トランスジェンダリズムに関する社民党の不誠実な姿勢

今回の選挙に先駆けて、女性スペースを守る会が各党にむけてそれぞれの党がトランスジェンダリズムについてどのような見解を持っているかといアンケート調査を行った。それに対して社民党の村田しゅんいち候補らが送った回答が社民党の主旨にそぐわないものだとして大椿裕子らトランス活動家達が抗議文をツイッターで発表していたのでそれについてお話したい。

女性スペースは当初村田氏からの回答に関して、それが党の正式見解であるかという再確認をしており、それで間違いないという返答をもらったにもかかわらず、大椿氏らによる抗議文が発表された途端に、女性スペースへの正式な訂正文を出さないまま党のウエッブサイトにこのような説明を発表した。

選挙にあたり、さまざまなアンケートが届きます。党の基本政策をふまえ、職員やスタッフが対応することも少なくありません。質問された背景の事象に精通しないまま回答した内容が、適切でないものがありました。社民党内部での確認・調整不足との指摘は謹んで受けとめます。

 社民党はLGBTQ差別をはじめ、あらゆる差別に反対します。

よって女性スペースは「ここに、社民党が、女性ら選挙民に対し極めて不誠実な姿勢であることを指摘させていただき、結語とします。」と結論付けている。では先ずその質問の内容と元の回答から。他の党の回答は女性スペースのウエッブサイトをご参照のこと。

質1:「性自認」が女性であり身体が男性である人が、公衆の女性トイレに入ることについてどう思いますか?

ア 良い イ 良くない ウ わからない エ その他

社会民主党:イ・良くない

質2:「性自認」がじょせいであり身体が男性である人が、公衆浴場や温泉の女性風呂に入ることについてどう思いますか?

ア 良い  イ 良くない  ウ わからない エ その他

社会民主党:イ・良くない

質3:以上のような「性自認」の概念の法令導入と、女性スペースの問題について議論すべきだと思いますか?

ア 議論すべき  イ 議論しなくてよい  ウ 議論すべきでない  エ わからない  オ その他

社会民主党:ア・議論すべき

質4:「性自認」概念の法令導入が先行していたイギリスのボリス・ジョンソン首相が2022年4月6日、下記のとおり舵を切る発言をしたことは、貴党として把握していますか。

社会民主党:イ・知らなかった

質5:このボリス・ジョンソン首相の発言についてのお考えを、お教えください。また、「性自認」の法令導入について、現段階で、改めてお考えがあれば、お教えください。

社会民主党:率直な発言だと思います。まず、「性自認」の概念を議論することが必要だと考えます。共生社会を実現するために、ジェンダー平等は大切な課題です。

これらの質問やその回答は非常に常識的なもので、何に問題があるのか私には全く分からないのだが、大椿裕子並びに社民党内のトランスジェンダー活動家(TRA)達には気に入らなかったようだ。抗議文前の説明からして非常に攻撃的である。(以下強調はすべてカカシ)

トランスジェンダー女性がシスジェンダー女性に対する脅威であるかのように印象操作しトランスフォビアを煽る団体による質問に対し社民党が不適切な回答をした件に関し、社民党全国連合及び福島党首・大椿副党首に宛てて添付の通り抗議文を送付しました。

大椿らにしたら、そもそも「トランスフォビアを煽る団体」からのアンケート調査になど応じるべきではなかったということらしい。だが万が一答えるにしても、党内のTRAにお伺いを立ててからにすべきだったと言ってることから、彼らの権力が党内でかなりなものであることを示唆している。抗議文の中でも女性スペースへの敵意はあからさまである。

事実誤認に基づいた苛烈なトランスジェンダー差別に下記の通り加担し,同時に党の社会的信用を著しく毀損せしめた(特に村田しゅんいち候補に関しては,支持者にセクシュアルマイノリティ当事者やアライが多かったために,本件によって失った支持層の大きさは計り知れない.)ことに関してトランスジェンダー当事者である一党員として抗議し,原因究明と再発防止並びに党としての誠実な謝罪及び見解の公表を求める.  

