“The lady doth protest too much, methinks”とはシェークスピア戯曲ハムレットの中で、ハムレットの母ガートルード王妃がハムレットが仕掛けたお芝居を観た時に放つセリフである。これは誰かが何かを不自然に強調しすぎてかえって信用できない時に比喩としてよく使われる。最近の日本のトランスジェンダー活動家達が、理解増進法や差別禁止法が通ったからといって、女性を自認する男性が女湯にはいってくるなどというのは反対派が広めたデマだ!と叫ぶのを聴いていると、どうしてもこのセリフがあたまに浮かんでしまうのだ。

先ずはツイッターで上がってきた朝日新聞の記事から引用。強調はカカシ。

SNSを中心にトランスジェンダー女性を排斥する発言が広がっているとして、全国の当事者団体でつくる「LGBT法連合会」が16日、東京都内で記者会見を開き、「デマや中傷が当事者の生活を脅かしている。差別を禁止する法制度が必要だ」などと訴えた。

 元首相秘書官による差別発言をきっかけに、一昨年棚上げとなった「LGBT理解増進法」の検討が再び進んでいる。そうした中で、「男性が『心は女だ』と言えば女湯に入れるようになり、これを拒むと差別になるらしい」などという言説が広がり、当事者らが苦しんでいる

「もめ事は非常に少ない」

 会見では立石結夏弁護士が「公衆浴場は(厚生労働省による)管理要領で『男女を区別し』と定められている。この場合の『男女』は身体の特徴に基づく性別。全裸の時の外見から判断される性別と自認する性別が一見して異なる場合、施設管理者との調整が必要となる。男性的な身体に見える人が『心が女性』と言って女湯に入れるというのは誤り」と解説。現状で「公衆浴場やトイレについてもめ事になるケースは非常に少ない」と強調した

最近は市井の女性達もこの問題について色々考えるようになり、諸外国で起きている多々の問題もソーシャルメディアなどを通じて学ぶことが出来るようになった。当然日本でも同じことが起きるのではないかという懸念が生まれた。しかし新法推進者やTRA活動家たちは、こうした一般の人びとの不安を拭うような誠意のある説明を全くしない。それどころか私たちの掲げる不安や懸念に対しては、ヘイトだ!差別だ!デマだ!とがなりたてるだけだ。ツイッターで見かけたいくつかの例を上げてみよう。強調はカカシ。

トランスジェンダーやジェンダー自認に関する議論が、日本ではひたすらトイレや風呂場の話に終始してるの、意味分からないし、むしろ滑稽に感じる。全く論点がズレている。ー @yukoasanuma

「トランスジェンダー女性が女性用スペース(トイレや更衣室や風呂)を脅かす」といった話題で人々の怒りや共感を狙う話が拡散していますが、みんな悪質なデマです。 善意や共感でデマ拡散に加担しないようご注意を。-星 暁雄 (ITと人権)@AkioHoshi (自称ジャーナリスト)

「LGBT法案ができたら、男性が『心は女だ』と言えば女湯に入れるようになり、これを拒むと差別になる」というデマで、トランス女性が苦しめられている現状に対する記者会見。時枝さん「社会の中で自分はどんな性別に見られるのだろうかと人目を気にしながら暮らしている」ー松岡宗嗣(LGBT活動家弁護士)

「トランスジェンダーの権利を認めると女性を装った男性がトイレに入りやすくなり性犯罪が増える」などといった偏見や誹謗ひぼう中傷が交流サイト(SNS)を中心に拡散し苦しむ当事者も少なくない ー @mayan48181

実際にデマに苦しんでいる方々がいます。 LGBT理解増進法を作り、社会の理解を進め、当事者もそうでない人たちも納得できる、適切なルールを作るべきです。ー 稲田朋美 (衆議院議員)

これらのツイートに共通している点は、我々の懸念はデマであること、そのデマによってトランス当事者が苦しんでいるということだが、何がどうデマで、我々の懸念のどこが単なる取り越し苦労であるかという説明は一切ないことだ。

私はアメリカのLGBTQ+α活動をずっと観察してきているので、彼等の言ってることは英語でいうところの牛の糞(bull shit)であることがすぐわかる。拙ブログの2015年くらいの過去ログをお読みいただければ明白だが、アメリカでも『トランス許容トイレや施設が出来ても痴漢が増えるなどといった問題は起きない心配するな』と活動家は言っていた。しかしそれがどうなったかは読者諸氏はよくご存じの通りである。

TRAは常に行き当たりばったりの嘘ばかりつくので、話の辻褄が合わなくなり矛盾だらけになっているのだが、彼等はそんなことは全くお構いなしである。松岡などはこの間まで人々は自分が自認する方の施設を使えるべきだと言っていたし、2018年には別府の温泉でこんなLGBT混浴イベントが開かれていたのをNHKが報道していたほどだ。

では何故今になって、「女性自認男たちが女湯に入ってくるなんてデマだ」と言い始めたのだろうか?

何度も指摘しているように、LGBT活動家界隈の強みは人々の無知にある。特に日本ではまだ諸外国のように界隈の活動がよく知られていない。活動家たちが大した議論もせずに性自認法を早急に通してしまおうとしているのは、その内容を人々が知ったら絶対に反対されることを知っているからなのだ。スコットランドでもアイルランドでもオーストラリアでもカナダでも、そして無論アメリカ各地の州でも、性自認法が通った時一般の人びとはそんなものが通ったということさえ知らなかった。アメリカは別だが、UKや豪州では同性婚という誰もがほぼ同意できる法律の中に、トランスジェンダーの性自認法がこっそりと含まれていたことを人々は知らされていなかった。カリフォルニアの性自認法も州民の投票で決まったのではなく、民主党が多数議席を占める州議会が勝手に決めて通してしまったのだ。反対派による署名運動も署名数が集まったにもかかわらず、署名に不正があったとかいういちゃもんを付けられて認められなかった。この問題については関心のあった私ですら、女性自認の囚人が女子刑務所に移転される法律が通ったことを知らなかったくらいなのだ。

日本ではまだ、この法律に関して人々が関心を示しているだけ希望が持てる。

だが活動家にとって人々が関心を示すことこそが不都合なのだ。彼等は口では勉強しろだの理解を仰ぐだの言っているが、実際にTRAの本当の目的など理解してもらいたくないのだ。彼等の本音を知れば一般市民の理解など絶対に受けられないということを知っているからだ。

彼等の目的は少数派のLGBTQ+α(特にトランスジェンダー)による独裁である。女子供がその犠牲になるのは単なる副作用ではなくその目的の一つなのである。

良い見方をすれば、活動家たちが我々の懸念をデマだと騒ぐようになったということは、彼等も必死なのだと解釈出来る。つまり彼らはこれまでほど自分らの活動に自信がない。だからなんとか反対派の声をデマだヘイトだで沈黙させようとしているのだ。別の言い方をすれば、我々市井の人びとの声は彼等を困惑に陥らせる効果があるということだ。だから彼らは何もかも自分らの言い分を通せという高飛車な攻撃的姿勢から守りの姿勢に入ったのである。

我々正常な意識を持つ市民にとって今が肝心なのだ!今が正念場なのだ!

法律というものは一旦通ってしまうと覆すのは難しい。何年もお金と時間と労力をかけて闘わなければならなくなる。だからこのような悪法が通る前に、我々良識ある市民は声を大にして叫ばなければならない。

絶対に性自認法(別名が何であれ)を通してはならないのだ!


Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *