米共和党:スキャンダルで支持がた落ちと思いきや、、、

アメリカの世論調査を集計しているリアルポリティクス(Real Clear Politics)のジョン·マッケンタイヤー(John Mcintyre)の分析によると、わいせつメールスキャンダルは確かにブッシュ大統領の連続演説のメッセージから話題をそらし、共和党の選挙運動の勢いを弱めはしたが、それほどひどい悪影響は見せていないようだとある。
このスキャンダルで影響を受けた共和党候補者は意外にも保守派ではなく比較的穏健派の候補者のようだ。それというのも、穏健派の出ている地区はもともと民主党支持の強いところであり、共和党候補が勝つとしたら共和党のメッセージが幅広く投票者の耳に届く必要がある。にもかかわらず、大事な選挙運動の2週間がくだらないセックススキャンダルにとられてしまって、彼等の選挙運動がメディアから閉め出されてしまったからだ。もともと苦戦をしていた上院議員候補リック·サントラム(Rick Santorum)氏と マイケル·スティール(Michael Steele)氏の勝てる可能性はほとんどなくなってしまったとマッケンタイヤーは書いている。
しかしこれらの議席はもともと危なかったものなので、このスキャンダルが直接の原因ともいえないらしい。残りの数週間でサントラム氏とスティール氏が挽回できるかどうか、勝利はそれにかかっている。
さて、わが姉妹ブログBig Lizardsのミスター苺(Dafydd)によると、スキャンダルの影響はメディアが騒ぐほどひどいものではないとある。
このスキャンダルで一番民主党やメディアからやり玉に挙げられている共和党議員といえば、下院議員のトム·レノルズ(Tom Reynolds)氏である。フォリー議員のメールについて連絡を受けた最初の二人めがレノルズ議員であり、影響を受けるとしたら彼が一番危ないといえる。ところが最近の世論調査では彼の支持率に動きは見られない。
ただ先週と比べてレノルズ議員は挑戦者デイビス氏に優勢を奪われているので、一見するとスキャンダルがデイビス氏を有利にしたような錯覚を受けるが実はそうではない。
この地区にはもうひとりグリーン党の候補者、クリスティーン·マーフィー( Christine Murphy)氏が出馬していた。彼女を含めた前回の世論調査では、レノルズ氏 (共和)45% , デイビス氏(民主)43%, マーフィー氏(グリーン)8%だった。それがマーフィ氏が事情があって失格したため、レノルズ氏とデイビス氏の一騎討ちとなった今回の世論調査によると、レノルズ45%, デイビス50%と、グリーン党支持者の票が7%もデイビスに移行したことがわかる。
つまり、レノルズ氏の支持率はスキャンダル前後全く変化がないということだ。無論、マーフィー氏の失格によってレノルズ氏が劣勢になたことは問題だ。しかしこの地区はもともと共和党寄りで2004年の選挙では圧倒的にブッシュが勝った地区である。だからレノルズ氏が残りの数週間、基盤である共和党投票者からの支持率を引き上げることに力を入れれば勝てる可能性は多いにある。
今朝カカシの家に知事のシュワちゃんから電話があった。(録音テープだけど、、笑)あのドイツ語訛りの口調でのメッセージ。シュワ知事は圧倒的に優勢なので再当選間違いなしだが、最後の追い込みに励んでいるようだ。
私は声を大にしていいたい、『共和党のみなさん、スキャンダルなど無視してがんばりましょう! 民主党が勝ったらテロリストが勝つことになるのです。』
候補者も投票者も目先のスキャンダルではなく将来のアメリカのことを考えて行動していただきたい。


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冗談だった? わいせつメール!!!

今日になってドラッジリポートというオンライン新聞に、フォリー議員とのわいせつなチャットは、当時18歳だったページがフォリーをからかうためにオンラインでフォリーを誘惑。わざとフォリーにわいせつチャットをやらせたのだという。IMを保村して友達同士で後で読んで楽しんでいたのが、どういうわけか敵の手に渡ってしまったというのである。
共和党議会が本格的な捜査をはじめると昨日発表したので、恐くなったページの元同僚が新聞に公表したらしい。チャットの相手の男性は自分は同性愛者ではないと言っているそうだ。どうやらすでに弁護士を雇ったようでもあり、近いうちに記者会見でもしてくれると助かるのだが。
もしこれが本当だとしたら、フォリー議員は全く違法行為などしておらず、うまくティーンエージャーにおちょくられてしまった間抜けなおっさんではあるが、性犯罪者などでは全くないことになる。
民主党や左翼メディアが騒ぐのはともかく、保守派の連中まで事実関係もまだハッキリしないのに、ハスター下院議会議長に辞任しろだのと大騒ぎしているのをみて、我々中道派は、「お黙んなさい! 民主党の銃弾与えてどうするの? 選挙に負けてもいいのか?」と叫んできたが、どうやらこのスキャンダル。ことの起こりはジョークだったのかも、、、
だから慌てて騒ぐなっていったでしょうが!
とにかく、フォリー議員が未成年を誘惑したどころか、18歳の大人の男性にからかわれたというだけなら、フォリー氏の面目は丸つぶれだが、共和党には何の責任もない。それなのにまるで共和党全体が性犯罪を隠ぺいしていたかのうような報道や発言をしていた民主党。このおとしまえはどうしてくれるんだ! と共和党は開き直るべきだ。
極右翼の連中も、議長にいますぐ謝罪すべし。


