スンニ抵抗軍恩赦も考慮すると交渉開始

先日イラクのマリキ首相が、スンニ派の抵抗軍で、連合軍に対して戦ってきた団体に限って、いますぐ武器を捨て地道にイラク市民として暮らすならば、恩赦を出すという声明を発表した。この恩赦の対象にイラク人相手の犯罪は含まれない。それに対して、いくつかのスンニ抵抗軍がこの条件を真剣に考慮しはじめているようだ。
ニューヨークタイムスによれば、スンニ抵抗軍のいくつかが、イラク政府に交渉の提案をしてきたという。まだどのような条件で降参するという話までにはいたらないようだが、少なくとも抵抗紛争をあきらめようという動きが抵抗軍の間で出てきたことは希望が持てる。
スンニ派としてもいつまでもアメリカ軍やイラク軍の手入れを受けて何時撃たれるか、何時吹き飛ばされるかと恐れながら勝ち目のない戦争を続けたくはないだろう。スンニ派のなかには外国人勢力が牛耳るアルカイダの極悪非道なやり方に嫌気をさしている人たちが少なくないし、また外国人が幹部を独り占めしていることに関してかなりの不満も抱いている。
だが一度はじめてしまった抵抗をそう簡単にあきらめることはできない。なにしろこれまで、通りかかるアメリカ軍を路肩爆弾でふっとばしてきた連中だ。へたに降参すれば厳しく罰せられるという恐れもあっただろうし、いままで協力してきたアルカイダへの義理もある。
だが、恩赦となれば、罰を恐れずに降参が可能だ。これまでのことは水に流して新しく出直すことができる。ザルカーウィが死んだことで、スンニ抵抗軍が降参するのであれば今が絶好の機会である。ザルカーウィ亡きあとアルカイダへの義理はないとして縁を切ってもスンニ派はメンツを保つことができるからだ。
大事なのはイラク政府が武器を捨てたスンニ派市民を法律上守るだけでなく、宗派争いを悪化させているシーア派暴徒の暴力からも守る保証をすることである。イラクの法律はスンニのみならずシーアにもあてはまるということをイラク警察並びにイラク軍隊がイラク治安を守ることによって、イラク市民全体にデモンストレートしなければならない。
アメリカ軍としても、たちの悪い外国人テロリストとイラク愛国主義の抵抗軍とを振り分け、外国人のみを相手に戦うのであればずっと気が楽になる。女子供の間を迷路のようにくぐり抜けて戦う可能性も減るというものだ。
マリキ首相に課された問題は大きい。だが首相はじめイラク政府にはがんばって交渉に携わってもらいたい。


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化学兵器は立派な大量破壊兵器!

この間、すでに500体の砲弾に詰め込まれたサリンとマスタードガスがイラクで発見されていたという話を共和党議員が発表した話をしたが、まだ主流メディアはそれに反論するどころか報道すらしていない。やはり完全無視の体制をとり続けるようだ。
ところで、コメンターのアセアンさんからこんな質問があった。

化学兵器・・ってな話は何時頃から、特定されたんでしたっけ? 大量破壊兵器・・・ってだけ言ってませんでした? 化学兵器に関しては、経年劣化(なんてもんじゃない、もっと短期間で劣化したと思いますし、その程度の技術力だったのは自明なんですが)・・・

アセアンさんの疑問は二つに別れる。
1)化学兵器は大量破壊兵器に含まれるのか?
2)劣化した化学兵器は危険なのか?
イラク戦争反戦派が自分らの都合のいいように規則を書き換え続けるので、アセアンさんがこんな疑問を持つのも無理はない。だが、化学兵器はれっきとした大量破壊兵器であり、化学兵器が大量破壊兵器であるという規則は第一次世界大戦の時、ヨーロッパでマスタードガスが使われた頃から国際社会で規定されたものなのである。

NBCR兵器
* N (Nuclear) – 核兵器 A(Atomic)兵器とも呼ばれる。原子爆弾、水素爆弾、中性子爆弾など。 (中略)
* B (biological) – 生物兵器 細菌兵器(細菌、ウイルス、それらを媒介する宿主生物を含む)など
* C (chemical) – 化学兵器 毒ガス、枯れ葉剤等の薬物、薬品、毒物などこれはハーグ陸戦条約にて使用が禁じられている。
以上をまとめて、NBC兵器もしくはABC兵器と呼ぶ。
* R (radiological) – 放射能兵器 (略)
以上をまとめて、NBCR兵器と呼び、大量破壊兵器という場合、通常はこれをさす。

