戦争負傷者慰問をドタキャンしたオバマの見苦しい言い訳

ドイツにあるアメリカ軍の陸軍病院に入院中のアフガニスタン及びイラク負傷兵への慰問を日程の都合を理由にドタキャンしたバラク・オバマ民主党大統領候補は、ライバルのジョン・マケイン共和党候補にドタキャンを批判され、その言い訳に必死だ。
オバマべったりの主流メディアのひとつワシントンポストは、マケインのオバマ批判は根拠がないと反対にマケイン批判の記事を載せている。

四日間に渡ってジョン・マケイン上院議員とその仲間達はそれが真実である根拠が全くないにも関わらず、バラク・オバマ上院議員が軍事病院の負傷兵を無視したのは、報道陣を同行できなかったからだと批判している。…

「聞くところによると彼(オバマ議員)は報道陣やカメラや選挙運動員を同行したかったそうです。」マケインは月曜日CNNの「ラリーキングライブ」番組のなかでそう語った。
オバマ選挙事務所は訪問を取り消したのはそれが原因ではないと否定している。事実その存在によってオバマの訪問が政治的で不適当な活動になると防衛庁の役員の中で問題となった軍事アドバイザー以外の人間を、オバマがアメリカ軍の病院につれていく計画があったという証拠はない。
「全くもってそのようなことはありません」とオバマの報道官であるトミー・ビエターはマケインのラリーキング番組での発言についてメールで応えた。….

マケイン陣営は新しいテレビのコマーシャルで、オバマはドイツ滞在中ジムへ行く暇はあったのに負傷兵に会う暇はなかったと批判。その理由というのも防衛庁がカメラを病院に入れさせなかったからだと指摘した上で、オバマがジムでバスケをしている映像を映しているという。
ワシントンポストは、オバマが病院の慰問をキャンセルした理由は、撮影や報道陣の同行を拒まれたからではなく、オバマの軍事アドバイザーが選挙運動員であると防衛庁に判断され、同行を拒絶されたのが原因だったとしている。現にオバマ側は慰問が選挙運動だという印象を与えては負傷兵に対して失礼になるので慰問はあえて遠慮したと発表している。
はっきり言ってこの説明はくだらない。選挙運動員をつれてくるなと言われたのなら、オバマは夫人と一緒に二人だけで行けば良かっただけの話。マケイン議員はそうやってカメラも報道陣もつけずに個人的に何度も軍事病院を慰問している。ブッシュ大統領も負傷兵や戦死者の家族などに、メディアの注意を引かないように静かに面会したりしているのだ。
オバマが本当にアメリカ兵に感謝の意を示したかったのであれば、最初から病院へ慰問するなどと発表せずにこっそり一人で行けば良かったのである。同行者に問題があったなら個人的に慰問して、それを批判されたら、私は一人の人間として兵士らに会いに行ったのであり、それに文句があるなら受けて立とうじゃないか、くらいの態度を示していればマケインとて批判などしなかっただろう。
だが、事実オバマは病院へ行かずに観光や選挙運動をしていたのであり、その理由がなんであろうとはっきり言ってどうでもいいことだ。オバマが政治活動を最優先させたことに変わりはない。いまさらアドバイザーの同行がどうのこうのなんて言い訳してみても意味はない。オバマが最初から本当にアメリカ兵のことを慮っていたならば、彼の選択は明白だったはずだ。それをしないでおいて今更マケインに突っ込まれたからといって言い訳をしてみても見苦しいだけだ。
こういうことが何度も続けば、いくらワシントンポストがオバマを弁護しても有権者はだんだんとオバマの正体を学んで行くのかもしれない。


Comment

すっかり大統領気分のオバマを追い詰めるマケイン人気

ヨーロッパ遠征旅行の「成功」にすっかり気を良くしたオバマは、もう完全に大統領気取り。まだ正式に民主党候補にすら指名されてもいないのにオバマのこの態度は生意気というか厚かましいというか、みていて気分が悪いったら無い。しかもそのオバマにべたべたのアメリカメディアの格好も見られたもんじゃない。
しかし、これだけアメリカ初め諸外国のメディアにちやほやされてスター並みのセレブになってるが、その割には国内での支持率はそれほど伸びていない。どのニュースでもトークショーでもニュース雑誌から新聞からゴシップ週刊誌までオバマつくしなのだから、もうマケインなんか20点くらい話して独走しててもよさそうなものなのに、そうでもないのが興味深い。
多々の世論調査を統計しているリアルクリアポリティクスの平均(RCP Average)によると、オバマ 46.9ポイント、マケイン 43.9 でオバマがわずか3.0ポイントのリード。7月の終わりでこの程度の差では11月までにはどうなるか全く解らない。
ところで同じRCPに載ってるオバマのテレビコマーシャルの程度の低いことといったらない。最初にマケインのよるオバマへの攻撃は「嘘」「でたらめ」「口から出任せ」で「代わり映えしないいつもどうりの政治活動」と批判している。だがオバマはマケインが指摘したどの事実が嘘でたらめなのか全く説明していない。
マケインによるオバマへの攻撃のどれが嘘なのか箇条書きしてみよう。

