タイミングが怪しいイラン2等書記官の解放

今朝、読売新聞のイラクで拉致されたイラン2等書記官、解放され帰国へこの見出しを見てちょっと首をひねった。

【テヘラン=工藤武人】イラン国営テレビは3日、今年2月にイラクのバグダッドで拉致されたイラン大使館の2等書記官が解放され、同日中にイランに帰国すると伝えた。

 解放の詳細な経緯は不明だが、イラン学生通信はイランの在バグダッド大使館筋の話として、同書記官は2日に解放されたとしている。
 この書記官は2月上旬、イラク軍特殊部隊の制服姿の男たちに拉致された。同部隊はイラク駐留米軍との関係が密接なため、イラン側は、米国が関与していると激しく非難していた。
(2007年4月3日20時47分 読売新聞)

なにしろイランでは例の15人のイギリス兵が人質になっている。イギリスもアメリカもそしてイランも人質交換は公には話題にしていないが、もしこれでイギリス兵がイギリスに帰ってくるということになったなら、これは完全に人質交換の交渉が裏で行われていたということになる。非常にまずい状態だ。
一方イギリスのインディペンデント紙では、イギリス兵が拉致されたのはアメリカのイラク政策失敗が原因だという筋違いの記事が掲載されている。

イラク北部を公式訪問中のイラン警備将校のアメリカ軍による拉致失敗が10週間後にイギリスの水兵海兵隊員15人が拉致される引き金を引いた。
今年1月11日の早朝ヘリコプターで潜入したアメリカ兵らはクルド族地区のアービルに長期に渡って存在していたイランレーゾン事務所を襲撃。5人の比較的下位の職員5人をスパイ容疑で逮捕、今も拘束中。
しかし現実にはアメリカはもっと野心的な目的があったことをインディペンデント紙は学んだ。この手入れの目的はクルド地方政権に知らせずにイラン警備組織の重要人物二人を捕まえることにあった。

その後のイランの怒り狂った反応からいって、イランが報復行動に出ることくらいはイギリス政府は予期すべきだったと記事の著者パトリック・コクボーン記者。そしてコクボーン記者はイラクに公式訪問しているイランの諜報部員を拉致するということは、外国を公式訪問しているCIAやMI6の高官が外国で拉致するようなものだとし、イランが怒るのも当たり前だといわんばかりである。
ほお〜、正式な外交関係のあった国の大使館を襲撃し大使および職員53名を拉致して444日も監禁した行為はどうなるんでしょうかね? そういうことへの報復が許されるっていうならアメリカはまだイランに48人のイラン高官を拉致するだけの借りが残っている。
イランが人質をとっては自分らの理不尽な要求を突き付けているのはなにも今にはじまったことではない。1979年のアメリカ大使館襲撃はいい例ではあるが、それですら始まりではない。16世紀から19世紀にかけてバーバリーコーストといわれるモロッコ、アルジェリア、タニーシアそしてリビア海岸の海洋を荒らして欧州の船を拿捕し乗組員を誘拐しては身代金を要求していた海賊らは当時のイスラム教諸国を背後にもつ海賊たちだった。それをいうなら2004年にもイギリス兵二人がイランに拉致された事件があったではないか、あれもアメリカのせいだというのか? コックボーン記者は誘拐はイスラムの常套手段だという歴史的事実さえ知らないらしい。(先に紹介したような学校教育を受けた結果かもしれない。)
インディペンデント紙は、アメリカの作戦を批判する暇があったら、抵抗もせずにみすみす捕われの身になったイギリス兵15人の態度について見直したらどうなのだ? そして拉致された後恥も外聞もなくイランのテレビに出演して地図の前で「確かにイランの海域に侵入しました」などと白状し、汚らわしいバーカなどまとってすましている恥さらしを批判したらどうなのだ! それともイギリス兵は捕らえられたら抵抗せずに何でも敵の言われるままに行動しろという命令でも受けているのか、だとしたらそんな非常識な命令をくだしたイギリス軍高部に対する批判でもしたらどうなのだ!
このイギリス兵の無様なていたらくがどれほどイランのプロパガンダに貢献したか知れない。どれだけかつての偉大なる英国も地に落ちたかを暴露する結果となったことか。どれだけ我々の敵を元気づけることになったことか。これがアメリカ兵だったなら絶対にこのような態度はとらないとニューヨークポスト紙でラルフ・ピータース陸軍中佐(退役)。

アメリカ海兵隊員を洞穴に押し込み歯をなぐり折ったところで、彼から本国と海兵隊への誇りをなぐり折ることはできない。「センパーファイ(Semper fi)」には意味があるのだ。

オージー(オーストラリア兵)も同じようにタフだ。
いったい何が英国海兵隊に起きたのだ? エリート隊のメンバーとして通ってきた隊なのに。労働党政府の政策はイギリス軍をずたずたにした。戦闘機を飛行不能にし、軍艦を引退させ、陸軍隊を解体し、制服を着る兵士らの胸から勇気までももぎとってしまったのか?
女性水兵が泣き崩れて政府に降伏を訴える姿も無様だったが、海兵隊員までがお茶や同情を懇願しだしたとなると、もう見てられない。嘘だと言ってくれ!
…ウィンストン・チャーチルは天国でスコッチを吐き出しているだろうよ。

