911ドラマ、『911への道』を観て、、

クリントン元大統領や民主党議員たちがABCテレビ局製作のPath to 911(911への道)放映を阻止しようと躍起になったにも関わらず、ABCは多少の編集をしただけでほぼそのまま放映した。

全編は四編に別れた5時間ものなので録画して三日に分けて観た。私はここ数年911について非常に興味があったことでもあり、ドキュメンタリーを見たり、関係書類を色々よんだりしているので、このドキュドラマで描かれた歴史的事実についてはほとんど全て知っていたが、それでも改めて驚かされる場面もあった。全体的に事実に基づいた正直な作品になっていると思う。

ただ、ドラマであるから主人公のFBI役員のジョン·オニールや若いCIA工作員のカーク(仮名)らが英雄的にかなり美化されている点はある。特にクリントンのテロ対策委員だったリチャード·クラーク氏はちょっとかっこ良すぎる。(笑)しかしクリントン大統領をはじめ、オーブライト官房長官や警備アドバイザーだったサンディー·バーガーなど、自分の政治生命を守ることに必死で国の防衛など後回し、彼等の優柔不断で無責任な態度をよくまあABCがあそこまで描けたものだと驚くとともに感心してしまった。

特にビンラデンの家を北同盟の戦士と一緒に囲んでいたCIA工作員たちが、ホワイトハウスからの最終許可を得られずみすみすビンラデンを取り逃がしたシーンなどはみていて歯がゆいったらない。北同盟のリーダーは「アメリカには最新の武器はあるが、誰も戦争をする度胸がない」とCIA工作員に食って掛かるシーンは印象的だ。
また別のシーンで、ビンラデンの隠れ家を無人飛行機に備えられたカメラでとった航空写真を北同盟のリーダーに見せるシーンでは、「我々が欲しいのはビデオでもミサイルでもない、ジープやヘリコプターだ。」アフガニスタンがソ連と戦っていた時はアメリカは何でも用意してくれたと彼は言う。「レーガンは解っていた」ABCのドラマが、当時メディアに目の敵にされていたレーガン大統領についてここまで言うとは驚きだ。(注:レーガン大統領、共和党、1980年〜1988年)

前半の終わりで1993年の第一貿易センターテロの首謀者で911テロ計画の首謀者だったラムジーユーセフが逮捕されるまでの過程はまるでスパイ大作戦でもみているようで興奮する。ユーセフを裏切った男が合図をしてCIAエージェントたちが一斉に建物に押し入る図などは見ていてすかっとする。もしこれがフィクションの映画なら、ここで悪者が退治され「めでたし、めでたし」で終わるところなのだが、実際にはユーセフの計画はすでに後戻りできないところまで進んでいた。現実の悲劇である。

前評判では後半はブッシュ大統領への批判がかなりひどくなるという話だったが、クリントンの8年と比べてブッシュはたった8か月。最初の頃はブッシュ政権のテロ政策はクリントンの政策をそのまま継続していただけなので、FBIがCIAから情報をもらえずに苛立つ場面などは、ブッシュへの批判というより融通の利かない組織への不満であるように受け取れた。

911が近付いてくるに従って、アルカエダ工作員たちの活動は盛んになった。彼等が動けば動くほどアメリカ各諜報組織はそれぞれ色々な情報を手に入れる。だがCIAは情報過多で盗聴した膨大な量のアラビア語の交信が英語に訳せなかったっり、とった写真の意味を分析する人間がいなかったり、なにかが起きると分かっていても予算不足で動きがとれない。FBIはFBIで、テロをおっていたジョン·オニールが組織内部の勢力争いに破れて辞任。移民局は違法滞在をしていた911テロリストの一人を一旦逮捕はするものの持っていたコンピューターの捜索許可が降りずみすみす証拠を手放す。民間の飛行訓練所の講師らがテロリストたちの態度がおかしいとFBIに連絡をとるが、それが上まで伝わらない。飛行場で関税の役員が怪しげなサウジ人の入国を拒否して送り返すが、このリポートはどこへもいかない。

とにかくあらゆる場所で点が無数に集められていたにもかかわらずこれらの点が結びあって線とならないまま、911が迎えられる。

あれだけ貿易センターのテロリスト追求に躍起になっていたオニール氏は、FBI引退後貿易センターの警備責任者としてあの日もビル内部で働いていて果てる。アメリカ国内でひどいテロが起きるのを防ぐために過去10年近くも働いていた彼にはさぞかし無念だったことだろう。

このドラマのメッセージは明白だ。我々は1993年以来、いやもっと以前からイスラム過激派のジハーディストらと戦争状態にあった。ただ我々は2001年の9月11日まで一部の諜報部員たちを除いて大統領から一般庶民にいたるまで全く気が付いていなかったのである。911は我々の無知と無策と油断のたまものだ。

911は我々には苦い薬だった。だがこの薬が911以後生かされたのかどうかは、保守派とリベラルでは完全んい見解が異なる。だがひとつだけ確かなことは、我々は常にジハーディストたちと戦争状態にあるということを忘れてはならないということだ。敵の目的はただひとつ、我々の世界を破壊しジハーディストの理想の世界を作ることにある。そのためなら彼等は手段を選ばない。そのような敵と戦っているということを我々は常に念頭において行動すべきである。

なぜなら我々が一時でもそれを忘れれば、そのときこそ911事件が繰り返されるからだ。
無策無能だったクリントン大統領が放映阻止をしたがったのも納得がいく。


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合点いかない米上院の戦前イラク情報全面否定

私はイラク戦争が始まる前から、イラクには大量破壊兵器はある。フセインはアルカエダと深いつながりがあると主張してきた。だからこのような記事を読むと、絶対にそんなはずはない、何かおかしいと思ってしまう。とにかく先ずは今日の読売新聞から読んでみよう。

