米民主党が作り上げたサブプライムローン危機

どうも経済問題が持ち上がると民主党の株が上がるというのは本当で、支持率の上がり始めたマケイン・ペイリン組も、リーマンブラザースの倒産を始め、株式市場の大下落と共にその勢いを失いつつある。それというのも長年に渡り民主党もそれにべったりのリベラルメディアも、常に民主党は庶民の味方であり、対して共和党は金持ちの味方であるというイメージを国民に植え付けて来たからだ。民主党は何かと「金持ちの税金を引き上げ」て庶民を救うと約束し、あたかもそれがアメリカ経済を救うことになるかのような錯覚を庶民に与えて来たからだ。
だが実際には、問題になっているサブプライムローンの危機を作り上げたのは、何を隠そう民主党のほうなのである。もしマケイン・ペイリン組がオバマ・バイドンに打ち勝ちたいと真剣に思うのであれば、今こそ共和党は現在のアメリカ経済低迷の根源が民主党の悪経済政策によるものであることを有権者にきちんと理解してもらう時である。それが出来なければ、この選挙はみすみす危機を作り出した張本人に譲り渡してしまうことになるからだ。
そこで、ミスター苺は、有権者に現在の経済状態を説明するため、マケインは下記のようなコマーシャルを発表すべきだと提案している。

皆さん、経済について率直なお話を申し上げます。アメリカの経済システムに問題があるのではありません。自由市場が問題なのでもありません。問題なのは政府が銀行に返済能力のない人々に多額の融資を強制し、不履行になると納税者がそのツケを払うというサブプライムローンにあるのです。これは住宅福祉以外の何者でもありません。

今こそ我が競争相手からの率直な意見を聞く時です。オバマ議員は共和党を責めています。しかし氏はこの失態政策が民主党によってつくられ、何十年もの間それを改善しようとしてきた共和党を阻止してきた事実を重々承知しています。
氏のいう変革は口だけで行動が伴いません。政府が銀行に悪い住宅ローンを強制するような政策を止めることが含まれない計画など、まやかしです。それはこの危機をさらに悪化させるだけです。
オバマ議員にも同胞の民主党にも迷っている時間はありません。我々は住宅ローンを改革せねばなりません。私はこの危機を乗り切るための詳細にわたる計画を私のウェッブサイトに掲載しました。それはシステムを改革し、経済に正気をとりもどし、短期的には協力なブーストをあたえるものです。長期的な解決は支出を押さえ、皆さんのお金は皆さんに保持していただき、アメリカ国内でエネルギー算出の権利を劇的に増やすことです。
私はジョン・マケインです。このメッセージを熱烈に許可します。

さて、ではマケインはどのような解決策を提案すべきなのだろうか。
ことの起こり:
もとはといえばこの問題は、返済能力のない人々への住宅ローンを銀行や貸付信託に強制する方針に端を発している。これは70年代後半のジミー・カーター大統領が始めたもので、その後90年代のビル・クリントン大統領によって押し進められ、後にはバラク・オバマも含める民主党議会が度重なる共和党の変革提案を阻止して継続して来た方針なのである。
なぜ民主党が長年に渡って不当な政策を守って来たのかといえば、民主党は長年金融企業から多額の献金を受けて来たからだ。事実金融会社からの献金が一番多いのは民主党のクリス・ダッド上院議員と並んで誰あろうバラク・オバマ民主党大統領候補その人なのである。
自分たちでこの悪方針を勧めておきながら、いまになって責任が共和党にあるとぬけぬけと言って退けるところが民主党のふてぶてしいところだが、それをそのまま報道するメディアに、完全に圧倒されている共和党のふぬけなさにも憤りを感じざるおえない。
マケインや共和党が今度の選挙で民主党に勝つためには、経済問題を民主党によって形づけられることを絶対に避けなければならない。有権者に問題を起こしたのは民主党なのであり、民主党にこそ本当の責任はあるのであり、民主党では絶対に経済低迷を解決することはできない、いや、それどころかかえって悪化させてしまうだろうということをしっかりとアピールする必要がある。
共和党こそがアメリカの経済を救えるのだとはっきり訴える必要があるのである。
長くなるのでこの先は次回へ続く。


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ここまでやるオバマファン? サラ・ペイリンのメルアドをハッキング!

共和党副大統領候補のサラ・ペイリン女史の個人的なメールアドレスが何者かによってハッキングされ、ネットの左翼サイトがこぞってその内容を公開するという嫌らしい事件が起きた。いくら汚い手を使うのが好きなリベラルでも、ここまでやるとは信じがたい。恥知らずにもほどがある。
私もそういったサイトのひとつにアクセスはあるが、左翼はこんなことをやってると書いてそのサイトを貼付けたのではペイリン女史をさらに傷つけることになるので、リンク先はここでは貼らない。
恥知らずのこのサイトでは、すでにアクセス不能になったペイリン女史のサイトのスクリーンショットを公開して、「証拠を隠蔽しても俺たちは取り下げたりしねえからな」とあたかも正しいことをしているかのような無法ぶり。他人の家に土足でふみ上がり、他人の手紙や個人的な書類をあさってそれを公開することのどこに正義があるというのだ?警察だって令状なしに家宅捜査など出来ないのに。
しかもそうやって公開したペイリン家族の「秘密」など個人的に他人には知られたくない内容ではあっても、特にスキャンダルといえるようなしろものではない。
左翼サイトがこのハッキングを正当化している理由として、ペイリン知事が個人用と公共用のメルアドを混合していたことにあるようだ。公共のメールを個人のメルアドを使って送ったりしていたので、何か隠しごとがあるのではないかと左翼連中は下種の勘ぐりをしているのである。
こういっちゃなんだが、私も本日、先週日本へ出張中に会社の連中と宴会をした際に撮った写真を会社のメールアドレスを使って配布したばかり(同僚の個人アドレスなんて知らないし。)宴会と仕事は別だから私用に公共のメルアドを使ったと言われれば確かにそうだ。どんちゃん騒ぎをやってる写真がネットで公開されたりしたら多少は恥かしいことではある。だが、そんなものを他人が見ても大して面白いものではない。ゆすりに使えるような内容でもない。
悪趣味で恥知らずの左翼サイトは自慢気にペイリンの夫のメルアドだの長女の住所だのを知ることができたとし、家族がふざけている写真なども公開している。また、ペイリン女史のアドレスブックに載っている数人の第三者のメルアドも公開されてしまったので、これらの人々はいますぐメルアドを変えなければならない。
はっきり言って乱交パーティの写真でも見つけたというならまだしも、家族が並んで記念写真を撮っていたり、子供を抱いた長女がより目をつくってるなど、ごく一般の家族が撮るような写真ばかり。そんなもの貼付けて何の意味があるんだ、と私は聞きたい。
もちろん、彼らの目的はペイリンの秘密を暴くというより、ペイリンやその関係者に嫌がらせをすることにあるのだ。しかも最初にハッキングをした人間は別として、ハッキングの内容を転載したブロガーたちには法律上お咎めなしなんだそうだ。どうせハッカーとブロガーたちはつるんでいるに違いない。それで法の隙間をくぐり抜けてこんな汚い手で自分らの支持する政治家の競争相手を陥れようというのである。
何かには蠅がよるというが、まったくそのものだ。


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自信たっぷり、ペイリン米副大統領候補初のテレビインタビュー

共和党副大統領候補のサラ・ペイリン女史の大人気に民主党べったりのアメリカメディアのうろたえぶりは見ていて滑稽なものがある。オバマの失言は必死に弁護し、ペイリンの経歴の歪曲や中傷に余念がない。
これまではペイリン女史がアラスカの知事として先代の知事が始めた無駄だらけの「何処へもいかない橋(2000年代初期に人口8900人のケッチカンから人口50人のグラヴィナ島の空港を結ぶ橋の建設のことで、連邦政府から補助金が出ることになっており、全国でも悪名のたかい無駄な建設事業として批判されていた。)」の建設を中断させたことは周知の事実だったのに、最近では、あれはペイリンとは無関係だったという記事が多くみられるようになった。またパワーラインによれば、ワシントンポストなどは、ペイリンが息子を含むイラクに出動するアメリカ陸軍兵がイラクにいる911を引き起こしたようなテロリストと戦いに行くと言った事に対して、イラクのサダム・フセインと911犯人とは関係がないのにペイリンは未だにイラクと911犯人を結び付けている、などと頓珍漢な批判を書いたという。今イラクへ出動するアメリカ兵はフセインイラクと戦いにいくのではなくて、イラクに未だに居るアルカイダのテロリストと戦いに行くのだ。まさに911に直接関係のあったテログループとの戦いなのだ。勘違いをしているのはワシントンポストのほうである。いったい今西暦何年だとおもってるんだ?
この間のABCテレビにおけるチャールズ・ギブソンによるインタビューでも、ギブソンは必死にペイリンを罠にかけようとあの手この手でペイリンに攻撃をしかけた。

ギブソン: あなたは最近ご自分が昔行っていた協会で「わが国の指導者たちは合衆国の兵士らを神から(受けた)仕事のために送り出している。」と語りました。私たちは聖戦を戦っているのですか?

ペイリン: いえ、それは私が言った言葉そのものかどうかわかりません。
ギブソン: 言葉そのままです。

だが実はそうではない。ペイリンが言ったのは、、

「わが軍の男女のために祈りましょう。正しいことをしようと努力している彼らのために。そしてまた、われらが指導者のために。わが国の指導者が合衆国の兵士らを送り出しているのは、神の仕事をするたであることを祈りましょう。」「私たちが確かめなければならないのは、これが神の思し召しのために祈っているということです。(私たちが祈っているのは)ここに計画があり、それは神の思し召しであるということです。」

つまり、この戦争が神の意に反するようなものであってはならないという意味で、道徳に反するような戦争にならないように気をつけなければならないと言ってるわけだ。この戦争は神から与えられた仕事だなどという意味ではない。ま、信心深くないギブソンにはその違いが解らないのかもしれないが。
話は前後するが、ギブソンの冒頭での質問にきっぱりとしたペイリンの歯切れの良さは気持ちよかった。

ギブソン: 知事、先ず最初にジョン・マケインにもあなたについてした質問をさせていただきます。これは中心となる質問です。あなたは国民の目を見て「私は副大統領はもとより、アメリカ合衆国の大統領として経験と能力がある」ときっぱり言えますか?

