カイル・リッテンハウス無罪!

本日11月19日の午後(アメリカ西海岸時間)カイル君の無罪評決が発表された。カイル君は去年の8月25日、ケノーシャで起きた暴動中に暴動に参加していた暴徒数人に襲われ、二人を射殺一人を負傷させ殺人罪を含む5つの罪に問われていた。ひとつひとつの罪が読み上げられ、それが次から次へと「無罪」「無罪」が続き、五つ目の「無罪」を聞いた時には私は思わず声を上げて泣いてしまった。

すべての無罪判決を聞いた時のカイル君の反応。

何度も書いたように、裁判の様子をずっと追っていた人々にしたら、カイル君の行為は完全なる正当防衛と解るのだが、今の世の中、陪審員の身元が晒される可能性は非常に大きい。そしてBLMやANTIFAの連中が、カイル君が無罪になったらケノーシャで暴れてやると脅迫していたし、裁判所の前にはすでにカイルを吊し上げろとばかりにBLM/ANTIFA連中が集まってきていた。そんななかで正しい評決を下すのはどれほど勇気のいることだっただろう。陪審員の皆さん、ご苦労さまでした。そして本当にありがとう!

この裁判はカイル君だけの裁判ではなかった。この裁判の結果によっては、アメリカ人に正当防衛の権利はないとされる可能性があったからだ。あんな状況で反撃することが許されないと言うなら、どんな反撃も許されはしない。正当防衛は全く認められないということになる。

ともかくよかった。


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カイル・リッテンハウスは英雄だ!

二日続けてカイル・リッテンハウスは英雄ではないというエッセーを読んだので、何故カイル・リッテンハウスは英雄なのかという話をしたい。このエッセーを書いたのはナショナル・レビューなどで記事を書いていた保守系政治評論家のデイビッド・フレンチ。フレンチは体制派保守系でネバートランパー。私は今までフレンチの書いたものに同意したことがないが、今回も例外ではない。

まずフレンチはカイルはこの裁判で無罪になる可能性は高いが、トランピスト(トランプ派)達が彼を英雄として担ぎ上げるのは間違っていると始める。裁判が検察側にとって有利に進んでいない理由は、正当防衛法は事件が起きた直前の状況だけを考慮に入れるため、どんな愚か者にでも正当防衛の権利があるとするからだと語る。

フレンチは「ビデオや証言の証拠が見せたものは、危険な場所で混乱して孤立した大人の武器を持った17歳の少年だった。」とし、カイルが男たちに追いかけまわされてペド変態男ジョセフ・ローゼンバウムを撃ったこと、スケボ男のフーバーに殴られて蹴られそうになって撃ったこと、ピストル男のグロスガーツに銃を向けられてグロスガーツの腕を撃ったことを羅列し、直接的にカイルが危険にさらされていたことも、その時点でのカイルの行動は法律上正当であったことも認めながらも、カイルの行動は道徳的に正しくなかったと結論付ける。

フレンチ自身は市民が銃を持つ権利を支持しており、自分も危険にさらされた場合には銃を使ったこともあるという。だが銃携帯とオープンに銃を持ち歩く素人自警団とでは全く話が違うという。そして自分や家族の身が危険にさらされて最後の手段として使うのと、銃を威嚇のために持ち歩くのでは雲泥の差があるというのだ。

そしてフレンチはカイルを英雄のように讃えている右翼連中たちは自分らの子どもに銃を持たせて暴動に送り出すなんてことは全体にしないはずだと言い張る。

カイル君は確かに17歳だったが子供ではない。ウイスコンシンでは16歳以上の未成年がライフルを所持し持ち歩くことは違法ではない。しかもカイル君は大人としてこの裁判にかけられている。彼の犯したとされる罪が大人の犯罪だというなら、彼が地元の町を守ろうとしたことも大人の行動だと認めるべきだ。

アメリカでは18歳から軍隊への入隊が許可されている。第二次世界大戦中は17歳の少年たちが歳を偽って軍隊に入隊するなどということがよくあった。それは何故か?国が危険にさらされていると感じた正義感強い若者が我先にと立ち上がったせいだ。

フレンチはカイル君のような愚かな若者を英雄として崇めたてれれば、これからも多くの若者が同じようなことをするだろうと言う。(メディアが犯罪者のジョージ・フロイドを聖人のように崇めてるようにか?)州が暴動を放置したことは問題だが、訓練もうけてない一般人が武装して町を繰り出したらそれこそもっと危険な状況になるという。(警察がなにもせずに暴徒が町を二日間も火の海にしていたことはいいのか?)

カイル君は治安維持に貢献したり暴動を止めることに役立たなかった、そして二人の人間が死に一人が怪我をするという結果を招き、彼自身がアクティブシューターと化したのだとフレンチは言う。(アクティブシューターとは乱射人間のこを指す。カイル君は乱射などしていない)

フレンチは自分はアメリカ憲法補正案第二条で保証されている一般市民が銃を持つ権利を支持しており、自分も自分や家族を守るために銃を携帯していると自慢しているが、銃を持ってるだけでいざという時に使えなかったら何の意味があるのだ?

ここで憲法補正案第二条をもう一度読み返してみよう。

“A well-regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.” 

「自由国家の安全のためには統率された民兵が必要であるため、人々が銃を所持し携帯する権利は侵害されてはならない」

ここでいうミリシャ(民兵)とは正規軍や警察のことではなく、ごく一般市民のことを指す。つまりアメリカ人は、いざという時には銃を取って戦う義務を課された民兵とならなければならないという意味だ。このいざという時というのは外敵がアメリカを責めて来た時だけでなく、国内でBLM/ANTFAのような暴徒が暴れて町を焼き払ったり略奪したり殺人を犯したりする時も含まれる。

カイル君のやったことは、まさにこの第二条に書かれていることをそのままなのだ。フレンチが本当に第二条を支持しているならば、そのくらいのことは理解できたはずだ。

カイル君にとってケノーシャは地元だ。父親の家もあり親戚や友達も多く住んでいる。その地元たちが暴徒たちの手で焼野原にされ略奪され地元民の危険が脅かされているときに、正義感強い17歳の青年に黙って家でテレビでも観てろというのか?フレンチは自分にはそんな勇気がないから勇気あるカイル君は愚か者だとさげすむことで自己満足してるだけじゃないか。

多くの人が無視しているが、あの晩武装して町の警備にあたったのはカイル君だけではない。多くのボランティアが銃を構えて警備にあたっていたのだ。その中にはカイル君と組んで警備をしていた元陸軍兵のバルチなどもいた。そして、そのおかげでそれまで酷い暴動が起きていたケノーシャでは、略奪も大きな火災も起きなかったのだ。

ここで1992年に起きたロサンゼルス暴動を思い出していただきたい。あの時ロサンゼルス市内では警察の姿は全く見られなかった。韓国人街の商店は暴徒らに略奪の被害にあった。そこで店の経営者や親せきや家族などが店の屋根からライフルを構えて略奪者に向かって発砲するという事態が生じた。いわゆる「屋根の上の韓国人」たちである。

何日も続いたあの暴動で銃を構えて地元を守ったのは彼らだけではない。わがミスター苺も暴動の真っただ中で自分の住んでいたアパートが脅威にさらされていた。ミスター苺と近所の人たちは自分たちの住居に続く道の入り口にバリケードを作り、ラテン系や黒人や白人のご近所さん達が一緒になって銃を持って暴徒らが道に入ってこないように防衛したのである。

