大丈夫、汚い話はしません。

苺畑家では二年前の夏に風呂場のリモデルをした。古い家なのであちこちガタがきているが、得に風呂場の状態はひどかった。それでコロナ禍で在宅勤務が増えていたのを利用して風呂場全体の改築を行ったのである。その時に無論古いトイレも付け替え、下水パイプも新しいものに取り換えた。

便器のモデルは業者が勝手に選んで備え付けた。日本のようにスマート便器などないアメリカなので、私は便器など、どれも同じだろうと思って特に気を付けていなかった。ところがこれが大間違いだった。

リモデルをした業者は一番安物の便器を付けたらしく、座り心地もわるいし、便座を止めているネジがプラスチックですぐに緩くなり、座る度に便座が動く。また水を流すのがレバーではない大と小に分けた押しボタン式なのだが、小の方を推しても水圧が低すぎてきちんと流れない。結局大の方を推すか小を何度かおすかするので水は全く節約にならなかった。

しかしそんなことは大した問題ではない。トイレを新しくして一年半後、トイレが詰まった。昔のトイレは10年間使ったが一度も詰まったことはなかった。リモデルをした業者に連絡したが、すぐに連絡が付かなかった。トイレは何日も待っているわけにはいかないので近所の別の業者に来てもらった。

もし詰まっているのが便器の中とすぐ下のパイプのあたりだけならば、汚物を押し出せばすむことなので1万円程度でなおしてくれるという。パイプは取り替えたばかりだし、多分これは便器のせいだろうと思い、直してもらった。きちんと流れるようになったので満足していたら、半年後にまた詰まった。前に直してくれた業者をまた呼んで同じ措置を取ってもらったのだが、もしもう一度詰まったら、便器を取り替えた方がいいと言われた。そしたら案の定3か月もしないうちにまた詰まった。同じ業者が来てくれたが、一応、応急措置として掃除はするが、家の中と下のパイプは正常でどこも悪くない。もし便器そのものに問題があるのではないとしたら、家から外の下水道に繋がるパイプとの間で何か問題がおきている可能性があるという。便器は挿げ替えた方がいいとしても、その前にパイプの中を調べた方がいいと言われた。それで一応見積もりを書いてもらい、直す用意ができたら連絡してほしいと言われてその時は終わった。

トイレの買い替えはかなりお金がかかるので、どうしようかなあなどと思っている間におとといの夜、また詰まってしまった。ああ、これはついに駄目だなと覚悟を決めて業者を呼んだ。

家の下や外の状態を色々調べていた業者は、どうもパイプの位置がおかしいという。私も見せてもらったが家から外の下水道につながるはずのパイプが家の方を向いているのである。これでは水が外へ流れず家の方に逆流してしまう。

パイプの中にカメラを通して、私にも中を見せてくれたが、確かにパイプの中に水が貯まったままである。これでは詰まるのは当然だ。

「いったいどこの業者ですか、こんなひどい付け方するなんて」と呆れられてしまった。

「直せますか?」

「大丈夫ですよ。穴を掘ってパイプをきちんとつけ直さなければなりませんが。その後で詰まってる汚物も押し流す必要があります。」とひとつひとつを計算機で叩いていく業者のお兄さん。

「なんか大工事ですね、一日で終わります?」

「まあ、まだ午前中ですから、なんとか夕方までには」

「おいくらになるんでしょう?」

「そうですねえ、、、これくらい」

とみせてくれた数字を見て卒倒しそうになった。

  • 便器取り換え料、750ドル。
  • カメラでの検査料、150ドル。
  • パイプ挿げ替え料、1750ドル。
  • パイプ清掃料、350ドル
  • 合計3000ドル

ひょえ~、血圧が200ぐらいに上がりそう!

「前の業者に行って、お金返してもらうべきですね。これは本当酷いんで」

あ~あ、私ってどうしてこう業者選びが下手なんだろう。去年の夏に雇った庭師のアミーゴには散々お金を払った末、仕事途中で逃げられてしまったし、リモデルの業者の配管工は信じられないほどいい加減な仕事をするし。

この時期にこんな出費。あ~、脱力。

しかし下水というものは、問題があるのに放っておくというわけにはいかない。何しろトイレにも行かず風呂にも入らない生活などできるはずがないのだから。

ま、かなりの出費をしてしまったが、それでもこれで下水問題が解決したのであれば一安心。今後何年もこの問題で悩むことはなくなる。この家を売ることになっても水回りだけは大丈夫と太鼓判を押せることにもなるし。

家を買う人は本当に水回りの状況をきちんと調べた方がいいですよ。


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