女性スペースの質問は常々我々女性達が危惧していることに関して各党の考えを明記してほしいと言っているだけなのだが、大椿らに言わせると「質問の設定は恣意的かつ誘導的であり(略)トランスジェンダーに対する悪意が明確であること.性自認という一個人の同一性に関わる重要な概念を括弧で括ることによって,議論の余地があるかのように見せている」とある。大椿こそ「性自認」と言う概念がすでに確固たる概念として社会的同意が得られているかのような誘導的な発言をし「議論の余地はない」と断言している。TRAのやり方は常にこのように、自分らの考えがすでに王道であり常識であるかのように言い、議論すること自体が差別なのだと言い張ることだ。

それでは大椿らは女性スペースの質問にどう答えるべきだと考えているのか、

問1及び問4 ①については,身体の性別という,必ずしも絶対視し得るものではない概念を所与のものとして議論を展開していること.出生の際に割り当てられる性別はほとんどの場合において外性器の形状にのみ依拠しているものであるが,これは身体の性別という漠然とした概念を定義するのに足るものではないこと.如何なる身体が女性であるとみなされるかは,しばしば「健常な」白人身体を前提としてきたことを見落とすべきではない.その結果,トランスジェンダーを排除しようとして導入されようとする,あるいは既に導入されている規制はトランスジェンダー女性だけでなく,規範的でない身体を持つ女性に対しても加害的なものとなっている.すなわち,規範的でない身体を持つ女性は,トランスジェンダーではないだろうかという疑いをかけられ,そうでないことを証明するために屈辱的なプロセスを受けることを強要されうる。

トランスジェンダーの話をしているのに「規範的でない体を持つ女性」を持ち出してくるのも彼らの常套手段。男女の区別は「外性器の形状」のみで99.9%正確に判別できる。また彼らの言う「規範的でない身体」いわゆるインターセックスと言われるひとたちの身体も、最近の医学の発達により外見でそれと判別できる。インターセックスは生殖機能の発育段階が正常人と違うというだけで、男女の区別をつけることは可能であり彼らは戸籍もそれに合った性で生きている。トランスジェンダーの話のなかに彼らを巻きこむのは当事者達に対して非常に失礼で愚劣なやり方だ。

また女性の体が健康な白人女性を基本にしているなどというのはナンセンスだ。あたかも男性器のついている日本女性が居るかのような言い方である。それに男女の区別は性器の外見のみならず染色体でXXとXYの違いであることは白人だろうと黒人だろうと東洋人だろうと全く違わない。よしんば男っぽく見える女性が男性と間違われるようなことがあったとしても、身分証明書を見せれば済むことであり「屈辱的なプロセス」など伴わない。

では大椿らは女子スポーツにトランスジェンダーが参加することについてはどう考えているのか、

トランスジェンダー女性はテストステロン値が高い,あるいは高かったのであるからシスジェンダー女性と比較して身体的に優位であるとおいう主張がある.しかし,所謂男性器の有無というのはテストステロン値の高低と直接的な因果関係で結ばれていない.これは女性ホルモンの投与を継続的に行なっている場合,男性ホルモンを産生する器官が衰弱することによる.また,シスジェンダー女性においてもテストステロンは体内で生産されており,その量は個人によって異なる。

そもそもスポーツは一般的に「恵まれた」体格を持った個人が優れた成績を収めることを是とするものであるから,トランスジェンダー女性が不当に優位な立場にあり,したがってその権利を制約すべきであるとの主張は単なるトランスジェンダー嫌悪である。

ここまで非科学的なことをよくもまあ臆面もなく言えたものである。男性体が男性体たるのはひとえにテスタストロンの数値が女性の数倍であることから起きるのだ。二次性徴期にこのテスタストロンによって男性は骨格も、筋力も、内臓の大きさや活力まですべて影響を受けるのである。中学校の夏休みが終わったら身長150センチだったおおチビちゃん男子が180㎝のノッポになって帰ってくるなんてことは誰もが目撃したことのある事実である。個人差があるとはいえ、男子のテスタストロン生産値は女性のそれとは比較にならない。

スポーツにおける男子の優位性は、女子の個人の能力差程度で埋められるようなものではない。だからこそスポーツは男女で分けて来たのではないか。そしてそれに文句を言う人など誰も居なかったのだ。TRAなんておかしな思想が出てくるまでは。

