慰安婦謝罪議決を止めるために、安倍首相にアドバイス

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出張前のごたごたしている時に、日本の保守派の方からアメリカで慰安婦問題を扱った議案が通らないように、日本の立場をアメリカの読者を対象に紹介してもらえないだろうかというお話があった。私はミスター苺と一緒に英語のブログも経営していることでもあり、この話はそちらでも折をみて紹介するつもりでいた。
そうこうしているうちに、先日の安倍首相の「問題発言」が起きてしまい、これはどうしたものかと考えていたところ、ミスター苺がこの話を取り上げたいというので任せることにした。
その内容をここで紹介する前に、ひと言お断りしておかねばならない。私はこのブログにおいて、過去の大日本帝国という旧政権の所業について詳細を語るのを避けてきた。それはたとえ旧日本政府がどのような行いをしたにしろ、現在の我々には無関係であるし、そんなことを蒸し返してもむやみに傷口を開くようなもので害あって益なしだと考えているからだ。
アメリカにおいて、旧日本政府の話をする場合には、旧日本軍による悪行はなかったとか、韓国や北朝鮮や中国が言うほどひどいことはしていないという説明は責任逃れの弁解としか受け入れてもらえない。 南京大虐殺や慰安婦問題を多少なりとも否定すれば、ホロコースト否定論者のごとく扱われかねない。
私もミスター苺も旧日本政府の行いについて現在の日本政府が謝る必要などないと考えている。(特に自国民を何十年に渡って虐待してきた共産主義政府が旧日本政府を道徳上批判できる立場ではない。)だが、日本が謝る必要がないということをアメリカ議会に納得してもらうためには、安倍首相のような細かい事実関係の説明をするのはかえって逆効果である。
そこで我が英語ブログBig Lizardsでは安倍首相に、もっと効果のある作戦をお勧めしたい思う。前置きが長くなったが下記はミスター苺著の安倍首相へのアドバイスである。 ミスター苺は歯に衣を着せずにものを言う人なので、日本の読者の皆さんには納得のいかない部分もあると思うが、これもひとつの意見としてお聞き願いたい。


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米共和党の大統領候補はいかに?

アップデートあり: アメリカ全国の世論調査ではジュリアーニ氏がダントツで大人気。詳細は後部参照。
2008年の大統領選挙を前にカカシはなぜか民主党候補の話ばかりをしてきたが、ここでちょっと共和党の候補者の話もしておこう。
先日毎年恒例の保守派集会(Conservative Political Action Conference、CPAC)があり、最後の日に共和党候補者の人気投票があったので、先ずその結果から。

  • ミット・ラムニー(Mitt Romney)、マサチューセッツ州知事、21%
  • ルーディー・ジュリアーニ(Rudy Giuliani)元ニューヨーク市長、 17%
  • サム・ブラウンバック(Sam Brownback)カンザス州代表上院議員、15%
  • ニュート・ギングリッチ、(Newt Gingrich)ジョージア州代表、元下院議長、14%
  • ジョン・マケイン(John McCain)、アリゾナ州代表上院議員、12%

日本の皆さんは多分元ニューヨーク市長のジュリアーニ氏くらいしかご存じないだろう。正直な話アメリカ人の間でも知名度が高いのはジュリアーニ氏とマケイン議員くらいだ。実を言えば私もこのリストに載っている候補者に関してそれほど詳しいというわけではないので、ここで読者の皆さんと一緒にお勉強したいと思う。
ミット・ラムニー: ラムニー候補が他の候補者より有利な点は候補者のなかで州知事なのはこの人だけだということだ。ジョン・F・ケネディが上院議員から大統領になったのを最後に、その後の大統領はすべて州知事から出ている。アメリカは連邦政府であるから各州が言ってみれば国家のようなものだ。各州にはそれぞれの憲法があり、それぞれの議会がある。だから州知事は規模は小さいが大統領と同じような仕事をしていると言える。
しかし、ラムニー知事にはいくつか問題点がある。先ず知事はモルモン教徒だ。モルモン教はアメリカでは暴力的なカルト集団として始まり、最近まで一夫多妻制を実施しており、違法になっても一部の宗派が時々重婚罪に問われているような宗教である。 また知事は同性愛結婚や人工中絶に関しても数年前までのリベラルな姿勢から、大統領を目指すようになって保守的な姿勢に変えたご都合主義だという批判もある。
ルーディー・ジュリアーニ: アメリカ市民の間では今のところ共和党の候補として一番人気なのがジュリアーニ元ニューヨーク市長だろう。彼のニューヨーク市長としての活躍は世界中でも評判が高い。なにしろ彼の画期的な政策でニューヨークの犯罪率は半減するという快挙を成し遂げたし、911直後に彼が見せたリーダーシップはニューヨーカーのみならずアメリカ中の市民を勇気付けた。ヒラリーやオバマ相手でも常に高い評価を受けているひとで、有力な候補である。
問題なのは、ジュリアーニは保守派ではなく比較的リベラルだということだろう。同性愛結婚にも賛成だし、人工中絶の合法性も守るべきだと言う考えであり、自分も二回も離婚をして三度目の奥さんは二番目の奥さんと結婚している間に不倫をしていた相手だ。二度目の離婚はタレントの離婚のようにマスコミが大騒ぎをしたほどだった。
サム・ブラウンバック: 宗教右翼に人気のある候補者である。実は私はこの人のことを全然知らない。氏自身のウェブサイトでは結婚は一人の男性と一人の女性のみのものであると強調し、同性愛結婚には真っ向から反対な姿勢をみせている。税金の面や小さい政府など保守派の優等生が言いそうなことが並べられている。 今はあまり話題になっていないが、今後に注目というところだろうか。
ニュート・ギングリッチ: 1994年に彼のリーダーシップによって40年に渡る民主党独占から議会を奪い取った改革派である。彼は正式には候補者として名乗りを上げていないが、保守派の間では人気があるようだ。
ただ、当時も今も彼に対する民主党の憎しみは非常に大きい。ブッシュ大統領が民主党にどれだけ毛嫌いされているかを考えたら、ニュートの場合はその何十倍もひどいことになるだろう。民主党はまだ1994年のニュート革命を許していないからだ。
ジョン・マケイン: アリゾナ州代表のマケイン上院議員は一般的に反保守派のアメリカメディアからは好かれており、彼の言動は常に好意的に取りざたされる。それというのもマケイン議員は共和党議員でありながらブッシュ大統領の政策を遠慮なく批判するからだ。彼はイラク戦争では兵が足りないと最初からブッシュ大統領やラムスフェルド前防衛長官を批判していた。ベトナム戦争中にパイロットで北ベトナムで捕虜になった経験もある。
問題なのは彼の行動は予測がつかないということだろう。時として奇想天外な行動をするし、突然ぶっちぎれる節がある。大事なときに民主党と手を組んだりするので、保守派としては信用できないと考えている人も多い。今回の大会にも欠場するという保守派に対して失礼な態度を取ったことも人気投票で下位になった原因かもしれない。
アップデート: 保守派の間ではラムニー候補が人気があるが、一般市民の間ではジュリアーニ候補が人気ダントツ。下記は時事通信の記事より。

