソーシャルメディアにアップした。

興味深いのは彼の逮捕にはワシントンポストの調査がかなり貢献しており、言ってみればポストが警察の捜査に手を貸したのである。これは非常に不思議な状況だ。これまでにもトランプ政権内部の情報が漏洩したことがあるが、メディアはその情報元を隠すのが普通だった。ところが今回に限ってはメディアは政権の手先となって情報源の暴露に手を貸している。本来であれば、こういう情報こそメディアがこぞって入手し、ティヘラ本人に色々インタビューでもするのがジャーナリストとしての本筋ではないのか?それを早々に本人の逮捕に率先して協力し政権に不都合な情報元の口を塞ぐというのはおかしな話である。

機密情報を漏らすというのは決して許されることではないが、今回の場合、これは単なる漏洩というより内部告発であるという意見もある。それというのも露・ウ戦争の実情はバイデン政権が国民に知らせていた内容とかなり違っていることがわかってきたからだ。

ワシントンポストによるとティヘラはディスコード内部の招待客のみのプライベートチャットに情報をアップしていたらしい。

「(ティヘラ)は政府に対して暗い見方をしていた。若いメンバーは、米国、特に法執行機関や情報機関を、市民を抑圧し、闇に葬ろうとする不吉な力として話していたという。彼は “政府の行き過ぎた行為 “についてわめいた。OGはオンライン仲間に、政府は恐ろしい真実を国民から隠していると話した。」

しかしチャットルームのメンバーたちは、ティヘラはメンバーたちに自分の知識をひけらかすことのほうが目的だったような感じだったと語っている。ではいったいどのような情報が漏洩したのか。APの記事から引用。

「文書は、ウクライナに対する米国およびNATOの援助や、米国の同盟国に関する米国の情報評価について詳述しており、これらの国との関係を緊張させる可能性があると思われる。

また、2月と3月のウクライナとロシアの戦場での位置関係や、失われた戦場道具の正確な数、同盟国からウクライナに新たに流入した戦場道具の数など、リアルタイムの詳細を示すものもある。

また、ウクライナの重要な防空システムのミサイルがあと少しで枯渇しそうな状況も明らかになっている。そうなれば、ウクライナの空は、すでに都市やインフラに打撃を与えているロシアの空爆や砲撃にさらされることになる。

韓国、イスラエル、アラブ首長国連邦などに関するこれまで報道されなかった機密情報も含まれている。

どれだけの文書が流出したのか、明確な答えは出ていない。AP通信が閲覧した文書は約50件で、総数では数百件に上るとの推定もある。」

インテリジェンサーの記事にはもう少し詳しい情報が載っている

「ワシントンポスト紙は、リーク元に関する報道の中で、『約300枚の機密文書の写真を確認した』とし、また、他の情報報告を書き写したと思われるテキスト投稿も確認したと述べている。メディアの報道の多くは、リーク元の約100の文書のコレクションに焦点を当てている。Post紙の報道を見る限り、当初流出したのはそれよりもはるかに多くの資料のようだが、ほとんどの文書は公開されていないようである。

今回公開されたファイルは、NSA、CIA、国防情報局、DEA、国家偵察局(米国のスパイ衛星を管理する機関)が収集した情報に基づき、主に2月から3月に作成された説明文書やスライドの写真である。文書には、同盟国との共有が許可されたものもあれば、米国のみへの公開が指定されたものもあり、これは米国の情報源からのものであることを示す大きな手がかりとなった。

この文書の多くは、統合参謀本部議長のマーク・ミリー氏のために作成されたようだが、十分なセキュリティ・クリアランスを持つ人なら誰でもアクセスできただろう。最初の画像に写っている文書は、機密扱いのブリーフィングの一部である可能性が高く、折りたたまれてページを撮影できる場所に持ち去られたようです。ニューヨーク・タイムズ紙は、画像の余白にある詳細と、リークした疑いのある人物の実家の写真の詳細とを照合することができた。