ピータース氏も指摘しているように、イギリス軍は当初比較的平穏だったバスラの警備を完全に怠り、バスラ警察や地元政府がシーアの民兵に乗っ取られていくのを指をくわえて見ていた。もし当時イギリス軍がアメリカ軍のように厳しい取り締まりやパトロールを行っていればイラク南部でおきたシーア派民兵による暴走を防げたかもしれない。そういう失態を棚にあげて、自分らのぶざまで臆病な態度を顧みず、アメリカだけを責めるイギリスの政治家やメディアたち。アメリカの民主党より質が悪い。
ピータースもミスター苺と同意見でこの任務に当たっていた海軍の司令官らは敵を前にして臆病な行動をとった罪で軍法会議にかけられるべきであると語る。そしてこの「ワンカーども」が所属している王立海兵隊はさっさと任務からほどかれ解散しちまうべきだ!と手厳しい。カカシも全く同意見だ。


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イギリス海兵隊は何故抵抗しなかったのか?

15人のイギリス海兵隊員と海軍兵がイラン軍に拉致された事件について、イギリスと共同作戦をとっているアメリカ海軍側では、どうしてイギリス兵は抵抗しなかったのかという疑問が出ている。

湾岸における高位の米司令官は、これが彼の部下であればイラン革命防衛軍の人質になる前に発砲していただろうと語った。

これはイラクで一緒に戦っていながら、イギリス軍とアメリカ軍が取り入れている姿勢の違いを劇的に表している。拘束された15人を含むイギリスの隊と隣り合わせで行動をしていたエリック・ホーマー米海軍少佐は、英国海兵隊員と水兵たちがもっと攻撃的でなかったことに「驚いている」と語っている。
インディペンデント紙の、これが少佐の部下達だったとしたらイラン兵に発砲していたか、という質問にたいして少佐は「同意。そうです。イギリス軍の作戦について今さら判断したくありませんが、我々の攻撃規則はもう少し臨機応変性があります。我が軍の乗船チームは自己防衛に対してもう少し積極的な訓練を受けています。」
イギリスのHMSコーンウェルと同じくイギリス指令下の任務編隊に所属する米フリゲート艦USSアンダーウッド号の副艦長で第二司令官は「アメリカ海軍特有の攻撃規制は自己防衛の権限が与えられているだけでなく、自己防衛は義務であるとされています」と語る。「私が思うに彼等(イギリス兵)は拉致される前に自己防衛をする十分に正当な権利がありました。我々としては『どうして自己防衛をしなかったのだ』という反応です。」

どうもイギリス海軍はどのような理由があってもイラン軍に発砲してはならないという命令を受けていたらしいのだが、ミスター苺によるとそのような命令は違法であり、海兵隊員も水兵らも従うべきではなかったと言う。

そのような命令は違法命令だ。

誰にも発令できない命令というものがある。例えば総司令官が兵士らに強姦を命令したとしよう。このような命令は明かに違法であり、従えば罪に問われる。(そしてそのような命令を下した大統領は即刻弾劾され取り除かれるべきである。)
イギリスでも同じことが言える。(女性を含む水平ら)軍人にテロリストと深い関係にあるイスラム過激派政権の人質になれなどという命令は明らかに違法命令だと俺は確信する。そのような命令を誰かが下したとは信じがたい。
…降参する気でもない限り軍人は敵の攻撃から身を守ることは正当であり、攻撃規制などくそくらえである。俺が思うにイギリスにはいまでも戦争に勝つために最前を尽くすべきという姿勢が存在しているはずだ。

ミスター苺は拉致されたボートが所属するイギリス艦HMSコーンウェルの艦長は敵を前にして臆病な行為をした罪で軍法会議にかけられるべきだと言って息巻いている。(笑)
しっかしかつての栄光が泣くよまったく。偉大なるイギリス帝国海軍がこれではご先祖様に顔向けできないよなあ。
しかし過ぎたことをなんだかんだ言っていてもしょうがない。イギリスは、ブレアは、いったいどうするつもりなのだろう?


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露中もあきれるイランの無思慮な行動

今日のヘッドラインニュースはイランからの話題二つが目に付いた。
最初はロシアと中国がイランに国連安保理の条例に従えと促したという記事。ロシアにしても中国にしてもイランの無思慮な行動が英米によるイラン攻撃につながることを恐れているのだろう。なにしろ両国とも現イラン政権と特別な契約を結んでいるわけで、ロシアなど原子力発電所建設のために提供した原料だの労働だのの支払いをまだしてもらってない。ここで現政権に崩壊などされて借金がごわさんになってはたまったもんではない。
安保理の常任理事である両国からの促進は、イランが国連条例に含まれるIAEA査察を一部差しとめるという発表に答えるものだ。
これまで厳しい制裁を促していたイギリス、フランス、アメリカといった国の態度には乗り気でなかった中国やロシアまでがイランに国連に協力しろと言い出したとなると、国際社会のイラン外交はかなり大詰めを迎えているといえるのかもしれない。
そんな国際社会の空気を多少は察したのかイランは拉致したイギリス兵がイラン海域に入ったのが意図的なものか偶発的なものかを確かめるため、イギリス兵に拷問、、おっと「取り調べ」をおこなっているという。
しかし金曜日にはイギリス兵の14人の男性と1人の女性をスパイとして裁判にかけると強気なことをいっていたイランだが、月曜日になってかなりその姿勢を緩和させたということは言える。

