米統合参謀本部議長が更迭されたという歪曲報道

まったく何時ものこととは言え、この偏向ニュースのわい曲にはあきれる。まず6月9日付け読売新聞の記事から

米統合参謀本部議長、大統領が事実上の更迭

 【ワシントン=坂元隆】ブッシュ米大統領は8日、米軍制服組のトップで9月末に任期の切れるピーター・ペース統合参謀本部議長を再任せず、後任にマイケル・マレン海軍作戦部長を指名するとの声明を発表した。
 統合参謀本部議長が1期2年で退任するのはきわめて異例。ゲーツ国防長官は記者会見で、「ペース氏を再指名すると、上院の指名承認公聴会で過去のことで議論が百出し、国のためにならないと考えた」と述べ、泥沼化するイラク戦争の責任者の1人だった同氏を事実上更迭したことを明らかにした。ペース議長の退任にあわせ、副議長も交代し、ジェームズ・カートライト戦略軍司令官が後任に指名される。(強調はカカシ)
 ペース氏は2001年の米同時テロ直後から統合参謀本部の副議長を務め、アフガニスタンやイラクでの戦争遂行に深くかかわり、2005年9月に海兵隊出身としては初の議長に就任した。マレン氏は欧州駐留海軍司令官などを歴任した後、05年7月から作戦部長を務めている。

まったく左翼メディアは『泥沼化』という言葉が好きだ。何せイラク戦争が始まった二週目からすでに泥沼、泥沼、と騒ぎ立てているのだから今さら泥沼もなにもないだろうに。イラク戦争は100%成功しているとは言わないが、失敗しているわけではない。2月から始まった新作戦は遅いペースとはいえ進歩を見せている。そういう中で戦争の当初から関わってきたペース将軍を再任することは承認公聴会で民主党から袋だたきにあうだけだ。なにせブッシュ政権の任期は後2年足らず。戦争も過渡期を迎えており今が肝心な時。ここで大事な総合参謀本部議長の承認で手間どっている余裕はないとブッシュ政権は踏んだのだろう。ペース将軍が責任を取らされこう更送されたというわけではない。
民主党が多数議席を占めていることの悪影響がここで現れているわけだが、法務長官のアルベルト・ゴンザラスの場合はあまり効力のない長官として保守派の間からは批判も多いが、ここで民主党のいいなりになって辞任させれば後任には民主党が好む左翼よりの人間以外承認されない危険があるため、ブッシュ大統領はたとえゴンザラス長官をやめさせたいと思っていたとしてもそれができないという事態が生じている。
アメリカの大統領には非常な権限があるとはいえ、議会が反対党の場合には大統領の力にも限りがあるわけだ。やはり次回はなんとかして共和党の大統領に共和党の議会という具合に持っていかなければならない。そうでないととても効果的な政治は望めなくなる。


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イラク駐留米軍の「半減構想」で右往左往の保守派とリベラル

数日前、ニューヨークタイムスはブッシュ政権がイラク駐留米軍を来年あたり半減させることを考えているという情報を報道すると、アメリカでは右も左もブッシュがついに民主党の圧力に負けて妥協したと歓喜したり激怒したりと大騒ぎになっている。

構想をめぐる調整は今後数カ月間続くともし、具体的な内容は現在、固まっていないとも伝えた。

シナリオの一つは、来年の米大統領選を考慮し、兵力を約10万人規模に削減することを想定。現在の兵力は約14万5000人となっている。
また、ブッシュ大統領が今年1月に発表した首都バグダッドと武装勢力の活動が活発なアンバル州の治安回復に米軍を投入する方針を修正し、主要任務をイラク軍の訓練、国際テロ組織アルカイダ系勢力の掃討に集約させることも考えられていると伝えた。
米軍の戦闘旅団の数では、現在の20を約10に減らし、来年春から年末までの間に実現させたいとしている。
政権内で駐留米軍の削減論が浮上したのは、米大統領選を踏まえ、イラク政策に関する論議の焦点を撤退期限の明示問題から米軍の長期配備に移したいとの思惑があるという。野党・民主党は撤収期限の提示を予算案などに絡めて強硬に要求、ブッシュ政権と対立している。
また、駐留米軍の現在の規模が、イラク、中東や米国内の情勢を踏まえ、今後も維持することは不可能との認識が議論の背景にあるとている。
タイムズ紙によると、来年中の部隊削減を提案しているのはゲーツ国防長官とライス国務長官で、イラクの政治改革の進展を疑問視する一部将官も加わっている。イラク駐留米軍の司令官は議論に関与していないという。

なんでもかんでもイラク敗戦に結び付ける左翼連中が誤解するのはしょうがないとしても、左翼メディアを信じるなと常々いってる保守派連中までブッシュが妥協したなどと頓珍漢なことを言ってるのをきくと苛立ちを通りこして腹が立ってくる。
ブッシュ大統領は戦争が始まる前からフセイン政権を倒し民主主義国家を創立し、治安が落ち着いたら一部のアドバイザーだけを残してイラク人に自治を任せて撤退すると言っていた。イラクに半永久的に十数万の隊を駐留させるなどと言ったことは一度もない。
総司令官たるものあらゆる戦況に対してあらゆる対応策をあらかじめ考えておくのは当たり前だ。今の作戦がうまくいって治安が安定した場合を想定して、来年兵数を半分に減らす可能性を考えるのは軍隊の総司令官として当然の義務である。
どうして4年間もイラク戦争を見つめてきた人たちがこんな基礎的な戦略も理解できないのだ?最初から戦争に反対なリベラルや左翼連中がブッシュ政権の主張を都合良く忘れてわい曲して話をするのは仕方ないとしても、イラク戦争を支持してきたひとたちがブッシュ大統領の当初からの作戦を理解できていないというのはどういうことなのだ?いったい何を基盤にしてこの戦争を支持していたのだ?
アメリカの保守派を自負するカカシとしてはこういうことはいいたくないのだが、アメリカの保守派のなかには左翼メディアは信用できないと常々いっているくせに、左翼メディアがイラク戦争は負ける、来期の大統領選挙と一般選挙は民主党が圧勝すると報道すると、「もうだめだ〜」」とすぐ弱腰になる連中が多すぎる。どうして信用できない左翼メディアの報道を鵜呑みにするのだ!
イラクは対テロ戦争の一貫であるが、これが最初でも最後でもない。対テロ戦争は東共産圏との長年に渡る冷戦のように何十年も続く戦争になるだろう。だがイラク戦争で敵の力を弱体化しておけば、それだけ今後の戦争に我々は有利になる。だからイラク戦争はイラク人が自立できるまで見届ける必要がある。だがそれは我々が永久にイラクを面倒みるということではない。今後長丁場になる対テロ戦争を考えたら、いつまでもイラクにだけ手間どっているわけにはいかないのである。


