トランスジェンダー活動を背後で操る億万長者たちの陰謀

ここ10年来、トランスジェンダー思想が物凄い勢いで欧米諸国及び日本にも広がってきているが、私はなぜこんなにも急速に、そして絶対的に色々な分野でこの思想が浸透していくのか不思議でしょうがなかった。普通ある種の思想というものは長年かけて少しづつ広まっていくものだ。LGBにTが加わる前までは、毎年ゲイプライドパレードが行われる程度で取沙汰されるほど目立ったものではなかった。確かに同性婚は合法となったが、それにしたところで何十年という議論がされ数々の州民投票や訴訟を繰り返しての結果である。ところがTが加わった途端に、あっという間になんでもかんでもLGBT。フェミニズムや黒人人権運動など何十年もかかって浸透してきたというのに、トランス思想はほんの数年で学校やメディアや政府機関にひろまり、政府の政策すらどんどん変わっていっている。

それで私はトランス思想の背後には何か巨大な権力が働いていると考えるようになった。先日Twitterでそんな話をしたら、それは陰謀論だという批判を浴びた。しかし去年にトランプ大統領の再選の際にもお話したように、陰謀と陰謀論は違う。実際に存在する陰謀を指摘することは陰謀論とは言わない。

ではTRAの背後には本当に巨大な権力があるのだろうか? 実はトランスジェンダー活動の背後には影で操る億万長者たちがいるのだという記事を紹介したい。この記事はThe Federalist(ザ・フェデラリスト)という保守派雑誌に2018年に掲載された記事で、著者はジェニファー・ビレック女史。Billionaires funding Transgender movement for profit

ビレックはもともと左翼フェミニストで環境問題活動家である。そんな人が何故保守派の雑誌になど寄稿しているのかといえば、それは彼女が2013年にトランスジェンダリズム思想を批判するという、左翼としてはあるまじき罪をおかしたため、背信者として破門されノンプラットフォーム(壇上剥奪)されてしまったからだ。

彼女はこの記事のなかで、TRAの資金源は少数の非常に豊かな男女であり、彼らは様々なTRA団体に投資することによって巨大な利権を築き上げているのだと話す。

ビレックは我々同様、女性専用空間や大学やスポーツがどんどんと女性を自認する男たちに門戸を開くのを目の当たりにしてきた。そして女性自認を称する男たちの声は大きいのに反し、男性自認の女達の声が小さいことにも気づいていた。

彼女は性別で区分けされてきた施設が女性や女児の安全を完全に無視したまま光速のような速さでトランス受け入れに変わっていくことに驚いた。それと同時に英語の代名詞の強制使用が物凄いスピードで進められ、ニューヨーク市など新しい法律が通ってしまい、このような変化に不満を述べようものなら自分たちの身のみならず家族や職まで危険にさらされる状況になっていることにも驚いている。

この猛烈克迅速な変化は本当に性違和障害を持ったごく一部の少数派による市民運動なのだろうかとビレックは疑うようになった。

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ジェニファー・プリツカー(女装実業家)


ビレックは一部の非常に裕福で社会的に影響力のある男たちがトランスジェンダーロビーやTRA団体に多額の資金を出していることを学んだ。その一部を紹介すると、ジェニファー・プリツカー(自称トランスの男)、ジョージ・ソロス(左翼過激派の億万長者)、マーティン・ロスブラット(自称トランスの男)、ティム・ギル(ゲイ男性)ドラモンド・パイク(実業家)、ウォレン・バフェット(投資家)、ピーター・バフェット、ジョン・ストライカー(ゲイ男性)、マーク・ボンハム(ゲイ男性)などがいる。彼らのほとんどが自分の組織やビジネスを通じてトランスジェンダーロビーに資金援助を出している。ジョージ・ソロスやウォレン・バフェットなど私でも知ってる蒼々たる億万長者たちが名を連ねている。

彼らは匿名で多々の事業や組織を使ってパイク運営のタイド基金(Tides Foundation)に莫大な寄付をしている。たしかタイド基金はソロスとも深いつながりがあるはずで、ここから過激派左翼思想を持つ人間が地方検察の検察官などになるよう援助資金が流れたりしている。

これらの男たちと共に、製薬会社やアメリカ政府までもが何百万ドルという金をLGBT運動に注ぎ込んでいる。この記事が書かれた当時すでに世界中で4億2千4百万ドルがLGBT活動に注ぎ込まれていたという。しかしこれは大金とはいっても、法律を変えたり言葉使いを変えたり、言うことを聞かない人を社会的に抹殺するなどに十分な金額とは思えない。

実はトランスジェンダリズムは非常に儲かるビジネスなのだ。トランスジェンダリズムにより多くの市場が生まれた。2007年に最初のジェンダークリニックが出来て以来、なんと2019年現在ではアメリカだけで30以上もの子供ジェンダークリニックが出現、多いところでは患者数725人にも及ぶ。

近年カウンセリングをするクリニックだけでなく、トランスを「治療」する医療インフラが爆発的に増大した。性転換手術やそれにまつわる多々の整形手術、そのアフターケアやホルモンやブロッカーなど、どれもこれも高額な治療費を要する。しかも一旦トランスジェンダーになったら、この「治療」は一生ついて回るのだ。健康体の人間を一生患者に出来るということは、医療関係者にとってはおいしい話である。患者が多ければ多いほどいいのは言うまでもない。

さてLGBTロビーにお金が流れていることも大事だが、一体誰がトランスジェンダー思想を政府政策の一貫として取り入れるよう働いているのだろうか?

ビレックはプリツカーファミリー(Pritzker Family)を例にとってそれを説明する。プリツカー家はハイエットホテルや介護施設などのビジネスで儲けた290億ドルの資産一家である。

ジェニファー・プリツカー(Jennifer Pritzker)

かつては夫であり父でもあり名誉ある軍人だった男性。何故か今では自称トランスジェンダー。今はタワニ基金を使ってトランスジェンダリズム推進に力を注いでいる。ジェニファーはトランス思想を社会機構に取り入れるために多大なる影響力を持つ男。

注目すべきはジェニファーが所持したり投資したりしているいくつかの組織は医療や法律や教育関係の機関に多大なる影響力があるということ。これはトランス思想がこれらの機関に迅速に広がったことの鍵となる。ジェニファーはスクワドロンキャピタルという企業買収法人を持っており、この法人は医療技術や医療機器及び整形インプラント企業を対象としている。またジェニファーが経営するタワニ基金はジェンダーやセクシュアリティー関係の慈善事業である。

ジェニファーはミネソタ大学の人間セクシュアリティー学部の指導委員会メンバーであり過去10年間で同大学に6.5百万㌦の寄付をしている。また彼が寄付をしたり役員を務める機関はこのほかにも、その患者数400人という子供専門ジェンダー病院ルーリー子供病院、ザ・プリツカー医学大学、シカゴのビクトリア大学とトロント大学のトランスジェンダースタディー学部の学長、左翼市民団体 American Civil Liberties Union(ACLU)、そして人工妊娠中絶専門クリニックチェーンであるプランドペアレントフッド Planned Parenthood。この二つの組織は最近「女性」という言葉を使わなくなったり、やたらトランスジェンダーに迎合する立場をとってきていたが、やはり金が目当てだったようだ。