イラン外務省次官のメフズィ・モスタファビ氏は緩和した態度で月曜日14人の男性と1人の女性は取り調べを受けている最中だと語った。

「水域侵入が意図的なものか偶発的なものかは(取り調べによって)明らかになるはずです。それがはっきりしてから必要な決断をしたいと思います。」とモスタファビ氏は語った。
イランは拘束されている米兵たちがどこで拘束されているのか、イギリス高官と話すことが許可されているのかどうか話すことを拒んだが、テヘランのイギリス大使、ジェフェリー・アダムス大使に彼等の健康状態は良好であると保証した。

ま、イラン人はイラクのテロリストなどと違って人質の目をくり抜いたり女性を冒涜するなどということはしないだろうが、それでも取り調べと言って殴るくらいのことはするだろう。イギリス側は外務省のマーガレット・べケット長官がトルコを訪れた月曜日、イギリス人員と器具が安全に返還されるまではイランに圧力をかけ続けると発表。一方ロンドンでもイラン大使が事件ご3回も呼び出され、人質の早急な返還を要求されている。
イギリスでは人質が西側とイランとの核兵器開発交渉の間に挟まってしまう可能性と、アメリカが拘束しているイラン軍人との交換に使われるのではないかという心配がされている。いまのところモスタファビは人質交換を求める気はないとしているが、イラン政権のなかではそういう話も出ているようだ。
イランは昔から西側との「交渉」に人質作戦や威嚇脅迫作戦をとってきた。1979年のアメリカ大使官占拠にはじまって、レバノンでのアメリカ兵とフランス兵の兵舎爆発事件、サウジのコーボル棟アメリカ兵舎爆破事件など、正々堂々と外交というものをやったことがない国だ。これに対して西側の対応が貧弱なものであったこともイランを強気にさせている原因だ。
となってくると、今後のイランの行動はここでイギリスがどう出るかにかかってくる。ブレア首相はそろそろ引退するとはいえ、イランには強気な態度で出て欲しいものだ。


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英国兵15人を拘束したイランの意図は?

イランがイラクとイランの国境近いイラク側の水域で監視活動を行っていたイギリス海兵隊の隊員15人を拘束するという事件が起きた。

3月24日8時1分配信 産経新聞

 【ロンドン=蔭山実】BBCテレビなどによると、現場はイラクとイランの国境にあたるシャトルアラブ川のイラク側の水域で、兵士らはボート2隻で車の密輸船を検査していたという。AP通信はイラン革命防衛隊の海上部隊が英兵らを拘束したと伝えている。
 英国防省は「兵士らは何ら問題なく貨物船の検査を行っていたが、突然、イランの船に包囲され、イラン側の水域へと拉致された」と語った。兵士らは無事とみられ、兵士らをすみやかに解放するようイラン当局と交渉している。
 BBCがイラク南部のバスラに駐留している英軍の司令官の話として伝えたところでは、イランは武装勢力に強力な武器を与えているほか、イラク南部の住民に金を払って英兵への攻撃を仕掛けさせているという。

イラン側はイギリス兵たちがイランの水域を侵したとして水兵たちを拘束しているわけだが、無論、そんなことは単なる言いがかりだ。イランは多分、当初イギリス兵を人質にして国連のイラン経済制裁決議を阻止しようと企んだのだろう。だが、国連安保理は制裁決議を可決してしまったので、今度は英兵たちがスパイ行為をしていたと言い出したようだ。
多分イギリス兵らを拷問にかけて無理矢理「自白状」を書かせ、数人を処刑した後生き残った数人を使ってアメリカ軍が拘束しているイラン軍特別部隊クォッドの高官らと人質交換を言い出してくるつもりなのだろう。
交渉中の国の軍人を拉致してそれを使って人質交換、、、イランの手先がどっかで同じ手口を使ってひどい目にあった前例がつい最近あったような、、あれ〜? どこだったかなあ〜?
ハッキリ言ってイラン側の行為は戦闘行為ともみなせる。イギリスがその気になればイギリスによるイラン攻撃の口実は立派にできたことになる。イランのこの強行作戦はかえって裏目にでるのではないかな?


