中身は空っぽ、バラク・オバマの宗教がかった選挙運動

ヒラリー・クリントンをどんどん追い上げ、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのバラク・オバマだが、彼の選挙運動は選挙運動というよりも信仰宗教の布教のようで気持ち悪いという意見があちこちで出てきている。
ナショナル・レビューでチャールズ・クラウトハンマー(Charles Krauthammer)が、この不思議なオバマ熱現象について書いている。

…銀の舌を持つ新人上院議員は希望を売り込む方法を発見した。(希望を)得るためには彼に投票さえすればいいのだ。バラク・オバマは何百万も持っているのだから。

このようなセールは別に新しいことではない。宗教団体は「救い」という似たような商品を何千年も売り込んできた。だからオバマの選挙運動が作家のジェームス・ウォルコットが観察したような「熱狂的な救い」や「これといった政策とはかけ離れた理想的な熱意もしくは純粋な陶酔によって導かれている二輪戦車」のような宗教復活のように感じるのだろう。
オバマのたまわく、「我々は未来の希望である」我々には「世界をあるべき姿に作り直すことが」できる。我を信じよ、さすればそなたたちのみならずそなたの国も救われるであろう。あいや、我々は「この国を癒し世界を修理する賛美歌となり、我等が時代を他のすべて時代と違うものとするのだ。」

そして投票者たちは本当にこのオバマのナンセンスを信じ込んでいるようだ。なにしろ予備選で8州連続の勝利を遂げたオバマは次のふたつ、ハワイとウイスコンシンでも楽勝しそうだ。ヒラリーが3月4日のオハイオとテキサスで圧勝しない限り、オバマの希望が花を見そうである。
オバマは全く中身のない演説でずっと支持者たちを魅了しつづけているが、民主党候補には極端に甘い主流メディアですらも、オバマの人気に疑いの目を向けはじめている。
ABCテレビネットワークのジェイク・タッパーは、「オバマの信者たちは…へルタースケルターのようなカルト的な性質がある」と言い、ロサンゼルスタイムスのジョール・スタインはオバマの支持者を「オバマカルト」と呼んでいる。
スーパーチューズデー後の小浜の勝利演説なんかを聞いていると本当にカルト的だ。「我々こそが我々が待っていたものたちである(歓声、拍手喝采)我々こそが我々が探していた変化なのだ!」なんてのはまるで意味はないが、観客の熱狂を煽るのには効果があった。
ニューヨークタイムスのジョー・クレインなどは救世主並の扱いは「なんかちょっと気持ち悪いものがある」とさえ書いている。オバマの選挙運動はどれだけ自分達の選挙運動がすばらしいものであるかといった雰囲気で酔っている。ニューヨークタイムスのポール・クラグマンは「パーソナリティーによるカルトだ」とまで言っている。
しかしオバマの魅力に完全に陶酔しているニュースキャスターもいる。MSNBCのクリス・マシューなどはオバマの演説を聞いて「脚に何かつたってくるようなスリルを感じた」などとコメントしている。はっきり言って中年男性が男性候補者の演説を聞いて股間にスリルを感じるなど気持ち悪いったらない。
オバマには全く実績といったものがない。上院議員をたったの一期つとめただけの新人なのだ。そんな驚くべき新人が何の政策も述べずに漠然とした「変化」だの「希望」だのを唱えるだけで、支持者の心を魅了してしまっているのだから、これがカルトといわずして何だろうか?
オバマは何の経験もないのに、イランのアクマディネジャドと交渉するとか、イラクから即刻撤退するとか、そのような行動がアメリカや世界に及ぼす影響など全く考えもなく約束してまわっている。民主党はオバマの呪文が一般選挙の前に解けてホワイトハウスを共和党にとられてしまうのではないかと心配しているが、常に悲観的なクラウトハンマーは呪文が解けるのは来年の1月、国民はひどい頭痛で悪夢から覚めるだろうと語っている。
カカシはもっと楽観的だ。ジョン・マケインは政治家としての経験も選挙運動の経験もからっぽスーツのバラク・オバマよりも積んでいる。すでに共和党候補指名確実となっているマケインは今後ハッカビーなど無視して、オバマの中身のなさをどんどん攻めるだろう。オバマとヒラリーのどちらが指名されるか分からない民主党の今の状態では、メディアもどちらの味方をすれば良いか分からない状態にある。この状況を最大限に利用してマケインがバラク・オバマのカルト性を十分に暴露してくれることを期待しよう。


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ヒラリー対オバマ、代議員数をめぐって壮絶な戦い

この間もちょっとお話したように、アメリカの大統領選挙は国民の直接投票で決まるのではなく、国民が選んだ候補者の代議員によって最終的な投票がされる。これは予備選挙やコーカスでも全く同じで、投票者によって決められるのは、どの地区の代議員がどの候補者に投票するかということなのである。だから実際にヒラリーに投票した市民のほうが多くても、オバマの方が多くの地域を勝ち取った場合、現在起きているように、オバマのほうが代議員の数が多くなるという不思議な現象がおきるわけだ。
となると、ヒラリーは民主党候補の正式な指名が決まる党大会までに、何とか多くに代議員を獲得する必要がある。しかしヒラリーの選挙運動は急降下を続けており、このままでは大幅にオバマを引き離すなど無理である。しかしヒラリーがここであきらめるはずがない。どんな汚い手を使ってでも党大会までに代議員の数を増やそうとするに違いない。
ではいったいヒラリーはどうするのだろうか。これまでにヒラリーのやり方から考えて、訴訟という手を使う可能性が非常に高い。ウォールストリートジャーナルで、セオドア・B・オルソンが面白いことを書いている。

事実、すでにクリントン上院議員は民主党の規則に反して一月に予備選挙を行い代議員を失格にされたミシガン州とフロリダ州の代議員に党大会への出場権を与えるように要求しているという。候補者たちはこれらの州で選挙運動はしないと同意していた。にも拘らずクリントン議員だけはミシガンの予備選挙投票書から名前を取り下げず予備選挙の勝利の日にフロリダ州訪問という演出をはかった。そしてどちらの州でも挑戦者なく大勝利を遂げたのである。彼女の選挙事務所は党の規則に反して彼女が勝ったこれらの州での代議員の出席を認めよというのである。彼女自身がこれらの州で選挙運動をしないという前約束をやぶっておきながらである。もちろん「すべての票を数えろ」というわけだ。