ペイリン: はい、言えます。チャーリー。そして1月20日、光栄にも国のために仕えるため選ばれ、ジョン・マケインと私が就任の宣誓をする時、私は準備ができているでしょう、私には準備ができています。
ギブソン: そしてあなたは自分自身に対して「私の経験は充分だろうか、私は準備が出来ているだろうか、国際問題について充分しっているだろうか、国家の舞台に立つ心地よいと感じるだろうか」と問わなかったのですか?
ペイリン: いいえ、ためらいませんでした。

市長や知事としての経験が副大統領として充分ではないというなら、上院議員をたった一期しか体験していないオバマ議員が大統領となることにたいして、ギブソンのほうこそ疑問はないのか?同じ質問をギブソンはオバマに向けてはどうなのだ?


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「豚に口紅」またまたオバマの失言、言葉のあやじゃ収まらない!

実家のテレビでなぜかABCニュースが映った。同時通訳の日本語がまどろっこしかったのだが、どうやら民主党の大統領候補、バラク・オバマがまたまた失言をしたらしい。で、今回は何を言ったのかというと、、、

オバマ氏は9日午後、バージニア州で遊説中に「ジョン・マケインも変革を唱えているが、あれは変革ではない。同じものを違う呼び方で呼んだだけだ。豚に口紅を塗ったところで豚は豚だ」と演説した。

その直後、マケイン陣営は電話会見を開き、「ブタに口紅」発言がペイリン氏を意識したものであることは明らかだとして謝罪を要求した。ペイリン氏は指名受諾演説や遊説で「ホッケーマム(子供のスポーツ観戦に熱狂する母親)とピットブルの違いは何か。口紅だ」というジョークを口にしている。 一方オバマ陣営は、「(マケイン陣営は)一般的な例え表現を使って性差別の切り札を切ろうと躍起になっている。マケイン氏自身も昨年、ヒラリー・クリントン氏の政策に対し同じ例え表現を使っている」とやり返した。
オバマ氏は10日、バージニア州ノーフォークでの演説で「私について何を言われようと構わない。しかしうそとまやかしの怒りで(共和党を)再び大統領選に勝たせるわけにはいかない」と応酬している。

もちろんオバマ自身は、ペイリン女史を意識して言った訳ではない、単なる言葉のあやだと言い訳をしているが、したたかなオバマがそんな子供だましが通用すると本気で思ってるわけはない。上記のCNNの記事でもあるように、ペイリン自身が自分のことを口紅をつけたピットブルだと言ったことで、口紅と言えばペイリン女史を指すことは誰にでも明白だ。それにしても男女同権だのなんだのと普段は言ってる民主党の大統領候補がこういう女性蔑視の発言をするなんてのは、さすが偽善の塊のリベラルだけある。
しかし、民主党ひいきのメディアや批評家たちは、こぞってオバマの発言は単なる言葉のあやだと言い訳に余念がない。しかもマケインがオバマの揚げ足を取って言いがかりをつけているとまで言い出す始末。
ところでCNNの記事には載っていないが、オバマの演説には続きがある。これを読むと「豚」がペイリン女史のことを指すことはもっと明らかになる。

「豚に口紅を塗ってみても、所詮豚は豚です。」というオバマの発言に、火曜日バージニア州のレバノンに集まった観衆の間で爆笑と拍手が湧き上がった。「古い魚を紙に包んで変革と呼ぶことはできます。でも8年もたっていればやっぱり臭く匂います」

マケインは年寄り(オールド)だと、常に批判しているリベラルだ。ここでいう古い魚(オールドフィッシュ)がマケインのことを指すのは明らかだ。となれば、最初の口紅をつけた豚はペイリン以外の何者でもないではないか。少なくともレバノンに集まった観衆はそう受け取ったはずだ。だからどっと沸きあがったのだ。
ミスター苺いわく、いったんこういう印象を聞き手がもってしまうと、いくら話し手がそういう意味で言ったのではないと主張してみても無駄だ。レバノンの観衆もテレビやブログでその話を聞いたり呼んだりした有権者もオバマがペイリンを豚呼ばわりしたという印象を持ってしまった以上、オバマにできることはさっさ謝ることだけだ。疲れていたとか不注意な失言だったとでも言ってこの話は過去のこととしてしまう必要がある。だが、ミスター苺はオバマはそんなことはしないだろうという。オバマは自意識過剰でおくゆかしさなどひとかけらも持ち合わせていない。素直に謝るなんて死んだってできないだろう。だが、この話が出るたびにマケインの言いがかりだの陰謀だのと言って腹を立てていたら、それこそ被害妄想だの怒りっぽいだのといったラベルを張られてしまう。
選挙戦はラベル張りの競争だ。自分には「純粋」「新鮮」「変革」というレベルを張ってきたオバマだが、民主党予選でのヒラリーとの辛らつな戦いで「純粋」さや「新鮮」さは薄れてしまった。それでもオバマには「変革」のラベルが残っていた。だが、それすらもライバルのマケインに乗っ取られてはがされそうになっている。共和党の予選でライバルから「年寄り」扱いされたにもかかわらず、マケインは「年寄り」ではなく「一匹狼」(maverick)のラベルを自分のものにして共和党ライバルたちを打ち破ってしまった。だから今更オバマがいくらマケインを「古い魚」などと呼んで「年寄り」扱いしてみても、せこいことをやっていると思われるのがオチである。