特にプランドペアレントはどうやら最近トランスジェンダー市場にも手を伸ばそうとしているようだ。ジェニファー及びプリツカー一家は計画的に大学に多額の寄付をしてトランス思想を広めている。そして親トランスの論文を医学雑誌に投稿するなどしている。ジェニファーの叔父と叔母であるジョンとリサは2千5百マンドルをサンフランシスコ大学(UCSF)の子ども精神科に寄付したりしている。ジェニファーもまた病院や医学大学に多額の寄付をしトランスジェンダーやLGBT専門分野を設立したりしている。無論LGBに特別な医療など必要ないので、明らかにこれはトランスジェンダー専門ということになる。

プリツカーの基金で恩恵を受けて自らもトランス思想拡大のために動いている個人や組織は多数あるが、ちょっと数が多すぎるのでここでは省くが、ジェニファーはアメリカ軍内においても、トランスジェンダーが普通に受け入れられるよう働きかけている。彼はサンタバーバラ大学(UCSB)にシンクタンクに1.35百万の研究費を出し軍隊におけるトランスジェンダーの影響を研究させたり、バーモントの軍事大学に2500万の寄付をして海軍予備士官の訓練プログラムを発足されたりしている。

またプリツカーの資金援助はアメリカだけにとどまらず、WRAHという科学シンポジウムを通じて性別適合手術の勉強会を開いたり、世界中の大学に寄付をしたりしている。

ペニー・プリツカー(Penny Pritzker)

ジェニファー・プリツカーの従妹ペニー・プリツカーはバラク・オバマ大統領政権で商務長官を務めた女性。

ペニーはオバマとは2008年の大統領選の頃から資金繰りを担当しており、オバマ大統領が当選に多大なる貢献をした人。オバマ大統領の政策に相当な影響力を持っていた。彼女のおかげでオバマが大統領になれたと言っても過言ではないと関係者はいう。

商務長官としてペニーはthe National Institute for Innovation in Manufacturing Biopharmaceuticals (NIIMBL)という医薬製品生産部を設立し7千万ドルを商務局から融資した。オバマ大統領はトランスジェンダー拡大に積極的に政策をたてていたが、こういう背景があったわけだ。オバマはホワイトハウスで初めてのトランスジェンダー思想の会議を開いた。

オバマは大統領権限を使ってトランスジェンダーがパスポートの性別変更を簡単に出来るようにしたり、軍事病院で異性ホルモン治療を受けられるようにしたり、公立学校のトイレやスポーツに女装男子が入れるように大統領命令をだしたりした。(これは違憲であるとして裁判で施行停止命令がでた。後にトランプ大統領によって取り下げられた。)

ソロスとギルもオバマの選挙運動に多額の献金をしたが、彼らもまたトランス活動に巨額の資金を出している。

ペニーもジェニファー同様、ハーバード大学やボストン子供病院など、医学大学のトランスジェンダー部門や子供の性移行などに多額の寄付をしている。

J.B. プリツカー(J.B. Pritzker)

ペニーの兄弟でジェニファーの従弟。現イリノイ州知事。シカゴの孵卵器医療技術関係会社に資金援助をしたり、卵巣や子宮の移植を研究しているデューク大学の役員を務めていた。2018年にはオバマ政権の子どもの教育機関に2500万ドルを寄付。妻と共に一億ドルをノースウエスタン法律大学に寄付。一部は子供専門の法律部門に、一部は社会正義部門にあてがわれた。社会正義とは左翼思想のことを指す。

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もうこうなってくると、トランスジェンダー活動は人権運動などというものではなくソーシャルエンジニアリングだとブリックはいう。プリツカー家は子供の教育から医療関係から法律関係に至るまで、その手を伸ばしていないところがないくらいだ。この一家だけでもその影響力は多大だが、これにソロスやギルといった他の億万長者たちも加わってトランス思想を広めているのだ。

Viiv、ファイザー、アボット研究所など大手製薬会社や、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、インテル、デルなどのビッグテック企業もトランスジェンダーを推している。2017年の二月、これらの企業は連邦最高裁に学校が男女別施設を作ることを禁止するよう呼び掛けた。

しかし何故製薬会社やテック企業がトランス思想をこうも積極的に推し進めるのか、それは金だとブリックは言う。

先にも述べたように、性適合治療は非常に高値である。性転換は局所の手術を一回だけ受ければいいというものではなく、女性の場合は乳房除去卵巣除去などといった大手術が必要だし、男性の場合も顔立ちを女性に近くする整形など、手術だけでも何回も行わなければならない。手術がうまく行かずに問題が生じればその後の治療も必要になるし、ホルモンは一生接種し続けなければならないしで、これは一生ものなのである。

しかしいくら治療費が高いと言っても、ほんのわずかな人口のために、ここまで医療のインフラを変えていくというのもおかしな話だ。お金儲けをするためには人口の1%にも満たない性違和障害者だけを対象にしていては駄目である。患者の数はどんどん増やす必要があるのだ。

だから健康な子供たちを洗脳して自分は間違った体に生まれたと思い込ませる。間違っているなら直せばいい。大人にもトランス思想はファッショナブルな選択肢だと思わせる。身体はいくらも変えることが出来ると吹き込む。この薬を飲め、この手術をしろ、生まれたままの体を受け入れる必要はないのだと言い続けるのだ。

我々はほんの一部の変態的妄想を持った人々によって、医療インフラや法律や教育が狂った方向に向かっていくのを傍観していてはいけない。なぜならこの問題はごく一部の人たちだけの問題では済まされないからだ。TRAによって悪影響を受けるのは女性や女児だではない。トランスジェンダー活動は社会のすべての人々に多大なる悪影響を及ぼす思想なのだ。

ジェニファー・ビレック

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アメリカのワクチン義務化がもたらす世界中の物流危機、風が吹けば桶屋が儲かる理屈

数週間前、カリフォルニア南部のうちの近所のスーパーで主人がよく飲むブランドのソーダが売り切れていることに気付いた。仕方ないので数マイル離れた別のスーパーに行ってみたが、そこでもなかった。それで仕事の帰りに職場近くのスーパーに寄ってみたが、やっぱりそこでもない。店員さんに聞いたら納入が滞っていて、色々なものが品不足になっているという。どうしてこんなことが起きているのか、実はこれは武漢ウイルスが大きく関係しているのだが、病気そのものではなく、その対策に問題があるのだ。

読者諸氏は今多々の商業港で貨物船が荷下ろしできずに混雑状態が起きていることをご存じだろうか?先ずはこちらの地図をご覧いただきたい。

これに関してデイリーメイルの記事から拾ってみる。

ロサンゼルス沖では荷下ろしまでに4週間待ち、シカゴ沖では貨物船の列が25マイルにも及び世界中の供給網が崩壊寸前。アメリカは車や靴や運動用器具などの不足でホリデーシーズンに陰りをみせる

なぜ貨物船が沖で列をなしているのかというと、荷下ろしをする人手が大幅に不足しているからなのだ。それというのもカリフォルニアなど武漢ウイルス対策で厳しすぎる規制を行っており、必要な労働者が職場に戻れないからである。ワクチンを打っていなければ出勤できないと言われたら、ワクチンの副作用もはっきりしないのに接種したくないと思ってる人が仕事を辞めたり自宅待機を選んだりしている。また、ひとりでも陽性患者が出たら、その人と接触した人たち全員が二週間隔離されるなどということも起きており、それでは100%の出勤率はまるで望めない。これによって洋服や電化製品や車や家具など史上最大の品不足が起きているというわけ。

