飛行機の予約が入ってない!悪夢の出張真冬編

日本は寒波だそうなので、真冬に起きた悪夢の出張の話をしよう。

これは2018年くらいの出来事だったように記憶している。その日私と同僚の三人はバージニアに出張するためロサンゼルス空港に来ていた。私は出張の際は何時もシャトルバスを雇い、他の数人の客との乗り合いで空港まで行っていた。

西海岸から東海岸に行く場合、東は西より3時間も早いため、こちらから5~6時間かけて飛んでいくと、向こうに着くのはかなり遅い時間になってしまう。それで我々は朝いちばんの7時の便を予約していた。子の便に乗ればノーフォーク空港に着くのは午後5時頃。そこからレンタルカーを借りて三人で車で二時間の最終目的地に着くと言う日程だった。

私は夜の運転は好まないので、できればノーフォークに一泊して翌朝一番で運転して行った方がいいと思ったのだが、ホテル一泊料金を惜しむ上部の命令でそれはならなかった。私はもうこの予約の段階から嫌な予感がしていたのだ。

それでも一人での運転ではなく、他の二人は若い男性だし私が一番先輩なので、後部座席で寝て行けばいいやと思っていた。

朝7時の便となると、乗り合いのシャトルバスは午前4時くらいに迎えに来る。なにしろ空港までにあちこちに寄るので時間がかかるのだ。それでも空港についたのは午前5時くらいだった。こんな時間だと自動チェックインすら開いてないので6時まで待機。しかしいざチェックインしようとすると私の予約番号が受け入れられない。機械ではどうしようもないのでカウンターで職員と話すと、予約は入っていたが、入金が締め切りに間に合わなかったため予約は取り消されたという。なんと!

それで職場の旅行部門に電話すると、入金が間に合わなかったので次の便に乗ってくれと言われた。次の便て何時?午前10時?じゃあノーフォークに着くのは?午後9時半!え~!

あいにく予約がキャンセルされていたのは私だけだったため、もうこの時点で同僚二人とは別行動になってしまった。真夜中に二時間も一人で運転する気はさらさらなかったので、空港近くのホテルを予約して、翌朝レンタルカーを借りて同僚に追いつけばいいと腹をくくった。

四時間遅れでついたノーフォークは雪。カリフォルニアとの温度差に震えた。タクシーに乗って予約したホテルに着いた頃には10時を裕に回っていた。しかしここでも問題発生。予約がはいってない!え?なんで?

仕方なくホテルのロビーから、またまた24時間サービスの旅行部に電話すると「予約入れましたよ。え?ノーフォーク?いや、予約はニューポートニュース空港の横の、、、」なんと予約は同じバージニアでも全然違う空港。そこまで行くには車で30分以上かかる。しかも私は車などないし、こんな時間にタクシーなんて無理。ホテルに空きの部屋がないか聞いてみたが満室。がっかりしている私を見て気の毒におもったのか、ホテルの受付嬢が近所のホテルを当たってくれた。そしてすぐ隣のホテルに空きがあると教えてくれた。しかも荷物が多い私が近くとはいえ雪道を歩いていくのは無理なので、ホテルのシャトルバスで送ってくれるという。なんとありがたい。

やっと隣のホテルに着いた時はもう真夜中。スーツケースをがらがら引いてチェックインカウンターまで行くと、なんとロサンゼルス空港で7時の便にのったはずの同僚二人が居るではないか!

「どうしたの?もうとっくに目的地に着いてる頃でしょ?」

なんと乗継便が雪のせいで3時間も遅れただけでなく、彼らの荷物がノーフォークではなく例のニューポートニュース空港に行ってしまったというのだ。それで二人はレンタルカーでそちらの空港へ荷物を取りに。ところが行ってみると荷物はノーフォークに配送されたと言われ、結局ノーフォークまでまた戻って荷物をやっと受け取ったと言う。

こういう場合、荷物は後でホテルまで届けてもらってもいいのだが、我々の最終目的地はここではないので、そんなことをしている余裕はない。

結局二人は、これから二時間以上も運転していくのは無理と考え空港近くで部屋の空いているこのホテルにたどり着いたというわけ。

だから言ったじゃないか、最初からノーフォークで一泊予定にしておけばよかったんだと。

ま、終わりよければすべてよし。我々三人は翌朝しっかり朝ごはんを食べてから目的地へ向かったのであった。


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一泊二日の旅、GPSに躍らされた帰り道

今週水曜日に一泊二日で出かける予定があったのだが、水と木曜日は大雨警報が出ているため、急遽予定を変えて金土で旅行に行って来た。行先は何度もいったことがある場所なので行き方は解っていた。(一つの高速を200キロ走って降りたらすぐ右に曲がるというだけの道順)。しかし最近は道路状況などをリアルタイムで教えてくれるGPSが便利なので、一応GPSをつけていた。

金曜日の天気は快晴で素晴らしい旅行日和だった。しかしなぜか高速では立て続けに三つの事故。1マイルを通過するのに一時間という酷い状況だった。やっと事故現場を通過してなんとか軌道に乗ったなと思ったら、GPSが下の道へ降りろとうるさく言う。私は事故通過で疲れていたので知らない道を行くのは億劫になり、GPSを無視してそのまま現地へ直行。一時間遅れで無事到着。

行きはよいよい帰りは怖いとはよく言ったもの。帰りは心の余裕があったのでGPSの言うことを聞いてみようと思った。翌日の土曜日も快晴で息が白くなるほど寒い朝だった。こんないい天気なら走ったことのない道を行くのも楽しいかもしれないと思い、高速に乗らずGPSのいう「近道」を通ることにした。これがいけなかった!

GPSが導いた道は対向車と二車線のみで分離帯もないハイウエイ。高速道路から見える景色とは断然に違って美しい景色が広がっていった。左右に広がる野原、緑の木々、素晴らしい、美しい、などと思いながら走っていると、だんだんと道が山の方へと進んだ。そしてだんだん道の傾斜が急になり、道路もくねくね曲がり始めた。これは山を登るんだなと解ったが、登るということは後で降りることになるはずだがと不安になった。

See the source image
左右に広がる野原、緑の木々、素晴らしい、美しい

道はどんどん山を登る。カーブもかなり急になってきた。にも拘わらず対向車はビュンビュン飛ばしてくる。怖くなって私のスピードが落ちてくると、私の後ろに車の列が出来てしまった。こういう場合路肩に寄れれば一旦寄って後ろの車を先に行かせるのだが、いつまで行っても寄れるような路肩はない。それどころか、山が開けて突然崖っぷちの道が開ける。

オーマイガー!

そんなこんなで20kmは走ったと思ったら今度は下りが始まった。GPSによると、高速に合流するまでまだ20キロもあるという!下りは上りよりずっと怖かった。右側は絶壁の峡谷(というほどでもないが、私にはそう見えた)。そしてヘアピンカーブがくねくねと続く。まるで日光のイロハ坂の雰囲気。そして突然目の前に広がった碧い海!美しい、素晴らしい!でも怖い!