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つまずくオバマ、突っ込むマケイン

日本でオリンピック観戦に熱中してしまって、アメリカの選挙運動をちっとも追っかけていなかったら、さっきカリフォルニアにいるミスター苺からメールが来ていて、民主党大統領候補のバラク・オバマがへまばかりやっている、それに比べて共和党候補のジョン・マケインの突っ込みはかなりいい線いっているとのこと。「この調子だとマケインが9点差くらいで勝てると思うよ。」とミスター苺。ほんとかね?
今週の水曜日、マケインがインタビュー中に「いくつ家を持っているか」という質問に対して即座に答えられなかったのを利用して、オバマ選挙事務所はマケインは金持ちすぎて自分の家が何軒あるかもしらない、庶民とはかけ離れた生活をしているという内容のテレビコマーシャルを作った。このコマーシャルの題名は「セブン」といい、アメリカ社会は景気の停滞に悩んでいるというのに、マケインは自分が何軒の家を持っているかも知らない、そしてマケインが7つ家を持っているとし、最後にホワイトハウスを見せて、この家だけはマケインに明け渡してはならないと締めくくっている。
確かにマケインは多くの不動産を所持してはいるが、実際に自分ですんでいる家は二軒で、他は人に貸したり投資の目的で持っていたりする。マケインのシンディ婦人の実家はビールの卸行をしていてかなりの金持ちなので、そういう関係もあってマケインには不動産だけでなくいろいろな財産があるわけだ。しかし実際に住んでいない家なら、何軒あるかすぐに答えられないとしてもそれほどおかしくはない。なぜなら投資としての不動産ならマケインはビジネスマネージャーに任せてあるはずだからだ。これはわれわれがもっている株券や積み立て講座の数を突然聞かれてもすぐには正確な数がいえないのと同じ理屈だ。
ま、それはいいとして、マケインは即座にこのオバマのコマーシャルに反撃。マケイン側はふたつのコマーシャルを作った。ひとつは大学を出たばかりのオバマが購入した100万ドルもする最初の家を世話したトニー・レズコという男とオバマの関係を追及する内容。トニー・レズコがオバマの家を世話するにあたり、かなり怪しげな行為をしたという噂だが、最近レズコは詐欺罪で有罪になったばかりだ。そっちが不動産で来るならこっちも不動産で反撃してやるぞってことだろう。もうひとつは、1970年代の国内テロリスト、ビル・アヤースとの関係を追及する内容。オバマはこの男の家を選挙の際に会議に使ったりして仲良くしていたことがあるからで、オバマはアヤースが元テロリストであったことを知っていながらかなり親しい間柄だった。オバマはこの男との関係をまだはっきりとは説明していない。
アメリカメディアはレズコのことにしろアヤースのことにしろあまり報道していないので、知らない有権者は多いはずだ。それをコマーシャルにするとはマケインも考えたものだ。ところで二週間くらい前になるが、テレビの政治評論番組で評論家の一人が、最近ユートゥーブでマケインのコマーシャルへのヒット数がオバマのそれよりも勝るようになったと語っていた。それというのもマケインのコマーシャルはユーモアたっぷりでかなりオバマをおちょくるものが多いからだ。私は最初、マケインのコマーシャルはオバマを救世主に仕立てたりセレブだと言ってみたりして、オバマの格好いい映像をいくつも見せていたので、これはかえって逆効果なのではないかと思ったのだが、どうやら私の考えは間違っていたようだ。有権者はマケインのユーモアのセンスを買っているらしい。となると、マケインのオバマへの突っ込みコマーシャルは案外有権者が知らなかったことを知るいい機会になるかもしれない。
ところでオバマは民主党の党大会に先駆けてジョー・バイデン上院議員を副大統領候補とすることを発表した。これもミスター苺によると、非常に間の悪い発表の仕方だったという。なぜかというと、オバマは副大統領をアメリカ時間の金曜日の夜遅く発表した。ニュースサイクルというのは金曜日の午後には終わってしまい、月曜日まではニュースも週末の休みになる。休みといっても週末にニュースがないという意味ではなく、一般に週末は人々はニュースに耳を傾けない。金曜日の午後に発表されたことは月曜日までにはすでに二日以上たっているのであまり取りざたされない。そこで政府は悪いニュースは金曜の夜に発表するといわれているくらいなのだ。オバマが誰を副大統領にするのかは色々と取りざたされていたことなので、選挙運動として最大効果を狙うなら金曜日の夜は最悪のタイミングといえる。これはかなりのヘマだといえる。


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マケインとの討論に負けたオバマの見苦しい言いがかり

更新が遅れて申し訳ありません。実は今日本の実家に里帰り中。お盆やオリンピック観戦など色々あって、まったくブログに専念できずご迷惑をおかけしております。
アメリカ時間の17日、米大統領民主党候補のバラク・オバマと共和党候補のジョン・マケインとがリック・ワレン牧師司会のフォーラムに参加した。この形式ではワレン牧師があらかじめ用意した同じ質問をオバマとマケインの双方にするというものだったのだが、どうやらこれにはマケインのほうに勝負があったようだ。それというのも、オバマ側の陣営はマケインの答えがあまりにもよくできていたので、マケイン側はあらかじめ質問を聞いていたのではないかと下種のかんぐりをしているからだ。
問題となったのはワレン牧師の「人権はいくつから保障されるのか」という質問で、オバマが「私の給料レベルより上の質問だ」と自分には答えられないとしたのに対し、マケインが「妊娠した時」と躊躇せずに答えたことで、オバマ側はこの質問は明らかにマケインに有利なものだったと主張している。