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わいせつメール、はしゃぎ過ぎ民主党は裏目に出るかも

先週の金曜日に暴露された共和党下院議員のマーク·フォリー議員のわいせつメールスキャンダルは下院議会議長の辞任問題にまで発展しそうな雰囲気である。
保守派のブロガーや政治評論家までが民主党や左翼メディアと一緒になって、「共和党は知っていて黙認していたなら、リーダー格が責任をとるべき」などと騒ぎ出す始末。まったくこういう時やたら道徳観念に敏感な保守派はリベラルよりも始末がわるい。これが民主党議員なら、「たかがわいせつメールで騒ぐな、性交渉があったわけでもなし、」と開き直り、共和党がそれでも責め立てれば「ゲイバッシング」と今度は共和党を守りの姿勢に追い込んでいただろう。
また、コメンターのMike Rossさんもおっしゃっているように、もし一年前にあのたわいない内容のメールのみで、共和党がフォリー議員にあれ以上厳しい対応をとっていれば今騒いでいる民主党やメディアが一緒になって共和党を「ゲイバッシング」「同性愛恐怖症」などといって責め立てていたに違いない。
しかし、民主党も左翼メディアのこのはしゃぎすぎなやり方はかえって彼等にとって裏目にでるのではないかと私は思う。
昨日も話したように民主党と左翼メディアは何気ない内容のメールと、わいせつな内容のIMとを故意に混同し、ハスター議長らがフォリー議員のわいせつ行為を見て見ぬ振りをしていたと印象づけようとしている。しかしこの事件はあまりに騒がれたため、保守派ブロガーやラジオDJやテレビ討論会などでも、ハスター議長らが知っていたのは最初の何気ないメールのみであり、しかもその場で適切な処置を取っていたことなどもかなり詳しく報道された。
そして比較の意味もあって、民主党の汚い過去もどんどん蒸し返されている。
例えば、1973年に、ゲリー·スタッズ(Gerry Studds)という民主党議員は未成年の少年との性交渉が違法であるアメリカを出て、わざわざ当時17歳だった少年をモロッコに連れ出して性交渉を持ったという事件がある。それがばれたのは1983年のことで本人も認め、議会から勧告は受けたが議員をやめるでもなく民主党から追い出されるでもなくその後6期も任期を努めた後引退した。
また1989年、バー二ー·フランクというゲイの民主党議員が同棲していた愛人男性がフランク氏の自宅で何人かの売春夫を使って売春宿を経営していたなどということがあった。フランク議員はそれを知っていて黙認していたのである。それでもフランク議員はいまだに現役の議員をつとめているし、民主党はフランク議員に何の対処もとらなかった。
民主党は今回のことであんまり大騒ぎをし過ぎると、共和党は民主党のこのような過去を持ち出し、ダブルスタンダードを指摘しはじめるだろう。セックススキャンダルが大好きなメディアは、過去のこうした民主党のスキャンダルを蒸し返さないはずがない。そうなってくると、民主党の偽善ぶりがアメリカ国民にもじょじょにではあるが浸透していくのではないかという気がする。
それに昨日もコメント欄で書いたように、メディアはフォリー議員が未成年とわいせつメールを交わしているという違法行為を知っていたにもかかわらず、「犠牲者」の少年の安否よりも政治的なタイミングを待って犯罪行為を隠していたという事実がある。このことをアメリカ投票者が消化する時間があれば、このスキャンダルはかえって民主党と左翼メディアが仕組んだ汚い陰謀だという印象をアメリカ国民に与えることになる。
フロリダのフォリー議員の席を共和党が維持するのはもう手遅れかもしれないが、この事件で他の共和党議員が巻き込まれるにはスキャンダルの暴露は早すぎたかもしれない。共和党支持者やおせっかいな純粋主義の保守派連中がこれ以上騒いでハスター議長の辞任を叫んだりするのを今すぐやめてくれれば、この事件の影響は最低限に食い止められるだろう。
問題は極右翼にかかっている。


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米議会の慰安婦決議案の裏にあるものは?

アメリカの議会で起きたことなのだが、私はぼやきくっくりさんのこのポストを読むまでこの事実を全く知らなかった。
以下産經新聞の記事より:

【ワシントン=山本秀也】中間選挙(来月7日)前の審議が9月末に実質的に終了したことで、米下院国際関係委員会を通過していた慰安婦問題に関する対日非難決議案は、本会議では議案にならないまま、採択されない見通しが強まっている。米議会関係者に対する日本側の説得が功を奏した格好だ。

決議案の旗振り役、レーン・エバンス議員(民主党)の事務所は産経新聞に「決議案を支持する24人の議員と下院議長に採決を求めている」と述べ、中間選挙後に招集される残り任期の消化日程を使ってなお採択を目指す考えを示した。(略)
慰安婦問題に関する対日非難決議案はこの10年間、米議会に提出されては立ち消えになってきた。今回はエバンス議員の“引退議案”となり、人権問題に関心の強いクリストファー・スミス議員(共和党)が共同提案に加わるなど超党派の支持を集め、9月13日の委員会通過にこぎつけた。
駐米日本大使館の議会担当者は「決議案が提出された今年4月から注視し、関係先に働きかけてきた」と打ち明ける。委員会では議会の思惑が絡む採決を省略して複数の議案を一括する形で採択されたが、最後の関門となる本会議では議案にもなっていない。
決議案の採択を訴える韓国系移民グループは、下院議長らに請願の手紙を送る運動を全米規模で展開した。米政府が8月に公表した昨年の人口統計によると、韓国系移民は全米で約125万人に膨れ上がっており、80年代半ばからほぼ倍増。今回の決議案を支持したマイク・ホンダら3議員はいずれも韓国系移民が急増しているカリフォルニア州選出だった。

