誤解のある国際法、病院が軍事司令部でないことの証明責任はハマスの方にある

数日前にXでミリオタのJSF氏が専門家の国際法無理解 病院が軍事施設でない証明義務はハマスにある 憲政史家倉山満【チャンネルくらら】 (youtube.com)を紹介していて、「違います、証明の責任はイスラエルの方にあります」と言っているのを見かけた。私はその時はこのビデオをちゃんと観なかったのだが、昨日よもぎねこさんのところでも紹介があったのでちゃんと観てみた。そうしたら私は国際法というものを根本的に誤解していたということに気付いた。

少し前にも私は国際法による均衡性について書いた。その時も思ったのだが国際法を持ち出す多くの人が、実は国際法をきちんと理解していないのではないかということだ。かく言う私も国際法なんぞ施行力がないので意味がないと思い、国際法を持ち出す人は相手にしてこなかった。しかし実は国際法には色々な誤解があるということを知り、イスラエルもそれをうまく利用すればこのプロパガンダ作戦に勝てるのではないかと考えを変えた。

倉山満氏はイスラエルの病院攻撃について下記のように語った。これは私の要約なので全体をお聞きになりたいかたは動画をご参照のこと。

イスラエルは病院にハマスの司令部があると主張している。ハマス擁護派は、ではそれを証明してみろという。国際法の一義的にはハマスの側にここは病院であって軍事施設ではないことを証明する義務がある。国際法では「疑わしきは決めつけて滅ぼせ」であり、これは冗談ではない。

国際法は戦争のルールである。頭に血の登っている軍人でも理解できるように作っていなければいけない。ここは病院か軍事施設かわからないので攻撃はやめようなどという判断を現場で出来るかどうか考えてほしい。国際法は不可能を求めない。攻撃する側と防御する側の戦っている双方に義務を求める。

民間人や病院を攻撃されたくなければ、そこには戦闘員が居ないと言う証明はハマスの側がしなければならない。よってイスラエルが病院が指令室であることを証明する義務はない。ハマスは民間人へのテロをやり人質を拉致するなど国際法どころか犯罪行為のオンパレードをやっている。ハマスが国際法を破っているのにイスラエルだけ国際法を守れと要求するのは不可能である。国際法は一方が国際法を守っていないのに片方だけ完全にまもれなどということは求めていない。そこが国内法とは全然ちがうところである。

ただイスラエルの側が何をやってもいいと言うことではない。少なくともハマスが病院が軍事基地ではないことの証明を怠っているということを証明する義務がある

国際法的では本当に悪くないのに国際社会から非難されるというということは宣伝戦がドヘタと言う意味である。国際法というのは宣伝戦の道具でもある。国際法とは人類の理想の面もある。もうひとつは力によってそれが守られる。ハマスは論外だがイスラエルもそれが解っていない。イスラエル批判派は国際法は人類の理想だから守れと言う、イスラエルの方もそんなのは理想であり出来もしないので守る気はないといってる。

というわけである。なるほどこれはよくわかる説明だ。だいたい戦争中に敵側が相手の軍事基地についてどのくらいの情報を得ているかなどということを攻撃前に発表する義理はない。そんなことをしたら相手にこちらの手のうちを晒すようなものだからだ。それでもイスラエル側が最初からアル・シファ病院を標的にするから民間人は避難するようにと警告しただけでも十分に国際法の義務を果たしているといえるだろう。ただ、倉山氏がおっしゃるように、イスラエル側も「国際法なんかなんぼのもんじゃい」という態度を改めて、実は我々の方ここれこれしかじかの理由で守っており、ハマスにはこれこれの義務があるのだともっと宣伝する必要があるだろう。私も国際法なんか、と思っていたくちなので大きなことは言えないが、倉山氏の説明で国際法にも意味があることがわかった。

何と言っても今はイスラエルは宣伝戦で負けている。敵側はガザの人びとが可哀そうだということにばかり焦点をあて人々の感情に訴えている。本来であるならば10月7日のテロだけでもイスラエルに一方的な同情が集まってもいいはずなのに、それがあっというまに反ユダヤ運動になってしまったのは恐ろしい。

国際法はうまく使えば宣伝戦の道具として有意義である。イスラエルも早くそのやり方を学んでほしい。

ところでXで誰かが多くの人は事実関係より感情に訴えるほうに弱いと言っていた。それで私は思ったのだが、欧米のあちこちでハマスに拉致された人質の写真ポスターを剥がす人たちがいる。最初からユダヤ人を憎悪しているモスリム活動家は別として、モスリムでもなんでもないリベラル欧米人が何故ポスターを剥がすのか私には疑問だった。ガザの子供たちの命を大切にしたいと言うのは分かる。誰も無実の子供たちを犠牲にしたいとは思っていない。だがそれとイスラエルの人質のポスターと何の関係があるのだろうか?彼等はテロの犠牲者である。犠牲者のなかには欧米からイスラエルを訪問していた人々も含まれている。ガザの子供たちもイスラエルの子供たちも命に変わりはないはず。イスラエルの人質のポスターを破くことでパレスチナの子供達の命は救われるわけではない。ではなぜそんなことをするのだ?