化学兵器が大量破壊兵器のなかには含まれないという見解は、2年くらい前だったか微量の炭疽菌を含む砲弾が発見された時にイラク戦争反対派がいい始めたことであって、これは発見されたものが大量破壊兵器などと呼べるような代物ではないといって笑に伏すために、彼等が言い出した偽りである。
大量破壊兵器が何かということは国際社会できちんとした取り決めがあり、大量破壊兵器に含まれるのは、核兵器、化学兵器、生物兵器がある。2003年に行われたCIA査察団の報告書でも、カテゴリーはこの三つに別れて報告されている。今回発見された炭疽菌、マスタードガスは、れっきとした化学兵器であり、全く同一の武器で5500人のクルド人がいっぺんに殺されたことがある。その時使われたのはたった15砲弾。イラクで発見されたのはその33倍の量の500砲弾である。これは備蓄というにふさわしい数量である。
同一の化学兵器で殺されたのはクルド人だけではない。シーア派や、イラン兵も、サリンやマスタードで何万人も殺害されているという事実を忘れてはならない。
では、短期間で劣化するような科学兵器が危険なのかという疑問だが、この劣化というのがくせ者で、いったいどの程度の劣化なのかがはっきりしていない。また、発見された武器は温度や湿度の調整のされた場所に保管されていたものもあり、明らかにその性能を保つ努力がされていたことも分かっている。昨日も発見された化学兵器は一般家庭の納屋にあるような無害なものだとカリフォルニアの民主党議員がいっていたが、納屋にある殺虫剤を大量に砲弾に詰め込んで打ち込まれたとき、彼女が防御服なしてつったっていられるかどうかお聞きしたいものだ。
問題は発見された武器が今の状態で危険かどうかということではない。またフセインイラクが化学兵器の性能を保つ技術を保持していたかということでもない。重要なのはフセインイラクがそのまま放置された場合、彼が自由世界に危険を及ぼす可能性があったのかどうかということだ。
湾岸戦争が終わった段階で、国連は停戦条約のひとつとして、すでに所持している大量破壊兵器の全てを破棄し、今後も大量破壊兵器の開発を完全にあきらめることをフセインイラクに義務つけた。にもかかわらずフセインが核兵器開発を全くあきらめていなかったことはすでに発見された数々の書類や亡命者からの証言ではっきりしているし、それに加えて所持していた化学兵器を故意に国連査察団から大量に隠していたことも今回はっきりしたのである。
つまり、ブッシュ大統領がフセインが国連の条例に違反していると公言したことはすべて正しかったのである。
ではなぜブッシュ政権はこのことを大々的に発表しなかったのか? なぜ国家機密にしたまま今まで隠しておいたのか? 考えられるのは、ブッシュ政権はイラク国内にまだまだこのような生物/化学兵器が隠されていると考えている。だからその存在や発見された場所などをあまり詳細に発表してしまうと、隠されている兵器がテロリストや抵抗軍の手に渡る可能性があるという危惧があったからではないだろうか。
何にしても、ことの詳細は追って明らかになることであろう。むろんアメリカのメディアは完全無視を決め込むだろうから、この問題が闇から闇へ葬られないよう我々ブロガーが常にこの話題を取り上げる必要がある。今後もいろいろな事実があきらかになるにつれ、ここでも読者の皆様に紹介したい。
今回アセアンさんがして下さったように、みなさんからの質問をお待ちしているので、どうぞご遠慮なくコメントされたし。


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やっぱりあった大量破壊兵器!!!!

いやはや長い間ブッシュ大統領の政策を支持して、反戦派に「ブッシュは嘘をついて我々をイラク戦争に導いた」といわれながら、「大量破壊兵器は絶対にある!」といい続けてきた甲斐あって、ついにイラクではすでに大量破壊兵器がイラク戦争以後大量に発見されていたという事実が明らかになった。
昨日夜おそくアメリカ上院議員のリック·サントラム氏とピーター·フークストラ氏が記者会見をおこない、2003年からこれまでにかけて500体のサリンとマスターガスの入った砲弾が見つかっていたことが、今回国家秘密が解除された書類から明らかになったと発表した
みつかった化学兵器は1991年以前のものと思われ、かなり崩壊して質のおちたものとなっていたようだが、湾岸戦争当時まで所持していた大量破壊兵器はすべて国連にその在庫を報告し破棄処分にするという、湾岸戦争の停戦条約をフセインイラクが完全にやぶっていたことがはっきりした。
また、これらの化学兵器は、国連の二回にわたる査察によって発見されなかっただけでなく、戦後のCIAによる二回にわたる視察団によってすら発見されていなかった。これはパトロール中のアメリカ軍がイラク各地に散らばっていたものを偶然発見していたものだったのである。
反戦派のアメリカ民主党がことあるごとに、大量破壊兵器はなかった、ブッシュは嘘をついていた、と騒ぐ度に私はいつも同じ疑問を投げかけていた。「一度存在していた大量破壊兵器が、破棄された痕跡もないのにイラクで発見されないのはなぜか?」
この答えには三つの可能性があった。1)戦争直前に国外に移動された、2)国内のどこかに小規模に分散されて隠されている、3)1)と2)の両方。1)に関してはロシアの特別部隊がWMDをシリアへ移したという話がある。ブッシュ政権はこのことについてかなりの詳細情報を握っていると思われるが、イランの件でロシアの協力がいるためあえて情報を公にしていないという説もある。
だが少なくとも今回の発表によって、2)が確実に行われていたことが判明したわけだ。
にもかかわらず、大量破壊兵器はどこにあるんだあ! と大騒ぎをしていたアメリカメディアの反応はかなり冷たい。まずほとんどの主流メディアが記者会見の模様を報道しなかったということからしてあきれる。今日になってもAPも、ロイターも、ニューヨークタイムスも、ロサンゼルスタイムスも大手新聞は完全無視をきめこみ、わずかに報道した新聞でもこんなもの大量破壊兵器とはいえないとか、古すぎて話にならないとか、ほとんどまじめにとりあう気持ちがないようだ。
この話は911がアメリカの自作自演だったなんてでたらめ陰謀説を唱えているようなブロガーたちから出た話ではない。かりにも諜報委員会の上院議員が公式発表しているのである。大量破壊兵器がイラク戦争の大義名分だったといいきっていたアメリカの主流メディアが完全無視ってやりかたはないだろう。
これに加え、2003年以後イラクでCIA視察団が発見してずっと秘密になっていた書類が、最近一般公開されたが、アラビア語で書かれているため、アメリカのブロガーの間で必死に翻訳がされている書類などによると、イラクでは大量破壊兵器の開発はずっと続行されており、その隠避工作がされていたこともあきらかになってきている。それだけでなく、フセインイラクとアルカイダとの深い関わりを証明する書類もどんどん公開されてきている。
これについてイラク戦争反対派の今後の戦略は、まず無視、それができなければ発見を過小評価する、といったやりかたで、主流メディアを味方につけている反ブッシュ派には不公平なほどの力がある。
それにしても苛立つのはブッシュ政権ののんぴりした態度である。このような事実を持っていながら、なぜ今まで黙っていたのだ? なぜ反戦派が好き勝手なことを言って政権を侮辱し我々参戦派にみじめな思いをさせながら、これまで何もいわなかったのだ? 私にはどうもその辺のブッシュ政権のやり方が納得できない。
アメリカの主流メディアが報道を拒絶しているから、日本のメディアも無視している。日本はアメリカに特派員はいないのか? 独自の調査はできないのか? 全く情けない。


