共和党に入れたら病人が死ぬ、コマーシャルが逆噴射

さてまたまた本日からネットアクセス不可能な場所に8日間ほど缶詰になり、帰港するのはなんと中間選挙前日の月曜日。 幸いなことに選挙がどうなるかはリアルタイムで知ることができるので、結果報告及び分析も実況できる予定。
金曜日に一時寄港した時、ミスター苺は電話口で、「君~すごい一週間だったよ。選挙状況がかなり変わってきた」と興奮した調子でまくし立てた。 アメリカの地方選挙などには疎い私でもそれぞれの話は面白いので今週は選挙運動逸話をいくつか紹介していきたいと思う。
先ずはメリーランド州、上院議員選。 共和党の候補者はマイケル・スティール氏、民主党候補者は現在下院議員のベン・カーディン氏。 支持率は5%くらいの差でカーディン氏が優勢。 だからこの話はなんともやぶへび。
映画俳優のマイケル・J・フォックスといえば、1980年代にテレビ俳優から映画俳優へと転向しバックトゥーザフューチャーの三作で一躍大スターになった人。その後ホワイトハウスを舞台にしたコメディドラマ「スピン・シティ」に出演していたが、1990年代後半に持病のパーキンソン病の症状が悪化したため俳優を引退した。
そのフォックスが最近アメリカ各地で、民主党のために選挙運動をしているのだが、そのテレビコマーシャルは共和党はパーキンソン病治療法の研究に必要なステム細胞使用に反対している、共和党に投票すればパーキンソン治療開発は絶望的であるといった内容だという。 民主党のやりかたは常に共和党は冷血漢で病人やお年寄りのことなど全く考えない、男女差別、人種差別、同性愛恐怖症、とレッテルを貼るというもの。 その点民主党は弱者の味方。皆さん民主党に清き一票を、、てなもんである。
このコマーシャルが流れたマイケル・スティール(共和)候補の地区では、このコマーシャルにスティール候補が真っ向から反撃。ターナーという女医が出演するコマーシャルでは次のようなメッセージが流れた。(スティールのコマーシャルとフォックスのコマーシャルはReal Clear Politicsで見ることが出来る)

ターナー医師: 私はドクター・モニカ・ターナーと申します。
ベン・カーディン議員(民主)によるマイケル・スティール候補への攻撃はわざと誤解を招くような悪趣味な広告です。カーディン議員は自分の政治力を強めるために恐ろしい病気の犠牲者を利用して人々を怖がらせようとしています。
カーディン氏は恥を知るべきです。
マイケル・スティールについて皆さんが知っておくべきことがあります。彼は幹細胞研究を支持しています。そして彼はこの病気で苦しむ人々にのことを深く慮ってます。
どうして私にそんなことが解るかですって? それは私がマイケル・スティールの妹だからです。
私はパーキンソン症候群を煩っています。マイケルは私のことを考えてくれてます。

あ~れ~、これはちょっとすごい反撃。 これをもち返すのはかなりたいへん。 スティール氏は胎児胚の生化幹細胞研究には反対しているが、胎児胚を破壊しない幹細胞研究は支持している。 ところがフォックスには気の毒なことになんと民主党候補のカーディン議員は肝細胞研究は全面的に反対しているのである!
スティール候補はカーディン議員は幹細胞研究を支持する機会があったにも拘わらず、ブッシュ大統領が提案した非破壊的な幹細胞研究法案に反対投票をした。 それは決してカーディン氏がこの法案に信念的な異議があったからではなくブッシュ大統領発案だったからという政治的な理由でのことだった。 カーディン議員はパーキンソン症候群の患者のことより自分の政治的地位を重んじたのであると攻撃した。
フォックスも場所を選んでコマーシャルを流すべきであった。 これではひいきの引き倒し。あり型迷惑もいいところだ。