もし私がただの乗客として乗っていたなら、この景色を十分楽しめたのだろうけど、運転してる身としてはそんな余裕はなかった。ブレーキを踏みながらの下りは車に良くないとは思ったが、あんまり速く走りたくない。でも下りなのでスピードが出てしまいどうしようもない。手に汗を握らせながら、あと何㎞走ればいいんだあと思いながら走っていると、GPSの若い男性の声が(以前は女性の声じゃなかったっけ?)「あと5km」と言う。え~あと5kmもあるの~!

しかしこの頃には山を下り切って、今度は海岸沿いの平たい道になりホッと一息。そうか、解ったぞ。GPSのいう近道とは山を迂回する高速と違って、山を登って降りる道のことだったのか。そうと知っていれば絶対行かなかったのに。死ぬかと思ったよ。

確かに景色は素晴らしかったけど、あんな怖い思いをするくらいなら景色もなにもない高速をだらだら走った方がずっと良かった。

San Marcos Pass (California Hwy 154)--not one of my favorite places, but  crossed this going to Los Olivos. | Arch bridge, Bridge, California vacation

コールドスプリングブリッジ

ネットで調べたらこんな写真が出て来た!こんな橋を渡った記憶がないなあ。それとも恐怖で記憶がふっとんだのだろうか?(笑)


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ワーホリする日本人の90%が英語取得を失敗するという話

最近ユーチューブでワーホリでオーストラリア行きましたあ、カナダに来てます~と言って動画を上げてる人が沢山いるが、その中で多くの人に共通している話題というのが「こんなつもりじゃなかったのに~」という話。こんなつもりというのは、要するに一年くらいのワーホリで日常会話ができるくらいになって、地元企業で雇ってもらえるくらいにはなれるはず、というつもりだったということ。

ところが蓋を開けてみたら、まわりは日本人だらけ、地元の人は愚か他の外国人の友達もできない、英語なんて全然覚えないから日本食レストランですら雇ってくれない、という現実。

ワーホリあっせん業の人たちの話によると、日本人でワーホリを一年体験して、きちんと英語が話せるようになる人は先ずおらず、90%の人が失敗して帰国するということだった。え~なにそれ~?

はっきり言って私が腹が立ったのは「こんなはずじゃなかったあ~」という動画を上げていた人が、すでにオーストラリアに来て六か月だと話していたことだ。これじゃいけないと気が付くまでに6か月もかかったってどういうことよ?

ま、その話は置いといて。あっせん業の人たちも言っていたが、ESLには普通五段階ある。

  1. 初級。中学一年程度。
  2. 初中級。中学2~3年程度。
  3. 中級。高校生一年程度。
  4. 中高級。高校卒程度。
  5. 上級。普通に大学一年生の授業が受けられる程度

で、ワーホリで外国へ行こうという人の平均英語力は1~2だそうで、一年滞在後に3位になっていればいい方なんだそうだ。はっきり言ってこの程度の英語力ではファーストフードのバイトも出来ないかもしれない。(日本人経営でも)

こう考えると、自慢じゃないがカカシがアメリカに来た頃の英語力は多分3から4の間くらいだったと思う。それで一年のアメリカ滞在でどのくらいまでレベルが上がったかと言えば4卒業程度かな。5でなかったことは確かだ。

ところでESLレベルが4や5だからといって、きちんとした英語が話せるというレベルではない。この程度になれば大学の授業を受けてもついていけるというレベル。普通の企業に就職するにしても、何か他に技術がなければ難しいだろう。私から言わせればレベル5になってはじめてスタート地点に立ったようなものだ。

さて、私も何度か自分のホームステイ時代の話をしたことがあるが、1980年代のカリフォルニア南部も日本人が多く、日系人地区に住めば英語など出来なくても十分に生きていけた。それで楽な方を選んでしまえば、一年住んでようが10年いようが英語など全く覚えないひとなどざらにいた。そういえば当時ロサンゼルスの大学、UCLAに留学した日本人学生の卒業率はたったの2%だったという話を聞いたことがある。

外国に来たばっかりで右も左もわからなければ、地元にいる日本人を頼りにしてしまう気持ちは解る。しかし英語を習得しようとしてきたのであれば、何か月も経ってから、「こんなつもりじゃなかったのに~」なんて呑気なことを言ってる場合じゃないだろうに。

確かに私も最初の二か月くらいは英語学校に通いながらも、学校で知り合った日本人とばかり付き合っていた。しかしこれではいけないと気を取り直して、日本人とのつきあいはほどほどにした。当時はネットなんてなかったので、ユーチューブで日本語のテレビ番組ばっかり観てしまうなんて誘惑はなかったことも幸いして、なんとか日本語を避ける生活をすることが出来た。

結局、英語が出来るようになるならないは、場所を変えるだけではだめで、本人がどれだけ真剣にやる気があるのかによるのだろう。以前にもフィリピンに短期留学してレベル1の段階からなんとか意志の疎通が出来るようになった人のビデオを観たが、彼はものすごく一生懸命勉強していた。もし日本にいる時に、あの真剣さで勉強していたら留学なんて必要なかったのかもしれないが、それに気が付けただけでも留学の価値はあったと言えるだろう。

まあ一年間外国で遊ぶつもりならワーホリもいい考えかもしれないがね。


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留学中の学生のアドバイスなんて参考にならない件

私が好きなユーチューバーのひとり、ヤスラーじゃーなるさんが、最近留学中のユーチューバーが留学志望者からお金をとってアドバイスをして、金銭をめぐってトラブルが起きたという話を紹介していた。彼に言わせれば留学中の学生にアドバイスを求めること自体がおかしいとのことだった。これ、私も全く同感。

ヤスラーさんはアメリカに高校留学して大学もアメリカで出て就職をカナダでして10年以上海外生活をしている社会人。まあそういう人だから留学や海外就職の仕方など最近の情報も良く知っているし、本気で留学したい人には参考になる情報を持っているだろう。そういう人にアドバイスを求めるなら参考になると思う。

だが今留学中の人間は、特に親の金使って学費も生活費もまかなってもらってるお客さんみたいな人には海外生活の大変さなどわからないし、ましてや就職事情なんて全く分からない。そんな人にアドバイスを求める方が悪い。ま、金銭トラブルが起きたとしても、それはまだ学生たちが子供だからだろう。

効果的な短期留学とは何か

それではここで僭越ながらアメリカ生活30余年のカカシが短期で語学留学をする人にちょっとアドバイス。現在の留学事情は知らないが、留学した際にもっとも短期で効果的に言葉を学ぶ方法は今も昔も変わらない。

基礎がないと上達も遅い

英語は文法など出来なくてもしゃべっている間に自然としゃべれるようになると言う人がいるが、自然に学ぶにしてもある程度の基礎は必要だ。この間、あまり教養がないと思われるとある日本の芸能人がアメリカに半年足らず「留学」した時の話をしていたのを聞いた。