  • オバマはイラクとアフガニスタンへの緊急資金割当に反対票を投じた。(事実!)
  • オバマはイラク新作戦に反対し、二万兵の増加など暴力が減るどころか帰って逆効果だと言った。
  • オバマは大統領になったら税金を引き上げると公約した。(事実!)
  • オバマは国内の原油発掘を反対している。(事実!)
  • オバマは政治家としての経験がマケインよりも浅い。(事実!)

オバマさん、これのどこが嘘でたらめなのか説明してもらおうじゃないの!
なんて主流メディアが突っ込むはずもない、、と思っていたのだが、オバマの外国遠征旅行ではオバマはあたかも自分が大統領でもあるかのように秘密警察で自分を取り囲み、勝手についていったアメリカの記者達にインタビューをさせていない。
以前にも指摘したように、アメリカのメディアはリベラルではあるが、それ以上にナルシストなので無視されるのが一番嫌いなのである。このままオバマがアメリカメディアを無視しつづけ、王様か救世主気取りで振る舞えば、いずれはメディアからしっぺ返しが来ることは間違いない。それが選挙後であれば問題ないが、選挙前だったら、オバマの圧勝はそう簡単には実現しないかもしれない。
それに、あんまりオバマづくしだと、一般市民も11月までにオバマに飽きてしまう可能性もある。なにしろオバマは中身のない人間。イメージだけが売り物だからイメージに飽きられたら人気はがた落ちする可能性あり。11月までにそういう状態にならないようにタイミングを見計らうのも、案外むづかしいと思う。


Comment

戦争負傷兵の慰問を日程から外したオバマ

Hot Air でリポートしているキャプテン・エドによると、民主党大統領候補のバラク・オバマ議員は、ドイツを訪れた際、アメリカの陸軍病院への慰問を日程の都合がつかないことを理由に削除していたにも関わらず、実際はその間観光していたことが明らかになった。
キャプテンエドによると、これは何を優先するかの問題だったのだと言う。つまり、限られたヨーロッパ訪問の日程のなかで重要な価値のあるイベントを優先し、そうでないものが後回しになるのは当然のことだ。 だから軍隊嫌いのオバマがアメリカ負傷兵の慰問を削ったのは当然の成り行きというものだろう。
ドイツの新聞のSPIEGELによると、金曜日、オバマはドイツのアメリカ軍基地にある陸軍病院The Landstuhl Regional Medical Center (LRMC)への慰問をキャンセルしたが、このThe Landstuhl Regional Medical Center (LRMC)病院は海外で負傷した兵士や海外駐在者の家族も治療する病院で、陸軍と防衛庁によって運営されている。現在はアフガニスタンやイラクで負傷した兵士が主に入院しており、かなり重傷の人が多い。
キャンセルの理由として日程の都合がつかないと言い訳していたオバマだが、実は慰問をキャンセルしたのは日程ではなく政治的な計算だったらしい。
実はオバマは最初、病院で負傷兵の慰問を大々的に行ってそこで演説でもぶり、その映像を選挙コマーシャルに使おうと考えていたらしい。しかし軍では現役の兵士は政治活動に参加できないことになっており、兵士を政治コマーシャルなどに使ってはいけないという規則がある。だから病院へは選挙アドバイザーなどは同行出来ないし、映像も撮れないことになっているのだそうだ。それで、オバマは選挙運動に使えないなら意味がないと判断して慰問をキャンセルし、その時間を使ってベルリンの観光をしたのである。
しかしこのことで、オバマはかなりの批判を浴びたので、オバマの選挙事務所はダメージコントロールに必死である。事務所は次のような声明文を発表した。

「議会の視察旅行の一部としてアフガニスタンとイラクを訪れた際、オバマ議員はグリーンゾーンの戦闘援助病院をはじめ他にも数々の場所を訪れ兵士らを慰問しました。旅行の第二部でオバマ議員はLandstuhl Regional Medical Center病院にいる男女を慰問し彼らの勤めと犠牲に感謝の意を評したいと考えていました。しかしオバマ議員は選挙運動の予算を使って軍の施設を訪問するのは不適切であると考え、軍人たちへの尊敬の意から訪問を中止しました。」

しかしCBSテレビで報道されたドイツでの演説でオバマは、、、

「今夜、私は大統領候補としてではなく、一市民として、合衆国の誇りある市民として、そして世界の同胞の一市民として、お話します。」

と語ってドイツ訪問は選挙運動の一部ではないと強調した。この視察旅行は選挙運動だったの?それともそうではなかったの?どっちなのよ、はっきりしてよオバマさん!