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戦没者追悼の日、文学から学ぶ英雄の勇気

月曜日はアメリカはメモリアルデーといって戦没者を追悼する日である。そこで英霊の勇気を讃えるため、最近読んだエリザベス・カンター文学教授著のThe Politically Incorrect Guide to English and American Literature(政治的に正しくない英米文学へのガイド)を参考に英雄とその自己犠牲について書いてみたい。
911事件の直後、アリゾナカーディナルスというフットボールチームで活躍していたパット・ティルマン選手は年俸360万ドルの契約を蹴って持ち前の天才的運動神経を活用し陸軍特別部隊に志願した。2004年5月22日、ティルマン氏はアフガニスタンの戦闘でフレンドリーファイアー(味方の弾)に当たって戦死した。
五か月後、ティルマン氏の母校アリゾナ州立大学の助教授はティルマンの死は恥だという内容の詩を発表した。「フレンドリーファイアー」という題名の詩はあたかもティルマン氏の声でもあるかのように、こういう感じで始まる。

私の死は悲劇だ

私の栄光は短命だった

我が身と、我が国と、対テロ戦争という

誤った見解がもたらした

悲劇的な最後を遂げた我が人生

ティルマン本人が聞いたらさぞかし怒るような侮辱的な詩だ。しかし兵士が見方の弾に当たって死んだら、兵士の死は無駄死にだったのだろうか?英雄の勇気は無意味なものになってしまうのだろうか?カンター教授はそうではないと主張する。
10世紀の終わり頃バイキングの船がイギリスのサセックス沿岸を攻撃した時のマルドンの戦いの模様を描いた著者不明の詩がある。この詩のさびの部分と終わりは紛失しており真ん中の部分しか残っていないが詩は明かに敗北したイギリス側の悲劇的な最後を描いたものだ。
戦いは若い兵士が自分の愛馬を放つところから始まる。イギリス軍は徒歩で戦かったため馬は邪魔になったからだが、戦いのために愛馬を放つ犠牲を払うこの青年の心意気は疑う余地はない。
バイキングはイギリスが貢ぎ物を支払いさえすれば戦わずに見逃してやると提案するが、イギリス側の司令官はこれを拒絶。戦争の体制に入る。しかしこの司令官は突撃のタイミングを逃し、しかもバイキングが狭い水路を通り過ぎるのを待ってイギリス本土に上陸するのを待つという決定的な間違いをおかしてしまう。水路での攻撃は紳士としてのプライドが許さないというつまらない動機が災いした。
戦いは圧倒的にバイキングに有利となり、味方からも脱走兵がでるなどひどい状態になった。当時のイギリス王は「不準備のエセルレッド」と呼ばれるほど不能な王として悪名高い。このような不能な指揮官をもって戦わされた騎士らはいい迷惑である。その事実を認めながら、いにしえの詩人は王とそして祖国に忠誠を尽くして果てた英霊を蔑まない。それどころか騎士らの勇敢さと彼等が払った犠牲に大いなる敬意を評している。詩人は決して盲目的な忠誠心をたたえているのではない。詩人は苦境に立たされたときこそ英雄の勇気が試されるのだということを承知の上で、その勇気を讃えているのである。英雄の勇気は司令官の不能さや仲間の臆病な行為によって過小評価されるべきではない。たとえ回りの環境がどのようなものであったとしても、英雄が払った犠牲もその勇気が価値あるものであることに変わりはないのだ。
ティルマン兵長は自分のプロフットボール選手としてのキャリアを犠牲にして、愛する祖国のために戦った。例えその死が味方による誤射によるものだったとしても、彼の勇気と忠誠と愛国心に変わりはない。彼の死は無意味ではない。千年前のアングロサクソンの詩人には現在の英文学大学教授が分からないことがきちんと理解できていたのである。
歴代の戦争で尊い命を亡くした英霊に追悼の意を表します。安らかに眠りたまえ!


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FOXニュース主催米共和党のテレビ討論会

アップデートそしてバンプ:共和党討論会について詳細を記したブログを見つけたので、アップデートしてバンプします。最後参照
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昨日に引き続き、アメリカ大統領候補の討論会の話題を紹介しよう。今回は共和党。
共和党の討論会はこれで二回目だが、前回に比べてフォックスニュース主催の今回はかなり活気があったようだ。フォックスニュースは他のメディアと違って左翼一色ではないため、民主党候補者たちは怖がってフォックス主催の討論会をこぞって拒否した。極左翼の市民団体ムーブオンからの圧力が物を言わせているようだ。
しかし共和党員の場合は自分らに敵意を示すメディアをいちいち敬遠していたのでは共和党員はやってられない。なにせ主流メディアはみんな反共和党。そういう面では共和党の方が民主党より面の皮が厚いと言えなくもない。
例によって私はこういう討論会は見ない主義なので、下記はミスター苺の感想
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前回MSNBCが主催してレーガン図書館で行われたクリス・マシュー司会の討論会が退屈この上なかったのに対して、今回のフォックスニュース主催のブリット・ヒューム司会他三人の質問者による討論会は非常に興奮した。特に最後の方で台本抜きのジョン・マケインによる「拷問には反対だが、止む終えない場合もある」っていう卵を割ってオムレツまで食べちゃおうって言うご都合主義の発言は面白かったね。
俺はルーディ・ジュリアーニとミット・ラムニーが正直に、次の爆弾がどこで爆発するかとかいった情報をテロリストから聞き出すためには、必要な手段は遠慮なく使うべきだと断言したのにはすっとした。それにひきかえ俺と同胞のカリフォルニア人のダンカン・ハンターの発言は恥かしくて歯軋りしそうになったよ。彼は核兵器が爆発するシナリオだと勘違いしたらしい。
だがこの夜のなかで一番の傑作発言といえば、ジュリアーニが、惨めなアラシのロン・ポールへ突っ込んだのより、第三レベルで名前も忘れちゃった候補者が「今の議会はジョン・エドワードがビューティサロンで使うより多額の金をつかってる」と言ったことだな。…
さてそれでは各受賞者発表!