ポスターを剥がしている人々に「何故はがすの?」と聞くと、大抵の人たちは「これはプロパガンダだから!」と答える。彼等は実際にイスラエルから人々が拉致された事実を知らないのか?これはイスラエルのでっちあげだとでもいうのか?いや、そうではあるまい。

彼等は本心ではこれが真実であると知っている。いや、知っているからこそ剥がさなければならないのだ。彼等もハマスによる虐殺行為や拉致行為がよいことだなどとは思っていない。しかし彼等の中にはイスラエルが悪いという固定観念がありイスラエルにも正当性があるなどという考えは絶対に受け入れられない。彼等はモスリムのように非モスリムはどんな目にあってもいいなどとは思っていない。何故なら彼等の道徳観念はあくまでも欧米文化に基づくものだからだ。しかしそうであるなら、イスラエルが完全悪だと信じるためにはハマスの悪を無きものとしなければならない。拉致被害者のポスターは彼等の良心に訴える。ハマスの悪を思い起こさせるものだ。だから剥がさなければならないのだ。

倉山 満(くらやま みつる、1973年〈昭和48年〉12月18日 – は、日本の歴史学者。 専門は憲政史、特に憲政の常道 。救国シンクタンク所長・理事長。 国士舘大学非常勤講師、国立公文書館アジア歴史資料センター非常勤職員、希望日本研究所所長、次世代の党自主憲法起草委員会顧問を歴任。


Comment

窓際族になったカカシ

前回仕事を引退したと書いたが、そうなった経緯について少し書いてみよう。三年くらい前、職場では大規模な人事異動の計画が発表された。新入社員もたくさんはいってくるということで、席が足りなくなるので、普段あまりオフィスに居ない出張の多い職員を中心にオープンスィーティングというシステムを取り入れる予定だと言われた。オープンスィーティングというのはラップトップ(ノートパソコン)を設置できるドッキングステーションのある机をいくつか並べておいて、誰の席とは指定せず、オフィスに居る人が好き勝手に交替で使えるシステムである。

アメリカのオフィスというのは大企業の場合、一人ひとり仕切りのあるキュービクルというところで仕事をするのが常なので、となりと仕切りのない日本のオフィスのような職場は皆ちょっと抵抗があった。しかしこれが実現するかしないかという時にコロナである。コロナ禍でまさか隣と仕切りのない席に座って仕事をすることもできないというので、この計画は一時棚上げにされた。そして始まったのが在宅勤務とフレキシタイム。(職場内での混雑を防ぐために時間をずらしての出勤制度である)

しかしここは軍隊だ。誰もかれもが在宅勤務をするわけにはいかない。それで徐々にではあるが職員は出勤するようになっていった。だが人々が在宅とフレキシで時間をずらして出勤するため、出勤しても同僚と顔を合わすことが少なくなり、私はかなり寂しかった。

そのうちにコロナ禍で延期になっていた大規模人事異動が遂に実行されることになった。私は部署がかわり、長年座っていた席から移動し別の建物に引っ越しすることになった。運悪く私はこの頃開胸手術をすることになってしまい、一か月ほどの病欠と自宅療養のための在宅勤務で正味二か月間出勤できなくなった。しかし引っ越し先の建物での私の席は決まっていたので、荷物はすべて運送屋さんが私の留守中に移してくれることになっていた。

在宅になってすぐ、用があって職場に出勤した。荷物がきちんと移動されているかも心配だったし、新しい席も確認しておきたいと思ったからである。しかし私の席であるはずのキュービクルにはプリンターが置かれており、倉庫のように色々な箱が置かれていた。机はあったがイスもなく、凡そ私が座って仕事をできるような状態ではなかった。上司にその話をすると、引っ越しのごたごたで、空いているキュービクルを一時的にプリンターやがらくたの倉庫に使ったという。しかし私の在宅期間が終わって常時出勤するようになるまでには片付けておくから心配は要らないとのことだった。

しかし一か月後、週3で出勤することになり職場に行くと、私のキュービクルは一か月前と全く同じ状態であり、片付けた様子もなければ片付ける予定もないことが解った。つまり、私には戻る席が用意されていなかったのだ!

上司にその話をすると、新入社員もたくさんはいり、席が足りないので、在宅勤務や出張の多い人たちは空いている席をその都度探して使ってほしいと言われた。しかし席がないのは私だけのようで、長期出張でほとんどオフィスに来ない同僚にはきちんと席がある。しかもこれから入ってくるという新入社員の席は用意されていた。いったい何なんだこれは?

仕方なく空いている席を探してうろうろしていると、同僚Vと顔を合わせた。Vは「ああ、君も席がないの?僕も席がないんだ。」え~なんで?「引っ越してからオープンスィーティングになるからって言われたんだ。でも他の人には席があるんだよ。」Vは私と同年代でこの道のベテラン。それどういうこと?他に席がない人はいるの?「ああ、Fもないっていった」あれ、Fさんは私の先輩だった。どうしてこうもベテランの中高年ばっかり席がないわけ?それってもしかして、、、

私たち窓際族にされちゃったのか?

これのせいかどうかは分からないが、F先輩はその後すぐに引退してしまった。席がなくなった我々年寄りは数人で集まっては、そろそろ引退すべきかな、これって肩たたきなのかな、とか言いながら職場で肩を寄せながらお茶をすする毎日。な~んてのは冗談。いや、そろそろ引退の潮時かなと言う話はしていたが、仕事そのものは忙しく、週に3回くらいの出勤では追いつかないほどだった。どうして仕事はあるのに席はないんだ?リストラしたいなら仕事もないはずだろうに。

私は引っ越し先の建物のなかを色々歩き回った。すると席が足りないどころか席は有り余っていた。このビルはかなり大きなビルでドアで仕切ってはいないが、東西南北に大きな区域に分かれていた。南と西の区域の席は埋まっていたが、東は結構空いており、北にいたっては完全に空で、50以上あるキュービクルに誰も人が座っていなかったのだ!いったいこれはどうなってるんだ?

聞いた話では、そこには新しい部署が作られる予定だということだったが、一年経った今でも誰も入ってくる気配がない。

で、我々はどうしたかというと、誰も使っていない空席に自分の名札をはりつけ、ITの職員に言って大きなモニターをとりつけてもらい、ドッキングステーションもつけて自分の書類も戸棚に広げた。他にも席を失くした同僚達は同じように空席を分捕ってしまった。これは上の人も文句は言えない。なにしろ空いてる席を適当に使えと言ったのは彼等なのだから。

私が思うに我々の席がなくなったのは必ずしも意図的なものではなかったのだろう。引っ越しを期に、あまりオフィスに出勤してこない人からオープンスィーティングを試してみようと思ったのだろう。北ウイングにも本当に新しい部が出来るはずだったのだろう。しかし何せお役所仕事というものは往々にして計画倒れになる。オープンスィーティングの対象となる規則がまるではっきりせず適当だったため、人々の間から不満が溢れ、結局オープンスィーティングは大失敗に終わった。今後どうするのか私のしったこっちゃないわい!