Comment

イラク新作戦「私は正しかった」とマケイン力強い演説

ヨーロッパで選挙運動を繰り広げるオバマを傍目に、マケインは国内で次々と力強い演説を繰り返しているが、デンバーで行った演説では、これまでになく強い口調でオバマへの攻撃が含まれていた。下記はパワーラインで紹介された演説の翻訳。

オバマ議員も私も将来の総司令官として試される決断に直面しました。アメリカはこの試験に合格しました。私の判断もこの試験に受かったと信じます。しかしオバマ議員は失格しました。
私たちは二人とも政治的に無難な選択はなにかしらの撤退だと知っていました。すべての世論が『増派』は不人気だと示していました。多くの批評家や専門家や立法家たちが(増派に)反対し、軍隊を撤退させその結果を受け入れよと唱えていました。私は兵数を増やすことで援助される新しい対抵抗軍作戦を支持することを選択しました。これは私が2003年に始めてイラク訪問をした時以来唱えていた作戦です。多くの視察者が私の方針は大統領になる希望を閉ざしてしまうと言いました。私はアメリカが戦争に負けるくらいなら、選挙で負けたほうがましだと考えました。私の選択は政治的には懸命なやり方ではありませんでした。有権者の間では人気がありませんでした。これはすべての世論を無視するものでした。でもそんなことはどうでもよかったのです。私の愛するこの国がイラクで成功する最後のチャンスだったのです。新作戦がまさにそれだったのです。だから私は支持しました。今日、その新作戦の結果は明白です。増派は成功しました。そして私たちはやっとこの戦争に勝ちつつあるのです。
オバマ議員は別の選択をしました。議員は新作戦に反対したばかりでなく、新作戦の施行を阻止しようとしました。議員は敗北を唱えたばかりでなく、それを強制しようとしたのです。その企みが失敗すると今度は我が軍の失敗を予言し続けました。我が国の陸軍兵や海兵隊員がバグダッド市街地やアンバリの村々に侵攻していくなか、オバマ議員は我が軍の努力によって宗派間争いは良くなるどころか悪化すると予言したのです。
そして我が軍が敵との戦かっている中、オバマ議員は戦費を断ち切ろうとしたのです。彼は2007年5月、イラクとアフガニスタンにいる我が軍への緊急資金調達に反対した14人の上院議員の一人でした。…..
オバマ議員が戦地の兵士らへの資金を拒絶する票を入れた三週間後、レイ・オディエーノ将軍は増派最初の戦闘作戦を開始しました。オバマ議員はその一ヶ月後敗戦を宣言しました。『私の見解では増派はうまくいっておらず、8週間後も違った報告があるとは思えない。』彼の見解は当時人気がありました。でもこれほど間違った見解はありませんでした。
2007年の11月になると、増派の成功はすでに明白でした。同盟軍への攻撃は増派前に比べ60%も減っていたのです。アメリカ兵の犠牲者数も半分に減り、イラク市民の死者数も三分の二以上減りました。しかしオバマ議員はこの新しいニュースと元気づけられる事実を「実際は悪くなっている、悪い状況が起きる可能性がある」と言い無視しました。
もしオバマ議員の意見が通っていたなら、アメリカ軍は戦火のなか撤退を余儀なくされていたのです。イラク軍は崩壊していたでしょう。市民の犠牲者は劇的に急上昇していたでしょう。アルカエダは我々に協力し始めていたスンニ派のシークたちを殺し、「スンニの目覚め」は誕生と共に息の根を止められていたでしょう。アルカエダ戦士らは温床を獲得しイラク人や外国人戦士らを訓練しイラクを基盤としてイラク外のアメリカ人を攻撃してきたでしょう。内乱や人口浄化などが広まっていたことでしょう。
これらの結果、アメリカは屈辱を味わい弱められていたでしょう。我が軍は長年に渡る犠牲によって士気の落ちる敗北に苦しめられたでしょう。そして我が敵は世界中でより強くなっていたでしょう…
オバマ議員はアメリカの人々が聞きたいと思っていることを述べました。私は真実を語りました。
幸運なことにオバマ議員は失敗しました。私たちは生意気な失望を拒絶しました。(カカシ注:The audacity of hope 「生意気な希望」というオバマの著書をおちょくっている)私たちは正しかったのです。イラクでの暴力はこの長い間で最低のレベルに落ちました。これまで起きるはずがないと信じていた成功の兆しを見たオバマ議員は、自分は常に成功すると信じていたと嘘をつきました。
イラクでは私たちはすでに敗北の戸口に立っているのではなく、勝利への道を進んでいるのです。
オバマ議員は今週、今日こうなることが解っていたとしても増派には反対していたと述べました。後になって考えてみると失敗と成功の選択の機会を与えられた時、彼は失敗を選びました。そのようなことをする総司令官など、私には考えられません。