Comment

米共和党スキャンダルを超え巻き返す

この間からずっとバージニア州に出動じゃないや、出張している話は昨日も書いた。 カカシは自宅ではあまりテレビニュースを観ない。私はニュースはもっぱら朝の通勤中にラジオで聴くか職場でネットサーフしながらニュースを読むのが常である。たまにニュースをテレビで観るとしたら、職場の待合室にあるテレビで写しっぱなしなっているフォックスニュースくらいだ。
それで出張先のホテルでCNNニュースを観ていたらそのあまりの偏向放送におくちあんぐり! な、な、な、なんだこれは! とあきれ返ってしまった。普通のアメリカ市民はこんなニュースを毎日観ているのか、どうりでイラクは泥沼だとか共和党はもう終わりだとか思うわけだ。(たまには敵のプロパガンダも観てみるものだ。)
たとえば共和党が最近放映しだしたこのテレビコマーシャルについて、CNNはテロリストの脅威を誇示して、アメリカ市民を不必要に脅かしているというコメント入りで紹介。
さて、それで肝心の支持率だが、共和党はマーク・フォーリー議員のスキャンダルでてっきり支持率がた落ちと思いきや、そうでもない。 
ブッシュ大統領と共和党の支持率はスキャンダルの前まで少しづつではあるが、じわじわと上昇しつつあったことはこのブログでも何回か書いた。特に今年の9月11日以降、共和党の支持率上昇振りは結構見ごたえのあるものだった。ところが9月29日、ABCテレビ局とワシントンポストがフロリダのマークフオーリー議員のスキャンダルを暴露して共和党勢いが急停止してしまった。
共和党にとっては大打撃だった、、、はず、、、ところが、、ジャジャーン!
民主党はスキャンダルのおかげで支持率急上昇。ちょうど10月11日から12日にかけてこの人気は頂点を迎えた。この時点で取られた世論調査では民主党が断然有利だったため、主流メディアは1994年に共和党が上下院で多数議席を奪ったような大津波が起き、民主党が40から50の議席を取って、民主党が晴れて上下議会を再び支配するときが来ると歓喜の声をあげていた。
しかし選挙を二週間半に控えたいま、振り子はまた反対に振ろうとしている。スキャンダルの炎が燃え尽き、高揚する経済、低い税金、国防などが再考され、共和党の支持率が再び上がり始めているのである。イラク状況でさえ、対テロ政策として再び見直されてきている。それに引き換え民主党は勢いを失いかけている。
しかしおかしいではないか、通常ならば共和党は10月の中旬にそのピークを向かえ、後はだんだん支持率が落ちて民主党の支持率が上がるはずだ。 民主党が自分らの政策を打ち出し、共和党と対抗する考えを国民に訴えるという通常の選挙運動をしていれば、この次期支持率が向上するのは民主党のはずだった。しかし民主党はフォーリー議員のスキャンダルに力を入れすぎて選挙運動を怠ったため、この自然の振幅リズムを崩してしまったのだ。
つまり民主党は共和党が時期早尚にピークに達するのを防いで、反対に自分らのピークを早めてしまったのである!
さてさて、11月7日の選挙はどうなることやら。 ところで、私は選挙当日も出張中で投票できないので、投票を郵便で送れるよう手続きをしておいたのだが、「投票券きた?」とミスター苺にきくと「あ、君ね、もう投票したよ、全部民主党にいれといたから安心したまえ」とミスター苺。あ~た、ちょっと冗談きついわよ。(笑)


Comment

米中間選挙: 共和党よ今こそ踏ん張る時!

私がアメリカ保守派に対して文句があるとすれば、どうも多くの人々が悲観的な考えを持ちすぎていることだ。メディアの報道は偏向だといいながら、メディアが共和党はもう負ける、イラクは泥沼だ、アフガニスタンは大失敗だと大騒ぎするのを真に受けて、「もうだめだ~」と選挙もやってないのにあきらめるやからが多すぎることだ。 私はこの共和党の敗者思想が大嫌いである。
アメリカではワシントンDCで政治関係社会をベルトウェイと呼んでいるが、ベルトウェイの分析は政治家の内輪による分析であり、アメリカ内部のハートランドと呼ばれるアメリカ国民の意見を必ずしも反映していない。 ミスター苺の下馬評によると、共和党が民主党に撮られる議席は下院で12議席、上院では4議席にとどまり、どちらも共和党が多数議席を保つだろうと予測する。 この意見にはブッシュ大統領もホワイトハウストップアドバイザーのカール・ローブ氏も同意している。(White House Upbeat About GOP Prospects、ワシントンポストより。)

