アメリカでは8年くらい前(2015年)からジャズという女子を自認する少年のトランスジェンダーとしての生活を記録するリアリティーTV「I am Jazz(私はジャズ)」が放映されている。この番組は結構人気があり、エピソードを一度も見たことのない私でも彼の名前と顔は知っているほどだ。

私はこの番組を数年前にちょっとだけ観たことがある。まだ彼は12歳くらいだっただろうか。その時彼は母親に向かってスケジュールがきつすぎると文句を言っていた。彼はアメリカ初の子供トランス活動家として、あちこちで講演したりインタビューに答えたりしていたので、それが忙しすぎるという話だった。だいぶ昔のことなのでうる覚えだが、母親は「自分でやりたいと言ったんでしょ」と嫌がる息子に無理矢理講演をやらせようと説得していた。「言ってないよ、やりたいなんて」そして彼は母親に「ハッピーピルを頂戴」と言った。ハッピーピルとは精神安定剤のことだった。こんな子供が精神安定剤を常飲しているというのは普通ではない。

彼はその後思春期ブロッカーを摂取し女性ホルモンを経て、2年くらい前に去勢手術をした。思春期ブロッカーのせいで、彼のペニスは大人のそれのようには育たず、ペニスを裏返しにする手術には皮膚がたりず、最初の手術は失敗した。後にその失敗を直す手術をし、今はなんとか普通に暮らしているようだ。

しかし彼の精神状態はお世辞にも安定しているとは言えない。ここ1年ぐらいで鬱のためか食べ過ぎで体重が倍に増えてしまった。それまではまあまあ可愛かったのだが、今は完全に肥満体。時々ネットに上がってくる彼の最近のビデオを見ても、とても彼の大学生活は幸せそうには見えなかった。

そして今日またツイッターに上がってきた動画では、彼は母親に泣きながら、自分が自分だという気がしない、自分が自分だという気がしたことは一度もないと訴えていた。

なんという悲劇だろう。

トランス活動家たちは、性違和のある子どもにとって一番の治療は性転換だと言い張ってきた。子供の思いを肯定せずに治療を拒否すれば子供が自殺する恐れがあるなどと親たちを脅かして来た。だが子供のうちからトランスジェンダーとなった子供たちは、果たして大人になって幸せになれるのか?

それについてマット・ウォルシがこんなことを言っている。子供のトランスなどという概念そのものが新しすぎる。私が子供のトランスなんて話を聞き始めたのも2015年くらいが最初だった。だから子供時代にトランスした若者が大人になって幸せになっているか後悔しているかなんて今は未だ分からない。言ってみればトランス専門医たちは子供を実験台に使っているようなものだ。

2015年くらいから徐々に子供たちの間でトランスジェンダーになることがすべての悩みを解決できるという考えが広まり始めた。特にソーシャルメディアの発達で思春期の少女たちがトランスになることで人気者になれるとか、周りのみんなもやってる、などという浅はかな理由で不可逆的で危険な治療に及び始めたのだ。

また若い母親たちが、(特にちゃんとした男性パートナーが居ない女性)2歳児や3歳児をトランスだと言い張り、子供に危険な道を歩ませようとし始めたのもこの頃からだ。

最近になって、14~5歳から自分はトランスだと思い込み乳房を除去したり子宮まで摘出してしまった少女たちが20歳にも満たないのに、不可逆的な措置を取ってしまったことを深く後悔して涙で訴える動画を多く観るようになった。

この子たちが失くしたものを取り返すことは出来ないが、せめてこれ以上の犠牲者を出さないように、我々大人がしっかりしなくてはいけない。ただ、去年今年と共和党知事や州議会があちこちの州で子供の性転換治療を禁止する法律を通している。言ってみればこれは競争だ。トランスジェンダリズムの毒牙に子供たちがかかる前に全国でこの野蛮なプラクティスをやめさせる必要がある。これ以上の犠牲者を出してはならない。


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