ドクタースースがキャンセルされる本当の理由

日本の人たちにはあまり親しみがないかもしれないが、アメリカではドクタースースの絵本は過去40年にわたって子供たちから愛読されてきた。いくつか映画にもなっており、ドクタースースのキャラクターを知らないアメリカ人は居ないといっても過言ではないだろう。日本でいうところのドラえもんみたいな存在だ。ところが、先日ドクタースースの誕生日に、スース作品のいくつかが人種差別描写があるとして絶版になると発表された。

(CNN) 米国の絵本作家、故ドクター・スース(本名=セオドア・スース・ジーセル)氏の著作のうち6冊が、人種差別的な内容を理由に出版中止となった。同氏の権利を管理するドクター・スース・エンタープライズ社が2日に発表した。

2日はスース氏の誕生日に当たる。同社は教育者らと相談してラインナップを見直した結果、「マルベリーどおりのふしぎなできごと」「おばけたまごのいりたまご」など計6冊の人物描写が「有害で間違っている」と判断し、出版中止を決めたという。

スース氏の著作は世界で発行部数が計6億5000万部を超えたとされるが、長年に及ぶ差別的な描写が指摘されてきた。

児童文学の多様性に関する2019年の研究によると、学生時代の作品では黒人ボクサーをゴリラになぞらえ、ユダヤ人をけちな人物として描いていた。

同氏の著作50冊を調べた結果、非白人の登場人物45人のうち43人が反アジア系、2人が反アフリカ系の描写に当てはまるキャラクターだったという。

出版中止が決まった6冊のうち、2冊はこの研究が具体例として挙げていた。

「The Cat’s Quizzer」には「日本人」として、鮮やかな黄色の顔で富士山の上に立つ人物が登場する。

「If I Ran the Zoo」には、白人男性がアジア人3人の頭上に乗り、銃を手にした場面がある。アジア人たちは全員「目がつり上がり」、「だれもスペルを知らない国」の出身だと書かれていた。

はっきり言ってこれらは言い掛かり以外のなにものでもない。興味があったので私は上記に上げられた二冊にざっと目を通してみた。

The Cat’s Quizzerでは一ページの下の方に、山のふもとに立つ東洋人らしき人の姿が描かれているが、顔が鮮やかな黄色ということはない。ドクタースースの絵は誰もが誇張されているので、特に日本人を馬鹿にしたようには描かれていない。

Dr. Seuss Enterprises To End Publication of Six Titles Over “Hurtful and  Wrong” Imagery - Bounding Into Comics

If I ran the zooは、少年が自分がもしも動物園の経営者だったら、という想像の世界を描いたもの。少年は色々な想像の国から想像の動物を集めて来るという空想をしている。問題の画像を見てみたが、たしかに昔の典型的な中国人風の男性三人の頭に動物が入った檻が乗り、その上に主人公の子供が銃をもって座っている絵がある。そしてそこの住人は目が吊り上がっているとある。しかし、それは少年が想像する国であって、特にどことは言ってない。また、「誰もスペルを知らない国」はその次のページでしかも別の想像の国。つまり東洋人は字が読めないとバカにしてるわけではないのだ。

Tackling Racism in Children's Books: Conversations in Seussland | Nashville  Public Library

ハリウッド映画で描かれる東洋人像を見慣れてる私としては、この程度は単にアメリカ人が想像する東洋人のステレオタイプであって、別に差別意識があって故意に悪く描こうとしているようには見えない。これらの本が書かれたのは1970年代のことなので、当時の一般アメリカ人が東洋人に関して持っていたイメージをそのまま描いただけのこと。

もしこれがドクタースースの絵本に描かれた人種差別の典型だとするならば、このように重箱の隅をつつくようなことをしなければ人種差別を見つけられなかったということになる。なぜならドクタースースは人種差別者などではなかったからだ。

フォックスニュースのタッカー・カールソンはドクタースースがキャンセルされるのはドクターが人種差別者だったからではなく、彼が反人種差別者だったからなのだと言う。

ドクタースースは人種差別者などではなかった。彼は反偏狭の宣教者だった。彼は反人種差別に関するいくつもの本を書いた、しかも曖昧な書き方ではなかった。これらの本は明確に反人種差別を示すものだった。子供たちに人種差別者になってはいけないと教えることこそがこれらの本のを書いた理由だったのだ。

ドクタースースをキャンセルするのは計画的だったとタッカーは言う。

ドクタースースをキャンセルするのは馬鹿げたことではない。ドクタースースを排斥するのは彼が人種差別者だったからではない。いやむしろ彼が人種差別者ではなかったことが理由なのだ。

タッカーはドクタースースが1961年に書いたスニーチスという本を例に出す。これはマーティンルーサー・キング牧師が反人種差別の行進をする前に書かれたものだ。この中でスニーチスと呼ばれる架空の動物が出てくる。彼らはお腹に星模様のあるかないか以外は全く区別がつかないどう種族である。ところが誰かがが星印のついている者の方が偉いと言い出し、星印対無印の対決が始まる。しかし最後には星があろうがなかろうが個人の価値に差はないことにスニーチスたちが気づくという内容。

これは明らかに肌の色で優越を決めることの愚かさを描いた本だ。こんな本を書く人が人まで人種差別者ということになるのか?いったい今の左翼リベラルの基準というのはどうなってるんだ?