米上院報告書、イラク開戦前の機密情報を全面否定

 【ワシントン=貞広貴志】米上院情報特別委員会は8日、イラク戦争の開戦前に米政府が持っていたフセイン政権の大量破壊兵器計画や、国際テロ組織アル・カーイダとの関係についての情報を検証した報告書を発表した。
 報告書は「フセイン政権が(アル・カーイダ指導者)ウサマ・ビンラーディンと関係を築こうとした証拠はない」と断定、大量破壊兵器計画についても、少なくとも1996年以降、存在しなかったと結論付けた。
 ブッシュ政権が2003年当時、中央情報局(CIA)などの情報をもとに挙げた開戦理由がことごとく覆された形で、米軍イラク駐留の是非をめぐる論議にも影響を与えるとみられる。
 報告書によると、今年6月に米軍の攻撃で死亡したヨルダン人テロリスト、アブムサブ・ザルカウィ容疑者が02年5月〜11月にバグダッドに滞在していたことは確認されたが、元大統領フセインは保護するのでなく、逆に所在を突き止め、拘束しようとした形跡があるとしている。さらに、フセインはアル・カーイダを警戒し、幹部との会合を拒否していた事実も確認された。
 イラクの大量破壊兵器計画についても、パウエル国務長官(当時)が国連安全保障理事会で説明した移動式の生物兵器製造施設や、ウラン濃縮用とされたアルミ管の疑惑を全面否定した。
 報告書を受け、民主党のカール・レビン上院議員は「ブッシュ・チェイニー政権の民意を欺く偽計が明るみに出た」と政権批判を強めた。
 これに対し、ホワイトハウスのスノー報道官は「新しい事実は何もない」と静観の構えだが、報告書は、イラク戦争を最大の争点とする11月の中間選挙の論議に一石を投じることになりそうだ。
(2006年9月9日10時53分

読売新聞の記事はだいぶ決定的な書き方をしているが、実際の報告書はそこまで『全面否定』などしていない。ミスター苺が、上院の150ページからなる報告書を午後いっぱいかけて読んだとのいうので、彼の分析を借用させてもらおう。
上院の報告書はまるで木を見て森をみずというもので、一歩下がって全体像を見ようという姿勢が全くない。ザルカーウィとフセインの関係に関する部分はその典型である。
サダム·フセインがアルカエダと特にアンサーアルイスラムのムサブ·ザルカーウィがフセイン政権にとって「脅威」であると考えていたことは確かだ。だがそれはフセインがザルカーウィを取り除こうとしたという意味でもなければ、ザルカーウィを匿っていなかったという意味でもないし、ましてや機能的な協力関係がなかったという意味でもない。
1940年代にアメリカ人の多くが共産主義の脅威を感じながら、ルーズベルト大統領がヨセフスターリンの共産政権と手を結んでヒットラーと敵対するのを支援したではないか。友は近くに敵はもっと近くに保てというように、敵を脅威とおもうことと、敵と同盟を結ぶこととは必ずしも矛盾しないのである。
具体的に話そう。
2005年の10月にCIAが「(イラク)政権はザルカーウィやその仲間の行動を黙認したり、擁護していた事実はない」と報告書を提出したのは事実である。だが、だからブッシュ大統領が戦争をする際に国民や世界に嘘をついていたという結論は理論の飛躍も甚だしいというものだ。
この報告で、CIAは2002年に結論付けていたフセインがザルカーウィの北のクルド地方での存在を黙認していたとの自らの報告を覆すことになる。報告書には2002年10月、フセインはある外国政府から(多分アメリカから)ザルカーウィとその側近の4人を逮捕しアメリカに引き渡すようにと要求されたとある。アメリカからの占領をさけようと必死になっていたフセインはイラク諜報部に書面でアンサーアルイスラムのメンバー5人を逮捕するように命令したとある。
だが実際にこの命令が執行されたという記録はない。これはおそらく書類の命令は単に外国政府へのみせかけであって、口頭では真剣に取り扱うなという命令が同時にされたからであろう。低位の工作員が命令を受けたがこの工作員がアンサーアルイスラムのアジトへ行ったかどうかさえ定かではない。
もしフセインがザルカーウィのグループはイラクにとって危険な存在だと感じ全く関係ももっていなかったのだとして、本当にザルカーウィをとらえたかったなら、なぜイラク諜報部の工作員たちをつかってアンサーアルイスラムに潜入していなかったのだ? このような潜入の話は上院報告書でも取り上げられて入るが、ザルカーウィ捕獲になんらかの役目を果たしたことは全く記されていない。
いや、それをいうなら、どうしてフセインはアンサーアルイスラムに軍隊を送ってザルカーウィ探しにとりくまなかったのだ? もしフセインが本当に彼等を脅威とみていたなら、多少の軍事力を使って自国の民にしたように、皆殺しにするなり追放するなりすればよかったではないか?
後にザルカーウィはイラク東北を去りイランへ渡ったが、イラン滞在後、再びイラクの南へとかえってきた。しかし彼の仲間のひとりであるアブ·ヤシン·サイームがイラク政府によって逮捕された。イラクは彼は確かにザルカーウィと同じくアルカエダのメンバーであると判断した。しかし彼はアメリカに引き渡されることなく釈放された。ヤシン釈放はサダムフセインからの勅令だった。
ここで全体像をみてみよう。フセインの行動はザルカーウィとアンサーアルイスラムの連中を本当に取り除きたいと思っている暴虐な独裁者がする行動というよりも、アメリカからの侵略をさけ、お友達であるおふらんすやロシア、中国といった国々からの手助けで経済制裁を終わらせたいと思っている暴虐な独裁者の行動である。
だからフセインは最初から従われないと分かりきった命令をだして、あたかも忠誠な僕の体を装ったのである。
CIAのこのフセインとアルカエダ関係の見直しは逮捕された一人のイラク諜報部工作員の証言と、アンサーアルイスラム基地にいたアルカエダメンバーの証言だけに頼っている。双方共に互いに協力関係にあったこをを否定しているからだ。
しかし常識的に考えて、この結論には疑問が残る。

  • 下っ端のちんぴらメンバーがイラク諜報部にしろアンサーアルイスラムにしろフセインやザルカーウィの秘密関係を知っているだろうか?いったい仲間の何人がそんな情報持っていたのだろうか。

    ザルカーウィは熱狂的なワハビ派の仲間に世俗主義でワハビ教を禁止した悪魔と手を組んだなどと教えるだろうか。またフセインは諜報部の下っ端将校にそれでなくてもアメリカから戦争の口実として使われている世界一のテロリストと実は協力しているなどと言うだろうか? これは馬鹿げている。その程度の地位の人間は必要なこと以外何も知らされていなかったと考えるべきである。