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イランの核開発危機! ロシアに支払い滞納で、、

ついに国連はイランの核開発に対して加制裁措置を盛り込んだ決議案をとおすことになったようだ。

3月15日11時45分配信 毎日新聞

 【ニューヨーク坂東賢治】イランの核開発問題で安保理常任理事国(米英仏中露)とドイツの国連大使は14日、武器輸出全面禁止などイランに対する追加制裁措置を盛り込んだ安保理決議案について大筋で合意した。15日にも安保理の非公式協議で非常任理事国10カ国に決議案を示す。順調に進めば、来週の安保理で採択される見通しだ。
 安保理筋によると、6カ国が合意した決議案では、イランから小型武器を含む、あらゆる武器の輸出を禁止することが盛り込まれたほか、戦車や戦闘機などの大型武器の輸入についても監視を進めることを明記。核やミサイルの開発に関連し、金融資産凍結の対象となる個人や企業のリストを大幅に拡大した。
 制裁リスト対象者の海外渡航は禁止していないが、対象者が渡航した場合に制裁委員会に通知するよう加盟国に求めた。また人道・開発目的のものを除き、イランに対する新たな信用保証・融資を自粛するよう呼びかけているが、欧米が求めた義務付けは見送った。さらに、60日の期限で国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長にイランの核活動に関する安保理への報告を求め、イランにそれまでの核活動停止を求めている。

これに対してイランのアハマディネジャド大統領は経済制裁など怖くないと息巻いている。

テヘラン 16日 ロイター] イランのアハマディネジャド大統領は16日、集会で演説し、同国は核燃料サイクルをあきらめさせようとする国際圧力には屈しないと述べた。国連安全保障理事会の常任理事国にドイツを加えた主要6カ国は15日、ウラン濃縮活動を続けるイランへの追加制裁決議案について正式に合意している。(ロイター)

しかしアハマディネジャドが何と言おうと、これはイランにとっては相当の痛手のはずである。なにしろイランは今の状態でもロシアから購入した核兵器開発技術への支払いが滞ってロシアからのサービスが一時停止されているという状態に陥っているのだから。
モスクワ発(AFP、3月13日)によると、なんとイランはBushehr原子力発電所建設で、ロシアへの支払いが遅れており、これ以上滞納が続くとロシアがわとしても「後戻りできない深刻な結果」になると警告されていることがわかった。

「イラン側からの決断をいつまでも待っているわけには行きません。」とロシアの契約しているAtomstroiexport社の重役ブラディミア・パブロフ(Vladimir Pavlov)氏は語る。「支払い再開がこれ以上遅れると、後戻りできない深刻な結果を生みます。」
パブロフ氏はしかし、テヘランとAtomstroiexport社との間で行われた交渉ではイラン高官らが「割合建設的」だったとロシア国営新聞RIA Novosti紙は報告している…
月曜日、Atomstroiexport社はほぼ完成しつつある施設に必要な核燃料の配達は二か月くらい遅れるだろうと発表した。

ロシアがサービスを提供しているのは無論原子力発電所建設などではなく、核兵器施設に間違いない。イランの経済事情がかなり深刻な状態であるということは以前にもお話した。イランは原油があるということで、他の産業を全く無視してきた。ところが核兵器開発に夢中になりすぎて肝心な原油生産の施設をおざなりにしてきたため、古くなった施設は効果的な産出ができず、イランの原油産出量は近年大幅に減っている。しかもイランは自国で算出した原油を精製する技術を持たないため、原油を輸出して石油を輸入するというばかばかしいことをずっとやってきた。おかげで原油産出国でありながら国内ではガソリンが不足するという不思議な現象が起きている。
そして皮肉なことに、核兵器開発でおざなりにした原油産出業での収入が減り、核兵器開発に必要なお金がたりなくなる、という結果を生んでいる。(苦笑)イランは無論ロシアの態度にカンカン。ロシアの核遅延に怒るイランというイギリス国営局BBCの記事ではイランはロシアに支払い停滞などしていない、ロシアの態度は「悲しむべき」だとし経済状態に問題があるのはロシアのほうだと反論。
しかしここで注目すべきなのは、ロシアがイランへの提供を遅らせた核燃料とは何かということだ。

(ロシアの)会社はさらに支払い問題のため、9月予定の原子炉の発動も二か月ほど遅れた11月頃になるだろうと発表した。
問題の燃料とは約100トンにわたる一部濃縮したウラニウムである。

イランがロシアから濃縮ウラニウムを購入することが出来なければ、イランは自分達で濃縮ウランを生産しなければならなくなる。イランにその技術があるのかどうか、いや、それにかかる資金があるのかどうか、甚だ疑わしい。
つまり、イランの核兵器開発はアハマディネジャドの好き嫌いに関わらず、現実的に達成できないのかもしれない。最近アハマディネジャドは国内でも勢力を失いつつあり、イランの予算案などでもラフサンジャニに押され気味という状態でもある。
イランは中東でも指折りの原油産出国でありながら、国民の50%が失業状態、経済は困窮においこまれ、核兵器開発などにあけくれて経済制裁をうける始末。気の毒なのはイラン国民だ。


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元イラン革命軍将軍西側に亡命

実は昨日、元イラン革命軍の将軍がトルコを訪問中失踪し、イスラエル秘密警察に拉致されたとか、西側に亡命したとか取り沙汰されているという話を新聞で読んだばかりだったのだが、今日になって西側に亡命していたことがアメリカ当局の発表で明らかになった。(Hat tip to Jules Crittenden.)