  • G.ゴードン・リディ賞(G. Gordon Liddy)、質問に対して一番直接的な答えをしたラムニーに授与。もし司会者が「今何時かご存知ですか」と質問したらラムニーなら腕時計をみて「はい」と答えるだろう。
  • ジョージW.ブッシュ賞は、一番ハチャメチャな文法と言葉使いをしたジュリアーニに授与。これで何故か意味が通じちゃうんだからすごい。
  • ジョン・ケリー賞は、一番矛盾だらけの発言をしたマケインに授与。ひとつの文章で頭と尻尾が完全に矛盾しているというすばらしさを讃える。
  • C.オウベリー・スミス(C. Aubrey Smith)賞は一番大統領らしく振舞ったフレッド・トンプソンに授与。特にトンプソンは討論会に参加しないでこれをやってんだから大したもんだ。
  • サム・ブラウンベックはクロード・レインズ賞、、、ってえっと、、居たのかあいつ?
  • 共同司会者のワラスとゴーラーは結託してもう一人の司会者クリス・マシューをハワード・ディーンなみのアホに見せたことを讃えてにチャールトン・ヘストン賞を授与。
  • フォックスニュースは何ヶ月も前から計画されていた討論会をきちんとケーブルテレビのガイドに載せていないで、録画取りを計画していた視聴者に大迷惑をかけたことから、うっかり教授賞を授与。
  • 最後に靴底賞を一番場違いな候補、ロン・ポールに授与。奴さんときたら911がわが国の政策の最優先を完全に書き換えたということさえ認めようとしないで、孤立主義への執拗な固執をしている。こういうのはベンジャミン・ハリソン政権の頃には人気を呼んだだろうけど、時代遅れもはなはだしいよ。

    ポールがどうしても次の討論会に参加するっていうなら、中継かなにかにしてほしいもんだね。彼の自宅のあるテキサス南部の鉄橋の下とかさ、、、

俺は次の討論会が楽しみだね。ってアメリカ右翼ブロガーたちによるどの低レベル候補者が最初に落ちこぼれるかっていう討論の話だけど、、
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G.ゴードン・リディ: ニクソン政権時代民主党の選挙事務所に潜入して民主党の選挙作戦を盗み取ろうとした、いわゆるウォーターゲート事件の首謀者。誰の命令で動いたか最後まで白状せずに刑務所送りになった人。元弁護士で今は作家及びラジオのトークショーのDJ。歯に衣を着せないタフな発言をすることで有名。
C.オーベリー・スミス: 1880年代に活躍した有名なイギリスのクリケット選手で、後に1930年代には俳優となり、ハリウッドでは貫禄ある政治家タイプの役を専門にこなすキャラクターアクターとして有名。1944年に生涯の功績が讃えられ騎士の位を授与された。
ハワード・ディーン: 2004年民主党大統領候補にイラク戦争大反対を唱えて立候補した。前評判はよかったのに第一予選で完全自爆。敗者宣言の代わりにこれからも頑張ると雄叫びを上げたことから、以来どっか抜けてると思われている政治家。
アップデート:暗いニュースが共和党討論会について詳細を紹介してくれているのでリンクしておこう。このブログはかなり左翼よりだと私は思うが、それでもよくある単なる反米サイトのようにアメリカを完全に誤解しての脊髄反射的な批判ではなく、結構的を射た批判があると思うので読む価値はあると思う。


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米議会:民主党が完全に折れたブッシュの戦費予算案

まったく半年近くもグチャグチャ言って時間稼ぎをしていた米民主党議会だが、結局ブッシュ大統領の提案どおりのイラク戦費予算案が通りブッシュ大統領の署名となった。先ずは5月26日付けのCNNのニュースから。

ブッシュ大統領が署名、今秋までのイラク戦費法案

ワシントン——ブッシュ米大統領は25日、上下両院が24日夜に可決していた今秋までのイラク戦費支出を含む補正予算案に署名した。大統領と議会の攻防の焦点となっていた米軍撤退期限は明示されず、イラク政府が復興に向けて達成すべき目標を設定するにとどまっている。
ただ、撤退期限の問題は今秋に蒸し返されることは確実。法案では、野党・民主党が期限の明示を主張していたが、最終的に折れる形となった。同党は2008会計年度(07年10月─08年9月)の予算案審議で改めて要求する方針。

結局今のアメリカの議会は戦争を止める度胸など全くないということだ。口先だけで批判はしてもアメリカの敗北を招くことになる責任をとるだけの政治力はない。ヒラリー・クリントンとバラク・オバマがわずかに抗議の反対票を投じたが最初から可決されると分かっている議案に対しての反対票など、反戦派の極左翼に迎合するための形式上の抗議に過ぎない。
反対票を投じたバラク・オバマは下記のような公式発表をした。括弧内はカカシの注釈。(パワーラインより

わが国は軍隊を支持することで一気団結しています。しかし我々は他国の内線を警備するという重荷から彼等を解放してやる計画をたてる義務があるのです。ロムニー知事もマケイン上院議員も(二人とも共和党から大統領候補として出ている)明らかにイラクでの方針がうまくいっていると信じています。しかし私はそうは思いません。数週間前にマケイン議員が(防弾用の)フラックジャケット(flack jacket)を着て装甲ハンビーに乗り、アパッチヘリコプター2機とライフルを持った100人の兵士らに守られながらバグダッドの市場を歩かなければならなかったことがそれを証明しています。

