先日からマンハッタンの高級ホテル、ワトソンホテルの前で50人以上の違法移民と警察官による小競り合いがはじまった。ニューヨーク市は自らを違法移民の聖域と名乗り、カリフォルニアやアリゾナやテキサスの国境を越えてやってきた違法移民の人気の行先となっている。それというのも、ニューヨークへ行けば違法移民は高級ホテルに泊まり三度の食事も無料でルームサービスを受けられ、ホテル内部の室内プールや子供の遊技場なども無料で使い放題だという噂が広まったからである。

実はこれ、単なる噂ではなく、実際にNY市は大量にやってくる移民たちを収容する臨時施設の建設が間に合わず、応急措置として一時的に移民たちを市内のホテルに住まわせていたのである。しかし先日やっと移民収容所が完成したため、ホテル住まいをしていた移民たちがそちらに移されることになった。ワトソンホテル前での小競り合いは収容所移転を拒否する移民たちと、それを煽る反警察の活動家らによって起こされたものだった。

市によれば、ホテル前の小競り合いを扇動しているのはカリフォルニアとニューヨークのコミュニティーオーガナイザーと呼ばれる活動家たちである。少なくともこのグループの一人がスペイン語で書かれた反警察のビラを違法移民たちに配っているのが確認されている。

エリック・アダムス市長は外部からの先導者はかえって移民の立場を悪くしていると批判。市の移民担当のマヌエル・カストロ局長は運動家たちは移民避難所が国外追放のための収容所であるかのように嘘をついていると語る。

ところでこのデモに参加してる移民たちは皆20代の若者ばかりで、およそ難民などではない。彼らはニューヨークの一等地にある高級ホテルからブルックリンにあるシェルターへの移動を拒否しているのである。そして、なんとシェルターにいくくらいなら野宿をしてやるといって、ホテルの前でテントを張って数日間寝泊まりデモをやっているのだ。

まったく違法移民の分際で何を勝手なことを!

この違法移民たちの態度に腹を立てているのは地元に長年住んでいるメキシコ人移民たち。彼らは何十年も前に正規のルートで移住し、賢明に働いてアメリカ市民として真面目に暮らしている人たちである。

「糞ったれだ!」とボンフィロ・ソリスさん43歳。「この違法移民たちは政府からのお恵みを求めていてすでに受け取っているものに感謝すらしない。こいつらは恩知らずだ。」

ソリスさんはモーニングサイドハイツで奥さんと四人の子どもと暮らす。家の改築業を営み二人の従業員を持つ。彼はNYに住んで30年。一生懸命働いて一度たりとも政府のお世話になどなったことはないと語る。しかし彼がワトソンホテル前の様子を見にやってきて、携帯で動画を撮ろうとすると、違法移民たちから邪魔をされ怒鳴られたという。傍にいた記者たちも同じように傘で邪魔をされたという。傘を使った記者への暴力はANTIFAの常套手段である。

私のアメリカでの最初の仕事はレストランの皿洗いでした。そしてウエイターに昇進し、その後建築現場で平の労働者から現場監督に出世したのです。

それなのに、何もしないですべて貰えると期待している奴らを見ると、頑張って仕事して良い未来を築こうとしている移民たちに失礼だ。

違法移民を一番嫌うのは正規のルートで入国して長年一生懸命に働いてアメリカ人としての生活を築いた我々合法移民たちである。

私も最初はレストランのウエイトレス、小企業の受付嬢、銀行の新規口座担当、重役秘書、エンジニア、と40年に渡り色々な苦労をして今に至る。リストラされて新しい仕事が見つかるまでの三週間失業保険をもらった以外は、政府のお世話になったことは一度もない。(失業保険も自分の給料から差し引かれていたのだから政府からのお恵みではないし)

それなのに、南米からやってきたばかりで五体満足の若者が、なにもしないでアメリカはニューヨークの一等地マンハッタンの高級ホテルにただで永久に泊まらせろと要求しているのだ。

確かにこれらの違法移民たちの図々しい態度には腹が立つが、こんなことになったのももとはと言えばニューヨーク市が自分らの市は違法移民の聖域であり、ニューヨークに繰れば移民たちは大歓迎されると宣言したのが原因だ。

大量にやってくる違法移民を受け入れる用意もないのに、国境沿いの州が移民受け入れを拒否しているのを批判して自分らこそが人権派だ、移民さんいっらっしゃい、とやったからこんなことになったんじゃないか。自業自得だ。

とはいうものの、ただでさえ治安悪化がひどいニューヨークで、さらに違法移民が溢れたら、いったいどういうことになるのか。NY市民はお気の毒なことである。


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