ジュリアーニ氏が支持伸ばす=次期大統領選の共和党候補争い-米誌
3月5日7時0分配信 時事通信
 【ニューヨーク4日時事】米誌ニューズウィーク(電子版)が4日までに公表した世論調査結果によると、2008年の次期大統領選挙をめぐる共和党内の候補者争いで、ジュリアーニ前ニューヨーク市長が、マケイン上院議員やロムニー前マサチューセッツ州知事を抑え、支持を伸ばしていることが分かった。
 共和党の有力候補同士の対決では、ジュリアーニ氏とマケイン氏の支持率は59%対34%となり、その差は1月の前回調査(48%対44%)から拡大した。ジュリアーニ氏とロムニー氏では70%対20%だった。

共和党の予選で勝っても一般選挙で勝たなければ意味がない。 共和党は民主党のヒラリーやオバマ、もしくはエドワードなどに対抗できる候補者を選ぶ必要がある。となれば保守派としてはちょっと支持しにくいルーディでもその人気を考慮に入れておく必要がある。


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ブッシュ新作戦が生み出したそれぞれの思惑

さっきホットエアを読んでいたら、これまでカカシが書いてきたことをうまくまとめているのでそれを参考に私自身の考えもまとめてみよう。ブッシュの新作戦はまだ2週間もたっていないというのに、イラクの各勢力やアメリカ国内で様々な波紋をよんでいる。
1. シーア対シーア
私はシーア派への連続爆弾攻撃はサドルの仕業? まさかねでサドルが、自分の支持するダワ党のライバル党であるイラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)の有力者アデル・アブドゥール・マフディ副大統領を暗殺しようとしたのではないかと書いたが、サドルが抹殺しようとしているのはライバル党の政治家だけでなく、自分に忠実でないと思われるマフディ内部の幹部もその対象になっているようだ。
ご存じのようにサドルはイランあたりに隠れて影からイラクのマフディ軍に命令を下しているが、サドルは密かに信用できる幹部はイランなどの避難させ、気に入らない部下を連合軍に売り渡しているらしい。このやり方でサドルはすでに40人以上のマフディ幹部を中和してしまったという。
このようなサドルの対応はイランへの警告の意味もあったらしい。それというのもイランはサドルを通過してサドルの部下に直接援助をしていることが分かってきたからである。イランにとってはイラクが混乱状態にあればいいのであって、サドルなどいずれは用済みになる存在である。イラク・アメリカ連合軍による警備強化でサドルが我が身可愛さに戦わないのであれば、イランはサドルなどに構わずサドルに取って代わろうという野心家に手を貸して連合軍への抵抗を計ることも出来るというわけだ。
またイランが手を貸しているのはマフディ軍だけではない。サドルほどは親密でないとはいえ、ライバル等のSCIRIのなかにも反米でイランと通じている人間が何人かいる。マフディがだめならSCIRIがあるさ、、てなもんである。
サドルの、ほとぼりが冷めるまで大人しくしているという作戦は、案外裏目に出るかもしれない。(ついでにサドルがイランで暗殺でもされれば非常に都合がいいのだが、そうはうまくいかないだろうな。)
2. スンニ対スンニ

バグダッドでの増派が新聞の見出しを独占しているなか、4000の海兵隊員はアルカエダの影響力が強い西部のアンバー地区掃蕩に向かっている。スンニ反乱軍のグランドゼロであるラマディでの戦いは4月になるだろう。ペトラエウス将軍はサダムバース党の元将軍たちを戦闘に起用するつもりらしい。多くのスンニが「スンニを守る」はずのアルカエダを完全に、そして極度に憎むようになってきているおかげで、この作戦はうまくいくかもしれない。–ホットエア–