アメリカ当局の発表によると、元イラン防衛庁副長官で革命衛兵隊の元司令官でもあった将軍は出国して現在西側諜報部に協力し、イランとヒズボラ組織とのつながりなどの情報を提供している。

アリ・レズ・アスガリ(Ali Rez Asgari)氏は先月トルコを訪問中に失踪した。イラン政府は昨日、氏がイスラエルもしくはアメリカに拉致されたのではないかと詮索していた。アメリカ当局はアスガリ氏は自主的に協力していると語っている。アメリカ高官はアスガリ氏の居場所や誰が尋問にあたっているかなどには触れなかった。しかしアスガリ氏が提供している情報はアメリカ諜報部にすべて入手可能であることを明確にした。

アスガリは退役して2~3年たっているとはいえ非常な重要人物である。

元モサド(イスラエル秘密諜報局)局長で現在はイスラエル議員のダニー・ヤトン氏はアスガリは西側に亡命したと考えるとし、「彼は非常な重要人物です。」と語った。「彼はレバノンで長年とてもとても重要な地位にいたひとで、事実上(レバノンの)革命衛兵隊司令官だったと言えます。」

元モサド局員のラム・イグラ氏はアスガリ氏は1980年代から1990年代にイランによるヒズボラへの、資金援助や訓練などの監督をしていたという。米国務省はレバノンのシーア武装勢力(であるヒズボラ)をテロ組織と認識している。
「彼はレバノンに住んでいました。結果的に彼が当時ヒズボラを組織して育て上げたといえます。」 とイグラ氏はイスラエル国営ラジオで語った。「もし彼が西側に提供するものがあるとしたら、レバノンのヒズボラなどのテロリストについてでしょう。」

まだ詳細ははっきりしていないが、今後の発展に乞ご期待といったところか。イランはかなりパニック状態かもね。


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アメリカ、イラン空爆までの二つの条件

20日付けのニュースだがBBC放送がアメリカはいよいよイランを空爆するらしいと報道した。

米、イラン空爆計画を策定か=核・軍施設が攻撃対象に−BBC

2月20日15時0分配信 時事通信
 英BBC放送(電子版)は20日、米国がイランを空爆する非常事態計画を策定しており、空爆に踏み切った場合、標的は核関連施設にとどまらず、大半の軍事施設も攻撃対象になると報じた。軍事施設には、空軍と海軍の基地をはじめ、ミサイル関連施設や各種司令部も含まれる。
 外交筋によると、米フロリダ州にある中央軍司令部では既に、イラン国内の攻撃目標の選定を終えている。核施設には中部ナタンツのウラン濃縮施設や、同じく中部のイスファハン、アラク、南部ブシェールの関連施設も含まれる。
 一方、実際に攻撃開始となるには2つの状況が考えられ、1つはイランが核兵器を開発していると確認された場合。もう1つは、イラク駐留米軍が攻撃を受け、攻撃へのイランの関与が分かった場合とされる

このブログを愛読されている方々にはこの報道はニュースでもなんでもない。それどころか何を今さら、といったところだろう。しかしここで米国がイランを攻撃する状況として上げられている二つの条件には笑ってしまう。こんな条件はいつでも満たされるではないか。
先ず一つ目『1つはイランが核兵器を開発していると確認された場合』だが、IAEAの報告によればこの条件は早くも満たされているといえる。22日に提出された国際原子力機関(IAEA)の報告でははイランが国連安保理の決議を無視して濃縮活動を拡大させているとしている。以下読売新聞より。

報告によると、イランは昨年12月23日の安保理決議採択から60日間の「猶予期間」中も、中部ナタンツの地上施設で遠心分離器164個を連結した濃縮装置「カスケード」を運転し、低濃縮ウラン生産を続行。これまでに注入した濃縮ウラン原料の量は66キロ・グラムに達した。

報告によると、イランが産業規模を目指すナタンツの地下施設では、新たに遠心分離器164個で構成するカスケード2系列の設置を完了し、回転試験に着手。さらに2系列のカスケードも近く完成する。

となれば二つ目の条件「イラク駐留米軍が攻撃を受け、攻撃へのイランの関与が分かった場合」にかかってくるわけだが、アメリカ軍はすでにこの話をこの間から何度も繰り返している。先日もイラクでアメリカ軍によるイラン関与の証拠を陳列した報告会がひらかれたばかりだ。
アメリカがこんなすぐ満たされる、もしくはすでに満たされている、状況を戦争開始の条件とする理由はいったい何か? 英BBCの報道はアメリカの公式発表ではないが、これはアメリカがわざと流した情報なのではないかという説もある。このような報道をする一つの理由は無論イランへの牽制もあるわけだが、イランはアメリカの脅しなどあまり怖がっている様子はない。となればこれはイランへというより国連への警告だと言える。
ご存知のように現在国連安保理が行っている経済制裁は全く効き目のないものだ。だからもし国連がアメリカによるイラン攻撃を防ぎたいのであればもっと厳しい効果のある経済制裁を行えとアメリカは国連に促しているわけだ。
しかしイラクの時でもそうだったように、国連安保理の決議などあんまり当てにはならない。そうやってアメリカがイラン空爆を実際にはじめたら、国際社会は「イランが核開発をしていたという証拠は全くなかった、アメリカのつくりあげたでっちあげだ。」とまた騒ぐのであろうか?