彼女は個人で一日3~4時間英語の先生と話をするという授業を受けていたそうだが、最初のうちは何を言われているのか全くわからず数週間が過ぎたと言っていた。私は高校卒業後すぐに英語専門学校へ通ったが、その授業はすべてネイティブ教師による英語だった。しかし第一日目から教師の言っていることは理解できた。無論初心者にわかりやすい語彙でゆっくり話してくれたからには違いないが、それでも解るためには多少の語彙や文法力がなければ無理だったはず。私が教師の言ってることが多少なりとも理解できたのは高校までの基礎が出来ていたからだろう。

その芸能人がどのくらい英語力を得たのかというと、コンサートに駆け付けたアメリカ人男性ファンから「君はすばらしい」と言われていたのさえ「え、何、今なんて言った?」と通訳さんに聞いていたくらいなので、留学で英語力を養うという目的は全く果たせなかったようだ。

基礎は何故大事なのか

最近フィリピンに語学留学し、教わってる英語のレベルが低いのに、それでも理解できずに帰宅してから日本語の教科書でおさらいをしてやっとついて行ってると語っている人のビデオを観た。もし高校までの英語を完全マスターしていたら、もっと高いレベルの授業から受けられたはずで、せっかくの留学で基礎をやり直すという無駄な時間を使っていると反省していた。

まさしくその通り。私の経験からしても英語圏でESLを初心者レベルから勉強したら、一年や二年では上級者レベルに到達できない。それに初心者レベルのクラスは自分と同じように英語が下手な外国人ばかりなので、クラスメートと話をしてもかえって変な英語のくせを覚えてしまうのがオチ。

三か月とか一年といった短期語学留学で効果的に英語を学ぼうと思うのであれば、上記のフィリピン留学の人みたいに時間を無駄にしないよう、留学前に基礎をしっかり勉強しておくことが大切。

しかしここでいう基礎とはヒアリングやスピーキングのことではない。大切なのは語彙と文法そして作文能力を高めることだ。

知ってる言葉は聞き取りやすい

語彙を増やすことの大切さは色々あるが、語彙が広いと聞き取りの際にひっかかる言葉が多くなる。英語初心者は相手がわ~と話している言葉がひとつのつながった音にしか聞こえないが、もし知ってる単語がいくつか聞こえたら、文章がところどころ区切れて聞こえる。例えば「わーわー、寿司、わーわー、レストラン」という風に聞こえたら、寿司屋の話かなという想像がつく。だから知ってる言葉が多ければ多いほど聞き取りの役にたつ。「出る単」でもなんでもいいから使って、とにかく語彙を増やしておくことが大事。

文法が解れば文章を再構成できる

高校レベルの文法がしっかり頭にはいっていれば、相手に言われたことがすべて聞き取れなくても文章を再構成することができる。例えば、「学校、わ~わ~、何、わ~わ~勉強?」としか聞こえてこなくても、文法がしっかりしていれば、「学校で何を勉強しているのですか」と頭のなかで文章を再構成することが可能だ。日常つかう簡単な文章をいくつか暗記して空で言えるくらいになっていれば、普通の会話はそのバリエーションであることに気づく。こうしておけばヒアリングは非常に早く上達する。

文章力があると上級者用授業が受けられる

短時間で高レベルの能力を身に付けるためには、やはりESLも上級者並みのクラスから始める必要がある。アメリカのコミュニティーカレッジのESLなどではレベルが低い順に1から5まであるが、それぞれ一学期づつで年に二学期しかないと5にたどり着くには二年半もかかってしまう。これを短期でマスターするつもりなら、せいぜいレベル3以上のクラスに入る必要がある。そのためにはどうすればいいか。

大抵の場合能力テストは作文のみで面接などはない。なので短時間にきちんとした作文が書ければ上位のクラスに入ることが出来る。普通こういう作文で要求されるのは、ある話題に関して賛成か反対かの立場を取り、何故そう思うのかを見三つの項目に分けて書く。所要時間は50分くらいが普通。

こういう作文でさっさと考えをまとめるためには時事問題に日頃から注意を払っておくことが大切。地球温暖化とかプラスチック汚染の話とか、米中貿易問題とか、話題になってる話に関して自分の考えをまとめておくとこういう時に役に立つ。

日本語は話すな!

最後に一番大切なのは自分を英語漬けにすること。留学生あるあるでよく聞く話は、留学先で日本人と友達になって日本人とばかり付き合って現地の人と全然友達になれないということ。たかが三か月や一年の留学でこれをやってしまったら本当に時間がもったいない。それでも回りに日本人がいるとつい甘えてしまうという全く自制心がない人は、日本人が居ない場所に留学するのも一つの手だ。

一番お勧めできないのが日本人経営の日本人学生を対象にした語学学校。いくら英語圏の国にあってもクラスメートがすべて日本人だったら、日本で外語学校に通うのと何ら変わりはない。ここは心を鬼にして日本人を避け、英語のみを使うように努力する。留学中のほんの一年足らずのことだ、出来るよ。頑張れ!

結論として

結局留学に関してのアドバイスを受けたいなら、いったい何のために留学しようと思っているのかをはっきりさせる必要がある。単なる留学手続きの話なら今在学中の留学生から最新情報を聞き出すのはよいことだろう。どういう授業を受けるのが効果的かという話なら、卒業後に何をしたいのかで話が変わってくるが、大学卒業して海外で就職したいのか、日本で就職したいのか、もっと上の学校に進学したいのか、そうした目的をはっきり決めてからそうした経験を積んだひとからアドバイスを受けるのが得策だろう。

ま、カカシのような人間に出来るのは勉強のしかたくらいで、留学に関するアドバイスはあまり出来ない。なにしろ情報が古すぎるから。でも語学の学びかたは別に変わっていないので、多少なりとも参考になればうれしいかな。


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昔も今もあんまり変わらないホームステイの問題点

時々ユーチューブで北米やオーストラリア・ニュージーランドに留学した人たちがホームステイ体験談をアップしているのを見ることがある。無論成功談もあれば失敗談もあるわけだが、色々観ていて私が何十年も前に体験したことと大差ないなあと感慨にふけってしまった。

ホームステイと一口に言っても、私の頃のホームステイと今とでは形式が違う。簡単に言うならば、今のホームステイは下宿、昔のホームステイは住み込みの使用人。今ホームステイと呼ばれるシステムは、一般家庭の一部屋を借りて家賃と食費を払う形。私の頃は家賃や食費は払わない代わりに、簡単な家事や子守といった労働力を提供するものだった。

どちらの形が良いとは言わないが、学生たちの体験は、ホストファミリーがどういう動機で学生を受け入れているかで雲泥の差が出てくるようだ。

多くの学生が寮生活やアパートなどではなくホームステイを選ぶ理由は、言葉も未熟だし年も若いので保護者的な立場になってくれるホストファミリーと暮らした方が自分も実家の親も安心だというのがある。また、地元の家庭で暮らせば地元の生活習慣や言葉や文化を学べるという利点がある。私なぞは一年もアメリカ人家族と一緒に暮らせば英語なんてペラペラになって帰国できると甘い考えを持っていた。