流通しているリーク文書の中には加工されたものもあるようだが、どうやらそれはリークされた後に親ロシア派のプロパガンディストによって行われたようだ。」

機密情報の漏洩は決して許されることではないので、この青年は厳重に罰せられなければならないが、しかしウクライナの戦況は我々が知らされてきているほど好況とは言えない。

政権が現在続行中の戦争に関してすべての状況を詳細に国民に説明する義務はない。そんなことをしたら敵に我々の手中を知られてしまうからだ。しかしだからと言って、負け戦をあたかも勝ち戦であるかのように報道することは国民への裏切りだ。メディアが政権のいいなりになって大本営報道しかしなければ、国民はこの負け戦のために血税をウクライナに送っていることすら知らずに生きていくことになる。

今現在アメリカのインフレはものすごいことになっている。卵一ダースが1000円もするのだ!

ロシアへの経済制裁は何の役にも立っていない。それどころかかえって欧米の燃料が足りなくなり庶民は恐ろしいほどの値上げに苦しんでいる。

前にも書いたが、カリフォルニア今期の冬は例年になく雨季が長く続き、気温も摂氏0度から10度程度の日々が三か月以上も続いた。この間に天然ガスの値段が4~5倍に跳ね上がり、苺畑家の暖房費は普段の10倍!もっと大きな家に住んでいる家庭では、ガス代の自動引き落としの最高金額の400ドル(5万円近い)を越してしまい、ガス会社から上限を引き上げるように要請が来たという。

未だにコロナ禍の悪影響で経済的に復帰していない人が多くいるというのに、それに煽りをかけるようなこの不況。そして続くウクライナの戦争。

すでにウクライナにはアメリカ軍の特別部隊が出動していることが今回の漏洩ではっきりした。つまりアメリカはすでにロシアと戦争をしているということになる。こういう大事なことは大統領だけの決断で決めてはいけないはずだ。議会はどうなっているのだ?

軍事機密情報の漏洩はいけない。だが、そうしなければならないと思った兵士の気持ちもわからないではない。


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21人の犠牲者を出したテキサス小学校での乱射事件、警察の不手際が原因か

先日テキサス州のウヴァルデ市(UVALDE)の小学校で18歳の青年により19人の小学生と2人の教師が殺された事件で、警察の対応に致命的な間違いがあったのではないかという話が出ている。

それでは当日何が起きたのか、時系列を追ってみよう。

テキサス州の公共安全局、マッククロ―局長によると、犯人の名前はサルバドル・ラモス18歳。

  • 午前11:27 a.m.: 校舎の扉が教師によって開けられた。
  • 午前11:28 a.m.: ラモスのトラックが学校近くの堀に突っ込む。扉を開けた教師は自分の電話を取りに一旦校舎のなかの部屋に戻る。近所の葬儀屋から二人の男性がトラックに近づこうとしたが、銃を持った男が出て来たため葬儀屋の方へ逃げ戻る。男は男性達の方に発砲するが弾はあたらなかった。
  • 午前11:30 a.m.: 教師と思われる人から911に交通事故と銃を持った男のことが通報される。
  • 午前11:31 a.m.: ラモスは学校の駐車場の最後の列に差し掛かる。 ラモスは学校に向けて発砲し始める。警察の車は葬儀屋の方へ向かう。学校区の警官が他の学校から呼び出され駆け付け、ラモスを車で追い抜く。この時ラモスは車の影に隠れて構えていた。警官は教師たちを容疑者と思い、彼らの方へ車を走らせる、
  • 午前11:32 a.m.: 数発の弾が学校に向けて発砲される。
  • 午前11:33 a.m.: ラモスは校舎内に入る。そこでラモスは111号室と112号室に向けて発砲しはじめる。この二つの部屋は隣同士でドアで繋がっている。この時点でラモスはすでに100発も発砲している。
  • 午前11:35 a.m.: ウヴァルデ警察から三人の警官が男が入ったのと同じドアから校舎に入る。すこししてさらに三人の警官と副保安官が校舎に入る。
  • 午前11:37 – 11:44 a.m.: さらに16発が発砲される
  • 午後12:03 p.m.: 合計19人の警官が廊下に集まった。この時112号室にいるという少女から911への電話があり、ひそひそ声ですでに同級生の何人かが殺されたと語る。
  • 同じ少女がその後10分に二回911に電話をして助を求める。
  • 午後12:15 p.m.: 国境パトロール部隊が到着。
  • 午後12:16 p.m.: 同じ少女が再び911に電話し8~9人の生徒はまだ生きていると告げる。
  • 午後12:19 p.m.: 別の少女が111号室から電話をかける。また最初の少女もこの後2回以上911に助けを求める電話をかけている。
  • 午後12:50 p.m.: 数人の警官が鍵をつかってドアを開けて入る。警官がラモスを射殺する。