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イラン国内テロにアメリカ関与のねつ造写真を暴く

イラン国内では反政府分子らによる連続テロが起きている。14日にイラン革命防衛隊のバスが車爆弾でふっ飛ばされ11人が死亡30人以上が負傷するという事件があったばかりだが、昨日16日にも女子学校が車爆弾のテロにあうという事件があった。その記事を読んでいて最後のほうに面白い文章が目に付いた。

2007.02.17
Web posted at: 13:57 JST
– CNN
テヘラン(CNN) パキスタン、アフガニスタンとの国境に近いイラン南東部のザヘダンにある女子学校で16日夜、爆弾が爆発したが、負傷者などは出なかった。国営イラン放送などが軍報道官の話として報じた。
同地では14日、同国の精鋭部隊、イラン革命防衛隊が所有するバス近くで車爆弾が爆発し、少なくとも11人が死亡、30人以上が負傷する事件もあった。
軍報道官によると、ザヘダンでは16日、複数の戦闘員が人心をかく乱させる狙いで音響爆弾をさく裂させ、発電所にも発砲。その後、逃走して、家屋に潜伏、治安部隊とにらみあっているとしている。路上で銃撃音も聞かれたという。
同地では停電も発生した。14日のバス攻撃では、イラクに本拠を置くイランの過激派組織「ジュンダラ」が犯行を認めている。同組織はこれまでイランの国境検問所などに攻撃を仕掛けている。
イランのメディアによると、14日の攻撃に使われた爆発物は「米国製」としているが、信ぴょう性は不明。

アメリカがイランがイラクに関与していると発表したことを受けて、イランもどうやら国内の反政府分子をアメリカが武装していると言いたいらしい。Little Green Footballによると、イラン政府はアメリカ関与の「証拠写真」まで発表してこのプロパガンダを押し進めているというのだが、LGFはその写真はねつ造写真だと語る
LGFが読者からもらった情報によると、イランのファーズ・ニュース・エージェンシーは明らかなフォトショップねつ造写真を使ってアメリカ製の武器がイランで発見されたとし、イラン国内のテロリストがアメリカ供給の武器を使っている、と報道している。

テヘラン(ファーズ・ニュース)土曜日の報告でアメリカ製の武器が最近イラン南部のシスタンとバルシュスタンで起きたテロ行為で使われたことの証拠として警備当局はFNAに武器の写真を提供した。
これらの武器は木曜日南部地区首都のザヘダンにおいて、ジュンダラとして知られるテロリスト団の隠れ家を手入れした際に没収されたものである。

写真はLGFのサイトへ行って注意して見ていただきたい。手りゅう弾や銃弾の箱など同じイメージがひとつの写真のなかで何度も複写されているのに気が付くはずだ。LGF ではフラッシュアニメーションでどこに複製があるか示しているので分かりやすい。
しかし考えてみればこのようなプロパガンダはかえってイラン国内の混乱を招くのではないだろうか? イラクにイランが関与しているといってもイラクは所詮アメリカにとっては外地である。イランとイラクは隣り合わせであるしついこの間の数日間の国境封鎖まで国境はがら空きだった。しかしイラン国内のテロにアメリカが関与しているとなったらこれはイランの国内警備の弱さを示すようなものでイラン政府は何をやっているのかという疑問が生まれる。
イラン国民にしてみたら、アメリカとの戦争などごめん被りたいはずで、なにかにつけて核兵器を持っているアメリカやイスラエルを挑発するようなアクマネナジャドの発言を苦々しく思っていることだろう。そんなに言ってアメリカが本気にして攻めてきたらどうする気だ、と思ってるイラン人も少なくないのではないだろうか。
そんな中で、アメリカがイラン国内のテロを援助しているとなったら、それこそイランとアメリカとの戦争はまじかであるという不安をイラン国民に与えることになるのでは? そして今でさえイラン政府に反感をもっている反政府分子が本気でやる気になってしまうという逆効果もあるのではないだろうか?
イランはかなり危ない綱渡りをしているように思える。


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イランの飼い豚サドル、イランへ蓄電!

イラクでのアメリカ軍によるシーア民兵取り締まりが厳しくなるなか、なんとカカシがイランの飼い犬ならぬ飼い豚と読んでいた、シーア民兵軍マフディ軍の親玉サドルが数週間前に家族のすむイランへ遁走していたことが発覚した。

「サドル師、2週間イランに滞在」と米高官
2007.02.14
Web posted at: 09:42 JST
– CNN
(CNN) 米高官筋は13日、CNNに対して、イラクのイスラム教シーア派の反米指導者ムクタダ・サドル師が、ここ2─3週間イランに滞在していると述べた。同師がイラクを出国した理由や、イラン滞在予定期間は不明とされる。
ただ、イラク関係筋はサドル師の出国を確認していない。また、同師に近い関係者は、同師のイラン滞在は「うわさ」だとして全面否定した。同師事務所は8日CNNに対し、同師がイラク中南部ナジャフに滞在中だと語っていた。
米当局者らは、ブッシュ大統領の指示による米軍イラク増派で、身の危険を感じたサドル師が出国したとの見解を示した。同師がイラク国内に不在の場合、同師を支持する民兵組織「マフディ軍」にどのような影響があるかは不明。
こうしたなか、イラク治安部隊のカンバル将軍はテレビ演説を行い、首都バグダッドの治安強化を目的に、イランおよびシリアとの国境を72時間閉鎖すると発表した。政府関係者がAP通信に語ったところによると、国境閉鎖は2日以内に実施される予定。また、イラク当局者はCNNに対し、検問所に爆弾検知装置などが設置する予定だと語った。
バグダッド市内の夜間外出禁止令は延長される見通し。また、イラク治安部隊は、民間人の武器・弾薬保有免許を一時停止する計画という。