大椿はまたトランスジェンダーと性犯罪についても、トランスジェンダーが女性と見なされる限り、女性への性犯罪被害を受ける可能性もあり、またトランスであることで暴力を振るわれる可能性もあるので、実際には女性よりトランス女性の方が性被害者になる可能性が高いという。またトランスをするのは身体的にも精神的にも大きな負担のかかるものであるから、わざわざ女子スポーツに参加するためとか、性犯罪をするためにトランスしようなどという人間はいないと断言している。

これらの屁理屈はイギリスやアメリカでトランス女性許容トイレや更衣室を作っても性犯罪なんて増えないと言い張ってたトランス活動家たちの言い分とまるで同じだ。

先ずトランスジェンダー「女性」がトランスだというだけで性被害を受けたり暴行を受ける率が高いというデータはない。よしんばそれが本当だったとしても、だから女子施設に入っていいという理屈にはならない。もしトランスジェンダーがそんな危険にさらされているというなら多目的トイレやオールジェンダートイレの増設を奨励すればいいではないかと思うが、それについても大椿らは、

多目的トイレは第一に数と設置場所が限られており,また第二にそれを使用することがアウティングとなり得ることを踏まえれば,この「提案」は全くもって現実的ではない。

女性にすべての犠牲を強いて、自分らは一歩も譲らないという態度がはっきりわかる。

大椿は多くの女性達が心配しているトランスなりすまし痴漢についても全く言及していない。そして諸外国ですでにトランスと公式に認められている男子たちが女子スポーツに参加して女子たちから勝利を奪い取っている事実や、女子施設で性犯罪を犯している事実も完全に無視している。

トランスジェンダリズムが未知のもので、その政策が社会に及ぼす影響が全く知られていないというのならまだしも、諸外国ですでに試してあちこちで大問題が生じているというのに、今更こんなお惚け論文をよくもいけしゃあしゃあと書けるものだ。

社民党が自分らのウエッブサイトで、女性スペースへの回答をしたことを謝罪していることから考えて、社民党内部におけるTRAの権力はかなりなものと思われる。

有権者の皆さまはそのことをしっかり踏まえたうえで投票におもむかれたし。

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以下抗議文全文

大椿ゆうこ著

トランスジェンダー女性がシスジェンダー女性に対する脅威であるかのように印象操作しトランスフォビアを煽る団体による質問に対し社民党が不適切な回答をした件に関し、社民党全国連合及び福島党首・大椿副党首に宛てて添付の通り抗議文を送付しました。 以下、スレッドでも文面を投稿します。

抗議文  2022年6月29日 社会民主党全国連合 御中 福島瑞穂 党首 大椿裕子 副党首 先般トランスジェンダー差別を主たる目的とする団体(同会)による質問に対して,当該質問を受けた党全国連合が従来の合意された見解と異なる回答をし,以て現在社会に広範に存在している。

事実誤認に基づいた苛烈なトランスジェンダー差別に下記の通り加担し,同時に党の社会的信用を著しく毀損せしめた(特に村田しゅんいち候補に関しては,支持者にセクシュアルマイノリティ当事者やアライが多かったために,本件によって失った支持層の大きさは計り知れない.)ことに関してトランスジェンダー当事者である一党員として抗議し,原因究明と再発防止並びに党としての誠実な謝罪及び見解の公表を求める.  

1.  同会の主張は極めてトランスジェンダー嫌悪的であることが広く知られており,また質問の設定は恣意的かつ誘導的であることから回答するのであれば最大限の注意が必要であったこと.

2. 第一に,問1については,質問の様式からトランスジェンダーに対する悪意が明確であること.性自認という一個人の同一性に関わる重要な概念を括弧で括ることによって,議論の余地があるかのように見せていること.