現在の形のホームステイは下宿形式なので、ホストファミリーがビジネスとして下宿を経営していると考えていた場合どうなるのか、その問題点を挙げてみよう。

1.家族との交流がない

ホストファミリーが学生を単なる下宿人だと考えていたとしたら、特に家族の一員のような扱いをする必要はない。家族ではないから一緒に食事をとることもないし、子供たちが学生と遊ぶといったこともない。結局学生は自分の部屋に閉じこもり、外国に住んでいるのに一般家庭の習慣を学ぶこともなく、言葉を学ぶこともない。何人かの学生が言っていたが、何か自分は食事の時だけエサを与えられている飼われた動物のような気がしたという。

2.食事が粗末になる

下宿という商売をしているとなると、大家さんは経費を節約するために下宿人の食費を切り詰めるようになる。家族ではステーキだのなんだのを食べていても、下宿人には冷凍のブリート一つとか、ひどいのになると腐りかけた残飯みたいなものが出て来たと一人の学生は言っていた。これじゃあペットよりひどい扱いだ。余談だが我が父が学生の頃食事つきの下宿をしていたが、そこでも夕飯のメニューがひどすぎてしょっちゅう大家さんに苦情を言っていたと父は語っていた。

3.やたらハウスメートが多い

下宿が商売なら下宿人が多いほうがいい。それでやたら多くの学生を色々な国から受け入れたりするので、学生同士の間でも人間関係で揉める可能性がある。文化や習慣の違い過ぎる学生が何人も一軒に集まるのは良いことではない。ましてやその誰もがまだ地元の文化にさえ慣れていないのに。

ホームステイで失敗しない方法

1.あらかじめ自分の期待とホストファミリーの期待が合っているか確かめる

先ず自分が何故ホームステイを選んだのかをきちんと考える必要がある。単に住む場所があって食事が出てくるという下宿に住みたいだけなら、かえって大家さんやその家族との交流などない方がいい。部屋がきれいで食事がきちんと出てきさせすればいい。その反対に、地元家庭との交流を通じて地元文化や言葉を学びたいと思っているのであれば、ホストファミリーに求めることも違うはず。そういう学生は食事を家族と一緒にすることが出来るのか、家族とはどのように接することが出来るのか、他にハウスメートが何人いるのか、あらかじめホストファミリーに確かめておくべきだろう。高校生くらいの若い人の場合は保護者としてエージェンシーの人に一緒について行ってもらうことをお勧めする。子供だけだと思うと馬鹿にされる可能性があるからだ。

2.友達やネットなどで情報交換をする

ひどい扱いを受けた学生たちの一番の問題は、自分がひどい扱いを受けているということに中々気が付かないことだ。外国の習慣も何もわからないから、もしかしたらこっちの人はこういうことが普通なのかもしれないと考えて我慢してしまう。特に日本人はおとなしいので馬鹿にされる可能性は大きい。

だんだん慣れてきて、他のホームステイをしてる友達などと情報交換をし、モノの値段なども解るようになってくると、自分がいかに粗末な扱いをされ、劣悪な食事を出されているかに気が付く。どうもおかしいと思ってエージェンシーに連絡しても我慢しろの一点張り。全く取り付く島もなというのは私の頃と全く変わらない。

ただ昔と違って今は情報時代。ネットなどでホームステイをした人達の体験談を色々聞くことが出来るので、自分の状況が普通なのかそれ以下なのかはわかるはず。おかしいと思ったら遠慮せずにエージェンシーに連絡を取り、家を変えてもらうことをお勧めする。

3.苦情ははっきり述べる

なにかしら疑問に思ったら、つたない英語でもいいからはっきり苦情を言うべきだ。外国では以心伝心などというものはありえない。苦情はしっかり言わなければ伝わらない。家賃も食費も払っているなら、言ってみれば学生はお客様だ。だったらそれなりの扱いをしてもらって当然。自分は食費は一食1000円くらいは払っている、それならこの程度の質のものを出してもらいたい、とはっきり言ったほうが良い。

それにこれは私の経験からだが、おとなしく何でも我慢している日本人はアメリカなどの国では薄気味悪いと思われる。感情は大げさなくらい表現した方がいい。それでだめなら他の家に変えてもらうしかない。お金を払ってるんだったらそのくらい強気でいいと思う。

なんにしても準備が大切

私もそうだったのだが、若い人が留学したいと思う時、その願望だけが先走ってきちんとした下調べをしていかないことが一番問題だ。何か疑問があっても、それが弊害になって外国へ行かれなくなってしまうのが怖くて無視してしまう。気持ちは解るが落ち着いてきちんと準備を進めた方がいい。繰り返すが、最近はユーチューブなどでホームステイ体験談を発信している人が多く居るので、そういう人の失敗談に耳を傾け自分はそれを繰り返さないように気を付けよう。

高校留学はお勧めできない

私が一番お勧めできないのは高校留学。言葉を学ぶなら若い方がいいと思うかもしれないがそうでもない。高校時代からアメリカに住んでいるという人たちの英語を聞いていると、中学生くらいまでにネイティブとしての能力を身に付けていなければ、後は16歳で始めても20歳で初めても英語習得にはそれほど変わりはないということに気づく。

北米に比べて日本の高校教育はレベルが高い。この時期に一般教育を日本で受けておかないと日本人としての教養が身に付かないまま外国暮らしをすることになる。普通に高校に行くだけでも大変なのに、さらに言葉を学びながら高校レベルの授業を受けるのは至難の業だ。基礎的な教育は母国語で受けておいたほうがいい。また、アメリカの高校に行きながら日本の大学をめざすという受験勉強は先ず無理だろう。となると必然的に大学も北米で進学するということになるが、本人も両親もその覚悟は出来ているのだろうか?

それに前にも書いた通り、高校生のような若い子が赤の他人の家で、しかも外国人の家で暮らすというのは問題だ。ま、留学をしようなどという子はしっかりしているから非行に走るなどということはないとしても、子供だと思ってホストファミリーがいい加減に扱う可能性は大いにある。保護者が傍にいないので余計にそうなる可能性が高い。

色々問題点ばかりを挙げてきたが、決して私は留学するなとかホームステイをするなとか言ってるわけではない。冒険は若いころにしておいた方がいい。留学したいとか海外生活したいと思う人はどんどん外に出て体験してみるべきだろう。

私が言いたいのは、何をするにしても、先ず下調べをしっかりしておくこと、その先のこともしっかり考えておくこと。それだけだ。


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ヒッチハイクしてアメリカ横断を試みた15歳の無謀さ

先日からツイッターで日本人の15歳(中学生)の少年が一人でヒッチハイクしながらアメリカ横断を試みているという話がバズっていた。クレジットカードもキャッシュカードも持っていないので現金10万円を持ち歩いているなどとツイッターで自慢げに話していたらしく、外国暮らしの人が多い私のネット仲間たちの間では、「無謀すぎる」「危険だ」「殺される」など批判と心配の声が上がっていた。しかし、初めて数日後に警察に保護され帰国となった模様。まあ一応一安心といったところか。