結局私は今年引退することに決めた。席がなくなったということだけでなく人事異動があってから何か職場がしっくりいっていない気がしていた。ずっと一緒に仕事をしてきた人たちがバラバラに別の部所に配置され、私は前と同じ上司だったとはいうものの、彼自身も部下を2/3に減らされてしまったことをぼやいていた。私はこの上司がまだ昇進する前からの知り合いだ。そんな彼は「僕専用の個室のオフィスが貰えたのはいいけど、みんなとすぐ顔を合わせらえる場所じゃないから、部下との交流が保てない。それにコロナ以来、在宅やフレキシでオフィスに居ない人も多くて、なんかつまらなくなったよ」と言っていた。

本当に引退するにはちょうどよい潮時だったのかもしれない。


Comment

え?カカシさんは元軍人じゃない?違います!

本日、よもぎねこさんとこのコメント欄でよもぎねこさんが「カカシさんは軍隊に居たことがあります」とおっしゃっていて、え~いやいや、それは違いますよ誤解ですよ、と思った。でも私の書き方が悪くて、そういう印象を読者諸氏に与えていたのなら実際の退役軍人さんたちに失礼なのでここで正しておかなければならないと思った。

苺畑カカシは軍人だったことはありません!ここではっきり申し上げておきます。

ただそういう誤解を得るようなエントリーがいくつかあったことは否めないのでその説明が必要だろう。実は私は先週一杯で仕事から引退した。なので今まであまり詳細を語れなかった私の仕事についてちょっとお話してもいいかと思う。

私は軍人ではないが、アメリカ海軍に民間人として22年間勤めていた。皆さまもご存じとは思うが、軍隊というところは軍人だけで成り立っているわけではない。実際に戦場に行って戦闘をする軍人の他にも兵器開発をしたりその兵器の性能を確かめたり兵器の操作を軍人に教育したりするエンジニアリング関係の人も居れば、兵站(へいたん)といって「戦争において作戦を行う部隊の移動と支援を計画し、また、実施する活動戦争において作戦を行う部隊の移動と支援を計画し、また、実施する活動(ウィキより)」をする人たちもいる。大抵の民間人は内地で普通の事務職をしているが、極端な人はイラク戦争中に物資輸送をしていた軍隊の護衛をしていた民間人警備員などもいる。であるから軍隊所属の民間人の仕事というのは多種多様なのである。私の知り合いのお父さんは何と潜水艦に乗っていた!

というわけなので私も民間人従業員としてアメリカ各地にある海軍基地に派遣され色々仕事をしてきた。時には海軍の護衛艦に乗り込み何週間も水兵たちと一緒に仕事をしたこともある。「こともある」というより、ほんの数年前までは船に乗るのが私の仕事だったと言っても過言ではない。それで多分読者諸氏が体験したことのないような、日本の佐世保港から真珠湾まで護衛艦に乗って船の旅をしたり、フロリダからパナマ海峡を通ってカリフォルニアまで航海したり、ギリシャの軍事基地でイスラエルとの軍事訓練に参加したり、サンディエゴからパールハーバーを往復したりとか、まあ普通では出来ない仕事をやってきた。言うまでもないが護衛艦に乗っての旅は豪華客船の旅とは全然違う。

このブログを始めた当初はそんな話を時々していたので、もしかしてカカシさんて米海軍に居るの?とか思われたとしても不思議ではない。思わせぶりなことを書いてしまい申し訳ないと思っている。

私がこの仕事を始めたのは何と2001年9月11日の一週間前。というわけなので就職してすぐアフガニスタンやイラク戦争を体験した。もちろん戦地になど行ってないが、それでも戦争中の軍隊の仕事をしているというのは結構大変な話。それでヤフーの掲示板などで「そんなにイラク戦争に賛成ならお前が軍隊に入隊しろ!」とか言われる度に「お前らは何もしらない!」と思いながら沈黙を守ったのであった。

海軍でWWII戦争中から言われている注意事項に”Loose lips sink ships.”「軽い口が船を沈める」というのがある。やたらに軍事機密をぺらぺらしゃべると敵にこちらの動きを知られて危険だと言う意味。それで我々はフェイスブックなどのソーシャルメディアで仕事関係のことを話してはならないという決まりがあった。

数年前に人事異動があり長期間の出張や船に乗ることはなくなり、職場と自宅を往復するだけの普通のオフィスワーカーになった。その直後コロナ禍となり在宅勤務が普通になってからというもの、この仕事は全くつまらないものになった。ま、その話はいずれ引退の経緯をお話するときにでもするとしよう。


Comment

証拠が出ても認めたがらない日本の中東専門家たち、IDFはアルシファ病院軍事基地の証拠映像を次々に公開

昨日イスラエル軍はアル・シファ病院の地下から近隣の民家に蜘蛛の巣のように続いているトンネルの映像を紹介。地下にはトイレや洗面所やシャワー室及び台所なども設置され、広い部屋の壁にはエアコンも備え付けられており、明らかに長い時間暮らせるようになっている。

こちらIDFの従軍記者としてガザに一緒にいっているFoxニュースのトレイ・インギストさんのビデオ。

病院は軍事基地になど利用されていない、そんなところを攻撃するのは国際法に触れると大騒ぎし、人質が病院に連れ込まれるビデオをみても、「単に怪我人が連れて来られただけで基地だという証拠にんはらなない」と言ってたミリオタさんはだんまりを決め込んでいる。ただ中東の専門家を気取ってる大先生方はまだまだ悪あがき。

国際政治学者の篠田英朗 Hideaki SHINODA大先生

すでに私が書いたように、これだけ批判されるとイスラエル政府も追加で小出しに何らかの「動画」を出し続けることは織り込み済。 しかし彼らの病院攻撃の正当化は「病院地下の司令部」であった。事前にそれを確証するのが当然なので、すでにその点で、大きな疑念。