ゲームの途中でルールを変えて卑怯な真似をするのは民主党の専売特許だが、それが一番得意なのは何と言ってもクリントン夫婦。こうなったらヒラリーの次の手段はフロリダで民主党委員会相手に訴訟を起こし、フロリダの代議員が失格になったのは憲法違反だとか人権迫害だとかなんとかいちゃもんをつけることになるだろう。フロリダといえば、2000年にあの悪名高い大統領選挙の訴訟が起きた州である。この訴訟でヒラリーのいい分が多少なりとも聞き入れられれば、ヒラリーとオバマの代議員数のバランスが崩れる可能性は高い。
そうなった場合想像できるのは、何百という民主党の弁護士が集まってきて票をもう一度数え直せと主張するだろう。フロリダの予備選をやり直せなどという声もあがるだろう。2000年の大統領選の結果ではフロリダ最高裁判所を大批判した同じ人々が、今度は裁判所の判決を重んじるべきだと大騒ぎをし、反対側は突然連邦政府の大事さを唱えはじめるに違いない。そしてこの訴訟は連邦最高裁判所にまで持ち込まれるかもしれないのだ。
そんな風にして、もしもヒラリー・クリントンが勝ったとしたら、オバマの支持者たちが黙っているはずがない。マケイン候補の元に共和党がまとまらないなどという生易しいものとは比べようがないほど民主党はまっぷたつに割れてしまうだろう。
民主党のことを考えたら、ヒラリーはそんなことをせず、正々堂々と戦ってオバマに負けたら負けたで潔くあきらめるべきだ。しかしヒラリー・クリントンは自分のことより他人のことを考えるなんてことは今までしたことがない人だ。これから先もするはずはない。


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米大統領選: 分裂する民主党を利用できないバカな共和党

ブローカーコンベンションを描いたゴア・ビダル原作の”The Best Man”(放題「最後の勝利者」1964)という映画があるが、民主党はこのままだと8月の党大会までに大統領候補指名が決まらず、党大会において代議員による投票で候補者を選ぶという本来の党大会の役割を久しぶりに見せてくれるかもしれない。
共和党の例でも分かるように、普通全国党大会での大統領指名発表は形だけのもので、すでに党大会に挑むまでの間に候補者は決まっているのがしきたりだ。しかし、土曜日に行われた三州での予備選の結果でもわかるように、民主党はヒラリーとオバマが接戦でどちらが候補になるのかさっぱり分からない状態にある。もし今年の8月にコロラド州はデンバーで行われる全国民主党大会までにヒラリーかオバマのどちらかに最低限の代議員の数が集まらない場合には、党大会において代議員が何度も投票してどちらかが過半数を超えるまで投票を繰り返さなければならない。ということは民主党は8月までヒラリー対オバマの壮絶な戦いが繰り広げられるわけだが、その間に肝心のマケイン候補への攻撃ができないことになる。
共和党の場合は、マケインが事実上の候補者であるから、8月までヒラリーとオバマが双方を攻撃しあうのを利用して双方があげ連ねる二人の欠点を繰り返して共和党の大統領候補として選挙運動をすることができる。これは共和党にとっては願ったりかなったりの状況である。
ただマケインにとっての目の上のたんこぶは福音書右翼のハッカビーである。勝てる可能性など全くないくせに自分の政治生命だけを考えてしつこく居座っているハッカビーをなんとか共和党大会までに撤退させないと、党大会までマケインは正式な候補としての活動ができなくなるからだ。マケインは、ここはロムニーと交渉してロムニーが獲得した代議員はすべてマケインに投票してもらうようにすることだろう。そうすればハッカビーは絶対に勝ち目がないので、今後の予備選でハッカビーに投票する愚か者を減らすことができるかもしれない。
苛立つのはマケイン大嫌いな極右翼がハッカビーのファンでもないのに、マケインに恥をかかせようと必死にハッカビー応援に回っていることである。ヒラリーが大統領になるかもしれないという時に保守派がそういうせこいことをやってる場合か、とカカシは問いたい!民主党がヒラリーとオバマに割れているのを利用して共和党は結託して民主党と戦うべき時に、くだらないプライドに負けて勝ち目のないハッカビーなど応援して何になるというのだ!これだから共和党は馬鹿党といわれるのだ!


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ロムニーの撤退。共和党はマケイン支持に一致団結せよ!

今、ワシントンDCにおいてCPACと呼ばれる保守派の会が行われている。本日ロムニーの演説が予定されていたので、もしかして撤退表明はその時にするのではないだろうかと思っていたら案の定だっった。

(CNN) 米大統領選の共和党指名争いで、マケイン上院議員に次ぐ2番手となっていたロムニー前マサチューセッツ州知事(60)が7日、選挙戦からの撤退を表明した。これにより、同党の候補指名はマケイン氏が獲得することがほぼ確実となった。
ロムニー氏はワシントンで開催された保守派の会合で、「自分のことだけを考えるなら、続けていただろう。だが私は、アメリカを愛しているからこそ名乗りを上げたのだ。われわれの党と国家のために、身を引くべきだと考える」と語った。
ロムニー氏はまた、対抗してきたマケイン氏について、「いくつかの問題では私と意見が異なるが、イラクでの成功と、国際テロ組織アルカイダ指導者オサマ・ビンラディン容疑者の捜索のために全力を尽くすこと、アルカイダとテロを撲滅することでは一致している」と述べた。