貨物船が何週間も立ち往生すると、これはアメリカだけの問題では済まされない。貨物船は世界中を回っているので、アメリカで待ってる間に他の国々への運送も滞ってしまうからだ。これで世界中の物流に支障を来す。品不足で世界中がインフレに見舞われることとなる。

問題が起きているのは貨物船の荷下ろしだけではない。一旦荷物が降ろされても、それを運ぶ輸送トランクが足りていない。これもトラック運転手不足からくるもの。

コロナ禍の不況でバイデン政権は失業保険の期限を延ばしたり、多額の救済金を支給した。最低賃金以上の給料をもらっているひとは仕事に戻った方がずっと得だが、最低賃金そこそこの給料をもらっていた労働者にとっては、はたらかずに家にいて政府からの救済金をもらっていたほうがずっと得という状態が起きている。バイデン政権は低賃金労働者を救済するつもりだったかもしれないが、それが仇となって人々が仕事に戻らなくなっているのだ。

バイデン政権は国民のワクチン接種義務化を進めているが、多くの企業が従業員のワクチン義務化をすでに自主的に行っている。それで国民のワクチン接種率が増えるかというと実はその反対。アメリカではワクチンを打ちたい人はもうすでに打っている。ワクチンは無料だし近所の薬局で予約もなしに打ってもらえる。だから今でも接種していない人は接種したくない人たちだけだ。そんな人たちに無理矢理接種を強制すればどういうことになるだろうか?

本日600にも及ぶサウスウエスト航空の便が欠航や遅延になり大混乱をもたらしている。サウスウエストは天候上の問題だと言っているが、実はこれは従業員に課されたワクチン義務が問題なのではないかと言われている。つまり、ワクチン義務化に抗議した従業員たちが大量に辞職したり、抗議のため病欠したりしているせいだというのだ。

ワクチン義務化で人手不足が起きているのは航空会社だけではない。病院や警察や消防隊など、義務化に抗議しての辞職が相次いでおり、武漢ウイルスそのものよりも、バイデン政権の無理な政策により医療崩壊やその他のサービスが崩壊しつつある。

世の中は色々なことが複雑につながっている。風が吹けば桶屋が儲かる理屈でも解るように、アメリカのワクチン義務化が世界中のインフレにつながる可能性があるのである。

こちら、ワクチン義務化に抗議するパイロットのスピーチ。西村幸裕さんが日本語訳をつけてくれてるのでつけておく。


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骨まで吸い取られる中国に進出する外資企業、日本は目を覚ませ

本日、中国の「日本企業いじめ」はここまでひどい! チャイナハラスメントの恐ろしすぎる実態という記事を見つけた。これは中国に進出している日本企業がどのように理不尽な扱いを受けているかまとめた「スズキの元中国代表だった松原邦久氏が著した『チャイナハラスメント 中国にむしられる日本企業』(新潮新書)」から抜粋されたものだ。

ユーチューブブロガーの妙法さんがよくおっしゃっているが、中国に進出した外国企業は決して中国国内企業と同じ扱いは受けない。中国への進出の第一条件として地元企業とのベンチャー企業が強制される。進出当初は色々よい待遇を受けるが、それは地元企業が外資企業のノウハウを全て盗み取るまでの間で、一旦知識や技術を習得してしまうと、あっという間に同じことをする中国企業が立ち上がり、元の外資企業はすべてを乗っ取られて味の無くなったチューインガムのように捨てられるのだ。

外資企業が特許を盗まれて訴えてみたところで、中国法廷において外国企業が勝つ見込みはゼロであり訴えるだけ無駄だ。そんなふうなので、日本企業が理不尽な扱いを受けたとしても驚きもしないが、興味深いのは日本企業が他の外国企業よりも特に冷遇されているらしいということだ。

例えば自動車業界を見てみると、世界シェアトップのトヨタが中国ではGMの3分の1のシェアしかとれていない。これはなぜか。実は日本の自動車メーカーにだけ、「車台をつくる合弁会社とエンジンをつくる合弁会社は別の資本とすること」という規制がかけられてきたからだ。

 車台をつくる会社とエンジンをつくる会社が別々の資本になっていたら、車をつくるたびにいちいち煩雑な交渉をしなければならない。日本のメーカーがそうやって時間をとられているうちに、GMやフォルクスワーゲンなど、中国に一足早く進出した欧米のメーカーに先を越されてしまったのである。

 日本車各メーカーの中国進出は、欧米メーカーよりもワンテンポ遅れた。中国経済にバラ色の幻想が満ちていた当時、進出の遅れた日本企業への事実上の「懲罰」として採用されたのが、この合弁会社への資本規制だった。

こうした他の外資企業にはかせられていない規制をかけるのは中央政府のみならず地方政府も同じだった。例えば、

上海市は2001年、排気量1000cc以下の自動車は「黄浦江をくぐる海底トンネルの通行禁止」「ラッシュ時の高架道路乗り入れ禁止」という決定をした。事実上、「軽自動車は上海に入るな」ということである。(略)広州(市)ではなんと、2001年8月から1000cc以下の自動車の販売が禁止され、その後、主要幹線道路への乗り入れまで禁止になってしまったのである。理由は「中国の南の玄関口である広州に小さな車が走るのは似合わないから」という、役人の勝手な理屈以外に全く根拠のないもの。

これによってもろに被害を受けたのが軽自動車専門に作っていたスズキであることは言うまでもない。

さて、合併する中国の企業だが、互いに資金を出し合う際、中国側は土地使用権を出資してくることがあるが、これが曲者なのだと記事にはある。

現物出資として合弁会社に提供される土地は、合弁相手が地方政府から使用権を購入したもの。地方政府は、土地使用権価格に自分たちの取り分を上乗せして、中国側の出資者に渡す。中国側出資者は、その価格にさらに自分たちの取り分を上乗せして、外国側出資者に提示する。(略)

外国企業が進出するような工業団地は、元々は二束三文の荒れ地だったところである。そこに道路を引き、インフラを整備すれば一丁上がりだ。

 そんな土地の使用権を提供するだけでカネががっぽり転がり込んでくるのだから、中国の地方政府が外国企業の誘致に熱心だったのは当然である。地方政府から中国側企業への上乗せ分、中国側企業から合弁企業への上乗せ分は、事実上の賄賂となって中国側の懐を潤すという構図なのだ。

そして日本企業には何が正当な値段だったのかなど知る由もないので、相手の言われるままの出資を認めるしかない。

最近アメリカ政府に押されて、日本政府も日本企業の中国撤退を推薦するようになったが、一旦中国に進出してしまうと、そう簡単には撤退できないからくりがある。

松原邦久氏によると、外国企業の中国からの撤退がスムースにいかないのには4つほど理由があるという。

  1. 企業が撤退するのには認可機関の承認が必要。共産党が認めなければ、事業が赤字でも撤退することすらできない。
  2. 合弁会社を解散する場合には、「董事会の全会一致の決議」が必要。合弁会社の中国側出資者は、技術やノウハウやブランド名などを手放したくないため、あらゆる手立てを尽くしてくる。
  3. 2008年に制定された「中華人民共和国労働契約法」によって、労働者の権利が強化された。この法律によって、会社の解散にも労働者の賛成を得なければならなくなった。
  4. 企業所得税の追納要求が発生する。中国政府は、外国企業が中国に設立した会社を解散する時には、それまでに受けた企業所得税の二免三減(利益が出た年から二年間は企業所得税免除、その後三年間は半額)の優遇を返還せよ、と要求する。しかし、企業が撤退を検討するのは経営がうまくいっていないからであって、資金に余裕がないケースが普通だ。「優遇してやったカネは返せ」と言われても、無い袖は振れない。こうしてますます撤退が困難になる