  • たとえCIAが詰問した囚人のうち何人かが高位の人間だとしてフセインやザルカーウィに十分に信頼されていて情報を持っていたとしてもどうして真実をCIAに白状する必要があるのだ? そんなことをして熱狂的なバース党員やアルカエダのジハーディストに何の得があるというのだ?
  • ほとんどの囚人は事実関係を知らないだろうし、知っていても白状する理由がない。だからCIAがフセインイラクとアルカエダの関係はなかったと結論付ける情報源としては囚人の証言など頼りなさ過ぎる。それよりもフセインが真剣にザルカーウィをとらえようとしなかったことや、ザルカーウィの仲間を一旦はとらえながら釈放したという行動のほうがよっぽども意味を持つ。
    すくなくとも、フセインがザルカーウィらを「黙認」していたことになり、それは「擁護」や「協力」とほとんど同じ意味を持つ。CIAは潔く表にでてブッシュを責めず
    なんとなくやんわりと「ブッシュが嘘をついていた」と暗に示唆しているのである。
    この報告によって新しい情報などひとつも明らかにされていない。フセインとアルカエダの協力関係はあったようだが確たる証拠はないという今までの状態と何の変わりもない。だが、わざわざこうやって選挙前に意味のない報告書を提出することで、CIAがブッシュ大統領と共和党の選挙に悪影響を与えようとした作為は丸見えである。


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    イラク戦争と米共和党

    イラク戦争は今度の中間選挙では重要視されそうだ。最近の世論調査ではかなりのアメリカ市民がイラク状況に悲観的な考えをもっているらしい。

    オピニオン・リサーチ社が8月30日─9月2日、成人1004人を対象に実施した調査の結果によると、ブッシュ政権の政策を支持した候補者に投票する可能性が「低い」は55%で、「高い」の40%を上回った…

    また、イラク戦争を「支持する」は39%、「支持しない」は58%。「支持しない」は先月調査の61%からやや低下したものの、イラク問題が共和党不支持の大きな要因であることが浮き彫りになった。
    イラクで勝利する勢力を問う質問では、「米国」が25%、「反政府勢力」が12%となる一方、「なし」が62%と圧倒的多数を占めた。
    イラクのフセイン元大統領が米同時多発テロに直接関与していたと思うかとの質問に対しては、「思う」が43%、「思わない」が52%。イラク戦争と米国が主導する対テロ戦争の関連については、「つながりがある」は45%、「ない」は53%だった。

    CNNの記事ではこの調査はイラク問題が共和党の「あしかせ」となるだろうと分析しているが、イラク問題は共和党候補にとってあしかせにも有力な武器にもなりうる。これはアメリカ国民がイラクの情勢が良くなっていると思うかどうか、そしてイラク戦争と国内のテロ対策とどういう関係があると考えるのかに寄るのである。
    変ないいかたではあるが、これは国民の持つ「印象」であって、事実関係とは必ずしも直接関係ない。
    先ず、イラク情勢は一般国民が感じているほど悪い状態ではない。民主党はブッシュ大統領も共和党議会も全く出口作戦がないと攻める。ブッシュ大統領は最初からイラク政府が独自に治安維持ができるようになれば、連合軍は撤退できるといい続けてきた。イラク戦争が始まる前からブッシュ大統領の出口作戦は大々的に公表されており全くかわっていないのだ。もしこの期に及んで民主党がブッシュ大統領の出口作戦が理解できないというなら、いったい今までどこで油売ってたんだといいたくなる。
    バグダッド地域を抜かせばイラクのほとんどの地域は比較的平穏である。そしてイラクでは少しづつではあるが区域ごとにイラク警備軍がアメリカ軍および連合軍から警備責任の引き渡しを受けてきているのである。
    つい昨日もイラクの海軍と空軍の一部が連合軍から警備責任を引き渡しを受けた。これは8月のカークック地域にアメリカ軍から、7月のDhi Qar地域にイギリス軍からの引き渡しなどに続いて4つ目の引き渡しである。
    連合軍によるイラク軍の訓練はゆっくりではあるが着々と進んでいる。いまやイラク軍は戦闘能力や武器装備の面でいえばアラブでは最強の部隊となった。今は兵えん(戦時の作戦を遂行するための軍需品の確保、管理、補給、表員の輸送、衛生、糧食などの供給)の訓練に力が入れられている。
    問題はこうした事実が大きく取り上げられず、イラクでアメリカ兵が戦死したとか、自爆テロでイラク人が何十人も死んだとか、悲劇的な話ばかりが報道されるので、イラクでは内乱状態になっているのではないかという印象をうけてしまうのだ。
    しかし主流メディアが民主党の選挙運動団であることは周知の事実であり、それに苦情をいっているだけでは共和党はこの選挙に勝つことはできない。ブッシュ政権にしても共和党議会にしても彼等の一番の落ち度は現状を国民に分かりやすく説明しないことにある。反対派の協力なキャンペーンと対抗するためにはこちら側ももっと積極的なアピールが必要である。
    ここ数日のブッシュ大統領による一連の演説は国民にブッシュ政権がどのようにテロに取り組んでいるか、アメリカの安全を守るためにどれだけ努力をしているか具体的に説明するという非常に意味のあるものである。ブッシュ大統領だけでなく、共和党候補者たちはなぜイラク戦争が大切なのか投票者に分かりやすく説明すべきだ。戦争が不人気だからといって戦争やブッシュ大統領から距離をおくような選挙運動をしたらかえって信念がないようにみえて逆効果である。
    自分らの意見に責任をもって国民を説得してほしい。


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    オサマビンラデンを何度も取り逃がしたクリントン前大統領

    911の記念日が近付き、アメリカのテレビ局ではいくつか特別番組が予定されているが、ABC局作成のThe Path To 9/11(911への道)という番組が保守派とリベラル派との間で結構話題を読んでいるようだ。(保守思想のマイクさん紹介)
    特にこの番組のなかで、アメリカのCIAがビンラデンの隠れがを囲んでいながら、クリントン大統領から突撃命令が出なかったため、せっかくのビンラデン逮捕作戦がおシャンになってしまった話や、CIAが911事件の犯人の名前を事前に知っていながらFBIと情報交換をしていなかったことからテロが防げなかったことなど、クリントン大統領のテロ対策への優柔不断ぶりが描写されているという。まずは保守派Frongpagemagより。