時のLA市長はこれ以上暴力が拡大しないようにと銃砲や銃弾の販売を一時停止した。銃弾が足りなくなったミスター苺の元に遠方から友達が危険を顧みずに銃弾を持ってきてくれた。カイル君よりずっと遠いところに住んでた友達だ。あの時のルーフトップコリアンたちもミスター苺やご近所さんたちも、みんな英雄だ。アメリカはそういう国なのだ。そうでなければならないのだ。

カイル君は英雄だ。そしてカイル君のような若者がもっと大勢街に繰り出して自警をしてくれたら、BLMやANTIFAも手が出せなくなる。左翼暴力団たちが何故我が物顔で略奪を繰り返すのかといえば、左翼政治家たちが警察の予算を削り、ちゃんと仕事をしている警察官たちを人種差別者であるかのように扱って、警察という組織を弱体化させたからである。

警察が頼りにならなければ、地元市民が立ち上がるのは当然の話だ。すべてのアメリカ人がフレンチみたいな腰抜けばかりだったら、アメリカは本物の国内テロリストであるBLM/ANTIFAに乗っ取られてしまうのだ。それでもいいのか?

カイル・リッテンハウスは英雄だ。17歳の青年が、アメリカ人が身をもってアメリカ人があるべき姿を見せてくれたのだ。カイル君が無実となることを切に願う。


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カイル・リッテンハウスに腕を撃たれた男、法廷証言の後テレビインタビューで嘘を垂れ流す

先日、カイル・リッテンハウスの裁判でカイルに撃たれたのは自分がカイルに銃を向けた後だったと証言したゲイジ・グロスガーツ(26歳白人)は、ここ2~3日あちこちのテレビに出演し、自分はカイルの犠牲者だカイルこそが攻撃者だと嘘を触れ回っている。

メディアは最初からグロスガーツのことをパラメディック(緊急医療隊員)と表現し、あたかも彼がケノーシャに居たのは抗議で怪我人が出た場合に手当にあたるために待機していたかのように紹介していた。NBCなどは未だにグロスガーツのことをパラメディックと表現している。

ゲイジ・グロスガーツ

「カイル・リッテンハウスは『アクティブシューター』と怪我をしたパラメディック」という見出しでNBCはここでもグロスガーツはあくまでもカイル君の犠牲者だという言いかたを変えていない。

しかしグロスガーツが実際にパラメディックであったという事実ははっきりしないだけでなく、ケノーシャでの暴動の当日、彼がパラメディックとして負傷者の治療に当たっていたという事実も見つからない。例えばカイル君はライフガードで実際に当日救急箱を担いで人々の治療に当たっていたビデオがいくらもあるが、グロスガーツがそういうことをしていた映像はまるでない。

実際にグロスガーツとはどういう人間なのか。

ゲイジ・グロスガーツ26歳は、ピープルオブレボルーションムーブメント(人民革命運動)というグループのめんばーと言われている。本人は自分はメンバーではないと言っているが、同団体の集会で「革命よ永遠に!」などといって演説をしたこともあるくらいなので、メンバーではないとしても親密なつながりがあることは確かである。

また、この男にはいくつも前科がある。2010年から2020年にわたり、DVをはじめ器物破損、窃盗、傷害、酔っ払い運転などなど、酔っぱらって銃を発砲したなど、少なくとも六つの犯罪歴がある。

カイル君がライフルを持っていたのが違法だという嘘報道が横行しているが、グロスガーツこそピストルを合法に所持する許可証を持っていなかった。これだけの犯罪歴のある人間が合法に銃を所持することが可能なはずはない。このことはグロスガーツ自身が法廷で認めたことだ。

メディアはグロスガーツのことを「一人だけの生存者」などと表現し、あたかもカイル君が乱射事件を起こして何十人も殺したなかで一人だけ生き残ったかのような報道だ。しかしこの男が死ななかったのは、カイル君の射撃の腕が良かったからで、あの状況では胸や頭を撃たれてもおかしくなかったのだ。

その瞬間のスローモーションビデオ。両手を挙げたグロスガーツから一旦銃を地面に向けたカイル。だがグロスガーツがその後すぐカイルの左側に行こうとして銃をカイルに向けるのがうかがわれる。

カイル君にピストルを向けてカイル君に撃たれた瞬間のグロスガーツ

弁護側:あなたが彼(カイル)に銃を向け前進した後で、彼は発砲したのですよね?

グロスガーツ:はい

ではいったいグロスガーツは何のためにテレビに出まくって嘘を垂れ流しているのだろうか?

まずグロスガーツはケノーシャ警察が自警団と協力したために自分は負傷したとして、市を相手取って損害賠償を請求する訴訟をおこしている。カイル君が無罪になれば彼の訴訟もおじゃんになるので、グロスガーツとしてはカイル君の無罪は非常に都合が悪い。

それだけでなく、カイル君が無罪なら、グロスガーツの方がカイル君を殺そうとした攻撃者ということになり、グロスガーツ自身が殺人未遂や違法に銃を所持していた件などで起訴される可能性もあるのだ。

たとえ刑事事件での起訴は免れても、カイル君から民事訴訟を起こされる可能性がある。私がカイル君なら絶対にグロスガーツを訴える。

つまり、グロスガーツは今必死に保身の状況にある。多々の訴訟が起きる前に自分は犠牲者なのだという印象を人々の心に植え付けておこうという魂胆なのである。


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カイル・リッテンハウス裁判、発狂する左翼メディア

中立な立場からこの裁判を見てる人からしたら、カイル君が無罪なのは明白なのだが、カイル君が白人至上主義の殺人犯だと思い込んでる左翼メディアには同じ裁判を見ていても全く違う印象を受けるようだ。

常に自分と同じ意見の人の話しばかり聞いていることをエコーチェンバーに居るという表現をするが、私もそうなってはいけないと思うので、今日はこのMSNBCの記者の意見を読んでみたいと思う。(Kyle Rittenhouse’s white crocodile tears hold value in America(アメリカの価値観を示すカイル・リッテンハウスの白いウソ泣き涙)ジョハン・ジョーンズ著)

ジョーンズはカイルが昨日証言したのは弁護側の自信を示すものだとし、その自信はブルース・シュローダー裁判長が弁護側に同情的な偏見を持っているからだと主張。すでに検察側がカイルが違法自警団員だったことを証明する多々の証拠をシュローダー判事は事件には無関係であり偏見を与えるものだとして提示を不許可したことを指摘。

抗議者の一人であるジョセフ・ローゼンバウムを撃った瞬間について証言した時、リッテンハウスは鼻水をすすり、震え、顔をゆがめ、頬をふくらませるなど、新米役者が悲しみを伝えるすべての表現を使った。一生懸命涙をだそうとしながら法廷を見渡す様子が映っている。写真では一粒の涙が顔をつたっているがこれは本当に泣いているのか、泣こうとして汗が出たのかわからなかった。

これはラズィー賞にふさわしい演技だ。もっとも私はこの病的なショーの対象観客ではないが。

ジョーンズはこの裁判がほとんど白人ばかりの陪審員の前で行われていること、そして裁判長も白人であることを指摘。白人の自警団員の罪が黙認され時として奨励されたりする国ではリッテンハウスの涙は価値があると言う。ジョーンズはこの裁判は最初から白人の暴力的な青年を英雄として扱う茶番劇であり、殺人を自慢するカイルをあたかも消極的な殺人犯であったかのように描写することに成功していると語る。

全くバカバカしい限りだ。もしアメリカがジョーンズの言うような社会だったのなら、カイル君が起訴されたこと自体がおかしいではないか。本来なら逮捕すらされるべきではない行為だ。

それに保守派を英雄に仕立て上げたいアメリカにしては許可証もないのに違法に銃を携帯し、カイル君に銃を向けたゲイジ・グロスワークが何の罪にも問われていないのは何故だ?それをいうなら、当日ケノーシャで暴動を起こして放火したり略奪したり器物破損をしたANTIFA/BLMの一人も逮捕されていないことをどう説明するのだ?

