先ず第一に毎年銃は何百万という命を救っている。それは疑いがない。先ずはその事実から始めよう。マーリーがドアの釘のように死んでいるのと同じくらい確かなことだ

2021年、全国で1.67百万人が銃を使った正当防衛で命を救った。くらべて銃による殺人事件は2020年、19,384件だった。

そしてもう一つ、92%の乱射大量殺人は銃持ち込み禁止区域で起きていることも念頭に入れておこう。

カカシ注:数年前に私が集めた、こちらの資料もご参照のこと:ガンフリーゾーン(銃携帯禁止区間)は大量乱射を惹きつける – Scarecrow in the Strawberry Field (biglizards.net))

先日スティーブン・クラウダ―が銃犯罪に関する五つの間違った主張というテーマの番組をやっていたので、その番組のノートを読みながら、その五つの神話なるものを解説していきたいと思う。

神話その1:大量乱射事件はガンロビーのせいである: 

銃規制の話を始めると、必ずアメリカで銃規制が実現しないのは全国ライフル協会のようなガンロビーの影響力が取りざたされるが、クラウダ―はガンロビーは左翼が思うほど影響力を持っていないという。2021年、ガンロビーが使ったお金はたったの15.8百万ドル。SOURCE: OpenSecrets。この程度の献金は他の企業に比べたらスズメの涙ほどである。 SOURCE: OpenSecrets

  • 薬品会社 – $356.6M
  • エレクトロニクス – $179M
  • 保険会社 – $153M

神話その2:大量乱射事件がおきるのはアメリカだけである

もちろんそんなことがあるわけがない。私も以前調べたが大量乱射事件の頻度もその死亡者の数もアメリカはトップどころかずっと下位。下記は2018年のデータで、10万にあたりの死亡者の数 Statista

  • El Salvador 52
  • Jamaica 43
  • Lesotho 43
  • Honduras 38
  • アメリカUSA <5 FBI.gov

先日この事実をツイッターで書いたところ、紛争の中南米なんかと比べても意味がないという意味のない反論があった。しかし欧米諸国でもアメリカの乱射事件数はトップではな。: WorldPopulationReview

2009年から2015年までの百万人あたりの死亡数。

  1. Norway — 1.888
  2. Serbia — 0.381
  3. France — 0.347
  4. Macedonia — 0.337
  5. Albania — 0.206
  6. Slovakia — 0.185
  7. Switzerland — 0.142
  8. Finland — 0.132
  9. Belgium — 0.128
  10. Czech Republic — 0.123
  11. アメリカ合衆国 United States — 0.089 
  12. Austria — 0.068
  13. Netherlands — 0.051
  14. Canada — 0.032
  15. England — 0.027
  16. Germany — 0.023
  17. Russia — 0.012
  18. Italy — 0.009

アメリカ合衆国はこうした先進国の間でも11位の0.9人である。

神話その3: 常識ある銃規制があれば今回の乱射事件を防ぐことができた

日本の皆さんはアメリカには銃規制をする法律が全くないと勘違いされている方も多いかもしれないが、実はアメリカには多々の銃砲取締法がある。左翼はあたかもテキサスは無法地帯であるかのように言うが、そんなことはない。

テキサスにはすでに銃購入の際の身元調査が義務付けられており、USAToday、購入者はFBIの身元調査に受からなければならない。今回の犯人はその調査で受かって合法に銃を購入していた。 HoustonChronicle

そしてこれが大事なことだが、テキサスの学校区はすべて銃砲持ち込み禁止区間、いわゆるガンフリーゾーンとなっている。

神話その4:アサルトライフルこそが悪の根源

この話も私はツイッターで嫌と言うほどしたが、実はよくアサルトライフルと言われるAR-15による殺人事件は拳銃による事件よりもずっと少ないのだ。殺人事件の59%が拳銃によるものでライフルやショットガンなどによるものは全体の3%に過ぎない。

アメリカでは1994年にアサルトライフル売買禁止令が施行され、それが時間切れになるまで10年間続いたが、この法律は犯罪の減少には全く影響がなかった。それというのも法施行当時犯罪率はすでに下降の傾向にあり、2004年に廃止された後も減っていたことがわかっている。PEW

また銃弾を多く供えられるハイキャパシティーマガジンを規制すれば乱射事件が減るというのも正しくない。下記は高キャパマガジンを禁止している州。Giffords

  • New York
  • California
  • D.C.
  • New Jersey
  • Colorado

ご存じのようにこれらの州でも、ここ二か月で四つ者乱射事件がおきている。 

  • 先日起きたNYのバッファロー乱射事件
  • NYのブルックリン地下鉄テロ事件
  • カリフォルニアの教会乱射事件
  • ワシントンDC狙撃事件
  • Bridgeton, NJ
  • Boulder, CO
  • Four of those were just within the past couple of months. NYT NBC ABC6 DenverPost CNN NBC

そしてもちろんアメリカよりずっと銃規制の厳しいヨーロッパ諸国でも乱射事件はいくらも起きている。EuroNews EuroNews EuroNews EuroNews EuroNews EuroNews