彼の話が出て、ツイッター界隈ではアメリカが如何に危険な場所かという話が続々出ていたが、アメリカ在住の私としてはかなり怪しげな話も出ており、おいおい、そこまで危険じゃないよ、と言いたくなった。アメリカでなくても危険ななところもあれば安全なところもある。問題なのはよそ者にはどこが危険でどこが安全かが解らないことだ。

ツイッターでも話したが、私の回りで起きた昔の事件を思い出した。もう30年近く前の話だが、日本から来た新婚の夫婦が、「地球の歩き方」なる本を参考に、ロサンゼルスのグレイハウンドバスの駅からリトル東京まで歩いていく途中、強盗に襲われて現金などを奪われた。不幸中の幸いというか、旦那が鼻をへし折られたくらいで済み、新妻は無傷だった。もっとひどいことになる可能性はあったので、このくらいで済んで本当によかった。

日本の方々はご存知ないが、グレイハウンドバスターミナルのあるところは現地の人なら良く知っている非常に治安の悪い場所。また、リトル東京も日本人が多いからと言って油断は出来ない。日本村の回りはホームレスがたむろするおっかないところが沢山あるのだ。

当時はすでにツアー旅行に飽きた日本人が個人で旅行することが流行っており、色々なガイドブックに誘われてのこのこやってくる日本人が色々ひどい目にあっていた。ガイドブックを書く人もかなり無責任だなと現地の我々は思ったものである。

さて、 外国の怖さが解らないという愚か者は何も日本人だけとは限らない。 世間知らずでナイーブな馬鹿が身の程知らずのことをやって悲劇的な最期を遂げた例は欧米でもいくらもある。 この間もカナダのカップルが世界平和を証明しようとイラクへサイクリングの旅に出かけてすぐ殺されたなんて事件があったばかり。

もうひとつ思い出したのは1996年に本当にあった話。高校を卒業したばかりのアメリカ青年がアラスカの森林で冒険したいと全く基礎知識も持たずに一人で行って餓死するという事件があった。これは後にInto the wildという本になり、後に映画化もされているので興味ある人は観てみるといい。近所でよく狩猟などをしている現地の人に言わせると、周りには食用の植物もたくさんあり、食べられる獲物もいくらでも居たので、餓死をするような場所ではなかったということだった。しかし植物の知識もなく、狩りの仕方も知らない野外生活をしたことのない人間にはアラスカの原野は厳しい場所だ。知らないということは本当に恐ろしい。

2~3年前に私の友人(スイス系アメリカ人)の息子がイギリスに留学することになり、その前にベルギーのブルッセルに寄って観光すると言って一人で出かけるという話をしていた。私が「ブルッセルは危ないよ、行かない方がいい。」と警告すると友人は「え?なにが?大丈夫だよ、うちの子ドイツ語もフランス語も話せるから」とかとぼけたことを言っていかせてしまった。その一週間後にブルッセル空港爆破テロ発生。すぐに友人に電話して「○○ちゃん大丈夫だった?」と聞いたところ、父親は涼しい顔で「あ、うちの子は二日前にあの空港を通り過ぎてたから大丈夫だったよ。」などと言ってる。あと二日ずれてたら殺されてたかもしれないという危機感ゼロ。まったくこの親にしてこの子ありだと呆れてしまった。

この15歳少年の親も言葉も解らない外国に子供を一人で行かせるなんて無責任にもほどがある。世の中には危険が一杯ある。そうと知ってて出かけていくならまだしも、何もしらずに、よって何の準備もせずに、出かけていくは本当に危険だ。よい子の皆さんには絶対真似をしないように是非お願いしたい。

親も気を付けろ!


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思想の多様性に敵意丸出しの後退派左翼

8月下旬から始まった移動続きの出張だが、本日四つ目のホテルに移動。今日は花金だし今週末は仕事がないので一足先に週末を始めよう。
昨日9/14日の夜、保守派政治評論家のベン・シャピーロがカリフォルニア州立バークレー大学で演説を行った。実は講演の瀬戸際まで実際に講演が実現するかどうか危ぶまれていた。それというのも、左翼ファシストテロ軍団のアンティファ・ファシスト連中がシャピーロの講演を妨害すべく集まってくることが充分に予測されていたからである。バークレー市は今年初旬にマイロ・イヤナポリスの講演を妨害したアンティファの暴力に対して全くといっていいほど警備を施さなかったことで批判を受けていたこともあり、今回はなんと60万ドルという警備費を投入して厳重な警備にあたった。おかげでシャピーロの講演は無事に行われた。
会場の外では1000人を超す反シャピーロ連中が集まり訳の解らないスローガンを叫び続けていたが、警察は武器を持っている人間や覆面をしている人間を次々と逮捕。法と秩序を守り通した。
保守派演説者を招待すると警備費が嵩むと文句を言ったり批判する前に、事態がここまで悪化する前に何故バークレー市は対策をとらなかったのかを考えるべきである。暴力沙汰を起こしているのは左翼過激派のアンティファ連中ではあるが、その暴力を許容どころか奨励してきた大学側やバークレー市にも多いに非がある。
全国各地のエリート大学が、保守派演説者を招待した学生たちに警備費と称して法外な金額を請求しておきながら、左翼暴徒らの暴力を学校側が全く阻止せず、警察に待機命令を出して、左翼の暴力を奨励している。
アメリカのエリート大学の多くが左翼連中たちに乗っ取られてしまった。大学の職員も教授もほとんどが左翼。1960年代の学生運動で過激派だった奴らが今や教授になってるわけだから、右翼や保守派の意見など最初から聞く耳持たないどころか、そういう意見はどんどん排斥している。そういう連中に育てられた現在の学生たちが左翼以外の言論を暴力で阻止しても良いと考えるのは当然だ。しかもそういう暴力的な行動を学校側が見て見ぬふりをするだけでなく奨励までしているとすれば、ことが激化するのはわかりきっていたことだ。
実は、本日のエントリーはこの間よもぎねこさんが多様性について書いているのを読んで、色々思うことがあったので私もそれについて書いてみようと思ってはじめたのだが、なぜアメリカの大学における保守派思想弾圧が多様性と関係があるのか説明しよう。
後退派左翼連中が言うDiversity(ディバースィティもしくはダイバースィティと発音)訳して多様性とは、思想や文化の多様性のことではない。彼らにとって大事なのは人種や国籍の多様性であり、顔や言葉のアクセントの違いは奨励しても、思想の違いは断固許さない。
この多様性という言葉はちょっと前まで使われていた多文化主義と同じだ。多文化主義は他国の文化を尊重するあまり、自国の文化を虐げるという本性がばれて人々から顰蹙を買うようになったので、後退派左翼は新しく多様性という言葉を使い始めたのである。だがどんな言葉を使おうとやっていることは全く同じだ。
後退派左翼の最終的な目的は共産主義を確立することだ。そのためには既存の自由主義文化を破壊することから始めなければならない。多文化主義だの多様性だのはそのための手段に過ぎないのだ。自国の文化と相いれない異文化の人間を大量に受け入れれば自国の文化は衰退する。それが彼らの目的だ。だから彼らの言う多様性とは決して思想の多様性のことを言うのではない。これらの人々に共通している思想はアメリカ文化の完全破壊にあるのだ。
アメリカは移民の国だと言うのは本当だが、だからといってアメリカ特有の文化がないのかと言えばそれは違う。いや、それどころか、他国からアメリカにやってくる移民のほとんどが、アメリカ特有の文化に魅かれ、その文化に自分もあやかりたいと思ってやってくるのだ。格言うカカシもその一人。私はアメリカに住む日本人で居たいと思ったことはない。私は日本を祖国に持つアメリカ人になりたいと思ってアメリカに移住したのだ。
だから私のような移民こそが、本当の意味でのアメリカ文化を守りたいと思っている。私のような移民は外国から来て外国の文化をアメリカに押し付けようとする奴らにものすごく腹が立つ。そんなに自分の国が良かったなら、なんでアメリカに来たんだよ、国へ帰れ!と言いたい。
多様性を唱える奴らは、このアメリカ独特の文化を破壊し共産主義を確立しようとするファシストたちなのだ。(共産主義もファシズムも同じ穴のむじなだ)彼らは暴力で他思想を弾圧し排斥する。であるから多様性などというきれいごとに騙されてはならないのだ。
ここでひとつ付け加えておく。「多様性」という概念は決してアメリカが生み出したものではない。これは欧米の後退派左翼連中が作り出したものだ。日本の保守派の人々がアメリカを誤解するのは、こういう悪い左翼思想がアメリカの左翼メディアを通して日本のメディアに引き継がれ、そのまま日本で報道されてしまうからだ。人種だけの「多様性」は決してアメリカ文化を代表するものではない。自国の文化を犠牲にして外国文化を取り入れるなどアメリカの精神に反する。
本当の意味での思想の多様性という意味であれば、自由社会ならだれでも奨励する。だが、後退派左翼の「左に倣え」の多様性などくそくらえである。日本がこういう悪い左翼思想に毒されないことを願うものである。