しかし、ジョーンズの意見の行間を読むと、ジョーンズ自身、この裁判はカイル君に有利に進んでいると認めていることになる。ジョーンズは裁判で提示された証拠を何一つ上げずに、単に裁判官や陪審員が白人だとか、カイル君はウソ泣きをしているとか読者に偏見を与える発言をしているに過ぎない。

これで陪審員が公平ならこの裁判はすでに弁護側の勝利は間違いないのだが、まだまだ結果は解らない。

おまけ:

CNN:ズーム会議中に下半身裸で自慰をして一時謹慎処分になっていた法廷アナリストのジェフェリー・トービンは、カイルにとって馬鹿なのは犯罪じゃなくて幸運だったと発言。「どこの17歳の馬鹿が暴動中に大きな鉄砲を持って出かけていくんだ?彼は銃所持許可証ももっていなかった、訓練も受けていなかった、AR-15で落書きを消そうとでも思っていたいのか?なんという馬鹿げた行為だ。何か悪いことが起きると思わなかったのか?いや、悪いことはたくさん起きた。「カイル・リッテンハウスにとって良いニュース彼は馬鹿であることで裁判にかけられてるわけじゃないってことだ。」トービン、馬鹿はお前だよ。

MSNBC:トービンに勝るとも劣らぬ馬鹿なのがジョイ・リード。彼女はカイルの件こそがアメリカに批判的人種理論が必要な証拠だと語った。カイルは新ジョージ・ズィマーマンだとし、白人の陪審員の前で泣いて見せて同情を買おうとしたと決めつけた。そして追悼されるべきはカイルに撃たれた三人だと主張。リードはカイルの撃たれたのが9歳から11歳の子どもを強姦したペドを含めて全員前科何犯の犯罪者だったことも視聴者に知らせたのかな?そしてカイルが撃った三人が三人とも白人だったこともお忘れなく。白人至上主義者が撃つにしては人種がちがうような?


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カイル・リッテンハウス、検察側の厳しい反対尋問を生き延びる

さて、昨日の裁判後半は検察側によるカイル君への厳しい反対尋問だった。弁護士の基本として、被告に証言をさせないのが定番だ。たとえ被告が無罪だとはっきりしている場合でも、有能な検察官の巧みな話術にひっかかって、被告人が変なことを言う可能性は多いにありうるからだ。今回の裁判でも、すでに検察側の証人によりカイル君の無罪は証明されているようなものなので、このまま弁護側は無難な作戦で押し通すべきという考えが観覧席の弁護士たちの意見だった。

なので昨日、カイル君が証言台に立った時は私は非常に不安だった。最初の弁護側の質問にすらカイル君はかなり緊張気味に答えていたし、一時は感情に負けて泣いてしまったりもしたので、このまま検察側の意地の悪い尋問に耐えきれるだろうかと本当に心配だった。しかし、蓋を開けてみると、カイル君は歳と風貌に似合わずかなりタフな青年であることがわかった。

今日も弁護士のリチャード・ブランカのリポートから読んでいこう。弁護士はマーク・リチャード、検察側は服検察官ビンガー。最初にお断りしておくが、私は日本語の法律用語を良く知らないので、一応英語で書いておく。後で時間のある時に正しい邦訳を付け加えることにする。

まず最初に冒頭で検察側は違法に近い質問をして裁判官から警告を受けるという場面があった。日本でもそうだがアメリカでは黙秘権というものがある。つまり自分に都合が悪くなるような証言は弁護士の立ち合いなしにしなくても良いと言う法律だ。だから容疑者が逮捕されるときにはミランダライツといって警官は「あなたには沈黙を守る権利がある。もし何か証言すればそれがあなたに不利になるように使われる可能性がある。」とはっきり容疑者の権利を宣告しなければならないのだ。

にも拘わらず、検察側は幾度となく「あなたが自分の立場を説明するのは事件以来これがはじめてですね」と質問した。ビンガーはカイル君が逮捕されてからこれまで色々なビデオを観たり他人から話を聞いたり、この裁判での証言の数々を聞いた後で、自分の話と辻褄を合わせているのではないかと問いかけたのである。これはあたかもカイル君が逮捕されてから沈黙を守っていたことが違法であるかのように陪審員に印象付ける質問である。

これは場合によってミストライアルになる可能性のある反則である。ミストライアルとは、裁判中に規則違反が起きて、それ以上公平な裁判が不可能となった場合に裁判を打ち切りにすることだ。しかしこの場合、もう一度裁判を最初からやり直す場合と、ウイズプレジャディスと言って裁判はこれで終わり、被告は無罪放免となり同じ罪でまた罪に問われることはないという場合とがある。

弁護側は検察側の規則違反はこのミストライアルウイズプレジャディスの該当すると訴えた。

ビンガーはカイル君が事件後に雑誌のインタビューに答えていることから、彼はすでに黙秘権を棄権したと主張した。しかしこのインタビューでカイル君が事件について語ったかどうかという詳細について裁判官がビンガーを問い詰めるとビンガーは口を濁した。ブランカによると、もし検察側がこのインタビューの内容を反対尋問で使うつもりであったなら、その証拠を陪審員の居ない場所で裁判官に提出して使用許可を得るべきだったが、それをしなかったのはビンガーがいうような内容ではなかったのではないかということだ。

もうひとつ裁判官が怒った理由となったのは、ビンガーがカイルがCVSドラッグストアの前で略奪を目撃した時のビデオを使おうとしたことだ。この時カイルは車の中におり、「今ライフルをもっていたら、奴らの方にぶっぱなしてやれるのに」と仲間と話している動画だ。しかしカイルはその時銃をもっておらず、単に911(警察)に電話しただけだった。事件には無関係なので裁判官がこれを証拠として使うことは許可していなかった。

何故弁護側は普通被告に証言させないのかというと、一つ目は、たいていの被告は有罪であり、しかもそれまでにも色々犯罪を犯しているため、反対尋問でぼろが出てしまう可能性が高いことが挙げられる。二つ目はたとえ無罪だったとしても品行方正な善人でもない限り、他人から見るとおかしいと思われる過去がある、南部軍の旗がガラージにおいてあるとか。三つ目に、たとえ上記のようなことがなくても検察官が被告の証言を歪曲して次の質問に使い、陪審員にあたかも被告がおかしな発言をしたかのように印象付ける可能性がある。また、意地悪な質問をして被告が感情的になり、自分に不利な発言をしてしまう可能性がある。

だから多少弁護側に有利になるような情報が得られるとしても、被告の証言は益より害の方が大きいため、危険を犯してまでやる価値はないと思われているのだ。しかし幸いなことに、カイル君の証言では上記のようなこと危険は免れた。

まずカイル君には前科がない。また17歳の子どもにありがちな生意気な発言があったとしても、ぼろが出るようなことはしてきていない。シュローダー裁判官は陪審員に偏見を持たせるような事件と関係のない証拠は認めなかったため、1と2はクリアできた。しかし三番目の検察官による歪曲や煽りに関してはカイル君の反応次第だった。