そして「国際政治経済学、欧州統合、科学技術政策、宇宙政策、輸出管理、 グローバリゼーションなどについて勉強したり教えたりしています。 2013年12月から2015年7月まで国連安保理のイラン制裁パネルで勤務。」という鈴木和夫大先生も、

イスラエルのテレビ局がシファ病院の地下のトンネル(と彼らが言っている部分)を紹介。流しやトイレがあると紹介。その後、防弾チョッキと自動小銃も発見されたと言っているが、これだけでは「司令部」があったとは言い難い。

そしてイスラエル在といいながら現地すまいの一般人より情報がすくなくXに入り浸りの自称ジャーナリスト曽我太一 Taichi Soga@エルサレム氏は、イスラエル軍は外国人ジャーナリストを何人かガザに招待してシファ病院を見学させたと言っているが、あなたも見たのではないかと質問すると、、

選ばれた人しかいけません。私は「病院は司令部じゃない」なんて断定してませんよ。IDFもまだ司令部だった証拠見せられてないですよね。

と答えている。日本からわざわざエルサレム特派員として行っているのに、IDF同行に選んでももらえないなんて、ジャーナリストとしての価値ないね。

昨日も言ったように、こういう専門家たちは国際法だのなんだのには詳しいかもしれないが、実際の戦闘になるとまるでド素人。軍隊にとって地下に色々通路があり、街中のあちこちの出入り口から敵が飛び出してきて民間人を装って味方の軍人に発砲するというのがどれほど危険な存在であるか解ってない。しかも追い詰めたと思ったらどこかへの民家に滑り込み、子供部屋の地下に繋がるトンネルに逃げるなんていういたちごっこを強いられるIDFのことを考えると、もしこれが別の軍隊なら、このあたり一帯を先ず空爆してまっ平にしてしまうだろう。それをしないで味方の兵士を犠牲にしながら一歩一歩注意深く進むことが、どれだけ危険だと思うのか?

ところで先日病院でハマス戦闘員からの応戦はなかったので、この病院は指令室ではないと言っている人がいたが、実はIDFは病院を囲む民家でハマスと激しい銃撃戦を行っており、すでに百人を超す戦死者を出しているのだ。はっきりいってIDFはあまり広報部がよろしくない。もっとハマスとの激しい戦闘について説明する必要があるだろう。

トレイの質問に対して、IDF報道官はこの近所に指令部があることは間違いないと言っている。反イスラエルの大先生方は病院に指令室がなければ軍事標的にしてはいけないかのように話しているが、病院自体が司令部でなくても病院の近所に司令部があり、病院のトンネルからそこに続いていれば同じことである。司令部でなければ軍事標的にならないなどという規則がどこにあるのだ?

さて、中東での出来事を2013年からまとめているというこのちらのアカウントRyan │中東まとめさんが、天井のない監獄などと言われているガザが、実は非常に資金繰りがいいという話をしてくれている。拙ブログでもなんどかガザの大邸宅についてご紹介してきたが、ガザは実は国際社会から莫大な支援金を受け取っており、ハマスなど上層部は貴族のような生活を送っていたのだ。

平和構築を教える立場にいながら、ハマスが他に類を見ない国際援助を貰い続けて、ただのひとつもガザの民間人のためのシェルターを作らなかったことへの非難すらしないのはどうしてなんですか? 先生が、民間人への責任を果たさないことハマスへの非難するところをみたことないんですけど…

Image

国際社会からの支援金で私服を肥やし、個人資産何兆ドルといわれるハマスのリーダーたち。その富をガザ民に全く還元せずにガザ民を戦火から守ろうともせずに、ガザ民の犠牲者の数だけ世間にアピールしてイスラエルが悪いとプロパガンダを流し続けているハマスに対し、これらの大先生方は何故なにひとつ批判をしないのだ?


Comment

アメリカ保守の親たち「今の米軍に息子や娘を入隊させたくない!」軍隊強化より多様性を重視するバイデン政権

アメリカの右翼保守は伝統的に愛国者が多くアメリカ軍を強く支持してきた。一族郎党数人が軍隊経験があり、今も若い世代が軍隊にいるなどという家庭はごく普通である。うちも一応ミスター苺が若い頃に海軍に居たことがある。しかし最近アメリカ軍は志願兵が激減しており、国防に必要な人員枠が満たされていない。こんな状態で戦争でも起きたら一体アメリカはどうなるのだろうか?しかし何故そんなにもアメリカ軍は兵士調達に苦労しているのか。実はそれはバイデン政権の軍隊の多様性重視に問題があるのではないかといわれている。

そんななかバイデン政権の防衛省は2024年度の予算1.147億ドルを「多様性・平等、包括性、手の届きやすさ(diversity, equity, inclusion and accessibility (DEIA))プログラムに使うため予算を上げてほしいと請求した。

「軍部、OSDの多様性・公平性・包摂局、国防機会均等管理研究所にまたがるこの資金は、DEIAを促進し、DEIAの価値、目的、配慮をビジネスや任務遂行の方法に取り入れることを目的としたプログラムやイニシアティブに投資されている。」

だそうだ。で、具体的にこれらはどんな風に使われるんだ?もっとLGBTQ+αの連中を入隊させるのか?女性兵士の中絶の資金を出すのか?トランスジェンダーの性転換手術費用を出すのか?軍隊基地にゲイバーでも作るのか?