昨日もアルカエダに反抗的なスンニ派イラク人がアルカエダの自動車爆弾によって大量に殺されたという話をアルカエダ、スンニ派への攻撃激化の持つ意味でしたばかりだが、スンニの間でも強行派の外国人テロリストとバース党残党との間で亀裂がどんどん深まっている。アルカエダが暴力によってスンニ派の寝返りを防ごうとしてるなら、スンニ派は忠誠心よりもアメリカが後押しをしているイラク政府側につくのとアルカエダにつくのとどちらが自分達にとって有益かという選択をするだろう。やたらにスンニのモスクをふっ飛ばして信者たちを大量殺害しているようでは、アルカエダもスンニ派の支持を保つのは難かしいのではないだろうか?
3. 民主党対民主党
マーサ議員の馬鹿げた決議案のおかげで、民主党でもブルードッグと呼ばれる鷹派とムーブオンと呼ばれる反戦左翼との間で大きく亀裂が生まれている。
マーサ議員の失態で、先の選挙で多数派になったとはいえ民主党は党としての方針が統一されておらず、イラク政策についても全くまとまりがついていないことが顕著となってしまった。
お気に入りのマーサ議員の失態はペロシ議長でも弁護しきれないほどひどかった。マーサ議員をずっと押してきた彼女としてはかなりきつい立場に立たされたことになる。
ところで反戦左翼に押され気味の民主党は気をつけないと上院で多数議席を失う可能性が出てきた。鷹派の民主党議員として出馬し反戦左翼の陰謀で民主党候補の座を追われ無所属として立候補して見事当選したジョー・リーバーマン上院議員は、もし民主党の議会が戦費を拒否するようなことになれば今後は共和党と共に投票すると宣言しているからだ。そうなれば上院議会は一票差で共和党が多数派としてひっくりかえる。
それもまたおもしろいかも。


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イラク増派阻止議案で大失敗、マーサ議員赤恥を掻く

下院でイラク増派反対という拘束力はないが抗議としては意味のある決議案を通すことが出来民主党は気を良くしていた。この議決が上院でも通り国民の支持を得られれば、それを踏み台にこの次はいよいよ拘束力のあるイラク戦費停止議案も通せるかもしれないと意欲を燃やしていた。
しかし翌日の上院議会では可決に必要な賛成票を60票を集めることができず採決にすらもちこめずに議案は果てた。上院議会で可決できなかったことだけでなく民主党にはもうひとつ問題が生じた。
下院議会が反増派議案を通す直前、海兵隊出身で退役軍人としても申し分ない肩書きのあるジョン・マーサ議員がある議案を提案したのである。これはアメリカ兵が出動されるにあたって十分な休息期間をとっていなければならないとか、武器の安全性を確かめてからでなくてはならぬとか、一見アメリカ兵たちの身を守るかに見える提案だった。
民主党にとっては決して悪い議案とも思えないのだが、何故か民主党からは支持を得ていない。それどころか発案者のマーサ議員から距離を置こうとする動きさえ出ているのだ。そのことについてワシントンポストが詳しくかいている

民主党の新人ジョー・セスタック下院議員は退役海軍大将でイラク戦争反対派として政治力を得たひとだが、セスタック議員はマーサ議員の案はまだ救える部分もあるとしながら、反戦家として声高の議員もマーサ議員の軍隊の作戦に干渉する提案は「ちょっと不安」だと語る。「私はつい最近まで軍隊にいた身ですから、その経験から言わせてもらいます。」

どうもマーサ議員の独断的な行動は民主党内部でも問題なようだ。例えばマーサ議員はこの議案についてもほかの民主党議員達と、きちんと話あった上での発表ではなかったようだし、彼主催の反戦ウェッブサイトをはじめるにあたっても下院議長のペロシ女史にすら話しを通していなかったというのである。
マーサ議員の議案は実際には戦闘員の準備状態や武器の安全性など理不尽な条件をつけて大統領がいちいち議会にお伺いをたてないと軍隊が出動できないようにするという裏口から増派阻止をするという提案だったため、共和党からは戦費を削り取ろうとする陰謀だと激しい攻撃を受けている。にも関わらず民主党からマーサ案を弁護する声は全く聞かれない。

マーサ議員を援助してウェッブページをはじめた元下院議員で反戦運動家のトム・アンドリュース氏は激怒している。「問題は民主党にはどれだけ根性があるのかってことですよ。共和党がいくつもタッチダウンのパスをやってるというのに、民主党はフィールドにすら出てないんですから。」

それに間抜けなことに、マーサ議員はこの案の本当の目的がブッシュ大統領のイラク増派だけではなく、ブッシュ大統領の外交政策をことごとく阻止することにあるとべらべらウェッブサイトのインタビューでしゃべってしまったので、「軍隊を支持する」と主張してきたペロシ議長の足を踏み付ける結果となったのである。
民主党は全体的にイラク戦争には反対とはいうものの、必ずしも戦争をどう終わらせるかという点では意見が一致していない。
退役軍人やイラク帰還兵からなる議員たちの間では、動員されている軍隊の作戦に支障を来すような戦費差し止めは好ましくないという意見があるし、即刻撤退を望む左翼側は戦費を差しとめるなら差しとめるでさっさとやれ、とマーサの遠回しなやり方には多いに不満がある。
マーサ議員の勝手な一人歩きが民主党の間に深い亀裂をもたらしたようである。