ビンガーの反対尋問はなんと三時間にもわたった。しかしブランカによれば、この長ったらしい尋問の間、事件の核心となるようなものは何も出てこなかった。

まずすべての質問に関してビンガーは上から目線でカイルを見下した態度に満ちていた。明らかにカイルの感情を掻き立てようという魂胆が見え見えだった。ビンガーは何度もカイルが人殺しをしたかったんだろうと問い詰めた。

検察:あなたが撃ったすべての人を殺すつもりでしたね。

カイル:殺すつもりはありませんでした。僕を攻撃している人たちを止めるつもりでした。

検察:殺すことによって。

カイル:相手を止めるためにやらなければならないことをしただけです。

検察:殺すことによって。

カイル:二人は亡くなりました。僕を脅かしていた脅威を止めました。

検察:致命的な力を使うことによって。

カイル:致命的な力を使いました。

検察:それが相手を殺すことになると知っていてですね。

カイル:相手が死ぬかどうかは解りませんでした。致命的な力を使って僕を攻撃していた脅威を止めたのです。

とまあこんな感じだ。またビンガーはカイルがAR-15を持っていたことが違法であると強調した。しかしカイルはこれに関してかなり効果的に反論した。

まずウイスコンシンの州法では18歳未満による銃購入は違法ではあるが持ち歩くこと自体は違法ではない。カイル君は知り合いに銃の購入を頼んだが、カイルが18歳になるまで所有権は銃を購入した人が預かるという約束だった。

ビンガーはさらに何故カイルがライフルではなく、もっと使い勝手のよいピストルを購入しなかったのかと詰問。カイルはそれにも未成年がピストルを所持するのは違法だからだと答えた。

往々にしてカイルの反論は非常に良かったのだが、一つだけ問題になる可能性があるのは、カイルが昔アップしたTikTokのアバターがARを掲げたカイルの写真に「有名になろうとしてるだけ」と書かれたものがあったこと。検察側はカイルが有名になりたくてライフルをもってケノーシャに来たのだと印象付けようとしたのだ。

その後ビンガーはカイルが消火作業や怪我人の手当に当たっていたことに関しても、そういうことは普通警察や消防署の仕事ではないのか、なぜ911に電話しなかったのかと問い詰めた。ケノーシャはその前日から暴動で警察も消防署も人手が足りずに手一杯になっていたことは周知の事実であり、こんな時にボヤを消すために消防隊が出動する余裕があったわけない。カイルは冷静にその事実を説明した。

この時点でビンガーの質問は巧妙になった。もしカイルがひとりで消火作業に携われるほど周りが安全だったならライフルは要らなかったはず。もし状況が危険だったならわざわざライフルを持って出かけていくべきではなかった。どっちにしろライフルを持ってカイル君が現場に向かったのは判断が足りなかったと印象付けようとしたわけだ。この手の質問が延々と続いた。

また一時は、カイルが歩いているときに、誰かが「俺に銃をむけただろ!」とカイルに言い寄ってきた時に、カイルが口論を避けようとして「ああ、向けたよ」と皮肉っぽく言って立ち去ったことを、実際にカイルがその男性に銃を向けたと白状したような言い掛かりまでつけた。

そしてビンガーはさらに、ローゼンバウムがカイルのライフルを掴んだことに関しても、だからといってローゼンバウムがカイルに危害を加えるつもりだったとは限らないと主張。しかしカイルはローゼンバウムはカイルが一人になったらぶっ殺すと何度も脅迫していたことを指摘。

またグロスガーツを撃ったことに関してもグロスガーツはピストル、カイルが持っていたのはライフルなので、ライフルの方が強力な武器ではないかなどとアホみたいな質問をした。ピストルを至近距離で撃たれたら確実に死ぬ。どっちがパワフルかなんてことは問題ではない。

そのほかにもどうしてカイルはローゼンバウムやヒューバーやグロスガーツの手当をしなかったのかとか、何故事件現場から逃走したのかと詰問。さて、どうしてでしょうね、何十人という怒った暴徒たちが追っかけて来たってことがヒントじゃないですかね。しかもカイルは両手を挙げたまま警察官たちの居るほうへ走っていったビデオがちゃんと残っているのだ。なにが事件現場から逃走しただ、あほらし!

検察の尋問が延々と続いたため、この日はこれでお開き。

ブランカの個人的な意見としては、この裁判は裁判官によってディスミスウイズプレジャディスで終りにすべきだというもの。検察官の違法行為は目に余るものがある。これを許しておいては法廷の尊厳が保たれない。

DISMISS WITH PREJUDICE (裁判所が“dismiss with prejudice”をしたとすれば、確定力を以て請求を棄却するということであり、原告が同じ請求ができないことを意味する)事実はすでに明白であり、検察側が疑いの余地なく有罪であることを証明するには全く至っていないとして、この裁判を棄却すること。

私もブランカの意見に賛成だ。この裁判はどうみても検察側に理はない。だが、もし決定権を陪審員にゆだねた場合、証拠はどうあれ、陪審員たちが自分たちの身の危険を感じたり暴動の心配をしたりしてカイル君に有罪判決を下す可能性があるからだ。


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カイル・リッテンハウス裁判、カイル君証言台に立つ

裁判は二週目に入り、昨日で検察側の証人証言が終わった。今日から弁護側の証人証言が始まった。先ずはカイル君の証言から始まったが、その話をする前に二日前の衝撃的な証言についてお話しよう。

五日目の証人の一人ゲイジ・グロスカーツ。この男はローゼンバウムを撃った後のカイル君をおいかけて襲い掛かった三人組の一人で、カイル君に腕を撃たれて負傷した。

カイル君はジョセフ・ローゼンバウムから身を守るためにローゼンバウムを撃った後、ローゼンバウムの様子を見ようと近づいたが、他の人間がカイルを追いかけ始めたので、命の危険を感じたカイルは警察のパトカーがある方向に向かって逃げ始めた。その時三人の男たちがカイル君を追いかけた。カイル君が躓いて転ぶと一人の男がカイル君をスケートボードで殴った。もう一人がカイル君の銃を取り上げようとしカイル君はその男に発砲。そこへグロスカーツがピストルを抜いて接近。

グロスガーツは左翼革命とかいう市民団体の一味で、ケノーシャ市を相手取って100万ドルの賠償金訴訟を起こしている。であるからカイル君が有罪になるかどうかで、かれの訴訟が先に進むかどうかが決まるのである。

しかしグロスガーツは自分の証言で、自分がカイル君に近づいたこと、カイル君に向かって銃を向けたこと、カイル君は自分がカイル君に銃を向けるまで発砲しなかったことなどを証言してしまった。この中でも検察側にとってもっとも決定的な打撃となったのはグロスガーツがカイル君に銃を最初に向けたという証言である。

この状況はビデオにも撮られているのだが、グロスガーツはカイル君にライフル銃を向けられ一瞬ピストルを持ったまま両腕をあげ降参するかのように見えた。その瞬間カイル君はグロスガーツに向けた銃を地面に向けた。グロスガーツの証言では、カイル君が銃に新しく弾を詰めているかのように見えたので、自分はカイル君に銃を向けたと証言している。しかしながら、カイル君はグロスガーツに銃を向けられるまで発砲しなかった。こんなはっきりした正当防衛があるだろうか?