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アメリカ人でも困惑するホテルのチップ色々

拙ブログを検索でたどってくる人の多くが、私が昔書いた「ケチるとひどい目にあう、ホテルのチップ」ケチるとひどい目にあう、ホテルのチップ – Scarecrow in the Strawberry Field (biglizards.net)を読んでいることをに気づいた。ホテルのチップで検索してたどり着いた人が多いらしい。で、そういう検索でアドバイスをしている人の意見を色々読んでみたが、長年アメリカ国内で長期出張を繰り返しているカカシからみても、「そうかなあ?」という意見もかなりあるので、ここでちょっとその話をしてみたいと思う。

ホテルのチップで検索して第一にぶち当たるサイトがこちら、チップの誤った常識という記事アメリカの一流ホテルで10年間日本人マネージャーをしていたとかいう人が書いたもの。チップをもらう立場の人からの作文だから私としてはそうかなあ、と思うことが結構ある。たとえば、スーツケース3つ、買い物袋2つの荷物をベルマンに運んでもらった日本人がチップを2ドルしか払わなかったという例をあげて、

ベルマンには、荷物1つにつき2ドルを、ドアマンには、1人につき1ドル50セントを払う。端数がでる場合には切り上げる。これがチップのおおよその相場だ。荷物が5つあれば、ベルマンには10ドル。2人でタクシーに乗るのであれば、ドアマンには3ドルを払うことになる。

と説明されている。確かに荷物を5個預けてチップが2ドルは少なすぎる。著者がいうように非常識というのはわかるが、荷物ひとつに付き2ドルはちょっと多いのでは?ま、著者の勤めていたプラザホテルのような一流ホテルになるとそうなのかもしれない。カカシが泊まるビジネスホテルにはベルマンが居ないことも多いからそんな心配は必要ない(自分で持っていくためのカートを貸してくれるホテルは結構ある)。私の場合は荷物ひとつにつき1ドルとしている。ドアマンの1ドル50セントはまあまあかもな。でもタクシーに乗る人の数が増えるとチップも増えるというのは何か不思議。

ところで日本人はチップを払わないという評判がアメリカでは定着しているので、日本人がよくいくハワイのレストランなどではチップが最初からお勘定に加算されていることがある。合計に15%足して払う習慣のある我々は誤ってチップを二度払いするはめになるので要注意である。これについても記事の著者は、、

「勘定書きの中にチップの15%が書かれていた。失礼じゃないか!」こんな苦情を受けることがある。私は「計算する手間が省けるじゃないですか。いずれにせよ、チップとして、15%を払わなくてはならないのだから。」と、言いたくなる。

「チップはよいサービスをしてくれたことへの褒章だから、期待に見合ったサービスが受けられなかった場合には、少なくて良い。」という、誤った常識を持っている日本人が多くいる。ここアメリカでは、チップは労働賃金の一部であり、15~20%は彼等が受け取る当然の権利だ。だから、個人の主観で金額を変えてはいけない。チップを受け取る部署で働く従業員は、その分、給料が低くなっている。彼等の家計を支える主たる収入はチップなのだ。もしサービスに不満があり、チップを払いたくないのなら、チップの額を減らすのではなく、マネージャーに苦情をあげるべきだ。さもないと、日本人はチップの支払が少ないからということで、益々、勘定書きにチップの額が書かれることになる。

私はこの意見にはまるで賛成できない。チップは当然もらえる権利ではない。お客さんが言うように『よいサービスをしてくれたことへの褒章期待に見合ったサービスが受けられなかった場合には、少なくて良い。』というのは「誤った常識」ではない。

余談だが、最近アメリカでは最低賃金を生活賃金といって値上げをする州が増えており、ホテルのハウスキーパーの時給も昔から比べたらかなり上がった。なので、「チップは労働賃金の一部だから、、、15~20%は、、当然の権利」という常識は成り立たなくなってきた。
私はレストランでは普通20%のチップを払うことにしているが、15%のチップがすでに加算されていた場合そしてそれをウエイトレスがきちんと説明しなかった場合には15%以上のチップを払わないことにしている。もしサービスが気に入らなければ10%に下げる場合もある。サービスが良くウエイトレスがきちんと「15%のサービス料が含まれて居ます」と説明してくれれば20%に引き上げることもある。

ところで彼の計算でいくとホテルの宿泊料が一晩250ドルだったら、その15%にあたるチップの代金は一晩37ドル?え~たか~い!そんなチップ払ったことナイ!一流ホテルってのはそういうものか?やっぱ下々の者には理解できないね。最近ハワイのワイキキなどではリゾート料金とかいって20ドルから30ドルが宿泊料に加算されるので、250ドルの宿泊代といっても結果的には280ドル。それにチップも加えたら基本料金は250のはずが317ドルになる計算?これに駐車料を加えたら350を越してしまう。うわっ高い!