この時系列を読んでいて、この事件は銃規制だのなんだのと言う話をする以前に、現場の教師や駆け付けた警官の不手際が目立ちすぎて腹が立つ。

先ず男がトラックの事故を起こし、トラックから銃を持って出て来て葬儀屋の男性二人に発砲した時点で、何故校舎のドア付近に居た教師はすぐにドアを閉めて鍵をかけなかったのだ?男が駐車場で銃を発砲している間に、教師はすぐに学校中を駆け回って反対側のドア、もしくは窓から子供たちを避難させることはできなかったのか?ともかく逃げ場のない教室に閉じこもるのは一番危険なことのはずだ。

アップデート: 5月31日現在、実は教師はドアを開け離しにするために石でドアを止めていたのだが、男が銃を持っていると知った瞬間に石を蹴ってドアを閉めた。しかしなぜかドアの鍵が閉まらなかったことが後になって分かっている。

ラモスが校舎に入った2分後にはすでに警官が校舎に入っている。何故これらの警官はラモスを追いかけて111号室に入らなかったのだ?鍵など探さなくても蹴破るか、もしくは外側の窓から入るかすべきだったのでは?子供たちが教室のなかで次々に殺されているのに何故一時間も外に居たのだ。19人も集まって何をやっていたのだ?

警察の記者会見で、記者の一人がドアを蹴破るなり窓から入るなりしようとは思わなかったのですか、と問い詰めると局長はそれはしなかった。明らかに間違った決断だったと語った。間違ったじゃすまないだろうが!19人の子どもと2人の教師が死んだんだぞ!

バイデン大統領はウクライナの防衛のために400億ドルを送るという。そんな金があったら、全国津々浦々の学校に武装した警備員を数人常備させることが出来るだろう。外国の戦争のことより自国の子どもたちの命を守ることが先決ではないのか?

何の役にもたたない銃規制とかろくでもないことを言ってる場合か!

何度も書いているように乱射事件を銃規制で止めることは出来ない。銃を持った悪人を止められるのは銃を持った善人だけなのだ。今回テキサスの警察は完全に大失態を起こしてしまった。

アップデート:最終的に犯人を射殺した国境警備隊は、到着当初地元警察に阻止されて一時間近くも中に入れなかったそうだ。また、警察が何もしないので校舎に入って子供たちを救おうとした親たちは、反対に警察に手錠をかけられたという。いったいこの警察なにやってたんだ?Border Patrol Team Who Ultimately Killed Shooter Were Blocked From Entering School By Uvalde Police for Nearly an Hour | TIMCAST


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ロシアの計画通りに進んでいるロシア軍ウクライナ侵攻

先日私はロシアのキエフ撤退はロシア軍の当初の計画通りなのだと言う話をご紹介した。その続編を先日ご紹介した西田さんが書いてくださっているのでまたまた引用させてもらう。

先ずロシアは何故ウクライナ侵攻を実行したのか。ロシアは当初から停戦のための六つの条件を明確に宣言している。

  1. ウクライナがNATOに入らないことを保証、
  2. 非軍事化
  3. クリミアをロシア領と認める
  4. ドンバス地域の2国(ドネツク、ルガンスク)を独立国として認める
  5. 政権からネオナチの追放
  6. ロシア語を第2公用語に戻す