しかしタッカーは、ドクタースースが唱える人種色盲社会こそ意識高い系ウォークと呼ばれる過激派左翼にとって都合が悪いのだと言う。確かにそうだ。もし肌の色など問題ではないということになるなら、今左翼が推してるクリティカルレースセオリーという「白人は生まれながらに人種差別者だ」などという思想は崩れてしまう。

過激派左翼の思想はすべて人種差別で成り立っている。人種によって派閥を作り、人種によって優越が決まる。この世の悪はすべて白い肌で生まれた人間の罪なのである。そんな思想を推し進める左翼にとって人種色盲社会などあってはならないのである。

ドクタースースはいわゆるクラシックリベラルである。しかし人種差別こそが一番大切な現代の左翼にとってドクタースースの反人種差別メッセージは不都合な存在なのである。

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And to Think That I Saw It on Mulberry Streetより、「箸でご飯んを食べる中国人の少年」



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1619対1776,アメリカの徳逸した偉大さが許せない左翼

トランプ政権の最後の置き土産、1月18日に発表された1776コミッションリポートがバイデンの就任式が終わり次第ホワイトハウスのホームページから削除された。このリポートはニューヨークタイムスが発表した1619年プロジェクトに対抗する形で書かれたもの。1619はアメリカの歴史は黒人奴隷が初めてアメリカ大陸に連れてこられた1619年に始まったもので、独立宣言をした1776年ではないというもの。コンサーバティブレビューの記事より。

1619プロジェクトは歴史的に間違いだらけだが、一番の問題はアメリカの歴史は奴隷の歴史だという主張。

トランプ大統領はそれに対抗していかにアメリカが偉大であるかというリポートを大統領命令で作成させた。このリポートの主旨はアメリカの徳逸したすばらしさをを改めて確認することだが、バイデン陣営からは人種差別だの白人至上主義だのと非難轟々であった。

このリポート作成の目的は「子供たちにアメリカ歴史上の奇跡を教えること」そしてアメリカ建国250年を記念して敬意を払うことだとトランプ大統領は語った。このリポートの発表時トランプ大統領はアメリカは「歴史上もっとも公平で平等で豊かな国家である」とも語った。

以前にも書いたが、私が特に不自由しない永住権に飽き足らずに三年もかけて面倒くさい手続きの居る市民権を得たのかといえば、そのきっかけとなったのが大学に入ってアメリカの歴史を学んだ時だった。

当時(1990年代)の歴史書は今ほどアメリカは人種差別な国だという左翼の偏見に満ちた内容ではなく、ジェームスタウンにはじめてイギリスからピルグラムたちが来たところから始まり、独立戦争と南北戦争を経て近代のアメリカに至るとあった。

私はアメリカ建国の父となったジョージ・ワシントンやベンジャミン・フランクリンやアレキサンダー・ハミルトンやトーマス・ジェファーソンといった偉人たちの歴史を学び、あの時にこんな偉大なる人々がアメリカに居てくれたということはほぼ奇跡に近いとさえ思い感激したのだ。

こんな素晴らしい国に住まわせてもらって、これほどの恩恵を受けていながら、この国の政治に参加しないというのは無責任であるだけでなく、失礼であるとさえ思ったのだ。

それで私はアメリカの歴史は奴隷歴史は恥ずべき歴史であるなどと言ったり、黒人に賠償金を払うべきだとかいう話を聞くとものすごく腹が立つ。アメリカは奴隷制度を撤廃するために国を二つに割って双方に何百万人という犠牲を出して奴隷制度を終わらせたのだ。アメリカはその血で罪の償いをしたのだ。アメリカは誰にも恥じることなどない!

では何故左翼は常にアメリカを世界一悪徳な国としておきたいのだろうか?何故真実の過去を抹消して偽りの歴史で塗り替えようとするのだろうか?

先日コメンターのかんぱちさんが「左翼は常に現状を否定して、世の中を変えようとするので、その主張がどんどん先鋭化していくのだと思います」とおっしゃっていたが、これは的を射たコメントだ。左翼は自分たちのことを革新派と呼ぶが、現状が良い状況にあるなら特に革新する必要はない。

以前にオバマ大統領はアメリカを根底から覆したいと言っていた。根底から覆すということは、これまでの世界観を否定する必要がある。だからアメリカが歴史上稀な偉大な国であるなどという結論は都合が悪いと言うことだ。

バイデン新大統領は、オバマ大統領の意思を継いで、アメリカをファシズムへと導いていくつもりなのだろう。


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民主党文化大革命とどう戦うか

アメリカでは地方議会で共和党が多数議席を持っている州が結構ある。アメリカの全体図を見て赤を共和、青を民主とすると、西と東の一部海岸沿いを除けば、ほとんどまっかっかに染まってしまう。過去四年間にわたり保守派の本髄を貫きとおしたトランプ政権。そしてこの大統領を熱烈に指示したアメリカ国民。アメリカの政治社会はどんどん保守に傾いているように見える。にもかかわらずアメリカは何かおかしなことになっている。いくら政権が保守的でもアメリカ文化の左傾化は猛スピードで進んでいる。左翼特有のキャンセルカルチャーはリベラルの間ですら脅威を感じる人が出ているほどである。

なぜ政党や地方政治が保守派なのにアメリカ文化はどんどん左翼に傾いているように見えるのか。それは保守派は礼節を守り争いを避けたいがために必要以上に左翼リベラルの要求に妥協してしまうからだ。

言葉遣いひとつを取ってみても、黒人と呼ばずにピープルオブカラーとかアフリカンアメリカンと呼べと言われると、ま、そのくらいで気が収まるならとこちらも言い方を変えてしまう。以前は性別の分からない個人に関しては「彼」という代名詞を使ったり、スポークスマンやメイルマンといった職名も、この場合のマンは男と言う意味ではなく人という意味なったのに、彼・彼女とかパーソンとか言いかえることで左翼のご機嫌を取ってきた。

だが左翼の要求は留まるところを知らない。今度は単なる女装男を女と呼べと言い出し、一人称の代名詞なのに複数形の「They」を使えなどと言いだす始末。

左翼による歴史の書き換えもすさまじい。夏中BLMの連中が偉人の銅像を次から次へとなぎ倒したのもアメリカの歴史を人々の記憶から消し去ることが目的だった。最初は南部の勇士たちの銅像を破壊していたが、最後には奴隷を開放したリンカーン大統領の銅像までなぎ倒した。左翼にとって白人が先頭を切って奴隷制度を撤廃したなどという歴史は不都合だからだ。1619プロジェクトのような虚偽歴史を浸透させるためには、白人には永久的に白人至上主義の弾圧者としての役割を果たしてもらわなければならないからだ。

では我々はいったいどうすればいいのか。どうやってこの狂気と闘えばいいのか?