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戦争を知らない戦場記者たち

このイラク戦争では、世界各国から非常に多くの特派員がイラクへ送られている。大手メディアが派遣した記者もいれば、フリーのジャーナリストもいる。だがこれだけ多くの記者が現場にいるにも関わらず、イラクから聞こえてくる報道はどうも頼りない。イラクにいる海外特派員の多くが反戦派で米英軍に対して少なからぬ反感と偏見をもっているということも原因のひとつではあるが、もっと基本的な段階で記者たちが戦争や軍隊のなんたるやに関して全く無知であるということがいえる。
日本は第二次世界大戦後、徴兵制度どころか軍隊そのものがなくなってしまったから、現在日本では全く戦争を知らずに育った世代がすでに三代目の時代になっている。アメリカでもベトナム戦争中から徴兵を避ける傾向が高くなり、大学へ行ったり一時海外へ脱出するなどして徴兵を免れた人が少なくない。ということは実質的に家族や親戚隣近所に必ず数人の軍隊体験者がいた時代は日本もアメリカもとうの昔に終わっているということだ。
その結果、イラクへジャーナリストとして派遣された多くの記者が、自分自身に軍隊体験がないばかりでなく、親戚や友達のひとりとして軍隊など全く縁がない。だから軍隊がどのように作戦をたて、どのように任務を果たすか、闘争ひとつひとつがどのように関連があるのかなどということは全く理解できない。そんな記者の報道をみても我々視聴者が得る情報は、あっちで戦闘があった、こっちで戦闘があった、という部分的なことだけで、全く全体像を知ることができない。これではいったいイラク戦争で連合軍は勝っているのか負けているのか全くわからない。
この間どっかの掲示板をロムしていて、「哀れな米兵」という題でアメリカ軍が日陰で休んでいる写真を紹介している投稿者がいた。この写真は4〜5人の米兵が砂まみれになって疲れきった様子でお互いの肩によりかかる体で座っている姿を写したものだった。私はこの写真をみて「哀れ』という印象を受けたこの投稿者こそ哀れなほど無知だなあと思った。いったいこの人間は戦争とはどんなものだと思っているのだろう? どこの世界の戦争で清潔な制服をきた兵隊が冷房のきいた事務所で「戦っている」と考えているだろう。ま、彼は一介の掲示板投稿者だからと片付けてしまってもいいのだが、米軍に従軍している記者ですら程度の差こそあれこれに似たようなひしゃげた米軍像を報道している。戦場で自分らのおかれた環境について文句をいってる兵士らを目にすると、すぐに士気が落ちていると報道してしまう記者は少なくない。
だが私は知り合いの軍人がエアコンの効いたオフィスでコンピューターとにらめっこしながら、ぶつぶつ文句をいっているのをしょっちゅう耳にする。任期の終わりが迫ってくるとやめる日が待ちきれないといって指折り数えている兵士もざらにいる。ところがそういうひとたちに限って任期が切れると再入隊しているのである。今回の戦争でも戦闘体験のある戦士が戦場で再入隊するなどということがいくらも起きている。
軍人には軍人の文化というものがあり、軍人同士にしか分からないブラックユーモアがある。これを民間人が普通にきいているとなんだか空恐ろしいことをいってるように聞こえたり、戦争には嫌気がさして士気が完全に衰えているなどという印象を受けたりするものだ。
この間海兵隊員が作詞作曲で歌っていたハージガールという歌について、アメリカのイスラム教市民団体が悪趣味だといって大騒ぎをした。歌詞の内容は海兵隊員がかわいい地元女性の誘いにのって彼女の家まで出かけていくと、女性の父兄から待ち伏せ攻撃をうけたので、女性の妹を盾にして銃撃を避けたというもの。 確かに幼い子供を盾にしたなんて歌詞は趣味が悪い。しかし軍人らの話を聞いているとアメリカ本土での訓練中にジョギングの音頭取りに使われる歌のほうがよっぽども悪趣味だということだ。ミスター苺が海軍の基礎訓練の時に習った放送禁止用語だらけのわいせつな歌を歌ってくれたことがあるが、とても公に掲載できるような内容ではない。若い海兵隊員たちが冗談で作った歌を自分らの仲間同士で楽しんでいるだけなのに、それをいちいち悪趣味だ、人権迫害だどと騒ぎ立てる方が不粋というものだ。
戦場へ派遣される特派員はこの程度の最低の予備知識ぐらい勉強していくべきではないのだろうか。どんな一流大学を卒業していようと、どんな記者クラブに所属していようと、戦争のなんたるかも理解できずにどうやって戦場記者が勤まるというのか、もっと謙虚な姿勢で取り組んでほしいものだ。