防衛相は過去6年にわたり毎年行われる監査で不合格になっている。2023年度の監査では29のカテゴリーのうち7つしか合格していない。税金がどう使われているかも不透明であるのに、これ以上に予算を増やせなど厚かましいと共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員は自分のXに書き込んでいる。

保守派ポッドキャスターのマット・ウォルシは、先日家族で一緒になった時、10代の甥が陸軍に志願しようと思っていると語っていたのを聞いて、今の軍隊はやめた方がいいと助言したそうだ。ウォルシは10年前の自分がもしも10年後に親戚の子が軍隊に志願するのをとめようとするなんて考えも及ばなかったという。しかし今の政権を考えると私も全く同じ意見だ。

先日ソーシャルメディアで数年間の軍隊任務を終えた若い男性が名誉の除隊の際に自分のギアを返納するさい、あてがわれたギアの一部が欠けているということで、なんと40万円相当の弁償金を請求されたという。しかしこのギアは二年まえのアフガニスタン撤退の際に重量の関係で飛行機に乗せられず、やむなく現地に残して来たものだという。しかも上からの命令で弁償する必要はないと口約束されていたという。あの無様な撤退のおかげで米兵四人が戦死し、何万というアメリカ人や米軍関係者のアフガニスタン人が置き去りにされた。あんな戦争に行かせるために子供を育てたわけじゃないと思った親たちは多かったことだろう。


Comment

アル・シファ病院がハマスの指令基地だった証拠が続々現れる、どうしても認めたくないハマス支持ネチズンたち

イスラエルは前々からガザのアル・シファ病院の地下にはハマスの司令部があると主張してきた。しかしハマス大好き主流メディアはこぞってこれはイスラエルの言い掛かりだと言っていた。どこのメディアか忘れたが、イスラエル軍の報道官へのインタビューで「イスラエルが攻撃する標的がいちいちハマスの軍事基地というのは都合のいい言い訳ですね」と皮肉たっぷりに聞いたのに対して報道官は「全く都合はよくありません。民間人の居る場所は攻撃が非常に困難なのです」と憤慨して答えていた。まるでイスラエルが故意に病院や学校やモスクを標的にしているかのような言い方。

しかしイスラエル軍が根拠もなしにこれらの施設はハマスの軍事基地として使われているなどと言うはずはない。もしイスラエル軍が故意に民間人を殺したいと思っているなら、主流メディアがイスラエルがやっていると濡れ衣を着せていることを本気でやり、ガザ全体を焼け野原にしてしまうことも出来るのだ。

さて数日前にIDFはアル・シファ病院を占拠した。IDFは少しづつ発見した武器や監視カメラの映像を流し始めたが、証拠をみせろおら~とやっているネチズンは我慢できないようで、何も出てこないじゃないか~と騒いでいる。ハマスがトンネルに色々な仕掛けをしていることは間違いないので、発見したからといってやたらに入っていくのは危険だ。こういうことは慎重にやらなければならない。しかし昨日やっとイスラエルに批判的な報道ばかりしてきたイギリスのBBC局すらもやはりこの病院はハマス基地だったようだと認める報道をした。下記はそれを紹介してくれた人のXポスト。

この他にもハマスが人質を連れ去ったジープが病院近くで発見されたり、また数人の人質の遺体が病院付近の民家で発見されたりしている。

これについて、ハマスは単に怪我人を病院に運んだだけだなどと言い訳をしているが、それを本気で信じている人がいるのだから呆れる。

JSF@rockfish31: ガザのシファ病院をイスラエル軍が占領した時に病院側から応戦の発砲が無かったのは事実ですね。病院の敷地内ではハマスとの交戦が無かったんです。そして噂の「地下司令部」は発見されず。

何の証拠にもなってないよね。人質が病気だったので病院に連れて来ましたって言い張られたら話は終わっちゃうし。そもそも病院の地下に要塞があるなら人質はそちらにこっそり連れて行く筈でしょう。病院の玄関から人質を連れて来たら周囲にバレやすいわけですけど、本来は人質の居場所は秘匿したほうが有利な筈で・・・

この人は自分のことをミリオタと言って色々詳しいと自負しているが、彼は戦闘作戦というものをまるで理解していない。例えば何故ハマスはイスラエル軍に応戦しなかったのかということだが、それについて別の人がこんなことを返していた。

ガンまにあ@kByElwGuX26G3dg:ニワカがなに妄想を吐いてるのかな? バンカーキャンプ・バトルキャンプ・ベースキャンプの後に。 司令部が在るのだから、司令部周辺で戦闘が無いのはあたりまえ。 何故ならば、IDFがハマス司令部に接近した頃は。 ハマス司令部は後方に撤退して居る訳ですね。

ガンまにあさんはどうやら軍事専門家らしい(本人がそう言ってるだけで、私は確認のよしはないのだが)「麻生内閣のときに、ソマリアの海賊対策で海洋哨戒機の派遣が決まったでしょう。アレは私のアイデアです。 後F15SJをF15MJに改修する案を最初に言い出したのも私です。」と言っている。

Twitter(X)には色々な専門家がいるからやたらなことは言えないな。ところで人質を治療のために病院に連れて来たとか、全く笑っちゃう言い訳だ。自分らでさんざん虐殺やって人質に大怪我負わせて拉致しておいて治療のために病院に連れて来ただ?いい加減にしろ!堂々と病院の表玄関から入ってきたのも、そこがハマスの基地だからで回りの人間もすべてハマス配下の人間だからだと思えばすべて辻褄があう。基地であるなら人質を隠してこっそり裏口から入れる必要はないからだ。

ミリオタといってもJSFさんはミサイルなど兵器には詳しいが、戦争のやり方には全く疎い。

私はイラク戦争の時もそう思ったのだが、戦争を批判的に言う人に限って戦闘とはどういうものなのか知らない人が多くて驚く。私はとうていミリオタではないし、やり方を知っているとは言えないが、イラク戦争当時数人の元軍人のブログを読んでいた。従軍記者のマイケル・ヨン氏など非常に詳しい記事を書いていたので非常に勉強になった。

いちどイラクに特派員として派遣された日本人記者が当時のヤフー掲示板で、イラクで泊った米軍基地内の宿舎の窓際に立ち、米軍兵たちがなにやらやっているのを見ていたら、兵士らから窓際に立つなと注意されたと言う話をしていた。そしてその記者は「よほど記者に見られては都合のわるいことをしているんだろう」というので、「窓際は敵の狙撃兵に狙われる可能性が高いし、もし爆撃があった場合には窓ガラスの破片が当たって危険だから、戦地では窓際に立たないのが常識なのだ、戦場記者のくせにそんなことも知らないのか」と言ってやったことがある。ド素人の私でも解ることを記者が無知だったのは本当に呆れてしまった。