こうしてブッシュ政権の新作戦が実施されなかった時のことを羅列されると、いかにオバマという人間がアメリカ大統領になることが恐ろしい結果を生むかが理解できる。マケインは今後もこの線でどんどんオバマを攻撃してほしいものだ。


Comment

欧州で大人気のオバマだが、「世界の市民」をアメリカ人はどう思う?

中東訪問を終えた民主党大統領候補のバラク・オバマはヨーロッパの各地を周り、大勢の群衆を集めて演説を行い高い人気を呼んでいる。アメリカの大統領に立候補している人間が、何故ヨーロッパで選挙運動をやるのか不思議に思われる方も多いだろう。しかし今日のCNNのニュースを呼んでいて、なるほどと納得が行った。(CNNはすぐリンクが消えるので全文転載)

オバマ氏がマケイン氏に圧勝、英独仏での政治献金額で

米連邦選挙委員会は25日、今年の米大統領選に関連しドイツ、フランス、英国に住む米国人の政治献金で、民主党候補者指名を決めたオバマ上院議員がこれまで少なくとも100万ドル(約1億800万円)を集め、共和党のライバル、マケイン上院議員の少なくとも15万ドルに大きな差を付けていると報告した。
AP通信が報じた。オバマ議員は先の中東・欧州諸国歴訪で、これら3カ国を訪ね、ベルリンでの演説では聴衆約20万人を集める人気を誇示した。英国に限っては、マケイン氏に寄金したのは63人だが、オバマ氏は約600人だったという。
AP通信は、両議員への献金者を取材し、マケイン氏が劣勢なのは過去8年のブッシュ政権の政策への嫌気が大きいと指摘。欧州で損なわれた米国の印象の回復をオバマ氏に賭けている献金者が多いともしている。
また、オバマ氏陣営がインターネットをふるに使って献金を募っているのに対し、マケイン氏陣営がこの対策でも後手を踏んでいる影響もあるとしている。

ところで、ここで注意して頂きたいのは、アメリカの政治家が外国人から献金を受け取ることはアメリカの選挙法で固く禁じられている。以前にもクリントン元大統領が中国系アメリカ市民から受け取ったとされていた献金が実はアメリカ市民を通した中国共産党からの献金だったことがバレてスキャンダルとなったことがあるのは、ここでも紹介した通り。
であるから、ここでいうオバマへのヨーロッパからの献金というのは、ヨーロッパに在住するアメリカ市民からの献金という意味でなければならない。つまりオバマは生まれ育ったアメリカに住むより外国であるヨーロッパ諸国に住むことを好むアメリカ人から人気が高いということになる。これまでオバマは夫人のミッシェルと共に、何かと現在のアメリカの姿を嫌う姿勢を見せてきた。彼の言う「変化」とはアメリカをもっとヨーロッパのように変化させたいという意味なのだろう。
ヨーロッパからの献金が多く集まったと言ってオバマは喜んでばかりもいられないとカカシは思う。なぜかというと、アメリカ人は往々にしてヨーロッパに比べられるのを嫌うからである。特にフランスなんかと比べて「おふらんすではこうしてるざ〜ます。それにひきかえアメリカは野蛮ざ〜ます」とやたらにフランスを引き合いに出す人間は忌み嫌われること間違いなし。
フランス系移民の子孫でフランス語が堪能だった2004年の民主党候補ジョン・ケリーが、ヨーロッパで生まれ育ったテレーザ夫人と普段はフランス語で会話を交わしていると語り、ジョン・レ・ケリーなどとおちょくられて人気ががた落ちしたことは記憶に新しい。
アメリカ人の多くはヨーロッパ諸国は社会主義が行き過ぎだと感じている。アメリカをよりヨーロッパ風にしようなどという政策には脊髄反射を起こす人も少なくない。そういう文化のなかでオバマがヨーロッパに媚へつらうのはアメリカ市民にとっては決して面白くないことなのである。
オバマはアメリカの大統領としてアメリカの国益のために働こうというのか、それとも「世界の市民」であること優先させて、アメリカは二の次になるのか、ライバル候補のマケインはこの点について強く問いつめるべきである。


Comment

オバマのイラクでの記者会見はやらせだった!