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ハディーサ疑惑: 怪しげな証言続く

ハディーサ事件については私はここここに意見を書いてきた。
今日になって毎日新聞の独自の調査による報道があったので、この記事をちょっと分析してみたい。
この「<イラク虐殺疑惑>民間人の遺体から米海兵隊装備の銃弾』と題する見出しで始まる記事では:

…ハディサ病院のワヒード院長はこのほど、「被害者(民間人)の遺体から海兵隊が装備する銃弾が見つかった」と証言した。毎日新聞の依頼で現地入りしたイラクの「アルシャルキヤ・テレビ」のアフサン記者に語った。また別の医師は、海兵隊が医師らに「かん口令」を敷いていたことを明らかにした。

ワヒード院長は「米軍とトラブルを起こしたくない」と当初は証言を拒んだ。しかし「これだけは言っておきたい」とした上で、複数の遺体から海兵隊装備のM4カービン銃の銃弾が発見されたと明らかにし、「これは事故ではなく犯罪だ」と強調した。
米軍は昨年11月、海兵隊車両近くで路肩爆弾が爆発し、海兵隊員1人とイラク人15人が死亡、交戦で武装勢力8人を殺害したと発表した。その後疑惑が表面化し、現在海軍犯罪調査局が調査を続けている。
米軍発表は武装勢力を殺害したとしているが、民間人の複数の遺体からもM4カービン銃の銃弾が発見されたとの証言は、米軍の虐殺を裏付けるものだ。同院長は米タイム誌に「ほとんどの被害者は至近距離から頭や胸を撃たれていた」と述べている…

まずこの記事を読んでいて一番最初にしなければならない質問は、この医師の証言がどれだけ信用できるものなのかということだろう。彼はが反米のテロリストの仲間であったり、そうでなくてもおどかされたりして嘘をいっている可能性はないのだろうか?
次の質問は医者は遺体から取り除いた銃弾はどうしたのだろうかということだ。米軍はこの件について今も調査中だが、このような物的証拠は非常に大切なものだ。調査官にきちんと渡したのだろうか。ジャーナリストたるもの、医者が銃弾をもっているなら、見せてくれと頼んで写真くらいとるべきだが、この記者はそれをしていない。つまり、本当にこの銃弾があったのかどうかさえ確認できないわけだ。
それからこの医者は銃弾はM4カービン銃だと断定しているが、M4でもM16でも銃弾の型は全く同じ。それをあえてM4と特定する根拠は何なのだろうか。一介の田舎医者にこの銃弾がM16ではなくてM4から発砲されたものだなどということが判断できるのか? 海兵隊がもっているのがM4と知った上で想像でいっているだけなのでは? 
この記事のなかで一番気になる点は、『民間人の複数の遺体からもM4カービン銃の銃弾が発見されたとの証言は、米軍の虐殺を裏付けるものだ』というところだ。この文章のひとつまえに毎日新聞は『(海兵隊は)交戦で武装勢力8人を殺害したと発表した』と記述している。海兵隊の報告では海兵隊との銃撃戦で犠牲者が出たということは明記されているわけで、この医者が検査した遺体が米兵と銃撃した武装勢力であった可能性は十分にある。また、現場にいた海兵隊員の証言では、武装勢力との交戦で一般市民が巻き添えになったとあり、この遺体は巻き添えになった市民のものであるという可能性もある。つまりこれだけでは毎日新聞が言うような『虐殺を裏付ける』ものとは決していえないのである。
それから記事のあとのほうで、同病院の医師たちは海兵隊員2人から事件について口止めされたとあるが、その指示をされたという医師たちは匿名だし、指示を出したのが当事者のキロ中隊なのか、別の部隊なのかさえ確認できていない。
はっきりいって、この毎日新聞の記事には、全く内容がない。ただ単に病院の医師が確認できない証言をしているだけで、物的証拠も状況証拠も全くそろっていないのである。
これが普通の犯罪取り調べならば、一番簡単で確実なやりかたは、遺体を掘り起こし遺体の何人が爆弾によって殺され何人が銃殺されたのかを確認し、銃殺された遺体の傷口を調べそれが至近距離からうたれたものなのか遠くから流れ弾にあたったものなのか、交戦の巻き添えになったものなのか確認することだ。傷口への角度などからそのような調査は容易にできるはずなのである。
そして実際に医師が取り出した銃弾が犠牲者の体から出たものなのかどうかDNAで鑑定し、それが本当に海兵隊員が所持する特定のM4から至近距離で発砲されたものであるということが確認できたら、そこで初めて海兵隊員による虐殺が裏付けられるのである。
そのくらいの常識を毎日新聞が分からないはずがない。にも関わらず疑わしい医師の証言だけをもとにして、米軍兵を有罪扱いする毎日新聞の報道のしかたには強く憤りを感じる。


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ザルカウィ退治から得たもの

この間のザルカーウィ退治の前から始まったアメリカ軍とイラク軍によるテロリストへの掃討攻撃作戦は凄まじいものがある。

American and Iraqi forces have carried out 452 raids since last week’s killing of terrorist leader Abu Musab al-Zarqawi, and 104 insurgents were killed during those actions, the U.S. military said Thursday.
(訳:アメリカ軍は木曜日、アメリカとイラクの連合軍は先週のテロリストリーダーアブムサブ·ザルカーウィ殺害以後452件の手入れを行い、その間に104人の抵抗軍兵が戦死したと発表した。)
Maj. Gen. William Caldwell, a U.S. military spokesman in Baghdad, said the raids were carried out nationwide and led to the discovery of 28 significant arms caches.
(アメリカ軍バグダッドにおける米軍報道官のウィリアム·コールドウェル陸軍少将は、掃討はイラク全土に渡って行われ、28か所の武器庫が発見されたと語った。)
He said 255 of the raids were joint operations, while 143 were carried out by Iraqi forces alone. The raids also resulted in the captures of 759 “anti-Iraqi elements.”
(コールドウェル少将によると、255件は米イラクの合同作戦で、143はイラク軍だけの単独行動だったという。また手入れによって759人の「反イラク勢力」が捕まえられた。)