ミスター苺は、これはロムニーのした演説のなかでも一番良いものだったのではないかという。「こういう演説を常にしていれば、この演説をしないですんだかもしれないのに。」
保守派大会に集まったロムニーの支持者たちはロムニーが、票差はまだ挽回できる最後までがんばろう、という演説を期待していたため、演説の途中までロムニーが撤退宣言をするとは思っておらずびっくりしてブーイングをする人たちもいた。しかしロムニーがこの時期に潔く「党のため、ひいてはアメリカのために」身を引くと宣言したことは本当に共和党にとっても国にとってもそしてロムニー個人の政治家としての将来のためにも懸命な決断だったと思う。
先ず共和党にとっての利点といえば、早期に候補者が決まった方が党のまとまりがつくし、有権者がひとりの候補者に慣れるという点があげられる。このままロムニー対マケインの辛辣な戦いが9月頃まで続いて党大会まで指名が持ち越されたら、結果的にどちらに落ち着いても一般の有権者には共和党はまとまりがないという印象を与える。また、予選中に暴露された候補者の弱点への記憶が有権者の記憶にまだ残っていることもあり、ライバル政党の候補者に悪用される可能性は十分に考えられる。仲間同士の争いを早めに終わらせてマケインが共和党の候補者として党が一体となって何か月も選挙運動をするのは非常に好ましい状況だ。時とともに共和党の保守派もいったい何が一番たいせつなのかを考え直すことができる。
ロムニーが熱弁を振るったイラク戦争の大切さだが、何と言ってもこれが今のアメリカにとって一番大切なことだ。ブッシュ大統領ははからずも戦争時代の大統領となった。戦争は始めた以上は勝たねばならない。たとえそれが誰の政権で始まった戦争であるにしろ、アメリカがはじめた戦争は後継のアメリカ大統領が責任を持たねばならないのである。民主党が政権を握れば、それがオバマにしろヒラリーにしろ、この戦争は敗戦となる。どんな口実を使ってアメリカ軍を撤退させようと任務が終わっていないうちの撤退は退散としか受け取られない。今のアメリカはテロリストに負け犬と見られる余裕はないのだ。そんなことをすれば必ず数年のうちにアメリカ国内で大規模なテロが起きるだろう。民主党がブッシュ大統領による対テロ国内政策をことごとく反対してきたことからも、アメリカの軍隊だけでなく諜報機関にも手かせ足かせがはめられ、国土安全保障など投げキッスをしてさよならである。
ロムニー個人についていうならば、党の将来やアメリカの安全を自分の政治生命よりも優先させたという奥ゆかしい人格が買われ、次回の大統領選挙ではロムニーのモルモン教など問題にならず候補者として好意的に受け取られるだろう。今回のことで十分に名前は売ったし、マケインと違ってロムニーはまだ若い。民主党が勝ったら4年後に、マケインが勝ったら8年後にまた候補に出馬することが出来る。
ロムニーの感動的な演説の後にマケインが同じ会場で同じ観客を前に演説をした。この会場に集まっている人々はマケイン大嫌いの保守派が主である。去年の集会ではマケインは出席していない。今回の大会でマケインが演説することはずっと前から決まっていたが、保守派の参加者の間ではマケインの演説中にヤジを飛ばしてやると公言していた人たちまでいた。であるからマケインが舞台に立った時の観客の雰囲気は決して好意的なものではなかった。
先ずマケインは去年の大会に欠席したことについて、決して敵意からくるものではなく大統領候補として立候補する準備に追われて忙しかっただけだと弁明した。しかし今回は違うとし、自分が共和党候補として指名されるならば、クリントン議員やオバマ議員に勝つために保守派の支持は必要不可欠であると語った。

皆様の多くが私がここ数年とってきた立場に強く反対しておいでです。それは十分に理解できます。私には皆様と同意出来ないこともありますが、私はその元となる皆様の信念には敬意を評します。そして時として私の行動が保守派の同胞の皆様の常識から外れたとお考えの方々にも、私が多くの意味で保守派としての実績を守ってきたことを認めていただきたいと切に願うものであります。

マケインは自分が保守派であることを誇りに思うと語った。自由とは創造者(神)によって与えられた権利であり政府によって与えられるものではないという基本的な価値観や信念はより保守派の人々と同じだと語り、宗教右翼の観客に自分の価値観が決して彼等と異質なものではないことを強調した。
特に保守派が尊敬してやまない故ロナルド・レーガンの信念を引き合いにだし、自分が若い頃からどれだけレーガンを尊敬していたか、レーガンが1975年に語った『政党はすべての人々の全てであることはできない。政党は基本となる信念を代表し、それは議席が増えることや政治的な便宜で妥協されてはならない。』という信念にどれほど従ってきたかを語った。
マケインはベトナム戦争時代、海軍将校で戦闘機のパイロットだったが、彼は行かなくてもいい戦闘に志願して途中で撃ち落とされ北ベトナムで8年間も捕虜となっていた体験のある人だ。マケインが最初にCPACに参加したのは彼が海外から帰国した直後で、ロナルド・レーガンに招待されてのことだ。彼はその時のレーガンの演説に感銘を受けたという。

私はレーガン革命の一歩兵として政治界に入ったことを誇りに、非常に誇りに思っています。そして私が取ったいくつかの立場がその政治的伝統を忘れたかのように思われたとしたら、私は決して忘れていないと保証します。私は当時そうであったように今も(保守派との)関わりを誇りに思っています。

マケインは自分の政治的実績は全体的に見れば保守派の信念に沿っているとし、小さい政府、国家経済の責任、低い税金、法を貫き通す裁判官など政治的な面と共に、保守派が非常に大切と考えている社会面でも、生きる権利(人工中絶反対の意味)命、権利、自由、幸せへの遂行というアメリカの基礎的価値観を信じて守ってきたことを強調した。
ここで彼は保守派の間から非常な反感を買った移民問題をとりあげた。マケインが移民と言ったとたんに観客席からはヤジやブーイングが飛んだが、マケインは笑顔でそれに対応。違法移民に関する自分の意見が選挙運動には不利であることは知っていたが自分は信念を守りとおしたとした上で、マケインは保守派の人々の反対意見も尊敬すると語った。
マケインは移民問題を解決するために自分の議案は正しいと考えていたが、議案が失敗したことを教訓として、先ず国境を守ることが先決であることに気が付いた。大統領になった暁には国境防御を優先させ、移民受け入れは国境が十分に守られたと国民が納得してから取り組むと公約した。
マケインがここまで言うと、最初にヤジを飛ばした同じ観客たちが一斉に拍手をして声援を送った。この演説の模様を朝日新聞

その保守派が主催するこの日の会議でマケイン氏はロムニー氏に続いて姿を見せ、「私のこれまでの歩みは保守本流」と強調したが、聴衆の中には拍手をしないどころか、演説を通じてそっぽを向き続ける人が少なからずいた。