    まず最初にいわせてもらいたいのは、「911への道」は私がこれまでみたテレビ番組のなかで、最高のひとつであり、もっともインテリで、もっとも親アメリカのミニシリーズだ。保守派はこの番組を支持しできる限り積極的に宣伝すべきだ。

    この番組ではハリウッド製作では初めて正直にクリントン政権がどれだけビンラデンの捕獲を何度もしくじったかが描かれている。特にある場面ではCIAと北同盟のがアフガニスタンのビンラデンの家を囲んでいる。ビンラデン捕獲まであと一歩というところまできていた。だが、攻撃にはクリントン大統領からの最終命令が必要だった。彼等はクリントンに電話をしたが、クリントンのシニアスタッフはもしも作戦が失敗して一般市民の犠牲がでて政治的に不評を得るのを恐れ、ビンラデン捕獲を許可しなかった。 国家防衛アドバイザーのサンディー·バーガー はチームがビンラデンを捕まえたければ許可なくして独自にやれと告げた。そうすれば何かあってもチームの責任となり、バーガーの責任は問われない。驚いたアフガニスタン現場のCIA工作員はそれが政権の本心なのかと何度も質問した。バーガーは答えを拒否し最後には電話をきってしまった。CIAチームと北同盟はビンラデン捕獲まであと一歩というところで作戦をあきらめなければならなかった。ビンラデンとアルカエダはこの数日後タンザニアとケニアのアメリカ大使館を爆破、女子供を含む225人以上を殺害し、4000人以上にけがをおわせた。
    この話はクリントン時代の無責任さと不能さを完璧に物語る例である。

    これに関して左翼のブログ、デイリーコスの反応はといえば、、

    俺たちはこれが単なる牛の糞(でたらめ)だってことをしってる。だがABCはこのプロパガンダを報道する。そしてこの2週間宣伝に躍起になるに違いない。
    企業メディアに立ち向かって不利な活動するってすばらしいじゃないか? 嗚呼…民主主義!
    誰が民主主義にとって最高の脅威なのか? テロリストそれともメディア連中?

    自分らの主張がメディアに支えられている時はどんなでたらめ報道でもなにも言わないくせに、ちょっとでも自分らと反対意見が取り上げられるとヒステリーをおこすのだからしょうがない。自分らの言論の自由は保証されなければならないが反対派の意見は報道されるべきではないというのか? たいした民主主義だな。
    我々保守派がいつも左翼メディアの偏向報道にどれだけ苛立ちを覚えているか、たまには左翼連中も思い知るがいい。
    デイリーコスがリンクしているDemocratic Undergroundでウィリアム·ピット氏が(WilliamPitt)クリントン政権がどれだけ積極的にテロ対策をとってきたかということをまとめている。

    1995年にはじまってクリントンがテロリズムにたいしてとった行動はアメリカの歴史上前代未聞であった。彼は何億という金額を対テロ行動のため諜報部全体に注ぎ込んだのである…

    アメリカ国内では、このことを知った人々は少ない。クリントンの切羽詰まったテロ脅威の警告、クリントンによ秘密でもない大掛かりな作戦によってテロを防いだことなど、全くメディアによって報道されなかった。メディアはしみのついたドレスや、根拠のない麻薬使用のうわさ話で大忙しだったからである。
    クリントン政権が実際にビンラデンのテロ組織にたいして軍事行動をしたときも、メディアと議会は「犬を振る」作戦(無関係な話題をつくって本題から目をそらさせようとする行動)といって取り上げなかった.現にあるテレビ局などは映画の “Wag The Dog” (犬を振る)の場面の一部を報道しクリントン政権のすることはすべて偽物であるという印象を強調した。

    クリントン時代を生きてきた経験のある私には当時、クリントンがCIA局長との面接を何度も拒否したことや、イラクへの査察団からイラク政府の妨害で査察がうまくいかないという苦情がでているにも関わらずなにもしなかったこと、スダンからビンラデンの身柄引き渡しをオファーされたのに拒絶したこと、たまに全く無意味な空爆をしてらくだの尻をふっ飛ばす程度のことしかしていなかったことなど、さほど遠くない記憶としてちゃんとおぼえている。当時からクリントン政権へのテロへの無関心さ、もしくは不能さは悪名高かったのである。
    ピット氏は特にスダンの製薬工場爆破の一件について、化学兵器に使われる薬品が発見されたにも関わらず、メディアをはじめ議会からも意味のないパフォーマンスだと非難されたことを語っている。 だが、ピット氏が無視している大事な点は、クリントンがこのような派手な攻撃をする時は、決まってセクハラ事件の聴講の日であったりとか、何か別のスキャンダルでクリントンの評判が落ちている時と一致していたのである。
    クリントンのスキャンダルは共和党やメディアが作り出したものではなく、クリントン自身が作り出したものだ。選挙前に人格は関係ないといっていたクリントン支持者たちだが、彼が後から後から犯した個人的な失態により、彼の政権がまじめにとりあつかってもらえなかったのだとしたら、それは一重に彼の人格失格の結果ではないか。
    それにもしピット氏のいうとおり、クリントンがテロ対策に力を入れて大金を注ぎ込んでいたのだとしても、それならなおさらクリントン時代に起きた度重なるアメリカ人へのテロ攻撃は、クリントンの政策がどれほど不能であったかを物語る。ブッシュ大統領の対テロ作戦によって、戦場以外の土地では、911以後アメリカ人へのテロ行為は全く起きていない。
    とにかくこの番組は楽しみである。


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    イラクアルカエダのナンバー2逮捕される

    シーア派イラク人にとって非常に大切なサマラの聖廟を爆破し現在おきている宗派争いに拍車をかけた。そのアルカエダのナンバー2といわれる男がイラク政府によって逮捕されていたことがあきらかにされた。
    【カイロ支局】イラクのルバイエ国家安全保障顧問は3日、テロ組織「イラクの聖戦アルカイダ組織」のナンバー2とされるハミド・サイディ(アブ・フマム)容疑者を逮捕したと発表した。AP通信が伝えた。数日前に逮捕したというが、場所は明らかにしていない。
     同容疑者は今年6月にイラク駐留米軍が殺害したザルカウィ容疑者の後継者アブアイユーブ・マスリ幹部の副官。今年2月、イラク中部サマラで起きたイスラム教シーア派聖廟(せいびょう)爆破事件に直接関与したという。イラクでは同事件をきっかけにシーア派とスンニ派の宗派間抗争が激化した。毎日新聞


