本日見つけたこのエッセー。子供のトランスジェンダーは放っておいても思春期を超えれば普通に正常な大人に育つという調査結果は神話だという話。著者はエリン・リード。見た目からして多分女性自認の男性だ。面白そうなので読んでみよう。

カカシ注:さっきこのエントリーを全部書いてから、少し付け足したいことがあるのでここに書いておく。子供のトランスジェンダーは思春期を越せば80%が普通に育つという話が神話だったとしても、だからといって子供の性違和を肯定し思春期ブロッカーや異性ホルモンを投与し挙句の果てには不可逆的な性器摘出手術をすることが性同一性失陥症の一番効果的な治療法であるという証明をしたことにはならない。何故何もせずに子供の性違和が失くなるのを待とうではなく、なんとしてでも子供の性転換をしなければならないのか、何故性違和以外の精神疾患の可能性を検査しないで性転換まっしぐらなのか、そうすることによって何もしないでいるよりも子供が幸せになれるという根拠は何なのか?性転換推進派はその説明を全くしていない。

では本題に戻ろう。

エリン・リード

この80%以上の子供のトランスジェンダーが放っておけば正常に育つという話は1995年に発行されたケン・ザッカ―(Ken J. Zacker)とスーザン・ブラドリー(Susan J. Bradley)共著のGender Identity Disorder and Psychosexual Problems in Children and Adolescentsと、2011年と2013年に行われたトーマス・スティーンズマ(Thomas Steensma)による調査結果が元になっている。

リードはこれらの調査に関する問題点をいくつか挙げている。

  • 当時は性違和のことを性同一性障害(disorder)と呼んでおり(今はでdysphoria、失陥症)、その診察に必要な条件が今よりも緩かったため、性同一性障害であると誤診された子供が多かった。
  • 対象となった数が少なすぎる。
  • 多くの対象者が途中で抜けている。
  • 子供のトランスが不可能だった頃の古いデータ
  • トランスを「直す」ためのコンバージョンセラピーが行われていた

それでは1994-2013年までのDSM-IVと呼ばれる性同一性障害の必要条件と2013年以降のDSM-5性同一性失陥症を比べてみよう。

DSM-IV 1994-2013は、次の5つの内4つの症状があることが条件になっていた。太字は必須。

  1. 異性である、もしくはありたいと主張すること
  2. 異性装を好む
  3. 異性の振りをして遊ぶ
  4. 異性の友達を好む
  5. 生まれた時に割り当てられた性別に違和感がある。

DSM-5 2013 – 現在は1番が必要条件に変わり、さらに次の三つの項目が加わわり、そのうちの5つの症状が必要とされる。

  • 割り当てられた性別特有の遊びや行動の拒否
  • 自身の性器への嫌悪感
  • 自分が体験した性別と合った方の性でありたいと願う

ケン・ザッカ―医師はトランスジェンダーの子供を「シス」ジェンダーに直そうという治療を試みていたが、2015年カナダの法律でコンバージョンセラピーが違法となり、ザッカ―医師のクリニックは閉鎖されてしまった。

ザッカ―医師の話は拙ブログでも2016年2月に取り上げている。幼児の性同一性障害治療を巡って首になった小児精神科医にみる政治と科学 – Scarecrow in the Strawberry Field (biglizards.net).。リードの偏見に満ちた説明を読む前に先ずそちらの方をおさらいしておこう。

幼児の性同一性障害を専門に治療してきた精神科医ドクター・ケニス・ザッカー医師はこの道では有名な研究家である。現在65歳(2016年当時)のザッカー医師はカナダのトロント市の病院で何十年も幼児期の性同一性障害の治療と研究にあたっており、何冊も研究書を発表している。そのザッカー医師が突然にして彼が勤める(幼児及び少年と家族の性同一性クリニック) the Child Youth and Family Gender Identity Clinic (GIC), を解雇された。その理由というのも、医師の幼児の性同一性障害は子供の成長に任せてなるべく異性変更への道を強制しないという姿勢がトランス運動家らの怒りを買ったからである。

ザッカー医師は決して性同一性障害が存在しないと主張しているわけでも、思春期を越した青少年が性転換に進むことを拒絶しているわけでもない。同医師の治療法は、思春期前の幼児の性同一性に関する混乱は幼児期だけに起きる一時的なものであったり、周りの環境に左右されたりするもので、本当の意味での性同一性障害とは判断できない場合が多いため、あえて早急に異性への変更に取り組むべきではないという常識的な考えに基づいている。