などと書いているが、これは真っ赤な嘘である。
要するにマケインはひとつふたつの意見の違いではなく、長年に渡る自分の保守派としての実績から自分を判断して欲しいと強調しているわけだが、私にいわせたら彼の長年の実績こそが保守派とはかなりかけ離れたものがあると思う。しかしながら、今はそういうことを言っている時ではない。意見の違いよりも同意できる点に焦点をあてて、マケインがどれほど民主党議員よりマシかということを考えなければならない。
マケインは民主党が政権を握れば候補者が誰であろうとアメリカは後退すると強調した。そうなれば政府が個人の生活に干渉し、国家安全もおざなりにされ、アメリカは再び危険な立場に陥ると。共和党と民主党の違いはささいなものではなく、このように大きなものなのだと。
マケインが擧げた民主党候補と自分の違いは次の通りだ。

  • クリントンもオバマも税金を上げ、連邦政府の規模を拡大する。
  • 私は(税金を)下げるつもりです。先ずはブッシュ減税を永久なものとするところからはじめます。企業税金の率を35から25%にさげ、国内の企業と職を留まらせます。私は最低税金を終わらせます。そして民主党議会の税金引き上げによって経済を行き詰まらせるようなまねはさせません。

  • 民主党は健康保険の問題を政府の役割を拡大することで解決しようとする。
  • 私はこの問題は自由市場によって解決するつもりです。そして個人が大事な選択を自分で出来るような自由を尊重します。

  • 民主党は国民から選挙を通じて支持を得られない政策の変更を、自分達に都合のいい裁判官を選ぶことによって裁判を通じて得ようとする。
  • マケインは自分は法律を守ってきた実績のある裁判官を任命するとし、ブッシュ大統領が最高裁判官として候補にあげているロバーツ裁判官やアリート裁判官を名指しして、人々の権利や資産を守るような裁判官を任命すると語った。ここでマケインがアリート裁判官の名前を出したのはマケインが保守派が尊敬するアリート裁判官を侮辱したというデマがまことしやかに流れたことへの反応だ。マケインは過去に民主党と結託してブッシュ大統領が候補にあげた保守派裁判官の議会承認を拒否している。これに対して少なからず腹を立てているのはカカシだけではない。マケインが本気で保守派裁判官を任命するつもりなのだとしたら、これにはかなりの説得が必要となる。しかし一応ここで公約したからにはそれなりの意味があるというものだろう。

  • クリントンもオバマも戦況を無視して政治的な理由でイラクからアメリカ軍を撤退させる。これは無思慮に人々の命を危険にさらし我々の国土安全を脅威にさらすことになる。
  • 『私はこの戦争に勝つつもりです。』マケインは現場の司令官たちの勇気と自己犠牲と誇りを尊敬するとし、これまでに失った尊い命に心をいためるとし、他のどの候補者よりも自分は戦争の苦しみを理解できるとした上で、イラクで負けたならばもっとひどい損失を味わうことになる、これまでの犠牲を無駄にすることになる、自分は絶対にそのようなことはさせないと約束した。

  • 民主党はイランの核武装がもたらすイスラエルや地域への脅威に真剣な対応をしない。
  • マケインはイランのイスラエルとアメリカを破壊しようという悪徳な野心を絶対に許さないと、はっきりイランに明確に示すつもりだとした。

  • クリントンもオバマもアメリカが過激派テロリストに狙われるのはアメリカに原因があるという外国の批評家の意見に屈する。
  • マケインは適切な政府機関を起用して常に攻撃的に我々が大切であると考える全てのことを憎むテロリストと戦う意志をはっきりさせた。これは「令状のない盗聴反対」などと言って、ことあるごとにアメリカのテロ対策から骨抜きにさせようとする民主党への真っ向からの挑戦だ。
    マケインは自分と保守派層との間で多くの意見の違いがあったことは事実だとしながらも、民主党との違いに比べたら同意できる点の方が多いはずだ、そのことに注目してほしいと訴えかけた。今後も意見が衝突しても同胞の保守派に常に相談し同意を求めるつもりであり、自分が間違っていると感じた場合には素直にその過ちを認めるつもりだ。自分が正しいと信じた場合にはその信念を貫きとおすつもりだ。しかしその場合にも自分が一番優先するのはアメリカとその自由を保証することであると強調した。
    この演説を生で聴いていたミスター苺はすばらしい演説だったと言っている。最後の方では保守派の観客たちが立ち上がって声援を送ったという。パワーラインでビデオを見ることできるので、最後の2〜3分だけでも見ていただければ観客の好意的な反応が伺える。
    マケインがこのような演説を今年の11月まで繰り返せば、これまでマケインは鼻をつまんでも投票できないとか、マケインが共和党候補なら政党登録を民主党にしなおしてヒラリーに入れるなどとだだをこねていた保守派の意見も緩和できるだろう。ここは共和党は一致団結して民主党打倒のために戦わねばならないのだ。


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    小浜市が同名にあやかってオバマ候補を応援

    本当にどうでもいいニュースなのだが、オバマ氏のファンサイトでみつけた記事を添付。

     米大統領選の候補者指名争いの盛り上がりに伴い、民主党有力候補のオバマ氏と発音が同じ福井県小浜市で同氏への注目が高まっている。4日には観光協会員らが「オバマ候補を勝手に応援する会」を発足させた。ホテルに応援ポスターを掲示したほか似顔絵まんじゅうなどの発売も検討中という。

     オバマ氏は5日のスーパーチューズデーを経てもクリントン候補との大接戦が続いている。同会の藤原清治事務局長(55)は「ぜひ大統領になって、小浜に来てほしい」とエールを送る。
     こうした動きは一昨年末に市民から市役所に届いた1通のメールがきっかけだ。「来日したオバマ氏が『小浜市から来た』とジョークを言ったとの話をテレビで見た。(市の宣伝の)お礼をしては」との内容で、発言の真偽は確認できなかったが市は昨年、市長名の手紙と名産品の若狭塗りばしを贈ったという。

