こちら昨日ニュースウィークに乗ったネイサン・J・ロビンソン(Nathan J. Robinson )のコラム。題名にカチンときたので読んでみよう。意訳すると『右翼がナッシュビルの乱射犯人のジェンダーに拘るのは超気色わるい、その理由を言ってやるよ』(The Right’s Fixation on the Gender Identity of the Nashville Killer Is Disgusting—and Telling | Opinion)となる。

ロビンソンは、おととい起きたテネシー州ナッシュビルのキリスト教小学校での乱射事件は誰の目にも悲劇だったとしながら、今回の乱射事件は他の事件とは違っていた。それは犯人がトランスジェンダーだったということだと始める。実はこれは正しくない。以前にも男性自認の女が学校で乱射事件を起こした事件があるし、ノンバイナリーを名乗る男のゲイバー乱射事件も記憶に新しい。まあそれはいいとして、記事を続けよう。

すぐに、右派の著名なコメンテーターがこの事実を取り上げた。彼らの論評は犯人の性自認に絶対的に固執し、評論家やオピニオン・パーソナリティーは、トランスジェンダーが文明の構造に対して大きな脅威をもたらすという彼らの理論を証明するものとしてこの銃撃事件を取り上げた。

ニューヨーク・ポスト紙は一面トップで “トランスジェンダーの殺人犯がクリスチャン・スクールを襲った “という見出しを掲げた。デイリー・ワイヤーのマット・ウォルシュは、「トランス運動は、わが国が直面する最大の悪である」という確信を得たと述べた。(J.D.バンス上院議員(オハイオ州選出)は、犯人がトランスであるという事実は、「極端な左翼に多くの魂の探求をもたらす」べきであり、「これらの考えに従うことは同情ではなく、危険である」ことを示すものだと述べています。ターニングポイントUSAのベニー・ジョンソンは、トランスの人々が「子供に対する大量虐殺を犯しており」、「地獄の穴からの悪」であることを示していると述べ、報道でトランスジェンダーと確認された他の銃撃犯の例をいくつか挙げて、トランス権利運動が “テロリスト” を生み出していることを証明していると述べた。

ロビンソンは、これは非常におかしな状況だという。なぜならこの乱射事件はこれまで起きた多くの乱射事件のほんの一件であり、これまでの乱射事件のほとんどが白人至上主義者によるものだったからだという。

これも全くの嘘だ。先ほども述べたようにこれまでにトランスジェンダーやノンバイナリーを名乗る犯人による乱射事件は起きているし、乱射事件の犯人には右翼思想も左翼思想もおり、ほとんどが白人至上主義者によるものだなどということはない。

ここ最近起きた事件だけでも、コロラドスプリングの乱射犯人はノンバイナリー。デンバーの犯人はトランスジェンダー、アバディーンスクールの犯人はトランス。(Benny Johnsoのツイッターより)トランスではないが、私の記憶ではフロリダのゲイバー、ポルスの乱射事件犯人はゲイ男性だった。

ロビンソンは乱射事件の犯人がトランスジェンダーである確率は非常に低いと語る。だから数件の乱射事件をしてトランスジェンダーが特に危険だというのは理論的に無理があるといいたいようだ。

右派コメンテーターたちは、乱射犯人がトランスだとそのジェンダーに拘る癖に、犯人が「シスジェンダー」の場合は誰もそれを指摘しないのは何故かと問いかける。犯人がトランスであることが問題だという議論が成り立つなら、これまで起きたほとんどの乱射事件の犯人は「シス」なのだから、「シス」こそ乱射を冒す危険な属性だということが出来るという理屈になるのではないか。

いやいや、ロビンソンは文脈というものを無視している。彼はこの事件が起きた背景を故意に無視し、話をそらそうとしているのだ。

トランスジェンダー活動家による暴力は何もこれが初めてではない。乱射事件という形で現れることがこれまでには珍しかったというだけで、彼等による暴力、特に女子供や老人を対象としたものは、これまでいくらも起きている。

つい先日もニュージーランドのポージー・パーカーの「女にしゃべらせろ」イベントが数百人のTRA暴徒によって妨害された事件が起きたばかり。パーカーのイベントはNZのみならず、オーストラリアでもニューヨークでも、それを言うならロンドンでも常に黒装束のANTIFA/TRAの暴力集団によって攻撃されてきた。

トランスジェンダリズムに抗議する活動は、どこもかしこも同じである。ロビンソンが述べているマット・ウォルシや同じくデイリーワイヤーのコメンテーターであるマイケル・ノールズの講演は、行く先々でピンクや紫の髪に鼻輪を付けたTRAたちによって暴力的な妨害に遭う。ウォルシも自分の番組のなかで話していたが、TRAによって彼の住所が晒され妻子の命が脅迫されたのも一度は二度ではないという。だからウォルシがTRAは社会の最大の敵と言う時には実体験が背景にあるのである。

それにこの事件のタイミングにも注目する必要がある。昨日も書いたように、最近テネシー州では子供の性転換治療を禁止する法律が通った。TRAたちは来る4月1日にトランスジェンダー復讐の日と称して大々的なテロ行為をすると予告している。そんな時に起きたトランスジェンダーによる乱射事件だ。犯人の属性が取りざたされるのは当然の話だ。

しかも犯人は自分が10年前に通ったキリスト教小学校を標的にしている。彼女はキリスト教の家庭に育ち、自分のトランスジェンダリズムを親から拒絶されたという話もある。つまり犯人の乱射の動機には自分がトランスジェンダーであるということが非常に大きな要因を示すのだ。

もしもこれがMAGA信者の白人男性が中絶施設のプランドペアレントフッドを襲撃したという事件だったら、その男性の思想が右翼保守であったことは大々的にニュースになるだろうし、そうなって当然である。なぜなら殺人犯が個人的にたんなる精神病患者なのか、それとも何か危険な思想に感化された人間なのかを知ることは、今後の犯罪を阻止するための重要な手がかりとなるからだ。

だいたい何かにつけてジェンダージェンダーとうるさく騒いでる連中が、聞かれもしないのに自分の代名詞はThey/Themだの、女性を強姦した男の自認が女性だからと、裁判中に検察官が「犯人の男は」と言っただけで検察官のほうが罰金を課せられるような世の中である。そんな中で都合の悪い時だけ「ジェンダーに拘るな」などと言っても、そんなご都合主義は通用しない。ビリー・ジョエルじゃないが、「火をつけたのは我々ではない」

ロビンソンがトランスジェンダリズムが暴力的なカルトではないと証明したいなら、トランスの名のもとにトランスに批判的な人々(特に女子供)に執拗なまでの暴力行為をする活動家を批判したらどうなのだ?彼等はトランス活動家の名にふさわしくないといって何故破門にしないのだ?

F*TERFだ、TERFをぶん殴れだ、TERFをぶっ殺せだの普段から言ってる連中が、この乱射行為はその流れの行きつく場所だと言われることに、今更抗議をする資格などない。


1 response to 右翼はナッシュビル乱射事件犯人のジェンダーに拘り過ぎだあ?ジェンダー思想を社会に押し付けておいて今更それはない

苺畑カカシ1 year ago

https://www.msn.com/en-us/health/medical/we-were-wrong-pioneer-in-child-gender-dysphoria-treatment-says-trans-medical-industry-is-harming-kids/ar-AA18wUwy?ocid=msedgntp&cvid=e4f85cd7225f4c18b9d8a16cec
‘We Were Wrong’: Pioneer In Child Gender Dysphoria Treatment Says Trans Medical Industry Is Harming Kids
Story by Laurel Duggan • Mar 11

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