「もちろんマケインはよく見えましたよ。」と匿名のオバマスタッフ。「彼は自分の答えがどう受け止められるか心配する必要がないんですから。自分の話す要点を思い出す必要もなかったし、考える必要もないし、考えるふりすらする必要さえなかったんですから。 信じていることをおもいつくまま言えばよかったんです。明らかにこの試合ではマケインのほうに不公平な有利性がありますよ。そのことはアメリカ市民にもよくわかってもらえると思いますが、、、例によってこれが共和党の汚いやり方ですよ。」

マケインの「不公平な有利性」とは、マケインのほうが政治家として経験豊かであり、普段からそういう質問についてきちんと考えをまとめているということだけだ。自分の考えがないので専門家に台本を書いてもらわなければ何も言えない経験不足で政治的才能ゼロのオバマでは力が及ばないのは当たり前だ。
しかし、NBCテレビのアンドレア・ミッチェル司会者はオバマ側の言いがかりをそのままあたかも事実でもあるかのように、ミートザプレスという政治評論番組で繰り返した。このことで、さすがにマケイン側からクレームがついた
マケイン選挙事務所はオバマ陣営の、マケインがあらかじめ質問の内容を知っていたという言いがかりには何の根拠もないとし、にもかかわらずジャーナリストであるはずのミッチェルが裏も取らずにあたかもオバマの言いがかりが真実であるかのようにテレビ放送で発言したことは遺憾であるとして抗議文を送った。
マケイン側の抗議は当たり前だが、はっきり言って、討論会やフォーラムで失敗する度にそれを司会者や討論相手のせいにして、自分の失言の言い訳ばかりしているオバマの見苦しい態度こそ有権者はいずれうんざりするのではないだろうか。プロの政治家とは思えないほどナイーブな反応に私は呆れているのだが、マケインもこのオバマのこの子供じみた言い訳を指摘して選挙運動にがんばってもらいたい。


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アメリカ、どうして国内原油発掘では駄目なのか? ペロシ議長のしどろもどろな言い訳

この間、アメリカの下院議会でナンシー・ペロシ議長が、アメリカ国内の原油発掘を解禁するかどうかという法案を賛成/反対という投票をしようという共和党の提案を拒否して決議見送りで夏休みに入った件に関し、日曜日の朝番組でABCテレビのジョージ・ステパノポリス司会がペロシ議長に、「どうして投票を行わないのですか?」と質問した。その時のペロシ議長の綱渡り的な答えにならない答えは面白い。

ペロシ議長: 私たち(民主党)が提案した解決策はガソリンスタンドで結果が出る策なのです。大統領に貯蓄ガソリンを解放してくださいと、、、、一億ガロン(3.78億リットル)の石油があるんですから。

司会者:でも共和党だけでなく、民主党の議員からも投票すべきだという声が上がっています。
ペロシ議長: これは(ブッシュ政権の)失敗したエネルギー政策から話をそらせようという企てなのです。
司会者: そういう議論をするならどうして投票をしないんですか?
ペロシ議長: なぜならこの対策がガソリンの値段を下げるという偽りがすでに述べられているからです。これはからくりです、解決策ではありません。
司会者: それが正しいなら、討論をして投票したらいいんじゃないですか?
ペロシ議長: これに関する討論なら毎日しています。しかし私たち守るべく惑星があるのです。
司会者: それはどういう意味ですか?他の議案と一緒なら許可するが単にこの法案だけの賛否を決める投票は許可しないということですか?
ペロシ議長: 私は、、そういうつもりは、、、私たちは原油を解放しろと提案しました。それには両党から強い支持があります、、
(略)
司会者: 彼ら(共和党)が国内発掘というアイディアがあるなら、なぜそれについて賛否を決める投票をさせないんですか?
ペロシ: それは、それは、、、彼らは想像力を使ってどうすれば投票を獲得できるか考えなければなりません。私がしようとしていることは、、、私たちは真剣な政策があり、、、
(略)
司会者: ちょっと明確にさせてください。議長は他の法案と一緒であれば、国内石油発掘を含んだ案でも投票を許可するつもりがあるという意味ですか?
ペロシ: いえ、私はそういうことは、、、(訳の解らない言い訳が続く、、、)
司会者: つまり、どんな場合でも投票させないということですね。私に解らないのは、そんなに大事な政策ならどうして投票を許可しないのかということなんです。