ということはここ数日で863人のテロリストが排除されたというわけだ。お手柄だね、イラク軍もアメリカ軍も。
さてさてこれらの手入れで連合軍が奪った戦利品は武器弾薬だけではない。ザルカーウィが使っていたと思われるコンピューターのサムドライブも押収され、そのなかに非常に貴重な情報がぎっしりつまっていた。(このサムドライブ、ふっ飛ばされたテロリストのポケットに入っていたというから驚く。)
そこで見つかったある書類によれば、ザルカーウィらは執拗なアメリカ軍による攻撃の標的を他へ移すため、アメリカでテロを行ってイランがやったという「証拠」を残すことでアメリカにイランを攻撃させようなどと企んでいたという。またアメリカがイランと戦争をはじめれば、イラク国内でのシーア派のアメリカとの信頼関係も悪化すると考えたらしい。これはナジャフで、イランの飼い犬サドルが行った反乱からヒントを得ていたようだ。

バグダッド(CNN) イラク政府の国家安全保障担当顧問、モワファク・ルバイエ氏は15日、記者会見し、テロ組織「イラク・アルカイダ機構」の構成員の潜伏先を複数急襲し、組織のネットワーク、幹部、武器秘匿、会合、作戦実施などに関する情報が含まれた重要なディスク、書類などを押収、「同組織の終焉(しゅうえん)が始まった」との見方を示した。

コンピューターも押収したとしている。掃討作戦のことを考え、これら重要書類の内容は段階的に公表するとしている。入手した情報を基に、隠れ家などを急襲、同組織のメンバーはいずれも不意打ちをくらっていると述べた。

同書類のなかには、アメリカ軍によるイラク軍の訓練がどれだけアルカイダに痛手をおわせていたかも綴られているという。つまり、ザルカーウィはイラクのアルカイダの敗北をひしひしを感じ、作戦を変更することによって生きのびようと躍起になっていたというわけだ。ブッシュ大統領が何度もいっていた、この道筋をそのまま突き進むという作戦は非常な効果をあげていたということになる。
これからもこの戦争は山あり谷だろう。だが長いトンネルの先に少しづつながら希望の光が見えてきた。先日ブッシュ大統領の電撃イラク訪問でブッシュ大統領がいっていたように、アメリカ軍はイラクを見捨てない。はじめたことは最後までやりとおす。テロとの戦いには辛抱強さが必要だ。

大統領は首脳会談でマリキ首相に対イラク支援継続を表明。首相は「我々はテロリストを打倒する」と述べて、治安の回復と復興への決意を示した。ホワイトハウスによると、大統領の滞在は5時間程度になる見込みで、米軍基地を訪問し、米兵士を激励する。


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疑わしきは罰するメディア その2

昨日も話たように、どうもこのごろのメディアは事情がはっきりしないうちに、自分らの偏向やニュース価値といったものだけを考えて、事実は二の次で報道する傾向がある。昨日だしたガザの浜辺での出来事にしろ、まだ何かが爆発したというだけで、何が爆発したのかも分からない状態で、イギリス、アメリカ、そして日本などの主流メディアはイスラエルの砲弾によってパレスチナ市民が犠牲になったというテロリスト軍団のハマスのいい分をそのまま報道してしまった。
ハディーサで起きたと報道された海兵隊員による一般市民の『虐殺』報道も、ことの詳細がだんだんと明らかになるにつれて、米タイム誌の最初の報道(3/19/06)がでっちあげである可能性がかなり強くなってきた。
最初に誤解のないようにはっきりいっておくが、私はアメリカ軍が戦争中に悪行を絶対に犯さないなどときれいごとをいうつもりはない。イラクに出動したアメリカ兵の数は50万はいるはずで、そのなかに数人不心得者がいたとして全くおかしくない。毎日毎日路肩爆弾で命を脅かされている兵士が、同胞を目の前で殺されて怒り狂ったとしてもそんなに不思議な話ではない。だからもし、本当にアメリカ兵が非戦闘員を虐殺したのであれば極刑に処されるべきであると考える。
だが、まだ事情がはっきりしないうちから、世界のメディアが確認できない目撃者や、自分なりの思惑のあるジャーナリストのいい分を鵜呑みにして、すでにアメリカ兵たちの有罪を決めつけた報道をしていることに私は憤りを感じるのである。
最近になってやっと現場にいたことのある人々の間から、報道された内容は疑わしいという意見が聞かれるようになってきた。
第一海兵連隊第三大隊のリマ中隊のジェームス·キンバー大尉によると、リマ中隊は事件の当事者であるキロ中隊の後任だが、ハディーサ事件については今年の2月に3月19日付けのタイム誌の記事を読むまで知らなかったという。一般市民の虐殺などという話はそれまで毎週行ってきた地元ハディーサ市民との会合でも全く話題にのぼらなかったという。『そんな大事件なら市議会を通じて我々の耳に入ってこないはずはないんですよ。』と大尉は語る。キンバー大尉は別の理由で現在指揮の職を解かれてカリフォルニアのキャンプペンダルトンにて勤務している。
またこの付近で海兵隊に従軍していた記者のなかからも、海兵隊の虐殺行為は信じられないという声があがっている。ハディーサ事件の数カ月前に海兵隊に従軍していたCNNのアーワ·デイモン記者は2005年に何度も海兵隊に従軍してフセイバーからハディーサまで同行したがビルの屋上で飛んでくる銃弾のため身動きできない時でも、海兵隊員はどこから弾が飛んでくるかわかるまで反撃を控えていたという。

I saw their horror when they thought that they finally had identified their target, fired a tank round that went through a wall and into a house filled with civilians. They then rushed to help the wounded — remarkably no one was killed.