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いよいよ始まったヒラリー対オバマの非難合戦

いよいよ民主党の大統領候補の戦いは始まったようである。

ヒラリー、オバマ両氏、非難合戦=民主党指名争い−米大統領選

 【ワシントン22日時事】2008年米大統領選挙で民主党候補指名争いの先頭を走るヒラリー・クリントン上院議員とバラク・オバマ上院議員の両陣営が 21日、激しい非難合戦を展開。民主党候補指名争いの「開幕戦」となる来年1月のアイオワ州党員集会までなお1年近く残し、2大候補のつぶし合いの火ぶたが切って落とされた。
 米メディアによると、両陣営の非難の応酬は、かつてクリントン前大統領のために資金集めに奔走したハリウッドの大物デービッド・ゲフィン氏がオバマ陣営にくら替えし、その資金集めのホストになったことが発端。それにとどまらず、同氏はヒラリー氏批判も繰り広げた。
 ゲフィン氏はスティーブン・スピルバーグ監督らとともに映画制作会社「ドリーム・ワークス」を創立した人物。ニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで、「クリントン前大統領は無責任な人間。ヒラリー氏は野心満々ではあるが、戦時に国をまとめていけるとは思わない」と切り捨てた。
 これに、ヒラリー陣営は「オバマ氏の資金調達係からの個人攻撃」といきり立ち、オバマ氏による発言撤回を要求。これを拒否する同氏の政治的資質を問題と見なす声明も出した。

まだアイオワ選まで一年もあるのにこんなに早期から殴り合いが始まるとは驚いた。ヒラリーとオバマは双方のウェッブサイトでお互いを攻撃しあっているが、その内容はかなり過激なものになってきている。先ずはヒラリーのウェッブサイトから:

オバマ上院議員は斬ったり焼いたりの政治活動を昨日批判していながら、自分の(選挙運動の)資金調達会長にクリントン上院議員と彼女の夫を辛辣に個人攻撃させている。
もしオバマ議員は誠実に政治活動のトーンを変えたいと考えているのなら、氏は即座にゲッフン(資金調達会長)の供述を糾弾し、氏を選挙運動から解雇し集めた資金は返還すべきだ。
民主党は政策について激しく討論を交わすべきではあるが、わが党においてオバマ議員の資金調達会長がしているような個人的な罵倒が存在する場所はない。

これに関してオバマ議員の返答は面白い。

バラク・オバマはクリントン夫婦とかつてのクリントン最大の支持者との間の仲たがいに関わるつもりは全くない。皮肉なことにクリントン夫婦はデイビッド・ゲッフンが(クリントン氏のために)1800万ドルの資金を集め、(ホワイトハウスの)リンカーンの寝室に招かれ寝泊まりした時は何の文句もなかった。またさらに皮肉なのは、黒人であるバラク・オバマが候補に選ばれれば、民主党全体が一緒に引きずりおろされると語ったサウスカロライナ州上院議員ロバート・フォード氏の支持を全面的に受け入れていることだ。

なんとバラク・オバマはアメリカ最初の黒人大統領(黒人に同情的という意味で)と言われたクリントン大統領の妻ヒラリーを人種差別者だと言って攻撃しているのだ。
さて今日になって、オバマが完全に手中に入れたと思っていたノースカロライナの有力な黒人コンサルタントが、オバマではなくヒラリーと契約を結んだことが明かになった。このコンサルタントはもう一人の候補者エドワードとも契約交渉中だったらしいのだが、どうやらヒラリーが提案した月一万ドルの契約費が他の二人を上回っての落札だったようだ。
オバマの選挙運動委員会はこのコンサルタントとオバマは契約寸前だったのを横からクリントンが契約を奪い取ったとして、オバマ側とコンサルタントのかわしたメールをメディアに公開するなどしてヒラリーを攻撃している。
エドワードはこの間反カトリックの下品なブロガーを雇ったり解雇したりしてかなり評判をおとしてしまったし、アメリカ社会の格差を売り物にして自分は貧乏人の味方だと言っておきながら、貴族のような大豪邸を建てていることが明かになってしまったりで人気がた落ち。
オバマとヒラリーの戦いはアイオワの民主党集会までの一年間どうやら激しくなりそうだ。


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日本女性の半島引き上げ体験本がアメリカでボイコットされる理由

韓国による反日感情が強まるなか、韓国は日本バッシングになんとかアメリカを巻き込もうとしているという印象を受ける出来事が立て続けに起きているのでその話をしたいのだが、両方書くと長くなるので今日はまずその一つ目。
この話はもう日本のブロガーの間でも取り沙汰されているので御存じの方も多いと思う。ことの起こりはヨーコ・カワシマ・ワトキンズさんというアメリカへ移住した日本女性が戦争中の思い出を書いた『竹の森遠く』(So Far from the Bamboo Grove)という児童向けの本がアメリカの中学校で80年代から推薦書と指定されていたことに最近になって数人の在米韓国人父兄が抗議をしたことにある。この物語りは1945年当時11歳だったヨーコさんが軍人だった父親の仕事の関係で家族と一緒に住んでいた今の北朝鮮に当たる場所から日本へと引き上げる際に、日本の避難民が地元朝鮮人の盗賊やロシア兵に冒涜されたり金品を略奪されたのを目の当たりにした体験を少女の目からみて綴ったものである。