    まったくオバマ市の政策も全然しらないくせに発音が同じだというだけでここまで大騒ぎできるというのもおめでたい。


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    灰の水曜日ならぬ灰色の水曜日

    ふとっちょの火曜日と言われるマーディグラ(Mardi Gras)の翌日は灰の水曜日なのだが、今日は共和党保守派にとっては灰色の水曜日となった。がっくり、、、、昨日のスーパーチューズデーの結果は共和党はジョン・マケインの大勝利だった。
    ということは共和党の保守派はいつまでごねていないで、ここはマケイン支持に心をひとつにして民主党と立ちむかわねばならない。
    私はマケインは好きではない。しかしイラク戦争はアメリカにとって非常に大切な戦争であり、この戦争を途中で放り出して世界中のテロリストたちにアメリカはやっぱり腰抜けだとあなどられたりしたらそれこそ大悲劇である。それを防ぐという理由だけでもマケインに大統領になってもらう価値は充分にある。
    苺畑夫婦はロムニー支持で我々はそのように投票したが、カリフォルニアは圧倒的にマケインに傾いた。我々夫婦は予備選が始まるずっと前からミット・ロムニーを支持していたのだが、保守派の間ではフレッド・トンプソン、マイク・ハッカビー、ミット・ロムニーそしてルディ・ジュリアーニの間で票が割れてしまい一人の保守派候補に早期の支持がまとまらなかったことが一時は終わりといわれていたマケインが盛りかえした原因である。
    ここで面白いのは、共和党の保守派の票が割れてしまったというのは分かるとしても、共和党でこれだけリベラルのマケインを支持する人がいたということは、共和党は我々が考えているほど保守的ではなという意味ではないだろうか?
    では火曜日終了後のスコアはというと、上院議員のジョン・マケインが合計707人で指名に必要な1191人の60%を獲得。元マサチューセッツ州知事のミット・ロムニーが294人、元アーカンサス州知事のマイクハッカビーが195人となった。これでマケインの候補指名は間違いないだろう。
    民主党のほうは昨日も書いた通り、ヒラリーとオバマの差はたったの26人。まだ残りの139人の配分が決まっていないからどっちに転ぶか全くわからない。ヒラリーはいまのところ必要な2025人のうち1045人を獲得。二位のオバマは960人と接戦である。
    ヒラリーとオバマの指名が党大会まで決まらないと、ヒラリーはスーパー代議員を動員することが出来る。スーパー代議員は現職の議員たちで彼等は圧倒的にヒラリー支持。こういうやりかたでヒラリーが勝つとオバマ支持の黒人票がヒラリーに激怒して一般選挙で投票をボイコットなんてことになりかねない。
    なにはあともあれ、共和党も民主党もまだまだ大変である。


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    いよいよスーパーチューズデー!

    PST2330: アメリカ西海岸時間午後11時30分現在:
    括弧内は代議員の数。WTA とは勝者が州の選挙代議員を全員獲得するという意味。Democrats = 民主党、Republicans 共和党。カリフォルニアとミズーリはまだ接戦で分からないようだ。リアルクリアポリティクスのまとめでは下記ようにになっている。
    共和党
    マケイン:アリゾナ、コネチカット、デルウェアー、イリノイ、ニュージャージー、ニューヨーク、オクラホマ
    ロムニー:、マサチューセッツ、ノースダコタ、ユタ、モンタナ
    ハッカビー:アラバマ、アーカンサス、ゴージア、テネシー、ウェストバージニア
    民主党
    クリントン:アーケンサス、マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューヨーク、オクラホマ、テネシー
    オバマ: アラバマ、コネチカット、デルウェアー、コロラド、ジョージア、アイダホ、ケンタッキー、ミネソタ、ノースダコタ、ユタ。
    代議員の詳細は下記:
    ALABAMA (Democrats: 52; Republicans: 45)
    DEMOCRATS: Barack Obama
    REPUBLICANS: Mike Huckabee
    ALASKA (Caucuses – D: 13; R: 26)
    DEMOCRATS: Barack Obama
    REPUBLICANS: Mitt Romney
    ARIZONA (D: 56; R: 53)
    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton
    REPUBLICANS: John McCain
    ARKANSAS (Dems: 35; GOP: 31)
    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton
    REPUBLICANS: Mike Huckabee
    CALIFORNIA (D: 370; R: 170) 
    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton
    REPUBLICANS: John McCain
    COLORADO (Caucuses – D: 55; R: 43)
    DEMOCRATS: Barack Obama
    REPUBLICANS: Mitt Romney
    CONNECTICUT (Dems: 48; GOP: 27 WTA)
    DEMOCRATS: Barack Obama
    REPUBLICANS: John McCain
    DELAWARE (Dems: 15; GOP: 18 WTA)
    DEMOCRATS: Barack Obama
    REPUBLICANS: John McCain
    GEORGIA (Dems: 87; GOP: 72)
    DEMOCRATS: Barack Obama
    REPUBLICANS: Mike Huckabee
    ILLINOIS (Dems: 153; GOP: 57)
    DEMOCRATS: Barack Obama
    REPUBLICANS: John McCain
    KANSAS (Caucus – D: 32)
    DEMOCRATS: Barack Obama
    MASSACHUSETTS (Dems: 93; GOP: 40)
    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton
    REPUBLICANS: Mitt Romney
    MINNESOTA (Caucuses – D: 72; R: 38)
    DEMOCRATS: Barack Obama
    REPUBLICANS: Mitt Romney
    MISSOURI (D: 72; R: 58)
    REPUBLICANS: John McCain
    MONTANA (Caucus – R: 25)
    REPUBLICANS: Mitt Romney
    NEW JERSEY (Dems: 107; GOP: 52 WTA)
    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton
    REPUBLICANS: John McCain
    NEW YORK (Dems: 232; GOP: 101 WTA)
    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton
    REPUBLICANS: John McCain
    NORTH DAKOTA (Caucuses – D: 13; R: 26)
    DEMOCRATS: Barack Obama
    REPUBLICANS: Mitt Romney
    OKLAHOMA (Dems: 38; GOP:38)
    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton
    REPUBLICANS: John McCain
    TENNESSEE (Dems: 68; GOP:52)
    DEMOCRATS: Hillary Rodham Clinton
    REPUBLICANS: Mike Huckabee
    UTAH (Dems: 23; GOP: 36)
    DEMOCRATS: Barack Obama
    REPUBLICANS: Mitt Romney
    WEST VIRGINIA (GOP state convention: 18 WTA)
    REPUBLICANS: Mike Huckabee (18)
    PST2303: アメリカ西海岸時間午後11時03分現在:
    オバマ氏13州、クリントン氏8州で勝利、米大統領選
    下記はCNNjpの記事より。これでは民主党は歴史始まって以来かなり久しぶりに、全国党大会で候補が指名されるブローカーコンベンンションになってしまうかも。