APの記事によるとサドルの家族はもともとイラン在住だということだがイラン滞在は一時的なものだという見解が大きいようだ。
しかしサドルの出発はイラク政府が近隣のイランとシリアとの国境を72時間ほど塞ぐという発表をしたのと時期を同じくしていることから、国境が塞がれる前にイランへ渡ったものと思われる。しかし親分のサドルがイランに逃げたとなるとイラクに残されたマフディ軍の連中はどうするのだろうか?
イラクがサドルの帰国を許可しないという方法もあるが、この先どうなるのか注目される。


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イラクに伸びるイランの魔の手

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私がしょっちゅうサドルがイランの飼い豚だという話をしているので、ブログ仲間のアセアンさんからそんな証拠はあるのか、あるとしたら、サドルのマフディ軍はレバノンのヒズボラのような存在だとカカシが考えているのかどうか、というご質問を頂いた。私はサドルがヒズボラのような立場を望んでいるとは考えていない。奴はイランを利用できるだけ利用してイラクの混乱に乗じて自分の勢力を広げようという魂胆だろう。イランはイランで利用できる人間はシーアのサドルであろうと、スンニのアルカエダであろうと利用してやろうという魂胆だと思う。
イラクへの増派が始まるまでもなく、イラクではイラク・アメリカ連合軍による戦闘が勢いを増している。最近起きている激しい戦闘にはスンニ派にもシーア派にもイランの指紋がべったりとついているのだ。
イラクで起きる数々の暴力沙汰にイランの魔の手が関与していることは、もうかなり前から疑われていた。しかし、去年の秋頃までは無駄にイランを刺激しないことで、イランからの協力を得られるかもしれないというかすかな希望にでもすがっていたのか、アメリカ軍はイランの影響力を公の場では過小評価してきた。しかしこの方法は全くイランの強行な姿勢を変えていないどころか、イランの核開発はどんどん進んでいる。そこでどうやらやっとアメリカはイランの関与について暴露する方針に変えたようだ。
さて28日にナジャフで起きた戦闘についてちょっと考えてみよう。

ナジャフで戦闘、武装勢力の死者300人と イラク
イラク・ナジャフ(2007.01.29- CNN/AP/REUTERS)─イラク中部のイスラム教シーア派聖地ナジャフで28日、イラク治安部隊と同国駐留米軍が600人近い武装勢力と交戦し、武装勢力側の推定250─300人が死亡した。内務省関係者が明らかにした。地元警察幹部によると、戦闘は29日朝まで続いたが、その後ほぼ沈静化した。…
地元警察幹部が国営テレビ局アルイラキアに語ったところによると、イラク治安部隊は、ナジャフの北方約10キロのザルカ付近に武装勢力が集結しているとの情報を得て出動した。その後、兵士や地元警官ら6人の死者が出たためいったん撤退し、米軍の援護を求めたという。
ザルカでは戦闘中に米軍のヘリコプターが墜落し、米兵2人が死亡した。米軍は墜落原因を調査中としているが、イラク当局者は武装勢力のミサイルに撃墜されたとの見解を示した。
武装勢力は、イスラム暦新年に行われるシーア派の宗教行事「アシュラ」に合わせ、ナジャフへ向かう巡礼者らに紛れて南進したとみられる。

この記事には書かれていないが、英語版のAPの記事によれば、さらにスダン人を含む外国人戦闘員など100人が拘束されたとある。
また、28日の段階では反乱軍がスンニなのかシーアなのかはっきりしていなかった。それもそのなず、「天国の兵士」と名乗るこの軍団はこれまで全く知られていなかったカルト集団で、アルカエダが主体とはいえ、シーアの民兵もかなり含まれいたらしい。しかも彼等の武器整備はすごいもので、少なくとも二機の対航空機スティンガー形ミサイルを使用し、重量型マシンガンも使われたという。
本日の ニューヨークタイムス にもっと詳しい情報が載っている。NTTimesによれば、敵側の戦死者は470人は下らないという。しかも味方イラク軍の戦死者はたったの25人。これは圧倒的なイラク・アメリカ連合軍の勝利である。
しかし、そこは反米NYTimesの記事。味方の大勝利を素直には喜べない。なんとか悲観的な見方をしようと必死だ。そこでNYTimesはイラク軍の戦いかたに「困惑する疑問」が湧くとしている。