決議案の内容はぼやきくっくりさんが紹介してくださっているが、この決議案が日本に求めていることは次の四つだ。

  • (1)1930年代から第二次世界大戦までアジアと太平洋諸島を植民地支配した期間、世界が「慰安婦」として知るようになる、若い女性を性奴隷としたことの責任を公式に認め、受け入れること。
  • (2)この人道に反する恐ろしい犯罪について、現在と未来の世代に教育すること。
  • (3)慰安婦強制連行はなかったとする主張に、公式に、強く、繰り返し反駁すること。
  • (4)「慰安婦」問題に関する国連、及びアムネスティー・インターナショナルの勧告に従うこと。
  • 私はあえてここで慰安婦強制連行が実際に起きたかどうかという議論は避ける。だが実際に起きたことかどうかは別として、私にはどうも合点がいかない。どうして今さら60年以上も前の出来事、しかも日本の前政権時代に起きたことを掘り起こして対日非難決議など通さなければならないのだろう。第一、慰安婦問題は韓国と日本との問題であってアメリカには関係がないはずだ。このような決議を米議会が通せば日米間の関係に亀裂を及ぼすことになり、前政権の過ちを現政権につぐなわせるようなことになれば、イランや北朝鮮の問題で重要な同盟国である日本の協力を失いかねない。このような議決はアメリカにとって害あって益なしである。
    在米韓国人の間で地元の議員に圧力をかけての議案だというが、いったい在米韓国人の目的は何なのであろうか?日本に慰安婦問題を認めさせ学校などでそれを教えることで、いったい韓国と日本との間でどのような利益があるというのだろう?
    そんな話をミスター苺としていたら、「そりゃあ、君、明白だよ。北朝鮮の陰謀だ。」と言われた。確かにアメリカと日本の間に亀裂が生まれることで利益を得る国は北朝鮮だろう。北朝鮮は韓国はなんとか丸め込んだが、アメリカと日本からの圧力をそう簡単に振払うことができないでいる。だから日本とアメリカの間を冷たくすることで、二か国の協力関係による圧力を弱めようという魂胆なのだろう。だから在米の韓国人たちは北朝鮮の工作員にうまく利用されているのかもしれない。
    そして民主党の下院議員は地元移民たちからの票欲しさに、日本を生け贄にしようというのである。政治とはいえなんとも汚いやり方だ。とにかく決議案が見送られたことは幸いだった。今後もこのような議決が通らないように心して見守る必要がありそうだ。


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    男色議員のわいせつメールが巻き起こした波紋

    実はこの話、すべきかどうかちょっと迷っていたのだが、問題は失脚した議員ひとりの問題だけではすみそうにない。それどころか共和党全体にその波紋が広がり、来る選挙にも影響を及ぼす可能性が大きくなってきた。やはりアメリカ内政の一つとして取りあげねばなるまい。
    ことの起こりはフロリダ州の下院男性議員(共和党)が議員付添人(ページ)の当時16歳の少年に私信メールを送ったことから始まる。CNNの記事から読んでみよう。

    少年にわいせつメール送信? 米下院議員が辞職

    ワシントン(CNN) 米下院のマーク・フォリー議員(53)が、元議員付添人の10代の少年にわいせつなメールを送っていた疑いが濃厚になり、同議員は29日、辞職した。他議員たちからは、辞職では不十分だとして、刑事捜査を求める声があがっている。
    ABCテレビによると、フォリー氏はメールで、少年に対して服を脱ぐよう呼びかけたり、下着しか着ていないという少年に「脱がしたい」と伝えたりした。
    「君を興奮させたかい」などとたずねたこともあったという。ABCテレビは、これ以外のメッセージは生々し過ぎて公表できないとしている。
    フォリー氏は、フロリダ州選出の共和党議員で、6期つとめた。「家族やフロリダの人々をがっかりさせた」として、29日に突然、辞職した。フォリー氏は独身。
    下院は同日、全会一致で独自調査の開始を決めた。
    米議会は、全国の若者に議会で働く機会を与えようと、議員付添人(ページ)プログラムと呼ばれる制度を導入している。1983年には、下院議員2人が17歳の付添人と合意のうえで性的関係をもったことを認め、制度が問題視された。

    このCNNの記事は大切な部分が抜けているので補足したい。実は問題になっているメールは二通りある。
    一つ目のメールはフォリー議員は2005年に元議員付添人だった当時16歳の少年にメールを送ったものだ。しかしその内容は少年の自宅がルイジアナだったことからハリケーンカトリーナの被害はどうだったかとか、誕生日のプレゼントは何が欲しいかといったのような別にどうということのない内容だったのである。ただちょっと眉をしかめる部分があったとすれば、少年の写真を送ってほしいと書かれていた部分だろう。しかしこれも裸の写真を送れと書いてあったわけではないので、単に個人的に親しくなった少年の身柄が心配だっただけだと言い訳すれば辞任するほどのことではなかったはずだ。しかし少年の両親から苦情が出たため下院はフォリー議員に少年とはいっさい連絡を取り合わないようにと勧告してことはおさまっていた。
    問題なのは二つ目のメールである。これはメールというよりインスタントメッセージで、フォリー議員が別の当時17歳10か月の少年とメッセージをやり取りしたものだ。上記のCNNの記事に載っている、下着を脱がせたい、とか興奮してるか、とかいったわいせつな内容はこのIMの時のもので16歳のページへのメールとは全く別ものである。
    アメリカでは18歳未満は未成年とみなされ大人が未成年と性交渉を持てば、たとえ双方合意の上でも犯罪となる。フォリー議員がこの少年と実際に性交渉があったという証拠はなく、ただIMでわいせつな会話を交わすしていただけのようだが、それでも普段からインターネットにおける性犯罪者から少年を守るために戦っていると言っていたひとだけに、この問題はかなり痛い。
    選挙を5週間前にしてこのスキャンダル。当選間違いなしといわれていたフォリー議員の辞任は共和党には痛手だ。しかも民主党はこのスキャンダルを利用して他の強力な共和党議員をも失脚させようと必死である。
    ニューヨークの民主党はニューヨークのトーマス·レノルズ議員(共)下院議会議長のデニス·ハスター議員(共)らがフォリー議員のメール問題を知っていて黙認していたと攻撃している。しかし先にも述べた通り二種類のメールが存在しており、共和党の下院事務所が知っていたメールは最初のちょっと親しすぎる感じのメールであり、二つ目のIMのことではない。しかも下院はその時それなりの対処をとっており決して黙認していたわけではない。
    にも関わらず、民主党は故意に二つのメールを混合することで共和党を「青少年への性的虐待を容認している党」と印象づけようとしているのである。そしてもちろん民主党べったりの左翼メディアもこの陰謀に積極的に加担している。前記のCNNの記事などはその典型である。
    ではアメリカの左翼メディアがどのように共和党を陥れようとしているかその例をあげてみよう。下記はいまはリンクがつながらないアメリカ時間10月1日午前4時45分現在のAPの記事。(訳:カカシ)