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    イラク状況のそんなに悪くない実態

    イラクからのニュースというのは、アメリカの主流メディアはまあ良いニュースを報道しない。最初の頃はアメリカ兵が殺される度にうれしそうに死体の数を数えるような報道が目立った。アメリカ兵および連合軍の犠牲者が減ってくると今度はアメリカ兵によるスキャンダルの注目。このあいだラムフェルド防衛長官が文句をいっていたが、アメリカではふしだらな行為をしたアルグレーブの犯罪者の名前のほうが勲章をもらった英雄の名前よりも有名だというのははなはだ嘆かわしい状態だ。
    最近のニュースはといえば、イラクでの宗派間の争いで、毎日のように自爆テロがイラク人を大量に殺し、7月などは一日100人以上のイラク市民がテロの犠牲として果てた。アメリカ軍はアルカエダなどの外国人テロリストやスンニ抵抗軍による攻撃はほぼ鎮圧することができたが、イランの後押しのあるシーア派のモクタダ·アル·サドルの率いるマフディ民兵軍と、スンニ派との内輪もめはアルカエダの攻撃よりもイラク市民にとっては危険なものとなった。
    昨日発表された米国国務省のイラク情勢に関する報告書でも、最近とみに激しくなった宗派間争いの状況が記されている。

    【ワシントン=貞広貴志】米国防総省は1日、今年8月中旬までのイラク情勢についてまとめた四半期ごとの報告書を作成し、連邦議会に提出した。
     治安情勢の悪化でバグダッドを中心にイラク市民が犠牲になるケースが急増しており、前期に比べ死傷者数で51%増、テロの件数でも15%の増加を記録した。
     報告書は、「暴力の水準と質における事態の悪化は、イラク復興などあらゆる分野に影響を及ぼしている」とした上で、「イラクが内戦にいたる条件は存在する」との悲観的な見方を示した。
     テロが横行する要因として報告書は、イスラム教スンニ派を中心とする国際テロ組織「アル・カーイダ」と、シーア派強硬指導者ムクタダ・サドル師の民兵組織「マフディ軍」との間で、市民を巻き込んだ報復合戦の様相を呈していることを指摘。7月にバグダッドの検視官事務所に運び込まれた1800の遺体のうち、90%までが処刑と見られる死因だったとしている。読売新聞) – 9月2日11時50分更新

    これだけ読んでいるとどうもイラク情勢は悲劇的だ、いますぐアメリカ軍を撤退させよという民主党の「切り捨て遁走」論が人気を得そうだが、実際はそんなに悲観するほどの惨状ではない。
    まず報告書の期間はマリキ氏がイラク首相に就任した5月末から8月11までとなっており、その後イラクでは暴力が激減した期間の事情が含まれていない。また、主流メディアは報告書に書かれているイラクの良い状況については全く報道していない。
    ペンタゴンのウェッブページを参考に、主流メディアが無視した良い点をいくつかあげてみよう。

    この時期にイラク政府は内閣の地位をすべて埋めた。またイラク政府は一般国民からの支持を得、新しいイラク軍と他のイラク警察を含む警備軍がイラク警備の指令と統制の役割をよく果たしていること。
    イラク経済も好転している。去年のGDP成長率は4%だった。
    石油輸出も増加。電力の普及も向上。水の浄化、下水設備なども作動している。また国中のインフラも迅速に蘇っている。イラク戦争からの損害からだけでなく、何十年にもわたるフセイン政権下で崩壊したインフラも着々と再建されている。

    ただ一つ問題なのは治安である。むろんこれが一番やっかな問題なわけだが、それにしてもイラク人自身が対応にしっかり取り組んでいる。ペンタゴンの報告書にもどろう。

    イラク人によるイラク人への暴力、特にバグダッド周辺、は増加している。しかしほとんどの暴力は18府あるうちの4府で起きている。後の14府は比較的平穏である。そのうちのひとつムサナ府では連合軍は全く配置されていない。
    イラク軍の訓練と軍備は予定どおりに進んでいる。27万8千人のイラク警部兵がイラク軍、中央警察、地方警察として訓練を受け軍備を整えた。これは前期5月末の報告書よりも1万4千人の増加である。
    さらにイラク軍がこれらの地域の指揮をとっているため連合軍は援助としての役割を果たすことができるようになった。現在イラクの5つの師団、25の旅団、そして85の部隊がこれらの地域の指揮にあたっている。これは前期の報告書より32%の増加である。
    連合軍の訓練者たちは戦闘後方援助、医療、支給、修理などといった戦闘員援助への訓練に焦点をあてている。これはイラク軍が独立して任務につくことができるためである。また長期にわたって責任をはたすことになる内政省と防衛省の能力向上にも焦点があてられている。

    連合軍の作戦はうまくいっているのである。この最新の報告書直後のイラクでは一般市民の犠牲者が劇的に減っているのである。主流メディアはなかなか認めようとしないが、それでもこんな記事をみつけることができる。
    ロイターより、 訳:カカシ)

    イラク死者数減少、新しい大量殺人にも関わらず

    2006年9月1日
    アラスター·マクドナルド記者
    今週にバグダッドにおいて70人もの犠牲者をだした一連の爆発にもかかわらず、暴力的なイラク市民の死亡率は先月末までの今期、統計的に減少している。
    保険省の統計をもとに、イラク内省によって公開されたこの小計は、まだ毎日何十人という死者が出ているとはいえ、アメリカ軍による首都での厳しい取り締まりが成果を見せているという自信を裏付けるものといえる。

    また同記事によれば、アルカエダの勢力もザルカーウィ亡き後かなり弱体しているとある。だが問題はイラクで内乱が起きるという懸念がどれだけ現実的なものなのかということだろう。しかしそれについても報告書に関する別の記事でロイターはしぶしぶその危険性が少ないことを認めている。