イラク軍は整地ナジャフ付近でこの週末に起きたよく知られていない与太者民兵軍と激しい戦いに驚かされもう少しで圧倒されそうになった。イラク軍は当初発表されたような単なる後方援護よりももっと大規模な援護を必要としたと米軍とイラク軍の要員は月曜日語った。

関係者の話によるとイラク軍は自らを「天国の戦士」と名乗る何百人もの戦闘員の強さを危険なほど過小評価しすぎ、アメリカ軍は空からだけでなく、地上隊も出動してイラク軍を援助するに至った。…
イラク軍とアメリカ軍は最後には戦闘になんとか勝った。しかしイラク軍の反乱軍の強さとその意図に関する誤算にはイラク軍の脅威を把握し処置する能力に関して 困惑する疑問が湧いた。

まったくこれだけの圧倒的な勝ち戦でここまでこき下ろされるんじゃ、負け戦だったら何と言われることだろう。現実にはイラク軍は反乱軍の規模の大きさに気が付かなかった。それというのも、反乱軍はアシュラの参詣者に紛れ込んでナジャフに数日前から潜入していたからだ。だが、ここで注目されるべきは圧倒的多数の敵に面してイラク軍は怯まず、2004年の最初のファルージャ戦闘の時のように制服を脱ぎ捨て退散するようなことはしなかった。それどころか、周りを敵に取り囲まれながら堤防を築き、空と陸からの援軍が来るまで味方を大量に失わずに勇敢に戦ったのである。本来ならばそのことが讃えられるべきなのだ。
ま、それはともかく、この綿密に計画を立てられた用意周到な戦闘は、最近カバーラで起きたもうひとつの事件 を思い出させる。
去る1月20日(2007)地元のイラク人と会議中のアメリカ兵が攻撃に合い、1名がその場で死亡、4名が手錠をかけられ拉致された上、数十キロ先で銃殺されるという事件があった。警備にあたっていたイラク軍の話では12人の何者かがアメリカ兵の制服を着用し、アメリカ軍が常用する乗り物に乗り、アメリカ軍の持つ兵器を所持して関門を通り抜けたという。しかも「兵士」の一人は英語を話し、一人は金髪だったという証言さえある。
この非常に巧妙な手段はアルカエダの乱暴な自動車テロなどとは全く異質のものであるし、シーア派の民兵などによる能のない撃ち合いなどよりずっと高度な作戦がとられていた。これはただのテロリストやギャングの仕業ではなく相当な訓練を受けたイランでも特に凶暴な特別部隊、クウォード隊(Qods)の仕業ではないかという見方が強まっている。
事実イランはイラク国内でずっと以前から秘密工作をおこなっていた。イランはなんとスンニとシーアの双方に武器調達、戦闘訓練などを提供してきていたのだ。最近アメリカ軍によるイラン勢力アジトへの攻撃の際、アメリカ軍は ある書類を発見した。 それはなんとイラン軍によるイラク紛争促進の青写真だったのである。

アメリカ諜報部員によると、新しく発見されたこの書類の信憑性は諜報専門家の間で調査済みだという。 これによって「イランはシーア民兵軍とスンニ聖戦軍の両方と密接に活動している」ことがはっきりした。…

同じ書類を調査した別のアメリカ要員は、この書類は「煙の出ている銃」だとし、「攻撃計画、スンニ関係者の電話番号などあらゆること記されており、今まで何をやっているのか、空白だった部分が相当埋められました。」と語った。

どうやらイランにも独自の「イラク調査委員会」があったようで、彼等の「推薦」はイラクに内戦をおこさせることだったようだ。皮肉なことに月曜日, イランはイラク「援助」の計画を発表した。 :

ハサン・カゼミ・クミ( Hassan Kazemi Qumi)大使は「治安維持の戦い」のため イランはイラク政府軍を訓練し、武器援助やアドバイザーを送る用意がある。と発表した。また経済面でもイランは4年前にフセインを倒してい後アメリカが失敗している部分において、イラク復興のため主な責務を果たす用意があると語った。

「我々は戦後の復興には経験があります。」とクミ大使。1980年代におきたイラン・イラク戦争をさして語った。「この経験を生かしてイラクの復興に役立てたいと思います。」
またクミ大使は、先月アメリカ軍が一時的に拘束し解放したイラン人が、アメリカが主張していたように軍事要員であったことを初めて認めた。しかし彼等はイラクでイラク政府と話あうために正当な活動をしていたのであり、拘束されるべきではなかったと語った。

イランは親切にもアメリカが足りないところを補ってイラクの復興に手を貸してくれるというのである。なんとありがたいことではないか? 無論、奴らの企みはかなり明白である。最近アメリカが公にイランのイラクへの関与を暴露し批判しはじめたため、イランも圧力を感じているのだ。イランはアメリカが一旦責めはじめたら、ヨーロッパやイスラエルのようには簡単に引かないことを承知している。だからアメリカからの攻撃から一時的に話をそらすために白々しい言い訳をしているのである。
しかしこのイランの態度を見る限り、イラクがアメリカと誠実な交渉などする気がないことは明白だ。ベーカー・ハミルトンが代表したイラク調査委員会の推薦がどれほど馬鹿げたものだったのかこれではっきりした。


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