主流メディアはオバマべったりだと前回も書いたが、それでもオバマを批判するジャーナリストが全く居ないという訳ではない。NBCのアンドレア・ミッチェルはオバマのイラクでの記者会見の模様はやらせで、本物ではないと語っている。
自らもイラクに滞在中のアンドレア・ミッチェルはNBCテレビの外交情報部門の部長だが、バラク・オバマのイラク及び中東訪問の際、オバマが記者団からの質問を避けているだけでなく、公開されている質疑応答はやらせだとさえ語っている。
ハードボールというテレビ番組で、司会のクリス・マシューとロジャー・サイモンがオバマのイラク訪問は良く受け止められており、オバマの選挙運動には有利になるだろうと語ったのを、ミッチェルは遮って驚くべき発言をした。

「情報操作という点について一言、言わせていただきます。オバマ議員はリポーター達と一緒ではありませんでした。同議員は記者団を設けていませんでしたし、アフガニスタンやイラクの現場で記者会見も開きませんでした。 我々が観ているものはアメリカから付き添った記者達ではありません。あなたがたが観ているのは軍によって質問され、撮影され、選択された映像で、なかにはやらせと言ってもいいインタビューも含まれています。なぜならこれらは記者からのインタビューではないからです。ですからここには報道に関する重大な問題が存在します。政治的には賢いやり方でしょう。でも私の記憶では大統領候補がこんなことをするのをこれまでに見たことがありません。」

ミッチェルによれば、軍からオバマにされた質問はフォローアップの突っ込みのない簡単なもので、あいまいな返事で済んでしまうようなものだったと批判している。カカシにいわせたら主流メディアのやり方と大した差はないと思うが、バリバリのリベラルリポーターのミッチェルでさえ腹を立てているということは、これはかなり問題な行為だったと言えるだろう。
カカシが思うに、ミッチェルが腹を立てている理由は質問が優しかったということより、プロの記者達がオバマに無視されたことにあるのだ。アメリカのジャーナリストたちはかなり左向きのリベラルだが、それ以上に自尊心が高いナルシストが多い。だから自分たちが無視されたり馬鹿にされたりするとものすごく怒る。ジャーナリストをおこらせると今までどれだけ支持を受けていようと手の平を返したように扱われるのだから、オバマも気をつけた方がいいかもしれない。
イラクから送られてきた映像のなかにはオバマ支持の黒人の兵隊たちの映っているものが多くあるが、これはアメリカ軍の全体的なムードを代表するものかどうかというマシューの質問に対してミッチェルは次のように答えた。

「なんとも言えません。なにしろその場に立ち会っていなかった記者としては何が編集されて削除されたのか、その、背後関係とかが解らないからです。それが問題なんです。我々は何を観ているのか解らないのです。」

何を観ているか解らない。それがオバマ選挙運動の実態なのかも。だが主流メディアがオバマのこうした不可思議な行動を批判して本当の報道をしてくれれば、有権者はオバマの正体を知ることが出来るはずである。そのためにはミッチェルのようにオバマの行動に疑問の声を上げ、もっと奥深く掘り下げる報道をしてくれるジャーナリストが必要だ。


Comment

オバマ、イラク状況好転の言い訳に四苦八苦

共和党の大統領候補のジョン・マケインから民主党候補のバラク・オバマはイラク戦争撤退を唱えている割には、状況が最悪だった2006年に一回訪問したきり状況が好転したイラクに訪れもせずに批判しているとさんざん批判されたことに応えてか、オバマ候補は先週二年ぶりに二度目のイラク及び中東の視察旅行を行った。
しかしオバマは行く先々で頓珍漢な発言や振る舞いをし、オバマべったりの主流メディアでさえ、ちょっと首をかしげている。パワーラインが紹介しているこのABCテレビでのインタビューから。
イラク状況の好転は主流メディアですらも無視できないほど劇的なもので、このニュースでもイラクでの暴力は80%も減っており、アメリカ軍の犠牲者に至っては去年の7月に比べて死傷者の数は78人から5人に減っていると語っている。驚くべきことに、ABCのインタビュアーの「こうなることが解っていたら、増派を支持していましたか?」という質問に対してオバマは「ノー」と応えたのである。