これに対してマケイン議員はすかさず反撃した。

確かに上院議員(わずか)二年目のオバマ議員は我が軍への予算割り当てに反対票を入れる権利はあります。私の(長年に渡る議員として、ベトナム戦争に参戦して7年間にわたって捕虜になった豊かな)経験と現場の司令官たちとの会話とを合わせて考えた結果、私は新しい作戦が成功する機会を与えなければならないと信じます。なぜなら失敗はわが国の防衛に悲劇的な結果を招くからです。

ところでオバマ議員、フラックジャケットはflak jacketと綴ります。flackではありません。

マケイン議員は一本気で融通が効かないところがあり、すぐカッとなる質でブッシュ大統領ともいろいろぶつかりあってきた人だが、他人からの突っ込みにはもっと鋭い突っ込みを返せる頭の回転のいい人だ。たかだか上院議員二年生のオバマごときが相手にして勝てる相手ではない。
共和党の他の大統領候補たちもマケイン議員を見習って、今後一年半選挙に向けてどれだけヒラリーやオバマが自国の軍隊の活動を阻止しようとしたか、軍隊の総司令官になろうという人間がどれだけ軍隊をおざなりにしたか、投票者に何度も思い出させる必要がある。
アメリカの左翼連中はなんとかイラクを第二のベトナムに仕立て上げて勝てる戦争に負けようと必死だが、今の状況はベトナム時代とは違うのだということが今回の予算案可決ではっきりした。それにしてもアメリカって国は大統領の権限が強い。これはクリントン政権時代にも感じたことだが、議会全体を敵に回しても大統領には独裁的といっていいほどの権限がある。特に戦争に関しては大統領が断固戦うと言い切れば議会はそう簡単に阻止することはできないのだ。はっきりいってアメリカがそういう国で本当に良かったと思う。なぜなら対テロ戦争に負けることは絶対に許されないからだ。
イラクに巣食うテロリストやシーア民兵らにも分かっただろう。アメリカ議会はなんだかんだいっても実際に力を握っているのはブッシュ大統領なのだということが。だから抵抗は無駄なのだ、そろそろあきらめようというふうになってくれればいいのだが、ま、それは無理か。


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アメリカ軍の防弾チョッキは兵士を守っているのか?

現在アメリカ陸軍が使っている防弾チョッキは技術の最先端をいくものではなく、もっと性能のいい防弾チョッキがあるにもかかわらず、陸軍は他メーカーの製品の使用を全面的に禁止して、兵士の身をむざむざ危険にさらしているという話が最近で回っている。このNBCの番組などその典型だ。このニュースは司会者リサ・マイヤーズによる下記のようなナレーションで始まる。

陸軍の防弾チョッキの監督をしているマーク・ブラウン准将はNBCに「現在兵士らに至急されている防弾チョッキは世界最高のものです。実弾テストでも実戦でもそれは証明されています。」と語った。

だが本当に最高なのだろうか?
NBCが独自に行った弾道テストも含む調査によると、もっと性能のいいドラゴンスキンというものが存在する可能性が出てきた。軍人の家族や兵士らはドラゴンスキンのほうが防衛力があると信じて購入しようとした。しかし陸軍は去年正式なテストをする前にその使用を全面禁止した。

現在陸軍が使っている防弾チョッキはインターセプターというが、このデザインに関与した技術師のジム・マギー氏も、現在一番性能のいい防弾チョッキはインターセプターよりもドラゴンスキンと呼ばれるものだと語っている。防御面積も阻止能力も一段も二段も上だとマギー氏は語る。

ドラゴンスキンとは利害関係が全くないマギー氏は「もし今日、ジム、明日からイラクへいってもらうからどっちを着る?と聞かれたら私はドラゴンスキンを買って着ますよ。」と語った。

現にCIAは去年からドラゴンスキンの使用をはじめている。しかし、陸軍のマーク・ブラウン准将はドラゴンスキンは陸軍のテストに完全に失格したと語っている。

准将: 48発のうち13発うった玉がドラゴンスキンを突き抜けたのです。
リサ: じゃあ、悲劇的な失敗ですね。
准将:そうです。
リサ: ドラゴンスキンは失格したのですね。
准将: ドラゴンスキンはみじめに失敗しました。

番組ではここで司会者のマイヤーズが鬼の首でもとったかのように鼻にかけたナレーションが入る。

ナレーション:ここで問題が一つある。陸軍はドラゴンスキンを3月に使用禁止にした。それは5月のテストの二か月も前のことだった。

リサ: 准将、陸軍がドラゴンスキンを使用禁止にしたのはテストの前ですよ。
准将: リサ、私は、私はそのことは知りません、私はテストがその時行われていなかったことはしりません。私はその場にいなかったので、、

准将はインタビュー番組は慣れていないとみえて、適切な反論をしなかった。それで、ばれた嘘を言い訳しているような印象を与えてしまった。准将が返すべきだった反論は『リサ、当然ですよ。試験もしていない防弾チョッキを兵士らに使わせる訳にはいきませんからね!』である。テストもしてない装具を兵士らが勝手に着はじめたらそれこそ危険ではないか。先ずその安全性が分かるまでひとまず使用禁止にするのは当たり前だと言えば良かったのである。
実のところ私はドラゴンスキンがインターセプターよりも性能がいいのかどうかということは知らない。以前に「フューチャーウエポン」(未来の武器)というテレビ番組でドラゴンスキンの特集をしているのをみたことがあるが、この番組では既存のチョッキよりも性能はいいという結論をつけていた。またNBCの番組で上記の専門家以外のエンジニアーたちがが口々にドラゴンスキンの性能の良さを語り、独立して行った比較試験ではドラゴンスキンのほうが性能が高いという結論付けもしている。
もし本当にドラゴンスキンが既存のインターセプターより性能がいいのであれば、どうして陸軍はこれを使いたがらないのだろうか?NBCはドラゴンスキンが陸軍の企画でないことが原因していると示唆する。

ナレーション:機械工学士で弾道学の専門家であるネビン・ルーパート氏は7年間にわたり陸軍のドラゴンスキン専門家だった。今は内部告発者となった氏は陸軍のタイミングは偶然ではないと語る。