もともとロシアの軍事目的は、東部のドンバスの制圧「解放」のはずだった。ところがロシアはウクライナ各地を攻撃しキエフに向かって進軍した。これによって西側諜報はロシアの目的はウクライナ全土の支配だとかゼレンスキー暗殺だとか憶測していた。だが実は先日TillyBさんもおっしゃっていたように、キエフ進軍はウクライナ軍を足止めしておくためのおとり作戦だったと考えた方が納得がいく。

ロシアはドンバスに進軍したいが、直接ドンバスまで行くとなると道々ウクライナ軍の抵抗にあう。ロシア軍全体はウクライナ軍より規模は大きいがウクライナに侵攻した軍は20万人で、ウクライナ軍の60万よりは圧倒的に規模が小さい。能率的にドンパスを攻めるにはどうしたらいいのか?

さてここでドンパスがどの地域を指すのか地図をみてみよう。濃い黄色の部分のルガンスク州(Luhansk)とドネツク州(Donetsk)を合わせてドンパス地域と呼ばれる。

See the source image

南部のクリミアはロシアの勢力下にあるため、そこから北上は可能だが、物資の補給をするためには途中のマリウポリ(Mariupol)を陥落する必要がある。そこでロシアが出た作戦とは、、

ロシア軍は ウクライナ軍の主力を首都キエフや北部、東部、南部のそれぞれの都市に閉じ込め、ドンバスにいる最大規模のウクライナ軍を支援できなくする という戦術をとりました。

まず開戦早々、ウクライナ国内の補給線、制空権、コミュニケーション、長距離ミサイル網などを破壊 結果、ウクライナ軍はそれぞれの軍隊の間のコーディネートができなくなった。 3月27日の時点では 529のタンク、1177の軍備装甲車、160のコマンド・通信用のレーダーが破壊、 空軍と海軍消滅そしてそれぞれの地域での作戦が始まる。 北部: キエフをロシア軍で囲い込むことで、ウクライナ軍は首都防衛のために動けなくなった。 赤:ロシア軍支配 青:ウクライナ軍抵抗エリア

Image

以前に私はロシア軍が誤ってウクライナのインフラを破壊しすぎて、ウクライナのセルタワーなども破壊してしまい、自国軍内の通信が滞っているという話をしたが、その時よもぎねこさんが、ロシアが誤ってセルタワーを破壊したとは考えにくい。ウクライナのインフラ破壊は故意にやったことではないかとおっしゃっていた。西田さんの話を読んでいると、よもさんは正しかったことが解る。ロシアの作戦は最初からドンパスに居るウクライナ軍を孤立させることにあったのだ。

なぜロシアがこれだけの損傷を受けても撤退しないのか。それは犠牲は多いとはいえロシアは当初の目的を達成しつつあるからなのだ。すでにクリミアはほぼロシア管轄下にあるし、ドンパス地域の陥落も時間の問題。となるとロシアが提示した条件の一番大事な3と4がうまく行っていることになる。

交渉は弱い立場からより強い立場からする方がいいに決まっているが、ロシアはこの戦争に負けているどころか勝っているわけなので、今すぐ停戦する意味は全くないのだ。ウクライナが折れなければ停戦の希望は全くもてない。

西側のメディアの情報だけ読んでいると、ロシアのウクライナ侵攻は負け戦だという印象を受けるが、ここが我々西側の人間と東側の人間の考え方の違いがあると思う。つまり、最近の西側諸国の考えは軍の消耗に関して物凄いアレルギーがあるということ。

10年戦ったイラク・アフガニスタン戦争を合わせても米軍の戦死者数は8000人程度だった。イラク戦争が始まった当初、戦死者の数がまだ1000人足らずだった頃に、毎日のように戦死者が~、戦死者が~と反戦メディアががなりたてていたのをみて、それまでの戦争に比べたら、この程度の戦死者は非常に少ないと私は思ったものだ。しかしアメリカ軍は自国の戦死者を極力抑える戦略を取れるようになったせいで、西側諸国は戦争とはそういうものだと思い込んでしまったのだ。だからロシア軍がたった数週間の戦争で15000からの兵士を消耗したとしたら、ロシア軍の士気も衰え撤退するのではないかと勘違いしたのである。