View comment

登場人物の成長結果を出して欲しかった、ザ・ホールドオーバーズ(居残り組)

本日の映画紹介はザ・ホールドオーバーズ(居残り組)。日本で公開されるかどうかは分からないので邦題は私の勝手な意訳。

あらすじ:1970年12月。ボストンで郊外の裕福層の子息ばかりが通う小学校から高校までの全寮制男子学校で高校教師をしている中年男性ポールはクリスマス休暇中キャンパスに残って、種々の事情から家に帰らず学校に残る生徒達の監視役を押し付けらえる。それというのも学校に多額の寄付をしてきた家族の息子を前学期に落第させたことから学長に睨まれていたからだった。

居残り組は主人公の高校生アンガスと宿敵のテディ、高校のフットボール選手で大金持ちの息子ジェイソン、小学生二人はモルモン教宣教中家庭のアレックス、韓国人留学生のユージュンの五人。大人は教師のポール、賄い女性で最近息子が戦死したばかりのマリー、用務員のダニーの三人。大きなキャンパスでたった8人だけで二週間暮らすことになるのだが、ポールはもともと生徒からも同僚の教師たちからも好かれていない変わり者。休みなのに勉強や運動を強制するポールに生徒達はげんなり。自宅が改装中で家に帰らない予定だったジェイソンは、他の生徒達が望むなら親に連絡してヘリコプターを呼んでスキーリゾートに連れて行ってあげると提案。半信半疑だった生徒達だが実際にヘリコプターが迎えに来て、親たちの承諾が取れた生徒達はヘリコプターに乗り込みキャンパスを去っていった。親との連絡が取れなかったアンガスを除いては。

アンガスはもともとは自宅へ帰り母親と旅行をする予定だった。しかし母親は再婚相手の夫と延期していた新婚旅行をついに実現させることになったと言って突如アンガスとの約束を破ったのだ。そして教師のポールが連絡しても外遊中の母親とは連絡が取れなかったため、アンガスは他の生徒たちと一緒にスキーリゾートへ行くことはできなかったのだ。

これで学校にはポールとアンガス、そしてマリーとダニーだけの生活が始まる。まったく気の合わないポールとアンガスだが、色々な出来事を通じてだんだんと心を開いていく。あらすじ終わり

まあこういう映画は予告編を見た時からだいたいの筋の予測はつく。最初は頑固者でいけすかない教師とやんちゃでどうしようもない子供達が共同生活をしていくうちにだんだんとお互い理解が深まっていくといった内容だろうと思っていた。それで前半で四人の生徒が去ってしまったのはちょっと意外だった。せっかく四人の背景を説明しておきながら、それ以降彼等がどうなったのか全くわからない。それと予告編ではもっとコメディータッチの映画に見えたのだが、だんだん深刻になっていき、最後のほうはコメディ映画とは言えない内容になってしまった。

この先ちょっとだけネタバレあり。

後半はアンガスとポールが主要な登場人物となる。ずっと独身生活を送ってきたポールは昼間からウイスキーを飲むアル中で、金持ちの同級生からカンニングの汚名を着せられハーバード大学から追い出された過去があった。自分もこの学校出身なのだが金持ちの息子ではなく奨学金で大学まで行っていたので、同学校に通う金持ち生徒たちにはすくなからぬ偏見を持っていた。しかし、アンガスが死んだと言っていた父親は実は精神病院に入っていたことを知り、アンガスは彼なりにつらい状況にあることを知る。また気丈にふるまっていたマリーも実は息子の死から全く立ち直れていないことも解ってくる。

こうしたことが解るにつれポールはアンガスへの偏見をなくし、二人はだんだんと友情をはぐくむようになる。この段階の表現は非常に良いと思う。ただ私はもう少し二人の成長ぶりを見たかった。たとえばポールはアンガスとの友情を通じて金持ちボンボンたちにもそれなりの悩みがあることを悟り、お酒を諦め生徒からも好かれる教師になるとか、アンガスは勉学に励んでコーネル大学に入学するとか。そういう後日談が欲しかった。

休みが終わって生徒達は戻ってくるが、ポールの態度にはあまり変化が見られない。私はここでクリスマスキャロルのスクルージ風に何か別の人格が現れてくれるのではと期待していたのだがそれはなかった。ただアンガスが父親の病院を訪れたことが母親にばれて罰として士官学校に転校させられるのを防ぐためにポールがアンガスを守って責任を取るくだりはいい。

最後にこの映画はもう少しアップビートで終わってほしかったので、このまま何も変えなくてもいいから後日談を文章でいいから付け加えてほしかった。たとえば、、

ポールは遂に書くと言っていた本の執筆を完成させ、今は教師を辞めて作家としてボストン郊外に在住。アンガスは高校を主席で卒業後、コーネル大学に進学し考古学の博士号を取って同大学で教授に就任といったように。それだけでかなり観客の気持ちがすっきりすると思う。せっかく1970年という時代を背景にしたのだから、その後どうなったのかという話をちょっと付け加えても良かったのではないかと思った。

Cast (in credits order) complete, awaiting verification  

主な配役一覧 IMDbより
Paul GiamattiPaul Hunham
Dominic SessaAngus Tully
Da’Vine Joy RandolphMary Lamb
Carrie PrestonMiss Lydia Crane
Brady HepnerTeddy Kountze
Ian DolleyAlex Ollerman
Jim KaplanYe-Joon Park
Michael ProvostJason Smith
Andrew GarmanDr. Hardy Woodrup
Naheem GarciaDanny
Stephen ThorneThomas Tully
Gillian VigmanJudy Clotfelter
Tate DonovanStanley Clotfelter

Comment

東洋人の祖先はアフリカの黒人だった?