    同報告書には「イラクにおいて内乱に結びつく状況は存在する」とありイラク市民の間でも内乱への心配が増加していると書かれている。
    「しかしながら現在の暴力は内乱ではない。さらに内乱に結びつく動きは防ぐことが出来る」と報告書は加える。報告書では2003年3月に米軍の率いる連合軍がフセイン政権を倒した侵攻以来一番複雑な治安状況いなっていると述べている。

    またペンタゴンの記事でもあるように、イラク政府がきちんと機能しているということ事態、内乱など起きていないということの証明である。
    イラク状況をまとめてみると、、
    * バグダッドにおいて宗派間の暴力が激増している —
    * しかし内乱といえるほどひどくはない —
    * そしてアルカエダ弱体によるテロ戦争が崩壊したことによって解決に向かっている —
    * この状況は新政府設立によってはじまった…
    * しかし大掛かりな連合軍とイラク軍の最近の攻撃によって暴力はおさまりつつある–
    * これはここ数日のスンニ派によるいくつかの大きな攻撃を考慮にいれてもなのである。
    というわけだから、悲劇的な新聞の見出しだけみて、イラクの状況が絶望的であるなどと判断すべきではない。確かにイラクは難かしい状況におかれている。だが決して最悪な状況ではないし、イラク軍の力は日に日に強化されており、辛抱強く努力を続ければイラクは必ずや平穏化するであろう。
    我々庶民も、連合軍とイラク軍の活躍を辛抱強く見守ろうではないか。
    参考ブログ記事
    That (Not So) Gloomy Pentagon Report


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    米軍海兵隊志願者は本当に足りないのか?

    昨日ラジオで米軍海兵隊の予備兵2500人が呼び戻されるという話をきいた。無論ワシントンポストはこれを、戦争への支持が大幅に減って若い男女が戦争へいく可能性の一番高い海兵隊へ志願する人間が極端に減っているせいだと解釈している。

    軍隊が若い男女を集められないことや、一般市民がイラク戦争を大幅に拒絶していることで、やっとアメリカは本当の変化を促すかもしれない。

    59000人いる海兵隊の予備兵のなかから、そのごく一部にあたる2500人が呼び戻されたのは予備軍から募ったイラク出動への志願兵の数が十分に集まらなかったからであって、海兵隊自体への入隊志願兵が減っているという理由ではないのだ。このへんのことをワシントンポストは完全に誤解しているのである。
    海兵隊の公式発表によると正規軍新規志願兵の数は過去13か月にわたってどの軍もずっと目標数を達成しているか目標数をこえているかしている。しかも志願兵のレベルも高く、皆高卒で、軍人適応試験(Armed Services Vocational Aptitude Battery test)において全員50%以上の点数をとっているという。
    特に戦場へ行く可能性が一番高い陸軍と海兵隊では6月の志願率は102%と105%と目標数を上回った。また海兵隊予備軍への志願兵も目標を1%上回った。
    つまり、海兵隊員になりたい若者は十分足りているのである。
    足りないのは戦闘経験のある兵士でまた自主的にイラクへ出動すると志願した人の数なのである。戦争が長引くにつれ、すでに海兵隊員のほとんどがイラクへ二度三度と出動している。戦争がはじまって三年間に三回も出動となると一年のうち半年はイラクにいっていることになり、これでは本人も家族も大変だ。そこでなんとかこのローテーションで本国にいる時間をのばすために、ローテーションに加わる人間の数を増やそうというのが今回の予備軍呼び戻しの意図である。
    たしかにアメリカ軍の規模が小さく、昔のようにみっつの戦争を同時にできる軍隊というわけにはいかなくなった。ということは現在存在する軍人の間ですべてまかなわねばならないという難かしさが生じる。だが軍隊の規模を拡大するしないは防衛費の問題であって、志願兵が足りる足りないという問題ではない。ましてイラク戦争が国民の間で人気があるとかないとかいうこととは全く関係がないのである。
    アメリカの主流メディアはなんとかイラク戦争を勝ち戦から負け戦に持っていきたいようだ。それでこういう意味のないことで軍隊を批判する。だがイラクで軍人の数が足りないとは報道しても、軍隊が小さすぎからもっと防衛予算を増やして軍を拡大せよなどとは死んでもいわない。
    彼等の本心は反アメリカ軍。それだけなのだ。


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    米軍バグダッド安定に武力強化

    レバノンの戦争に気を取られている間に、イラクではかなりひどい暴力の連鎖が続いている。イラクアルカイダのザルカーウィが死んで、これでやっとイラクにも平穏が訪れると思いきや今度はシーア派でイランの飼い犬モクタダ·アル·サドル率いるマフディ軍がスンニ派の市民をやたらめったらに殺しはじめた。それでスンニの抵抗軍やアルカイダのテロリスト残党たちはアメリカ軍ではなくシーア派にその攻撃の的をうつし、自爆テロや自動車爆弾テロでシーア派を殺している。7月22日付けニューヨークタイムスの記事より。(訳:カカシ)

    「バグダッドにおける宗派間での暴力は非常に深刻です。」アメリカ軍中央司令部長官ジョンP·アビゼイド陸軍将軍は金曜日のインタビューで語った。「この国は抵抗軍のほうが宗派争いより容易に片付けられます。宗派間の争いはもっと断固とした処置が必要です。」

    アメリカ軍当局はバグダッドの警備を最優先とし、バグダッドの治安安定を第一目的として作戦をすすめている。特にアメリカ軍の標的はサドルシティに巣食うサドルの民兵たちである。以下AFPより。 (訳:カカシ)

    アメリカ/イラク連合軍によって先日行われ、9人の民兵が殺されたシーア派地区への手入れが、「シーアのザルカーウィ」と呼ばれる男が標的だったと、サドルシティそしてインターネット掲示板で評判になっている。去る金曜日の夜、サドルシティのまちはずれで米軍の手入れによって逮捕された匿名の「抵抗軍の幹部』という男が、シーア民兵のアブデラーと呼ばれる男ではないかという話がでている。