    金曜日の夜、ハスター議員の報道官ロンボンジーン氏は共和党下院議員上層部は事件については知らなかったと述べた。

    土曜日の報告書のなかには詳細にわたる時間経過が含まれており、下院事務所が問題のメールについて学んだのは2005年の秋であるとされている。(ページが付添人をしていた)アレキサンダー議員のスタッフがハスター議長の事務所に少年の両親からフォリー議員に少年に連絡をとるのをやめてもらいたいと苦情がきたことを知らせた。その時アレキサンダー議員のスタッフはメールの中身については公表しなかったが、性的な内容ではなく「親しすぎる」内容だと告げたと報告書にはある。
    (カカシ注:あきらかに最初のメールのことを言っている。)
    ハスター議長のアシスタントはすぐに下院事務所に連絡を取り、「ご両親が子供のプライバシーを守りたいという意思を尊重し、即座に適切な担当へ連絡した」が上司のハスター議員を含めハスター議員の他のスタッフには何もいわなかったという。
    連絡を受けた下院事務所はページプログラムを統括するジョン·シムクス(共)議員へ問題をゆだねた。
    シムクス議員はメールについて2005年の暮れに学んだとし、即座に捜査をしたと語る。
    氏はフォリー議員は氏にたあいないやりとりであると語ったと言う。シムクス氏はフォリー氏に今後一切ページに連絡をとらないように、また他のページへも敬意を表するようにと勧告した。

    共和党下院事務所は知ってて黙認していたどころか、きちんと調査までして最後には勧告までしている。ところが数時間後、午前8時、APは大事な点を削除してこのような省略記事を掲載した。

    下院議長のデニスハスター氏の事務所は、メールについて先週になって初めて知ったと語ったが、去年の秋にアシスタントが問題を担当局にゆだねたことは認めた。事務所はメールの内容は「親しすぎる」とだけ伝えられたといっている。

    しかしこれが7時間後の2時50分になるとAPはどこからともなく全く別の嫌疑を持ち出してくる。共和党が性的な内容のメールの存在を知っていたばかりでなく、その事実を隠ぺいしようとしていたというのである。

    民主党、共和党がメールを秘密にしていたと糾弾

    ジョンマーサ下院議員(民)は共和党下院上層部が(この問題に)もっと早く対応しなかったことは遺憾であると発表。「彼等が隠ぺいしようとしたのではないかと心配になる」と語った。
    マーサ氏は下院道徳委員会が11月の選挙前に審議を終了させるべきだとし、そうして投票者が関係者に「責任をとらせる」ことができるようにすべきだと語った。そうすることによって共和党は庶民から失った信用をとりもどせるかもしれない、なぜなら「共和党指導者の評判は中古車セールスマンより信用がない」と語った。

    だが無論、共和党が隠ぺいしようとしたなどというのは全く馬鹿げている。2005年当時ならフォリー議員はまだ中間選挙の候補者にあがる前のことであり、ことがおおやけになったとしてもその時点で引退するなり処分されるなりしたほうが今の今まで黙っていて、選挙直前にばれるよりもよっぽどもましである。選挙直前だから問題になるが1年以上も前ならたいした事件ではない。それを共和党が知ってて隠していたなどとは政治的に考えてあり得ない。
    しかしニューヨークタイムスも、ロイターも、同じようにこの「共和党の隠ぺい」論を全く根拠もないのに報道している。
    アメリカの民主党や左翼メディアの程度が低いことは最初からわかっていたが、このような報道はいくらなんでも名誉毀損ではないのだろうか。共和党議員らは断固この卑怯なやり方を暴露し反撃してもらいたい。


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    公開された米機密報告書、本当の内容はいかに?

    この間漏えいされたイラクに関する情報をまとめた機密報告書「国家情報評価」(NIE)の一部が昨日公開された。漏えい記事を書いたニューヨークタイムスは、この報告書がいかにもイラク戦争が世界をより危険にさせたと結論付けたように書いていたが、実際の結論はもっと微妙なニュアンスがある結論になっている。だが書類が公表された今でも反戦派はこの当初の報道の結論を引き合いにだし、まだ執拗にイラク戦争のせいで危険が増加したとの姿勢を崩さない。
    ではいったいNIEの本当の内容とはどういうものだったのだろうか。CNNの記事を読みながら分析してみよう。

    NIEは今年4月、イラク・アルカイダ機構のザルカウィ容疑者が米軍の攻撃で死亡する数週間前に発行された。国家情報長官のサイトに掲載されたNIEの要点によると、「聖戦活動」が拡散し、反米組織が各地に設立されるなか、イスラム過激派は国際テロ対策に順応しつつある。聖戦活動は世界戦略を欠いているものの、新たなテロ組織が出現する可能性が高いため、聖戦組織を捜索し弱体化させるのは一層困難となっている。

    この間アフガニスタンのアルカエダ本部からザルカーウィ宛の手紙が公開された。それによると、本部はザルカーウィのやり方にかなり不満を持っており、ザルカーウィの乱暴なやり方ががスンニ派やバース残党などを遠ざけていると批判しているものだった。つまり、アルカエダはイラクというアフガニスタンからは比較的近くにある組織ですらも思うようにコントロールすることができなかったのである。ザルカーウィは自分をアルカエダからの直接な指揮下にあると考えていなかった証拠だ。ということは指揮者もはっきりしない、小さな組織が世界中に拡散するということはその勢力も拡散し効果も半減するということだ。