中間選挙を目前に共和党の間ではパニックが広がっているなかで、ある二人の共和党員は側近の味方からも行き過ぎと思われるほど楽観的だ。その二人とはブッシュ大統領とトップ政策アドバイザーのカールローブ氏。
共和党員の中には下院で25議席以上失うのではないかと覚悟している人たちもいる。しかし党の運動員たちによるとローブ氏は最悪の場合でも8から10議席程度の損失で住むだろうと予測しているという。民主党が1994年ぶりに多数議席となりブッシュ政権の第二期のバランスを揺るがすのに必要な数より15席も足りない。

上院ではローブ側近は民主党が勝つためにはよっぽどのことが無い限り必要な6議席を勝ち取ることはできないだろうと語る。
というわけだからそう悲観的になる必要はないと我々は考える。問題は共和党支持者があきらめて投票日に自宅にひきこまらないように、共和党選挙運動家たちは積極的に共和党登録者に投票を促すことだ。いくら共和党の働きぶりに不満があっても、だからといって民主党に多数議席をとられてもいいと考える共和党員はいないだろう。
いまこそ踏ん張って中間選挙に挑むべきときである。


Comment

米左翼、共和党議員をホモと「暴露」したのはいいけれど、、、

わが姉妹ブログのBig Lizardsでミスター苺がかいた記事Quick, Somebody Find Mike Rogers a Mapが傑作なんでこっちにも同時掲載しよう。
左翼の工作員ディーン・バーネットが共和党の上院議員ラリー・クレイグ氏が同性愛者であると「暴露」した。 クレイグ氏も妻(女性)も家族も絶対そんなことはないと否定している。
実際にクレイグ氏が同性愛者であるかどうかなど議員の仕事振りには無関係のはず。しかし今度の中間選挙を野球の番付みたいに表まで作って予測しているミスター苺も、クレイグ氏の名前が話題に上ったのを聞いたことが無い。いったいクレイグ議員はどの選挙区から出馬しているのだろうと調べたところ、クレイグ氏は今度の選挙に出馬していないことがわかった。なぜなら2002年に再選されたクレイグ議員の任期が切れるのは今年ではなく2008年だからだ!
宗教右翼は絶対に同性愛議員を支持しないと踏んで保守派議員をホモだなんだと騒ぎ立てる汚い手を使うなら、せめて選挙に出馬している議員に限ってやってもらいたいもんだ。(笑) 汚い選挙活動もここまで来ると間抜けとしか言いようが無い。


View comment

米民主党、アメリカ兵とカナダ兵の制服を取り違える

ちょっと笑える話を読んだので一言。
アメリカ民主党のホームページには、「アメリカ軍人とその家族」というページがある。このページのトップにある横帯の写真の下にGet Involvedと題された写真が載っている。いまいくとこれは星条旗になっているが、昨日までここには軍人の写真が載っていた。しかし軍人は軍人でも軍服がおかしいなあ、と気が付いた人たちがいた。
アメリカ軍人を支援するページだからアメリカ軍人が読んでてすぐに気が付いたのだろう。当たり前だが、、、
LGFによると、この制服はカナダ軍のものなんだそうだ。(笑)アメリカ軍を支援するというページでアメリカ兵の写真も見つけられずに間違えてカナダ兵の写真を載せたとしたら、かなり恥かしい。
民主党が軍隊から支持されないわけだ。