最近東洋人の祖先はアフリカの黒人だったという説を唱える人が増えて来て、Xでアジア人の話を中心にしてる人にやたらにそういう資料を送り付けてくる人がいる。私もTikTokやYouTubeでそういう動画をいくつか見たことがある。しかしこれはどう考えても馬鹿げている。

考古学的に言うと、確かに人類の祖先は皆アフリカから始まっている。現代人は皆アフリカ大陸から出た原始人の子孫である。

現代の人間の直接の先祖はホモサピエンスだが、まだ人間がホモサピエンスになる以前、現代人の祖先人類ホミニンが最初にアフリカから外へ出たのは1.7から1.85百万年前にとされていた。ただ80年代にジョージアでもっと古い人間の化石が発見された。中国やインドなどでは1.6百年前の人間の化石とともに、二百万年くらい前の道具の化石も発見されており、もしかすると最初の人類がアフリカを出たのは2.2百万年くらい前だったのではないかとさえ言われている。

人類とはいっても、これらの人びとは今の現代人とは同じではなく、身体も小さく脳みそも現代人の半分程度しかなかった。ただ道具を使って狩りをしていた形跡があった。

その後アフリカでは人類はずっと進化を続けたが、世界に広まった他の人類もそれぞれ独自の進化を遂げていたと考えることが出来る。7万年くらい前にやっとホモサピエンスという現代人の直接の祖先がアフリカを出る。もっともそれまでにも原始人はアフリカから出て世界中に散らばっており、アフリカの外に住んでいた他のホムニンであるネアンダルタール人と出会い混血も生まれていた。アフリカ以外の国の人類にのみネアンダルタール人のDNAが含まれているというのもそれが原因である。

さて、ここまで書けば私が何を言いたいのかお分かり頂けると思うのだが、確かに今の東洋に最初に訪れたホムニンはアフリカから来た人たちであるが、彼等は現代のアフリカ人とは同じではない。二百万年も前に東洋に訪れたホムニンはヒト科の別の動物なのである。同じ人間ですらないのだ。だから東洋に最初に訪れたのはアフリカ人だったのではなく、我々も現代のアフリカ黒人も同じ動物から進化したというだけの話である。しかも我々はアフリカから出なかったアフリカ人たちとは違う動物のDNAが含まれているのである。

これらの人びとは現代のホモサピエンスではなく、ホモサピエンスの前のホモエレクタスよりも古い人類であり、身体も小さく脳みそも現代人の半分くらいだった。

今、東洋人の祖先はアフリカ黒人だったなどと言っているひとたちは、東洋人の文化は元はといえば黒人のものだったと言いたいようだ。ユーチューブには中国には昔から黒人も住んでいたという動画を上げている人がいるが、それは中国は広い大陸であり色々な人種が入り混じっているということの証明でしかなく、中国の先住民がアフリカ黒人だったという証拠にはならない。中国は非常に大きな大陸であり多くの部族がいる。インドやカザフスタンやロシアやなどと国境を接している。だから伝統的な中国人の顔をしている人も居れば色も黒っぽいインド人のような人もいるし、アラブ系の顔のひともいるし、そうかと思えば色が白く碧目の人もいる。それは単に中国は広いと言うだけの話である。

だいたい中国の先住民がアフリカ黒人だったという人達の証拠というのが、19世紀に撮られた写真にアフリカ系黒人のような人が写っているということだけ。いったい中国がどれだけ古い国だと思ってるんだ。全く呆れかえる。

クレオパトラが黒人だったと言ったと思ったら、今度は中国人は黒人だったとか、本当に何を言ってるんだかわからない。どうしてアフリカの歴史からアフリカの文化や偉人を探してこないのだ?何故他人の文化を横取りしようとするのだ?

こういうのこそ本当の意味で文化盗用というのではないだろうか?

追記:11月19日

思ったのだが、こういうのって結局自分らには高度な文化がないと考えている人々の劣等感の裏返しなのではないだろうか?もし自分らの文化に誇りがあったなら、他人の文化を自分らのものだとか言い出さないはずだ。

例えばどこか日本のお隣の国が、やたらと日本の茶道や剣道や柔道はもともとそちらの国から生まれたんだとか言い張るのと同じで。日本は他国の文化も取り入れ日本なりにアレンジしてより良いものを作ると言うことを誇りに思っているから、自動車は日本で発明されたとか絶対に言わない。


Comment

お爺ちゃんの定期健診

先週お爺ちゃんの健康診断があり、血圧も血糖値もコレステロールも正常。身体はどこも悪くなく至って健康という診断だった。本日脳外科の検診も受けて来たが、認知症の病状は少しづつ悪化しているとはいうものの、身体は健康なのでこのままの状態がまだまだ何年も続くだろうと言われた。こういう病気では寿命はどのくらいなのかと尋ねると、「認知症は致命的ではありませんからね。アルツハイマーになると5~6年で亡くなりますが、お爺ちゃんの場合はアルツハイマーではないから他の病気にかからない限りこの病気で死ぬわけじゃありません。だから身体さえ元気ならまだまだ何年も大丈夫ですよ」と言われた。「ただ、、認知症が進んで本能的なことが出来なくなると、つまり食べ物を飲み込むという本能すら働かなくなったら終わりですね」と付け加えられた。

そういえば、認知症に関する動画で見たのだが、物が食べられない人のために、いろうと言って養分を直接胃に送り込む方法があるそうだ。しかし医療関係者の話ではこれはお薦めできないとのことだった。結局それはもう死にかけている人を無理やり生き延びさせているだけで、とても生きているとは言えない状態だからだそうだ。

お爺ちゃんが食べ物を飲み込めなくなったら、もうそれは死ぬ準備だと思ってあきらめるしかないだろう。ま、いまのところはそんな状態ではないが。

お爺ちゃんには長生きをしてほしいかといえば介護の身としては複雑な気分である。いまのところさほど手はかからないが、もっと手がかかるようになったら私ひとりではどうにもならない。やはり施設に入ってもらうしかないだろうが、お金もかかることだし。出来る限りうちに置いておいた方がいいと思うが、どうしたものやら。