しかしプーチンは、戦争には戦死者がつきものだと腹をくくっている。大量の戦死者が出ても目的を達成することが出来ればそれでいいと思っている。プーチンが冷酷非情な元KGBだからこそ出来る物量作戦なのだ。

西田さんは、ロシアの目的と戦略を理解していれば、一見ロシアが撤退しているかに見える記事も、実はロシアが作戦通り着々と目的に近づいていることが解ると指摘する。ロシアはキエフを落とせないのではない。キエフの陥落はもともと目的ではなかったのである。下記は読売新聞の記事より。強調はカカシ。

ロシア、キーウ近郊の空港から撤退…ウクライナ軍前進「30か所が管理下に戻った」2022/04/03 00:45

 【ジュネーブ=森井雄一】ロシアによるウクライナ侵攻で、米CNNは1日、露軍が首都キーウ(キエフ)近郊のアントノフ国際空港から撤退したと報じた。英国防省の2日の発表によると、キーウ周辺では露軍の撤退に伴い、ウクライナ軍が前進を続けている。一方、露軍は、軍事作戦の重心を移すと表明した東部や南部で支配地域の拡大に向け、ミサイルなどでの攻撃を強めている。ウクライナ東部のハルキウ近郊で、ロシア軍の砲撃により炎上するガス輸送管(3月31日、ロイター)

 アントノフ国際空港は、2月24日の侵攻開始直後から露軍が制圧していた。CNNは、米宇宙企業が3月31日に撮影した衛星写真と米国防総省関係者の分析を基に、空港に駐留していた露軍の軍用車両などが姿を消したと報じた。

 ウクライナ軍参謀本部は1日、キーウ周辺などの約30か所の地区が、露軍の撤退を受けてウクライナ側の管理下に戻ったと発表した。空港の南にあるブチャの市長は1日、「市が露軍から解放された」と明らかにした。

 一方、東部では露軍の攻勢が強まっている。ウクライナ軍は1日、東部ハルキウ(ハリコフ)州で輸送の拠点となっているイジュームを露軍が占領したと認めた。露国防省は、東部の複数の軍用飛行場をミサイルで攻撃したと発表した。

 南部オデーサ(オデッサ)では1日、ロシアが併合したクリミアから発射されたミサイルが着弾し、死傷者が出ているという。

 ウクライナ軍は2日、隣国モルドバのウクライナとの国境沿いでロシア系住民らが一方的に独立を宣言している「沿ドニエストル共和国」で、駐留する露軍部隊がウクライナへの攻撃を準備していると指摘した。

 一方、露軍が包囲する南東部マリウポリでは、赤十字国際委員会(ICRC)が住民の退避の支援に向け、2日も引き続き現地入りを試みている。ウクライナ大統領府の高官によると、1日にはマリウポリから独自に住民約3000人が退避したが、約10万人がいまだに取り残されているとされる。

 また、露南西部ベルゴロド州の燃料貯蔵施設がウクライナ軍のヘリコプター2機により空爆されたと露国防省が発表したことについて、ウクライナの国家安全保障国防会議のトップは1日、「事実と全く異なる」と露側の主張を否定した。

なるほど、こうして読んでいくと西田さんやTillyBさんが言っていたことが良く分かる。

ところで西田さんが参照した解説は元アメリカ軍海兵隊のスコット・リッター氏と Gleb Bazov氏とあるが、スコット・リッター氏は聞いたことのある名前だなと思った。確かこの人はイラク戦争中に、イラク大量破壊兵器の国連主任査察官だった人だが、その後にイラクに大量破壊兵器はないと言い出し、アメリカ軍のイラク侵攻に批判的な態度をとるようになっていた。それで当時は「イラクから賄賂でももらったのではないのか、この裏切り者!」と私が勝手に思っていた人である(笑)。

西田さんがロシアの侵攻経過について詳しく説明してくれているので、こちらをご参照のこと


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ロシアへの経済制裁は効き目がない説

バイデン爺が今後食料品不足は避けられないと宣言したので、一か月分くらいの食糧や必需品を揃えておく必要があると思い、主人と二人でスーパーを三軒回って色々なものをかき集めて来た。おかげでもらったばかりのお給料ががた減り!信じられないほどの出費となってしまった。それにあちこち運転して回ったのでガソリン代も馬鹿にならない。このインフレとガソリン高騰、なんとかしてくれ!