3.第二に,問1及び問4 ①については,身体の性別という,必ずしも絶対視し得るものではない概念を所与のものとして議論を展開していること.出生の際に割り当てられる性別はほとんどの場合において外性器の形状にのみ依拠しているものであるが,これは身体の性別という漠然とした概念を定義するのに足るものではないこと.如何なる身体が女性であるとみなされるかは,しばしば「健常な」白人身体を前提としてきたことを見落とすべきではない.その結果,トランスジェンダーを排除しようとして導入されようとする,あるいは既に導入されている規制はトランスジェンダー女性だけでなく,規範的でない身体を持つ女性に対しても加害的なものとなっている.すなわち,規範的でない身体を持つ女性は,トランスジェンダーではないだろうかという疑いをかけられ,そうでないことを証明するために屈辱的なプロセスを受けることを強要されうる。

同時に,これはしばしばトランスジェンダーに対する差別の文脈において提示される議論であるが,トランスジェンダー女性はテストステロン値が高い,あるいは高かったのであるからシスジェンダー女性と比較して身体的に優位であるとおいう主張がある.しかし,所謂男性器の有無というのはテストステロン値の高低と直接的な因果関係で結ばれていない.これは女性ホルモンの投与を継続的に行なっている場合,男性ホルモンを産生する器官が衰弱することによる.また,シスジェンダー女性においてもテストステロンは体内で生産されており,その量は個人によって異なる。

そもそもスポーツは一般的に「恵まれた」体格を持った個人が優れた成績を収めることを是とするものであるから,トランスジェンダー女性が不当に優位な立場にあり,したがってその権利を制約すべきであるとの主張は単なるトランスジェンダー嫌悪である。

また,トランスジェンダー女性がしばしば犯罪等の被害者となっていることも軽視できない.女性に対する性犯罪や性暴力が起きる時,加害者は当然,標的とする人物から採血し染色体検査を行ってその人物が女性であるか判断するわけではないのであるから,社会的に女性と認識されるのであればシスジェンダー・トランスジェンダー(ノンバイナリーも含む.)問わず女性に対する暴力の被害者となりうることは当然である.同時に,トランスジェンダーであることによるトランスジェンダー嫌悪の暴力にも晒されうるのであるから,ほとんどのトランスジェンダー女性は加害者である以上に被害者であると言って差し支えない.この事実を無視して,トランスジェンダー女性の中に一人でも犯罪者がいればトランスジェンダーの人口全体を犯罪者あるいは犯罪者予備軍として扱って良いのだとする言明は,単なる差別主義の発露であり賛同して良いものではない。

4.  トランスジェンダーにとっての,性別移行をするという極めて精神的・肉体的に負担の大きく,深刻な経験であり,したがって性犯罪を犯すために,あるいは女性スポーツに出場するために,シスジェンダー男性がトランスジェンダーになりすます蓋然性は著しく低いことを無視していること.。

特に移行の初期において,トランスジェンダーはしばしば好奇の目に晒され,あるいは拒絶される.この経験は極めて屈辱的であり,当事者に精神疾患を発症せしめ得るものですらある.自身が社会的に女性と認められていないという現実を突きつけられており、テストステロン値の高低と直接的な因果関係で結ばれていない.これは女性ホルモンの投与を継続的に行なっている場合,男性ホルモンを産生する器官が衰弱することによる.また,シスジェンダー女性においてもテストステロンは体内で生産されており,その量は個人によって異なる。

また社会に苛烈なトランスジェンダー差別があることを知っていて,トラブルに巻き込まれようものならまず主張を聞き入れられることはないという現実の状況をトランスジェンダー女性はよく知っている.蓋し,移行初期のトランスジェンダー女性が積極的に女性トイレを利用することは考えにくいし外性器の切除を受けていない状態で公衆浴場を利用することに関しても同様である。但し,トランスジェンダー女性の女性トイレの利用に関しては,現状存在していないものを認めるかどうかではなく,問題なく存在している人々を排除するべきかという論点であるから,さらに繊細な議論が要求される.

社会的に十分移行が進み,専ら性自認にしたがって生活を送っているトランスジェンダー女性にとって,男性トイレを使用することは単に現実的でないだけではなく,3で述べた通り性犯罪のリスクにも直結するものである.排泄の権利は全ての人に等しく認められることを鑑みればトランスジェンダー女性が自らと社会との関係性において適切なトイレを選択して使用する権利は,規制されるべきものではない.ここでしばしばトランスジェンダー排除のために活動する勢力はトランスジェンダー女性は常に(現在呼称が定まっていないが)多目的トイレを使用すべきだと主張することがある.しかし,多目的トイレは第一に数と設置場所が限られており,また第二にそれを使用することがアウティングとなり得ることを踏まえれば,この「提案」は全くもって現実的ではない。

5.  同会の質問でイギリスのボリス・ジョンソン首相による発言が引用されているが,イギリスの現政権はエリザベス・トラス外務大臣を筆頭にトランスジェンダーに対して差別的であると悪名高いこと.  