問題はこの小説が数年前から米国の中学校の推せん図書60冊に入っているという点だ。この事実を知ったボストンやニューヨークなどに住む韓人の保護者らが教育当局に強く抗議を始めた。子供たちがこの本しか読まなかった場合、残酷な日本の植民地統治は全く知らず、韓国人に迫害された日本人たちの話だけを知ることになるという論理だ。

誤った歴史認識を持ってしまう可能性のあるこの小説を、学校から退出させようという運動は昨年も起こった。ニューヨーク州にあるライカントリーデイスクールの場合は非常に成功的だった。昨年、この学校の6年生の韓人女子児童が問題の小説が英語の推せん図書に含まれた事実を知り、自ら授業をボイコットした。娘の授業の拒否理由を知った親は学校側に説明し、一理あると判断した学校側はこの本を推せん図書から除外した。
ボストンでは韓人保護者たちの抗議が続くと地域教育委まで出た。マサチューセッツ州ドーバー・シェルボーン地域教育委員会は論議の末、2日、この本を推せん図書に含むかについて投票を実施した。投票の結果、推せん図書から外そうということになった。しかしこうした結果について英語教師らは「戦争の惨酷さをよく表した作品」として反発した。ここに他の人種の保護者たちが加勢し、投票はなかったことになってしまった。
韓人たちが多く暮らすカリフォルニア州でもサンフランシスコ韓国教育院を中心に最近ボイコット運動が始まっている。教育院は現在、北部カリフォルニア州の学校を対象に実態の調査も並行して行っているということだ。

私の伯母も幼い子供と一緒に中国から引き上げた人間の一人であるし、恩師もやはり同じような経験をしている。特に恩師のご主人はヨーコさんのお父さんのように、ロシア軍に捉えられて何年もシベリア送りになっていた。当時の大陸や朝鮮からの引き上げ難民の凄まじい話は幼い頃から聞かされてきたことなので、カカシはヨーコさんの体験が嘘だなどとはよもや思わない。だが韓国人たちは彼女の本のなかの内容が歴史的事実と噛み合ないとしてこの話は真っ赤な嘘であると主張している。
親日のオーストラリア人が書いてるブログ、Occidentalismで、以前にも紹介したアメリカ人のゲリー・ビーバーさんがこの話を特集しているが、今年の2月16日にワトキンズさんがサイン会をしたボストンの会場で、彼女は「南京」などと書かれたTシャツをきた反日の観客らに詰問攻めにあったという。「あなたのお父さんは中国で何をしてたんですか?」とその中でも特に敵意丸出しで73歳のワトキンズさんに詰め寄ったのはダニエル・バレンブラット(Daniel Barenblatt)という男性で、日本軍が中国人をつかって生体実験をしたとする話題作”A Plague Upon Humanity”の著者である。
彼はヨーコさんの話は最初から最後までねつ造だと言い切り歴史的にも間違いだらけだとし、その最大の間違いは加害者と被害者を取り違えていることにあるとしている。さらに、このバレンブラットなる人物はワトキンズさんの父親が生体実験をやったとされる731部隊の隊員だったのではないかとさえ言っているのである。(自分の反日本を売りたいためのパフォーマンスではないのか勘ぐるのはカカシだけだろうか?)
一般に韓国人が「竹の森遠く」が歴史的に正しくないと指摘する数々の点、例えば少女のヨーコたちが住んでいた場所には竹林などなかったとか、鉄道がアメリカ軍の空爆で破壊されたとあるが1945年にアメリカ軍はこの地区を空爆していないとか、ヨーコや家族が共産党員が攻めてきたと話しているが、その頃まだ北朝鮮には共産党はなかったなどというのは重箱の隅を突くようなくだらない言いがかりだ。
まず、北朝鮮に竹林が存在しないといういい分こそが嘘である。また11歳の少女には鉄道の爆発がアメリカ軍の空爆によるものか、ロシア軍のものか、それをいうなら日本軍がわざと爆破したものだったとしても、周りの大人たちの言っていたことをそのまま信繰り返しているにすぎない。北朝鮮に共産党員が実際に居たか居ないかにしても、北朝鮮の反対勢力を日本軍が単に「共産党員」と呼んでいただけのことかもしれず、11歳の少女に自分らに襲いかかってくるのがただの野盗か共産党員かなど分かるはずはない。
第一、日本軍が朝鮮半島や中国で例え悪逆非道を行っていたということが事実だったとしても、日本軍が負けた時点で日本を占領軍として憎んでいた半島の抵抗勢力が日本人市民に報復としての悪行を働いたとしても不思議でもなんでもない。いやむしろ復讐の念を持って仕返しをする人間が一人もいなかったと考えるほうがおかしい。被害者は必ずしも善とは限らないのである。
はっきり言って日本軍の行いとヨーコさんの体験は無関係であり、それをもって嘘だったという根拠には全くならない。
在米韓国人たちがアメリカの児童に朝鮮の恥べき姿を知られたくないという気持ちは解る。だが、ヨーコさんらに悪行を働いたのは今の北朝鮮にあたる地域にすんでいた朝鮮人であって、今の韓国人とは関係ないはず。韓国の人々は悪事を働いたのは北朝鮮に人間で自分達ではないので混乱しないようにと読者に教えればいいだけの話だ。それとも北も南も同民族だというだけで道義上同じ責任があるというのだろうか?
私にはどうして韓国が日本よりも後になって戦争した北朝鮮を、日本バッシングをしてまで庇う理由がどうも分からない。いくら同じ朝鮮民族だといっても彼等は共産党独裁主義であり、民主主義で自由な国は北などより日本とのほうがよっぽども共通点があるではないか。
血族にばかりこだわって、韓国にとって大切なことを見失うと、今後の韓国の発展は見通しが暗くなってくる。