    米大統領選で民主、共和両党の指名候補争いの天王山となるスーパーチューズデーの投票は5日実施され、CNNの独自集計によると、民主党ではヒラリー・クリントン上院議員とライバルのオバマ上院議員が接戦を演じている。2人の一騎打ちは長期戦の様相ともなってきた。

    クリントン氏は当初、全米の支持率でオバマ氏を大きく引き離していたが、オバマ氏がここに来て追い上げる勢いを見せ付けている。

    PST1908: アメリカ西海岸時間午後7時13分現在:
    下記はAPより、括弧内は代議員の数。Dems = 民主党、GOP=共和党。共和党でハッカビーが取った州では、マケインの支持者たちがロムニーに勝てないと知ってハッカビーに投票したことが原因。ま、こういうことコーカスではよくあることなので特に汚いやり方ではないが、絶対勝てないハッカビーがいつまでも居るためにロムニーとしては非常に迷惑。ハッカビーはマケインの副大統領になりたいのかも。
    ALABAMA (Dems: 52; GOP: 45)
    DEMOCRATS: Obama
    REPUBLICANS: Huckabee
    ARKANSAS (Dems: 35; GOP: 31)
    DEMOCRATS: Clinton
    REPUBLICANS: Huckabee
    CONNECTICUT (Dems: 48; GOP: 27 WTA)
    REPUBLICANS: McCain
    DELAWARE (Dems: 15; GOP: 18 WTA)
    REPUBLICANS: McCain
    DEMOCRATS: Obama
    GEORGIA (Dems: 87; GOP: 72)
    DEMOCRATS: Obama
    ILLINOIS (Dems: 153; GOP: 57)
    DEMOCRATS: Obama
    REPUBLICANS: McCain
    MASSACHUSETTS (Dems: 93; GOP: 40)
    REPUBLICANS: Romney
    DEMOCRATS: Clinton
    NEW JERSEY (Dems: 107; GOP: 52 WTA)
    REPUBLICANS: McCain
    DEMOCRATS: Clinton
    NEW YORK (Dems: 232; GOP: 101 WTA)
    DEMOCRATS: Clinton
    REPUBLICANS: McCain
    NORTH DAKOTA (D: 13; R: 26)
    DEMOCRATS: Obama
    OKLAHOMA (Dems: 38; GOP:38)
    DEMOCRATS: Clinton
    REPUBLICANS: McCain
    TENNESSEE (Dems: 68; GOP:52)
    DEMOCRATS: Clinton
    UTAH (Dems: 23; GOP: 36)
    DEMOCRATS: Obama
    REPUBLICANS: Romney
    WEST VIRGINIA (GOP state convention: 18 WTA)
    REPUBLICANS: Huckabee (18)
    PST0708: アメリカ西海岸時間午前7時8分現在:
    昨日は仕事が忙しく、帰宅したのが午後7時過ぎ。ドアをあけた途端に電話のベル。受話器の向こうは録音の選挙運動。「有権者の皆さん、〜〜候補に清き一票を!」てな感じの音声が流れたのですぐに切った。自宅で仕事をしているミスター苺は「この調子で今日は一日何十回も電話が掛かってきて仕事にならなかったよ。」と言う。
    日本の街頭スピーカーもうるさいが、アメリカの電話の選挙運動もかなりわずらわしい。テレビやラジオのコマーシャルは仕方ないとしても、電話でわざわざ呼び出しておいて録音宣伝というのは非常に腹が立つ。
    いよいよ本日はスーパーチューズデーで、苺畑夫婦の住むカリフォルニアも選挙である。選挙結果は分かり次第更新するつもり。


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    マケインが候補でも政権を民主党に渡してはならない! 共和党よ癇癪をおこしている場合ではない!

    The English version of this post can be read here.
    著者:ミスター苺
    バリバリ保守派女性政治評論家のアン・コルターはマケインが共和党候補に指名されたら自分はヒラリーの選挙運動を応援するとまで語った。これについて苺畑夫婦とはお友達ブログの Patterico(パテリコ)は拍手を送っている。以下パテリコ曰く。

    僕はヒラリーの選挙運動までするとはいわないけど、裁判官のことだけじゃなく、何で気にする必要あるわけ?

    なぜって、これがその理由だ。
    負けるが勝ちではない。
    もしジョン・マケインが指名されて一般選挙で負けたら、2012年に出馬する次の共和党候補はマケインよりも保守派どころかもっとリベラルだろう。1980年の時みたいに「偉大なる保守派の希望の星」が袖口から登場して民主党から政権を奪い取るなんて全く期待できない。
    その間の8年間、オバマ大統領にしろヒラリー大統領にしろ俺たちがアメリカだと思ってることのほとんど政治的だけじゃなく文字どおり破壊されちまって、これがアメリカかよと思うような全然違う国になっちまってることだろう。もし俺たちがマケインと民主党のボンクラどもとの間に何の違いも見い出せないっていうなら、一時の感情に負けて馬鹿を見るのは俺たちのほうだ。
    すべての保守派の希望にかなうような100%保守派理想の候補なんていやしないんだ。だいたいアメリカのほとんどの人が同意する意見とか、それをいうなら共和党保守派内部ですら全員一致の意見なんて存在しないんだから。一部の保守派が希望する政策を取り入れるとなったら残りの30%を力づくで制覇するしかない。
    俺たちが住んでる国は小文字のdではじまる民主主義国家だ。これには憲法共和制が含まれる。だから自分とは違う他人の意見も国の方針に取り入れられなくちゃならないことになってる。レーガンの時代を振り返ってみても、せいぜい60%から65%の保守派政策が通った程度だった。確かに悪の帝国を倒すことや大幅な減税といった重要な65%ではあったけど。
    俺たち苺畑夫婦がとりたててジョン・マケインのファンじゃないってことは読者のみなさんもご存じの通り。カリフォルニアの予選でもおれたち夫婦はマケインに投票する気はさらさらない。しかし、、、