    米国主導のイラク戦争は、聖戦に関与している勢力にとって「関心の的」であり、米国のイスラム社会への介入に対する深い怨恨とともに「世界的な聖戦運動の支持者を育成する」結果を生んでいる。イラクの聖戦活動家らが成功を収めたと認識された場合、過激思想はエスカレートする恐れがあるが、失敗したとみなされた場合、聖戦活動を継続する活動家は減少する見通し。

    さてここが非常に大事な点だ。これはこの間ブッシュ大統領がいっていた通り、イラクでの勝敗が今後のテロリストの士気に多いに影響があるということである。たとえイラク戦争がアメリカへの怨恨により聖戦運動家を増やしたとしても、イラクでテロリストが負ければアルカエダへの勧誘はうまくいかなくなり、戦争に関わった人々も国へかえって恥さらしなテロ活動はしないだろうということなのだ。ということは今すぐイラクから撤退するということは対テロ戦争において完全な命取りになるということだ。

    NIEは、米国主導のテロ対策がアルカイダの指導者らや活動に「重大な打撃」を与えたとする一方、アルカイダが米国にとって依然最大の脅威であると位置づけている。また、聖戦への関与を自称するイスラム教徒の増加傾向が続いた場合、米国内外の権益に対する危険が多様化し、世界各地で攻撃が増加するとの見通しを示している。

    え? なんだって、『米国主導のテロ対策がアルカイダの指導者らや活動に「重大な打撃」を与えた』?こんな大事な部分がニューヨークタイムスの記事には載っていなかったとは、これはいかに。先日新しくイラクのアルカエダのリーダーとなったAbu Hamza al-Muhajir 別名Abu Ayyub al-Masri, がイラクでは4000人の聖戦者が殉教したと発表した。(The Belmont Clubより)アメリカ軍は正確な数を発表していないが、実際の数はその倍に近いだろうということである。
    イラク戦争によって聖戦活動家、ジハーディストが増えたというなら、我々が殺している中から次から次へと生まれたということになるが、経験ある戦士が次々と死んだり捕まったりしているのに、入れ替わった新しい戦士らがより強力な勢力になるとは考えにくい。

    聖戦活動の拡散を容易にする原因として挙げられているのは、▽汚職や不正、西側諸国による支配への恐怖といった根強い不満▽イラク国内の聖戦▽イスラム各国における経済・社会・政治改革の滞り▽イスラム教徒の間にまん延する反米感情──の4つ。事態解決にはアルカイダ指導者の拘束や殺害以上の方策が求められているが、アルカイダがオサマ・ビンラディン容疑者やザワヒリ容疑者といった大物を失った場合、小さなグループに分裂する恐れがある。

    イスラム過激派によるテロの激化を食い止める方法としては、聖戦活動家らが掲げる過激なイデオロギーの公表や、尊敬を集めているイスラム聖職者を通じたテロ非難などがある。聖戦活動家らによる大量破壊兵器の入手や、インターネットを通じた通信やプロパガンダ活動、人員募集、訓練、各種支援の取得を阻止する必要もあるという。

    アメリカの各情報部が集まって作った報告書にしてはずいぶんありふれた分析だ。イスラム過激派との戦いは戦場だけでなく、諜報と情報操作にも大いに力を入れなければならない。だからこそアルカエダのザワヒリが今日も今日とてビデオでせっせと勧誘運動を行っているのである。

    ブッシュ米大統領はアルカイダの拡散を指摘したNIEに同意する一方、イラク戦争によって米国が安全でなくなったとする解釈を拒否する姿勢を示した。大統領はまた、海外のテロリストを打倒することが米国を守る最善の方法だと強調した。

    まさしくその通りだ。この報告書で一番大切な結論は、今すぐイラク撤退などという愚かなことをしてはいけない、イラク戦争には断じて勝たねばならない、ということだ。実際の報告書の内容は最初に漏えいされた内容とはかなりくい違うものであったことが読者の皆様にもよくお分かり頂けたと思う。
    やはり中間選挙に向けて民主党がより優勢になるよう計算づくの漏えいだったのだろう。だが、ブッシュ大統領が中身を素早く公開してしまったため、「切り捨て遁走」を唱えている民主党にとって、かえってこれは逆効果になってしまったのではないだろうか。
    関連ブログ記事:

    「イラク戦争の勝利が決め手」ブッシュの反撃記者会見!

    イラク戦争はテロを悪化させたのか?


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    イラク戦争はテロを悪化させたのか?

    アップデート!最後を参照!
    この週末旅行をしていてブロギングができなかったので、コメントをいただいたみなさんに返答できなかったことをお詫びします。特にsouさんのコメントの承認が遅れたことをお詫びします。
    さて、コメンターのsnoozyさんがご心配されている、イラク戦争がかえってテロを悪化させたというアメリカ情報機関NIEの報告書だが、このことについてはこちらでもニューヨークタイムスやワシントンポストが報道している。
    まずは読売新聞の記事より。

    「イラク戦争でテロ問題悪化」米情報機関が機密報告

    【ワシントン=貞広貴志】中央情報局(CIA)など16の米情報機関が、国際テロの動向とイラク戦争の関係を分析した機密報告をまとめ、「イラク戦争は、全体としてテロの問題を悪化させた」と結論付けていたことがわかった。
    24日付の米紙ニューヨーク・タイムズが報じたもので、ブッシュ政権の「対テロ戦争で世界と米国はより安全になった」という公式見解を情報機関が否定する形となった。
    同紙によると、「世界規模でのテロの傾向」と題した機密報告は、政府機関内での激論を経て今年4月にまとめられた。国際テロ組織「アル・カーイダ」とその関連組織を核としていた勢力が、アル・カーイダ指導部とは直接のつながりを持たない「自己派生」の細胞組織へ変ぼうしてしまったと分析。
    また、「イスラム過激主義は、衰退しているというよりも拡大している」と指摘した。
    (2006年9月25日2時1分 読売新聞)