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「イラク戦争に勝つのは重要」と七割のアメリカ国民、二月の世論調査

民主党は昨年の選挙で民主党が圧勝したことで、アメリカ国民がイラク即撤退を望んでいると解釈し、ブッシュ大統領のイラク政策を何かと阻止しようと必死だが、今月行われたインベスターズ・デイリーの世論調査によると、七割近いアメリカ国民がイラクで勝つことは「非常に重要」もしくは「重要」と答えていることが分かった。
IBDの調査をまとめてみると、『イラクでアメリカが勝つことはどのくらい重要なことだと思うか』という質問に対して、42%が『非常に重要』とこたえ、24%『多少重要』と答えており、『あまり重要ではない』の17%と『全く重要ではない』の13%を大幅に上回った。またこの数字は去年の12月の調査に比べると『多少重要』と考えていた数が3%減りかわりに『非常に重要』の数が増えていることがわかる。
また、『アメリカのイラク政策が成功することにどのくらい期待しているか』という質問では、『非常に期待している』が35%(4%増)『多少期待している』が23%(8%減)『あまり期待していない』が21%(1%増)、『全く期待していない』が19%(2%増)となっており、期待している人が期待していない40%よりも18%も多いことが分かる。
これが党別の期待感になると、なんと80%の共和党支持者がイラク政策成功を期待していると答えているのである。(無所属は53%、民主党は43%)
こうしてみると、民主党が現在イラクに出動している軍隊の必要経費を削減したり補充戦費を拒否したりすれば、国民からかなり反感を買う恐れがある。また民主党と一緒になって援軍の出動に反対反対と決議案に投票している共和党議員は2008年の選挙で投票者からひどいしっぺ返しを受ける可能性が高まった。
私もミスター苺も、全国共和党委員会が裏切り者共和党議員に資金援助をするのであれば、党には一銭たりとも献金しないと決めた。献金はイラクに勝つ気のある議員の選挙運動に直接しようと昨晩話あったばかりである。
すでに、ロサンゼルスの人気ラジオDJのヒュー・ヒューイットなどが先頭となって勝利幹部会(The Victory Caucus)なるものを結成し、イラク増派反対に投票した議員たちの地区に次の選挙の予選で挑戦者を立てようという動きが起きている。
もっともイラク政策が選挙運動期間中になってもあまり成功の兆しをみせていなければ、世論は再び変動するであろうから、今のうちに反戦を唱えておくのも選挙運動の作戦としては正しいことなのかもしれない。だが、そうだとしたら、反戦政治家たちは本当に「アメリカの敗北に賭けている」といえる。


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なんとしてもイラク戦争に負けたい米民主党

アップデートあり文章の終わりを参照ください。
イラク戦争の新しい進路がうまく進めば進むほど民主党は新作戦を脱線させようと必死である。彼等の行動を見ていればその動機はあきらかである。民主党はイラク戦争に負けることを恐れているのではなく、アメリカがイラク戦争に勝つことを心から恐れているのである。
なぜアメリカ人である民主党議員たちがアメリカが戦争に負けることを望むのかといえば、イラク戦争は共和党のブッシュによる戦争であるという考えから、イラク戦争が失敗すれば国民は共和党全体を罰して民主党が2008年の一般選挙で大幅に議席を増やし、大統領選にも勝ち、大勝利を迎えられるという思惑が根本にあるのである。
16日の金曜日、米国下院はブッシュ政権によるイラク増派反対の決議を通した。ブッシュの報道官であるトニー・スノー氏は記者会見で「民主党はアメリカの敗北に賭けている」と苦々しく語っていた。

 【ワシントン=山本秀也】米下院本会議は16日、ブッシュ大統領が表明したイラクへの兵力増派に反対する決議を賛成246、反対182で採択した。決議に拘束力はなく、ブッシュ政権はイラク新政策で表明した2万人以上の兵力増派を続行する構えだ。

 決議は民主党のスケルトン軍事委員長らに共和党の議員が加わって超党派議案として提出され、現行の米軍のイラク駐留には支持を表明しながらも、ブッシュ大統領がイラク新政策の目玉とした米軍増派を不支持とする内容だ。本会議での討論に4日間を要し、議員の9割に当たる392人が発言する本格的な論戦となった。この日の採決では共和党の17議員が賛成にまわった。
 民主党のペロシ下院議長は、「決議の採択は戦闘終結と駐留米軍の帰還に向けたイラクでの方向転換のシグナルとなる」と語った。民主党は戦費執行に制約を設ける法的措置なども検討しており、イラク政策をめぐって大統領と議会の対立は一段と強まりそうだ。一方、上院本会議も17日、同様の増派反対決議案の採決を予定している。

民主党議員たちはブッシュの新作戦が早くも実りを見せていることにうろたえて、ついこの間まで絶対にしないと誓っていたくせに与党リーダーのハリー・リード上院議員とナンシー・ペロシ下院議長があり得ないといっていたイラク戦争の戦費差し止め執行を振り回して真っ向からブッシュ大統領を脅迫しにかかっている

民主党はイラクへの増派とイランへの先制攻撃を阻止する方法を見つけたとしてブッシュ大統領の開戦権限に真っ向から挑戦している….