松原氏は、「もし中国からの撤退を本気で検討するなら、すべてを置いていく覚悟が必要。そうなった時のためにも、儲けが出た時には早めに本社への配当などで利益を回収し、中国への出先企業は身軽にしておいた方がよい」と言う。

確か中国からは利益や資産や器具に至るまで、簡単には中国から持ち出せないという話を聞いたことがある。

こうしたことを知ってしまうと、それでも中国に進出したいという外資企業の気がしれない。目の前にある近視眼的な利益だけを考えて、長期にわたる計画がないと、結局中国に食い物にされてしまうのだが、日本企業はそれがわかっているのだろうか?


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イタリアのアパレル業界、「イタリア製」に隠された中国の侵略

イタリアにおける中国人移民の話はもう2007年の拙ブログでしたことがある。当時から中国人移民によるイタリア産業進出により地元産業との間でかなりの摩擦が生じているという話はしたが、正直な話、私は中国人がイタリア人より勤勉なだけだろうといった甘い分析をしていた。中国人がイタリアで特にイタリアの特産である革製品やアパレル産業で成功している裏にはもっと複雑なからくりがあり、個人が勤勉に商売をして成功しているなどという甘いものではなかったのだ。

2007年頃のイタリアに合法に移住していた中国人の数は全体人口の割合から言って1%にも満たず問題になるような数ではないと思われた。しかし地域的には合法の中国人に加え違法中国人がその四倍はいるという話であり、当時からすでに問題になっていた。

しかし中国人の数が多いということよりも、中国人の商売のやり方が問題だった。何故か中国人の企業はイタリア企業に比べてコストが低く、イタリア製品のまがい物や粗悪品がどんどん格安な値段で売られるようになり、何も知らない観光客が地元製品を買わなくなっていったからである。

近年イタリアには中国の金持ちが観光客としてたくさんやってくるようになった。彼らは高価な商品を爆買いすることで有名なので、イタリア政府は中国人観光客を歓迎している。しかし中国人観光客がわざわざイタリアに来てメイドインチャイナの安物を買って喜ぶはずがない。せっかくイタリアに来たのだからイタリア製を買いたいのは当然。

また中国内でもイタリア製品は人気があり、かなりのイタリア製品が中国に輸出されているという。無論中国には偽物が出回っていることは中国人も十分承知しているので、商品はイタリア製でなければ意味がない。

ところがこの「イタリア製」というのが曲者なのだ。

私が最初の記事を書いた2007年、ドルチェ&ガバナ、グッチ、そしてプラダといった有名ブランドの下請け工場における労働環境の劣悪さが問題視された。確かにイタリア国内で仕立てられてはいるが、実際に作っているのは中国からの移民。しかもそのほとんどが違法移民であることから正規の賃金ももらわず、危険な環境で長時間の就労をさせられていることが暴露されたのだ。「贅沢品を支える奴隷労働」ということでロサンゼルスタイムスや地元のテレビ番組などでも告発された。

もともと中国の温州では外国ブランドの下請け工場がいくつもあった。ただヨーロッパユニオンの規定で最後の仕上げが行われた国の国名が記されることになったため、ネームブランドは国内の工場を使うようになった。しかし、そこで働いているのは中国人移民たち。しかもその移民たちがどこから来たかと言えば、そう、その通り、温州! なんのことはない、工場をイタリアに移しただけで作ってるのは同じひとたち。これがイタリア製だっていうんだから笑っちゃう。

さて、それが10年以上も前の話だが、状況は全く変わっていない。いや、よくなるどころかかえって悪くなっている。確かに大手ブランドは労働法に触れないように色々対策を取っているようだが、イタリア国内の中国企業による革製品や洋服は未だに低賃金中国人労働者によって作られているのだ。

いまやイタリアのプラトには中国系工場がたちならび、完全に中華街になっている。2016年プラトの中国人人口は6.5%と言われていたが、違法移民を合わせるとその四倍はいると言われている。そうだとすれば、プラトの人口の1/4を中国人が占めることになる。しかも彼らは地元政治家に賄賂を渡してかなり悪質な脱税をしているという話だ。イタリア財政省の調べによると中国銀行のミラノ支店から5億ドルという怪しげな送金が中国にされていたことが明らかになっている。

こうした工場では中国から安い記事を輸入して仕立てだけをイタリアでしてイタリア製として売っているのだ。素材や人材や建物などで経費を最低限に抑えているので、一般イタリア産業が競争できない状況にあるわけである。

はっきり言ってイタリアのおける中国進出はこれからも速度を落としそうにない。それというのも中国の「一帯一路」政策により、米国やヨーロッパユニオンの反対を押し切ってイタリアは中国と新シルクロード協定を結んだのである。そして今年(2019年)の11月には中国の警察がイタリア警察と合同パトロール演習まで行った。

このままではイタリアへの中国侵略は歯止めが利かなくなる。今後イタリアはどうなってしまうのだろうか?

参考記事:

What Really Goes into “Made in Italy” Fashion?

Defying Allies, Italy Signs On to New Silk Road With China

Chinese police officers join Italian police for joint patrol

Italy’s China City: Sweatshops to Wedding Shops


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#KuToo女性の職場からハイヒール強制を排除できるか?

三月は就活だったこともあり、今まで学生生活でパンプスや革靴を履いたことのなかった若者が、突然固い靴を履いて歩きまわる機会が増えた。そこで突然気が付いたのがパンプスや革靴は慣れてないと靴擦れしたり、ひどい時は足首捻挫なんてことになる。そこで突如起きたのが職場からハイヒールや革靴を排除しようじゃないかという運動。題してハッシュタグKuToo。これは「靴」+「苦痛」+MeTooから来てる。うまくかけたものだ。

ハイヒールは現代の纏足だという人まで現れ、パンプスはミソジニーだとか、なぜか靴の話題がフェミニストの政治論争にまで展開しているというのが日本らしい。興味深いのは、この運動が日本のメディアではあまり取り上げられて居ないのに、海外メディアからは結構注目されているということだ。未だにハイヒールを女子職員に要求する職場なんて日本くらいしかないということなのだろうか?

