ノ、ノ、ノ、クレオパトラは黒人じゃない。だれが何と言おうと絶世の美女とうたわれたクレオパトラ7世は断じて黒人ではなかった。何を突然いい出すのかって?実は最近公開されたネットフリックスの「ドキュメンタリー」と称するフィクションでクレオパトラをイギリスの黒人女優が演じており、番組の中でもクレオパトラがアフリカ系黒人だったという話をまことしやかにしているからだ。これが単なるドラマとかであれば、まあ、架空の話でるからそれはそれでもいい。それでも私は歴史上の人物はなるべくそれに見合った俳優を起用すべきだと思うが、まあ、それはいいとしよう。問題なのはこれがドキュメンタリーであるとうたわれている点。これでは多くの日が彼女に対して間違ったイメージを持ってしまう。

彼女の人種は割合はっきり知られている。彼女はエジプトの女王であり、当時のエジプトには文字があったので、彼女のことは代々の家系図ではっきりと記されているからである。それによれば、クレオパトラはエジプトの女王ではあったが、今エジプトに住むアラブ人の系統ではなく、マセドニア人(今でいうギリシャ人)で、いくらかペルシャ人(今のイラン人)の血が混じっていたことがわかっている。

また保存されているエジプト王たちのミイラからわかったDNA調査でも、昔のエジプト人は地中海のヨーロッパ人に近いことが確認されており、アフリカ系の血は混じっていないことがはっきりしている。

クレオパトラは女王であったから彼女の肖像は壁画や銅像やコインなども多く残っており、もし彼女がアフリカ系黒人であったならそのように描かれたものがあってもいいはずだ。だが、そのような肖像はひとつも残っていない。どれをみても、彼女は彫りの深い鼻の高い美女として描かれている。女王だから実際より美しく描かれていたとしても、彼女が黒人だったなら誰か一人くらいはそう描いていたはずだ。

確かにエジプトの壁画はヨーロッパの彫刻のように写実的ではない。しかしそれでも違う人種はそのように描写されている。例えば下記の壁画だが、肌が黒いのはさることながら、髪の毛の質や顔立ちなど明らかにアフリカ系黒人と解る描写がされている。アフリカ系黒人を描いた壁画。

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リンク先をクリックすれば大きい絵がみられる。クレオパトラはこのような描写にはなっていない。下記は複製だが、大抵こんな風に描かれている。どうみても上の黒人たちとは全く違う描写である。

  • Cleopatra

またクレオパトラは2年間ローマに住んでいたことがあり、その頃もっと写実的な彫像を作る傾向にあったローマで彼女の彫像が作られており、どれも白人女性の顔で描かれている。

ローマ人であるジュリアスシーザーやマーク・アントニーなど当時のマセドニアやローマの人びとが彼女を絶世の美女と考えたわけだから、彼女は当時の美女の標準に達している必要がある。こういっては何だが、当時の人たちがアフリカ系黒人女性を美女だと思ったとは考えにくい。

下記の動画では、彫像や肖像画を元にクレオパトラはどんな顔だったのかを再現したものだ。クレオパトラは赤毛で描かれていることが多いので、もしかすると赤毛だったのかもしれないとビデオの制作者は言っている。

何にしても彼女が白人だったことは間違いはない。にもかかわらず何故一部の黒人の間でクレオパトラは黒人だった説がまことしやかに語られるのだろうか?

私はこれは最近始まった黒人至上主義が原因だと思っている。

近年イギリスやアメリカでは黒人による歴史的貢献を古代評価する傾向がある。私は大学時代にアフリカの歴史を少し学んだことがあるが、お世辞にも文明開化の社会ではなかった。アフリカにはエジプトや中国のような古い文化はなく、巨大な部族はあったとはいうものの、立派な建築物も残していない..若干アフリカ大陸北部にはアラブの影響で古い建物は残っているが、それにしたってアフリカ人が建てたわけではない。

つまりアフリカには世界の文明に貢献したようなものは特にこれと言ってないのだ。

それが気に入らないのがアメリカやイギリスに居る黒人至上主義者たち。何とか自分らにも高貴な歴史があったと思いたいばかりに歴史を書き換えてしまうのである。例えばヨーロッパ人がアフリカに来てアフリカに合った帝国を滅ぼしたとか。

そして今回のようおにクレオパトラは黒人だったとか言い出したわけだ。そんなことをしても、エジプトを支配していたのがマセドニア人だったことに変わりはないのに。

最近何かというと元々白人のキャラクターをやたらと黒人が演じることが多くなったのも、この黒人至上主義のせいだ。イギリス宮廷の王女を実際とは正反対に色の真っ黒な女優が演じたり、ディズニーのリトルマーメイドやティンカーベルやピノキオの青の妖精など、白人としてのイメージが定着しているキャラクターをこれでもかというほどイメージの違う女優にやらせている。はっきり言ってこれには悪意しか感じない。

イメージが違いすぎると苦情を言っていた人たちをレイシストと言って罵倒していた人たちが、先日発表されたハワイ原住民を主役にしたリロとトゥイッチの配役が発表されると、俳優たちは皆太平洋諸島出身であるにもかかわらず、アニメキャラより色が白すぎるとものすごい批判を浴びせた。何故白人は全くイメージの違う黒人が演じてもいいのに、非白人だったら肌の色がちょっと白目程度でそんなに怒るのだ?ダブルスタンダードもいい加減にしてほしい。

リロとトゥイッチの配役とアニメキャラ。

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以前に日本人でハリウッド俳優として活躍している男性が、マイノリティーはマイノリティーが演じるべきだと言っていたので、じゃあ黒人が白人を演じるのはどう思いますかと質問したが完全無視されたのを思い出す。

クレオパトラが黒人だった可能性はゼロだが、現代に生きるハワイ諸島の人びとに白人の血が混じっているのはよくあること。だからこれらのキャラクターがアニメで描写されているより多少色白であることなど大した問題ではないはずなんだが。何故か人種スワップは一方通行らしい。


1 response to 黒人至上主義者のプロパガンダ、クレオパトラは黒人という嘘

苺畑カカシ12 months ago

ネットフリックスでのシリーズが始まったが、ロトゥントマトメーターで、2500人の視聴者のうち高評価は1%という散々たる結果が出た。

ユーチューブで今のエジプト人も含む批評家のチャンネルをいくつか見たが、アフリカに住む人々をすべて黒人とひとまとめに考えるのはアメリカ的な考えだという指摘が多かった。

エジプトは確かにアフリカ大陸の一部ではあるが、エジプト人の人種はエチオピアやガーナやスダーンなどといった国々とは違う。またそれぞれの国々の人びとも、色は黒いかもしれないがそれぞれ全く違う文化を背景に持つ人々である。色が黒ければ全員アフリカ系黒人だと思い込むのもアメリカ人の悪い癖だ。

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