「わが国はイラク路線について劇的な変更をおこなう必要があります。そしてその変更を実現させるのは議会の責任であります」と下院において軍隊支出の監督にあたっている民主党のジョン・マーサ下院議員は下院議員は語った。
マーサ議員は兵士の戦線出動に一年の期間をおくなど戦闘員動員について厳しい規制をかける議案を準備している。最終的にはこの案によってブッシュが計画している16万兵を何か月にも渡って維持することは不可能になるであろうとマーサ議員は語った。

マーサ議員の決議案は要するに戦闘員を出動させるにあたり、何かについていろいろと理不尽な規制をつけて、大統領がいちいち議会にお伺いをたてなければ軍隊を出動させることができなくなるというもので、現実的には戦闘員の速やかな出動をほぼ不可能にすることになる。これはどう考えても三権分立の憲法に違反する。
例えば一旦イラクに出動した隊が帰国したら、どんな場合でも、少なくとも一年は戦場へ出動させてはいけないという規則がある。このほかにも、理不尽に高いレベルの訓練を受けていなければならないとか、戦士の任務期間を延長してはならない、軍需品が理不尽に高度なスタンダードに達していなければならないなどという規制がかけられ、しかもこれをいちいち大統領が確認し議会に提出し議会の承認がなければ出動できないとなっているのである。(この案はイラクだけに限られ、アフガニスタンにはあてはまらない。)
このような案が通ったならば、戦場での貴重な経験を得た戦士が数カ月後に新しく動員される戦士と一緒に出動して知識や技術を引き継がせることができなくなる。また戦況が変化し経験ある隊の任期を延長させたり、帰国して数カ月しかたっていない軍を援軍としておくることもできなくなるのである。
ムーブコングレス(MoveCongress.org)というウェッブサイトのインタビューでマーサ議員はこの案の本当の目的はイラク増派を阻止することであると意図を明かにしている。。(注:掲載した後でまずいと気が付いたのか、サイト経営者は内容を書き換えてしまった。下記は書き換える前の記事である。)

防衛費充当委員会は大統領の930億ドルの追加予算申請について審議をはじめた。この申請への行動が新しい議会がイラク戦争において「財布の紐を締める」ことのできる最初の機会である。.

マーサ会長は自分の作戦はイラクへの動員を制限するだけでなく、大統領の外交、国内警備政策をことごとく邪魔することにあると説明した。

しかし専門家の間ではこのような議案は下院すらも通らないだろうという見解だ。この議案は一見アメリカ兵に無理な出動をさせないという思いやりがあるようにもとれるが、実際にマーサ議員が裏口から増派阻止を行おうとしていることは一目瞭然であり、アメリカ市民はこのような卑怯な手段には騙されないであろう。
フォックスニュースの解説者はこの議決案は民主党にとって非常にまずい動きだと解説していた。その理由は:

  • 増派に反対している人でも、一旦出動している軍隊に必要な資金を断ち切るという考えには非常な抵抗がある。
  • このような行為は民主党は国防に弱いという先入観を強化することにつながり、民主党は戦争を嫌うあまり、勝利よりも敗北を望むと思われる。
  • そこまで思わないひとでも、議会が出動する軍隊の規模や場所まで規定するのは行き過ぎだと考えるだろう。
  • 2007年の予算は9月分まで充当されており、議会は早くても10月までは戦費を差しとめることはできない。
  • しかし10月までには民主党が最も恐れているブッシュの新作戦の成功があきらかになり反戦のメディアでも隠しきれなくなっている、という可能性がある。

つまりマーサの作戦は失敗が目に見えているということだ。であるから下院の民主党議員ですらこの議決案には投票しないであろう。また、金曜日に増派反対の議決案が下院を通ったとはいえ、当初予測されていた共和党議員による大幅な寝返りは見られなかった。この議決案には拘束力はないが下院議員のイラク戦争に対する意見が反映する。共和党議員が多数投票していたならば、戦費差し止めの議決案を検討する意味もあったが、たった17人の寝返りでは共和党は民主党が期待したほど戦争反対の意識はないということになり、戦費差し止めの議決案が通る見込みはまずない。
それでも民主党が戦費差し止め議案を提案するならば、国民には共和党は必死にイラク戦争に勝とうと努力しているのに、民主党は自分らの勢力を強めるために、なんとかしてイラク戦争に負けようとしているという印象を与えてしまうだろう。
アップデート: 上院議会イラク議決案を否決
わざわざ土曜日に出頭してきた上院だが、昨日下院で通ったイラク増派反対の議決案は上院で否決された。賛成56、反対34、可決に必要な60票には満たなかった。
「軍隊への支持に関する投票で戦費について沈黙しているのは両方の道をとろうとする試みだ。」とケンタッキー代表で共和党リーダーのミッチ・マコーネル氏は語った。「だから我々はもっと正直な公の討論をしようと要求しているのだ。」
民主党は戦費差し止め案をあからさまにだして国民から軍隊を支持していないと思われるのは嫌だが、反戦派にいい顔を見せたいので増派には反対だという拘束力のない意思表示だけをしておこうという魂胆である。マコーネル議員が抗議しているのは、戦争に反対なら反対で戦費差し止め執行を提案するぐらいの根性をみせろ、双方で良い顔をしようなどとは卑怯だ。正直に討論しろと要求しているわけだ。