在米生活30余年の私は、最初にこの話をツイッターで見た時に、何故女性たちがハイヒールにこだわるのか不思議だった。今日びパンプスでもローヒールやフラットでおしゃれでプロフェッショナルなものがいくらもある。別に履き心地の悪いハイヒールなど履かなくてもそういうものを履けばいいじゃないかと思ったからだ。私と同じように「嫌なら履かなきゃいいじゃない」と述べているのはほぼ皆海外在住の女性たちだった。つまり我々外国住まいは日本のオフィスレイディースたちに課せられる厳しい掟を理解できていないということらしい。

日本のことは解らないが、アメリカについてのみ言わせてもらうならば、アメリカの職場からハイヒール強制がなくなったのは1980年代のことだと思う。無論職場にもよるが、アメリカでも1970年代くらいまでは服装規制をしていたところは結構ある。以前に私が勤めていた証券会社で1970年年代のドレスコードを誰かが発見し、それを女子社員たちで回し読みして呆れたことがある。記憶にあるのだけ羅列してみると、、、

  1. 濡れた髪で出勤しないこと。
  2. 化粧をしてくること。
  3. ストッキングをはいてくること。
  4. ヒールのあるパンプスもしくはストラップ付のサンダルを着用すること。
  5. パンツスーツは厳禁。

70年代の頃はミニスカートはすでに普通だったのでミニスカートはよくてもズボンは駄目だったというのも男性が作ったらしい規則に思える。言うまでもないが、私が勤めていた1990年代にはこんな規則はすでになかった。とはいうものの、別に強制力はなかったとはいえ、証券会社という職場上、ドレスコードについては暗黙の了解があり、上記の規則はごく自然に守られていた。唯一の例外はパンツスーツが普通に受け入れられるようになったことくらいだ。

90年代当時のことを色々思い出していたのだが、当時私はダンタウンロサンゼルスのビジネス街で大手証券会社に勤めていた。オフィスのあった高層ビルの一階はコーヒースタンドや新聞雑誌などのキオスクと並んで靴修理の店や靴磨きのイスが並んでいた。ヒールのかかとはすぐに減るので、私の靴は常に修理屋に預けてあり、4~5足あったパンプスを回し履きしていた覚えがある。需要も多かったので修理代もすごく安かった。確か一ヒール$3.00くらいだった。

その風潮が変わったのは、徒歩が多いニューヨークのマンハッタンで勤める女性たちの間で、スニーカーを履いて出勤しオフィスについてからパンプスに履き替えるという人が増えた1980年代後半頃からだろう。その後は男性のスニーカー出勤も見られるようになった。

最近パンプスや革靴を履く人がめっきり減ったなと実感するのは、靴修理の店や靴磨きがめっきり減ったことだ。昨日久しぶりにパンプスのかかとを直しに修理屋に行ったら、二足で$34.00と言われてびっくりした。安い靴なら一足買える値段。安くて履き心地のいい靴が結構売ってる昨今、わざわざ直して履くなんて人は減ったのだろうな。

カジュアルな恰好で出勤する人が増えたのはいいと言えばいいのだが、昔かたぎの人間にとってはちょっと気になることもある。例えば、職場にタンクトップにミニスカートにつっかけサンダルという女子社員が現れた場合、先輩の女子社員がやたらに「あなたその恰好なんとかならない?」と注意するとパワハラだと言われかねないし、男性上司が何か言ったらセクハラだとか言われそうだ。

さて、日本の話に戻すと、私はこの#KuToo運動は成功すると思う。なぜかというと、昨今の日本企業はポリコレ迎合が甚だしいからだ。LGBT許容とかでやたら気を使っている企業のイメージからして、女性の人権を守るためだとか、男女平等だとか言って訴えれば意外に簡単にひっくり返る規制だと思う。

ただし、ここで忘れてはいけないのは、女性のなかにもハイヒールを好む人が結構いるということ。実は日本にはハイヒール協会なるものがあり、ハイヒールをいかに美しく履きこなすかに人生をかけてる人たちが結構いる。ハイヒールは必ずしも男性から女性に押し付けられたものではないのだ。格言う私も、別に強制などされていないが気が向いたらパンプスを履いている。

職場でハイヒールが強制された時代から、突如ハイヒール禁止の時代にならないようにくれぐれも気を付けていただきたいものだ。


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ニューヨークレストランの最低賃金値上げ運動に反対なのは当の職員たち!

先日ニューヨークにおいて、Sex & Cityというテレビシリーズで人気になったサラ・ジェシカ・パーカーなる女優がレストラン従業員の最低賃金値上げ運動のため資金集め宴会を行った。一人頭500ドルの会費で、一テーブル5万ドルにも及ぶこの宴会だが、反対派による妨害が予想されたため時間や場所は土壇場になるまで参加者に公開されなかった。

ではいったいどんな人々が彼女の提案に反対なのかというと、それは誰あろうレストラン業界及びレストラン従業員たち!

ここでアメリカにおける最低賃金とチップ制度を簡単に説明しておこう。ウエイトレスやウエイターといった給仕にあたる人たちは基本給は最低賃金だけなので低いように見えるが、実は彼らの収入源はチップが主なのだ。普通チップの割は15%から20%。$20ドルの請求書につき3ドルから4ドルのチップがもらえる。最低賃金が時給12.50ドルとしてもニューヨークのレストランならひとつのテーブルで10ドルくらいは普通にもらえるだろうから、テーブルを2~3卓受け持てば一時間で30ドルくらいになる。基本給と合わせると時給40から50ドルくらいになる。時給40ドルで8時間働き月に20日の労働とすれば、月収は6400ドル(64万円くらい)だから給仕たちは別に最低賃金引上げなど望んでいないのである。

当人たちが望んでいない賃上げを、いったい誰が上げたがっているのかといえば、それはニューヨーク州政府と労働組合。その理由は簡単。

チップは料金中に含まれていないので店の売り上げとはみなされない。また給料の一部でもないので従業員の税金の対象になりにくい。一応料金の10%くらいの割で納税申告をする義務は課せられているが、それ以上もらっていれば後はすべて無税で従業員の懐にはいる仕組み。つまり政府としては従業員がどのくらい収入があるのか実額を知ることが出来ないというわけ。

同じように賃金値上げを狙うのは労働組合。レストラン従業員が必ずしも労働組合に入っているとは限らないが、入っている人たちの組合費は給料の比率で決まるので最低賃金が安いと組合費も格安になってしまう。また労働組合は最低賃金引上げと共に他の賃金引上げについての交渉もするので、最低賃金が上がるとその他の賃金も自然に高くなるというのが現状。よって労働組合の収入も増えるという算段だ。

しかし何故レストラン職員たちが最低賃金値上げに反対なのか不思議に思われるかもしれない。賃金が上がればその分手取りも増えると考えるのは甘い。

経営者の立場からすれば、チップの多い少ないは経営者には無関係だが賃金が上がれば経費も高まる。となると多くの従業員を雇えなくなり何人かをリストラするか小さい店なら店じまいをするところも出てくる。そうなって困るのは今まで働いていた従業員。最低賃金が$12.5から$15になっても失業すれば収入はゼロである。

それに人件費が高くなれば経営者は商品の値上げもせざる負えない。それで食べ物や飲み物の値段が高くなりすぎれば客足も遠ざかるし、来る客たちもこれまでのようにチップをはずまなくなる。例えば一足先に最低賃金の上がったサンフランシスコで働くバーテンダーは、お客から「給料上がったんだからチップはそんなにいらないよね。」と言われてチップ収入が極端に減ったと証言していた。給仕たちの主な収入源はチップなので最低賃金が2.5ドルくらい増えたからといってその分チップが減ったら彼らの絶対収入はかえって減ることになる。

だいたい一人頭500ドルもするような会費を払って宴会に出席できるような金持ちが下々のもののためと称して賃上げ運動をするなどおおきにお世話様!余計なおせっかいはやめてほしい。というのがレストラン業界の意見である。