Comment

米共和党:スキャンダルで支持がた落ちと思いきや、、、

アメリカの世論調査を集計しているリアルポリティクス(Real Clear Politics)のジョン·マッケンタイヤー(John Mcintyre)の分析によると、わいせつメールスキャンダルは確かにブッシュ大統領の連続演説のメッセージから話題をそらし、共和党の選挙運動の勢いを弱めはしたが、それほどひどい悪影響は見せていないようだとある。
このスキャンダルで影響を受けた共和党候補者は意外にも保守派ではなく比較的穏健派の候補者のようだ。それというのも、穏健派の出ている地区はもともと民主党支持の強いところであり、共和党候補が勝つとしたら共和党のメッセージが幅広く投票者の耳に届く必要がある。にもかかわらず、大事な選挙運動の2週間がくだらないセックススキャンダルにとられてしまって、彼等の選挙運動がメディアから閉め出されてしまったからだ。もともと苦戦をしていた上院議員候補リック·サントラム(Rick Santorum)氏と マイケル·スティール(Michael Steele)氏の勝てる可能性はほとんどなくなってしまったとマッケンタイヤーは書いている。
しかしこれらの議席はもともと危なかったものなので、このスキャンダルが直接の原因ともいえないらしい。残りの数週間でサントラム氏とスティール氏が挽回できるかどうか、勝利はそれにかかっている。
さて、わが姉妹ブログBig Lizardsのミスター苺(Dafydd)によると、スキャンダルの影響はメディアが騒ぐほどひどいものではないとある。
このスキャンダルで一番民主党やメディアからやり玉に挙げられている共和党議員といえば、下院議員のトム·レノルズ(Tom Reynolds)氏である。フォリー議員のメールについて連絡を受けた最初の二人めがレノルズ議員であり、影響を受けるとしたら彼が一番危ないといえる。ところが最近の世論調査では彼の支持率に動きは見られない。
ただ先週と比べてレノルズ議員は挑戦者デイビス氏に優勢を奪われているので、一見するとスキャンダルがデイビス氏を有利にしたような錯覚を受けるが実はそうではない。
この地区にはもうひとりグリーン党の候補者、クリスティーン·マーフィー( Christine Murphy)氏が出馬していた。彼女を含めた前回の世論調査では、レノルズ氏 (共和)45% , デイビス氏(民主)43%, マーフィー氏(グリーン)8%だった。それがマーフィ氏が事情があって失格したため、レノルズ氏とデイビス氏の一騎討ちとなった今回の世論調査によると、レノルズ45%, デイビス50%と、グリーン党支持者の票が7%もデイビスに移行したことがわかる。
つまり、レノルズ氏の支持率はスキャンダル前後全く変化がないということだ。無論、マーフィー氏の失格によってレノルズ氏が劣勢になたことは問題だ。しかしこの地区はもともと共和党寄りで2004年の選挙では圧倒的にブッシュが勝った地区である。だからレノルズ氏が残りの数週間、基盤である共和党投票者からの支持率を引き上げることに力を入れれば勝てる可能性は多いにある。
今朝カカシの家に知事のシュワちゃんから電話があった。(録音テープだけど、、笑)あのドイツ語訛りの口調でのメッセージ。シュワ知事は圧倒的に優勢なので再当選間違いなしだが、最後の追い込みに励んでいるようだ。
私は声を大にしていいたい、『共和党のみなさん、スキャンダルなど無視してがんばりましょう! 民主党が勝ったらテロリストが勝つことになるのです。』
候補者も投票者も目先のスキャンダルではなく将来のアメリカのことを考えて行動していただきたい。


View comments (2)

冗談だった? わいせつメール!!!

今日になってドラッジリポートというオンライン新聞に、フォリー議員とのわいせつなチャットは、当時18歳だったページがフォリーをからかうためにオンラインでフォリーを誘惑。わざとフォリーにわいせつチャットをやらせたのだという。IMを保村して友達同士で後で読んで楽しんでいたのが、どういうわけか敵の手に渡ってしまったというのである。
共和党議会が本格的な捜査をはじめると昨日発表したので、恐くなったページの元同僚が新聞に公表したらしい。チャットの相手の男性は自分は同性愛者ではないと言っているそうだ。どうやらすでに弁護士を雇ったようでもあり、近いうちに記者会見でもしてくれると助かるのだが。
もしこれが本当だとしたら、フォリー議員は全く違法行為などしておらず、うまくティーンエージャーにおちょくられてしまった間抜けなおっさんではあるが、性犯罪者などでは全くないことになる。
民主党や左翼メディアが騒ぐのはともかく、保守派の連中まで事実関係もまだハッキリしないのに、ハスター下院議会議長に辞任しろだのと大騒ぎしているのをみて、我々中道派は、「お黙んなさい! 民主党の銃弾与えてどうするの? 選挙に負けてもいいのか?」と叫んできたが、どうやらこのスキャンダル。ことの起こりはジョークだったのかも、、、
だから慌てて騒ぐなっていったでしょうが!
とにかく、フォリー議員が未成年を誘惑したどころか、18歳の大人の男性にからかわれたというだけなら、フォリー氏の面目は丸つぶれだが、共和党には何の責任もない。それなのにまるで共和党全体が性犯罪を隠ぺいしていたかのうような報道や発言をしていた民主党。このおとしまえはどうしてくれるんだ! と共和党は開き直るべきだ。
極右翼の連中も、議長にいますぐ謝罪すべし。