それをトランス運動家たちは、ザッカー医師がトランスの子供たちを無理やり普通の子供に戻そうと野蛮な治療を行なっているかのように訴え、その政治力で医師をの解雇を実現させてしまった。これは本当に性同一性障害やその他の精神病に悩む幼児に対して非常な悪影響を及ぼすものだ。

ザッカ―医師のクリニック閉鎖にあたり、カナダのGICが行った調査結果報告書には閉鎖の理由を次のように記載されている。

  1. 保護者は、青少年に出生時に割り当てられた性別以外の服を着せることを「譲らないように」勧められたと述べた。
  2. 間違った性別の玩具を避けるように言われた。
  3. 保護者は、自分の子供が生まれたときに割り当てられた性別の子供と遊ぶようにと言われたと述べている。
  4. 患者は、9歳という早い時期に、自分の性的指向について押しつけがましい質問をされたと述べた。
  5. トランスジェンダーの若者は病的に扱われ、相関する精神衛生上の問題が原因であると解釈された。
  6. 一部の患者は、携帯電話を使って同意なしに自分の写真を撮られたと報告している。
  7. 親がトランスジェンダーを受け入れず、シスジェンダーであることを望むことが治療の指針になった。

カナダ政府は昔から狂っているとは思っていたが、こんな常識的な精神治療をコンバージョンセラピーなどといって違法にするとは本当に狂っている。先ず1番から3番までは子供が異性だと言い張っている場合でも、大人がその子の性別にあった行動を躾るという意味で別に悪いことであるとは思えない。子供がどうしても嫌がった場合は別だが、特に子供が抵抗していないならそれでいいではないか?それでも子供が断固嫌がった場合には、その子は本当に性違和があると判断できるわけだから。

4番については、何かと子供にLGBTQ思想を押し付けようとしている現在の活動家の行動を考えると、ザッカ―医師を批判できるとは思えないが、彼は単に子供が同性愛の傾向があるかどうかを知りたかったのだろう。5番に関しては現在でもトランスジェンダーを自認する患者の多くが自閉症など別の精神疾患を持っていることが発見されており、ザッカ―医師が他の病気と性違和とを混乱しないように、より厳しい検査をしたというなら誤診を防ぐ意味でよいことだったのではないか?

6番に関してはもし本当であればあってはならないことだろう。

7番は、性同一性障害が病気であるとされていた時代だから(いまでもそうであるべきだが)、病気なら直すべきという考えで治療を行うのは当然の話だ。

リードはスティーズマの二回にわたる調査は、ある意味ザッカ―医師の調査よりも杜撰であったという。それというのも元々それぞれ53人と127人という少数のサンプルであったこと、クリニックへの通院を途中で止めてしまった人まで性違和が失った、もしくは脱トランスしたとして数えられていたことを指摘している。

確かに同クリニックに来なくなったからトランスジェンダーではなくなったと決めつけるのはおかしい。特に当時子供のトランスなど考えられない時代だったので、大人になってからトランスした可能性はある。

リードはもっと最近の正確な調査があるとして二つの調査結果を紹介しているが最初のは子供を対象にしたものではないので、ここでは省く。

二つ目の調査は子供のトランスを対象としたものなので意味はあるように思えるが、問題なのは、これは8歳から5年間にわたる調査だということだ。8歳から13歳ではまだきちんと思春期を終えていない。これでは子供たちが思春期を超えたら正常な大人になるかどうか未だ分からないではないか?特に13歳なんて思春期真っただ中。一番精神が揺れ動く時である。

悪いがこの二つの調査はザッカ―医師の調査を覆す根拠にはならない。

今現在、トランスジェンダーと言われる子供たちの年齢は年々若くなっていて、言葉も碌に話せない2歳児くらいから自分の子供はトランスだと言い張る母親が多くいる。ザッカ―医師のコンバージョンセラピーが悪い治療だと言っているトランス活動家は、これらの親たちによるトランス洗脳教育については何も言うことはないのか?