以上


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何故保守派に移行する左翼リベラルが増えているのか

本日スティーブン・ターリー教授がYTで紹介していたThe Turnというエッセーを紹介したい。これは左翼リベラルのエリートとして長年教鞭をとってきた男性が、徐々に自分は左翼リベラルではないと気づき、保守派に移行したという話で、今左翼に絶望を感じている人たちへのアドバイスでもある。著者はLIEL LEIBOVITZ (リール・リーボヴィッツ)。

リーボヴィッツ教授はニューヨーク大学(NYU)の教授。出身大学はアイビーリーグのお金持ちか頭のいい人しか行かれない有名私立校。教授は若い頃から左翼系の思想を持っており、左翼は善人で恵まれない人たちのことを思うと信じていた。時としてスターリンみたいな失敗例もあったが、だからと言って社会主義が全部だめだってことにはならんだろうと思っていた。ともかく過去や現在はともあれ、左翼思想こそが未来だと信じていた。

高校時代に社会主義に染まり、パレスチナ人と一緒にエルサレムでハンガーストライキをやったり、貧乏な学生のために学費を減らす運動に参加したりした。2000年代には物欲と戦争しか興味ない共和党に反抗するため、どんどん過激派左翼運動に加わるようになった。

アッパーウエストサイド(ニューヨークの裕福な地域)でのディナーパーティーなどでは、必ずブッシュ大統領を批判しタイムスの社説を称賛し、常に左翼系エリートたちの仲間であることをアピール。特に無理にやっていたわけではなく、それが正しいと思っていた。

仕事面でも恵まれ有名大学の教授になり、立派なオフィスもあてがわれ、左翼有名人たちとの交流も深めた。なにもかもが順調な左翼生活を送っていた。

そこに訪れたのがザ・ターン(転機)である。体験した者なら誰でもわかるが、その転機は突然やってきたわけではない。それは何か劇的なひとつの事件で起きるものではなく、少しづつ何か引っかかるようになり、そのうち何か居心地の悪さとなり、そしてそれがパニックに変わっていくのだ。

過去5年間、MAGAやアンティファやアイデンティティーポリティクスに囲まれコロナによる世界中の大混乱を経験し、自分のような人がどんどん政治的ホームレスになっていった。教授は本能的に民主党に助けを求めた。しかし自分がかつて読んでいた新聞や学校の入学案内は恐ろしいものになっていた。教授はがんばって左翼に何が起きているのだろうと説明しようとした。左翼は正しいはずだと自分に言い聞かせようとした。それが転機だ。

自分が転機を迎えているかどうかが解るのは、言論の自由はたとえ他人を不快にさせたとしても自由であるべきだと考えているのに偏狭者と思われるのが怖くてそれを認められなくなっている時、公共の健康対策に関してロックダウンの効果や学校閉鎖などについて疑問があるのに反ワクチン派と言われるのが怖くて口に出来ない時、町を焼き略奪するのが社会正義を奨励するのに得策ではないと感じているのに白人至上主義者と呼ばれたくなくて何も言えない時、テロ軍団が世界唯一つのユダヤ人国家を攻撃しているのに同僚たちがアメリカ国内で子供たちが死んでいるのを無視してフェイスブックやツイッターでイスラエルはアパルトヘイトだと言ってるのを見て何も言えない時。

もし君が心底心配していることを友達と共有したら、友達から絶交されるんじゃないかというむかむかした気分を感じているなら、もし君がちょっと息が苦しくていったい何が起きているのだろうと絶望的気分になっているなら、 残念ながら君は転機を迎えているんだ。

教授は自分がイスラエルを弁護したことで、仲の良い友達から厳しく冷たい口調で警告を受けたという。彼が真実を信じていたものがどんどん崩れ去っていくのを感じた。友達だと思っていた人たちが去っていくのも体験した。