なぜかと言えば、投票を許可すれば案が通ってしまうとペロシ議長は充分に承知しているからだ。需要が多すぎて供給が足りないなら供給を増やすのが解決策だということくらい子供でも解る。非常時用にためてある貯蓄原油を今市場に流したりしたら、一時しのぎにはなっても問題の根本的な解決になどならない。第一平常時に非常時用の蓄えを使ってしまったら、本当の非常時にはどうするんだという質問にオバマを始め民主党は答えていない。
有権者の大多数が国内原油発掘を望んでいる。次の選挙で勝ちたい国会議員たちはそんなことは百も承知だ。だから今の段階でこの決議案が投票にかけられたら共和党だけでなく民主党からも賛成票が多くでて、決議案は通りに決まっている。ペロシ議長はそれを許す訳にはいかないのだ。
何故、民主党は国民の生活が楽になる原油の発掘を許可しないのか。その理由は社会主義の民主党にとって国民の生活は苦しい方が都合がいいからだ。国民が共和党の現政権下で苦労すればするほど民主党は自分たちの支持率が上がると信じている。そうやって民主党が今度の選挙でさらに議席を稼ぎ大統領も民主党から出るとなった暁には、生活に苦しむ国民に民主党の政府こそが国民を救えるのだと主張して税金を大幅に上げようという魂胆だ。
しかしペロし議員が甘く見ているのは有権者の判断力だ。アメリカの有権者も馬鹿ではない。アメリカ人の生活を楽にするために石油の自給力を高めようとする共和党とそれを阻止する民主党。どちらが国民の味方なのか、結構アメリカの有権者は正しい判断を下す可能性は高い。
共和党議員たちは、今後もこの線で、何故民主党が議会や政権を握ってはいいけないのか、はっきりアピールして行っていただきたい。


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マケインの挑戦から逃げ腰のオバマ

先週はマケインによる激しい攻撃を防ぐのに必死なオバマは、マケインのネガチブな選挙運動は本質的に大事な問題から話題をそらすのが目的だと何度も批難した。
ところが、実際にマケインが、では大事な問題を討論しようではないかと10回に渡る討論会を提案したが、オバマは完全に逃げでマケインの提案を頭から拒絶した。
討論会のやり方や回数については、共和党と民主党の候補がほぼ確定した今年の6月上旬から二人の間で意見が割れていた
民主党候補のオバマはリベラルなメディアの放送局から選ばれた司会者によってそれぞれの候補者が時間制限内で答え、それに対して相手側が反論をするという形を好んだ。これで選挙委員会が決めている三回に二回足して合計五回の討論会を開こうと提案した。
オバマがこういう形式を好む理由は明白だ。オバマは台本どおり舞台稽古をした討論会ならイメージ通りに演技をすることが出来る。主流メディアの司会者なら民主党のオバマに対して厳しい質問をしたりはしない。格好つけて意味のない返答をしても突っ込まれる心配は全くない。
それに対してマケインは、プロの司会者ではなく一般の有権者が自由に質問できる有権者参加のタウンホールミーティングの形で選挙委員会が取り決めている正式な三回の討論会の他に十回足そうと提案した。台本がなく、リハーサルをしていないと頓珍漢な答えをしてしまうオバマに対し、台本なしのぶっつけ本番が得意なマケインとの対照的な好みがここで現れたわけだ。
昨日、オバマはマケインが提案した十回に渡るリンカーン対ダグラス風のタウンホールミーティング形式討論会を正式に拒否した。これでオバマは選挙委員会が決めている最低限の司会者を立てた三回の討論に合意するのみとなった。
おもしろいのは、この討論会を巡って、これまで結構オバマ支持だった主流メディアの報道の仕方が多少変わって来たことである。普通討論会を求めるのは不利な立場にある候補者と相場は決まっている。勝っている人間がわざわざ討論などする必要はないからだ。だから支持率で勝っている方が度重なる討論会など無駄だと判断したとしても決しておかしくはない。にもかかわらず、主流メディアはオバマの態度に批判的である。
昨日のAP記事の見出しは『オバマ、マケインの討論挑戦に退く』(Obama backs away from McCain’s debate challenge)とあり、オバマの逃げ腰を強調。
先月30日のサンフランシスコクロニクルの社説では、オバマを正式にマケインが提案した討論に招待すると招待宣言が載った。サンフランシスコクロニクルと言えばリベラルで有名。マケインにはおよそ友好的とはいえない。その新聞社主催の討論会をオバマが拒絶すれば、リベラル市民の間ですらオバマはマケインから逃げていると思われること必定。
オバマの報道官は単に三回の討論に同意したのであって、他の討論会に参加しないと決めた訳ではないと説明している。
主流メディアは先月のオバマの海外遠征キャンペーンの間、オバマが記者会見も開かず記者からの質問に全く答えなかった態度にかなり腹を立てているようだ。帰国してからもオバマは大統領候補としては驚くほど少ない回数しか記者達の質問に答えていない。海外遠征の後も期待されたほどオバマの支持率は上がっていないし、かえってマケインとの差が縮まってしまった。
オバマはこのまま難しい質問を避けて選挙に及びたいのかもしれないが、今はまだ8月が始まったばかりである。マケインとの差が20ポイントくらいあるというならともかく、今の差はせいぜい3点。11月までには3ヶ月以上あるのだ。主流メディアが協力してくれたとしてもこのまま三ヶ月も逃げ切るのは不可能。しかもオバマは味方であるメディアを怒らせる行為を続けている。メディアがいつまでも甘い顔をしてくれると思うならオバマはまだまだケツが青い。
オバマはいずれマケインの挑戦に受けて立たなければならない。一国の大統領になろうという人間が、ライバル候補との討論もまともに出来ないと思われては選挙で勝つなどかなり難しいのではいだろうか?