我々個人に出来ることは先ず、左翼リベラルの要求を小さなことからことごとく拒否していくことだ。例えば東洋人はオリエンタルではなくアジアンと呼べなどと言われてもオリエンタルを貫き通す。黒人はブラックで押し通す。相手が一人称を「They」と呼ばなければミスジェンダーだなどと言っても生得的性に基づいて彼・彼女の名称を呼び続ける。

職場でメリー・クリスマスと言ってはいけないと言われても言い続ける。独立記念日の装飾をしてはいけないと言われても机に小さな星条旗を飾るといったように。

もっと勇気のある人は、学校で虚偽の歴史を無理やり教えられたら、親たちが協力して学校に苦情を申し入れる、もしくは転校させる、または自宅で教育するなどして抵抗する。職場で無理やり白人は皆人種差別者だというクリティカルレースセオリーなどのトレーニングを受けさせられたら、こちらから人種差別だとして企業を訴えるなどしていかなければならない。

ビッグテックの横暴な言論弾圧で、民主党が言論の自由など信じていないことに多くのアメリカ人が気づかされた。ビッグテックが独占するSNSで保守派の声はどんどん弾圧されるだろう。だが、今後は技術の発達により、どんどん個人的なサイトが可能になってくると私は思う。

たしかに今はアマゾンなど大手サーバーを使わないとサイトも立ち上げられないという状況だが、だからこそテック通の保守派がきっと必要に迫られて個人的なサイトの立ち上げが可能になると私は思う。

個人経営のユーチューバーが高予算のテレビプロダクションに出演する芸能人より人々に与える影響力が大きくなったように、大手のサーバーを使わない個人サーバーが絶対に出てくると私は思う。そうなったら一部の人々がすべての市民の声を弾圧するなどということは不可能になる。

だから我々は語り継がなければならない、トランプ大統領がアメリカの自由と安全を守るためにどれほどの努力をしてくれたのかを。そして何故これまでトランプ親ビン一人に任せてきた戦いを我々が引き継がなければならないのかを。


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BLMを美化する情報を日本語で流すユーチューバーに物申す

昨日、日本語でアメリカのBLM/ANTIFAについて情報提供をしているアメリカ人のビデオを紹介されたので観てみたが、内容があまりにも嘘出鱈目に満ちていたので、アメリカ人が語るんだから本当なんだろう、と日本の皆様に誤解が生じてもいけないので、彼の言ってることにいちいち反論することにした。

先ず動画のリンクはこちら。この人はビデオではRAN、ツイッターではSSGTというハンドル名を使っているが、これは彼が海兵隊に居た時の位でスタッフサージェント(二等軍曹。下士官で下から三番目の位)の略。ここではSSGT RANと呼ぶことにしよう。

動画の半分くらいまでは過去の奴隷制度や1960年代までの南部での黒人差別に関する歴史的背景の説明がある。ここまでは特に問題はないと思うが、SSGT RANは400年前から始まってこの奴隷時代を経て1960年代前までの黒人弾圧が今もなおアメリカ社会に黒人への偏見をもたらしていると結論付ける。黒人差別はあまりにも組織的に行われたため、多くの白人は自分らの偏見に気づいていないと強調する。そしてBLMの目標については、、

すべての黒人を信用できない二級市民であるというアイデンティティーを100年かけて構築して差別的社会組織に起因するものです。社会の組織的差別よって差別が正常化されたため多くの白人は自分が差別的であり、黒人を抑え込んでいると認知しておらず社会組織がどれほど差別的なのかも理解していないのです。その無知を取り払い、アメリカの警察組織を一新し、社会組織の差別を撤廃して白人以外の人も白人と同じ機械が均等に与えられ肌の色に関係なく安心安全に毎日を送れる社会の構築がBLMの目標です。

と語る。これはBLM広報部の版で押したようなプロパガンダだが、SSGTRANが例として挙げたいくつかの「人種差別」について反論しよう。

黒人が警察に不当に差別されているという件

SSGTRANは、アメリカの黒人人口は全体の30%であり、白人とも犯罪率が同じなのに黒人の拘束数が多いと語る。だがこれは数字が間違っている。

先ず2016年のセンサスによれば、黒人と白人の人口割合は13.1%と61.3%であり、SSGTさんのいうような30:60ではない。FBIの犯罪数統計によれば、アメリカの犯罪の37%が黒人によるもので59%が白人によるものだ。白人の犯罪率は人口とほぼ比例するが、黒人のそれは人口の三倍近い。だから黒人の拘束率が白人より高いのは当然であり、これをもってして人種差別のせいだというのは暴言だ。

交通違反などで警官に呼び止められた時に、白人と黒人では警察官への恐怖心が違うという点に関しても、これは黒人社会が警察官に対する正しい認識を進めてこなかったことに問題があるのであり、警察による人種差別が原因とは言い切れない。

2019年に非武装の黒人が警察官に殺されたのは9人で、白人は19人。これは全体41人の21%であり、白人は41%。黒人の犯罪率が30%を超えていることから考えると非武装の黒人が警官に殺される可能性は白人のそれと全く変わらないことが解る。

黒人が銀行融資を公平に受けられないという件

次に融資の件で黒人が白人より厳しく審査されるというのも嘘だ。私は銀行で秘書として融資関係の仕事を多少していたことがあるが、人種による差別など全くなかった。いや差別があってはならないと必要以上に気を使っていた。それではなぜ黒人への融資が白人のそれより少ないのかと言えば、黒人は返済能力のある人が白人や多人種より少ないことに問題がある。

借金を踏み倒す可能性のある人に銀行はお金を貸さない。オバマ大統領が返済能力のない黒人たちに住宅ローンを促進して、結局返せずに破産する黒人が大量に出たのは記憶に新しい。