    • マケイン支持者は対テロ戦争において我々の政策を保つために非常に大切なひとたちである。
    • マケインは政府の浪費を大幅に削減し贈賄などの腐敗をなくす努力をすると約束している。
    • マケインはプロライフ(人工妊娠中絶反対派)だ。
    • マケインは2001年の現在では反対票を投じたが(多分共和党予選でジョージ・Wに負けたことを恨んでのことだろうけど)今は低い税金を支持している。
    • マケインは同性同士の結婚には反対だ。
    • マケインは健康保険の民間会社の市場競争を支持し国民保険には反対している。
    • マケインは下らない訴訟の乱用で出る弊害を緩和するため訴訟法の改正を支持している。
    • マケインは国内での原油発掘を支持している。
    • マケインは市民の憲法で保証されている個人の権利である市民の銃砲所持を支持している。
    • 宇宙について、マケインは人間を送り出す月探検を再開し、火星探検にも意欲をもっている。

    これら、保守派にとって重要なすべての政策において、マケインはオバマやヒラリーとは正反対の姿勢をとっているのだ。
    選挙運動予算改正法や移民法、拘束したテロリストをどう扱うかとか、地球温暖化といったような保守派とは意見が異なる政策についてでも、民主党の二人が取ってる極左翼の姿勢とはくらべものにならないほど大人しいものだ。それに比べて民主党の奴らは国境を完全に開けっ放しして、本当かどうかも証明もされてない地球温暖化に国費を浪費してアメリカ経済を破たんさせ、テロリストを拘束することにも反対で、テロを刑事犯罪のように扱い対テロ戦争などやる気は全くない。そして過去のアメリカがそうであったように国内の諜報機関同士がそれぞれ情報交換することが違法だった古き悪しき時代に逆戻りしようというのだ。
    ビルの意志を差し置いてヒラリーが選んだ国家副検察官のジェイミー・ゴアリック(Jamie Gorelick)が作ったゴアリックの壁を覚えているか?(カカシ注:アメリカの諜報部、CIA,
    FBI, 防衛庁などが諜報に関する情報交換を禁止する法律をつくった本人)ヒラリー政権で彼女がどんな大臣に選ばれるのか想像しただけでも身の毛がよだつ。
    最後に、マケインの癇癪持ちが大統領として適切かどうかという問題だが、それをいうならヒラリーの方がよっぽどひどい。ヒラリーのヒステリーはマケインのたまの暴発など足下にも及ばない。オバマときたら経験不足で気まぐれだ。敵に同情して正しい判断ができない可能性は大きい。
    であるからして、アン・コルターのような保守派がマケインが共和党指名を受けたらヒラリーやオバマの選挙運動に協力するなんていうのは、現実を無視した気違い沙汰だとしかいいようがない。保守派ラジオDJのメッドビッドはこの症状を”MDS,” McCain Derangement Syndrom、マケイン嫌悪症候群と読んでいるくらいだ。今回は珍しく奴と意見が合った。マケインが指名されたら民主党を支持するとか選挙には行かないなどとだだをこねてる奴らは完全にこの症候群に冒されている。
    ロナルド・レーガンならそんなことはしなかったはずだ。レーガンが1976年にジェラルド・フォードに負けた時、レーガンはフォードのために選挙運動に出かけた。レーガンはフォードに負けた腹いせにジミー・カーターを応援するなんて言わなかったじゃないか。
    保守派の連中にはもっと大人になれといいたい。マケインが共和党の候補に指名されたら、頼むからマケインを応援して投票日にはマケインに投票してくれよ。なぜってマケインは民主党の連中に比べたら一千倍もましなんだからさ。ヒラリーとオバマはハリー・トルーマンやヒューベルト・ハンフリーじゃないんだぜ。マケインが共和党を分裂されるって言い張ってるひとたちに限って、自分の思いどおりにならなきゃ共和党を辞めるなんていって、それこそ党の分裂を促進してるってことに気が付くべきだ。
    俺は以前に移民法で自分らの要求の8割方が通ったにも関わらず10割通らなきゃ納得しないといってた保守派連中に警告した。オールオアナッシングなんて二者択一を迫ったら何にも得られなくなるぞってね。そしてその次に民主党が書く法案はもっと気に入らないものになってるだろうってさ。
    今保守派が共和党候補に背を向けたら、次の選挙ではもっと強力になった現役の民主党を相手にしなきゃなくなる。そして次回も絶対に俺たちは負けるよ。
    そしてその間に1994年の選挙からリベラル主義にゆっくりと抵抗するようになっていた国民のおかげで優位にたってきた保守派の功績もすべて失って元の木阿弥となる。ニュート・ギングリッチのいない今の共和党が政権と議会を取り戻せる希望は全くなるのだ。


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    米共和党大統領候補:ロムニーかマケインか葛藤の保守派

    フレッド・トンプソンに続いてルディー・ジュリアーニも脱落したので、まだマイク・ハッカビーが居残っているとはいえ、実質上共和党の選択はミット・ロムニー対ジョン・マケインとなった。これはアメリカの保守派にとってはちょっとつらいところだ。
    ミット・ロムニーはモルモン教徒であることを除けば、アメリカ保守派には理想的な候補者といえる。その政策も道徳観もネオコンや宗教右翼をまとめるだけの魅力のある候補者だろう。
    それに比べてジョン・マケインはイラク戦争以外では共和党とは名ばかりのリベラルな政治家だ。裁判官任命にしろ移民問題にしろ、およそ共和党員らしい行動をしてきていない。共和党の保守派の間ではマケインは人気がないなどという生易しいものではなく、マケインに入れるくらいならヒラリーに入れてやる、なんていう過激なひとまでいるほどだ。
    しかし、ここで共和党有権者が考えなければならないことは、大統領選挙は共和党の候補を指名するだけで終わるのではなく、その後の一般選挙で民主党候補をやぶらなければならないということである。ミット・ロムニーは保守派の間での人気はまずまずだが、それだけでは無所属や民主党の保守派を引き付けることは無理だ。
    そこへいくとジョン・マケインはリベラルなだけに中間層の無所属有権者を惹き付ける力がある。特にヒラリーが候補者指名された場合、民主党のなかにもマケインなら共和党でも我慢できるとしてヒラリーを見捨ててマケインに投票する人が出てくるかもしれない。
    確かに保守派の基盤は大切だ。しかし基盤だけでは勝てない。ここはひとつ勝てる候補者を選ぶ必要がある。となるとアメリカの保守派は鼻をつまんでもマケインを選ぶべきなのかもしれない。
    来週の火曜日はいよいよスーパーチューズデー、決着がつくのはもうすぐだ。


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    ビルとヒラリー、本当の候補者はどちら?