さて、本日のカイル君の証言だが、私はカイル君は証言するべきではないと思っていた。なにしろ彼はまだ18歳。いくら事実が彼に有利だとしても、ベテラン検察官にあってはどんな風に証言を歪曲されるかわからないからだ。しかし弁護側の質問に関していえば、カイル君の証言はカイル君に同情を集めるという意味で意義のあるものだったかもしれない。

この事件が起きた直後から、メディアはカイル君を極右翼団体のメンバーで白人至上主義の過激派であるかのように言い続けて来た。17歳の少年が州境界を越えて違法にライフル銃を持って黒人を殺しにケノーシャにやってきて、乱射事件を起こしたかのように表現し続けてきたのだ。いくつものビデオで彼の発砲が明らかに正当防衛であったことがわかっても、「何故彼はそんな場所に銃を持っていたのだ!」と怒鳴り続けて来た。ケノーシャで暴動をおこして 略奪や放火をしていた奴らには何一つ批判的なことを言わなかったにも関わらずである。

しかもビッグテックは彼がオンラインで弁護士費用を募るためのゴーファンドミー口座を閉鎖。フェイスブックや他のSNSでカイル君を弁護するような書き込みはすべて削除。ともかくカイル君が白人至上主義のテロリストだというイメージを植え付けて来た。

しかし、今回の彼の証言で、カイル君が何故あの夜にケノーシャに居たのか、そしてカイル君はそこでなにをしていたのかがはっきりした。

まずカイル君が州を越えてケノーシャにやってきたと言うのも、彼は州境を隔てた車で20分というところに住んでおり、自宅は州外でも働いていたのはケノーシャだった。彼の通勤距離はカリフォルニア州内で働く私の通勤距離よりずっと短い。彼の親戚も多くケノーシャに住んでおり、州が違うとは言っても、ほんの隣町の市なのである。

また、カイル君は銃を家から持参したのではなく、ケノーシャに着いてから彼の知り合いのカーディーラーから銃を渡されている。だから未成年が銃を持って州境界を越えたという話も嘘である。

カイル君は事件が起きる前に何時間にもわたって落書きを消したり、怪我人の治療にあたったり、放火された教会や学校の消火作業にあたるなどのボランティア活動を行っていた。この状況は先日お話したデイリーコーラー誌の記者が密着取材でずっと録画していたが、今日の証言でカイルはまた自分が何をしにケノーシャに行ったのか、その詳細について語った。こんな善良な好青年が他にいるだろうか?

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グロスガーツが撃たれた瞬間。赤い円内にグロスガーツの銃が見える。

カイル君の証言が三人の男たちに同時に襲われたところに差し掛かった時、カイル君は沸き起こる感情に耐え切れずに泣き出してしまった。考えても見てほしい。彼はたったの17歳。回り中が燃えてるなか「あいつを捕まえろ!」「ぶっ殺せ!」と怒鳴りながら追いかけて来る暴徒たち。いくら自分を守るためとはいえ二人の命を奪ったことに関して、彼がどれだけのショックを受けたことか。そしてその後の執拗なまでのメディアの攻撃。私も観ていて涙が止まらなかったよ。

私はもうこれまでに、この事件については十分すぎるほどの情報を持っていると思っていたが、カイル君の証言で私が知らなかったことが明らかになった。それはまず、カイル君が男たちから逃げて警察官たちが居る方向へ走っていた最中カイル君はなんどか躓き最後にころんでしまう。それというのも誰かが彼にコンクリートの塊を投げつけ、それが彼の頭の後部にあたって、頭がクラっとしたからだという。

転んで尻もちをついた状態になっているところにフーバーという男がカイル君に乗りかかり、ライフルの筒を掴んで銃を取り上げようとしたのをカイル君が発砲。男は即死。次にスケートボードを持った男がカイル君の頭をスケートボードで殴る。そこへグロスガーツがピストルを抜いてカイルに覆いかかる。

カイル君の凄いところは、このような状況にありながら、自分に脅威となる人とそうでない人との区別をしっかり付けたことである。グロスガーツは一旦カイル君に降参するような姿勢を取った。その時グロスガーツはカイル君がジャムした銃をクリアしたと証言していたが、カイル君はそんなことはしていないと証言。グロスガーツが両腕を挙げたので銃の向きを変えたというのだ。これはこれまで報道されていたこととは違う。

カイル君の証言が正しいとすれば、カイル君は自分に銃を向けて来た人間に対してまで、相手が自分を撃つ気がないと判断した途端に銃を下方に向けるという冷静な判断を下したのである。カイル君がグロスガーツを撃ったのは、グロスガーツが再びカイル君に銃を向けたからだ。これはグロスガーツ自身がそう証言している。

今度は検察側の反対尋問がはじまる。


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まるで映画「情婦」みたいな検察側の証人、カイル・リッテンハウスの無罪を証明?

先日ちょっとお話したカイル・リッテンハウス青年の裁判が現在進行中である。カイル君は2020年の8月にウイスコンシン州のケノーシャで起きた暴動で、友人のビジネスを守るためにAR-15ライフル持参で警備にあたっていたが、そのビジネスに火をつけようとした暴徒ら計4人に襲われ、三人に発砲。二人が死亡し一人が重傷を負った。下記はその時の一部が映ったビデオ。

「群衆が発砲者とみられる人を追いかける。男(カイル君)はつまづき転ぶ、そして銃を何発か発砲。あちこちから銃声が聞こえ、発砲者は複数いたという情報と一致する。」

この事件は多々のビデオがすでに拡散されており、ビデオを観る限りは完全なる正当防衛に見えるが、ウイスコンシン検察はカイル君を殺人罪などで起訴。事件当時17歳だったカイル君を大人として裁判にかけ、カイル君は有罪となれば終身刑も免れない罪状に瀕している。

さて、カイル君の裁判が始まって一週間だが、先ずは検察側の証人が呼ばれた。しかし検察側の供述を証明するための証人たちの証言が全然検察側の役に立っていないという不思議なことが起きている。リーガルインサレクションの記事から読んでみる。

まず同記事の著者アンドリュー・ブランカは正当防衛専門の弁護士。ブランカは検察側は最初の二日間でカイルの有罪を証明するような証拠を全く提示していないとし、検察としては悲惨な状況であるとしながら、にもかかわらず三日目はその二日間よりもさらにひどかったと指摘する。

この日の証人は当日カイル君にインタビューしたジャーナリストのリチャード・マックギニスと、元陸軍歩兵軍人のライアン・バルチの二人。著者のブランカは検察側の証人がどのような証言をすべきなのかをまず説明する。

マックギニスとバルチは二人とも検察側の有罪説を強め、弁護側の無罪説を弱める証言をすることが期待されている。この場合、弁護側による正当防衛説を破壊することだ。

カイル・リットンハウスは有罪が証明されるまでは無罪とみなされているため、検察側が疑いの余地なく正当防衛ではなかったと証明する必要があるのである。

しかし検察側はカイル君の正当防衛を全面的に否定する必要はない。弁護側が正当防衛の根拠としている四つの点だけ否定できればいいのだ。この四つの要点はすべてが真実でなければならない。であるからこの四つの要点の一つでも真実ではなかったことが証明されれば、カイル君の正当防衛説は崩壊するのである。