ルーパート: 私は陸軍の低位の人たちが故意に阻止しようとしてるんだと思います。
リサ:陸軍の人たちがどんな動機があって命を救う技術を邪魔する必要があるのですか?
ルーパート:彼等の組織に対する忠誠心と予算維持です。
ナレーション:氏によるとドラゴンスキンは陸軍によって開発されたものではないため、陸軍のなかにはインターセプターやその他の企画の予算が削られるのを恐れている人たちがいるという。(略)ルーパート氏はドラゴンスキンのテストには立ち会わないように命令されたという。
リサ:7年もドラゴンスキンの分析に当たっていたのに、陸軍がテストする時に出席するなといわれたんですか?
ルーパート: そうです。

もっともこのルーパートというひと、今年の2月に33年勤めた陸軍を首になっていて、明らかに陸軍には個人的な恨みがある。どういう理由で解雇されたのか明らかではないが、陸軍は法律上コメントできない。そのをいいことにNBCはそうと知っていながら陸軍がコメントを避けているかのように語っている。
また軍上層部の将軍らがドラゴンスキンを購入した事実を指摘し、一介の兵士らの身の安全は考えないくせに上層部だけが性能のいいものをきているとでもいいたげだ。しかし上層分の将軍らは多分陸軍の防弾チョッキの規則を知らなかったのだろうし、お偉方は鉄砲担いで戦闘に赴くわけではないから、多少重たいチョッキをきて歩いたからといってどうってことはない。こういう報道の仕方を「あら探し」というのだ。
しかしここでNBCが語らないのは、ドラゴンスキンの使いやすさである。性能のいい防弾チョキが必ずしも一番使いやすいとは限らない。例えばマイヤーズの「陸軍の人たちがどんな動機があって命を救う技術を邪魔する必要があるのですか?」という質問だが、忠誠心や予算維持以外に、軍隊にはもっと基本的な理由がある。それは、
軍隊は兵士の命を守るのが仕事ではない。軍隊は敵を殺し物を壊すのが仕事である。であるからその仕事に邪魔になるものは使わない。
軍隊が兵士の命を守ることを最優先にしたならば、戦争など最初からやれないではないか。戦争をやれば必ず戦死者や負傷者が出ることは最初から分かっているのだから。
つまり、ドラゴンスキンがどれほど既存のチョッキよりも性能がよかったとしても、(陸軍は異存を唱えているが)それが兵士の戦う行動の邪魔になるようであれば使用しないという決断が下されても不思議ではない。現に私は現場の兵士らがある種のチョッキは重たすぎて着てられないと文句をいっているのをミルブログなどで読んだことがある。
事実、インターセプターの12.7kgに比べてドラゴンスキンは21.5kgと二倍近い重量なのである。重たい荷物をしょってハイキングをしたことのある人なら分かるが一人の人間が担いで機能できる重量には限りがある。それ以上になった場合はたとえどれだけ便利なものでも置いていくしか仕方がないのだ。一般の兵士が担げる重量はスパルタの時代からほぼかわらず36.2kgがせいぜい。防弾チョッキだけでその三分の二をとられてしまっては、その分持てる補充用の銃弾の数などが減るし兵士の動きにも弊害がでる。いくら弾に当たった場合は生き残る可能性が高くても動きが鈍って弾に当たる可能性が高まっては元も子もないだろう。
また、陸軍のテストによるとドラゴンスキンは耐えられる温度にも限りがあり、下はカ氏マイナス20度まで、上は120度までで、それ以上になると鱗をとめている糊が弱まって鱗がはがれてしまうという。
強まる批判に答えるため、陸軍はこのほかにもドラゴンスキンのテストの調査結果を公表した。
この問題はこのままではおさまらず、きっと民主党の議員らが公聴会でも開いてまたまた税金の無駄使いをするに違いない。だいたい戦費を削って軍隊の行動を大幅に邪魔し、兵士をより危険な目にあわせようとしている奴らが、この時とばかりまるで兵士らの身を慮っているかのうように騒ぎ立てる偽善には反吐がでる。軍隊の動き同様、軍隊が使用する武器なども専門家でもない議院などに決めてもらいたくない。これは現地で実際に武器を使用する軍人や専門家の工学博士などが決めることであり、素人が口出しすべきことではないのである。


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イラクに夢中で公約そっちのけの米民主党議会

イラク戦争に大反対している左翼の知り合いが、民主党が多数議席を握る米上院議院でイラク戦費差し止め議決が否決されたことを嘆いていた。「民主党の腰抜け! 口ばっかりでイラク撤退もできねえじゃねえか」とかなりの剣幕である。確かに民主党ときたらすでに議会の主権を握ってから六ヶ月近くたつというのに、次から次へと拘束力もないイラク反対決議案を通すのに夢中。しかも全力投球しているはずの肝心のイラク撤退すらこの有様

【ワシントン16日時事】

米上院は16日の本会議で、ブッシュ大統領による拒否権行使で承認が遅れている今年度のイラクなどでの戦費約1000億ドル(約12兆円)を月内に一括承認する方針を87対9の賛成多数で決めた。下院は先に、7月までの支出分に限った暫定戦費法案を可決したが、上院側はこれに同調しなかった。

 上下両院は4月、イラク駐留米軍の撤退期限を来年3月末に定めた戦費法案を可決したが、大統領が拒否権を行使。上院民主党の大多数は、現場の部隊に悪影響が及ばないよう戦費の一括承認に応じることにしたが、早期撤退を促すため何らかの条件を盛り込みたい意向だ。
 この日の本会議では、民主党反戦リベラル派のファインゴールド議員が提出した来年4月以降の戦費支出打ち切りを求める法案が審議された。次期大統領選への出馬を表明しているヒラリー・クリントン、オバマ両議員らは賛同したが、現実的対応を主張するレビン軍事委員長らが反対して採決を行うための動議が否決され、事実上却下された。 