    昨日のサウスカロライナでもその前のネバダでもヒラリー・クリントンの選挙運動は元大統領の夫、ビル・クリントンの活動が目立った。時としてリポーターと怒鳴りあいになったり、ライバル候補者のオバマへの罵倒が行き過ぎたりと、ビル・クリントンの元大統領としてあるまじき態度が話題になった。
    しかしヒラリーの選挙運動でビルの活躍があまりにも目立つことが、ヒラリーにとって良いことなのだろうか?ビルは確かに選挙運動の天才ではあるから使い方次第では非常に協力な武器となるが、その一方で彼は両刃の刃でもある。選挙運動員としてのビル・クリントンについて、歴史家のビクター・デイビス・ハンソン教授でこんなことを書いている。
    現大統領のジョージ・W・ブッシュが大統領として選挙運動をしていた時、41代目大統領で父親のジョージ・H・W・ブッシュは、ほとんど選挙運動に出てこなかったし、Wの大統領としての実力についてはほとんど述べず、自分にとって大事な息子であるという程度のことしか言っていなかった。前大統領のビル・クリントンがWの悪口をどれだけ言っても、パパブッシュはほとんど反論しなかった。
    それにひきかえビル・クリントンときたら単なる応援どころか、ヒラリー・クリントンの選挙運動の総指揮官でもあるかのように振舞っており、時としてヒラリーより観客を惹き付けてしまっている。下記はハンソン教授。

    (ヒラリーのではなくビルの)ネバダにおける勝利演説は全くすごいものだった。ビルはヒラリーが隣で黙って見守るなか、延々と続けた。ビルはヒラリーのカムバックを自慢し他の候補者の悪口をいい、もちろん自分のことを話、マイクを握って離そうとしなかった。

    ヒラリーの表情ときたらいつもどおりの「私にこのドーベルマンに口かせを付けろなんて言わないでよね。」と言いたげに赤の他人のように凍り付いたまま立っていた。

    ミスター苺はヒラリーの選挙運動は日に日にビルに乗っ取られつつあり、そのうち今の選挙運動会長であるパティ・ソリス・ドイル(Patti Solis Doyle)などは会長とは名ばかりで窓際に追い払われ、ビルの昔のキャンペーン運動員たちが参加していつの間にかいったい誰が候補なのかわからなくなるだろうという。そうなれば選挙運動プロのビルに押されてヒラリーは見る影もなくなるかもしれない。
    しかしそうなった場合、我々共和党にとってはどういう影響があるだろうか。

    一方で、ビル・クリントンはここ数十年間でもっとも才能ある選挙運動家である。なにしろ近年の大統領のなかでもまれに見る落ち度だらけ男を二度も大統領に選ばせたくらだからね。ビルの得意技と言えばなんといっても泥試合。クリントンの度を超えた侮辱に侮辱を重ねた個人攻撃で相手を挑発し相手に無理矢理応戦させる。一旦選挙運動が泥試合に陥ればもうこっちのもの。ビルは必ず勝つ。

    しかしもう一方で、いったいアメリカ国民はどれだけビル・クリントンの汚いやり方にたえられるだろうか?
    日本のみなさんはクリントン大統領が現役当時結構人気があったとお思いかもしれないが、最初の二年が終わった中間選挙で共和党に議会の多数議席を大規模にとられてしまうほど人気がなかった。戦争もなく平和で経済もITバブル景気真っ最中でアメリカにとって非常に良い時代だったのに、ビルの支持率は常に42%程度という低いものだった。第二期目の選挙の時に全く魅力のないボブ・ドール共和党候補を相手に国民表の過半数も取ることができなかったくらいだからその人気度は分かろうというものだ。
    しかも二期目にはセックススキャンダルと弾劾裁判で、ビルとヒラリーの汚い洗濯物を国民はさんざん見せつけられたのである。民主党のなかには自分の党の大統領だから共和党の攻撃に対して弁護せざる終えない立場に追い込まれことを未だに忌ま忌ましく思っている議員も少なくないだろう。そのビル・クリントンが再び全力投球で選挙運動をしようとしているのだ。これにつきあわされる民主党市民も気の毒といえば気の毒なはなし。
    ヒラリーがオバマに勝って民主党の大統領指名を受けたとしたら、このキャンペーンは今年の11月まで続くのである。しかもビルの選挙運動を見ていると、今度の選挙に立候補しているのはヒラリーではなくてビルなのではないかという疑いが人々の間に生まれるだろう。ヒラリーはアメリカ始まって以来のフェミニスト大統領どころか、夫に利用された大統領とは名前だけのただの操り人形だというイメージがだんだん強くなってくる。
    先日コメンターの方もおっしゃっていたが、ヒラリーは実績実績と繰り返してはいるが、いったい政治家としてどんな実績があるのだろうか?ヒラリーは若い頃から自分の力でキャリアを作り上げたことなど一度もない。ヒラリーの最初の弁護士としての仕事は夫がアーカンサス知事だったコネで法律事務所に就職させてもらっただけだし、その後は大統領の妻。そして元大統領の影響力を利用してビルからニューヨーク代表上院議員の職をあてがってもらった。独立した女性どころか、ヒラリーはすべて何でも夫のビルにお膳立てしてもらって来た夫に頼り切りの情けない女性だ。
    今度の大統領選挙にしたって、ヒラリーが元ファーストレディでなかったら彼女をまじめに取り扱ったひとなどいるだろうか?たかが上院議員を二期つとめただけで、議会でこれといった活躍をしたわけでもなく、オバマのように人格的な魅力があるわけでもないヒラリーなど誰が相手にしただろう。
    ところで陳さんは共和党にとってヒラリーが候補になるよりオバマのほうが手強いのではないかとおっしゃっていた。候補者としては確かにオバマは魅力的な人間だ。しかしオバマが相手なら共和党候補はまともな選挙運動が出来る。ヒラリーが相手では泥試合を避けることはできない。泥試合になったらクリントンにかなうものはない。
    それに心の健康のためにも、アメリカ市民はまともな人間同士の選挙運動を望んでいるのではないだろうか?


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