この間私の87歳の母が未だに運転を諦めずに妹が苦戦しているという話をしたが、その後意外な展開があった。
あのエントリーを書いた後、母は自分で免許証センターに言って免許証を紛失したとして再発行してもらってきてしまった。妹が実家の掃除に寄った際に、母の様子がおかしいので母の財布を調べたところ、ちゃっかり免許証が入っていたというのだ。それで妹は再びその免許証を取り上げ自宅に持ち帰った。
それに気づいた母は大激怒。もう二度と妹を実家に入れないといい、妹が出勤前に毎日実家に顔を出してもドアにチェーンをかけて中にいれてくれないという。妹から父にチェーンを外してくれと頼んでも、お母さんが怒るからと協力してくれないと妹は嘆いていた。
どうしても運転を諦めない高齢者の家族を持つ悩みは多くの人が抱えている。先日もコメンターのhiromiさんがそうした悩みをどう解決したのかという体験談を色々紹介してくれた。(ひろみさんありがとう)
高齢の家族に運転を諦めてもらおうと人々が試した方法とは、
- 母親が車をこすったので修理に出すといって車を処分。
- 近所の車ディーラーにかたっぱしから電話をかけて車を売らないでくれと頼んだ。
- 父親の免許証を取り上げ、車で出かけた父を警察に「無免許運転している」と通報して保護してもらった。
- 父親が信頼している男性の医者から運転を諦めるように諭してもらった。
と、妹も試した方法なども含め同じような策を取った人が結構いるのだなと感心した。それをいくつか読んでいて、日本では公安委員会が免許証の差し止めの判断をするということを知り、さっそく妹にメールしたところ、妹はすでに公安にはなんども相談しているが拉致があかないと言うことだった。
これだけ高齢者の交通事故が問題になっているというのに、どうして行政はもっと家族の訴えに耳を傾けてくれないのだろうか。本当に歯がゆい。
そうこうしているうちに、妹からお父さんが救急車で病院に運ばれたというメールが来た。なにやら肺に水が溜まって、もしそのままにしておいたら後一年は持たないだろうと言われたという。手術が必要なのだが、何せ父はもう89歳という高齢。手術して寿命を一年二年延ばしたからと言って何が変わるというわけでもなし、などと考えていたが、医者の話では余命一年といってもその間かなり苦しい思いをする羽目になるとのことだった。だったら手術をして一年でも二年でも楽に余生を送ってもらったほうがいいだろうと妹とも話をしていた。
ところが父は手術はしないと母に言ったという。母が車のことで妹とケンカばかりしていて、その板挟みになり、生きていても辛いだけだと話したというのだ。
父を失うことになるかもと思った母は大慌て。それでもう運転は諦めるから、どうか手術を受けてくれと嘆願したそうだ。妹の方にも迷惑をかけてすまなかったと謝罪の電話が来たと言う。妹が散々言っても言うことをきかなかったのに、父の命が危ないとなってやっと心を入れ替えたようだ。
無論母のことなので、父を説得するためにその場しのぎの嘘をついた可能性は無きにしも非ずだが、父の入院などで今後ゴタゴタしている間に、母がそれどころではないと車の件を本気で諦めてくれることを願うばかりだ。