しかもバイデン爺はこの間、ガソリンの値段についても、国民がみんなで電気自動車を買えばガソリン代が一家庭平均8000円節約できるとかアホなことを言いだした。バイデンは電気自動車の相場を知らないのか?ガソリン代高騰で苦しむ庶民が一台5万ドル以上する車を簡単に買えると思ってるのか?そのローンの支払いはガソリン代の比ではない!この糞爺は全く庶民のことをなんだと思っているのだ!

何度も書いているが、バイデンがこの不況からアメリカを救おうという気持ちが少しでもあるなら、アメリカは今日からでも変わることができるのだ。だが、バイデンにその気はない。バイデンにとってロシアのウクライナ侵攻は渡りに船である。なぜなら国内における多々の問題をすべてロシアへの経済制裁のせいに出来るからだ。

ところでこのロシアへの経済制裁なのだが、一向に効果が見えてこない。ロシア軍は苦戦していると言われているにも関わらず、ロシア軍がウクライナから撤退する動きは全く見えない。いったいどういうことになっているのか。先日これもツイッターで興味深いことを言ってる人がいたので、そちらを紹介しておこう。はっきり言ってツイッターで情報の宝庫だと思うなあ。

著者はフロリダ住まいの実業家Kan Nishidaさん。彼のスレッドはこちら

「浅はかな人間は運を信じる。賢い人間は因果を信じる。」 ラルフ・ウォルドー・エマーソン ロシアにもっと制裁を!と叫ぶ人達は、 回り回って日本に災難となって帰ってくる これを想像できない、もしくは隠している。 ステップを追って見てみましょう。

ステップ1 – ロシアへの経済制裁

ステップ2- ロシアに住む市民が苦しむ ここまでは誰もが想像できますね。

ただ問題は、この制裁に期待する効果です。 市民による反乱が起きる、プーチンが折れる、クーデターが起きる などを期待しているのでしょう。 しかし。。。

これまで、アメリカによる金融・経済制裁くらって 政権が転覆したというケースはほぼないんです。 例えば、今でも制裁中の キューバ、北朝鮮、シリア、イラン、ベネズエラ 政権転覆しないどころか、むしろ現政権の権力を強め、 独裁傾向をさらに強める。

西田さんは欧米による経済制裁で転覆した政権はほぼないどころか、国民は一眼となって制裁を加えた国を憎むようになるだけで逆効果だと言う。第二次世界大戦前の日本もアメリカからの経済制裁で国民は苦しんだが、その憎しみは日本政府ではなくアメリカに向いたと指摘。

今回の制裁も、プーチンは侵攻を諦めるどころか「交渉上有意になるためにさらに軍事侵攻を拡大させる」だろうとのこと。実際ロシア軍はウクライナから撤退する様子はまるで見えないので西田さんのおっしゃる通りだろう。

またロシアへの経済制裁によって苦しむのはロシア人よりもロシアからのエネルギー輸入に依存している世界中の諸国である。例えばエネルギー生産国でない日本は天然ガスをほぼ100%輸入に頼っており、そのうちの10%がロシアからの輸入である。地方によっては広島などロシアからの天然ガスに5割も依存しているところがあるそうだ。

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天然ガスは電力にも使われている。現在原子力発電を停止している日本では深刻な電力不足が起きている。その10%をロシアから買えないのだとしたらどこから買うのか?中東から買うにしても、ガスが足りない諸外国との取り合いになり、ガス料金はもちろんのこと電気料金の莫大な値上げが予想される。ところどころで定期的な停電も避けられないだろう。

さらに、もっと酷いのは、国民がロシアへの制裁を叫ぶようになると日本がロシアに持つガス、石油の権益を手放すという話になる。 アメリカはエクソンモービルが、イギリスはBPが制裁としてロシアに持つ権益をすでに手放した。 彼らは「日本、お前も手放せ!」とプレッシャーかけてるだろう。

しかし、エネルギーを自給できない日本にはそんなに簡単な話ではない。 そもそも、日本が手放した権益はどこに行くと思いますか?