    私はこの記事には二つの問題点があると考える。
    先ず第一にNIEの報告書は秘密書類であるため報告書そのものは一般公開されていない。よってこの報告書の内容はNYTの説明に頼るしかなく、実際の内容をを確認することができない。これまでに何度も意図的に虚偽の報道をしてきた前科のあるNYTの記事なのでそのまま鵜呑みにするのは危険である。
    第二に、もしNYTの説明が正しかったとしても、イラク戦争後にテロ活動が悪化したからといって、その原因がイラク戦争にあったという根拠にはならない。
    ではNYTの記事から少し抜粋して考えてみよう。(訳:カカシ)

    書類ではイラク戦争が世界的な聖戦運動に及ぼした影響についてはほんの少ししか述べられておらず、「イラクで進行中の自由への戦いはテロリストの戦意を奮い起こすプロパガンダとして歪曲されてしまった」とある。
    報告書ではイラクで戦ったイスラム過激派がそれぞれの国へかえって「国内での紛争を悪化させる、もしくは過激な思想を設立させる」恐れがあると語る。
    概要は過激なイスラム運動がアルカエダの中心から、アルカエダ指導層によって刺激され「自発的に生まれ」ながら直接オサマビンラデンや上層部との関連のない新しい部類のグループを含む提携した集団へと拡大したと結論付ける。
    報告書はさらにインターネットがどのように聖戦主義思想を広める役にたったかを分析し、サイバースペースによってテロリスト工作がもはやアフガニスタンのような地理的な国々だけに限られないことを報告している。

    テロリストの活動がアルカエダの中心からインターネットなどによってジハーディストの思想に共鳴する直接関係のないグループへと拡大したのは事実でも、それとイラク戦争とどういう関わりがあるのだろうか? イラク戦争によって反米意識が高まりジハーディストの士気があがったという理屈なら、911でアメリカがなにもしなければ、世界中のジハーディストたちが、アメリカの弱腰に元気つけられて活動が活発になったという正反対の理屈も可能だ。
    イスラム過激派によるテロが悪化したことがイラク戦争のせいだというのであれば、イラク戦争がなかったらこれらの事態はおき得なかったということを証明する必要がある。だがNYTの記事ではそのような証明は記述されていない。それどころか歴史的事実がこの結論付けを完全に裏切っているといえる。
    イスラム過激派の活動が活発になったのは、なにもイラク戦争開始の2003年に始まったことではない。1979年のイラン宗教革命以来、イスラム過激派によるテロ行為はあちこちで起きていた。特にジハーディストの活動が目立ってきたのはソ連によるアフガニスタン侵略以後だといえる。持ち前の資金を使ってアフガニスタンで武器調達などに貢献したビンラデンの権威があがったのもこの時期だ。
    国連がイラクのクエート侵略を阻止したとはいえ、フセイン政権が存続したためクリントン前大統領の無行動によりフセインの勢力は湾岸戦争後完全に回復し、より手強い敵となってしまった。上院議会の報告書がなんといおうと、イラク国内でアルカエダがザルカーウィを筆頭にすでに訓練キャンプをつくっていたことはどの国の諜報機関も認めていることだ。アメリカがフセイン政権を倒さなければこれらのキャンプがイラク政府の協力を得てより手強いテロリスト養成所となっていただろうことは容易に想像できる。
    しかもフセインは大量破壊兵器の開発への野心を全く捨てていなかった。国連による経済制裁は事実上終わりに近付いており、数年後には生物、化学兵器はおろか、核兵器ですら所持する国家になったであろうイラクにおいて、このようなテロ集団が自由に行動することを考えた場合、イラク戦争がなかったら、テロ活動が悪化しなかったと結論付けることなど絶対にできない。
    第一、アルカエダのリーダーであるオサマビンラデン自身が911でアメリカ本土に戦いを挑んだ理由として、アメリカのそれまでのテロ行為に対する及び腰に勇気づけられたと語っているのである。アメリカは弱い、アメリカは反撃しないと、ビンラデンはテロ直後のアメリカ軍のレバノンやサマリア撤退、そして数々のテロ行為に対してアメリカの無策をあざ笑った。
    つまりアメリカがテロ行為に反撃しなかったことが、テロリストの戦意を高めたともいえるのである。とすれば、イラク戦争がテロを悪化させたというこの理屈がどれだけ中身のないものかが分かるというものだ。
    アメリカの中間選挙をひかえ、都合良くこういう報告書がNYTによって漏えいされるというタイミングも十分に考えるべきである。
    アップデート:
    今朝ブッシュ大統領はアフガニスタンの大統領との合同記者会見でNIEの報告書を一部公開することを発表。すでに発表されたので、後でコメントします。乞うご期待! 