「いいえ、支持してませんよ。いいですか、これは非常に難しい問題です、、、後になっての視力は2.0です。私が完全に納得しているのは、当時政治的な討論を変えなければならなかったということです。何故ならブッシュ政権の見解に私は反対だったからです。」

つまり、アメリカが戦争に勝つかどうかということより、ブッシュ政権の政策の反対することのほうが大事だったというわけだ。国の安全を保つことより、大統領候補として現政権の行使する戦争に反対することで自分の支持者を集められるという政治的な攻略が優先したとオバマは認めているのである。
ここでインタビューが本来あるべき形のジャーナリストであれば、次のようなフォローアップをすべきであった。

『オバマ議員、ちょっと解らないんですが、あなたが増派を反対したのは、増派が成功しないと思ったからですか?(だとしたらマケイン議員は正しくてあなたは間違っていたことになります。)それとも、増派は成功すると思ったがブッシュ政権の方針だったので反対したのですか?(だとしたらあなたは不誠実だったことになりますが、、、』

どっちにしろ軍隊の総司令官になりたいと言ってる人間の発言としてはかなり問題のある発言だと思うが、そこはそこ、オバマべったりのメディアが突っ込んだりする訳は無いから、またもフリーパス。
NBCでのインタビューで、ブッシュ政権の増派作戦はうまくいっていると思うかという質問に大しても、オバマは、「(増派が)議論されていた当時から、二万も兵数を増派すればそれなりの効果を上げることは誰にでも解りきったことだった」と述べた。しかし議論当時のオバマはそんなことは一言もいっていない。

「二万程度の増派などしてみても暴力が減るとは思えません。それどころか逆の状態をもたらすでしょう。かえってすべての観察者が必要だと同意しているイラク政府による政治的な解決への圧力を弱めしまうでしょう。ですから私は断じてブッシュ大統領の提案に反対します。ブッシュ大統領がこの作戦が成功すると本気で信じていることは疑いませんが、私は大統領は間違っていると思います。」

だが「増派」は成功した。大統領は正しかった。そして大統領に対抵抗軍作戦(COIN)を強く勧めたマケイン議員も正しかった。アメリカメディアが公平ならオバマのこの過去の発言を持ち出してきて、

『でもオバマ議員、当時のあなたは「増派」は逆効果だといってたじゃありませんか?大統領は間違っているといってたじゃありませんか?今の状況をみてあなたの方が間違っていたことを認めますか?』

と問いつめるべきである。だがオバマべったりのメディアが突っ込んだりする訳は無いから、これもフリーパス。
しかし、主流メディアでも多少なりともジャーナリストの威厳を保とうとする人たちはいる。実はオバマのイラクでの記者会見はやらせだったと語る記者がいる。
次回へ続く。


Comment

オバマ贔屓丸出しニューヨークタイムス、マケインのオバマへの返答記事掲載を拒否

アメリカメディアが民主党の大統領候補であるバラク・オバマ贔屓なのは周知の事実ではあるが、仮にもジャーナリストを気取る大手新聞は多少は中立を装うくらいの努力はするものだ。ところがニューヨークタイムスときたら、オバマ贔屓を露骨にして恥とも思わないようだ。それどころか積極的に共和党のジョン・マケイン候補の政策にまで口出ししようというのだから呆れてものが言えない。
事の起こりは、ニューヨークタイムスにバラク・オバマの “My Plan for Iraq” (私のイラク計画)という記事が意見欄に載ったことから始まる。私はまだちゃんと読んでいないのだが、これには共和党候補のマケインに対する批判もかなり含まれていたという。当然ジョン・マケインはオバマの意見に返答する記事を意見欄に載せることを要求した。中立を守るニュースメディアなら片方の候補者の意見を載せた以上、それに対抗する競争候補の意見も載せるのが筋というものだ。ところが何とニューヨークタイムスはこの要求を拒否したのである。
これについては保守系ブロガー及び、他のメディアからもかなりの批判が集まったが、本日ニューヨークタイムスはマケインのオバマへの返答記事を拒否した理由を説明した。驚くべきことに、この説明のなかでNYタイムスのデイビッド・シップリー編集長は同紙がマケインの返答記事を拒否したのは、同紙がマケインのイラク方針に賛成できないからだとはっきり認めてしまった。普通、新聞社の意見は社説で述べられ、その反対側の意見欄のページには社説とは反対意見の記事も載せるというのが新聞の常識となっている。ところがニューヨークタイムスは意見欄に同紙の社説に反対する意見は載せないと言い切っているのである。