    最近のバグダッドにおける暴力はマフディ軍によるもののほうがアルカイダやスンニ抵抗軍よりひどいといわれている。22日の土曜日にもアメリカ軍はサドルシティーでシーア派の民兵軍と衝突し14人の民兵を殺している。7月23日AP記事によるとこの戦いで2人の人質が解放された。また、同記事によればイギリス軍が先週マフディ軍幹部を逮捕したともある。この人質とは誰なのかというと、ロイターの記事に詳細が乗っている。(訳:カカシ)

    モクタダアルサドルひきいるマフディ軍を代表する政党の国会議員は、日曜日ムサヤブの戦いで殺された14人はサドルの手下であったと発表した。

    バハアルアラジ氏はまたサドル派も所属しているマリキ首相の政府にたいし、スンニのテロリストをかくまっていると責め、自分らの派の要求が無視された場合には暴力も辞さないと警告した…
    公式発表としては珍しくサドル民兵たちは自分らの手で法を施行すると断言、アラジ氏は49人の「テロリスト」をムサヤブ付近のマフムディアで逮捕したと語った。しかしこれらの人々は土曜日の米軍との戦闘ですべて解放され、10人のサドル兵士が死亡した。

    どうもいろいろなことがいっぺんにおきているため、何がなんだかかなり混乱するのだが、要するにアメリカ軍とイラク軍の連合軍はバグダッドにおいて、サドル率いるマフディ軍への掃蕩に力を入れはじめたということだ。イラクの平和を乱すものはスンニであれシーアであれ許さないというのがアメリカの姿勢だからである。
    サドルの白豚が2004年に抵抗軍を立ち上げた時、私はこいつは今のうちに殺しておかなければあとで問題になるとはなしていたものである。やはり思った通りこいつは悪いニュースだった。今回は徹底的にマフディ軍を壊滅し、サドルは処刑すべきである。
    しかしどうやらサドル軍との衝突で味方の犠牲者はイラク兵ひとりということなので、1:14というこの調子でマフディ軍退治にがんばってもらえば、マフディ軍全滅も早期に望めることだろう。イラク軍とアメリカ軍の健闘を祈る。


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    置き換えられた人権擁護: アルカイダの米兵遺体冒涜に思う

    アルカイダのテロリストたちはこの間拉致して拷問殺害したアメリカ兵の遺体を冒涜しているシーンをビデオに撮って公開した。(注:このビデオへのリンクではないのでご安心を)

    バグダッド(CNN) イラク中部ユスフィヤで武装勢力に拉致され、殺害された米兵2人の遺体とみられる映像が10日、イスラム系ウエブサイトに掲載された。また映像に伴って、中部マハムディヤで米兵がイラク人女性に暴行を加え、家族ら4人とともに殺害したとされる事件との関連を示唆する声明が出された。

    声明は「2人の米兵と同じ部隊の兵士に同胞女性が辱められたことへの報復として、このビデオを公開する」と述べている。

    このビデオがアメリカ兵らによるイラク家族4人殺害疑惑(真実かどうかかなり疑わしい)と関係があるなどというアルカイダのプロパガンダを信じるひとなどいないだろう。アルカイダはイラク戦争の前からアメリカ人ジャーナリストを拉致して斬首したビデオを公開した過去がある。イラク戦争中も日本人の若者、香田さんを含み何人もの無抵抗な非戦闘員の首をかっ切るなど残虐な所行をビデオに撮って公開してきた。同じイスラム教徒であるシーア派の人々を拉致しては拷問虐殺し続けているアルカイダ。そんな奴らがイラク女性が一人二人強姦されたからといって気にしたりするものか。これは明らかに文明諸国の反戦派を狙った宣伝行為だ。
    アルカイダの連中がこういう行為にでることは特に不思議でもなんでもない。野蛮なテロリストが野蛮行為をしたからといっても別に今さら騒ぎ立てるほどのことでもないだろう。だが問題はこのようなニュースを取り扱うメディアや、自称人権保護団体の反応だ。
    アメリカ兵やアメリカ政府がやったとされる行為は、まるで鷹の目のように鋭い目で監視する彼等は、テロリストの悪行にはあまり関心がない。キューバのゴンタナモ収容所での囚人への扱いが人権迫害だのジニーバ条約に違反するなどと大騒ぎする割には、ジニーバなんてどこにあるかも知らないようなテロリストが女子供もかまわず虐殺し、拉致した戦闘員を拷問の上虐待して遺体を冒涜するような行為にでてもアムネスティーインターナショナルがこれはジニーバ協定に反するなどと抗議することはない。それどころかCNNの記事など詳細がはっきりしていない米兵による『悪行』と結び付けることによってテロリストの行為と米兵との疑惑を同率に並べている。
    アルグレーブで米兵の看守らによる囚人への嫌がらせが大々的に問題になったとき、私は同僚とその話をしたことがある。同僚は米兵のやっていることを「虐待だ」といって強く批難していたが、私は囚人を裸にひんむいて写真を撮ったり犬をしかけるふりをしておどかした程度のことを「虐待」などと呼んで騒ぐのは行き過ぎだと反論した。なにしろアルグレーブの囚人たちはアメリカ兵を路肩爆弾でふっ飛ばしたり、イラク市民を自動車爆弾で大量殺害しているようなテロリストのあつまりだ。そんな奴らが多少看守からセクハラを受けた程度で騒ぐほどのことはない、というのが私の意見だった。
    誤解のないようにいっておくが、たとえテロリストといえども、アメリカ兵が囚人を不必要に虐待しても良いなどと私は考えていない。アルグレーブのけしからん看守どもが軍法会議の末禁固刑数年の罰をうけることになったのも、監視役の准将が不名誉の除隊をよぎなくされたのも政党な罰だと考える。
    どんなやり方をしても勝てばいいとおもっているテロリストらにしてみれば、西側諸国のこうした反応はきっと理解できないとおもう。そして我々が考える人権とか道徳というものを我々の弱さだと考えることだろう。さもあらん。彼等が侵略者の立場なら非戦闘員も抵抗軍も無差別に徹底的に虐待しているだろう。イラクの人々ももしアメリカ兵に本当に虐待を受けたとしてもアメリカメディアが騒がなければ特に驚かなかったろうと思う。
    私も英米や連合軍は片腕を後ろ手に縛られて戦争をしているような気がしてならない。皮肉なのはアメリカほど敵や非戦闘員の人権を尊重している国はほかにないだろうに、アメリカが一番責められているということだ。敵側がプロパガンダを利用して我々を責めるのは納得がいくが、どうしてアメリカのメディアや西側の市民団体が我々を目の仇にするのか不思議でしかたない。
    対テロ戦争に中立はあり得ない。英米の対テロ戦争をサボタージュするということは、テロリストの味方をすることになるのである。どれだけアメリカが嫌いかもしれないが、ここはテロリストのほうがよっぽども危険だということに重点をおいて、むやみやたらにアメリカを責めるのはいい加減にやめてもらいたい。