Comment

わいせつメール、はしゃぎ過ぎ民主党は裏目に出るかも

先週の金曜日に暴露された共和党下院議員のマーク·フォリー議員のわいせつメールスキャンダルは下院議会議長の辞任問題にまで発展しそうな雰囲気である。
保守派のブロガーや政治評論家までが民主党や左翼メディアと一緒になって、「共和党は知っていて黙認していたなら、リーダー格が責任をとるべき」などと騒ぎ出す始末。まったくこういう時やたら道徳観念に敏感な保守派はリベラルよりも始末がわるい。これが民主党議員なら、「たかがわいせつメールで騒ぐな、性交渉があったわけでもなし、」と開き直り、共和党がそれでも責め立てれば「ゲイバッシング」と今度は共和党を守りの姿勢に追い込んでいただろう。
また、コメンターのMike Rossさんもおっしゃっているように、もし一年前にあのたわいない内容のメールのみで、共和党がフォリー議員にあれ以上厳しい対応をとっていれば今騒いでいる民主党やメディアが一緒になって共和党を「ゲイバッシング」「同性愛恐怖症」などといって責め立てていたに違いない。
しかし、民主党も左翼メディアのこのはしゃぎすぎなやり方はかえって彼等にとって裏目にでるのではないかと私は思う。
昨日も話したように民主党と左翼メディアは何気ない内容のメールと、わいせつな内容のIMとを故意に混同し、ハスター議長らがフォリー議員のわいせつ行為を見て見ぬ振りをしていたと印象づけようとしている。しかしこの事件はあまりに騒がれたため、保守派ブロガーやラジオDJやテレビ討論会などでも、ハスター議長らが知っていたのは最初の何気ないメールのみであり、しかもその場で適切な処置を取っていたことなどもかなり詳しく報道された。
そして比較の意味もあって、民主党の汚い過去もどんどん蒸し返されている。
例えば、1973年に、ゲリー·スタッズ(Gerry Studds)という民主党議員は未成年の少年との性交渉が違法であるアメリカを出て、わざわざ当時17歳だった少年をモロッコに連れ出して性交渉を持ったという事件がある。それがばれたのは1983年のことで本人も認め、議会から勧告は受けたが議員をやめるでもなく民主党から追い出されるでもなくその後6期も任期を努めた後引退した。
また1989年、バー二ー·フランクというゲイの民主党議員が同棲していた愛人男性がフランク氏の自宅で何人かの売春夫を使って売春宿を経営していたなどということがあった。フランク議員はそれを知っていて黙認していたのである。それでもフランク議員はいまだに現役の議員をつとめているし、民主党はフランク議員に何の対処もとらなかった。
民主党は今回のことであんまり大騒ぎをし過ぎると、共和党は民主党のこのような過去を持ち出し、ダブルスタンダードを指摘しはじめるだろう。セックススキャンダルが大好きなメディアは、過去のこうした民主党のスキャンダルを蒸し返さないはずがない。そうなってくると、民主党の偽善ぶりがアメリカ国民にもじょじょにではあるが浸透していくのではないかという気がする。
それに昨日もコメント欄で書いたように、メディアはフォリー議員が未成年とわいせつメールを交わしているという違法行為を知っていたにもかかわらず、「犠牲者」の少年の安否よりも政治的なタイミングを待って犯罪行為を隠していたという事実がある。このことをアメリカ投票者が消化する時間があれば、このスキャンダルはかえって民主党と左翼メディアが仕組んだ汚い陰謀だという印象をアメリカ国民に与えることになる。
フロリダのフォリー議員の席を共和党が維持するのはもう手遅れかもしれないが、この事件で他の共和党議員が巻き込まれるにはスキャンダルの暴露は早すぎたかもしれない。共和党支持者やおせっかいな純粋主義の保守派連中がこれ以上騒いでハスター議長の辞任を叫んだりするのを今すぐやめてくれれば、この事件の影響は最低限に食い止められるだろう。
問題は極右翼にかかっている。


View comments (3)

米議会の慰安婦決議案の裏にあるものは?