金曜日、マケインの選挙事務所に当てたメールのなかで、同紙の意見欄編集長のデイビッド・シップリーはマケインの事務所が公表した意見を現在の内容では受け入れることは出来ないと語った。しかし別の内容のものなら受け入れるとした。マケイン事務所が公表したメールによると、シップリーはマケインの記事には「明確な軍隊の規模、撤退時期とイラクの協力の確かな目安を含んだ勝利獲得の計画が表示されていなければならない。そしてその内容には上院議会のアフガニスタンに関する政策がどのようにイラクとの計画とかかわりあるのか詳細に説明されていなければならない」とある。

つまり、ニューヨークタイムスは、「マケインがニューヨークタイムスの外交政策に同意すればマケインの意見を掲載してやってもいいよ」といっているのだ。そしてニューヨークタイムスの外交政策とは、要するにオバマのいう現場の事情がどうあれ何が何でも期日を決めて軍隊を撤退させるというものだ。
新聞が中立で公平でなければならないという法律はない。これまでもメディアの左より傾向に関してはカカシも何度も書いてきたとおりだ。しかし今までは、主流メディアは自分達は中立だと言い張ってきたし、それなりに中立に見えるように外面だけはなんとかつくろってきたものである。だから不公平だという批判を避けるために嫌々ながらも、双方の候補者の意見を載せるくらいのことはしてきた。ところが、今回の選挙ではニューヨークタイムスは公平を装うことすらもせず、完全にオバマの選挙運動員になる下がることに決めたのだ。同紙はマケインがオバマに同意しないならマケインの意見は載せないとはっきり言い張ってしまったのだから、今後ニューヨークタイムスが大統領選挙について何を書こうと、一切信用できないことがこれではっきりした。
オバマが大統領になったりしたら、ニューヨークタイムスはオバマ政権の大本営新聞となるのだろうか?どうりで購読者の数が減るわけである。


View comment

アメリカの国内原油資源開発を阻止しているのは民主党

パワーラインによると、ガソリンの値段が急上昇するなか、先週ブッシュ大統領は1990年から禁止されていた大陸外側にある原油岩棚の発掘研究を解禁した。無論、ブッシュ大統領がいくら解禁と言ってみても、議会が反対している以上現実に発掘が行われるかというとそう簡単にはいかない。
しかし、原油開発は議会次第なのだということを国民に理解してもらうという意味で、ブッシュ大統領が民主党が実権を握る議会に挑戦した形になった。議会による大陸外側岩棚発掘禁止令は毎年期限が切れ、その度に更新されてきた。次の期限切れはあと70日あまりに迫っている。ということはパワーラインも指摘しているように、民主党がガソリンの値段を引き上げておきたいのであれば、民主党議会は国民の見ている前で11月の一般選挙を目の前にして原油値段引き下げの可能性を多いに高める原油発掘をあからさまに阻止しなければならないのである。これが選挙に良い影響を与えるはずがない。
エネルギーを調査しているthe Institute for Energy Researchのトーマス・パイル所長は大統領の命令についてこのように語っている。

連邦政府は納税者が所有するエネルギーを納税者の土地から生産することを30年近くも禁止してきました。ガソリンの値段の急上昇とともに、食品や他のすべての商品が値上がりしているなか、消費者はこの事実を理解する必要があります。ほとんどのアメリカ人が需要と供給の法則を理解することができますが、自国の沖合いのエネルギー源へのアクセスを制限したり、その政策を毎年更新する投票が議会でされている国など先進国ではアメリカだけなのだという事実をする人は多くありません。今年もその時がやってきました。そして次の78日間はアメリカのエネルギー保全にとって非常に大事な時期となります。

アメリカのエネルギー源発掘を阻止しているのは民主党議会なのだということを、アメリカ国民がはっきり理解してくれれば、国民からの民主党議会への圧力が増すはずである。そうなれば、民主党としては原油発掘を解禁せざる終えなくなる。そうしないで国民の怒りを買えば次の選挙で大敗するかもしれないからだ。発掘が解禁されれば馬鹿高いエネルギー費のおかげで苦労しているアメリカ国民の生活がすぐにでうも楽になるかもしれないのだ。なにしろ、アメリカがアラビアの石油にいつまでも頼らなければならないという概念が原油の投機市場を引き上げているわけだから、将来アメリカが石油を自国で生産できるとなれば投機市場にも影響を与えるはずである。
民主党大統領候補のオバマは、アメリカの原油資源を発掘することでアメリカのエネルギー問題は解決できないと主張している。以前にも書いた通り、マケインはこの問題を文字通り掘り下げてオバマに挑戦すべきである。なぜ、自国のエネルギー源を発掘することを民主党並びにオバマは阻止しているのか、何故国民の生活苦を無視するだけでなく余計に悪くしているという事実について、共和党は民主党に説明を迫るべきである


Comment

オバマ対マケイン、アメリカ国民の印象はいかに?