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    ブッシュと共和党、共に支持率上昇

    主流メディアは無視しているが、11月の中間選挙を目の前にして共和党支持者としてはけっこう歓迎する世論調査結果がでた。先日発表されたUSA Today/Gallop世論調査によるとブッシュ大統領の支持率は44%で、去年の最低時より10%もあがっている。また共和党の支持率は民主党と同率の48%。世論調査では普通民主党のほうが実際より高めにでるので、統計上同率ということは、本当は共和党のほうが上だということになる。非常にうれしいニュースだ。
    投票者にとって一番大切な問題は何かという質問では、イラク、テロリズム、経済、移民問題の順で並んだが、これらの問題を取り組むにはどちらの党がより良い仕事をするかという質問では、共和42%、民主44%とその差は誤差の範囲でほとんど同等。またブッシュ大統領のイラク政策を支持した候補者を支持するかという質問では、支持する39%、支持しないが40%とこれもほとんど差がない。これがブッシュの対テロ政策になってくると、支持するは45%、しないは28%で、ブッシュの対テロ政策への信頼は高い。
    ということは今までブッシュのイラクやテロリズム政策に賛成してきた候補者は、ブッシュ離れをするのは得策ではない。任期6年目の中間選挙時に支持率44%なら、決して悪い数字ではない。候補者たちはブッシュ大統領の応援を求めた方が有利かもしれない。
    テロリズムがアメリカ国民の間では大事な問題であることが顕著なのは、ブッシュ政権のテロリストからの電話を盗聴する政策について、よいことだと答えたひとが55%で悪いことだと答えた42%であることだろう。民主党はこの政策を国民のプライバシーを侵害するとブッシュ政権を攻めていたが、この作戦は逆噴射の恐れがある。
    イラク戦争に関する国民の意見も、まっぷたつに割れている。
    イラクに軍隊を送ったのは正しかったと思うかという質問では、答えはまっぷたつに割れた49:49。
    ブッシュ大統領にはイラクに関して明確な計画があると思うかという質問では、あるが36、ないが61と頼りないが、では民主党には計画があると思うかという質問ではあるが25でないが67。これではブッシュも頼りないが、民主党はもっと頼りないということになる。
    イラク戦争が対テロ戦争の一環であると思うかという質問では、思うが48、思わないが49。
    ただイラクの情勢が内戦状態にあると思うかという質問では72%が内戦状態にあると答えているにも関わらず、一年以内にアメリカ軍を撤退させるべきだと答えたのは31%で、必要なだけ駐留すべきだと答えた42%をずっと下回った。
    つまり、アメリカ国民はイラク情勢に関してかなり心配であることは確かだが、民主党のいうような「切り捨て退散」を支持しているわけでもなく、ブッシュ政策に不満があるとはいえ、民主党よりは信用できるという意見のようだ。
    民主党は反戦ムードの候補者に力をいれているが、この作戦がうまくいくのかどうか、わからなくなってきた。


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    911ドラマ、『911への道』を観て、、

    クリントン元大統領や民主党議員たちがABCテレビ局製作のPath to 911(911への道)放映を阻止しようと躍起になったにも関わらず、ABCは多少の編集をしただけでほぼそのまま放映した。

    全編は四編に別れた5時間ものなので録画して三日に分けて観た。私はここ数年911について非常に興味があったことでもあり、ドキュメンタリーを見たり、関係書類を色々よんだりしているので、このドキュドラマで描かれた歴史的事実についてはほとんど全て知っていたが、それでも改めて驚かされる場面もあった。全体的に事実に基づいた正直な作品になっていると思う。

    ただ、ドラマであるから主人公のFBI役員のジョン·オニールや若いCIA工作員のカーク(仮名)らが英雄的にかなり美化されている点はある。特にクリントンのテロ対策委員だったリチャード·クラーク氏はちょっとかっこ良すぎる。(笑)しかしクリントン大統領をはじめ、オーブライト官房長官や警備アドバイザーだったサンディー·バーガーなど、自分の政治生命を守ることに必死で国の防衛など後回し、彼等の優柔不断で無責任な態度をよくまあABCがあそこまで描けたものだと驚くとともに感心してしまった。

    特にビンラデンの家を北同盟の戦士と一緒に囲んでいたCIA工作員たちが、ホワイトハウスからの最終許可を得られずみすみすビンラデンを取り逃がしたシーンなどはみていて歯がゆいったらない。北同盟のリーダーは「アメリカには最新の武器はあるが、誰も戦争をする度胸がない」とCIA工作員に食って掛かるシーンは印象的だ。
    また別のシーンで、ビンラデンの隠れ家を無人飛行機に備えられたカメラでとった航空写真を北同盟のリーダーに見せるシーンでは、「我々が欲しいのはビデオでもミサイルでもない、ジープやヘリコプターだ。」アフガニスタンがソ連と戦っていた時はアメリカは何でも用意してくれたと彼は言う。「レーガンは解っていた」ABCのドラマが、当時メディアに目の敵にされていたレーガン大統領についてここまで言うとは驚きだ。(注:レーガン大統領、共和党、1980年〜1988年)

    前半の終わりで1993年の第一貿易センターテロの首謀者で911テロ計画の首謀者だったラムジーユーセフが逮捕されるまでの過程はまるでスパイ大作戦でもみているようで興奮する。ユーセフを裏切った男が合図をしてCIAエージェントたちが一斉に建物に押し入る図などは見ていてすかっとする。もしこれがフィクションの映画なら、ここで悪者が退治され「めでたし、めでたし」で終わるところなのだが、実際にはユーセフの計画はすでに後戻りできないところまで進んでいた。現実の悲劇である。

    前評判では後半はブッシュ大統領への批判がかなりひどくなるという話だったが、クリントンの8年と比べてブッシュはたった8か月。最初の頃はブッシュ政権のテロ政策はクリントンの政策をそのまま継続していただけなので、FBIがCIAから情報をもらえずに苛立つ場面などは、ブッシュへの批判というより融通の利かない組織への不満であるように受け取れた。

    911が近付いてくるに従って、アルカエダ工作員たちの活動は盛んになった。彼等が動けば動くほどアメリカ各諜報組織はそれぞれ色々な情報を手に入れる。だがCIAは情報過多で盗聴した膨大な量のアラビア語の交信が英語に訳せなかったっり、とった写真の意味を分析する人間がいなかったり、なにかが起きると分かっていても予算不足で動きがとれない。FBIはFBIで、テロをおっていたジョン·オニールが組織内部の勢力争いに破れて辞任。移民局は違法滞在をしていた911テロリストの一人を一旦逮捕はするものの持っていたコンピューターの捜索許可が降りずみすみす証拠を手放す。民間の飛行訓練所の講師らがテロリストたちの態度がおかしいとFBIに連絡をとるが、それが上まで伝わらない。飛行場で関税の役員が怪しげなサウジ人の入国を拒否して送り返すが、このリポートはどこへもいかない。