BLMは中核を持たない市民運動であり、共産主義というのは共和党が流したデマという件

さてSSGTRANのいうBLMの実質についても、かなり真実とギャップがある。まず彼はBLMは政治団体ではなく中核をもたない政治運動だと主張する。BLMという名の団体は存在するが、彼らがBLMの行動を指揮しているわけではなく、各地のBLM運動は地元の人たちが自発的にやっているのだという。

確かに末端で略奪をやってる連中は個人的にやっているかもしれないが、誰かがどこで集まってどこで略奪をするという指揮をしていることは間違いない。そうでなければシカゴのショッピングモールで起きたような組織的な略奪は不可能である。

ランド・ポール上院議員がDCで襲われた時も、暴徒たちは地元の人間ではなく、どこからか旅費をかけてやってきた運動家たちだったと語っていた。一体どこからそんな資金が出ているのか、徹底的に調べる必要があるだろう。

さてBLMが共産主義化どうかという話だが、SSGTRANは、ソビエトと西側諸国の冷戦前の世代は共産主義や社会主義に理不尽な恐怖を持っている、共和党はこの恐怖に付け込んで1960年代の市民権運動や反ベトナム運動の時にもしたように、BLMはマルクス型共産主義だとデマを流して恐怖を煽っているのだという。

ここで間違いを指摘。1960年代の市民権運動は共和党が推した政策で、民主党は絶対反対を唱えていた。人種間の交流を断固反対したのは共和党ではなく民主党である。

SSGTRANは冷戦後に生まれた世代は共産主義や社会主義に対する恐怖心がなく、かえって受け入れるべきと考えているとするが、それが事実なら、新しい世代は共産主義の恐ろしさを知らずに育ち、新世代を育てるはずの教育者が若者に社会主義を吹き込んだことが原因だろう。共産主義で成功した社会は存在しないという事実を若者たちはきちんと学んでこなかった。これも左翼が教育社会を牛耳ってしまったことの賜物だ。

BLMは創設者が誰であるかはっきりしており、彼女たちは自分らがマルクス主義だと自慢している。これは共和党が広めたデマなどではない。2015年のインタビューで、BLMの創設者の一人であるアリシア・ガーザが自分たちは「訓練を受けたマルクス主義者だ」と語っているのだ。

BLMには公式なウエッブサイトがあり、そこにはBLMのマニュフェストがある。そのなかで特筆すべきはこの部分。

We disrupt the Western-prescribed nuclear family structure requirement by supporting each other as extended families and “villages” that collectively care for one another, especially our children, to the degree that mothers, parents, and children are comfortable.

概訳すると、西洋で伝統的な核家族性を破壊し、家族の延長として「村」全体が母となり親となり子供を育てる、という全体主義が謡われている。個々の家庭を破壊して政府の言いなりになる子供を育てる、これが共産主義思想でなくて何だろう?

トランプ及び共和党は白人至上主義であるという件

SSGTRANは何の根拠も示さずにトランプは白人至上主義であると決めつけているが、その例として、先日ポートランドで行われたトランプ支持の愛国者ラリーで、愛国者たちが道端に居たアンティファ連中にペイント弾を撃ったことに関してトランプ大統領が称えるような発言をしたことを挙げている。

読者諸氏はよくご存じだが、愛国者たちは彼らのキャラバンを通すまいと道を塞いだアンティファ暴徒たちにペイント弾を撃って道を開けさせただけ。しかもその当日、アンティファ暴徒の一人が道を歩いていた愛国者を実弾で射殺したことに関してRANは完全に無言である。

実際にトランプが白人至上主義であるならば、何故トランプは黒人の経済力が付くような政策を取ってきたのだろうか?武漢ウイルス前のアメリカでは黒人の失業率は記録的に低かった。トランプはまた、実力ある学生が質の高い学校を選べるよう教育システムを変えようとしている。能力ある黒人学生が程度の低い学校でうずもれてしまわないようにするためだ。白人至上主義の人間が何故そんなことをする?

トランプ大統領が民主党が長年政権を握る州に州軍を送り込んだのは、地元政府が度重なる暴動を自分らで制御することが出来なかったため、最後の手段として行われたことだ。RANは暴動が激化したのは州軍や連邦軍が派遣されてからだなどと言っているが、これは小山エミの時にも説明したように、まるで話が逆さまである。

SSGTRANは結局バイデンを推してる件

結局SSGTRANは単なる民主党工作員であり、まっかっかな共産主義者である。ビデオの締めくくりは、トランプがこのまま大統領を続ければ、国内の不穏はずっと続くだろう、平和な国を取り戻したければバイデンが大統領にならなければならないのだという脅迫で終わっている。


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日本でも起きている大学での左翼言葉狩り運動

日本大学でBLM暴動について個人的見解を述べた大学教授を解雇に追い込もうという運動が起きている。私はこうやって左翼が自分が気に入らない意見やそれを述べた人々を社会的に葬ろうとするキャンセルカルチャーが本当に嫌いだ。

ではこの教授が解雇されるべきだとされる恐ろしい発言を読んでみよう。強調は原文のまま。

「〔アメリカのBlack Lives Matter運動について〕私が略奪している人の動画とか写真とか見ている限りでは、白人はほとんどいなくて、やっぱりそれも黒人さんばっかりなんですよね。〔中略〕プエルトリコ人とか、あと茶色い人たち、あと混血でメスティーソみたいなかたちで混血で混じっている人たちとかそういうのも、何かあれば略奪をしようとする。実際はおそらく白人の人も略奪をやってると思うんですが、ほとんど動画で私見たことない」

「今アメリカ全土が北斗の拳みたいな状態になっていて黒人さんが暴れている… Black Lives Matterっていうので、黒人の生命っていうものは大事なんだって標語にして、あちこちで暴動とかを起こしたり略奪をどんどんどんどん繰り返している..」

この発言をしたのは「日本大学文理学部で非常勤講師を務めている菊池肇哉氏」だそうだ。

菊池氏の見解には、かなり思い違いがあるとはいうものの、彼は「動画を見る限り」と限定しているし、「おそらく白人の人も略奪をしてると思うんですが、ほとんど動画で私は観たことない」と言っているので、充分に思い違いがあるかもしれないと認めている。つまり、これは彼が持った感想なのであり、彼自身これが事実だと断定しているわけではないのだ。

にもかかわらず、これを聴いた生徒の中から、菊池氏を解雇させようという運動が起きている。そしてその理屈というのがこれ。

こんな発言、アメリカでは一発でアウトです。

特定の出自・属性をもつ人々を、「何かあれば略奪をしようとする」人と呼ぶのは紛れもなく人種差別です。

また、彼は他の日の講義で「武漢肺炎」という発言(注2)や、Black Lives Matter運動の裏に中国共産党がいるといった発言も行なっていました。

これら一連の発言が放置され続けることによって、受講するマイノリティ学生が被害を受けています。これ以上マイノリティの学生への被害が広まったら、大学はどう責任をとるのでしょうか?