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マケインのオバマ攻撃激化、差別被害者意識が裏目に出たオバマ

ここ数日、マケイン側の激化するオバマ攻撃に、オバマはかなりビビっている様子だ。
先日オバマは選挙演説の中で、マケインについてこんなことを語った。

経済難に面している選挙戦州において、オバマは水曜日、ブッシュ大統領とマケインは脅し作戦でホワイトハウスの実権を保持しようとするだろうと語った。 なぜなら彼らには他に有権者に与えるものがないからだと。

「ブッシュとマケインが我々が直面する問題の答えを盛っているとは考えていません。ですから彼らは皆さんに私を怖がらせようとするでしょう。」とオバマ。「いいですか、彼は愛国精神が足りないとか、名前が変だとか、ドル紙幣に載ってる歴代の大統領たちには似ていないとか言って。」

明らかにアフリカ系の名字を持ち、歴代の白人の大統領とは顔が似ていないという言い方は、オバマはマケインとブッシュがオバマの人種を持ち出してきて批判するだろうと予測して批判していることになる。
もちろんマケインもブッシュもオバマの人種について一言も言及したことはないので、これは完全にオバマの言いがかりである。
マケイン側からは正式な抗議はなかったが、オバマがマケインを人種差別者扱いしたことで批評家の間からは、オバマは人種を超えた新しい候補などと言ってみても、結局切羽詰まると何でも人種を言い訳にするこれまでの黒人運動家となんら変わりはないとして、オバマを強く批判する声があがった。
オバマ側もこれはまずいと思ったのか、すぐに訂正の声明文を発表し、自分の発言は決してマケインが人種差別をしているという意味で言ったのではないと反論したが、その反論でオバマのアメリカ歴史に関する無知がさらけだされるという失態がおきてしまった。

オバマのロバート・ギブス報道官は、オバマ議員は人種について語っていたのではないと説明した。
「バラク・オバマが話していたことは、ワシントンで何十年も過ごしてから来た人間ではないということです。」とギブスは木曜日語った。「単に彼は自分が政治の社会では新しいという以上の意味ではありません。彼は他人の歴史を引きずって来たわけではないという事実を語っていたのです。人種とは関係ありません。」

オバマは歴史を引きずってないというより、歴史を知らないと言った方が的確だ。オバマのいうドル札に絵がのっている歴代の大統領がワシントンで過ごした時間を振り返ってみよう。

  • 1ドル紙幣のジョージ・ワシントン初代大統領は、元軍人。最初の政治活動はまだ合衆国になる前のバージニア州の下院議員。今で言う政治の中心という意味でのワシントンは、当時のニューヨークかフィラデルフィアだが、それを全部合わせてもワシントン大統領が『ワシントン』に駐在したのは三年程度、オバマより一年すくない。
  • 2ドル札のトーマス・ジェファーソンは色々やったので、合計すると10年だが、ギブスのいう何十年とはほど遠い。
  • 5ドル札のエイブラハム・リンカーンは、下院議員を一期やったのみの2年間。
  • 10ドル札のアレキサンダー・ハミルトンは大統領だったことはないが、ギブス氏はそのことを知っているのかな?
  • 20ドル札のアンドリュー・ジャクソンは色々やったが30年間のうちワシントンでの駐在はせいぜい5年程度。
  • 100ドル札のベンジャミン・フランクリンは大統領ではなかったし、外交官としてフランスに長く駐在していたが、ワシントンでの駐在期間ゼロ。

要するに、ワシントンで何十年も政治活動をした歴代の大統領などドル紙幣には一人も載っていないのである。ではいったいオバマは何を理由にドル紙幣を持ち出したのか。
ま、もっともオバマは確かにこれらの偉大なる人物とは根本的に異なることがある。ワシントンにしろリンカーンにしろジェファーソンにしろ大統領になる前にすでに軍人とか弁護士とか外交官などといった国民の誰もが知る功績を残している。オバマのこれまでの功績といったら、、、ゼロ。
オバマは激化するマケインからの攻撃に対して、マケインは人種差別者ではないが、シニカルな攻撃で大事な問題から話題をそらそうとしていると反撃した。これに対してマケインはオバマこそありもしない人種差別を持ち出してきて話題をそらそうとしているではないかと反撃した。
現にオバマは大事なエネルギー問題ではアメリカ沿岸の原油発掘を支持する姿勢を見せている。エネルギー危機を原油発掘では解決出来ないと主張していたオバマは、有権者からの圧力を感じて意見を変えざる負えなくなっているのだ。そういうことをあまり深く突っ込まれては困るので、反対に共和党の選挙運動が汚いと攻撃しているのが見え見えである。
ところでマケインのオバマ攻撃はかなり面白い。マケインのテレビコマーシャルではオバマをブリットニー・スピヤースやパリス・ヒルトンに例えて、上辺だけで中身のない単なるセレブと指摘。また、マケイン側が出した新しいコマーシャルではオバマは救世主気取りだとして、映画「十戒」からチャールトン・ヘストンのモーゼスの映像を出して来て、オバマがアメリカ市民を約束の土地につれていく、といった信仰的なオバマの選挙運動をおちょくっている。
オバマがマケインのこの程度の攻撃にびびっているんじゃ、この先とても大統領候補としては勤まらないだろう。ましてや実際に大統領をやろうだなんて10年早いんだよ。(10年後ではもっと危険だが、、、)
アップデート:報道官がオバマは人種について話していたのではないと説明した舌の根もかわかないうちに、オバマは自分の発言に人種問題が全く関わっていなかったという言い方は正しくないと、訂正を訂正した。

