コロナ禍のせいで公開が二年遅れた待望のトップガンの続編マーヴェリックが先週末公開されたので早速見て来た。いやあ、素晴らしかった!CGばっかりの安っぽい映画ばかり観て来たので、この現実的なフライトシークエンスは文字通り手に汗握る迫力だった。

前々から色々聞いていたが、先ずトム・クルーズという俳優はスタントも自分でやってしまうアクションスターとして有名だが、ファイタージェットの操縦もしたことがあるそうで、過去の映画でも小型飛行機やヘリコプターの操縦を自分でこなしていた。それで今回の映画でも現実味を出すために彼の指導のもとに、パイロット役の俳優たちは三か月間の厳しい訓練を受けたそうだ。飛行シークエンスをどうやってとったかの裏話ビデオはこちら。日本語吹き替え版

フライトシークエンスのアレンジもトム・クルーズのデザインであり、役柄でも彼がパイロットの指導員ということになっていたが、実際撮影現場でも彼が指導員だった。パイロットたちのコックピット内部での撮影は、実際に飛んでるジェット内部で撮影されたもの。離陸した時のショックとか振動やGによって圧力を感じる俳優たちの反応は単なる演技だけではないのである。

映画はオリジナルの舞台から30年後。海軍に30年以上も居るのになぜか全く出世せずにいつまで経ってもキャプテンの主人公マーヴェリックことピート・ミッチェルは、今はテストパイロットをやっている。そんな彼に今や海軍大将となった昔のライバル、アイスマンことザレンスキーからトップガンに戻ってこいという命令が来る。

何年ぶりかでサンディエゴに戻ってきたマーヴェリックだが、彼の新しい仕事は迫るイランでのミッションに備えてトップガンでもエリート中のパイロットたちを訓練することだった。そしてその中にはかつてのマーヴェリックの親友で彼との訓練中に命をおとしたグースの息子ルースターもいた。かつての父親そっくりに育ったルースターをみてマーヴェリックはショックを隠せない。

この映画は前半が若いパイロットたちの訓練に当てられ、後半は実際のミッションに当てられている。訓練といっても非常に危険な飛行を学ぶわけだから、訓練中に命を落とす可能性は大いにある。このあたりはハインラインのスターシップトゥルーパーを思わせる。

若いパイロットたちは、マーヴェリックが伝説のエリートパイロットであったことでそれなりの敬意は示しているが、30歳以上も年上の中年男に対する多少の見下しもある。だが、初日の訓練でいかにマーヴェリックが驚異的なパイロットであるかを生徒達は実感する。

グースの息子のルースターは未だにマーヴェリックを恨んでいるが、それは父親がマーヴェリックのせいで死んだということよりも、ルースターの身を案じて彼のトップガン志願から書類を取り下げたことに関して、ルースターのキャリアを4年間遅らせたことへの怒りの方が大きい。しかし、新しいミッションへの訓練を通じて、ルースターは何故マーヴエリックが彼のキャリアを遅らせたのか、だんだんと理解していく。

トム・クルーズはもうすぐ60歳というのに若々しくて物凄いバイタリティーなのだが、映画の中では無理な若作りはしていない。実際年季を積んだ中年パイロットという貫禄がある。彼が何年ぶりかに出会った昔の恋人ペニーとの再会も、中年男女らしい落ち着きがあって好感が持てる。

さて余談だが、私は観ていないが、二年位前に最初の予告編が発表された時、この映画の中国公開のために、わざわざマーヴエリックが来ていた父親からの遺品であるジャケットにあった日章旗と台湾の国旗が別の訳の分からない模様に変えられるという事件がおきた。しかし今回の公開時では二つの国旗はしっかりと復活していた。それというのも、中国共産党はトップガンがあまりにもアメリカの優れた軍事機能を誇示していることに腹を立て、製作費投資をしていたテンセントが手を引いたからということだ。

実際最近の中国は、ちょっとでも気に入らないとハリウッド映画の中国公開を拒む傾向があり、無理やり迎合してみてもいつ門戸を閉ざされるかわからないので、ハリウッド側も中国市場をあてにせずに国内と他の海外だけでなんとか成功させようという姿勢が観られるようになってきた。そういう意味で、この映画は大成功を収めたと言える。もう中国なんぞいつまでも当てにする必要はない。

こちら日本語吹き替え版の予告編

スタッフ 
監督:     ジョセフ・コシンスキー

キャスト
ピート・ミッチェル海軍大佐
  (マーヴェリック): トム・クルーズ
ブラッドショウ海軍大尉
  (ルースター):  マイルズ・テラー
ペニー・ベンジャミン: 
         ジェニファー・コネリー
セレシン海軍大尉
  (ハングマン):  グレン・パウエル
トレース海軍大尉
  (フェニックス): モニカ・バルバロ
フロイド海軍大尉
  (ボブ):     ルイス・プルマン
カザンスキー海軍大将
  (アイスマン):  ヴァル・キルマー
シンプソン海軍中将
  (サイクロン):    ジョン・ハム
ベイツ海軍少将
 (ウォーロック):チャールズ・パーネル
コールマン海軍准
  (ホンドー):バシール・サラフディン
ケイン海軍少将
  (ハンマー):     エド・ハリス
アメリア・ベンジャミン:リリアーナ・レイ

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