アメリカの大学でこういう発言をしたらアウトだというのは本当だ。なにせアメリカのアカデミーは赤デミーばっかだからね。しかし特定の人々が特定の悪さをしていると指摘すること自体は差別ではない。武漢肺炎に至っては、実際に武漢から来たのだし、BLM暴動に中共の資金が混じっているかもという説もあるのだから、それを紹介することの何が問題なのか?

そして私が一番納得できないのは、「受講するマイノリティ学生が被害を受けてい」るというところだ。菊池氏の授業を受講することによって、マイノリティー学生がどのような被害を受けたというのか?

はっきり言って日大で受講してた学生の中に黒人やプエルトリコ人が混じっていたとは到底考えられない。いや、混じっていたとしても、受講するだけでどういう被害が生じるというのだ?

もし教授の発言に異論があるなら、「先生、その見解は間違っています。アンティファなどBLMの口実で暴動を続けているのは裕福層の白人ばっかですよ、ここにアンディー・ノーが掲載した映像があります、見てください!」くらい言えばいいのだ。それをせずに、なんで解雇に追い込まなきゃいけないのだ?

この訴えはさらに続く。

日本では大学教員や政治家の差別が許されてしまっています。

他の大学でも教員や職員による差別が放置されてることで泣き寝入りしている被害者は大勢いると思われます。

これが普通なのでしょうか?

 違います。

世界ではBlack Lives Matter 運動に見られるように、若者が差別に対して声をあげています。

今の若い世代にとって、差別や不平等、不正義はもううんざりです。

We’ve Had enough!

もう差別に我慢しません。

いったいこれは誰が書いたのだ?明らかに日本人ではないな。多分英語圏の左翼人が書いた英文を誰かが訳したのだろう。こんなぎこちない日本語を日本の大学生が書いたとしたら、日大も、もう終わりだ。

他人の自由な言論を弾圧することが差別や不平等を無くすことに役立つと本気で思うのか?菊池氏は単に自分の感想を述べただけだ。彼が間違っていると思うなら根拠を出して反論すべきなのだ。彼を黙らせることは差別をなくすことになどつながらない。

そういうことをすればするほど少数派への敵意を募らせてしまうのだ。BLMがアメリカでどれだけ支持されていると思う?この間みた世論調査では支持しない率が支持する率を大きく上回っていた。

日本はアメリカとは違う。まるで文化も背景も違う日本に、アメリカの問題を同じように持ち込んでみてもまったく意味がない。こうやってアメリカの悪い面ばかりを日本に持ち込む人間がいるから、日本の右翼保守の人たちがアメリカ嫌いになってしまうのだ。

どうか日本の皆さんには、悪いアメリカの左翼運動を輸入しないようにお願いしたい。


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1619プロジェクト、反米歴史修正説を子供に教えるな!

去年の8月、ニューヨークタイムスマガジンに掲載された「1619プロジェクト」という記事がある。これはアメリカの歴史は400年前に初めてアフリカから黒人奴隷がやってきた時から始まり、イギリスからの独立戦争も奴隷制度を保持するための戦いだったなどという真っ赤な嘘に固められた内容で、多くの歴史学者から批判の声が上がっている。 にも関わらず、この反米歴史修正説が、アメリカ各地の学校で教材として使われ始めており、トランプ大統領は先日、1619プロジェクトを教える学校には連邦政府からの支援金を差し止めると警告し

トランプ大統領が2016年の選挙運動の際に、「アメリカを再び偉大な国にしよう!」というスローガンを掲げた頃から、左翼の間では「アメリカは一度でも偉大だったことなどない」と言い張る連中が出てきた。アメリカの歴史は奴隷制度によって成り立ってきたもので、資本主義も自由主義も黒人奴隷を犠牲にして成し遂げたものだというのである。アメリカが植民地から独立国の勝利を得たことすら、黒歴史として塗り替えようとしているのだ。

最近の若いアメリカ人はアメリカの建国の父たちが悪人だったと考えてる数がかなり居るという。ジョージ・ワシントンやトーマス・ジェファーソンの銅像が引き倒されたのも、そうした嘘の歴史が左翼教育者によって教えられ、こどもたちを洗脳してきたことの結果がここに現れているのだろう。

この間ダグラス・マレーのインタビューを聴いていたら、「アメリカの独立戦争の意味や建国の父の偉大さが理解できないなら、それはアメリカ自体を否定するのと同じだ」という意味のことを言っていた。

一般的に政治的思想はどうあれ、アメリカ人はアメリカを愛しており、愛すればこそどの方向に進むかで意見が分かれているだけなのだと考えがちだ。だが、もし左翼思想は愛国心から来るものではなく、アメリカの価値観を根本的に崩そうとする反米精神から来るものだとしたら、我々は彼らの言い分に耳を傾ける必要があるのだろうか?いや、積極的に彼らの行動を阻止する必要があるのではないか?

民主党支持の有権者のほとんどはアメリカを愛しているはずだ。彼らがトランプ政権を嫌うとしたら、トランプがアメリカを好ましくない方向に進めているからだと信じているからだろう。だが、もし民主党の求めるアメリカがアメリカの根本を否定するものだとしたら、いったいどれだけの民主党支持者たちが、そのまま民主党を支持し続けられるのだろうか?