もし左翼が道徳的であることをすべて「右翼」と呼ぶなら、右でいいのだ。

なぜなら今や右だ左だというのは意味のない言葉になってしまったからだ。政府が提供する独占を守るために国中で一番の金持ちから献金を受け取っておいて「金持ちに反対」なんかできない。自分と反対意見を持ってる人の発言を禁止して「言論の自由を支持する」ことなんて出来ない。肌の色で互いを戦わせて、自分の身体について選択する人から仕事を奪っておいて「民衆のため」になど働けない。アマゾンから物を注文し地域の小さな商店への影響を無視しておきながら「経済の不平等を真剣に」考えているなどとは言えない。政治に沿ってない科学説を認めないでおいて「科学を信じている」などとはいえない、人種で人を分けて判断しておいて「反人種差別者」にはなれない。違う意見の発言を許さないでおいて「統制に反対」などとは言えない。

今や、裕福なエリート層の党となり、国家警察が人種の分断をはかり、国家が言論弾圧をし、一般市民や憲法をおざなりにし、人々が何をし何を考えるかを逐一命令する、それが左翼だ。自分が左翼だというなら、そういう側に自分は居るのだと知るべきだ。

だから左翼が支持してるリストを見て自分に聞いてみることだ。これは自分か?もしその答えがイエスならいい。君は居場所を見つけた。だがもしその答えがノーであるなら、空っぽの言葉で自分を定義させてはいけない。出ていくんだ。そして一旦出てしまったら、誰にも自分を定義させるな。左翼レイシストや警察国家のファンじゃないことは白人至上主義者でもトランプ崇拝者でもない。そんな二元主義を信じるのは小さい子供か機械か熱狂的宗教家だけだ。

外にでて向こう側に行くと、自由を肌で感じることができる。無論立ち去ったことで失った友人やキャリアや失うものは多く苦痛だ。しかし自由よりエネルギーをあたえてくれるものはない。

英語だと「正しい」と「右」が同じ言葉なので、それにかけて教授は目覚めたひとたちに「the right sideにようこそ」と言っている。左翼たちが反科学的だ人種差別者だTERFだといくら我々を罵ろうが、我々にはもっと良い言葉がある。それは「自由」だと。

左翼から始まるひとというのは、そのおかしさに気付くのに時間がかかるようだ。リーボヴィッツ教授のように教養もあり頭もいい人が何故左翼思想に嵌ってしまうのだろうか?若い頃からずっと右翼保守の私からすると非常に不思議だ。

私はリベラルだったことはあるが、左翼だったことは一度もない。何しろ私が育ったころはソビエト連邦がまだ健在だったし、共産主義は心から憎んでいるから、どう考えても左翼にはなりようがないわけだが。

良識ある左翼リベラルの人なら、今の左翼の状況に絶望するのは当然だろう。そして今まで毛嫌いしていた右翼保守が、実はそんなに悪徳非道な人たちの集まりではなかったことに気付くだろう。リーボヴィッツ教授のいうとおり、そういう人が増えてくれるといいのだが。

Liel Leibovitz is editor at large for Tablet Magazine and a host of its weekly culture podcast Unorthodox and daily Talmud podcast Take One.

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ピューリサーチセンターによるジェンダー世論調査、急で過激なジェンダー政策に懸念の傾向

Tag:世論調査

今日見つけたアメリカのピューリサーチセンターによるアメリカ人のジェンダー見識に関する世論調査結果をご紹介しよう。

結論からいって、ほとんどの人はトランスジェンダーの人たちを差別してはいけないと考えてはいるものの、性転換医療を支持する人はそれほど多くなく、多くの人が急な速さで行われるトランス政策に関しても懸念を抱いていることが解った。

トランスジェンダー差別については、10人に8人までがトランスジェンダー差別はあると回答し、過半数が職場や住宅や公共施設の使用などにおいてトランスを守る法律は必要であると答えた。しかし同時に60%の回答者がジェンダーは生まれ持った性別によって定められるとし、2021年の56%、2017年の54%から増加している。

トランスジェンダーの受け入れについては意見が分かれており、38%が社会は受け入れすぎと答え、36%が十分に受け入れられていない、約1/4の人がちょうどいい加減だと答えている。トランスへの差別は存在すると答えた人のなかでも、過半数の54%がトランスの受け入れは行き過ぎかちょうどいい加減だと感じている。