アメリカの議会で起きたことなのだが、私はぼやきくっくりさんのこのポストを読むまでこの事実を全く知らなかった。
以下産經新聞の記事より:

【ワシントン=山本秀也】中間選挙(来月7日)前の審議が9月末に実質的に終了したことで、米下院国際関係委員会を通過していた慰安婦問題に関する対日非難決議案は、本会議では議案にならないまま、採択されない見通しが強まっている。米議会関係者に対する日本側の説得が功を奏した格好だ。

決議案の旗振り役、レーン・エバンス議員(民主党)の事務所は産経新聞に「決議案を支持する24人の議員と下院議長に採決を求めている」と述べ、中間選挙後に招集される残り任期の消化日程を使ってなお採択を目指す考えを示した。(略)
慰安婦問題に関する対日非難決議案はこの10年間、米議会に提出されては立ち消えになってきた。今回はエバンス議員の“引退議案”となり、人権問題に関心の強いクリストファー・スミス議員(共和党)が共同提案に加わるなど超党派の支持を集め、9月13日の委員会通過にこぎつけた。
駐米日本大使館の議会担当者は「決議案が提出された今年4月から注視し、関係先に働きかけてきた」と打ち明ける。委員会では議会の思惑が絡む採決を省略して複数の議案を一括する形で採択されたが、最後の関門となる本会議では議案にもなっていない。
決議案の採択を訴える韓国系移民グループは、下院議長らに請願の手紙を送る運動を全米規模で展開した。米政府が8月に公表した昨年の人口統計によると、韓国系移民は全米で約125万人に膨れ上がっており、80年代半ばからほぼ倍増。今回の決議案を支持したマイク・ホンダら3議員はいずれも韓国系移民が急増しているカリフォルニア州選出だった。

決議案の内容はぼやきくっくりさんが紹介してくださっているが、この決議案が日本に求めていることは次の四つだ。

  • (1)1930年代から第二次世界大戦までアジアと太平洋諸島を植民地支配した期間、世界が「慰安婦」として知るようになる、若い女性を性奴隷としたことの責任を公式に認め、受け入れること。
  • (2)この人道に反する恐ろしい犯罪について、現在と未来の世代に教育すること。
  • (3)慰安婦強制連行はなかったとする主張に、公式に、強く、繰り返し反駁すること。
  • (4)「慰安婦」問題に関する国連、及びアムネスティー・インターナショナルの勧告に従うこと。
  • 私はあえてここで慰安婦強制連行が実際に起きたかどうかという議論は避ける。だが実際に起きたことかどうかは別として、私にはどうも合点がいかない。どうして今さら60年以上も前の出来事、しかも日本の前政権時代に起きたことを掘り起こして対日非難決議など通さなければならないのだろう。第一、慰安婦問題は韓国と日本との問題であってアメリカには関係がないはずだ。このような決議を米議会が通せば日米間の関係に亀裂を及ぼすことになり、前政権の過ちを現政権につぐなわせるようなことになれば、イランや北朝鮮の問題で重要な同盟国である日本の協力を失いかねない。このような議決はアメリカにとって害あって益なしである。
    在米韓国人の間で地元の議員に圧力をかけての議案だというが、いったい在米韓国人の目的は何なのであろうか?日本に慰安婦問題を認めさせ学校などでそれを教えることで、いったい韓国と日本との間でどのような利益があるというのだろう?
    そんな話をミスター苺としていたら、「そりゃあ、君、明白だよ。北朝鮮の陰謀だ。」と言われた。確かにアメリカと日本の間に亀裂が生まれることで利益を得る国は北朝鮮だろう。北朝鮮は韓国はなんとか丸め込んだが、アメリカと日本からの圧力をそう簡単に振払うことができないでいる。だから日本とアメリカの間を冷たくすることで、二か国の協力関係による圧力を弱めようという魂胆なのだろう。だから在米の韓国人たちは北朝鮮の工作員にうまく利用されているのかもしれない。
    そして民主党の下院議員は地元移民たちからの票欲しさに、日本を生け贄にしようというのである。政治とはいえなんとも汚いやり方だ。とにかく決議案が見送られたことは幸いだった。今後もこのような議決が通らないように心して見守る必要がありそうだ。