(訳:標的が確認でき戦車から発砲した大砲が壁を突抜けた家のなかに一般市民がいたと知った時の海兵隊員たちの恐怖に満ちた顔を見ました。彼等は急いで駆けつけ、けが人の介護をしました。おどろくことに死者はひとりもでませんでした。)

I was with them in Husayba as they went house to house in an area where insurgents would booby-trap doors, or lie in wait behind closed doors with an AK-47, basically on suicide missions, just waiting for the Marines to come through and open fire. There were civilians in the city as well, and the Marines were always keenly aware of that fact. How they didn’t fire at shadows, not knowing what was waiting in each house, I don’t know. But they didn’t.

(訳:私は彼等がフセイバーでドアに仕掛け爆弾が設置されていたり、ドアの影にAK-47をもった抵抗軍が自殺覚悟で海兵隊員が入ってくるのを待ち伏せしているような場所で、海兵隊が家から家へと捜査をするのにも同行しました。市内には一般市民もおり、海兵隊員たちはそのことをしっかり把握していました。各家で何が待っているかも分からない状態だったのに、なぜ動いた影に向かって隊員たちは発砲しなかったのか私には分かりません。でも発砲しなかったのです。)
デイモンさんはハディーサにも行ったが、ハディーサは路肩爆弾がいたるところに埋められており、彼女がいた時もあちこちで爆発していたという。そして抵抗軍は米軍兵をみると一般市民の間に紛れ込んで潜み、米軍がいなくなるとまた顔をだすということを繰り返していたそうだ。自分が従軍していた時にあれだけ自制心をみせていた海兵隊が、突然数週間後に殺人鬼に変ぼうするとはどうしても思えないのだろう。彼女ははっきりとはそう断言してはいないが、まさか、という気持ちが紙面にありありと現れている。
もちろんこれらの人々は事件当時その場に居合わせたわけではないから、まさかあの人たちが、という気持ちだけでは彼等を弁護することはできない。それでは当事者であるキロ中隊にいた海兵隊員はなんといっているのだろうか。当然のことながら彼等は虐殺の事実を否定している。

ワシントン(CNN) 

米海兵隊員らが昨年11月に西部ハディサでイラク民間人を殺害したとされる疑惑について、当時責任者だったウテリック二等軍曹が民間人殺害はなかったと述べ、海兵隊側に不正行為は一切なかったと主張していることが、11日分かった。

同軍曹を担当しているプケット弁護士がCNNに語ったところによると、同軍曹は事件があったとされる昨年11月19日、海兵隊員らが交戦規則や標準作戦要領に従って民家を対象に武装勢力の捜索を行っていたと述べた。弁護士は、これまで報じられていない事実もあるとしている。

この記事には詳しいことは書かれていないのだが、ブケット弁護士がラジオのインタビューで語っていた話によると、当日路肩改良爆弾(IED)によって海兵隊員ひとりと15人の市民が殺された。海兵隊員数名を含むけが人はすぐに避難したが、その後付近の民家から発砲されたため、残った隊員たちが手りゅう弾と小銃を発砲して最初の一軒に押し入ったが、そこにはテロリストはいなかった。隣のうちへテロリストが逃げ込んだ模様だったため、隣の家にも同じようにして入りこんだが結局テロリストは取り逃がした。この時9人の民間人が巻き込まれて死亡した。
いろいろな報道が入り交じっていて混乱するのだが、私がきいた限り、隠ぺいされたという説の根拠になっているのは、海兵隊の当初の報告書では犠牲者はすべて路肩爆弾の犠牲になったとされているのに、タイム誌の記事で銃殺された遺体があったと報道された後、銃殺された犠牲者もいたという報告が発見され、つじつまをあわせるために二つ目の報告書があわててだされたのではないかという疑いだ。
しかし、ウテリック二等軍曹はその場で銃撃戦で民間人が犠牲になったという報告を無線で上官したと証言している。これは報告書が路肩爆弾の爆破の直後に避難した一部の海兵隊員と銃撃戦に居合わせた別の退院とが両方で別々の報告書をだしているからで、別に隠ぺいの証拠でも矛盾でもなんでもないというわけだ。
今の段階で誰のいっていることが正しいのかは分からない。私はタイム誌のでっちあげという説に傾いてはいるが、すべての事実関係がわからないのにそんなことを断言んするのはいくら私が一介のしがないブロガーでも無責任というものだろう。
ましてや世論に影響をだす主流メディアならそのくらいの常識をもって報道してほしいのだが、それはとてものぞめないようだ。 彼等には真実など興味がない。彼等の目的はひたすらアメリカバッシングなのだから。