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H1B外国人就労査証の汚いからくり

トランプ大統領のテロ多発国からの移民一時差し止めを巡ってITなどのテック企業から非常な非難の声が上がっているが、何故シリコンバレーと呼ばれるテック産業地域でこれほどまでに移民規制が問題になるのだろうか?そこにはH1B査証という外国人季節労働者の問題が深く関わってくる。
実はアメリカではここ10年近く、テック産業はアメリカ人よりもHIBという就労査証を持った外国人労働者に深く依存するようになっている。フェイスブックやグーグルやアップルといったテック産業の経営者らが’言う表向きの理由は、アメリカ国内に高度な技術を持つ労働者が居ないから外国人に頼るしかないということにだ。だが事態はもっと複雑で薄汚いものがある。
リアルクラポリティクスに載った中東出身の女性エンジニアによる内部告発を読んで、ここまでひどいことになっていたのかと驚いた。
この女性は2014年、修士学生として中近東からアメリカに来た。先の選挙ではトランプを支持した。中近東の女性が何故トランプを支持するのかといえば、彼女がH1Bビサ査証がどのくらい悪用されているかを知っているからだという。
トランプ大統領は今、H1B査証保有者の最低賃金額を上げようとしている。それと同時に査証申請者の身元調査をもっと厳しく行なう法案を通そうとしている。左翼社会主義者たちがこの法案に強く抗議していることは言うまでもない。著者がいうにH1Bはアメリカ人から職を奪うだけでなく、才能ある外国人からも職を奪っているという。
著者の父親は40年前にアメリカで勤めていたことがある。しかし当時と現在のアメリカとは雲泥の差がある。著者は父から受け継いだアメリカの価値観とその勤勉さを愛してきた。しかし今現在アメリカで働く外国人就労者には彼女の父親が見せたようなアメリカ価値観への尊敬は全く見られない。外国人労働市場、特にIT分野においての腐敗は相当なものだ。このままではアメリカの将来を危険にさらす。アメリカのIT産業は世界でももっとも高級な仕事の一つである。しかし今やこの産業はほぼインド人によって仕切られているといっていい。だがそれはインド人がアメリカ人より優れているという理由からではない。
インドなどの第三諸国からほぼなんの労働経験のない学生たちを集めて、アメリカ企業に就労者を提供する労働者派遣会社がたくさん存在する。これらの業者は応募者に嘘の履歴書を作らせ学歴や就労経験を大幅に誇張してアメリカ企業に応募させる。そのため普通にアメリカの大学を卒業した新卒者は失業したまま。外国人応募者でも履歴書に嘘を書かない正直者は面接すら受けさせてもらえないだけでなく、派遣会社からも相手にされない。また学歴は低くてもきちんとした経験のある外国人も採用されない。
現在300を越す外国人労働者派遣会社が存在する。これらの業者は新卒の外国人に4週間から6週間の即席訓練んを行なう。そして彼らはアメリカの大手銀行や保険会社に派遣される。時給50ドルから100ドルで仕事をするが、その半分以上は派遣会社に取られてしまうため、手取りは時給25から35ドル。
派遣会社のほとんどはインド系で、その利益ときたら年間3千万ドルは越す。これらの派遣会社から派遣される労働者の身元をきちんと調べたなら、その殆どが虚偽の書類で入国したことがわかるはずだ。なぜならこれらの会社は派遣社員を永住権保有者もしくは市民権保持者として企業に派遣しているからである。
これらの新卒者の履歴書には7年から10年の経験であるとか、名の知れた他企業でいくつかのプロジェクトを指揮した経験があるなどと書かれている。事実は大学を卒業したばかりの21歳から28歳の青二才ばかりなのにである。今のアメリカは勤勉や正直さではなく、誰が一番うまい嘘をつけるかで決まると著者は嘆く。
一般のアメリカ人は大学卒業後5年はどこかで一生懸命働かなければ虚偽の履歴書で一ヶ月足らずの訓練で就職した外国人と同じ地位にはつけないのだ。
なぜこんなことがおきるのか?
アメリカ企業は新卒者を新入社員として雇い訓練して育てようという気持ちが全くない。訓練に使う時間もお金ももったいないので、今すぐ役に立つ従業員を求める。また派遣社員なので解雇も簡単にできるし、政府としては定期的に労働者が入れ替えれば失業率を一律に保つことができる。オバマ時代に新しい仕事に就いた労働者のほとんどが外国人だったというのはこういうからくりだったわけだ。
去年ディズニー社がアメリカ人技術者を千何人とリストラし、代わりに雇われた外国人への訓練をリストラされる社員にさせるという冷酷なやり方をしたことが退職金を諦めた元従業員の内部告発で暴露されたことは記憶に新しい。
拙ブログでも何度か書いてきたが、アメリカ人で高技術の人員が不足しているというのは全くの嘘だ。アメリカに存在していないのは、20代前半の外国人応募者が提出する虚偽の履歴書に書かれているような経験者だ。アメリカでそんな人間が見つからないのは当然だ、何故ならそんな人間はアメリカだけでなく世界中どこにも存在していないからだ。
だいたい普通に考えて、世界でも最も優秀な大学のあるアメリカの大学卒業者よりも、第三諸国のインドだのパキスタンだのからの応募者の方が学歴も高く職歴も豊かというのはおかしいではないか?
これらの企業がその履歴書の華やかさをおかしいと思わないはずはない。普通のアメリカ人大卒者が持つことの出来ない経験を二十歳やそこらの外国人がどうやって持つことができるというのか。そんなことあり得ないだろう。だが、書類上はそうでなければアメリカ入国は出来ない。なぜならば、H1B査証はアメリカ人が出来ない仕事が出来る外国人に限って授与されるものだからだ。これはアメリカの大企業とオバマ政権がなあなあにやってきた腐敗に満ちた制度なのである。
虚偽の履歴書を使ってIT企業や銀行や投資会社に就職した外国人はきちんとした技術や知識を所持していない。こんな従業員に仕切られた企業はどうなるのか?これらの外国人が多く働く産業の崩壊は日を見るよりも明らかだと著者は警告する。この著者がトランプを支持している理由は、トランプがこの腐敗しきった制度を破壊しようとしているからだ。トランプ大統領がこの悪制度を見直してくれているというのは非常に喜ばしいことである。
左翼社会主義者たちは表向きは一般労働者の味方だという顔をするが、アメリカ経済を破壊しているのは実は彼らなのである。大企業と政府が癒着して産業を独占する。それこそファシズムの最たるものだ。そういうことをやっておいて共和党やトランプをナチスと呼べるその根性。
まったくひどいもんだ。


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少子高齢化と人口減少は関係ない?