アメリカのメディアはあまりにもオバマに焦点を当てすぎているので、民主党候補のバラク・オバマのほうが共和党候補のジョン・マケインよりも優勢なのではないかという印象を受けるが、実はそうでもない。リアルクリアポリティクスによると、46.6:42.6で多少オバマが優勢だが、今の時期でこの程度の差ならマケインはかなり有利だ。なぜなら、こういう世論調査では大抵の場合、民主党が有利な結果が出るのが普通で、実際に蓋を開けてみると共和党が勝つというケースがすくなくない。
だから民主党が共和党より圧倒的に有利だとするなら、せめて9%くらいの差をつけて優勢でなければならないのだ。これだけメディアに支持されて無料宣伝までしてもらって4点くらいの差ではオバマはマケインよりも優勢とは全く言えない状態にある。
さて、この間ヤフーとAPが合同で行なった別の世論調査で、マケインとオバマについて二人の名前を聞いたときに思い浮かぶ言葉を選んでくださいという調査が発表された。この調査は1,759人の大人を対象に6月13から23日にかけて行われ、一人の人がいくつもの言葉を選んでいいことになっていた。誤差の範囲はプラスマイナス2.3%ポイント。 下記はそのパーセンテージ。
この調査でのジョン・マケインの第一印象が「年寄り」でオバマが「変化」というのはちょっと良くないが、それ以外はオバマから受ける印象はそれほど良くないということがわかる。特にオバマが「不正直」「’好きになれないタイプ」と答えた人が結構いるのには驚いた。それに比べてマケインは「実績」があるとか「道徳的」とか「正直」と答えた人が多いのも面白い。
マケインは自分が歳がいってるぶんだけ経験豊かで実績があるという路線で進んでいけば、決して歳がいっていることはマイナスにならない。ロナルド・レーガンがやはり歳の話が出たときに「私は競争相手の未熟さと未経験について攻めないと約束します」などと冗談を言ってすっかり国民の心を得てしまったことがある。マケインもこの手を使うべきだろう。多少ではあるが、マケインがそういう演説をしていることはしている。
オバマのほうは、ワシントンに長年いるプロの政治家ではなく、外部からきた新鮮な息吹であるという印象を国民に与えたいわけで、それは今のところ成功している。だが、実際にはオバマは昔ながらのリベラルで左翼としてはなんの変化もないバリバリの内部者なのだ。オバマがヒラリーよりも有利だった点は、すでに国民はヒラリーという人間を知り尽くしていたため、新人のオバマへの期待度に勝てなかったということだ。オバマはなんといっても未知数。支持者たちは自分達の理想をオバマに期待しているだけで、実際にオバマがその期待に応えられるという保証は全くないのだ。マケインがオバマの正体をひとつづつ暴露していけば、オバマの新鮮なイメージは吹き飛んでしまうことだろう。
ジョン・マケイン
1. 年寄り、 19 %
2. 軍役、 9 %
3. 実績、資格有り、8 %
4. ブッシュ、 7 %
5. 強さ、 7 %
6. 内部者、政治家、7 %
7. イラク、テロ、6 %
8. 正直、5 %
9. 共和党、5 %
10. 道徳的に善良と不正直が同点で 4 % づつ
バラク・オバマ
1. 部外者、変化、 20 %
2. 経験不足、13 %
3. 不正直、9 %
4. 感銘させる、8 %
5. リベラル、6 %
6, 7 オバマ優先と若いが同点で6%づつ。
8. 好きになれないタイプ、5 %
9. インテリ、4 %
10. イスラム教徒、3 %
今、アメリカで一番国民が心配して関心をもっているのは、なんといって石油問題。共和党は自国の原油を掘り起こすべきだと主張しているのに対して、民主党は石油発掘絶対反対の態度をくずしていない。マケインはこの状況を利用して、本当に国民の経済事情を心配し、国家の将来をサウジアラビアのような不安定な国に任せないで済むように勤めているのは共和党の方なのだと国民を説得することができれば、この選挙、マケインの圧勝も夢ではない。


Comment