    View comments (2)

    男色議員のわいせつメールが巻き起こした波紋

    実はこの話、すべきかどうかちょっと迷っていたのだが、問題は失脚した議員ひとりの問題だけではすみそうにない。それどころか共和党全体にその波紋が広がり、来る選挙にも影響を及ぼす可能性が大きくなってきた。やはりアメリカ内政の一つとして取りあげねばなるまい。
    ことの起こりはフロリダ州の下院男性議員(共和党)が議員付添人(ページ)の当時16歳の少年に私信メールを送ったことから始まる。CNNの記事から読んでみよう。

    少年にわいせつメール送信? 米下院議員が辞職

    ワシントン(CNN) 米下院のマーク・フォリー議員(53)が、元議員付添人の10代の少年にわいせつなメールを送っていた疑いが濃厚になり、同議員は29日、辞職した。他議員たちからは、辞職では不十分だとして、刑事捜査を求める声があがっている。
    ABCテレビによると、フォリー氏はメールで、少年に対して服を脱ぐよう呼びかけたり、下着しか着ていないという少年に「脱がしたい」と伝えたりした。
    「君を興奮させたかい」などとたずねたこともあったという。ABCテレビは、これ以外のメッセージは生々し過ぎて公表できないとしている。
    フォリー氏は、フロリダ州選出の共和党議員で、6期つとめた。「家族やフロリダの人々をがっかりさせた」として、29日に突然、辞職した。フォリー氏は独身。
    下院は同日、全会一致で独自調査の開始を決めた。
    米議会は、全国の若者に議会で働く機会を与えようと、議員付添人(ページ)プログラムと呼ばれる制度を導入している。1983年には、下院議員2人が17歳の付添人と合意のうえで性的関係をもったことを認め、制度が問題視された。

    このCNNの記事は大切な部分が抜けているので補足したい。実は問題になっているメールは二通りある。
    一つ目のメールはフォリー議員は2005年に元議員付添人だった当時16歳の少年にメールを送ったものだ。しかしその内容は少年の自宅がルイジアナだったことからハリケーンカトリーナの被害はどうだったかとか、誕生日のプレゼントは何が欲しいかといったのような別にどうということのない内容だったのである。ただちょっと眉をしかめる部分があったとすれば、少年の写真を送ってほしいと書かれていた部分だろう。しかしこれも裸の写真を送れと書いてあったわけではないので、単に個人的に親しくなった少年の身柄が心配だっただけだと言い訳すれば辞任するほどのことではなかったはずだ。しかし少年の両親から苦情が出たため下院はフォリー議員に少年とはいっさい連絡を取り合わないようにと勧告してことはおさまっていた。
    問題なのは二つ目のメールである。これはメールというよりインスタントメッセージで、フォリー議員が別の当時17歳10か月の少年とメッセージをやり取りしたものだ。上記のCNNの記事に載っている、下着を脱がせたい、とか興奮してるか、とかいったわいせつな内容はこのIMの時のもので16歳のページへのメールとは全く別ものである。
    アメリカでは18歳未満は未成年とみなされ大人が未成年と性交渉を持てば、たとえ双方合意の上でも犯罪となる。フォリー議員がこの少年と実際に性交渉があったという証拠はなく、ただIMでわいせつな会話を交わすしていただけのようだが、それでも普段からインターネットにおける性犯罪者から少年を守るために戦っていると言っていたひとだけに、この問題はかなり痛い。
    選挙を5週間前にしてこのスキャンダル。当選間違いなしといわれていたフォリー議員の辞任は共和党には痛手だ。しかも民主党はこのスキャンダルを利用して他の強力な共和党議員をも失脚させようと必死である。
    ニューヨークの民主党はニューヨークのトーマス·レノルズ議員(共)下院議会議長のデニス·ハスター議員(共)らがフォリー議員のメール問題を知っていて黙認していたと攻撃している。しかし先にも述べた通り二種類のメールが存在しており、共和党の下院事務所が知っていたメールは最初のちょっと親しすぎる感じのメールであり、二つ目のIMのことではない。しかも下院はその時それなりの対処をとっており決して黙認していたわけではない。
    にも関わらず、民主党は故意に二つのメールを混合することで共和党を「青少年への性的虐待を容認している党」と印象づけようとしているのである。そしてもちろん民主党べったりの左翼メディアもこの陰謀に積極的に加担している。前記のCNNの記事などはその典型である。
    ではアメリカの左翼メディアがどのように共和党を陥れようとしているかその例をあげてみよう。下記はいまはリンクがつながらないアメリカ時間10月1日午前4時45分現在のAPの記事。(訳:カカシ)