先日お話した日本の少子化についてのビデオで紹介されていた、現代社会研究所所長・青森大学社会学部教授古田隆彦(ふるたたかひこ)氏のインタビューを見つけたので読んでみたら、なんか目から鱗が落ちたという感じがした。古田教授によると人口減少は決して悪いことではなく、これは社会形成の転機なのであり、「人口減少はビジネスチャンス」だと語る。
まず教授は、人口減少の原因は少子化でも国民の高齢化でもなく、出生率にくらべて死亡率が高いということでしかないと語る。

過去40年間、ほぼ3~4年ごとに1歳ずつ伸びてきた平均寿命が限界に近づき、今後は10年経っても1歳伸びるかどうか、という段階に入り、2005年前後から死亡数が出生数を追い越します。そのため人口が減るのです。その本質を見誤って、少産・多死化を少子・高齢化と考えるから悲観論一色になるのです。

教授に言わせると、問題なのは出産適齢期の女性数が減っている限り、出生率を高めるのはむずかしいとのことだ。しかし、だからといってこれが問題なのかといえばそうともいえない。
人口減少が「問題」となるのは、生産者の数より扶養者の数が増えて、生産者への負担が高まるという点にあるが、教授はどの世代が子供でどの世代が老人かという定義を変えるだけでこの問題は解決するという。

最大の問題はいまだに65歳以上を高齢者、すなわち被扶養者と決めつけて議論していることです。この定義は平均寿命が70歳前後だった1960年頃に決められたもので、寿命が80歳を超した現在には合わないのです。現在の65~74歳は体力や気力もあり、仕事、貯蓄、資産運用などで経済力も維持しています。

 70歳が平均寿命のとき、最後の5年間の面倒を社会が見ようと高齢者を65歳としたならば、80歳が寿命の現在は75歳から高齢者とするべきでしょう。今後3年ごとに高齢者の定義を1歳ずつ上げていけば、2035年前後の75歳以上は2045万人となり、現在の65歳以上より494万人も減るのです。

はあ、なるほどね~。確かに年金というのは最後の5年くらいを目安に作られたもののはずなのに、最近の「老人」は長生きだから年金を15年も20年も受け取っている。うちの隣のご隠居さんなんかもう90歳を過ぎているから、年金暮らし25年以上!
教授はさらに子供の定義も変えるべきだという。

一方、子供は0~14歳と定義されていますが、これは1960年代にWHO(世界保健機構)の提案を受け入れたものです。当時は進学率が高校約60%、大学など約10%で、10代の大半が働いていました。ところが、現在では高校進学率は97%に達し、10代後半はほとんど未就労です。そこで、子供の定義を10歳繰り上げて24歳までとし、同様に今後3年ごとに1歳ずつ上げていけば、2035年には1800万人となり、現在の14歳以下より50万人も多くなります。

いっくらなんでも30歳を子供というのはおかしくないかな?確かに学士や博士を取るとなると30歳くらいまでは働けないから収入がないという意味で「子供」と定義するのもわかる気はするが。
しかし年金支払いの年を75歳に引き上げたとしたら、55歳定年とかいう制度は見直す必要がある。熟年でも普通に働ける場所がなければ定年から年金授与までの20年をどうやって生きたらいいのかということになる。

そのためには、もちろん60~70年代の働く場を確保する必要がある。65~75歳の「ハイパーミドル」が年金を負担しつつ、生活を保障できるチャンスを社会が提供するべきでしょう。企業だけでなく、例えば大学や高校も経験豊かな社会人を講師として採用する。行政の窓口でも、窓口業務の上手な定年退職者を活用するべきです。

銀行の窓口とか昔は妙齢で綺麗なお姉さんたちがやっていたが、最近では結構パート主婦も増えたし、長年働いて経験のある人たちを使わないという手もない。それに若い人が激務で過労死しているという状況があるなら、企業は職員を増やしてシフト制を取り入れて、シニアの職場を確保してはどうなのだろうか?
また教授は人口が減るということは顧客も減るということなので、多くの人に買ってもらうというより、高額なものを買ってもらう、何回も買ってもらう、多く買ってもらうといったビジネスモデルに切り替えるのも大切だという。
スマホとかコンピューターとか個器の数ではなく、それにつけるソフトの販売に力を注ぐべき。確かにそうだな。スマホが普通になってきている現在は10年前では考えられない「商品」が売られるようになった。ポケモンゴーなんてのがその典型だろう。
教授は日本のアニメとかゲームとかオタク製品の輸出などで成功している企業もあるので、そういう分野の開発も必要だろうと語っている。
シニアシチズンの年齢を定義だけ変えて75歳からにしてみても、もしその人が65歳以下のひとたちより病気がちだったり体力が極端に落ちていたりしたら若いときのような生産性はなくなる。高齢社会では高齢の人々がなるべく長く健康を保てるようにしなければならない。もし日本社会が、いや文明社会が人口減少による生産率の降下を防ぎたいなら、出産率向上に力を入れるよりも、高齢者の健康維持のための医学開発に力を入れるべきなのかもしれない。


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シリコンバレーで40はもう年寄り、若返りに必死な中高年就職活動

アメリカのケーブルチャンネルで放映中のヤンガーという番組がある。これは離婚して突然独身になった40代の女性リザが再就職しようにも年齢差別で雇ってもらえず年齢を10何歳もさばよんで20代を装って就職するという設定。主役を演じるサットン・フォスターはブロードウェイ女優の美女。化粧や服装で20代に見えないことはないが、ジェネレーションギャップで20代の上司や同僚たちと話をあわせるのが大変。つい昔の話をしたり昔かたぎの仕事意識が出て冷や汗をかく。
これは架空の話だが、カリフォルニア北部のシリコンバレーと呼ばれるハイテック地区では、最近若年層が圧倒的権力を握っており、40歳を過ぎた労働者の失業率が激増しているという。
アメリカ就労者の中間年齢は42歳。しかし、ハイテック企業の集中するシリコンバレーにおける中間年齢層はなんとアップルで31歳、グーグルやテスラは30歳、フェイスブックやリンケディンになると29歳もしくはもっと若年層が圧倒的多数を握っている。他の企業でも中高年層の従業員をリストラするところが多く、経験をつんだ中高年の長い履歴書に猜疑心を持つ会社も増えているという。
22歳でフェイスブックの会長となったマーク・ザッカーバーグなどは若者は(中高年より)頭がいいと言って憚らない。それで年齢差別を理由に訴訟を起す人々も増えてきた。2008年から2015年にかけて15のテック企業で226件の苦情がカリフォルニア州の公平雇用及住宅省に寄せられており、これらの苦情は人種や性別差別による苦情を28%も上回るという。
しかし、訴訟は訴える方にもお金がかかるし、将来の就職にも支障を来たす。それで普通の中高年就活者はなんとか若く見せようと異常なまでの努力をしている。何せ自分の子供より若い年代の雇用主に雇ってもらおうというのだから大変である。普通なら多々の経験をつんでいることを示す履歴書も、ここ近年のものしか示さないとか、身分証明写真も若く観られるように撮ってもらうとか、人によって整形手術までして若返ろうとする。
カリフォルニアのサニーベル市で中高年を対象に就職カウンセラーをしているロバート・ウィザースさんは10年以上古い経歴は履歴書に書かないようにアドバイスしている。そして就職用ウェッブサイトのプロフィール写真はプロの写真家に撮ってもらい、面接先の会社の駐車場に行って社員がどんな服装で通勤しているか調査するように示唆している。
たとえば今年の一月に7年間勤めた会社をリストラされた60歳のソフトウエアーエンジニアはカジュアルなネクタイ無しのボタンダウンシャツにカーキーのズボンにスニーカーを履いて面接に行く。携帯機種やビデオゲーム機などについて地元の学校で勉強。ジムにも通い、白髪染めを使って暗い茶色に染めた。また、目の下にある隈を取る整形も受けた。20代の人たちと一緒に働くためには、流行の文化に合わせた知識を持ち若く見せることは生存にかかっているという。
ハイテック産業は技術の発達が早いから、たとえその産業の企業で勤めていたとしても、何年も同じ会社に勤めていると専門外の知識は遅れてしまう。私自身、今リストラにあったら絶対に同じ分野の職種にはつけないだろう。かなり身につまされる現実だ。特にリストラされるのは40歳過ぎの中高年が圧倒的に多いのに対し、求人は20代かせいぜい30代前半までという厳しい現実。どうりでフェイスリフトとかの若返り整形手術が流行るわけだよなあ。
それにしても、老齢化がすすむ社会で中高年を差別するのは社会にとって決して良いことだとは思えないのだが。