ジェンダーがもって生まれた性では決まらないと答えた人は、トランスジェンダーが十分に社会で受け入れられていないと答える傾向にあるが、ジェンダーは生まれつき変わらないと考えている人たちの中にもトランス差別を是正する法律を支持する人は結構居る。そして約1/4がオンラインでのプロファイルに女子/男子以外の性別を加える選択肢を支持している。

性自認に関しては、若い人ほど許容する傾向があるが、政党支持者で分けると共和党よりも民主党が圧倒的に性自認概念を受け入れていることが解る。

性自認が生まれた性と異なる場合がある

  • 18歳から29歳:50%
  • 30歳から49歳:40%
  • 50代以降:31%
  • 民主党支持者:61%
  • 共和党支持者:13%

また、トランスジェンダーを社会が十分に認めているかどうかという質問に関しても十分でないと答えるのは圧倒的に民主党の方で(59%対10%)、行き過ぎていると答えた共和党支持者は66%だった。

トランスジェンダーに関するさまざまな政策の回答は次の通り。

スポーツは生まれつきの性に合った方に参加すべき

  • 賛成、58% (民主37%、共和85%)
  • 反対17%、
  • わからない24%

18歳未満の性転換医療提供は違法にすべき

  • 賛成、46%
  • 反対、31%

小学校におけるジェンダー教育は違法にすべき

  • 賛成、41%
  • 反対、38%

子供を性転換させる親は児童虐待で捜査されるべき

  • 賛成、37%
  • 反対、36%

無論これらの回答はどちらの政党を支持するかで極端な違いが生じる。下記は共和党支持者と民主党支持者の回答のちがい。赤が共和、青が民主。

自分の身体にあった方のトイレに入るべきだと答えた人が全体でたったの41%というのは驚きだが、共和党支持者でも賛成票がたったの67%というのはもっと驚く。やはりトランスジェンダー女性というのがどんな人たちのことを指すのか理解していない人が多いのかもしれない。

笑っちゃったのは、ジェンダーは生まれ付の性別で定められると答えた人も、そうでないと答えた人も、それを決める根拠となった大きな要素は科学であると答えた人が44%もいたということだ。どちらも科学的に正しいわけはないので、どちらかがおかしな科学を信じているということになる。

この調査で一番注目すべきなのは、ジェンダーは生まれつきの性で決まると思っている人の数が2017年の時よりも16%も増えたということだ。アメリカではトランスジェンダーに関する洗脳が物凄い勢いで行われているにも関わらず、ジェンダーとセックスは同じだと考える人の数が減らずに増えたということは非常に興味深い。

私はアメリカにおけるトランスジェンダリズムは今がピークだと考えている。左翼は常にやりすぎるのだ。多くのアメリカ人は非常に寛容だ。人が誰を好きになろうと、どんな服を着ようと、勝手にやって頂戴と思ってる。自分が女だと言い張る人がそういう生き方をしたいならそれもいい。ただ我々の生活に危険や迷惑を及ぼすようなことさえなければ構わないと思っている。しかし最近のトランスジェンダー活動家(TRA)たちの活動は目に余るものがある。

女性が女子空間で安全に過ごしたいと言うと暴力で脅迫したり、大の男が少女たちに交じってスポーツに参加したりして女子たちから栄光を奪っている姿を多くの人たちが目の当たりにするようになった。

TRAたちの強みは、人々が気が付かないうちにこっそりと色々な政策を通してしまうこと、企業や学校などでトランス洗脳を静かに行うことにあった。しかし彼らの行動が激しくなりあからさまになるにつけ、多くのアメリカ人たちが「ちょっと待ってよ、そんなこと聞いてない」となってきたのではないかと思う。

特に学校でドラアグクィーンの破廉恥なショーが子供たちにみせられたり、ハイヒールを履いた女装男がバイデン陣営の役人に何人も選ばれたりするのを見ていると、もしこれがLGBTQ+を受け入れるということになるなら御免被りたいと思う人が増えるだろう。

TRAがアメリカよりもずっと先に力を得たイギリスでは、今まさに保守派政治家たちによって、その振り子が反対に振り始められている。アメリカも今しばらくの辛抱なのかもしれない。


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