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    ワタダ米陸軍中尉の出動拒否に思う

    先月22日にイラクに出動したストライカー旅団に所属して出動命令を拒否して国内に留まったワタダ米陸軍中尉は昨日出動拒否、将校としてあるまじき態度などの罪に問われて起訴された。有罪となれば7年の禁固刑のすえ、不名誉の除隊となる重罪である。それについて彼の母親が発表した手紙を読んだ方もおられるだろう。
    ワタダ中尉が命令に背いて出動拒否をした理由として声明を発表した。しかし彼の声明にはどうも腑に落ちないことがある。

    私はエレン・ワタダと申します。アメリカ合衆国陸軍中尉であり、3年間服務しています。

    合衆国陸軍の将校として、重大な不正義に対して声を上げることは自分の義務であると考えます。私の道徳と法的義務は、憲法に対するものであり、無法な命令を下す者に対して負うものではありません…
    米国軍隊の将校として、イラク戦争は道義的に過ちであるばかりでなく、合衆国の法をも手荒く侵害する行為であるという結論に達しました。私は抗議のために退役しようと試みましたが、にもかかわらずこの明白に違法な戦争に加わることを強制されています。違法行為に参加するようにという命令は、間違いなくそれ自身が違法です。私は、名誉と品性を重んじる将校として、この命令を拒否しなければなりません…

    ワタダ中尉の入隊は3年前というから2003年の6月頃だったということになる。ということはアメリカのイラク戦争はすでにはじまり、主な戦闘は終わったとブッシュ大統領が宣言した直後だった。もし彼の声明文のとおり、イラク戦争が「イラク戦争は道義的に過ちであるばかりでなく、合衆国の法をも手荒く侵害する行為である」と考えるなら、なぜそのような戦争をやっている真っ最中に最前線に行く可能性が非常に高い陸軍などに志願したのであろうか? そのような戦争を行っている軍隊に抗議のため反戦運動の市民団体にでも参加すべきだったのではないか? 
    イラク戦争はすでに3年半も行われてり、ワタダ中尉がこの戦争に反対だったのなら、そしてそれについて抗議することが自分の義務だと考えていたなら今まで黙っていたというのもおかしい。 今年12月には任期がおわり出動の危険が大きい陸軍に3年もいたのに戦闘経験をせずに除隊できるとおもっていたら、突然出動命令がでて、しかも任期が来年の中頃まで延長されるということになったのが、突然都合良く反戦意識に芽生えた理由だというのは私のかんぐりすぎかな? (笑)
    軍人は軍の規制に反する不法な命令を受けた場合命令を拒否する義務がある。だがその拒否のしかたにはきちんとした取り決めがあり、上官から違法命令を受けた場合部下は即座に当局へ訴え出る義務があるが、そのやりかたに一般メディアを集めて記者会見するというやりかたは含まれていない。これは私の勘だがこの行為は多分違法だろう。

    平常であれば、軍隊にいる人間も、自分の思うことを話し、自分の利益になるよう行動することは許されます。そうした時代は終わってしまいました。私は上官に対して、われわれの行動の意味するところを大局に立って判断するよう求めました。しかし、まっとうな回答は得られそうにありません。
    私は将校に就任するとき、アメリカの法と民衆を守ることを宣誓しました。違法な戦争に参加せよとの違法な命令を拒むことにより、私はその宣誓に従います。

    アメリカ軍法、Universal Code of Military Justice (UCMJ) についてご存じない方も多いと思うが、軍人は軍隊に入隊した時、民間人にあてはまる憲法からの庇護から解かれ、軍の法律によって行動を規制される。であるから軍人が罪をおかした場合一般の裁判にはかけられず軍法会議にかけられる。 
    このなかで、特に現役軍人による政治活動は禁止されており、現政権の政策についての批判は公の場ではしてはいけないことになっている。つまりワタダ中尉がいうような「平常であれば、軍隊にいる人間も、自分の思うことを話し、自分の利益になるよう行動することは許され」た時代など過去にも存在していないのである。それどころかアメリカには三権分立の法則があり、軍隊は国の政策に口出しをしないことになっている。だから軍の総司令官は民間人なのであり、戦争をするしないの決定権は議会にあるのであり、軍隊にその否決権はない。だからワタダ中尉が個人的にどう思おうと、彼にこの戦争が違法か合法かを判断する権限はないのである。
    ワタダ中尉は将校であるので、彼の下には当然部下がいる。将校たるもの率先して部下を指揮して戦場の赴くのが普通であるにもかかわらず、彼はその任務を拒否した。はっきり言って、こんな臆病者がイラクにいったりしてくれないで助かったと私は思う。こんな指揮官に指揮される部下たちこそはた迷惑である。きっとワタダ中尉がこないでくれて助かったと息をついてる部下も多いのではないだろうか。
    私はワタダ中尉の母親のいいわけがましい手紙など読む気は全くしないのだが、その手紙を検索していておもしろいサイトに行き渡った。
    このサイトの名前uruknet.infoの下に、「占領下のイラクからの情報」と副題がありイラクのフセイン政権下の旗の写真が載っている。ワタダ中尉の命令拒否の話題はなんとイラクのバース残党抵抗軍のホームページでプロパガンダとして使われているのである!
    「将校に就任するとき、アメリカの法と民衆を守ることを宣誓」したはずのアメリカ将校が自分の部下が命がけで戦う敵に自分の行動がプロパガンダとして使われ、敵に勇気を与えたことをワタダ中尉はさぞかし誇りに思っていることだろう。
    そうやって軍の牢屋で冷や飯を長〜い間食ってもらいたいものだ。


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