これは非常に興味深い問題だと思う。


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現代の価値観で過去を裁く愚行

先日トランプ大統領がマウントラッシュモアで演説した時、ラッシュモアに刻まれた大統領の二人、ジョージ・ワシントンとトーマス・ジェファーソンのことを「奴隷所持者」と表現した左翼メディアが数えきれないほどあった。しかしこの二人がアメリカ建国の父であるという偉業を無視して、奴隷を所持していたということだけに焦点を当てることの愚かさに彼らは気づいているのだろうか?

当時のアメリカでは、いやそれを言うなら世界中で、裕福層が奴隷を所持するのは普通だった。それが当時の労働力の基盤だったのだ。そうした歴史的背景を無視して、そのことだけに現代の価値観を当てはめて偉人を裁くなど愚の骨頂である。

だいたい現代の価値観で過去の人々の「悪行」を裁く人々は、例えば今現在政治的に正しいとされている習慣や思想に挑戦できる勇気を持っているのか?しかも、その疑問や異議を唱えることで、友達を失い家族を失い仕事を失い社会的信用を失う可能性があった時、本当に声高にその習慣に異議を唱える勇気が彼らにはあるのか?

奴隷制度にこだわるなら、今現在も奴隷制度を保っている他の国の批判をなぜしない? 黒人差別がいけないというなら日常的に黒人を差別しているサウジアラビアや中国政府の批判をなぜしない?占領した土地の女たちを性奴隷にして人身売買してるタリバンの批判をなぜしない?

現在起きている悪行に声を上げる勇気のない人間が、過去の偉人の落ち度を責める資格などない。


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ワーホリする日本人の90%が英語取得を失敗するという話

最近ユーチューブでワーホリでオーストラリア行きましたあ、カナダに来てます~と言って動画を上げてる人が沢山いるが、その中で多くの人に共通している話題というのが「こんなつもりじゃなかったのに~」という話。こんなつもりというのは、要するに一年くらいのワーホリで日常会話ができるくらいになって、地元企業で雇ってもらえるくらいにはなれるはず、というつもりだったということ。

ところが蓋を開けてみたら、まわりは日本人だらけ、地元の人は愚か他の外国人の友達もできない、英語なんて全然覚えないから日本食レストランですら雇ってくれない、という現実。

ワーホリあっせん業の人たちの話によると、日本人でワーホリを一年体験して、きちんと英語が話せるようになる人は先ずおらず、90%の人が失敗して帰国するということだった。え~なにそれ~?

はっきり言って私が腹が立ったのは「こんなはずじゃなかったあ~」という動画を上げていた人が、すでにオーストラリアに来て六か月だと話していたことだ。これじゃいけないと気が付くまでに6か月もかかったってどういうことよ?

ま、その話は置いといて。あっせん業の人たちも言っていたが、ESLには普通五段階ある。

  1. 初級。中学一年程度。
  2. 初中級。中学2~3年程度。
  3. 中級。高校生一年程度。
  4. 中高級。高校卒程度。
  5. 上級。普通に大学一年生の授業が受けられる程度

で、ワーホリで外国へ行こうという人の平均英語力は1~2だそうで、一年滞在後に3位になっていればいい方なんだそうだ。はっきり言ってこの程度の英語力ではファーストフードのバイトも出来ないかもしれない。(日本人経営でも)

こう考えると、自慢じゃないがカカシがアメリカに来た頃の英語力は多分3から4の間くらいだったと思う。それで一年のアメリカ滞在でどのくらいまでレベルが上がったかと言えば4卒業程度かな。5でなかったことは確かだ。

ところでESLレベルが4や5だからといって、きちんとした英語が話せるというレベルではない。この程度になれば大学の授業を受けてもついていけるというレベル。普通の企業に就職するにしても、何か他に技術がなければ難しいだろう。私から言わせればレベル5になってはじめてスタート地点に立ったようなものだ。

さて、私も何度か自分のホームステイ時代の話をしたことがあるが、1980年代のカリフォルニア南部も日本人が多く、日系人地区に住めば英語など出来なくても十分に生きていけた。それで楽な方を選んでしまえば、一年住んでようが10年いようが英語など全く覚えないひとなどざらにいた。そういえば当時ロサンゼルスの大学、UCLAに留学した日本人学生の卒業率はたったの2%だったという話を聞いたことがある。

外国に来たばっかりで右も左もわからなければ、地元にいる日本人を頼りにしてしまう気持ちは解る。しかし英語を習得しようとしてきたのであれば、何か月も経ってから、「こんなつもりじゃなかったのに~」なんて呑気なことを言ってる場合じゃないだろうに。

確かに私も最初の二か月くらいは英語学校に通いながらも、学校で知り合った日本人とばかり付き合っていた。しかしこれではいけないと気を取り直して、日本人とのつきあいはほどほどにした。当時はネットなんてなかったので、ユーチューブで日本語のテレビ番組ばっかり観てしまうなんて誘惑はなかったことも幸いして、なんとか日本語を避ける生活をすることが出来た。

結局、英語が出来るようになるならないは、場所を変えるだけではだめで、本人がどれだけ真剣にやる気があるのかによるのだろう。以前にもフィリピンに短期留学してレベル1の段階からなんとか意志の疎通が出来るようになった人のビデオを観たが、彼はものすごく一生懸命勉強していた。もし日本にいる時に、あの真剣さで勉強していたら留学なんて必要なかったのかもしれないが、それに気が付けただけでも留学の価値はあったと言えるだろう。

まあ一年間外国で遊ぶつもりならワーホリもいい考えかもしれないがね。


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留学中の学生のアドバイスなんて参考にならない件

私が好きなユーチューバーのひとり、ヤスラーじゃーなるさんが、最近留学中のユーチューバーが留学志望者からお金をとってアドバイスをして、金銭をめぐってトラブルが起きたという話を紹介していた。彼に言わせれば留学中の学生にアドバイスを求めること自体がおかしいとのことだった。これ、私も全く同感。