時事通信では書かれていないが、29対67で賛成派は惨敗だった。反対票の19人は民主党員だから、これは民主党の惨敗と言える。
だいたい民主党はこの六ヶ月近く何をやってきたのだ、と私が民主党支持者ならかなり腹をたてるだろうな。イラク戦争に反対反対といいながら、イラク戦争の時間制限も直接撤退に結びつく戦費差し止めの議決案も通せない。それどころか関係もないのに日本の慰安婦問題など意味のない決議案などを審議して国民の血税と時間の無駄使い。
選挙に勝ったら実現させると約束していた医療問題はどうなったのだ?最低賃金引き上げは?胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究への政府資金供与はどうした?奨学金融資の利子引き下げはどうなったのだ!イラクイラクでしょうもない拘束力もない議決案ばっかに夢中になって税金無駄使いして、選挙当時の肝心の公約はどうなったんだよ、国内問題はどうなったんだよ! 
と思っていたら、産経新聞の古森義久さんによるとこの何もしない民主党議会の支持率は大幅に落ちているという。

16日に公表されたギャロップ社の全米世論調査の結果によると、議会民主党の活動に対する支持率は29%で、前月の33%から4ポイントの下落となった。2月ごろには37%だったという。民主党員の間でも民主党議員の活動への支持は37%と判明した。同調査では全体の64%が「民主党議員が国政に対処している方法は不支持」という数字も出た。
 南部に拠点をおく世論調査会社「ストラテジック・ビジョン」がフロリダ州有権者を対象にした同時期の世論調査でも、議会民主党に対しては支持27%、不支持61%という結果が出た。AP通信が11日に発表した調査結果では、議会全体への支持は35%で、前月より5ポイントの低下が示された。
 これらの結果について世論調査の専門家ジョン・ザグビー氏は「議会で民主党がほぼすべての力をイラク政策への反対表明に注ぎ、他の主要国内政策を軽視しているという印象をあたえたことが大きな原因だといえる」と分析した。 …
(公約していた)6件のうちいくつかは下院で可決されたが、上院との調整でつまずいたり、いくつかは共和党の反対で遅れ、結局、なにひとつ法律とはなっていない。民主党内では、自党側にも戦略の失態があったとして反省する声も出ている。

国民が民主党を支持したのは、イラク戦争への不満ということも確かにあっただろう。だが多くの民主党支持者は民主党の公約にも多いに期待していたはず。イラク反対で多数議席を取ったとのだからと勘違いしてイラク問題ばかりに取り組み国内政策をおざなりにして、イラク撤退も実現できないとなれば、次の選挙で国民は民主党への失望感を票であらわすかもしれない。


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米大統領選挙民主共和各党でテレビ討論会、民主党の巻

2008年の大統領選挙までまだ一年半もあるというのに、すでに民主党と共和党はそれぞれ何度かテレビ討論会を行っている。今はまだ各党の予選も始まっていないしすべての候補者が立候補しているというわけでもないので、まだこの先どうなるのかまだまだなんともいえない状態だ。
さて、ちょっと前に行われた民主党の討論会の模様は暗いニュースが特集しているので、こちらをちょっと拝見しよう。私はこういうふうに複数の候補者がそれぞれの質問に数分の時間制限で答える形の討論会は好まない。それで自分ではテレビ放映も全くみていない。よって下記はすべて他人の受け売りなのであしからず。

司会者:
「クリントン議員、民主党上院院内総務ハリー・リード氏の最近の発言によれば、イラク戦争は敗北したとのことでした。本日のUSAトゥデイ紙に掲載された投書には、リード氏の発言が“背信行為”であり、もしもパットン将軍が生きていたなら、リード氏を使ってブーツを拭うだろうと書かれています。あなたは上院院内総務の主張に賛成しますか?」

ヒラリー・クリントン:
「ブライアン、まず最初に、アメリカ国民の主張について言わせてください。議会はすでに戦争終結に向けて表決しています。今はただ大統領が耳を貸すことを望むだけです。・・・(中略)・・・これはアメリカが勝ったり負けたりという戦争ではないのです。我が国はイラク国民に自由と統治の機会を与えました。その機会を活用するかどうか決定するのはイラク国民次第なのです。」

暗いニュースはリベラルなブログなので、ヒラリーが当初はイラク戦争に賛成したという事実も許せないだろうし、今になっても「イラク国民に自由と統治の機会を与え」たという言い方はブッシュ政権の報道官さながらだと批判している。私に言わせればヒラリーは単なる日和見主義。戦争の前は国民の戦争支持も高かったのでそれに賛成しただけの話。不人気になったイラク戦争をいつまでも支持していると左翼過激派のムーブオンらに突き上げられるのでどうやってイラク撤退を正当化するかで悩んでいるというのが事実。それにあんまり過激派左翼のいいなりになると一般選挙で無所属の票を取りそこなう。左翼に迎合して民主党候補になっても、過激派左翼と思われたら一般選挙で勝てない。これが民主党候補のジレンマだ。

司会者:
「オバマ議員、あなたはこのイラク戦争を評して、“愚か”と発言しています。その姿勢で、この戦争に身を捧げた人々に対してどのように向き合いますか?そもそもなぜあなたは過去において戦争予算に賛成してきたのですか?

バラク・オバマ:
「ブライアン、私は開戦時からこの戦争に反対してきた自分を誇りに思っていますよ。イラクの地で現在見られるような惨憺たる状況になると思ってましたからね。それに、戦地にこの国の若者を数十万人も派遣するのなら、彼らの安全のために暗視スコープや補強済みハンビーや他の装備が必要になることも私はずっと主張してきました。しかしアメリカ国民が主張しているのは、共和党であれ民主党であれ、もう戦争を終わらせる時期だということなのです。・・・(以下略)」
司会者:
「エドワーズ議員、あなたはイラク戦争開戦決議に賛成した件を謝罪したことで注目を集めました。あなたは、“我が国にはオープンで正直な指導者が必要だ。過ちがあれば真実を告げることができる人物だ”と言ってます。これはあなたの競争相手であるクリントン議員への直接攻撃ですか?」
ジョン・エドワーズ:
「いいえ、そうではなくて、それはこの戦争に賛成した者の良心の問題なのです。クリントン議員や他の戦争賛成者は自省して正しい判断だったのかどうか考えてみる必要があるのです。正しいと信じるなら、そうすれば良いのです。正しくないと思うなら、率直且つ正直に振舞うのが大事です。なぜなら私は、次の大統領は、国民と合衆国大統領府の信頼関係を取り戻せるような人物であることを国民が切望していると思うからです。(以下略)」
司会者:
「クシニッチ議員、イラク戦争に反対しながらそれに資金を提供することができるでしょうか?」
クシニッチ:
「できません。国民に対して、戦争には反対だが引き続き資金提供に賛成してくれというのは矛盾しています。戦争への資金提供に賛成するたびに、戦争を再度支持することになるのです。実際のところ、この場に居る同僚議員達はワシントンDCで戦争への資金提供に賛成してきたばかりです。民主党はこの戦争を終わらせる力があるのだから、終わらせるべきです。(以下略)」