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ザルカウィの死が意味するもの

何年にも渡ってアメリカ軍を悩ませ、イラク人を殺し続けてきたアルカイダのイラク支部の親分であるアブマサーブザルカーウィがついにアメリカ軍の空爆によって死亡した。

記者会見したケーシー司令官によると、米・イラク軍は7日夕、バクバ北方8キロのディヤラ県ハブハブでザルカウィ容疑者らが潜んでいるとみられる民家を包囲し、同日午後6時15分ごろ空爆。捜索で発見した遺体の一人を指紋照合した結果、ザルカウィ容疑者と確認した。司令官はザルカウィ容疑者のほか7人の遺体を発見したとし、今後の捜索で死者数は増えるとの見方を示した。イラク政府のジバリ外相はAP通信に、今年4月25日に公表されたザルカウィ容疑者のビデオ声明が、潜伏地の特定に役立ったとしている。

ザルカウィ容疑者は03年のイラク戦争後、駐留米軍への攻撃や自爆テロを実行・扇動し、イラク国内でのイスラム教シーア派とスンニ派の対立もあおってきた。04年に香田証生さんが誘拐・殺害された事件でも犯行声明を出した。

ザルカーウィといえば、イラク戦争以前からイラクの北部で、アンサーアルイスラムというアルカイダ系のテログループを組織してフセイン政権の御墨付きをもらって近隣諸国でテロ行為をしていた男だ。イラク戦争が始まってからイラクにアルカイダが潜入したという人々がいるが、実はそうではない。イラク戦争以前からイラクとアルカイダとは深い関係にあった。
ザルカーウィの死を聞いたイラク人たちは町にくりだしてお祭り騒ぎをしていたが、こちらアメリカ国内では、特に民主党が代表する反戦左派の間では、この喜ばしいニュースを過小評価する傾向が見られている。
ラムスフェルド防衛長官の記者会見で、ある記者がザルカーウィの死は、象徴的なのもので実際にはあまり意味がないのではないかというような質問をしていたのにはあきれた。ザルカーウィはカリスマ的存在でビンラデンなんかよりよっぽども実力のある男だった。諸外国にコネがあり、外国人テロリストの志願者をあつめたり、武器弾薬などの調達、資金繰りなど天才的な指導者だった。彼なくしてイラクのアルカイダがこれまでどおりの行動がとれるとは思えない。
しかし象徴としてのザルカーウィの価値も、彼の指揮者としての実力以上に大切だったのかもしれない。ビンラデンにしてもそうだが、イスラム過激派のテロ軍団はなにかとイメージにこだわる。ビンラデンも昔からしょっちゅうアルジェジーラなどをとおしてビデオ声明をだしてみたり、最近でも音声テープを発表したりしてい諸外国に散らばるテロリスト士気高揚の努力に余念がない。ザルカーウィの場合はさすがに世代が若いこともあって、インターネットの力をフルに起用してウェッブサイトで首切りビデオを発表したり、最近では自分の勇ましい姿を報道したりして、アルカイダ、イラク支部の実力を誇示していた。
またザルカーウィの首にには2500万ドルという賞金もかかっており、過去三年間アメリカ軍からの執拗な追跡にも関わらず何度も後一歩という危機を乗り越えながら生き延びてきていた事実もわすれてはならない。彼がアメリカの手からこうやって逃れ続けられたというのも迷信深い過激派テロリストの間ではザルカーウィが神のご加護を受けているからだと信じられていたかもしれない。最近になってザルカーウィが自動小銃を撃っている映像をネットで発表したのも、実際には弱体化しているイラクのアルカイダのイメージを挽回するためだったことに間違いはない。
それがついにアメリカ軍の爆弾によってあっけなく殺されてしまったのである。しかもアメリカ軍の発表によれば、この攻撃は他の17件の一斉攻撃の一部であったというし、ザルカーウィの居場所も手下の密告により明らかになったなどという発表もあり、象徴的な意味でもザルカーウィの手下どもに与えた打撃は大きいはずである。
だが無論、ブッシュ大統領も認めている通り、ザルカーウィひとりが死んだからといって、イラクでのテロがこれで終わるわけではない。すでに仕掛けた爆弾はここぞとばかりにどんどん爆破されるだろうし、復讐心で手下どもが暴れまくる可能性はいくらでもある。しかしながら、私は第2第3のザルカーウィはそう簡単には生まれないと考える。
なぜならばこのような野蛮な集団の頭首は常に下克上を心配しているから、頭のいいリーダーは跡継ぎの任命など総簡単にはしないものだ。特にザルカーウィのような若い男はナンバー2になりそうな者は早い時期に取り除いてしまっていたことだろう。アルカイダ内部にはザルカーウィ亡き後、我こそが首相になるべしと考える幹部格の男たちがうようよいるはずである。ということはイラクの内戦よりもアルカイダイラク支部内部での勢力争いが始まるはずだ。
スンニ派で今までアルカイダに協力してきたひとたちも、これを機にテロ軍団から手を引き、イラク復興へと道をかえるかもれないし、新政府がスンニ派を防衛省の長官としたことも手伝って、テロリストへの取り締まりも厳しくなることだろう。それに内部争いなども加えれば必然的にイラクのアルカイダは勢力を失うはずである。
アルカイダ、イラク支部との長い戦いにもやっと希望の兆しがみえてきたといえる。