    金曜日の夜、ハスター議員の報道官ロンボンジーン氏は共和党下院議員上層部は事件については知らなかったと述べた。

    土曜日の報告書のなかには詳細にわたる時間経過が含まれており、下院事務所が問題のメールについて学んだのは2005年の秋であるとされている。(ページが付添人をしていた)アレキサンダー議員のスタッフがハスター議長の事務所に少年の両親からフォリー議員に少年に連絡をとるのをやめてもらいたいと苦情がきたことを知らせた。その時アレキサンダー議員のスタッフはメールの中身については公表しなかったが、性的な内容ではなく「親しすぎる」内容だと告げたと報告書にはある。
    (カカシ注:あきらかに最初のメールのことを言っている。)
    ハスター議長のアシスタントはすぐに下院事務所に連絡を取り、「ご両親が子供のプライバシーを守りたいという意思を尊重し、即座に適切な担当へ連絡した」が上司のハスター議員を含めハスター議員の他のスタッフには何もいわなかったという。
    連絡を受けた下院事務所はページプログラムを統括するジョン·シムクス(共)議員へ問題をゆだねた。
    シムクス議員はメールについて2005年の暮れに学んだとし、即座に捜査をしたと語る。
    氏はフォリー議員は氏にたあいないやりとりであると語ったと言う。シムクス氏はフォリー氏に今後一切ページに連絡をとらないように、また他のページへも敬意を表するようにと勧告した。

    共和党下院事務所は知ってて黙認していたどころか、きちんと調査までして最後には勧告までしている。ところが数時間後、午前8時、APは大事な点を削除してこのような省略記事を掲載した。

    下院議長のデニスハスター氏の事務所は、メールについて先週になって初めて知ったと語ったが、去年の秋にアシスタントが問題を担当局にゆだねたことは認めた。事務所はメールの内容は「親しすぎる」とだけ伝えられたといっている。

    しかしこれが7時間後の2時50分になるとAPはどこからともなく全く別の嫌疑を持ち出してくる。共和党が性的な内容のメールの存在を知っていたばかりでなく、その事実を隠ぺいしようとしていたというのである。

    民主党、共和党がメールを秘密にしていたと糾弾

    ジョンマーサ下院議員(民)は共和党下院上層部が(この問題に)もっと早く対応しなかったことは遺憾であると発表。「彼等が隠ぺいしようとしたのではないかと心配になる」と語った。
    マーサ氏は下院道徳委員会が11月の選挙前に審議を終了させるべきだとし、そうして投票者が関係者に「責任をとらせる」ことができるようにすべきだと語った。そうすることによって共和党は庶民から失った信用をとりもどせるかもしれない、なぜなら「共和党指導者の評判は中古車セールスマンより信用がない」と語った。

    だが無論、共和党が隠ぺいしようとしたなどというのは全く馬鹿げている。2005年当時ならフォリー議員はまだ中間選挙の候補者にあがる前のことであり、ことがおおやけになったとしてもその時点で引退するなり処分されるなりしたほうが今の今まで黙っていて、選挙直前にばれるよりもよっぽどもましである。選挙直前だから問題になるが1年以上も前ならたいした事件ではない。それを共和党が知ってて隠していたなどとは政治的に考えてあり得ない。
    しかしニューヨークタイムスも、ロイターも、同じようにこの「共和党の隠ぺい」論を全く根拠もないのに報道している。
    アメリカの民主党や左翼メディアの程度が低いことは最初からわかっていたが、このような報道はいくらなんでも名誉毀損ではないのだろうか。共和党議員らは断固この卑怯なやり方を暴露し反撃してもらいたい。


    View comments (7)