カカシが泊まるビジネスホテルでは、ハウスキーパーへのチップは一晩1ドルから2ドルが相場。私個人としては掃除が行き届いていなかったりコーヒーが置いていなかったりしたら払わないこともある。ただ、長期の場合、チップをけちるとサービスも低下するから時々チップを多く置いて「もっとタオルをください」とか「バスルームを汚したので特別の掃除をお願いします」とかメモを書いたりする。普通にやるべき仕事をしてもらうのにチップを大目に置くというのも変な話なのだが、長期滞在するつもりならそのへんの調整は大切。

ところで別のサイトでハウスキーパーへのチップは払うべきかという質問に、「置く必要はありません。日本人の悪しき習慣です。」ときっぱり書いた人が居る。「チップが必要な場合は何か、特別な注文をして手間かけた」時に限り、普通に掃除やベッドメイキングのをしてもらうのは当然の仕事だからチップはいらないというのだ。「因みに、私は一回も枕銭や置きチップをしたことありません。
置かなかったことにより、嫌がらせを受けたこととかは、今まで一度もありませんよ。」とのことである。そうかなあ、気がつかないところで復讐をされてると思うよ、きっと。
実は我がミスター苺もハウスキーパーにはチップを置かない主義。でも彼はカカシのように長期出張するわけではないし、同じホテルに何度も戻ってくるという可能性もないからそれでもいいのかもしれない。彼いわく、チップはその施設に(ホテルにしろレストランにしろ)今後どのくらい行く可能性があるかで決まるという。今後もお世話になる可能性があるなら、チップは弾んでおいたほうが何かのときに融通が利くからである。これは本当の話。

たとえば、ホテルの予約をドタキャンするとキャンセル料金を取られるが、普段からホテルとよい関係にあれば料金を帳消しにしてもらえたり、満室なのに部屋を用意してくれたり、何も言わなくてもアップグレードしてくれたりといったサービスを得られる可能性がある。またラウンジなどへゲストを連れて行った場合、本来ならゲスト料金を取られるところを無料にしてもらったり。同じドリンクを頼んでも量を増やしてくれたりといったサービスが得られる。

ところで最近アメリカでは、レストランというよりファーストフードみたいなお店でもレジのところにチップ瓶が置いてあるところがある。特にスタバのような専門店にそういうところが多くなった。まだマクドなどでは見られないが。カカシの常識としては、お客が自分で飲み物や食べ物を頼んで自分で席まで運ぶ場合、給仕の必要がないからチップは要らないはずという考え。そうでないとどんな場所に買い物に行ってもチップを払うことになり意味がなくなる。

給仕が居ないという点で、ホテルの朝食などブフェ形式になっているところでのチップはどうするかという疑問がわく。ブフェ形式とは日本語でいうバイキング。要するに食品がずらっと並んでいて自分で好きなものを取って食べる形式だから、ウエイトレスにものを注文する必要はない。それでもチップは必要なのかどうか、このへんカカシにはちょっと疑問なのだ。私個人の目安としては、ホステスが居て席に案内してくれるような場所で、ウエイトレスがコーヒーやジュースを持ってきてくれ、給仕の人が汚い皿を取り替えてくれたりする、といったサービスを受けられるのであれば$1くらいのチップを払う。オムレツなどを作ってくれる人が居た場合にはその人にまた$1ドルはらう。サービスが特によければ$2ドルくらい置くこともある。座っても飲み物のオーダーもききにこないようならチップはなし。

ビジネスホテルだと朝食はついていても、すべてセルフサービスのところもある。そういうところではチップはまるで要らない。が、これも長期滞在するなら朝食に携わっている従業員に時々チップをあげてもいいだろう。これは個人の自由だと思うね。

チップのなかでもカカシが一番嫌いなのが車を駐車場から出し入れしてくれるバレエパーカーにあげるチップ。セルフパークの場合はいいが、ハワイなどバレエパーキングしかないホテルも多い。それにセルフでもバレエでもそれほど料金が変わらないところも多く、狭くるしい駐車場を毎晩空いてる場所を探してぐるぐる回る手間を考えたらバレエのほうがずっと便利。しかしバレエパーカーへのチップは一回1ドルが相場だと同僚たちは言うが、毎日最低二回はバレエのお世話になるわけだから最低$2ドルは必要なわけで、荷物の乗り降りを手伝ってもらったらこれにもかばんひとつにあたり$1ドルというのも常識らしいから、車に乗り降りするだけで毎日$2ドルから$4ドルのチップである。前にも書いたがカカシはチップを出張経費として差し引けないので自腹である。バレエだといちにち30ドルから40ドルが普通なので、それを払っているのにさらにチップというのも変な話だよなあ。

というわけで、ホテルに泊まったらチップを払う場所はいくらでもある。その度ごとにチップをはずむと意外な出費になるので気をつけなければならない。カカシなんぞ一ドル札がなくなると部屋に「睡眠中です」のサインを下げてサービスを断ることもある。同僚からは「けち臭い」とけなされるが、、、


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出張中メモ

またまたハワイに出張中。アメリカ東海岸は記録的な雪だそうで、フェイスブックは雪の写真で満載だ。カカシは運悪くハワイで立ち往生してるよと書いたら『この野郎死んじまえ]てなメッセージが帰ってきた。去年の冬はわたしも吹雪で飛行機がキャンセルになってホテルに2日間缶詰になった。今年はハワイでよかったなあ。
今日はiPadなんで複雑な文章は無理なので、あとでかきたいことのメモだけしておこう。
記録的な寒さ: ここ数年、毎年のように今年の冬は記録的な寒さだと書き続けているが、いったいいつになったら地球温暖化ははじまるのかね。いや、というより記録的にさむい冬が何年続けば温暖化説は間違っていたということになるのだろうか。
アイオワコーカサス: アメリカの大統領選挙の共和党最初の予選があと数日でアイオワ州で行なわれる。ドナルド・トランプが最優勢。わたしはトランプは嫌いだ。テッド・クルーズに頑張って貰いたい。保守的と言われているアメリカのフォックスニュースは最近トランプ一色。なんでフォックスはこうもトランプびいきなのか。フォックスはまるでトランプの選挙運動事務所と化している。トランプはまるで広告費が必要ない。フォックスがやってくれるのだから。
ヨーロッパ移民危機: ドイツのケルンのモスレム移民による性犯罪の被害届けは800件を超えたそうだ。集団強姦の被害者も数人と言われていた当初から数十人にふえた。地元警察による隠蔽の範囲も当初おもわれたより広範囲だったらしい。ドイツの地方都市ではモスレム移民が団体で公共プールに押しよせ、泡風呂で自慰をしたり子供プールに放尿したり女子更衣室に侵入しようとしたりと、信じられない行為に出たため、難民のプール使用を禁止したが、左翼市民団体が人種差別だと騒ぎ立てて難民の使用を阻止できなくなった。プールの職員は地元の女性達がプールを使用しているときはプールは整備中などと口実をつくって難民の使用を許否しているが、他のプール場でもモスレム野蛮人による痴漢行為が頻発しているという。
銃規制: 先の司法長官エリック・ホールダーの大失敗おとり作戦「迅速かつ猛烈」作戦でアメリカからメキシコに渡っていた銃が最近逮捕された麻薬暴力団の親玉エルチャポの隠れ家で発見された。何をやっても失敗だらけのオバマ王である。