では正当防衛を成立させるための四つの要素とはなにか、そして検察側はそれをどう崩すべきなのかというと、、

無実:検察側はカイル君が攻撃者であったことを証明する。あの晩に最初に暴力行為に及んだのはカイル君のほうだったと証明する。

緊迫性:カイル君が自分を守ろうとしていたとされる攻撃が実際に起きていなかった、もしくは起こる寸前ではなかったことを証明する。

比率性:検察側はカイル君に受けた攻撃は命に係わるような危険性はなかった、カイル君による死を及ぼす反応は過剰であったことを証明する。

適切性:カイル君が自身が真実正当防衛が必要だとは信じていなかった、もしくはこの状況において正当防衛が必要だと考えること自体が非常識であり、適切ではないことを証明する。

検察側がどの要素について否定するにしても、常識ある人が疑いの余地がないほど真実ではないことを証明しなければならない。ブランカによれば、最初の二日間における証人の証言には、この要素を崩すに足るものは全くなかった。しかし三日目はそれよりもっとひどかったと言う。

リチャード・マックギニスはデイリーコーラー誌の記者にビデオを提供しているビデオグラファー。彼の仕事は現場でビデオを撮り、後で記者たちがそれを使って色々分析するのを援助することだ。マックギニスは当日もケノーシャで暴動を追っていたが、彼の取材の対象となっていたのがカイル・リッテンハウスと仲間のライアン・バルチだった。

マックギニスは事件前にカイル君にインタビューをしたりしていたが、特に重要なのはジョセフ・ローゼンバウムがカイル君に撃たれた時に、マックギニスはふたりの至近距離におり事件の一部始終を目撃したということである。この時の模様はマックギニスによっては録画されていないが、監視カメラや警察のヘリコプターカメラでは録画されている。

法廷ではマックギニスが録画した事件前のビデオが何度も放映されたが、どれもこれもカイル君やバルチが誰に対しても親切で、攻撃的な様子は全く映っておらず、二人に攻撃的な態度をしめした黒人数人に遭遇した時も、二人は何も言わずに立ち去り、怪我の手当が必要な人はいないかと人々に呼びかけていた。ブランカはこのビデオで解ることはカイル君が物腰がやわらかく攻撃性などまるでないことで、このビデオが検察側に何の役にたつのか全くわからないと語っている。

検察側がカイル君が危険な男であるとマックギニスに言わせようとしたが、そうだとすれば武装しているカイル君とバルチに密着取材などするわけはないので説得力がない。またカイル君が銃を持ち歩いていたことに対しても、当地ではそういう人を見かけるのは珍しいことではないので、別におかしと思わなかったとマックギニスは証言している。

しばらくしてマックギニスはカイル君とはぐれるのだが、カイル君が消火器を持って走っている姿に出くわす。誰かがダンプスターに放火し、それをガソリンスタンドの方におしているのを見つけたカイル君が消火作業を始めようとカーソースというビジネスの駐車場向けて走っていた。

この時画面にジョセフ・ローゼンバウムとジョシュア・ズィミンスキーの姿が映る。ズィミンスキーはグロックピストルを持っており、この後で空に向かって発砲する。それがローゼンバウムが撃たれるきっかけとなる。

ローゼンバウムは車の影に隠れてカイルを待ち伏せし、カイルに襲い掛かる。この時マックギニスはカイルに追いつこうと後ろから走っていたのだが、ちょうどカイルを追いかけるローゼンバウムの後ろにを走ることになった。そしてカイルとローゼンバウムの後ろにはジョシュア・ジミンスキーが居た。

この時ジミンスキーが空に向けて発砲。後ろから銃声が聞こえたため振り向いたカイルが観たものは、カイルにおそいかかろうとしていたローゼンバウムだった。

マックギニスはこの時の模様を詳細に証言している。ローゼンバウムは全速力で走っていた。カイルは必死に駐車場の端の方に向かって逃げながら「フレンドリー、フレンドリー、フレンドリー」と叫んでいた。しかしローゼンバウムはカイル君の訴えを無視して追いかけた。この時カイルは退きながらローゼンバウムの方を向いた。カイルが持っているライフルはローゼンバウムには見えていたはずだがそれでも彼は怯まなかった。

ローゼンバウムはかがんでカイルに襲い掛かりカイルから銃を取り上げようとした、その時カイルはローゼンバウムに向かって4発発砲。致命傷となった弾はかがみこんだローゼンバウムの背中に当たった。検察側はそれをもってして、カイル君がローゼンバウムを後ろから撃ったとマックギニスに言わせようとしたがマックギニスは頑としてそれを拒んだ。

検察:あなたはローゼンバムさんの真後ろに居たのですね。

マックギニス:リッテンハウスさんが振り返って、ローゼンバウムさんがリッテンハウスさんに飛び掛かってライフルの先の方を掴もうとしたので、すこし位置を変えました。

(略)

検察:あなたは今ここでローゼンバウムさんが何を考えていたか解りませんよね。

マックギニス:発砲があった時ですか?

検察:そうです。いやいつでもいいです。あなたはローゼンバウムさんが何を考えていたか全くわかりませんよね。(略)

マックギニス:ローゼンバウムさんと話したことはありません。そういう意味なら。

検察:ということは、あの時ローゼンバウムさんがなにをしようとしていたのか、あなたの解釈は完全に想像ですよね。

マックギニス:ただ、彼がファックユーと叫んで銃に手をかけようとしたので、、

マックギニスは検察側の証人であるにもかかわらず、検察側はまるで弁護側の証人を尋問するような質問を何度もした。「被告はローゼンバウムさんが転ぶところを撃ったんですね?」「いいぇ、転んだのではなく飛び掛かったのです」という会話が何度か繰り返され、いい加減裁判長が中に割って入った。

リチャード・マックギニス

ライアン・バルチは元陸軍歩兵でカイル君と一緒にカーソースという知人のビジネス警護にあたっていた男性。カイル君は17歳の少年であるのに比べ、彼は元軍人としてアフガニスタンやイラクに出動したこともあり、何万回とARライフルを撃った経験のある男性だ。しかもバルチはライフル射撃競技にも参加しており、常にライフルを使っている。

この人も検察側の証人なのだが、なぜか弁護側に都合のいい証言ばかりしてしまった。

例えば、バルチは防弾チョッキを着てAR-15ライフルとグロックピストルを携帯していたが、彼やカイル君のように武装した民間人が警護に当たっていただけで、前日に起きたような暴動を防ぐことができたと言う。つまりカイル君が銃を持ってケノーシャに居たのは地域のためになったのであり、人殺しのためにカイル君がケノーシャまでやってきたという印象が壊れてしまったのだ。

バルチのカイル君に対する印象も好感度の高いもので、怪我をしている人は誰でも助けようとしていた。ただ、その風貌や年齢から暴徒の攻撃の対象になりやすかったかもしれないと語る。大してローゼンバムに関する印象はというと、彼は常に攻撃的で暴力的な態度を取っていたという。現にデモに参加していた他の人たちから、ローゼンバウムは彼らの仲間ではないと言われたという。

検察側にとって致命的な証言となったのは、バルチがローゼンバウムがバルチとカイル君の二人に迫ってきてバルチに顔をつけんばかりに近づき大声で「今夜また顔を合わせたらぶっ殺してやる!」と叫んだことである。ローゼンバウムがこの脅迫をしたその数分後に、ローゼンバウムはカイル君を全速力で追いかけることになるのだ。カイル君が命の危険を感じたのも無理はないと思わないか?