エドワードは最初から戦争には反対で、左翼過激派からは人気があるが、あまり過激にならないように暗いニュースいわく「優等生的発言」で抑えている。クシニッチは候補になる可能性ゼロなので本音が言えるといったところだろうか。
さて暗いニュースはハイライトとしてオバマとクシニッチのやり取りを次のように取り上げている。

オバマ:

「このテロリズムという問題にもういちど立ち返ってみましょう。打ち倒すべき正真正銘の敵、解体すべきネットワークが存在することは確かです。理知的に我が国の軍事力を行使するにあたっては我々の誰も対立しませんし、あるいはテロリストを排除する際に致命的な武力を行使する場合もありますが、同時に、同盟を組織し世界中に信頼を拡大する努力がこの6年間非常に欠けていました。思うに、次期大統領にとって最重要課題となるのは、我が国の直面するそうした困難への取り組みでしょう。」
クシニッチ:
「オバマ議員、今の発言は非常に挑発的ですね。以前からあなたは、イランに関してあらゆる選択肢を考慮すると言ってますね。国民にとってその本当の意味を思案することは非常に大切だと思うのですが、あなたは別の戦争に向けて準備を整えつつあるようです。私が思うに、地球温暖化と地球戦争化は避けることが重要です。全ての中心は石油です。我々は石油のためにイラクに侵攻しました。今、我が国は石油のためにイラン攻撃を目論んでいます。外交政策を変えない限り、つまり戦争を政策手段としている限りは・・・」
(中略)
オバマ:
「もう少し時間をもらって反論します。イランと戦争を始めるのは深刻な過ちになると思いますよ。しかし、イランが核兵器を保有し、合衆国と周辺国にとって脅威であることは疑いようのない事実で・・・
「核兵器開発途上にあるのは明らかでしょう。専門家も否定しませんよ。イランはテロの最大支援国であり・・・」
クシニッチ:
「それはまだ論争中で・・・」
オバマ:
「ヒズボラやハマスも支援を受けてます。」
クシニッチ:
「それはまだ論争中です。」
オバマ:
「デニス、(党内に)反論はないはずだ・・・」
クシニッチ:
「まだ論争中ですよ。」
オバマ:
「終わりまで聞いてくれ。世界各国に同盟を拡大することについては我々に対立はないはずだ。だが、核拡散国家が存在すればテロリストの手に核兵器が渡ることになり、アメリカにとって深刻な脅威になるのだから、この問題を真剣に受け止めるべきだ。」
司会者:
「時間オーバーです。グラベル議員、30秒でどうぞ。」
グラベル:
「とんでもない。イランなら、我が国はもう26年間も経済制裁してるじゃないか。合衆国大統領は彼らを“悪魔”と呼んで、連中をひどく脅してるんだ。それでどうなる?そんなことに効果などない。意味ないんだよ。彼らを認めるべきだ。わかるか?核不拡散条約の最大の違反国は誰だ?アメリカ合衆国だよ!我が国は軍備縮小を始めると約束しておいて、何にもやっちゃいないんだ。我が国は核兵器をさらに増やしているじゃないか。あんたら、どこを核攻撃するつもりだ?教えてくれ、バラク!バラク!あんたはどこを核攻撃したいんだね?」
オバマ:
「(苦笑して)どこも核攻撃する計画はないよ、今のところはね。マイク。約束しよう。」
(会場、笑い)
グラベル:
「そうか、良かった。それじゃもうしばらくは安全だな。」

これに対する暗いニュースの反応はというと、、、

バラク・オバマはリーダーシップを示したつもりかもしれないが、醜態をさらしたのは彼だ。クシニッチの指摘は見事だった。グラベルの突っ込みはジョン・スチュアートを超えそうなほど過激だ。

オバマには外交能力があるとは思えないが、少なくともイランの脅威に気がついているという点ではくしニッチやグラベルのアホどもよりはましである。イラク国内でイランからの援助がアメリカ兵らの死傷に直接関わっているという事実は動かしようがない。それをあたかも陰謀説ででもあるかのように唱えるクシニッチは現実感覚ゼロだ。グラベルにおいては笑いものになっただけ、ああ恥かしい。
本命以外の複数を含む討論会はこういうアホな連中が出てきて笑点のような面白さはあるかもしれないが、候補者の本音を聞くとか政策を知るつもりならほとんど意味のない時間つぶしである。ま、テレビ写りがどれだけいいかということを試す分には多少の意味はあるかもしれないが。
次回は共和党討論会の模様をお届けする。


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ネットに精通した米共和党大統領候補? フレッド・トンプソン元上院議員