ヤスラーさんはアメリカに高校留学して大学もアメリカで出て就職をカナダでして10年以上海外生活をしている社会人。まあそういう人だから留学や海外就職の仕方など最近の情報も良く知っているし、本気で留学したい人には参考になる情報を持っているだろう。そういう人にアドバイスを求めるなら参考になると思う。

だが今留学中の人間は、特に親の金使って学費も生活費もまかなってもらってるお客さんみたいな人には海外生活の大変さなどわからないし、ましてや就職事情なんて全く分からない。そんな人にアドバイスを求める方が悪い。ま、金銭トラブルが起きたとしても、それはまだ学生たちが子供だからだろう。

効果的な短期留学とは何か

それではここで僭越ながらアメリカ生活30余年のカカシが短期で語学留学をする人にちょっとアドバイス。現在の留学事情は知らないが、留学した際にもっとも短期で効果的に言葉を学ぶ方法は今も昔も変わらない。

基礎がないと上達も遅い

英語は文法など出来なくてもしゃべっている間に自然としゃべれるようになると言う人がいるが、自然に学ぶにしてもある程度の基礎は必要だ。この間、あまり教養がないと思われるとある日本の芸能人がアメリカに半年足らず「留学」した時の話をしていたのを聞いた。

彼女は個人で一日3~4時間英語の先生と話をするという授業を受けていたそうだが、最初のうちは何を言われているのか全くわからず数週間が過ぎたと言っていた。私は高校卒業後すぐに英語専門学校へ通ったが、その授業はすべてネイティブ教師による英語だった。しかし第一日目から教師の言っていることは理解できた。無論初心者にわかりやすい語彙でゆっくり話してくれたからには違いないが、それでも解るためには多少の語彙や文法力がなければ無理だったはず。私が教師の言ってることが多少なりとも理解できたのは高校までの基礎が出来ていたからだろう。

その芸能人がどのくらい英語力を得たのかというと、コンサートに駆け付けたアメリカ人男性ファンから「君はすばらしい」と言われていたのさえ「え、何、今なんて言った?」と通訳さんに聞いていたくらいなので、留学で英語力を養うという目的は全く果たせなかったようだ。

基礎は何故大事なのか

最近フィリピンに語学留学し、教わってる英語のレベルが低いのに、それでも理解できずに帰宅してから日本語の教科書でおさらいをしてやっとついて行ってると語っている人のビデオを観た。もし高校までの英語を完全マスターしていたら、もっと高いレベルの授業から受けられたはずで、せっかくの留学で基礎をやり直すという無駄な時間を使っていると反省していた。

まさしくその通り。私の経験からしても英語圏でESLを初心者レベルから勉強したら、一年や二年では上級者レベルに到達できない。それに初心者レベルのクラスは自分と同じように英語が下手な外国人ばかりなので、クラスメートと話をしてもかえって変な英語のくせを覚えてしまうのがオチ。

三か月とか一年といった短期語学留学で効果的に英語を学ぼうと思うのであれば、上記のフィリピン留学の人みたいに時間を無駄にしないよう、留学前に基礎をしっかり勉強しておくことが大切。

しかしここでいう基礎とはヒアリングやスピーキングのことではない。大切なのは語彙と文法そして作文能力を高めることだ。

知ってる言葉は聞き取りやすい

語彙を増やすことの大切さは色々あるが、語彙が広いと聞き取りの際にひっかかる言葉が多くなる。英語初心者は相手がわ~と話している言葉がひとつのつながった音にしか聞こえないが、もし知ってる単語がいくつか聞こえたら、文章がところどころ区切れて聞こえる。例えば「わーわー、寿司、わーわー、レストラン」という風に聞こえたら、寿司屋の話かなという想像がつく。だから知ってる言葉が多ければ多いほど聞き取りの役にたつ。「出る単」でもなんでもいいから使って、とにかく語彙を増やしておくことが大事。

文法が解れば文章を再構成できる

高校レベルの文法がしっかり頭にはいっていれば、相手に言われたことがすべて聞き取れなくても文章を再構成することができる。例えば、「学校、わ~わ~、何、わ~わ~勉強?」としか聞こえてこなくても、文法がしっかりしていれば、「学校で何を勉強しているのですか」と頭のなかで文章を再構成することが可能だ。日常つかう簡単な文章をいくつか暗記して空で言えるくらいになっていれば、普通の会話はそのバリエーションであることに気づく。こうしておけばヒアリングは非常に早く上達する。

文章力があると上級者用授業が受けられる

短時間で高レベルの能力を身に付けるためには、やはりESLも上級者並みのクラスから始める必要がある。アメリカのコミュニティーカレッジのESLなどではレベルが低い順に1から5まであるが、それぞれ一学期づつで年に二学期しかないと5にたどり着くには二年半もかかってしまう。これを短期でマスターするつもりなら、せいぜいレベル3以上のクラスに入る必要がある。そのためにはどうすればいいか。

大抵の場合能力テストは作文のみで面接などはない。なので短時間にきちんとした作文が書ければ上位のクラスに入ることが出来る。普通こういう作文で要求されるのは、ある話題に関して賛成か反対かの立場を取り、何故そう思うのかを見三つの項目に分けて書く。所要時間は50分くらいが普通。

こういう作文でさっさと考えをまとめるためには時事問題に日頃から注意を払っておくことが大切。地球温暖化とかプラスチック汚染の話とか、米中貿易問題とか、話題になってる話に関して自分の考えをまとめておくとこういう時に役に立つ。

日本語は話すな!

最後に一番大切なのは自分を英語漬けにすること。留学生あるあるでよく聞く話は、留学先で日本人と友達になって日本人とばかり付き合って現地の人と全然友達になれないということ。たかが三か月や一年の留学でこれをやってしまったら本当に時間がもったいない。それでも回りに日本人がいるとつい甘えてしまうという全く自制心がない人は、日本人が居ない場所に留学するのも一つの手だ。

一番お勧めできないのが日本人経営の日本人学生を対象にした語学学校。いくら英語圏の国にあってもクラスメートがすべて日本人だったら、日本で外語学校に通うのと何ら変わりはない。ここは心を鬼にして日本人を避け、英語のみを使うように努力する。留学中のほんの一年足らずのことだ、出来るよ。頑張れ!