神話その5: 憲法補正案第二条設立時にアサルトウエポンの所持は念頭になかった

これもよく聞く詭弁だ。憲法が書かれた当初、AR-15なんてライフルは存在していなかったので、銃所持の権利を保証する補正案第二条には含まれていないという屁理屈である。しかし建国の父が銃技術の発達を念頭にいれていなかったなどということがあるわけがない。

第二条にはパックル銃、ギランド二空気銃、ベルトンフリントロック、ペパーボックスリボルバー、そしてなんと大砲までも含まれていた。(The puckle gun, Girandoni air rifle, Belton flintlock, pepperbox revolver, and cannons))

それから以前にもご説明したが、憲法補正案第二条にある民兵の意味についての解釈は、軍隊や警察を指すのではないということだ。先ず補正案を読んでみると、

「自由国家の安全のためには統率された民兵が必要であるため、人々が銃を所持し携帯する権利は侵害されてはならない」

とある。 Congress.gov

ここでいう民兵とは一般市民を指す。一般市民も有事の時は民兵となる必要があるため、市民が銃を持つ権利は侵害されてはならないという意味なのだ。今ウクライナで起きている状況をみていればそれは明白なはず。

結論

こういう事件がおきる度に銃砲取締法を厳格化させる必要があるという声が上がるので、そういう意見と対抗するためにも、こうした事実をきちんと用意しておくのが賢明だ。クラウダ―が提供したソースには新しいものもあるし、私の持っているものと重複しているものもあったが、ともかく有益な情報が多くあると思う。

その他のソース:


1 response to 大量乱射事件に関する五つの神話を暴く

苺畑カカシ3 months ago

統計学者という人が私の書いたことには、穴がありすぎるという反論を頂いたので一応張っておこう。私に真偽を確かめるすべはないので、そのまま紹介しておく。
https://twitter.com/kenmcalinn/status/1531127662378369024

Ken McAlinn
@kenmcalinn
·
44m
実際に銃が正当防衛に役立つというエビデンスはないという論文はあります(https://sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0091743515001188)。なのでこれに反論したいならそれについてのエビデンスを示すべきですが、提示されませんでした。
sciencedirect.com
The epidemiology of self-defense gun use: Evidence from the National Crime Victimization Surveys…
To describe the epidemiology of self-defense gun use (SDGU) and the relative effectiveness of SDGU in preventing injury and property loss.Data come fr…
Ken McAlinn
@kenmcalinn
·
44m
神話1:NRAは政治献金が少ないので影響力がない。
これは米国政治を知ってるならでてこないコメントですね。NRAが政治力をもってるのはメンバーの数と投票力です。実際にNRAはロビー活動の結果としてここ20年以上銃に関するデータの収集、電子化、研究を阻害してきました(https://twitter.com/kenmcalinn/status/1529847735716827141)。
Quote Tweet
Ken McAlinn
@kenmcalinn
· May 26
Replying to @ichigobatakekak
そうでもなくて、NRAのロビーによってデータの電子化や収集が禁止されたり(https://ojp.gov/ncjrs/virtual-library/abstracts/access-denied-how-gun-lobby-depriving-police-policy-makers-and)、銃関連の研究のファンディングが阻止されてたりします(https://apa.org/science/about/psa/2013/02/gun-violence)。なので銃関連の研究は必要以上に大変、リスクが高い割にリワード(研究費)が小さいですね。
Ken McAlinn
@kenmcalinn
·
44m
神話2:乱射事件はアメリカだけ。
これは乱射事件と定義が曖昧なので単純比較できないですね。記事のソース(https://worldpopulationreview.com/country-rankings/mass-shootings-by-country)ではこのランキングの問題点を指摘していて(人口の問題でノルウェーが一件で一位だったり)、よりいい測り方だと米国が一位ですし、年ごとに見るとわかりやすいです。
Ken McAlinn
@kenmcalinn
·
44m
個人的には乱射事件はそれでもレアイベントなので若干のred herringだと思っていて、本来は銃により他殺、自殺のほうが大きい問題だと思ってます。
Ken McAlinn
@kenmcalinn
·
44m
神話3:銃規制によって乱射事件は防げる。
まずテキサスで身元調査が義務付けれられてるのは免許ベンダーだけで個人間やオンラインは身元調査がないです。そして統計的な問題をanecdoteで語るのは誤謬です。実際にARを違法化した結果、事件数は(トレンド以上に)減少してます(https://ojp.gov/pdffiles1/nij/grants/204431.pdf)。
Ken McAlinn
@kenmcalinn
·
44m
神話4:ARは悪の根源。
これも誤謬。ARは全体の問題の一部。数が少ないからと言ってどうという問題ではない。
Ken McAlinn
@kenmcalinn
·
44m
神話5:ARの所持は憲法で保証されてない。
法学者ではないのでそこまで言及しませんが、この解釈は2008年の判決以後だと理解してます。そもそもARをもったところで米国軍には勝てないので空論だと思いますが。
Ken McAlinn
@kenmcalinn
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44m
オーストラリアの件ですが、ソースが掲示板だったり全体的に統計、論理破綻が起こってたのでコメントするのがめんどくさいです。効果があったっていう論文はあるので(https://cdn1.sph.harvard.edu/wp-content/uploads/sites/1264/2012/10/bulletins_australia_spring_2011.pdf)、反論があるのならこの論文を反証する論文をもってくるか自分でしてください。

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