2歳児の子供がトランスだと言い張る親は、もうすでに自分の偏見で子供の洗脳を始めている。そしてジェンダークリニックのカウンセラーたちも性別肯定治療とやらで、患者が別の精神疾患を病んでいるかどうかという検査すらしない。子供がそう言ったからと即異性の恰好をさせ異性の名前で呼び異性のように扱う。

2歳児の時から毎日のように「あなたは女(男)の子なのよ」と洗脳された子供が10歳になって大人が強く薦める思春期ブロッカーを拒否することなどできるはずがない。この子たちには普通の大人になる選択肢が与えられていないのである。

考えても見てほしい。思春期ブロッカーや異性ホルモン投与が子供たちの身体に与える悪影響は計り知れない。これは不可逆的なものであり一生不能になるかもしれない危険な治療なのだ。もしザッカ―医師やスティーズマ医師の調査結果が間違っていたとしても、彼等の措置で子供たちが傷つけられることはないのだ。なぜなら両医師たちの治療法は、単に何もせずに子供が成長するのを待つというもので、危険な薬品を投与することではないからである。

だが、もしリードのような活動家たちが間違っていたらどうなるのか?本来なら健康に育つはずだった子供たちを一生薬漬けにする難病患者にしてしまうのだ。これが子供たちにとって良いことだなどと誰が考えることが出来るのか?

そしてこれが非常に大事なことなのだが、性違和のある子どもたちの治療が何故コンバージョンセラピーではいけないのだろうか?私がここでいうセラピーは昔同性愛者を異性愛者にしようとして電気ショックだの氷漬けだのといった拷問の話をしているのではない。子供たちに持って生まれた性を受け入れるように説得すること、性違和を失くすように治療することの何がいけないのだろうか?何故性違和を持つ人間の治療は患者を薬漬けにしたり身体を切り刻む整形手術でなくてはいけないのだ?

先ずそこから考え直すべきだろう。

アップデート:ツイッターで拾ったニュース。詳細はコメント欄参照のこと。

『脱トランス者のコミュニティ、10ヶ月たって45300人になっていた。そしていよいよ本場米国で訴訟が始まるというニュース。未成年トランス医療の医学的根拠をLGBTQ 活動家の介入を阻んで、客観的に検証した国はすべて中止しているのでそれが答え。』


1 response to 子供のトランス、思春期を越せば80%が普通に育つというのは神話なのか?

苺畑カカシ1 year ago

あとでちゃんとしたブログエントリーを書きたいけど、こちらツイッターで上がってきた脱トランスコミュニティーのニュースを紹介してくれているtarunynorzo🤺🩰🌼
@tarunynorzoさんのツイートから一部引用。

こちら去年の5月のツイート。

Redditのコミュニティは毎月2000人増え、恐らく今は2万人を超えていると思う。米国でも大人が気づき始め、大量の”カルト的発言映像”が日々拡散され、脱トランス者は次々に証言している。例え権力が介入しても親の口コミで拡散がとまらないと思う。選挙で培った草の根がある。大量の医療過誤訴訟がくる

親の怒りを甘く見すぎている。ものすごく怒っているんだよ。娘をペニス持ち男子と一緒のトイレやシャワーにいれられ裸を見られ、4歳の息子にマスタベーションを教えられ、挙句親の知らない所で名前を変え、思春期抑制剤とホルモン剤づけで乳房切除されマイクロペニスにされ、猛烈に怒っているんだよ。
生涯民主党員の政府機関で働いていたフェミニスト弁護士のダンスキーさんの先月の話では、民主党内でも気づいている人は増え密かに正しい情報の共有等々進んでいると。1年半前は「話を聞くのも嫌/迷惑」扱いされると言っていたから凄い変化よね。タッカーカールソンの番組をみ、AdultHumanFemaleのステッカーを持ち物に貼っていると。サンダーズの資金集め担当の凄腕女性もいると。

目の前で女性自認男性たちが次々要職を取っていくはリアトーマスが女子水泳で優勝するわなんだからやばさに気づかないはずないよね。あとは差別者の烙印を押す恐怖支配の程度問題なんでは。
それから大人たちは未成年への不適切なトランス肯定治療に対抗するために膨大な資料を集めた情報サイトをいくつも作っている。スウェーデンや仏はすでに未成年への思春期抑制剤やホルモン治療外科治療を中止している。実験的で身体嫌悪が治るわけでもないから、なのに遠藤まめたの団体などはまだ「一時停止、考える時間を与えるため」などと古い情報を振り回し未成年を集める活動に熱心で、一向に止めないでしょ?子供が心配なら一旦中止して調べるってものじゃないの?でも突っ走る。おかしくありませんか?

なんと昨日ついにアメリカで
『今日、NIHのトップは、バイデンや左派が推進し続ける、子供の思春期ブロッカーの適応外使用に関する長期安全性研究が存在しないことを認めた』

そして今日3・18・2023のツイート。
脱トランス者のコミュニティ、10ヶ月たって45300人になっていた。そしていよいよ本場米国で訴訟が始まるというニュース。未成年トランス医療の医学的根拠をLGBTQ 活動家の介入を阻んで、客観的に検証した国はすべて中止しているのでそれが答え。

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