カイル・リッテンハウス

ライアン・バルチ

ブランカは結論として、三日目の証言で検察側は自分たちの立場を返って弱めてしまったという。四日目のリポートもあるが、特に検察側の説が強くなるような証言は全くなかったそうだ。陪審員に偏見さえなければカイル君は無罪放免になるべきではあるが、この陪審員というのが曲者なのだ。

ま、それに関してはまた新しい情報が入ってくるまで待つとしよう。

今日はこのへんで終わりにしておく。


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BLM/ANTFA暴徒に襲われ正当防衛で二人を射殺し一人を負傷させた少年の裁判始まる

去年の9月、ウイスコンシン州のケノーシャ市で、黒人男性リチャード・ブレイクが警官に撃たれ重傷を負った事件がきっかけとなりBLM/ANTIFA暴徒たちが大暴動が起こした。数日間にわたる暴動で小さなケノーシャ市は大打撃をうけた。そんなケノーシャ市で働いていたカイル・リットンハウス少年(当時17歳)はAR-15ライフルを持って知人のビジネスを守るべく護衛に当たっていた。しかし暴徒らはカイル君に襲い掛かり、腕の立つカイル君は襲い掛かった二人の男を射殺、一人を負傷させた。この時の模様はすべて色々な角度からビデオで撮られており、彼の正当防衛は一見にして明白であるにも関わらず、ジョージ・ソロス後押しのある超過激派左翼検察官はカイル君を過失致死や銃砲罪違反の罪で起訴。本日からその裁判が始まった。

この話は現在進行形なので、私のツイートを一応記録としてここに載せておく。何か起きる度にここに書き足して行こうと思う。

11月2日2021年付け

去年ケノーシャの暴動で友人のビジネスを守ろうとして暴徒に襲われ、正当防衛で二人を射殺一人を負傷させたカイル君の裁判が今日から始まる。カイル君を襲った暴徒らは合わせて前科何十犯というプロの犯罪者たち。カイル君は品行方正のお手本みたいな好青年。起訴などされるべきではなかった事件。

カイル君はボランティアで落書き消したり、ライフガードとして怪我人の手当したり、警察官にも感謝されていた。本来なら市から感謝状もらってもいいくらいの青年だ。彼を逮捕してる暇があったらBLM/ANTIFAの連中を退治しろよ!

いま改めて当時のビデオを観たけど、カイル君の自制心と銃の腕には感心する。二人の男に同時に攻撃され、スケートボードを持ち上げた一人を撃ったあと、自分に銃を向けた二人目の男の腕を撃つなんてそう簡単にできるもんじゃない。しかも一瞬両腕を挙げた男をすぐには撃たなかったのもすごいわ。

カイル君に殺された一人目の男は連続小児強姦魔。なんと5人の少年を強姦した過去を持つ男だった。男はカイル君を追いかけながら「あいつを捕まえろ!」と言いながら花火を投げつけ、別の男が発砲したのを受けてカイル君が発砲。


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映画撮影現場で起きた銃による死亡事故、アンチガンとアファーマティブアクションが原因か?

先月、俳優のアレック・ボールドウィン主演・プロデューサーの映画「ラスト」の撮影セットで、ボールドウィンが発砲した弾に撃たれてシネマトグラファーの女性ハリナ・ハッチンスさん42歳が死亡、監督のジョール・スーザ氏が怪我をするという事故が起きた。

当初の報道ではボールドウィンが撃ったのは小道具の銃ということだったが、後に銃は本物で銃弾が入っていたことが解った。ボールドウィンは助監督から銃を渡され、銃には弾は入っていないと言われたのを信じたという。

ボールドウィンは極左翼で一般市民の銃所持に大反対の立場にある。それで彼自身、銃の扱いかたについて完全に無知だったのかもしれない。しかし、たとえそうであったとしてもプロデューサーとして現場での安全確保は彼にも非常な責任がある。

この事故は、もしも銃を扱ったすべての人がガンセイフティールール(安全に銃を扱う規則)を守っていれば、絶対に起き得ない事故であった。

私は銃取り扱いのプロではないが、自衛のために銃を購入した時、撃ち方と取り扱いの授業を受けた。もうだいぶ昔のことなので色々忘れていることもあるが、この事故について、素人の私でもおかしいと思う点がいくつもある。

第一に、何故映画セットに実弾の入った本物の銃があったのかということ。当初、小道具の銃が使われたと報道されていたが、小道具の銃は弾をうつことは不可能なので話を聞いた時からおかしいと思っていた。映画セットで銃を扱う責任者のことを英語ではArmourerと呼ぶそうだが、ここでは武器担当者と呼ぶ。そのプロのインタビューをいくつか聞いたところ、映画セットで本物の銃が使われることは先ずないとのことなので、何故この映画セットに本物の銃があったのか非常に不思議である。

第二に、よしんば本物の銃が使われることがあったとしても、担当者が銃の安全性を先ず確認すべきであり、銃が完全に安全な状態にあると確認してから俳優に直接渡すのが基本であるのに、担当者がチェックをしなかったのは何故なのか?

第三に、この現場では担当者ではなく、助監督が銃をボールドウィンに渡したという。銃は担当者が直接俳優に渡すべきであり他の人間が扱ってはいけないことになっている。何故銃砲責任者の担当者ではなく助監督が銃をあつかったのか、この時いったい担当者は何をやっていたのだ?

ではここで、銃の安全な扱い方基本四事項をおさらいしよう。

  1. すべての銃に実弾が入っているものとして扱う。たとえ他人が弾は入っていないと保証したとしても必ず自分で確認すること。
  2. 破壊する気のない物体には、決して銃口を向けてはならない。たとえ弾が入っていなくても絶対に銃砲を人や動物やその他の物体に向けてはいけない。
  3. 撃つと決めた標的に狙いが定まるまで引き金に指をかけてはいけない。
  4. 標的とその後ろに何があるかを確かめること。これは射撃をする際にも自衛の際にも大事な注意事項だ。

お分かりのように、ボールドウィンはこの最初の二事項を完全に怠っていたことが解る。彼は常に人々が銃を所持することを反対しているため、きちんと扱わなければ銃がどれほど危険であるかということ知らないのかもしれない。

1.ボールドウィンは最初に助監督から銃を渡された時に弾は入っていない「コールドガン」だと言われたという。たとえそれが本当だとしても、渡されたボールドウィン自身が自分でそれを確かめる責任がある。この映画は西部劇なので渡された銃はリボルバーだろう。リボルバーは弾が入っているかどうかチェックするのは非常に簡単。さっと見て弾が入っていないくても、銃砲に弾が残っている可能性を考えて、一度地面に向かって引き金を引いてみれば確認は出来る。もしもやり方が解らなければ銃を渡した人に見せてもらえばよかったのだ。

2.映画撮影の現場でも直接銃を人に向けることはあり得ない。たとえ相手役を殺す設定になっていたとしも、カメラの角度を調整すれば、実際に相手に向けているように撮ることが出来るからだ。シネマトグラファーがこの銃がたとえコールドガンだと思っていたとしても、自分に向けて撃てなどと言うはずはないので、ボールドウィンは故意に ハッチンス に向けて撃ったとしか思えない。完全にノーノーである。

もしもボールドウィンが1と2のどちらかだけでも守っていたらこの事故は起こらなかったのだということがお分かりいただけたと思う。

このような事件が起きる背景には二つの要素が考えられる。先ずボールドウィン自身がアンタイガンと言ってアメリカの憲法補正案第二条で保証されている一般市民が銃を所持する権利に大反対な活動家であるということ。銃砲所持の権利を信じているプロガンの人たちは、自分らが銃をしょっちゅう扱っているため、銃が人を殺すのではなく人が人を殺すのだということを弁えている。つまり銃は単なる道具であり、使い方次第で危険にもなれば安全にもなる。プロガンはその点を弁えているため銃の取り扱いには非常に神経質になるのだ。

しかし普段から銃は危ない危ないと言っているひとたちに限って、銃取り扱いに無頓着である。机の上に乗ってる銃が突然ひとりでに弾を打つなんてことはあり得ないが、実弾が入っている銃を人に向けたりしたら危ないのは当たり前だ。

第二に、これはアファーマティブアクションが問題だとする人がいる。実はこの映画の武器担当者は25歳のハンナ・グティレズ・リードさん(Hannah Gutierrez-Reed)。実はこの女性、映画はこれで二作目。しかも前作でも予告なしに銃を発砲して主役のニコラス・ケイジが怒ってセットから立ち去るという失態を犯している。

なぜこんな未経験な若い女性が高予算の大型映画で銃砲取り扱いの責任者になれたのか。彼女は父親がベテランの担当者だったというから、コネで雇われた可能性は大きい。だが、それ以上に彼女が女性であるということが決めてになっているようだ。

ハリウッドは最近、ディバーシティといって人種や性別で多様な人たちを配役及びスタッフに起用しなければならないという規則を作った。そのせいで経験も技術も伴わない人たちが、マイノリティー枠で雇われるというアファーマティブアクションが横行しているのである。そうでなければこんな若くて未経験な女性が単にコネがあるというだけで、こんな重要な責任を任せられるはずがない。

私は彼女が若い未経験な女性であることがこの事故が起きる大きな要素となっていると思う。これは完全に私の想像だが、こんなシーンが思い浮かぶ。

監督:(助監督に向かって)おい、銃はどうした、なんでアレックは銃をもってないんだ?

助監督:は、まだ銃のチェックが終わってないんで。

監督:さっさとやれよ、早く持ってこい!

助監督:はい、(ハンナに向かって)おい、なにもたもたやってんだよ、銃のチェックは終わったのかよ。

ハンナ:あ、いえ、その、、

助監督:これいいね、持ってくよ。

ハンナ:あ、それはまだチェックが、、

ハリウッドでは完全に新米。それに若くて女性。監督から命令うけてる助監督には逆らえないという気持ちが働いたとしても不思議ではない。もしもこれがハンナのお父さんのようなベテランなら、

担当者:うるせい、安全チェックが終わるまで待ってろと監督さんに言え。

助監督:これいいね、持ってくよ

担当者 :触るな!俺がいいって言うまで誰にも触らせねえ。それは俺の銃だ。チェックが終わったら俺が直接もっていくから待ってろと監督さんに言ってこい!

てな具合になったはずだ。経験豊富なその道のプロが言うことなら、監督もしぶしぶでも彼の言うことをきいたことだろう。何しろ安全にかかわることだから。しかし、未経験な若い女性の言うことを監督やその他のスタッフが聞いただろうか?いや、ちゃんと言えば聞いたかもしれないが、そこは若い女性、監督に怒鳴られるのが怖くて、ちゃんと言えなかったのかもしれない。

ハリウッドは表向きはどうでも、実はものすごい男尊女卑な社会。だからこそアファーマティブアクションなんてものが必要になったわけだが、それでも女性というだけで無能な人材を大事な部署に就ければ、こういう事故が起きるのは当たり前といえば当たり前である。現にこの現場では安全性が保たれていないとしてスタッフが一時ストライキを起こすという事件も起きていた。

前の職場でも失態をおこし、今回の現場でも色々苦情が出ていた人間を、そのまま雇っていたプロデューサーのボールドウィンにも非常な責任がある。


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民主党こそアメリカのナチス党だ

私は今アメリカは史上最悪の危機を迎えていると感じている。アメリカが独立戦争をやった時くらいに酷い危機だ。南北戦争の時ですら、アメリカ人はこんなにも分断されていなかった。今の状況は第二次世界大戦よりもソビエト連盟との冷戦よりも、近年ではイスラム過激派との戦いよりも、危険な状況であると断言できる。なぜなら、外敵との戦争は誰が敵であるかはっきりしており、アメリカの自由を守るために人々の心が団結していたからである。

だが今のアメリカは違う。民主党はアメリカを分断し、内部から破壊しようとしている。

アメリカの憲法補正案第一条で保証されている言論と宗教の自由は、憲法補正案第二条で保証されている市民が銃を所持する権利がなければ意味がない。いくら憲法上で言論の自由が保証されていても、唯一武装している政府がその権利を踏みにじったら市民は反撃のしようがない。だから独裁政権はかならず国民の銃を取り上げようとする。

2013年の拙ブログで、イギリスのリベラルニュースキャスターのピアース・モーガンによるベン・シャピーロへのインタビューで、こんな会話を紹介した。

シャピーロ:(前略)右側は基本的に第二条の基盤を信じているのです。第二条の基盤は自衛や狩猟ではありません。それは政府の独裁に対する抵抗にあるのです。それが建国者が言った事であり、我が国の右翼はそれを信じているのです。

モーガン: どの独裁をあなた自身は恐れているのですか?

シャピーロ:私は独裁が将来50年100年のうちに起きる事を恐れています。いいですか、ピアース。私の祖父や曾祖父がそれを恐れなかったがために彼らはヨーロッパの灰と化したのです。左翼がいうように民主主義社会が簒奪(さんだつ)されたり、独裁化する恐れがないなどという歴史の書き換えは架空のものです。

モーガン: (前略)もう一度聞きますが、市民がAR-15アサルトウエポンを持つ理由はなんですか? (略)平均的な市民に、、なぜ必要なのですか?

シャピーロ:起きうる可能性のある政府による独裁に立ち向うためです。それが第二条の元々の目的なのです。そしてその目的は今も同じです。

ベン・シャピーロがここでいう「私の祖父や曾祖父」というのはヨーロッパでナチスドイツに虐殺されたユダヤ人たちのことを指す。今思えばシャピーロのこの先50年100年のうちに起こりうる独裁という予測は非常に楽観的だった。まさかたった7年後にその時が訪れるとはシャピーロも思っていなかっただろう。

今年の3月頃から始まって夏中街に繰り出し、今もシアトルやポートランドで続いているBLM/ANTIFAの暴動は、ナチス党がブラウンシャツと呼ばれる暴力団を使ってドイツ中で国民を威圧してきたのとそっくりだ。BLM/ANTIFAは黒装束で街に繰り出し、テラスで食事をしている市民に無理やりBLMへの忠誠を誓わせた。それに歯向かえば唾がかかるほどの距離に顔を近づけ大声で怒鳴りつける。ソーシャルディスタンスもなにもあったものではない。

まだバイデンが大統領として就任もしていない今から、すでに民主党の横暴は始まっている。トランプ関係者はどんどんSNSから凍結され、保守派が集まっていたパーラーも閉鎖に追い込み、トランプ支持者とみられる人々がどんどん社会から抹殺されようとしている。

人々は怖がって職場はもとより家族内ですら政治の話は避けるようになるだろう。親しくしていた隣人でもトランプ支持だったことがばれたら通報されるかもしれない。電気屋さんや配達の人に家の中にあるMAGA商品を見られたら通報されるかもしれない。人々はそんなふうにびくびくとしながら生きなければならないのか?

民主党こそがナチス党だ。

次に始まるのは銃砲没収だ。間違いない。


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