結論として

結局留学に関してのアドバイスを受けたいなら、いったい何のために留学しようと思っているのかをはっきりさせる必要がある。単なる留学手続きの話なら今在学中の留学生から最新情報を聞き出すのはよいことだろう。どういう授業を受けるのが効果的かという話なら、卒業後に何をしたいのかで話が変わってくるが、大学卒業して海外で就職したいのか、日本で就職したいのか、もっと上の学校に進学したいのか、そうした目的をはっきり決めてからそうした経験を積んだひとからアドバイスを受けるのが得策だろう。

ま、カカシのような人間に出来るのは勉強のしかたくらいで、留学に関するアドバイスはあまり出来ない。なにしろ情報が古すぎるから。でも語学の学びかたは別に変わっていないので、多少なりとも参考になればうれしいかな。


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ハーバード大学が一旦受け入れた保守派運動家のパークランド乱射事件生存学生を不合格にした本当の理由

先日 「アメリカ・フロリダ州の高校で昨年あった銃乱射事件に遭遇し、アメリカの名門ハーヴァード大学に合格したカイル・カシャヴ氏(18)が17日、過去の人種差別発言が原因で合格を取り消されたとツイッターで訴え、議論を呼んでいる。」という記事がツイッターを騒がせていた。

記事によるとカイル君が16歳の頃、乱射事件が起きる数か月前、友達同士のプライベートなやり取りでお互い一番衝撃的な発言をするのは誰かというような男の子ならだれでもするような馬鹿げたお遊びをしていたのを、元友達の誰かがスクリーンショットで撮ったものをハーバード大学に送り付けたらしい。

本人は若気の至りだったとしてすぐに謝罪。いまの自分は十分に反省しているし、当時の自分と今の自分は違うと釈明している。 事実、事件直後からカイル君が公共の場で見せて来たふるまいに人種差別的な要素は全くない。それを16歳の時に友達の間で悪ふざけしていたくらいで、誰を傷つけたわけでもないのに、入学を取り消されるなんて信じられないと誰でも思うだろう。だが実は、カイル君の入学取り消の本当の理由は過去の差別的な言論などにあるのではなく彼の政治的な姿勢にあるのだ。

カイル君は銃規制強化を訴えるデイビッド・ホグ君と同じ高校の出身で、パークランド乱射事件の生存者である。学歴が全く届かず他の大学をすべて不合格になったのに何故かハーバードに受け入れられたデイビッド君と違って、カイル君は頭脳明晰成績優秀。大学入試のための全国学力テストで1600点中1550点という成績を収めており、多くの一流大学から奨学金付きで合格したが、ハーバードを合格したので他の大学はすべて蹴っていた。

デイビッド君と同様、カイル君もまた乱射事件後、学校内での安全を求める運動を公の場で行ってきた。しかしこの二人には決定的な違いがある。それは、デイビッド君は銃砲取締法強化を訴えているに対し、カイル君は銃砲所持権利の拡大を訴えて来た。二人とも学校内での安全を保持するという点で目的は同じだったが、そのやり方が全く違っていたのだ。

ここで理解しなければいけないのは、銃砲を持つ権利に関する政治的な見解は、右翼保守か左翼リベラルかで真っ二つに分かれるということだ。右翼保守(主に共和党)は憲法補正案第二条で保障されている市民が銃砲を所持する権利を全面的に支持しているが、左翼リベラル(主に民主党)は市民の銃所持を全面的に反対している。

そして最近の一流大学はどこもかしこも左翼よりで、保守派に対する嫌悪感を表にしている。ハーバードにとって16歳の学生の馬鹿げたテキストなど問題であるはずがない。もし同じことをデイビッド君がやっていたら、大学側は一笑に付していただろう。いやそれを言うなら、カイル君が特にとりたてて公共の目に触れるような運動をしていなかったなら、保守派運動家として世間に認められるような活動をしていなかったなら、彼の過去のテキストなど何の問題にもならなかっただろう。同大学にとって問題だったのは左翼リベラルの同大学が保守派運動家として著名なカイル君を受け入れることにあったのだ。

カイル君が同大学に合格したのが何時だったのかわからないが、その当時は多分、彼が保守派活動家として有名になっていなかったのではないかと思われる。それで同大学としても、彼の入学が問題になるという意識はなかったのであろう。それがカイル君が有名になればなるほど、同大学としては彼を不合格にする口実を探していたのかもしれない。

それにしても、「友達」だったはずの同級生たちが、カイル君の政治的見解をもとに彼の将来を台無しにしてやろうとする、そのせこい考えには腹が立つ。『 カシャヴ氏の書き込みのスクリーンショットを公開した同級生のアリアナ・アリさんは、ニューヨーカーに対して、「彼が目立てば目立つほど、その偽善が不愉快だった」と話した。』当時は自分だって一緒になって笑っていたくせに、何が偽善だ。アリアナちゃんは「カイル君、そんなこと言うもんじゃないよ、それは差別だよ」と注意したのか?かなり疑問だね。これは私の憶測だが、もしカイル君の活動が左翼リベラル政策を促進するものだったら、アリアナちゃんはカイル君がどれだけ有名になろうとこんな過去を暴露するなんてことはしなかっただろう。

今回のことで現在一流大学をめざ目指す高校生たちが学んだ教訓とは何であろうか?

それは自分が政治的に右寄りな人間は絶対に公な政治活動に参加しないこと。自分の政治見解はよっぽど信頼できる友達以外には心を割って話さないこと。保守派の人間は友達と政治に関する議論を記録に残るネットやスマホなどのチャットでしないこと。

若者に広い知識を得、あたらしい分野に目を開かせる手伝いをするはずの大学が、固まった考え以外を持つ人間を沈黙させるという、いまやハーバードも落ちたものである。


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