「私のコメントが人種とは一切関係ないという言い方は正しいとは思えません。」とオバマは語った。「私が言おうとしたことはこういうことで、誰も異論はないのです。大統領選挙にいたっては、私は中央配役事務所からは来ていない。 色々な理由から、私は若い、私は国内政治のシーンには新しい、私の名前はバラク・オバマ、私はアフリカ系アメリカ人(黒人)そして私はハワイ生まれでインドネシアでしばらく過ごしました。私は大統領候補として一般的な履歴は持っていません。」

オバマがそういう意味でこの発言をしたのだとしたら、マケイン側の批判は正しいではないか。オバマはマケインがオバマの人種を使って汚いキャンペーンをしてくるだろうと予測した。相手がしていないことをしたとか、するだろうとか言って先に攻撃するやり方は汚くないのか?
今後は自分の報道官が口を開く前にちゃんと相談しておくことだな。
ところで、オバマはマケインがオバマの背景を出してオバマに大統領をやらせるのは危ないと主張しているというが、これのどこが汚いやり方なのだろうか?相手の経験不足を指摘して、政治家として一度も試されていない人間を最初から大統領にするのは危険が大きすぎると指摘することは非常に妥当な議論だと思うが。


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ガソリン値上がりで庶民の苦労など興味がない米民主党

アメリカの議会は本日が最後で夏休みに入るが、議会はエネルギー法案について決議を出すどころか、民主党のナンシー・ペロシ議長が投票に持って行くのを拒否したため、共和党の国内の現油田発掘を提案するエネルギー法案は投票されないまま夏休み後に持ち越されることとなった。
ところが、共和党の下院議員達は、ガソリンの値上がりで苦しんでいる有権者を尻目に解決策も決議せずに自分たちだけ長期の夏休みにはいるなど言語同断と国会議事堂に居座り議論を続けた
これに腹をたてた民主党のペロシ議長は、議事堂の電源を切り、議事堂の扉に鍵をかけ、取材に来ていた記者団に共和党の議論を報道するなと命令して議事堂の警備員に記者たちを強制的に追い出そうとした。
共和党議員と記者団と警備員との間でかなりもめたあと、結局警備員たちが退いて、記者達は共和党の議論を取材したという。ペロシ議長は記者団たちにこの模様を放映するなと警告したというが夜のニュースで放映されたかどうかは疑問。
さて、これが起きるまえ、上院議会ではどのような議論がされていたのかをミスター苺が紹介しているが、共和党と民主党議員との会話に信じられないようなやり取りがあったので、こちらでも紹介しておこう。
先日もお話したように、アメリカ国内の原油発掘はどういうわけかアメリカの法律で禁止されており、その法律の見直しが一年に一度されている。先日のブッシュ大統領の解禁宣言を受けて共和党下院ではこの法律の見直しをして、原油発掘を解禁しようと提案している訳だ。
共和党リーダーのミッチ・マッコーネル議員が、全国平均のガソリンの値段が1ガロンで4ドル50セントになった場合には、緊急事態として国内の原油発掘解禁を議会一致で決定しようと提案した。上院議会では一人でもこれに異議を唱える議員が居た場合には全員一致というわけにはいかないので、この提案は通らないことになっている。
それでこの提案に対して、民主党のケン・サルザー議員は異議を唱えた。そこですかさずマッコーネル議員は、それでは1ガロン7ドルになったらという条件付きではどうかと提案したが、サルザー議員はそれにも反対。マッコーネルはどんどん限界額を引き上げて、なんと1ガロン10ドルを最大限としようと提案。それでもサルザー議員は反対。このやり取りはユートゥーブで観られるので、英語に自信のあるかたはご覧いただきたい。
要するに、民主党議員は一般庶民が1ガロン10ドル(1リットル 260円相当)になっても自国で時給できる原油の発掘を許可しないと言い切ったのである。民主党は常に庶民の味方だと自負している割には庶民の生活苦などまったく無頓着なこの態度はどうだろうか。
次の一般選挙で立候補している共和党議員や候補たちは、民主党のエネルギー問題への無責任さを指摘すべきである。そして民主党のエネルギー問題の解決法といえば、単に税金を上げることしかないのだということも強調すべきだ。ガソリンの値上がりは庶民の生活に直接影響を及ぼすことであり、今日明日の生活に関わることなのだ。それについて民主党は決議もせずに夏休みに入ったということだけでも腹立たしい限りだが、議論を続けようとした共和党の努力を阻止したり、その模様を報道しようとした記者達の言論の自由を迫害しようとしたことなども、共和党は今後の選挙運動でフルに利用して民主党の恐ろしさを強調すべきである。
今回の選挙にはイラク戦況の悪化というアルバトラスが存在しない分、共和党は国内の経済問題に目を向けることが出来る。税金引き上げと国民の自由を奪う法律以外に興味のない民主党が圧勝する理由など全くないのだ。共和党は是非このことを強調して選挙運動に挑んでほしい。


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