今から10年ほど前に日本が手放したイランに持っていたアザデガン油田の10%の権益 覚えてますか? あれ、まるっと中国の中国石油天然ガス集団(CNPC)が譲り受けたんです。

諸外国がロシアから輸入しているのはエネルギーだけではない。例えば、農業に欠かせない肥料をアメリカは輸入に頼っているが、そのうちの1割以上をロシアから輸入しているそうだ。この間テレビのニュースで肥料の値段が上がりすぎて非常に困っているという農家の人の話しを聞いたが、そういうことだったのか。

肥料の価格が高騰すれば、必然的に食料の値段が上がる。いまでさえひどいインフレがもっとひどいことになるというわけだ。道理でバイデン爺が食糧危機が迫っていると宣言したわけだ。

また西田さんによると、半導体に使われるネオンガスの65%がモスクワとオデッサ(ウクライナ)で製造されているという。半導体が足りなくなれば自動車のシステムや冷蔵庫や電子レンジなどの家電にも影響が及ぶ。

ロシアがウクライナのオデッサの工場を制覇できたら、そこで作られるネオンガスを経済制裁した欧米に売るだろうか?

西田さんは、欧米は、自分たちの政策がうまくいかないと解った時の軌道修正をしたたかにやると言う。コロナの件でもマスクだのワクチン強制だのうまくいかないと解ると辞めてしまう。ところが日本はそれが下手だという。

日本は軌道修正苦手です、実際マスクとかワクチンとかもまだやっていますね。 欧米では最近原子力が「クリーンエネルギー」になりました しかし、日本はまだ原発反対ですね。 もっと制裁を!と叫ぶ人たちの一番の問題は、 Exitストラテジーがないこと。

期待したことが起きなかったらどうするのか? どれくらいの期間、その「期待」が起きるのを待つのか? 待っている間、どれだけの犠牲を許容するのか、国民に押し付けるのか? 何を基準に、制裁を止めるのか?

こういった事を議論または説明することなしに、 制裁、制裁、と叫ぶのは ワクチン、ワクチン、と叫ぶのといっしょだ どれだけ国民に犠牲が出てても、真実を隠し、見ないふりでズルズル行く。

結局一番とばっちりを食うのは、国民なんです。 コロナのときは、お年寄りのため、コロナ死亡者を無くすために、という誰にも否定しにくい大義名分がまかり通り、 その結果、国民、とくに若い人、子供達の貴重な2年間が失われてしまいました。

今回も、ウクライナに住む市民のため、という感情的な議論の下、 肝心の日本の国民のため、さらに次の世代である子供たちのため、 という視点での議論が全くされていないのが問題であり、心配です。

日本は確かにそうなのかもしれないが、アメリカでもロックダウンが完全に終わるまでには二年近くかかったし、マスクやワクチン強制も止めるまでに二年半もかかった。今のバイデン政権には明確なExit Strategy(出口計画)があるとはとうてい思えない。

物価の高騰で人々は贅沢できず節約するようになるだろう。コロナのおかげで大打撃を受けたレストランや劇場など、さらに追い打ちをかけて打撃を受けるだろう。

昨日も買い物の帰りにちょっとお昼ご飯でも食べて帰ろうと主人と二人で入った日本食レストラン。うな重が一人前で30ドルもした!本当は二人前頼むつもりだったのだが、結局一人前だけうな重にして、もうひとつは半額のラーメンを注文し、うな重は二人で半分づつ食べた。せちがらい世の中である。


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ロシア軍キエフ撤退は予定通りの作戦?