    とにかくあらゆる場所で点が無数に集められていたにもかかわらずこれらの点が結びあって線とならないまま、911が迎えられる。

    あれだけ貿易センターのテロリスト追求に躍起になっていたオニール氏は、FBI引退後貿易センターの警備責任者としてあの日もビル内部で働いていて果てる。アメリカ国内でひどいテロが起きるのを防ぐために過去10年近くも働いていた彼にはさぞかし無念だったことだろう。

    このドラマのメッセージは明白だ。我々は1993年以来、いやもっと以前からイスラム過激派のジハーディストらと戦争状態にあった。ただ我々は2001年の9月11日まで一部の諜報部員たちを除いて大統領から一般庶民にいたるまで全く気が付いていなかったのである。911は我々の無知と無策と油断のたまものだ。

    911は我々には苦い薬だった。だがこの薬が911以後生かされたのかどうかは、保守派とリベラルでは完全んい見解が異なる。だがひとつだけ確かなことは、我々は常にジハーディストたちと戦争状態にあるということを忘れてはならないということだ。敵の目的はただひとつ、我々の世界を破壊しジハーディストの理想の世界を作ることにある。そのためなら彼等は手段を選ばない。そのような敵と戦っているということを我々は常に念頭において行動すべきである。

    なぜなら我々が一時でもそれを忘れれば、そのときこそ911事件が繰り返されるからだ。
    無策無能だったクリントン大統領が放映阻止をしたがったのも納得がいく。


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    米左翼による言論弾圧手法

    この間私は『言論弾圧をする危険な日本右翼の台頭』で、外務省の日本国際問題研究所の英文編集長の玉本偉氏のオンラインジャーナルの内容について抗議した産経新聞の古森義久氏の行動を例にあげて、ワシントンポストが日本では右翼台頭による思想弾圧が横行しているという記事をかいたことを紹介した。
    このワシントンポストの記事については依存症の独り言さんが詳しい分析をしておられる。

    ワシントン・ポストに寄せられた批判論文の内容は、「言論封殺」などというレベルのものではない。タイトルからして、「日本の思想警察の台頭」である。つまり、今の日本が言論や思想を統制する方向に進んでいると警告しているのである。

    この批判論文の筆者・Steven Clemons氏は、今の日本の政治について、「1930年代の軍国主義と天皇崇拝と思想統制を熱望する暴力的な極右活動家グループが、更なる主流の中へと移動を始めた」と書く。加藤紘一氏の実家が放火された事件も、この流れの中で捉えている。つまり、Clemons氏にかかると、日本の「普通の国」になろうとする動きも、行動右翼(街宣右翼)のそれと同じになってしまうのである。そしてClemons氏は、産経新聞や古森氏が行動右翼を刺激し、彼らによる言論封殺を勇気づけているとまで書いている。
    まったくの誤解、というより無知と偏見に基づく的外れな誹謗にすぎないのだ

    依存症さんは、クレモンス氏が「無知と偏見」にもとずいた「的外れな誹謗」をしているとおっしゃるが、クレモンス氏は十分に自分が書いていることが「的外れな誹謗」であること心得ている、いわゆる確信犯なのである。彼には反対派を「右翼テロを促進している」と攻めることによって黙らせようという魂胆があるのである。
    この間もちょっと書いたが、アメリカの左翼連中は自分らの意見を批判されるとすぐに反対派から「脅迫状を受け取った」と騒ぎ立て、自分達の言論の自由が迫害されていると主張する傾向がある。彼等は自分らに反対するひとたちは暴力的な過激派であるという印象を作り出したいのである。だから反対派の正当な反論を「言論の自由を迫害する」「人種差別」などと批判し、挙げ句の果てには「ファシスト」などというレッテルを貼って黙らせようとするのである。
    言論の自由とはなんでも好き勝手なことをいって誰からも批判されないという意味では決してない。おおやけの場所で意見を述べたならそれが公に批判されるのは当たり前だ、それを受けて立てないなら最初から発言すべきではない。
    以前にも元カントリーウエスタンの人気バンドで、イラク戦争前夜にロンドンで大統領の悪口をいって人気がた落ちになったデキシーチックスという女性たちの話をしたことがある。彼女たちは人気バンドであるという地位を利用してコンサート会場で政治声明を発表した。にもかかわらず、その後に集まった批判の声に大して彼女たちは「言論弾圧だ」と大騒ぎをした。その例として「脅迫状を受け取った」という決まり文句があったことはいうまでもない。
    またイラク戦争で息子を亡くしたシンディ·シーハンという女性は、息子の戦死を利用して反ブッシュ政権のプロパガンダをまき散らしておきながら、ちょっとでも批判されると「戦争で息子を亡くしたかわいそうな母親を攻める冷血非道な保守派」というレッテルを相手に張って反対意見を弾圧する。保守派の政治評論家アン·コルター女史などは、シーハン夫人ほど息子の死を楽しんでいるひとも少ない、と辛辣な批判をして左翼連中から「不謹慎だ」ど大避難を浴びた。
    思想警察だの言論弾圧だのを本当にしているのは、このような言葉を使って右翼を黙らせようとしている左翼連中である。これは昨日も911ドラマ、民主党が放映妨害で書いた通り、911事件のテレビドラマ放映の妨害に躍起になっているのは右翼ではなく、クリントン元大統領をはじめ民主党の左翼連中であることが物語っている。
    日本が「普通の国」になろうとしている今日、今後もこのような米国左翼による本格的な攻撃がされることを覚悟しておくべきだろう。このような攻撃に立ち向かうためには、米国左翼メディアの言論弾圧手法を十分に心得ておくべきである。アメリカでこのような左翼の言論弾圧に長年苦しめられてきたアメリカ保守派として、私が少しでもお役に立てれば幸いである。
    日本にとってもアメリカにとっても、本当の敵は左翼による思想統制である、右翼台頭などではない。
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