トトロのDVD

お爺ちゃん、トトロのDVDが届いたよ。観る?「観る」トトロトトロと散々踊った後、「もう一回かけろ」今観たのにまた観るの?「もう一回かけろ!」はあ、良かったよ。買った甲斐がある。ところでトトロは英語吹き替えのほうが日本語よりずっといい。演技が上手。

お爺ちゃんはジブリの映画が気に入ったようだったので、キキの宅急便、千と千尋の神隠し、を購入。すでにそれぞれのDVDを三回以上観ている。でもやはり一番好きなのはトトロみたいだ。


Comment

国際法による均衡性の原則は双方の犠牲者数とは無関係

ずっとイスラエルは国際法の均等性の原則を違反していると主張している人がいるので、いったいこの均衡性とは何を意味するのか、どういうやり方ならこの原則に違反しないのか疑問に思っていたのだが、今日Xで弁護士でこの問題には精通しているという人のツイートをよんで合点が行った。結論からいうとこの規則ならイスラエルは違反行為をしていない。Captain Allen@CptAllenHistory

普通メディアや一般人が均衡性proportionalityという言葉を使う時、戦争中の敵と味方がお互い相当の武力を使いお互いの犠牲者数も同程度なければならないと解釈する場合が多いが。実はこれは正しい解釈ではない。国際法における均衡性とは個々の軍事作戦が民間人犠牲者の数にみあうほどの軍事価値があるかどうかという均衡性を意味するのだ。

国際法に置いて標的は軍事標的でなくてはならない。だからハマスがしている民間人を故意に狙う行為は明らかに国際法に触れる。反対にイスラエルがやっている軍事標的への攻撃で民間人が巻き添えになる場合は、例え犠牲者の数が多くても必ずしも国際法には触れないのだ。

たとえばハマスの歩兵で大して重要ではない兵士が民家に隠れたとしよう。そしてこの民家には10人の人間が住んでいたとして、もしIDFがこの兵士一人を殺すためにこの民家を破壊して10人の民間人を皆殺しにしてしまった場合は、およそ均衡のとれた作戦とは言えず違法行為である。

病院や学校やモスクなどは通常は標的にしてはいけないことになっているが、そこが敵側の軍事基地として使われている場合にはこれらは軍事標的となる。こうした場所を軍事攻撃に使う行為そのものが国際法に違法するからである。そして民間人が人間の盾として使われている場合は、それらの民間人も軍事標的とみなされ均衡性の原則には違反しない。しかしこれも、これらの施設が軍事的にどれだけ価値のあるものかによっても民間人犠牲者数がそれに見合っているかどうかが問題となる。病院の地下の小規模の武器庫があるだけでは地上に居る何百人という民間人を道ずれに破壊するというのは均衡性に欠けるだろう。しかし反対にそこにロケット発信装置があったりハマスの重要人物の隠れ家があったりすれば同じ数の民間人犠牲者が出たとしても均衡性はあると判断されるわけだ。

キャプテンアレンによると、イスラエル軍(IDF)には軍事弁護士がついており、ひとつひとつの作戦に置いてそれが国際法に違反しないかどうかいちいち審査していると言う。彼等は軍隊の指揮系統の外にいるため、単に上官から命令されたらハンコを押すような立場にはない。これらの弁護士が間違った判断をした場合には後々戦争犯罪者として責任をとらなければならないので、彼等は非常に慎重である。 そしてその判断が非常に難しい場合には最高裁まで行って審査がされるというのだ。

そしてここで覚えておかなければならないのは、冒頭でも述べた通り、イスラエルの犠牲者数とパレスチナ人の犠牲者数は均衡性の原則には無関係であると言うことだ。だからイスラエルでは1400人しか真でないのにガザではすでに一万人以上が死んでいる(ハマスの言葉以外確認のすべはないが)からイスラエルは不均衡な戦争をしているという主張はナンセンスなのだ。

もうひとつ興味深い統計がある。国連の統計によれば一般的な戦争では一人の戦闘員の死に対して9人の民間人が死ぬのだそうだ。であるから民間人の数の多さのみだけで戦争犯罪がおきているかどうかは判断しないことになっている。イスラエルの攻撃によって民間人が死ぬ度にイスラエルは批判されるが、実はイスラエルの攻撃によって犠牲になった民間人の率は、10月7日以前のジニーンで戦闘員ひとりにあたり0.6人だった!IDFによる民間人犠牲者の数は1:9という国際社会の平均を大きくしたまわるだけではなく、IDFは民間人よりも戦闘員をより多く殺しているという計算になる。これは世界的に非常に稀な現象だ。

実際、イスラエルは、メディアによって、政治家によって、そして国連総会によって、ほとんど即座に戦争犯罪の非難を浴びている。イスラエルの具体的な一撃が国際法の枠内に収まるかどうかを判断するには、比例均衡テストを用いなければならないため、分析を提供する者は、民間人への予想される影響と予想される軍事的優位について、イスラエルがその攻撃を実行する前に考慮した事実をすべて把握していなければならない。イスラエルに批判的な即断を下す人が、そのような情報を持っているはずがないのは明らかだ。

イスラエルの空爆直後や空爆中にイスラエルを「戦争犯罪」だと非難するトーキングヘッドを見かけたとしても、それは何が戦争犯罪を構成するかについての国際法上の実際の法的分析ではないことを理解してほしい。それよりも、あなたが目撃しているのは、世論の目から見てイスラエル国家を悪魔化し、委縮させるというハマスの継続的な心理・宣伝戦キャンペーンの一環である可能性の方がはるかに高い。Captain Allen@CptAllenHistory

全くその通りだ。今イスラエルが国際法に違反しているとがなり立てている輩は何も知らずに適当なことを言っているだけなのだ。

キャプテンアレン:ユダヤの歴史とアイデンティティに情熱を燃やす弁護士・歴史家。知識と分析力をもって、あらゆる立場のユダヤ人と好奇心を持つ人々に力を与えたいと願っている。


View comments (2)