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カカシ、ワイキキのケチケチ出張より戻る

あ~疲れた!久々のハワイ出張。しかし今年はうちの企業は非常な経営不振でいつものようなホテル代を払ってくれない。こんな安い値段で、しかもホテルが非常にとりにくい12月に二週間以上も出張させようというのは酷な話である。さらに間の週末にホノルルマラソンが入っていたので普段より一層多い観光客。何とか極安でも危険でなく汚くないホテルを取るのにすっごい苦労した。
観光地での出張というのは非常に気が滅入る。なにせ同じホテルで泊まっている人々も道を歩いている人々もみんな休暇気分でそぞろ歩き。出勤のために運転してるこっちの身などまるで無関心な観光客たち。ディズニーランドでも歩いてる気分で信号無視の歩行者が多いから運転には非常な注意が必要。それに右運転に慣れてない日本人観光客や交通ルールなんてお構いなしのアジア人やヨーロッパ人がカーナビ便りにえっちらこっちら運転してるから危なっかしいったらない。
この時期に二週間以上も同じホテルに安い値段で泊まるというのは無理なので、私はひとつのホテルに10日間、もうひとつに7日間ほど泊まった。
最初のホテルはアシュトンワイキキビーチ。場所はカラカウア通りのダイアモンドヘッド側の端っこで、マリオットホテルのお隣。海岸までは徒歩5分。ワイキキビーチの端っこではあるが、結構レストランなども近くで歩いて色々な所に行ける。小さいが一応プールやエクササイズのジムも付いている。一応っていうだけであんまり利用価値はないのだが、私がメンバーである24hrフィットネスが歩いて5~6分のところにあるので運動には不自由なかった。泳ぎたければ海がすぐ傍だし。部屋は狭かったが清潔で、WiFiは無料。各部屋に小さな冷蔵庫が付いてくる。電子レンジは付いていなかった。
出張手当が大幅に削られてしまったので毎晩高いレストランには行かれない。しかし電子レンジがないと部屋で細々と即席ラーメンを作ることも出来ず、お持ち帰りのお弁当も温められない。そこで思いついたのがお湯を沸かせるホットポット。距離的には3kmくらいの場所に日系スーパーのドンキホーテがあったので、先ずそこで色々買い物をした際14ドルでホットポットを購入。朝のオートミールや夕飯のラーメンを作るのに非常に重宝した。しっかし買い物に行った時間が仕事帰りの午後5時ごろだったことから、交通渋滞でたった3kmの道を帰るのに20分以上かかってしまった!ワイキキ及びダウンタウンでの運転はラッシュアワーは避けたほうがいい。かえって歩いたほうがずっと早い。
余談だが、私のGPS(カーナビ)はスペイン語が話せないので「ドン・キジョテ」と発音していたが、本来の綴りはDon QuijoteではなくてDon Quixoteなんじゃないかな?まそんなことはどうでもいいが。ワイキキにはABCストアというコンビニ+おみやげ物やがあっちゃこっちゃにあるが、観光客用に値段がかなり割高になっている。同じものでもドンキホーテで買えば二割から五割引きになるので、ABC店で気に入ったものがあったらメモしておいて、後でドンキホーテに行って買うことをお薦めする。必ずしも同じものがあるとは限らないが、チョコレートのかぶったマカデミアンナッツなんてABCでは一箱$8.99だったのがドンなら$6.99だったり、キーホールダーなどは同じものが半額で売ってた。車がないと不便ではあるが歩いていけない距離ではない。バスに乗るという手段もあるし。
さて、続く一週間の食事はかなりわびしかったが、週末くらいはおいしいものを食べたいと思って近所のクヒオ通りを歩いていたら丸亀という手打ちうどんの店の前を通りかかった。この店は食事時に行くとものすごい列でいつも諦めていたのだが、その日はちょうど午後2時過ぎという変な時間だったこともあって列はなし。入ってみるとカフェテリア式にお盆を持って注文。基本メニューは素うどんで選択は天カスか卵か、あったかいか冷たいか程しかないが$3.50と非常に安い。なにかつけたしたければ海老天やちくわ天やから揚げなど$1.50から$2.00くらいで色々付け足せる。だが一品づつが安いからといって調子にのって色々買うと結構高くつくのでご用心。
二つ目のホテルはアクアパルムワイキキビーチという今度はカラカウア通りの反対側の端っこでダウンタウン側にあるホテル。有名なヒルトンハワイアンビレッジからアラモアナ通りを隔てたお向かい。ひょろっとしたビルで小さいホテルだったが、室内は広く、ベッドの横が広く開いてリビングのようになっている。ソファとテーブルと椅子が二つ。床は板張り。ヨガなんかやりたかったら十分なひろさであった。
こちらにもプールは付いていたが海はすぐそこ。お隣のヒルトンにはきれいなプールがあるので、無理にホテルのプールを使う必要もない。ホテルの周りには色々なレストランが立ち並んでいるが、どこも結構値段は張る。ホテルが近所のアウトバックステーキハウスのミールクーポンをくれたので行ってみた。しかしステーキハウスという割りにはステーキは硬くてまずかった。ただ前菜とスープは結構おいしくて、カニとアボカドをあえたのは非常によかった。前菜はどれもこれも$10.00程度なのでステーキを食べなければ結構お手ごろかも。ステーキは$20から$35で高いだけでおいしくない。
いくらケチケチ出張でも、せっかくワイキキにいるので普段は食べられないおいしい日本料理を食べようと思い、以前に行ったことのあるとんかつ屋さんの銀座梅林にいった。本土ではカリフォルニアでも東海岸でもおいしいとんかつのお店なんてほとんど見つからないのだが、いやあさすがワイキキ!本場のとんかつがあるなあ。ヒレカツ定食を注文したのだが、ナイフとフォークではなくお箸だけ。お箸でどうやってカツを食べるのかとおもったらお肉が柔らかくてナイフの必要なし。ほっぺたが落ちるというのはこういうことを言うのだな。非常においしかった!
最後の夜はホテルからすぐそばにある居酒屋ちばけんに行った。このお店は7~8年前に出来た記憶があるが、仲間と行き着けのアイリッシュローズという飲み屋の隣だったことから発見した店。ちばけんという名前に惹かれて友達と何度か行ったが、値段の割りにはそんなにおいしいという記憶はなかった。ところが今回行ってみたらお寿司がものすごくおいしくなっていた!はっきり言ってこんなおいしいお寿司はひさびさ食べていない。場所は表通りからはちょっとはずれた裏道なのだが、一人でも予約を取っていかないと先ず座れない大繁盛の店。五時半の開店から10分もすると店はもう完全に満席。さもあらんである。おすし以外にも焼き鳥や揚げ出し豆腐などの居酒屋メニューから頼んでみたがどれもこれも確かに千葉県というなつかしい味であった。
とまあ、そんなわけで、なんとか帰ってきた。
明日からはまともに記事を書こう。


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