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効果をあげるブッシュのイラク新作戦

English version of this post can be read here.
先日もカカシはブッシュの新作戦が早くも効果をあげているという話をしたばかりだが、ミスター苺がここ数日の米・イラク軍の活躍について書いているのでこちらでも紹介しておこう。以下、Big Lizards より。
APの記事によるとここ数日のアメリカ・イラク連合軍によるシーア民兵の本拠地であるサドル市を塞ぎ各家を一軒一軒回って武器や民兵を探索する手入れはかなり効果をあげているようだ。またアメリカ軍はバグダッドのスンニテロリスト本拠地でもさらに厳しい取り締まりを行っているらしい。

米・イラク軍は木曜日バグダッドのスンニの本拠地に深く潜入した。両軍は爆弾の仕掛けられた乗用車数台によって迎えられた。一方イギリス軍先導の隊はイラク南部において輸送用のコンテナを使ってイランからの武器流入の道を塞いだ。またイラク内政省は前日のバグダッド北部においてイラク軍との衝突の際、イラクのアルカエダのリーダーであるアブ・アユーブ・アル・マスリが負傷し側近が殺されたと発表した。

本日になってアユーブ・マスリが負傷したという情報は確認できないと内政省はいっているので、実際何があったのか今のところちょっとはっきりしていない。しかしイラク軍とアルカエダ勢力の戦闘において重要人物が殺され負傷したことは確かなようだ。
米・イラク連合軍はテロリストによる数回に渡る待ち伏せにあったが、味方側の負傷や戦死はなかった。ただアンバー地区で海兵隊員が名誉の戦死をした。
ミルブロガーのビル・ロジオ(Bill Roggio)によると連合軍はモクタダ・サドルのマフディ軍への攻撃も激しく続けているようだ。

連合軍はサドルへの圧力を維持しており、サドルがイランに避難している足下からマフディ軍解体のため積極的に働きかけている。バグダッドではマフディ軍、(別名ジャイシ・アル・マフディ)のメンバー二人が24時間前から拘束されている。バグダッドではイラク特別部隊が「武器供給や資金援助をしていたジャイシ・アル・マフディ組のならず者」を他の「参考人」と共に捕らえた。また別のマフディ軍のメンバーで「イラク市民や警察官を誘拐、拷問、殺人などをしてきたとされる」人物もイラク特別部隊員によって捕らえられた。

イラク連合軍によるとイラク軍が捉えた二人はマフディ軍のなかでもかなりの重要人物のようである。
まだイラクにはアメリカ軍の増派は起きていないにも関わらず、新作戦を取り入れたことによって早くも多大なる効果が生まれていることはうれしい限りである。実際私はちょっとおどろいているほどだ。これに米・イラク兵合わせて9万の兵が増加される(アメリカ兵21,500兵に加え残りはイラク兵)ことで、この作戦は成功すると私はかなり期待している。
2008年の選挙の際にはイラク状況は2006年の時よりもずっと向上しているものと思われる。イラク状況は選挙に多大な影響を与えるであろう。もし私の予測が正しければ多くの民主党議員と民主党と一緒になってブッシュ政策に抗議する拘束力のない議案に投票したような少数の裏切り者共和党議員などは大きな代償を支払わされることとなるだろう。
イラク状況が今よりもずっと良好な方向に進んでいれば、共和党の有力大統領候補の三人は誰もこれを利用して選挙運動に挑むことができる。イラク戦争は泥沼だ絶望的だと言ってアメリカ軍の作戦を妨害するような行動ばかりとっていた民主党はイラク戦争を持ち出せなくなる。
とにかく全てがブッシュ新作戦の成功にかかっているわけだが、この調子で進んでくれることを願う。


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バラク・オバマの最初の失言 『アメリカ兵は無駄死にした』を謝罪

リアル・クリア・ポリティクス(Real Clear Politics)において、バラク・オバマが大統領選挙出馬表明から一日もたっていないうちにイラクで戦死した米兵の命は「無駄死にだった」と失言した、即座にオバマは集まった記者たちの前で戦死した軍人の家族に対して失礼なことを言って「全く申し訳なかった」と謝罪した。オバマ氏は「言ってるそばから失言したと気が付いた」と語った。
オバマにとってはこれが最初の失言かもしれないがおそらく最後ではないだろうとRCPは書いている。オバマが期待の新人である理由はまだ投票者がオバマという人間がどういう政治家なのかを理解していないからである。以前にも書いた通りオバマは政治家となってまだ間がないため、特にこれと言った功績を残していない。 であるから過去に色々問題のある言動をしていないという利点もあるが経験不足から色々間違いをおかす危険性もあるといえる。
よく大統領とは見習いのやる仕事ではないといわれるが、選挙が近付くにつれて民主党の投票者はオバマが大統領としてやっていけるだけの器かどうかを見守っている。今後もこのような失言を続ければ彼への期待も薄れること間違いない。
しかしヒラリー・クリントンの人気はオバマをかなり上回っているので、今後もこのような間違いをおかしていてはとてもヒラリーには追い付けないだろう。
ところで、もう一人の有力候補ジョン・エドワードは過激派左翼で反カトリック教のブロガー、メリッサ・マーコッテをついに首にした。一度は保守派の圧力には負けないといっていたエドワードだが、その直後にマーコッテが再びカトリック教を下劣に攻撃する記事をブログに書いたため、さすがにエドワードも自分の間違いに気が付いたらしい。こんなに判断力のない人間が本気で大統領を目指すというのも恐ろしい限りである。


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