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アメリカの多くの寿司屋が中国人経営なのは何故か

ここ十数年、アメリカのすし屋や日本料理店で日本人板前やシェフを見かけることが少なくなった。経営者は大抵の場合中国人か韓国人。日本人経営の店は二割にも満たないのではないかと思われる。これは中国人や韓国人は日本人より商売がうまいせいなのだと思っていたのだが、昨日なぜこんなにも多くの寿司屋が中国人経営なのかという記事を読んで、これは中国人の商売上手というより、その膨大な移民人口にあることを知った。
カカシがアメリカに移住するちょっと前、日本のバブルが始まろうとしていた1970代後半、アメリカでは健康食ブームが始まり、自然を生かしたしつこくない日本食が注目された。特に生魚を食べるという習慣がなかったアメリカ人にとって寿司やさしみは珍味として好まれた。寿司は人気俳優やセレブの間で人気が広まったため、日本食は高級食というイメージが根付いた。また、「紅花」が始めた日本にはなかったアメリカ風鉄板料理はシェフのパフォーマンスが話題を呼んであっという間に大人気。日本食といえば「テッパン」と思い込んでる人が多くなった。
さて、1980年代になるとバブル景気で多くの日本人がアメリカにやってきた。日本食ブームで急に板前やシェフが必要になったアメリカでは日本人板前ならすぐにビサが取れるという状況になり、あちこちに日本食レストランが開店した。カカシが住んでいた南カリフォルニアでもロサンゼルスやサウスベイ付近、日本人コミュニティーではまるで日本の町を歩いてるみたいで、日本食といっても寿司屋だけでなく居酒屋やそばうどん屋とかラーメン屋とか専門店がどんどん立った。顧客に日本人が多かったということもあるし、競争が激しくなったということもあって、当時の日本料理店の質は非常に高かった。
この状況が一変したのがバブル崩壊である。1990年初期、日本企業が一斉に日本に引き上げ、ビジネスマンもその家族も皆帰国してしまった。それで日本人相手の商売はばたばたと店を閉じた。高級レストランで高給を取っていた腕の立つ板前やシェフたちも失業してしまった。
しかし、日本人は減ったかもしれないが、アメリカにおける日本食ブームが廃れたわけではない。アメリカ人は今でも寿司や天麩羅が大好きだし、テッパンなど誕生日や忘年会(?)では当たり前の光景となっていた。だから日本人はアメリカ人相手に商売を続ければよかったのであり、日本人客の数が減ったからと言って日本人板前やシェフが失業する理由はなかったはずである。問題なのはこの頃から中国人経営の日本料理店が増え始めたことにある。
日本食ブームにあやかって、すでに1980年代から日本人以外の東洋人が経営する日本料理店があったことはあったのだが、1990年代になると圧倒的に中国人経営者が増えた。
中国からの移民が急激に増え始めたのは中国が移民法を緩めた1970年代。当時の384,000人から2013年には二百万人という数に増えた。中国からの新移民の数はここ25年で三倍に膨れ上がった。アメリカには4万軒に及ぶ中華料理店が存在するが、その多くが福建省(フージャン・Fújiàn)出身者による経営。日本食レストラン市場に幅を利かせているのもこの福健人がほとんど。
新移民の好む商売と言えば言葉など解らなくても簡単に始められる飲食店の経営。元々中国人による飲食店経営の土台がしっかりしているアメリカでは、新移民は中華料理屋に年季奉公で就職して数年後には自分の店を開けるというのが当たり前になっていた。
しかしこうも中国人が増えると、中華料理屋ばかりが立ち並んで、その競争に勝てない店はどんどんつぶれてしまう。数が多いから値段も低くしなければならないし、収益も低くなる。そこでこうした中国人が目をつけたのが日本食。
もともと日本食は高級料理という印象が強いので、同じネタで経費は中華と同じでも、日本食なら値段は1.5倍から2倍にしても客は文句を言わない。同じ商売をするなら中華料理店を開けるより日本食レストランのほうがずっと効率がいい。たとえば春巻きが一本3ドルなのに対し鉄火巻き一本5ドルとなれば、中国人がすし屋を好むのも理解できる。
1985年、ニューヨークやシカゴで中華料理一人前の平均は$24.20ドルで、日本食は$31.88でその差は7ドル68セントだったのが、今や中華の値段はそれほど変らない$32.78なのに比べ、日本食の平均はなんと$62.73ドルと二倍に膨れ上がり、中華と和食の差はなんと$30ドル近くになった。日本食とは反対にアメリカでは中華料理は安いものという先入観があるからやたらに値段は上げられないのだろう。
アメリカにある2万5千軒の日本食レストランのうちどれだけが中国人経営なのかはっきりしたことはいえないが、日本政府農業省の見積もりによると日本人経営の店は全体の一割程度だそうだ。ワシントンDC付近の33軒の日本食レストランを対象に調査した結果、中国人経営が12、韓国人が12、日本人経営は6、他3軒という結果が出た。
さて、中国人が経営者になったからといって日本食の質が落ちる必要はないが、日本人の板前やシェフは腕も立つが高給取り。そんな人間を雇わなくても週末講習を受けたくらいの中国人を雇えば人件費も節約できる。どうせアメリカ人相手、味が多少中国風でも誰も気がつかないと思って節約する経営者も多くなった。
中国人経営の店では、照り焼きのタレがやたら甘かったり、天麩羅に大根おろしがついてなかったり、刺身のつまという概念がなかったりするが、高級店を目指して日本人板前を雇っているところは結構質がいい。中国人の板さんやシェフでもネタに気を使ってまあまあな店は結構ある。それに日本人には中華の味は馴染みがあるので、そうそう違和感はないのかもしれない。
しかし、これが韓国系の「日式料理」となる先ず食べられたもんじゃない。あんなものをよく日本料理とか言って恥かしくないものだと思う。私は同僚や知り合いに日本料理店を名乗っている店でカルビだのキムチだのがメニューにあったら、さっさと店を出るようにと警告している。
うちの近所にアジアンフュージョンとかいって日本食のようなものを出す韓国人経営のチェーン店があるが、天麩羅も鳥やゲソのから揚げも焼き鳥もタレはすべて照り焼きソース。鳥のから揚げは細かく切りすぎていて衣以外の味がしない。天麩羅も卵入りのねっとりした衣をガチガチに揚げてあり、何を食べているのか解らない。スシといえばわけのわからないものを酢飯と一緒に巻いた太巻きロールばっかり。スシというと太巻きロールしか頭に浮かばない人が増えたのも中国人と韓国人のおかげである。
ま、数で言えば中国系移民のほうが日系よりずっと多いから仕方ないのかもしれないが、悲しい現実である。


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