多分、日本の皆さんはフレッド・トンプソンなる人物をご存じないだろう。実を言うと私もついこの間までトンプソン氏がアメリカの人気テレビ番組Law and Order (法と秩序)で検事を演じている俳優だということ以外はほとんど何も知らないでいた。何故かこの人物、正式に大統領に立候補していないのに2008年の共和党大統領有力候補として話題を呼んでいる。 (RCPの人気投票ではジュリアーニとマケインに次いで三位。正式に立候補しているミット・ラムニーより人気がある。)
トンプソン氏は1942年8月生まれの64歳。人気テレビ番組のレギュラーなのに若い頃から俳優だったわけではなく、1980年代に俳優になるまでは現役の弁護士並びにロビーイストだった。それが1983年に現実の事件を映画化したマリーに本人として登場したのがきっかけで、以来検事だの弁護士だのといった役柄のキャラクターアクターとして人気を呼んでいる。
その彼が政治家になったのは民主党の大統領候補になったアル・ゴアが辞職したテネシー州の上院議員の残りの任期を請け負った1994年からのことで、1996年の選挙では見事再選。2003年まで任期を勤めた。現役の上院議員でありながら、2002年の議会が休みの間になんと人気刑事ドラマのレギュラーとなり、任期の終わった2003年以後ずっとその番組に出演している。
トンプソン氏はまだ正式に共和党の大統領候補として出馬するという表明はしていない。だが昨日、2002年からずっとレギュラーで出ていた上記のテレビ番組を降りることになったと発表したことから、立候補間違いなしという噂で持ちきりである。
共和党にはマケイン上院議員やジュリアーニ元ニューヨーク市長といった人気者が結構いるにも拘わらず、何故かトンプソン氏の立候補を待ち望む人たちが多い。 ミスター苺などはトンプソンが大統領、ミット・ラムニーが副大統領として共和党候補となるのが理想だなどと前々から言っていた。いったいフレッド・トンプソンの人気の元は何なのだろう?
64歳という年の割りにはインターネットに精通しているトンプソン氏はネットの大切さをよく理解している。トンプソン氏は保守派ネットブログ、パジャマスメディアでこんなことも書いている。

インターネットが特定の候補者を選べるかどうかは別として、あなたやブログ界に広がる我々の仲間たちやウェッブは真実情報革命の一部であることは明白です。それゆえ私はアメリカ市民に話かけるとき、この伝達手段をつかうことに努力を注いでいるのです。 (中略)

私はこの直接的な伝達と話試合は政治過程に多大なる影響を与えると信じます。

この間も偽ドキュメンタリー監督のマイケル・ムーアがアメリカの健康保険制度をおちょくった映画を作った際、国民保険のあるキューバに911事件の後遺症で病気になった数人を連れて行ったことをトンプソンが批判したのがきっかけで、ムーア監督がトンプソンはキューバ製の葉巻を吸ってるくせに偽善者だ、文句があるならテレビ討論をやろうじゃないかと挑戦状をつきつけた。それを受けてトンプソンはなんとこの挑戦の数時間後にはYouTubeでムーア監督に反撃。大きな葉巻を吸いながら、「スケジュールをみてみたんだが、どうも討論は出来そうも無いよ。…しかしキューバではカストロが気に入らないことを描いたドキュメンタリー映画の監督が精神病院に入れられたって話だ、精神病院だよ、君も考えてみたまえ。」てな感じでカメラに話かけるトンプソン。なにせ現役俳優だからこの台詞回しのうまいこと!ネット時代を充分に理解しての作戦といえる。
トンプソンはテレビのインタビュー番組などにもいくつか出演しており、大統領候補としてはおざなりなことしか言ってないが、それでも大統領らしく見れる人であることは確かだ。そろそろ本気で立候補し、選挙演説などをやってもらいたい、と保守派のファンたちは期待している。


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数が分からないと、、、バラク・オバマの恥かしい失言

カカシが学生時代、物理の問題である小舟に何人の人間が乗れるかというものがあった。私の計算によると答えは500人と出た。ここで500人と解答に書いてしまうのは非常識というものだ。どう考えても小舟に500人も乗れるはずがない。どっかで桁を間違えたに違いないと考えるのが常識ある人間の判断。
ところがこと数字になるとこういう判断が全くできない人が多いのには驚く。先日もあるサイトで北アメリカではコロンブスの大陸発見後150年の間に一億人の先住民が殺されたと平気な顔をして書く人間にお目にかかった。現在のアメリカ合衆国の人口がたかだか三億なのに15世紀に一億人の原住民が住んでいたなんてことはあり得ない。ましてやそんな数の人間が虐殺されたなんてことがあるわけがない。こんなことはちょっと考えればすぐに気が付くはず。
民主党の大統領候補のなかでもひときわ人気のある新人バラク・オバマも数字は苦手な口らしい。パワーラインによるとオバマは先日アメリカの自動車産業が地球温暖化をとめるために努力していないと批判した際に次のようなとんちんかんなことを言ったそうだ。

燃費基準が1ガロンにつき27.5マイルというのがここ20年もかわっていないのに対して、中国でも日本でもこの基準はこえている。特に日本社は1ガロンで平均45マイルも走る。(注:45m.p.g=19km.p.l,1ガロン=3.8リットル、1マイル=1.6km)

恥かしいことにトヨタ自動車によるとどんな自動車メーカーでも45m.p.gで走る車は作ってないという。「我が社のものでもせいぜい30 m.p.gです」とトヨタの代表は言ってる。
もっともこの数字はオバマが突然考え出したものではない。左翼ブログの Media Mattersによるとピュー調査センターによる2004年の地球温暖化リポートにその数が載っているというのである。(the Pew Center on Global Climate Change’s December 2004)私はそれを詳しく読んだわけではないのだが、パワーラインが説明してくれているのでそれを読んでみると、これは現在の数値ではなくて2010年までに達成する予定の数値であり、しかも703-827キロ級の軽自動車に限定されていることがわかる。しかもピュー調査は独自の方程式で元の予定数値に1.3をかけている。
ま、ピュー調査の方程式がどのように導かれたのかはリポートをきちんと読んでいないから私にはよく分からないのだが、それでもこの数値が現在製造されている日本車の平均燃費でないことは確かである。
オバマは自分の政策を裏付ける証拠として都合のいい調査をみつけたのは分かるが、他人の調査を鵜呑みにして中身も理解せずに受け売りで演説してしまうのはどうかと思う。私はこういうことには詳しくないが、それでも1ガロンで45マイルも走る車なんてお目にかかったことがない。ミスター苺の本田アキュラでも高速でせいぜい30マイル。下の道なら22マイル程度だ。これだけ考えても、いくら日本車が性能がいいといっても平均が45マイルなんてのは行き過ぎだとピンとくるのが常識というものだろう。
そういう常識のない人間にアメリカの将来を任せるというのはかなり心配だと思うが、オバマ支持者の諸君はどう考えているのだろうか?


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