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ハディーサ事件:それぞれの思惑

アップデート: 2012年1月24日:2005年11月、イラクのハディーサで24人の一般市民を海兵隊が虐殺したとして8人が殺人や証拠隠蔽の罪に問われていた所謂(いわゆる)ハディーサ裁判。実際に犯罪が起きたという事自体が疑惑とされ、すでに8人の被告中7人までが無罪もしくは起訴棄却で全く罪に問われずに終わっている。最後に残った8人目の被告、フランク・ウーテリック一等兵曹(Staff Sgt.Frank Wuterich)がこの度「職務怠慢」の罪を認めることによりアメリカ軍人に対する最長の裁判の終幕となった。
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ここ数日、去年の11月にイラクのハディーサにて米軍海兵隊員が非戦闘員20余名を虐殺したという疑惑がメディアの間でさかんに取り上げられている。米軍当局はいまだ捜査中だが、私はなにかにつけてアメリカ軍を悪者にしたがるアメリカメディアをはじめ、その尻馬にのって騒ぎ立てる欧州や日本のメディアにはかなり苛立ちを感じている。ことの詳細が全く分からない状態で、すでに主流メディアはアメリカ軍の有罪を決めつけている。疑わしきは罰せずという民主主義の基本はどこへやらである。
これまで報道された記事によれば、去年の11月ハディサをパトロール中の海兵隊の装甲車が路肩改良爆弾(IED)によって爆破され、海兵隊一人が死亡した。海兵隊の当初の報告ではその他の爆弾によって市民が犠牲になったとあった。しかしその後、タイムマガジンのイラク人記者が24人の犠牲者は爆弾によるものではなく、復讐にもえた海兵隊員によって銃殺されたもので、その証拠として銃殺された遺体のビデオテープがあると報道した。これに加えて米軍の捜査経過の詳細を研究したとして民主党の下院で反ブッシュのマーサ議員があちこちのテレビ局で海兵隊員が一般市民を虐殺した証拠があると発表した。下記はABCがおこなったマーサ議員のインタビューの記事を訳したもの。(翻訳:妹之山商店街さん)

マーサ議員:IEDが爆発したんです…毎日外に出る度にIEDが爆発するんです…ですから毎回プレッシャーが高まっていく訳です。この場合はIEDが爆発し、海兵隊員一人が死亡。そこにタクシーがやって来て、中には四、五人が乗っていました。武装していなかったのですが、この人達を射殺しました。その後、民家を襲撃して人々が殺害したんです。女性の一人は、海兵隊の人から話を聞いた所、子供をかばって命を助けてくれと懇願したにも関わらず射殺したということです。更に気になるのはイラクの人達はこのことを知っていたということなんです。家族に補償金を支払ったからです。それに加え、隠蔽工作が行われたんです。間違いありません。最初この人達はIEDで死亡したと言ったんです。翌日調査の為に要員が派遣されました。ところがそれについて何の報告も行われず、三月になってタイム誌がこれを伝える時誰も何が起こったのかを知らなかったのです…

質問:写真や画像証拠があるとのことですが、本当ですか
マーサ議員:その通りです。捜査を担当した人とイラク側の証拠を入手しました。何が起こったかについては、疑いようがないんです。問題は、誰が、何故、隠蔽工作をしたかということなんです。何故明らかになるのに半年も掛かったんでしょうか翌日調査を行い、ニ、三日後にはこの人達が殺害されたことが分かっていたんです。

まだ米軍による調査がすんでもいないのに、何が起きたかは間違いないとか、隠ぺいが行われたとか適当なことを良く言えたものだと思う。問題なのはマーサ議員があらゆるニュース番組にはしご出演してこのような発言をしていた時、マーサ議員はまだ軍当局から捜査結果の報告を受けていなかったということだ。マーサ議員はタイムスの記事を書いたイラク記者の報道をそのまま鵜呑みにして事実確認もせずに米海兵隊を有罪と決めつけ軍当局が隠ぺいしたと言い切っているのである。
ところでこの問題の記事を書き、生存者のビデオインタビューをし、証拠となる遺体のビデオを撮ったというこのアリマシハダニ記者というのがどうもうさん臭い男なのだ。このアリマシハダニ記者は(Ali Omar Abrahem al-Mashhadani)はついこの間までテロリズムの疑いで五か月もアルグレーブ留置所に拘留されており、この1月に釈放されたばかりだった。彼が無実なのに拘留されていたのだとしたら、アメリカ軍に恨みがあるだろうし、有罪だったのならテロリストの仲間としてアメリカ軍を陥れるような記事を書いたとしても不思議ではない。どちらにしても彼のなかに何かしら作為があった可能性は大きい。
しかも人権擁護団体名目で売り出しているハムラビという市民団体の創設者とこの記者は同じ名字でもある。このハムラビこそがハディーサで虐殺があったと最初に訴えはじめた団体なのだ。どうも偶然にしては不思議な話。
またハディーサで犠牲者の遺体を検査したというオベイディ医師だが、(Dr. Walid Al-Obeidi)これまでにも自分が去年の10月に米軍に捕われて拷問を受けたと訴えた過去がある。実際に米軍に拷問を受けたとすれば米軍に恨みがあるだろうし、受けていないのにでたらめをいっていたとしたら、でたらめをいう前科のある医師だということになる。 (資料:Sweetness and Light)
つまり、この話をはじめた記者にしろ、証言者としての医師にしろ、その話を根拠もないのにひろめているマーサ議員にしろ、どうも信用できない解説者ばかりなのである。このような頼りない事実をもとにして、海兵隊員を有罪と決めつけてしまうのはどうも早まり過ぎではないだろうか。
もし本当に海兵隊員がこのような非人道的な行為をしたというのであれば、彼等は軍法会議の末極刑に処せられるべきである。しかし事実関係がはっきりするまでは、有罪無罪の判断をするのはまだ控えるべきである。だが、マーサ議員が隠ぺいがあったといいきってしまった以上、今後の捜査で海兵隊員が無実だったという結果がでても、隠ぺいの疑惑は根深く人々の気持ちに植え付けられてしまったことだろう。マーサ議員はアメリカの対イラク戦争をどうしても失敗させたいようだ。
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