本日ロシア軍がウクライナの首都キエフから撤退して再編成をしているという記事を読んだ。下記は朝日新聞の記事より。

ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、米国防総省のカービー報道官は29日の記者会見で、一部のロシア軍部隊が首都キエフから離れる動きを始めたことを確認したことを明らかにした。ただ、大部分の部隊は依然として現地にとどまり続けているとして「撤退」の動きであることには否定的な見方を示した。さらに、キエフを離れた部隊が東部ドンバス地方などウクライナ国内の別の地域に再配置される可能性があるとして、強い警戒感を示した。

ロシア防衛省は、軍事作戦の第1段階の目標が完了したのでキエフとチェルニゴフ方面で部隊の計画的再編成が行われている と発表。初期段階では、ウ軍にキエフ方面に軍事装備を集中させ、都市への襲撃を避けながら作戦の主要なドンバスでの活動をしたと説明。キエフ付近からは撤退しドンバス地域のほうに力を入れるため再編成しているという。

西側の報道を観ているとロシアが軍の消耗に押されて撤退を余儀なくされており、再編成せざる負えない事態になっているという印象を受けるが、実はこれが当初から目的だったというのがロシア側の発表だ。

本日ツイッターで面白い話をしている人がいたので、そちらから引用する。彼の情報元が何なのかは私は知らないし確認も出来ないので、一応こういう話もあるということで紹介しておこう。

著者はTillyB フォロー前にプロフ読んで!@TillyBeeTillyさん。

「テレビに出ない」元CIA、元UN兵器インスペクター、元DIA、元米軍インテリジェンスなど読んだり聞いたりしてると口を揃えて「西側の戦況報道はただのシネマ」と言い切る。最初に断っておくけれど彼らは分析し呆れ果ててるだけでどちらの味方でもない。(略)

最新の勝利宣言は、キエフからロシアの大軍を押し返した「勝利」になっているが、これはこの3週間のロシアの目的がキエフの占領だ、ゼの暗殺だと仮想の物語の上での戦況報道だから。 キエフを包囲したのは、ウ軍の残存部隊の大部分を釘付けにして、露が東部と南部で攻撃的な作戦を展開をできるようにする目的。

今日の報道では目的達成と、和平交渉もありキエフ周辺の部隊を大幅に撤退。西側を攻めた露軍は無傷で空域の大部分を支配し、ウクライナの最西部にあるウクライナの基地や燃料貯蔵所を攻撃。 極超音速ミサイルの使用でNATOが対抗できない事実を露呈、そして物流拠点や燃料を攻撃することで、ウクライナの物資補給や再武装、部隊の集結を支援するNATOの取り組みが阻害されている。

西部の報道をして東部でのメインのミッションから目を背けさせる目的もあるだろう、と解析。ベトナム戦争で米国がベトコンと北ベトナムの攻撃を壮大に読み違えたのと同じ過ちをしている、と。 露が淡々と緻密に長期計画されたミッションを遂行しているのが理解出来なかったら生き残りのアゾフ隊員に聞いてみろ、と結構辛辣なコメント多し。

TillyBさんはロシアとウクライナのトルコでの会談内容についても説明してくれている。

露の攻撃規模を縮小 露国防省は、この会談の直接的な効果としてウの一部地域での軍事活動を緩和することを発表した。特に、チェルニゴフ市と首都キエフ近郊の作戦を「劇的に」縮小すると約束。国境線 開戦直前までウはドネツクとルガンスクの大部分を支配し、この地域を自国の領土と考えている。 ウ代表はキエフが1991年の独立宣言時に持っていた全領土の主権を主張することを明らかにし、妥協はあり得ないとした。 

ゼ・プ会談の条件 露は将来の平和条約交渉の最終段階の一環として、首脳会談を企画することに合意したが、通例は文書が完成し、それぞれの外相が署名した後にのみ予定することができると述べてた。

報道官の話からは難航しそうな印象。米側はブリンケンが露は和平に興味ないだろ、とか冷水発言。

これを読んでいく限り、この戦争がそう簡単には終わりそうもないことは良く分かる。


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